棟方愛海「夢から覚めて」 (22)


・モバマスss

・一部地の文有り

・非夢オチ

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棟方愛海「むにゃ……うひひ」

モバP「おい。疲れてるのはわかるが、いい加減起きないと事務所に泊まることになるぞ」

愛海「ふぇ?」

モバP「おはよう。今日もハードだったみたいだな」

愛海「おはよ……あれ!?プロデューサーのお山が平坦に!?あのそびえ立つ山脈はどこに!?」

モバP「おぞましいこと言うな」

愛海「あれ?その胸は……男のプロデューサー?」

モバP「俺が女にもなれるみたいに言うな。出来るか、そんなこと。お前もしかして胸で他人を判断してるのか?」

愛海「あ、判るのはあたしのプロデューサーと女性だけだよ?」

モバP「嬉しくない。全然嬉しくない」


愛海「ううっ、でも夢だったのか。あたしだけの、あたし専用のお山が……」

モバP「よほどいい夢だったんだな。内容は聞きたくないが」

愛海「本当だよ!痴漢にも暴漢にも一度も触れさせてない。そんな前人未踏のお山が、実質あたしだけの物だったのに!」

モバP「だから聞きたくないって言ってんだろ」

愛海「一緒にお山の道を極めようと言ってくれたのに……」

モバP「聞けよ」

愛海(そっか、夢か。夢、なんだ)


千川ちひろ「お疲れ様でした、モバPさん。あら、愛海ちゃんもお疲れ様。なにか暗い雰囲気ですが、どうしたの?」

愛海「あ、ううん。最近お山に挑戦する事への締め付けがキツいなって。もう生粋のファンしか揉めてないよ」

ちひろ「えっと、ほどほどにね?気をつけて帰って、ひあああっ!?」

モバP「なっ!」

愛海「あれ?」

モバP(ちひろさんが愛海の側を通り過ぎようとしたら、喘ぎ声と共に崩れ落ちた!?いや!)

愛海「この速さは、この力は……」

モバP(愛海がやったんだ!目端に捉えるのもやっとだったが、ちひろさんの胸を何度も何度も!)

愛海(間違いない!あたしの同志と、ううん。あたしの分も加算された、それ以上の力!)


モバP「愛海、お前いつの間にそれだけの……!」

愛海「あ、もう帰らなきゃ。門限きちゃう。でもその前に」

ちひろ「……っ!」

モバP「なんで気絶してるちひろさんの胸また揉んだ!?」

愛海「行き掛けの駄賃ってことで。じゃあお疲れ様ー」

モバP「あ、おい!」


愛海「うひひ。うひひひひ……!」

愛海(次の日からあたしは行動を開始した)

愛海(事務所内のお山を次々と踏破した)

愛海(さすがに倫理は弁えたけどね。具体的には年少組には手を出さないと言うか。成長を阻害しかねないし)

愛海(その分大人組には頑張ってもらった)

愛海(とにかくあたしには、もう怖いものは何も無かった)

愛海(それは力を手に入れたからじゃない)

愛海(一人じゃないことが、あのプロデューサーが近くに居る実感が、ここまで心強いことだったなんて)

愛海(だから、だから……!)


愛海「くっ!?」

木場真奈美「どうやってそこまで鍛えたかわからないが、少々お痛が過ぎたな愛海」

片桐早苗「お姉さん達も暇じゃないんだよね。地獄のレッスン受けるの、痛い目に合う前か後か位は選ばせてあげる」

愛海(……強い!流石最後の砦。年齢差による地力の違いなんかじゃなく、研鑽を積んだ者の強さ!)

愛海(対してあたしのは異様に身体に馴染んでいるとは言え、所詮付け焼き刃。それでも!)

真奈美「ではレッスンのための時間も惜しい。終わらせるぞ、愛海」

早苗「みんなもそれでチャラにしてくれるって話だから、大人しくしてよね?」

愛海(まだ詰んだわけじゃない!)

真奈美「なっ、凌いだ!?」

早苗「あ、こら!待ちなさい!」



真奈美「完全に見失ったか。参ったね」

早苗「あーもう!後は任せるしかない、か。でもモバP君だしなぁ」


愛海「なんとか逃げ切れた。やっぱり手ごわ、う、うあああっ!?」

愛海(か、身体中に引き裂かれる様な痛みが!?)

「やっぱりか」

愛海「プロデューサー!?なんでここに!?」

モバP「プロデューサーだぞ、俺は。……お前のその身体能力。鍛練の成果なんかじゃなく、後付けのモノだな?」

愛海「……わかるの?」

モバP「そりゃそうだ。……それでも今までお前は自在に使えていた」

モバP「それだけの潜在能力か、相性が良すぎるのか、はたまた欲望の一念か。だが」

愛海「あの二人だね?」

モバP「ああ。そこで限界を越えてしまった。あの二人に挑むということは、器の限界を越え続けるということ。その結果がどうなるかはわかるな?」

愛海「…………」


モバP「なあ愛海。さっきも言ったが、お前は度を越さなければその身体能力を制御出来る。だから日常生活も普通に送れるだろう。だから身体が出来上がるまで自重すればいずれ……」

愛海「それだけはダメだよ!」

モバP「どうして」

愛海「これはあたしが借りてるだけなの!だからあたしのモノにしちゃったら、例え泡沫の夢だったとしても、あの人と過ごした証が、あの人との誓いが無くなっちゃう!あたしはあの人とお山の頂点に登りたいの!」

モバP「…………」

愛海「…………」


モバP「……フゥ。真奈美さんと早苗さんはレッスン場に居るよ。俺が説得に成功すれば二人で、失敗すれば俺が一人で行くことになってるからな」

愛海「じゃあプロデューサー……!」

モバP「ああ、行ってこい。責任は取ってやる。他のアイドルに一緒に謝ってやる。だから必ず勝って帰ってこい」

愛海「うん!」

モバP「おい。なんでそこで俺の胸を掴む」

愛海「だってプロデューサーの盆地は踏破してないもん。……固いし揉みにくいし最悪だね」

モバP「そりゃそうだろ」

愛海「でも温かい」

モバP「そうか」

愛海「じゃあ行ってくる!」

モバP「おう、行っちまえ」


「おや、愛海だけが来たのか。観念したわけではないようだな、残念なことに」

「全く。お人好しと言うか、ある意味これも過保護と言うのか。どっちなのかしらね?」

レッスン場に入ってきたあたしを特に驚くこともなく見据え、二人は、真奈美さんと早苗さんはそんなことを言ってきた。
……あの人の全力を引き出した今ならわかる。あの二人は同様に、いやそれ以上に桁が違うと。
今まで何度も手を出そうとしたけど、あれがどれだけ手加減されていたか、向かい合うだけで理解できる。

「それではあまり此処を占領するわけにもいかない」

「ええ、とっとと終わらせよ?」

臨戦態勢に移る二人。それだけで冷や汗が出る。
どうすれば良い?どうすれば勝てる?どうすれば掴める?そんな言葉が頭を駆け抜け、そしてそんな自分にあたしは笑えた。
いつからそんな利口になれたつもりだ。
あたしは、棟方愛海はいつだってバカみたいにお山に挑んで、そしてバカみたいに痛い目を見てきた。
あたしがやることなんて、いつも通りバカみたいに前に、頂に挑むだけだ。
幸い戦力差は三対二。あたしには、二人の馬鹿な仲間が、全然似てないのに笑顔だけは瓜二つのプロデューサー達がついてるんだから!


「ぐっ、くううう!?」

「きゃあああ!?」

勝負はほんの僅かな差で着いた。
二人は崩れ落ち、あたしは立っている。つまり

「勝ったのは……あたしだっ!」

その事実を高らかに謳い上げた。

「手加減をしたつもりはないが、愛海の方が一枚上手だったと言うことか。私もまだまだだ、な……」

「スッゴい悔しい。この歳で負けなんて味わうものじゃないわね。次は負けないか、ら……」

その言葉を最後に、二人は意識を失ったみたい。
後はプロデューサーのとこ、ろへ……。

あれ、うまく立てない。床が近い。身体の力が抜けていく。非常事態だというのに、心は不思議と落ち着いてる。
そっか。あたしはもう……。

プロデューサー怒るだろうな。悲しむんだろうな。
……ねえ。あたしは頂を捉えられたのかな?

あた、し……は……



『ありがとう。ごめんなさい愛海』



愛海「あれ、生きてる」

モバP「死ぬわけないだろ。何度目だ。どんな新世代ヒーロー物だ。先ず光に譲れ」

愛海「ええ!?でもさ!」

モバP「どんだけ規格外の身体能力宿した気なんだよ……」

モバP「まあ身体に何の障害も、後遺症も残ってないのは意外だったな。即日退院出来るってさ」

愛海「そうなの?確かに前より身体の調子は良いみたいだけど」

モバP「で、お前はあの身体能力引き出せるか?」

愛海「ん、無理みたい。元々持ってなかった様な感じさえする」

モバP「そうか。なんと言うか、力と一緒に身体の悪いもん全部引き取ったみたいだな」

愛海「……あ」

モバP「やたら過保護と言うか、お節介焼こうとして失敗したと言うか。なんか人間くさい現象だったな」

モバP「……?お前泣いてるのか?」

愛海「あれ、本当だ。やだな、何も悲しいことなんか無いのに」


愛海「ねえプロデューサー」

愛海「あたし頑張るよ。トップアイドルになれるように。そしてお山の第一人者と認めてもらえるように!」

モバP「ここまでみんなに迷惑かけといて、そこは譲らんのか。いや、煽ったけどさ……」

愛海「うひひ。譲るわけないじゃん?」

愛海「だからこれからもあたしのこと見ててよね?」

終?


愛海「ところでなんでぼろぼろなの?」

モバP「今さら触れるのか……」

モバP「いや、お前が危ない橋渡ろうとしたのに、むしろ煽ったじゃん?だから大人組にめっちゃ怒られた」

モバP「あとアイドル達は今回だけ許すってさ。次は無いって」

愛海「え、やった!ラッキー!」

モバP「アイドル達は、な」

愛海「……へ?」


ちひろ「…………」

愛海「え、と。ちひろさん?笑顔だけど目が笑ってないよ?」

ちひろ「私は、ただ心配しただけだったのに、無理矢理手込めにされて……!初めてだったのに!」

愛海「な、泣かないでよ!とりあえず落ち着こう?ほら!あの時は力を制御出来なかったと言うか」

モバP「いや、気絶したちひろさんの揉んだだろ」

愛海「こら、プロデューサー!う、うわーっ!」

この後滅茶苦茶説教された


うん。なにこれ
一応下記の作品のパラレルな続編ですが、絶対求められた物じゃない
しょ、しょうがないんや!自分の濡れ場スキルは皆無なんや!自分は悪くない!悪くないぞ!
はい、ごめんなさい

見てくれた方に感謝を

千川ちひろ「愛海ちゃんがモバPさんの様子をずっと伺ってる」 - SSまとめ速報
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ヤバいミスった。
こっちです

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