商人「ではご注文の商品は納期までに納めさせて頂きますね」
領主「あぁ。よろしく頼むぞ。この戦争に勝つには大量の武器が必要だからな」
商人「承知してますよ領主様…それでは失礼します」
領主「うむ。では失礼する」スタスタ…
商人「さて…これでよしっと。お次は敵国にも山ほど武器を売りつけにいかないとな」ニヤ…
女勇者「また会ったな」
商人「これはこれは勇者様…偶然ですねぇ」
女勇者「偶然…ねぇ。なんか行く先々で会ってるような気がするけど」ジト…
商人「ははは…やだなぁ、気のせいですよ、気のせい。それよりお仲間の方々はどうされたんです?」
女勇者「みんなは宿で休んでるよ。私も買い物を済ませたら今日はもうゆっくりするつもりだ」
商人「そうですか。では僕もそろそろ宿に戻りましょうかねぇ」
商人「それでは勇者様…ご機嫌よう」スタスタ…
女勇者「…」
東の宿屋…二階客室…
女勇者「ただいま」スッ…
女賢者「おかえりなさい。何か分かりましたか?」トテトテ…
女勇者「いいえ何も。この国と隣国が戦争を始めた理由はまだハッキリとは分からないわ」
女賢者「そうですか…」
戦士「まったく…僕たちが魔王を倒したから世界が平和になると思ってたのにな」ハァ…
女賢者「今度は世界各地で人間同士の戦争が勃発するなんて…」
女勇者「はいはい愚痴らない愚痴らない。」
女勇者「その各地で起こってる戦争を止める事が今の私らの使命なんだからね」
戦士「まぁ、そうなんだけど…」
女勇者「それはさておき、またあの男に会った」
女賢者「あの男ってもしかして、商人さんですか?」
女勇者「あぁ」
戦士「この国でもか…これで三度目だね。僕たちの行く先々で必ず出くわすよね」
女賢者「まぁ商人さんは武器商人ですから、彼が紛争地帯に現れるのは当たり前と言えば当たり前ですよね」
女勇者「確かにそうなんだが……」フム
戦士「どうしたの?何か気になる事でも?」
女勇者「いや、何でもない。」
戦士「…?」
…コンコンコン…ガチャ…
メイド「失礼します。ディナーをお持ちしました」ペコ…
戦士「そういえば僕ら朝から何にも食べてなかったな」グゥ…
女賢者「今日は情報収集で忙しかったですもんね」
女勇者「では冷めない内にいただきましょう」
女賢者「そうですね。いただきます」
戦士「いただきます」モグモグ…
西の宿屋…三階客室…
エルフ「今日もいっぱい売れたねっ」ギュッ
商人「えぇ。結果は上々です」ニコ
ダークエルフ「良かったな商人。それより今日は疲れただろう。もう休んだらどうだ?」ギュッ
商人「そうしたいところですが今日中に伝票の整理をしておかないといけないのですよ」
ダークエルフ「しかし…!」
商人「心配してくれてありがとう。けど大丈夫ですから」ナデナデ…
ダークエルフ「べ…別にお前の心配などしておらぬ///」ピト…スリスリ…
エルフ「あー!ダークエルフちゃんだけず~る~い~!わたしも心配してるもん!」ムゥ!
商人「そうですね。エルフもありがとう」ナデナデ
エルフ「えへへぇ…」ニパ!
商人(あぁ…今日も事務作業がはかどりませんね…)
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