鈴谷「鈴谷と川内と、ときどき熊野」 (39)

深夜2時頃 横須賀鎮守府――


川内「はぁ……」

鈴谷「川内じゃん。まだ起きてたんだ」

川内「あれっ、鈴谷さん? そっちこそ、なんでこんな時間に起きてるの?」

鈴谷「鈴谷って夜型だし、いつも4時くらいまでは起きてるよ。川内は?」

川内「私はなんだか寝付けなくて。悩み事もあってね……」

鈴谷「悩み事? 鈴谷はどうせ暇だし、話くらいなら聞いてあげるけど」

川内「え? そんなの鈴谷さんに悪いって」

鈴谷「や、タダの暇潰しだから。それに、抱え込むよりは誰かに相談した方がよくない?」

川内「……そうかな。それなら、お言葉に甘えちゃおうかな……」

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~ 川内の部屋 ~


鈴谷「最近は深夜徘徊にも飽きてたからさー。話し相手ができて丁度良かったよ」

川内「それはいいけど、私の部屋で良かった? 単艦用の部屋だから狭くない?」

鈴谷「鈴谷の部屋は熊野が寝てるしね。日付が変わる頃には寝ちゃうから、熊野は」

川内「熊野さんか……羨ましいなぁ」

鈴谷「へ? 羨ましい?」

川内「私の悩みって正にそれなんだよ。私、姉妹艦とはもう随分会ってなくてさ」

鈴谷「川内の姉妹艦って、神通と那珂ちゃんだっけ?」

川内「そ。鈴谷さんは、最上さんや三隈さんに会えなくて寂しいと思ったことない?」

鈴谷「そりゃあ思うって。熊野がいる分、川内ほどじゃないけどさ……」

川内「あの子達にも色々あって、いま神通は呉、那珂は大湊にいるみたいなんだけど」

鈴谷「どっちもこの横須賀からは遠いね。異動でも無い限りは会えないかな」

川内「だよねぇ……でも異動申請は何度出しても却下されるしさ。はぁ……」

鈴谷「なるほど。でも鈴谷、異動が却下される理由は分かるよ?」

川内「えっ? ほ、ホントに!?」

鈴谷「異動を命令するのは提督なんだから、提督の立場に立ってみたらなんとなくはね」

鈴谷「川内はさ。自他共に認める夜戦バカで、実際、夜戦での活躍は相当なわけじゃん」

川内「いやぁ、そんなに褒めなくっても! 確かにMVPはよく貰ってるけど、へへ」

鈴谷「うわ、謙遜とか全然しないんだ……でも今回は、その活躍が裏目に出てるね」

川内「う……裏目?」

鈴谷「つまり、夜戦に限れば戦艦すら凌ぐ川内を、提督は手放したくないんじゃない?」

川内「え、そんな理由で!?」

鈴谷「そりゃそうだよ。提督だって、他の鎮守府より功績を上げたいに決まってるんだから」

川内「あ、そっか……仮にそうだとしたら、私、一生横須賀から出られないの!?」

鈴谷「どうだろ。何かきっかけがあれば、提督もイヤとは言わないと思うけど」

川内「そっか。きっかけかぁ……」

川内「でもちょっと希望が見えてきたかな。相談して良かった、ありがと、鈴谷さん」

鈴谷「いえいえ。じゃ、次は鈴谷の番だね」

川内「……なにが?」

鈴谷「そっちのお願いを聞いてあげたんだから、今度はこっちが聞いてもらう番でしょ?」

川内「そ、そんな約束だったっけ? 別にいいけどさ……」

鈴谷「やった! じゃ、格ゲーの対戦相手やってよ」

川内「お悩み相談の報酬がゲームの対戦相手って、なんか悲しいんだけど」

鈴谷「しょうがないじゃん、熊野は付き合ってくれないし。『ストリートファイター』とかね」

川内「あ、それなら私も駆逐艦達とよくやってたよ。バルログは割と使ってたかな」

鈴谷「え? 四天王って操作できなくない?」

川内「『無印スト2』!? 古すぎてやったことないよ!?」

鈴谷と川内は互いに夜好きで、かつ奔放な性格ということもあり、自然と馬が合った。

深夜に秘密の集会を行うようになり、室内では将棋にトランプ、ゲームに映画鑑賞。
室外では夜間の散歩やランニングなど、艦種の違いを越えて仲を深めていった。

それから、数週間後のこと――



熊野「ですから鈴谷も身だしなみを……そうですわ、今日の午後にでもエステに」

鈴谷「あ~はいはい、分かったってば。エステでも何でも……おっ、あれは」


 テクテク…


川内「あっ」

鈴谷「ちぃーっす」ニマッ

川内「どもっ」ニマッ

鈴谷「今日はどうする? ナニするぅ?」

川内「その言い方やめなってば、もー」

鈴谷「にひひっ」

川内「それより大本営に依頼した『PS』と『バイオハザード』、さっき届いたってさ」

鈴谷「マジ!? やるじゃーん! ってことは今日は……」

川内「夜戦だあぁぁぁぁ!」

鈴谷「やったー! こうなったらオールナイト覚悟だね!」

川内「夜戦には補給が必要だよ。午後から何か買いに行かない?」

鈴谷「鈴谷は『こんびに』のカレーがいい! チンするヤツ!」

川内「いいじゃーん! いいよねカレー、好きだな~!」


熊野「…………」

熊野「鈴谷。今日の午後は、エス……」

鈴谷「え? 何かあったっけ?」

熊野「…………」カチン

鈴谷「……熊野?」



熊野「とぉぉ↑おう↓ !!」

 ドンッ!


川内「いたっ!」

鈴谷「ちょっ、熊野!? どしたの、急に川内を突き飛ばして……」

熊野「なんですの! なんと言うか、これ……なんなんですの!?」

鈴谷「は?」

熊野「鈴谷ったら熊野を放って、そんな夜戦バカと親しげにして!」

川内「え、えぇ~……」

鈴谷「……落ち着いた?」

熊野「ふんっ」プンスコ

鈴谷「ごめんね川内。普段は熊野もこんなカンジじゃないんだけど」

川内「知ってるって。お洒落だし上品だし……たまに言葉遣いは悪いけど」

熊野「余計なお世話ですわ!」

鈴谷「もー、熊野ってば。鈴谷がなだめるなんて、これじゃいつもと立場が逆じゃん」

川内「……まあ、熊野さんの気持ちも分からなくないけどさ」

鈴谷「え……どゆこと?」

川内「私、一部の艦娘には疎まれてるから。瑞鶴さんとか阿武隈とか」

鈴谷「……夜戦夜戦ってうるさいから? 鈴谷、そんなの気にしたことないけど」

川内「みんながみんな、鈴谷さんみたいには思ってくれないってこと」

熊野「…………」

川内「熊野さんもそう。だから私が鈴谷さんと仲良くしてたら、気分は良くないだろうね」

鈴谷「そんなの気にしなくていいって。熊野がダダこねてるだけなんだから」

熊野「あら、熊野の精神年齢は駆逐艦並だとでも?」

鈴谷「そだよ、自分で分かってるでしょ。川内はバカだけど、さっきのはタダの逆恨みじゃん」

川内「『夜戦バカ』って言ってよ! 夜戦外すとタダのバカじゃん!」

熊野「……でも、二人きりで夜の集会なんて、不埒ですわ」

鈴谷「なんか勘違いしてるって。どうしたら納得してくれんのさ……」

熊野「……では、こうしましょう。わたくしもその集会に混ぜていただきますの」

鈴谷「え?」

川内「熊野さんが? やめといた方がいいんじゃ……」

熊野「やましいことをしていなければ断る理由も無いはずですわ!」

鈴谷「そうじゃないって。だって熊野、いつも12時くらいで寝ちゃうじゃん」

熊野「当然ですわ。夜更かしはお肌の敵ですのよ?」

鈴谷「だからこそ、途中で寝落ちするのがもう目に見えてるんだけど……」

熊野「熊野を甘く見ては困りますわ。その気になれば5時でも6時でも起きていられますの」

川内「そこまで言うなら……じゃあいつも通り、今日の23時に私の部屋でね」

鈴谷「……りょーかい」

熊野「承りましてよ」

その日の夜――


 『バイオ ハザァァァァァド』

熊野「キャアァァァァァ!!」

鈴谷「熊野、夜中だから静かにしてよ。夜戦夜戦ってうるさい川内よりうるさいよ」

川内「うわっ、私に飛び火したし……っていうか、まだ『スタート画面』なんだけど」

熊野「……声が怖いんですもの」クスン

鈴谷「熊野の金切り声の方がよっぽどホラーだよ」

川内「駆逐艦並の豆腐メンタルだね……」

川内「んむむ……じゃ、香車をここに」パチッ

熊野「はい、これで詰みですわ」パチッ

川内「え? えーっと……あっ、ホントだ。熊野さん、将棋強いね」

熊野「鈴谷、やりましたわ! 川内を一捻りで黙らせてやりましたわ!」

鈴谷「ああ、うん。おめでとう……」

熊野「やったやった! ふふん、ざまーみろですわ!」

鈴谷「熊野、言葉遣いが……」

川内「性格まで駆逐艦みたくなってるんだけど……」

鈴谷「ってカンジで、他の鎮守府の提督にナンパされちゃってさぁ」

熊野「……」うつらうつら

川内「やるねぇ~。でもウチの提督の立場も考えると断りにくいね、それ」

熊野「……」カクンッ

鈴谷「そうそう。で、その時たまたま通りかかった熊野が…………あれ、熊野?」


熊野「すぅ……すぅ……」


鈴谷「ありゃ。12時ジャストでキッチリ落ちたね」

川内「……もう艦種を駆逐艦にした方がいいよ、熊野さんは」

鈴谷「こんな性能高い駆逐艦いたら反則だけどね……」

翌日――


熊野「……昨日は面目ありませんでしたわ」

鈴谷「だから言ったのに。全然起きないから、鈴谷が部屋のベッドまで運んだんだよ」

川内「とにかく、私達はただ遊んでるだけだって分かってくれた?」

鈴谷「そーそー。何もやましいことはしてないって、ただワイワイやってるだけ」

熊野「それはそれで、除け者にされた気がしてイヤですわ!」

鈴谷「熊野って結構ワガママだよね……」

川内「それだけ鈴谷さんが、熊野さんに好かれてるってことだよ」

鈴谷「鈴谷と特別仲のいい艦娘が他にいなかったから、余計にかな……」

熊野「それで、今日も集会はやりますの?」

川内「そのつもり。今晩も来るんだったら、3隻いることだし『ドカポン』とか」

鈴谷「熊野が大泣きするのが読めるから『モンハン』にしとこうよ」

熊野「まあ、失礼ですわね。その『どかぽん』とやらで結構ですわよ?」


その日の夜。
案の定熊野が大泣きしたため、ドカポンは押入れの奥に封印されることとなった。


それでも懲りずに集会に参加する熊野を、鈴谷と川内も次第に受け入れ始め、
気が付けば3隻で夜更かしするのが日課となっていた。

そんなある日のこと――


鈴谷「ってことで、ゴメン! 今日の集会には行けなくなっちゃってさぁ」

川内「いいっていいって。明日の朝イチで出撃するのなら早く寝ないとマズイしね」

熊野「鈴谷は夜更かしが多すぎますから、たまにはよろしいのではなくて?」

川内「あはは、それは言えてるね」

熊野「夜戦バカのあなたが笑えた義理ではないと思いますけれども……」

川内「じゃ、今日の集会はナシだね。私と熊野さんだけってのもなんだしさ」

熊野「当然ですわ。騒がしいだけのあなたと二人きりなんて真っ平御免ですもの」

鈴谷「また熊野はそうやってつっかかるんだから……」

熊野「ふんっ」プイッ

深夜 川内の部屋――


川内「よしっ、今日の日報終わりっと。今日は昼戦だけだったけど悪くなかったなぁ」

川内「ここのところ、調子いいんだよねー。集会でストレス発散してるお陰かな?」

川内「さて、今日はその集会も無いことだし。私もたまには早く寝よっと」モゾモゾ

川内「あぁ~、今日布団干したばっかりだから気持ちいい~。おやすみぃぃ……」

 コンコン

川内「ん? なんだろ、こんな夜中に」

川内「鈴谷さんはもう寝てる頃だし、提督とかかな。どうぞー?」

 ガチャッ



熊野「…………」

川内「あれ、熊野さん。どうしたの?」

熊野「眠れませんの」

川内「はい?」

熊野「目が冴えて眠れませんの」

川内「あ~、夜更かし体質になっちゃったか。ずっと私達と一緒に遊んでたもんね」

熊野「そ、それで! 最近、わたくし『ブシドーブレード』に執心しておりまして」

川内「渋っ」

熊野「これは格闘ゲームなので。その、2隻でもできるのですけれども……」

川内「……熊野さん、メリハリは大事だよ。今日は集会しないって決めたよね?」

熊野「…………」シュン…

川内「…………」




川内「……よーし、夜戦だあぁぁぁ!」

熊野「! しょ、しょうがないですわね! 熊野が付き合って差し上げますわ!」パァァ

やがて、鈴谷の都合がつかない日でも川内と熊野は集会を行うようになり、
いつの間にか川内の部屋に入り浸る頻度は、鈴谷より熊野の方が多くなっていた。


熊野「ああっ、モンスターにつつかれていますわ! 助けてくださいな!」

川内「がんばれがんばれー」

熊野「見てるだけですの!?」

川内「『イャンクック』はソロで頑張ってみよう! ヘーキヘーキ、ヤバくなったら助けるから」

熊野「な、なんかもう、いっぱいですわ!」

川内「なにせ初心者の登竜門として『クック先生』なんて仇名がついてるくらいで……」


 【Kumanoが力尽きました】


川内「あっ」

熊野「…………うそつき……」

川内「ご、ごめん。よそ見してた……」

熊野「やっと倒せましたわ。これで装備が……ふわぁぁ……」

川内「へぇ~、熊野さんでもそんな大きい欠伸するんだ?」

熊野「うっ……す、鈴谷以外にこんなはしたないところを……」

川内「そろそろお開きにしよっか。眠い時に寝ないと本当に寝られなくなるし」

熊野「そう、ですわね……あふぅ」

 コテン

川内「えっ」

熊野「すぅ……すぅ……」

川内「早っ! ちょ、ちょっと、自分の部屋で寝てよ。おーい、熊野さーん?」

熊野「……すぅ……」

川内「もう爆睡してる。この自由さ、やっぱり鈴谷さんと姉妹艦なだけあるなぁ」

熊野「んんっ……ふぅ……」

川内「鈴谷さんの部屋まで運んだら、鈴谷さん起こしちゃうだろうし。どーしよ……」

翌日――


鈴谷「熊野、やるじゃーん」

熊野「は?」

鈴谷「昨日、川内と一夜を共にしたんだって? 同じ布団で抱き合って寝てたとか」

熊野「!? ち、ちがっ……あれは違うんですのよ!」

鈴谷「いやいや、隠さなくてもいいよ? もう皆知ってることだしねー」

熊野「え!?」

鈴谷「今朝、川内を起こしに来た吹雪が抱き合う熊野達を見て、うっかり広めちゃったみたい」

熊野「どう考えても故意でしょう、それは! あの子はまた余計なことを……!」

鈴谷「まあ大方、熊野が寝落ちして、川内が自分のベッドを貸してくれたんだろうけど」

熊野「ええ、まさに。あんな夜戦バカに面倒を見られるなんて、一生の不覚ですわ」

鈴谷「んふふっ」

熊野「……なんですの、その含み笑いは」

鈴谷「言葉の割には毒づいてる感じはしないけど? あの熊野がずいぶん変わったよね」

熊野「そんなわけないでしょう! 変なことを言わないでくださいな!」

鈴谷「そう? でももう分かってるよね? 夜戦バカだけど、川内は悪い子じゃない」

熊野「…………それは……」

鈴谷「姉御肌だし、夜戦も強いし、カッコいいし。いいトコもいっぱいあるんだってさ」

熊野「…………」

数ヵ月後――


鈴谷「鈴谷と熊野が、呉鎮守府に異動?」

熊野「しかも来週とは、ずいぶんと急な話ですわね」

提督「ここ数ヶ月で深海棲艦の攻撃が苛烈になっているそうでな。他にも数隻を送る予定だ」

鈴谷「鈴谷と熊野以外は誰が選ばれてるの?」

提督「航巡はお前達として、他はまだ検討中だ。何分、大本営からの通達が急だったのでな」

鈴谷「呉かぁ……それなら、一緒に連れていきたい艦があるんだけど」

提督「熊野以外でか? 珍しいな、他の艦に鈴谷が興味を示すとは」

熊野「鈴谷……?」

そして、異動の当日――


 ガタゴト… ガタゴト…

鈴谷「うえぇ……こんな小さいトラックに詰め込まれて移動なんて、ひどすぎぃ」

熊野「シートも固いし、お尻が痛くなってしまいますわ……」

川内「いっどう♪ いっどう~♪」

大井「そこの軽巡、狭くて暑苦しいんだから静かにしてなさい!」

阿武隈「だいたい夜戦でもないのに、なんでそんなに喜んでるのよ?」

川内「へへ~。呉には私の妹、神通がいるんだぁ」

瑞鶴「そうなの? 妹が姉よりマトモだったらいいんだけど」

川内「にしても、何で私なんだろ。提督は『他の艦娘の強い希望があった』って言ってたけど」

大井「この中の誰かが推薦したってことでしょう。夜戦だけなら鎮守府で随一ですもの」

瑞鶴「提督からその辺のこと、何か聞いてないの?」

川内「ううん、全然。提督はさ――」


提督「最初は鈴谷にお前を推薦されたのだが、やはりお前を手放すのは惜しくて却下したのだ」

提督「しかし、妹達に金輪際会えないかもしれない、というお前の境遇を聞いたある艦娘に」

提督「『あんまりですわ!あの子が不憫すぎますの!』と、泣きながら懇願されてはな……」


川内「って言ってたけど、誰かまでは教えてくれなかったんだよね」

熊野「…………っ」プルプル

鈴谷「あ、あはは……」

阿武隈「え、ひどくない……?」

瑞鶴「夜戦バカじゃなくて本物のバカだわ……」

熊野「し、しかし! こう狭い場所に詰め込まれては臭いがついてしまいますわね!」

鈴谷「ど、泥と汗の臭いがねー。この辺なんかヌメヌメするし……」

熊野「これじゃ、付けたばかりの香水が台無しですわ……」

川内「香水つけてたっけ? 熊野さんは付けなくてもいいと思うけど」

熊野「は?」

川内「ほら、このあいだ一緒に寝た時、すっごくいい匂いしてたし」

 ザワッ…!

熊野「ちょ……」

阿武隈「く、熊野さんって、やっぱりこの夜戦バカとそういう関係だったの……?」

瑞鶴「吹雪の言ってた話は本当だったんだ……」

大井「そうなると、さっきの提督の話も真実味を帯びてくるわね」

熊野「こ、この夜戦バカ、さっきから! 力尽くで黙らせますわよ!?」

川内「えぇ!? な、なんで私怒られてるの?」

鈴谷「あははは! いやー、川内といると退屈しないよね」

熊野「はぁ……呉鎮守府にはこの妹がいると思うと、目眩がしますわ……」

鈴谷「いーじゃんいーじゃん! 鈴谷はバカな子でも大歓迎だよ!」

川内「だからバカじゃなくて夜戦バカだってばぁ!」

熊野「いいえ、まごう事無きただのバカですわ! ふふっ、まったくもう……」



おわり

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