島村卯月「THE3名様」(108)
・アイドルがファミレスで駄弁ってるだけ
・とくに本家パロディという訳ではない
『島村卯月は個性が欲しい の章』
卯月「私ってキャラ薄いですかね」
凛「未央、そこの醤油とって」
未央「はい」
凛「これソースじゃん」
卯月「聞いてくださいよ」
凛「聞いてる聞いてる」
未央「急にキャラ付けしたり無理に個性作ったりしてもろくな事にならないって」
凛「そうだよ菜々さん見てみなよ」
未央「ウサミンとんだとばっちりだな」
卯月「でもこのままじゃ私、頑張りますしか言えない機械になっちゃいます」
凛「既にそんな感じじゃない?」
未央「たまには『もう頑張れません……』とか言ってみれば?」
卯月「一回それプロデューサーさんに言ってみたんです」
未央「マジで? どうだったの?」
卯月「心のお医者さんに連れて行かれました」
凛「事務所近くの精神科の先生、名医らしいよ」
卯月「この事務所の近辺、結構な数の病院ありますよね」
未央「アイドルって過酷なお仕事だよね」
凛「華やかな面だけじゃないからね」
卯月「『可愛い』『綺麗』『苦しい』の3Kですからね」
凛「夢を売る仕事は夢を見てられないんだよ」
未央「世知辛いアイドルトークはおいといてさ、しまむーの話に戻ろうか」
凛「卯月が個性を欲しがる話ね。もういい加減飽きたよねそういうの」
卯月「飽きたとかいうのやめましょう?」
未央「口を開けばキャラが薄いんじゃないかとか個性が欲しいとか」
凛「大体一般人にはそんな一目でわかるような個性の持ち主なんてそうそういないんだよ」
卯月「私一応アイドルなんですよ。一応一般人ってわけじゃないんですよ」
未央「そう言われても私だってそんな言うほど個性ないよ。『なんかこう……パッションー!』みたいなくらいしか」
凛「私も『なんかこう……クール!』程度なもんだよ」
卯月「それで言ったら私は『なんかこう……キュートー!』みたいな程度じゃないですか」
未央「充分でしょ」
凛「世の中そうじゃない人が大半なんだよ」
おいおい・・・乳首ロックじゃないだろうな
卯月「私の周りにいる人皆アイドルだから、可愛さは全員標準装備なんですよ。埋もれるんですよ私が可愛かろうが」
凛「贅沢だなあ卯月は」
未央「世の中のブス共から顔面握り潰されるよ」
卯月「他の皆が濃すぎるっていうだけの話な気もするんですけどね」
凛「変人だけを選んで集めてんのかってくらい変な人多いよね。この事務所」
未央「変人が一箇所に集まってるせいで変な磁場とか発生しそうだもん」
凛「プロデューサーも大変だよね」
未央「自分で集めてきてるんだから自業自得な感じもするけど」
卯月「この間酔った早苗さんと楓さんに絡まれてて大変そうでしたよ」
凛「それ仕事中の話だよね? 何してんのあの大人達」
>>5
なんでわかるの怖い
卯月「プロデューサーさんは仕事中でしたよ。プロデューサーさんは」
凛「尚更厄介だよ」
未央「両手に花でいいんじゃないかな」
凛「花は花でもダチュラかラフレシアじゃないの」
卯月「その様子を後ろでまゆちゃんがニコニコしながら見てました」
凛「両手にダチュラとラフレシア。そして後ろに彼岸花か」
未央「まぁ、ほら。まゆちゃんは何だかんだで他人が危なくなるような事はしないから」
卯月「だからこそ怖いっていうのがありますけどね」
凛「気付かない内にじわじわ外堀埋められて、気付いた頃には居場所がないって感じになってそうだよね」
未央「直接手を出されるより恐ろしい」
卯月「私もまゆちゃんみたいな感じにしてみましょうか」
凛「ちょっとやってみてよ」
卯月「プロデューサーさん、いつもお疲れ様ですっ! でも他の子ばっかり見ちゃダメですよ? ブイ!」ピース
未央「デレが加速してるだけのただのしまむーじゃん」
凛「ヤンデレっぽい要素があまりないんだけど」
卯月「このピースでプロデューサーさんの目を突きます」
凛「それはただの理不尽サイコ暴力女だ」
卯月「このキャラいけますかね」
未央「パクった個性でしまむーが満足するならそれでもいいと思うけど」
卯月「やめます」
凛「それがいいね。プロデューサーの眼球の為にも」
未央「何度も言うけど無理やり個性付けたところで、結局付け焼き刃なんだから後々苦労するよ」
凛「そうだよ菜々さん見てみなよ」
未央「ウサミン辻斬りすんのやめようよ」
卯月「内面から滲み出る個性を獲得しないといけないって事ですかね」
凛「卯月の内面から感じる個性ねえ」
未央「尻がでかい」
卯月「それ外見ですよね」
凛「いつもヘラヘラしてる」
卯月「言い方。笑顔とかニコニコとかあるでしょう」
未央「ザリガニ」
卯月「ピースの事ですか? それ私のピースの事言ってますか?」
凛「まぁ結論としては卯月にはもう卯月なりの良いところがあるって事でさ」
未央「そうそう。今更変に個性とかキャラとか探す必要ないって」
卯月「例えば?」
凛「可愛い……とか」
卯月「だからアイドルはみんな可愛さ標準装備なんですってば」
未央「笑顔が魅力的……とか」
卯月「笑顔が魅力的じゃないアイドルっています?」
凛「……」
未央「……」
卯月「……」
凛「あ、すいませんお姉さん。アイスコーヒーおかわりください」
未央「ハンバーグください」
卯月「ジャンボパフェください」
『島村卯月は個性が欲しい の章』 おわり
とりあえずここまで。ネタが浮かぶ度チマチマ更新しまする
『シンデレラガールズ・オブ・ザ・デッド の章』
未央「もし世界がゾンビで溢れたらどうする?」
凛「……」
卯月「……」
未央「例えばこのレストランの周りの人が全員ゾンビになったりしたら、二人はどうする?」
凛「ありえないからどうもしない」
卯月「そんなパンデミック起こりませんよ」
未央「もう。ノリ悪いなあ二人共」
凛「あのさ、私今肉料理食べてるんだよね」
未央「そんなの見ればわかるよ」
凛「馬鹿かお前は」
卯月「なんで急にそんな話を?」
未央「昨日ゾンビ映画観たんだよね」
凛「すぐ影響されるんだから」
未央「いやー、でも誰しもが一度は考えるじゃん?」
卯月「それ考える時何故か皆自分は生き残ってるって前提にしますけど、世界中がゾンビだらけになったら自分もゾンビになってる可能性のほうが高いですよ」
未央「それ言ったらおしまいじゃーん」
凛「第一ウイルスでゾンビになるんだとしたら、感染した蚊に刺されただけでおしまいだよ」
卯月「急激に広がったんだとしたら、空気感染する可能性も高いですね」
未央「私はそんな話がしたかった訳じゃないんだよ」
凛「じゃあどんな話がしたかったの?」
未央「もし世界がゾンビで溢れたら、うちのアイドルの中で誰が一番最初にゾンビになるかって話を」
凛「ろくでもないな」
卯月「妥当に幸子ちゃんじゃないですかね」
未央「『フフーン! ボクはゾンビになってもカワイイですね! うおああー……』とか言うのかな」
凛「言わないでしょ」
卯月「喋るゾンビってなんだかバタリアンみたいですね」
凛「よりによってバタリアンみたいなゾンビになったら幸子が不憫過ぎるよ」
卯月「あとはあれですかね。輝子ちゃんとかキノコ生やしたゾンビになりそうです」
未央「バタリアン幸子とキノコゾンビ輝子とゾンビ小梅のトリオでいけるね」
凛「142'sになにか恨みでもあるの?」
未央「小梅ちゃんなら大喜びだよ」
卯月「好きなタイプは死後三日くらいのゾンビでしたっけ」
凛「なかなかコアだよね」
未央「死後三日ゾンビの何が彼女を惹きつけるのかな」
卯月「腐り具合とかじゃないでしょうか」
未央「いい感じで肉が削げ落ちてたりするんでしょうか」
凛「だから私今肉料理食べてるんだって言ってんだよ」
卯月「あとは走るゾンビも好きらしいですね」
未央「ダッシュゾンビに関しては少し意見が分かれるよね」
卯月「走るゾンビが好きだっていう人もいれば、ゾンビはのそのそモゾモゾあうあうしてないとダメって人もいますしね」
凛「どっちが怖いかっていう話?」
卯月「怖さで言えば走るゾンビの方が絶対怖いと思いますけど」
凛「まぁ全力疾走で追いかけられたら、そいつがゾンビだろうがゾンビじゃなかろうが怖いよね」
未央「でも茜っちが『どうもゾンビです!! ボンバー!!!』って叫びながら追いかけてきたら?」
凛「不思議だ。怖くない」
未央「まあ走るゾンビか普通のゾンビかって話は、怖さっていうかゾンビとしてどうよ? って感じかな」
卯月「ゾンビものには熱狂的なファンが付いてますからね」
未央「ちょっと怒らせるとヤバいことになるタイプの人がいたりする」
凛「私達アイドルと同じだね」
卯月「それは思ってても言っちゃダメな奴です」
未央「とりあえず346の事務所内でゾンビパニックが起きたらどうなるかって考えてみたんだけどさ」
凛「考えなくてもいいって」
未央「みくにゃんとウサミンが真っ先にゾンビになりそうだなあって」
卯月「損な役回りは全部あの二人に振っとけばいいと思ってません?」
未央「やだな。そんな事少ししか思ってないよ」
凛「猫耳とウサ耳付けたゾンビは嫌だなあ」
卯月「ゾンビのみくちゃんが『みくはお魚食べられないんだにゃあ……』とか言うの、なんかシュールですね」
凛「それでバクバク人食われたらたまったもんじゃないよ」
未央「ゾンビウサミンが『その時、空から不思議な光が降りてきたのです』とか言ってくれるんだよ」
凛「その光はゾンビパニックを沈静化させるために政府が発射した核ミサイルの光とかでしょ」
卯月「日本じゃミサイルで街一つまるごと消すのは難しそうですね」
未央「きっと人権団体がゾンビにも人権はあるとか騒ぐんだよ」
凛「リアルにありそうだから困るよそれ」
未央「とにかく生き残るには武装するしかないわけじゃん。そこで早苗さんだよ」
卯月「あの人今はファッション婦警ですから実銃は持ってないですよ」
凛「公務員は副業出来ないからね。というか警察官引き抜いてアイドルやらせるってプロデューサーすごいよね」
未央「警察官って安定した職業捨ててアイドルになった早苗さんもなかなかだけどね」
卯月「しかも28歳でですからね」
凛「あの人は思考が色々飛んでる28歳児だから」
未央「うちの事務所、割と年長者におかしいのが多い気がする」
卯月「どうでしょう。分母が少ないからそう見えるだけであって、割と全体的におかしいのは多いんじゃないでしょうか」
凛「その話はやめよう」
未央「銃が無理となると……ダメだ。詰んでるな」
凛「早いよ諦めが」
未央「そもそもゾンビパニックなんて現実には起こらないから考えるだけ無駄無駄」
凛「おいこら言い出しっぺ」
卯月「もう皆仲良くゾンビになりましょうよ。その方が幸せですよ」
未央「案外ゾンビが新人類として君臨したりしてね」
凛「アイ・アム・レジェンドみたいだなあ」
卯月「そうなったらプロデューサーさんにゾンビアイドルの企画出してみましょうか」
未央「歌って踊れるゾンビは新しいね」
凛「嫌だよそんな匂いが気になるアイドル」
卯月「ダンスの最中にちょっと腕が落ちちゃうアクシデントがあったり」
凛「ねえ、いい加減普通に料理食べたいから少し黙っててくんないかな」
卯月「はい」
未央「はい」
『シンデレラガールズ・オブ・ザ・デッド の章』 おわり
今回ここまで。サマフェスLV行ってきたよ
俺はアニメのイベントを見に行ったはずなのにいつの間にか芸人集団のコントを見ていた
『ドリンクバーは遊び場ではない の章』
卯月「未央ちゃんどうぞ」
未央「なにこの暗黒物質みたいな飲み物」
凛「ドリンクバーで起きた悪ふざけの産物」
未央「食べ物で遊んじゃダメだってお母さんに教わらなかった?」
卯月「飲み物ですから」
未央「そんな小学生レベルの言い訳通用しないよ」
凛「後からみくが来るでしょ。みくに処理させようよ」
未央「私達はもう少しみくにゃんに優しくしたってバチは当たらないと思うよ」
卯月「でもやりますよね。いじり」
未央「好きだからね。みくにゃんが」
凛「粘着質な愛情だなあ」
卯月「とりあえず今日は何について話しましょうか」
未央「私達の今後について話しあおうか」
卯月「私達が住む部屋ですか? 間取りは3LDKがいいです」
凛「誰が同棲の話をした」
卯月「そうですね。まずは式の日程からですよね」
未央「うーん、突っ込みどころが多すぎるからボケのマシンガンパンチはやめてね。私達のプロジェクトの話ね」
凛「今現在解散の憂き目に合いそうなわけだけど」
未央「実際さ、常務から見たら怪獣キラリドンだの幽霊戦争3Dだのアホみたいな映画バカスカ作られたらたまったもんじゃないよね」
卯月「常務からしたら一旦プロジェクト全部白紙にもしたくもなりますよね」
未央「346プロの潤沢な予算使って何やってんだって言われても仕方ない」
凛「それにしたっていきなりあの物置小屋に突っ込まれるのはないでしょ。都落ちもいいとこだよ」
未央「都落ちするシンデレラなんて聞いたことないよ」
卯月「なにしたんですかね。都落ちするシンデレラ」
凛「浮気とか」
未央「そんなシンデレラ見たくねえ」
卯月「おまけに抱えてるアイドルも色モノ多数ですからね」
凛「ウサミン星人だとかお笑いだとか忍者だとか剣士だとか着ぐるみだとか眼鏡だとかサイキックだとか」
未央「そりゃバラエティに特化しすぎなんじゃねえかって言われるよね」
卯月「でもほら、ちゃんとバラエティ枠じゃないアイドルだっていますよ?」
凛「常務は正統派アイドル路線に持って行きたいって事だろうね」
未央「それもしょうがないよね。実際『これアイドルの仕事じゃねえだろ』っていうのやってる奴ばかりだもん」
卯月「それにしたって正統派部門とバラエティ部門で分けるくらいの感じが良かったです」
凛「どこぞのジャニーズだってアイドルらしい活動してるグループもいれば、無人島で農業やってるグループだっているもんね」
未央「うちのプロデューサーは笑顔を大事にそれぞれの個性を伸ばしたいって方針だけどさ」
凛「まあそれは良いよね。でもさ、他部門と協力しますっていうから誰が来るのかと期待したらアレだったのはどうよ」
卯月「てっきり楓さんとか藍子ちゃんとかが来るのかと思ったら、とんだ色モノ集団引き連れて来ましたからね」
未央「こいつらとどう協力すんだよって話だよね」
凛「今後私達もファラオとか太陽神とかやらされかねないよ」
卯月「せめて眼鏡で勘弁してほしいです」
未央「あっちの部門のプロデューサーは何考えてんのかな」
凛「多分私達のプロデューサー以上に個性を伸ばしていく方針なんじゃないの」
卯月「個性を伸ばすのと個性を暴れさせるのは違いますよ」
未央「もはや個性の暴力だもんなあ」
卯月「個性でファンを殴り殺すみたいなところありますよね」
未央「フリーダムにやらせんなよちゃんと『アイドル』としてプロデュースをしろ、と私は言いたい」
凛「まあシンデレラプロジェクトにはそんなに色モノらしいのはいないからさ」
みく「お待たせにゃ」
未央「いたようちにも色モノが」
みく「なんだいきなり。やんのかコラ」
卯月「みくちゃん飲み物どうぞ」スッ
みく「あ、ありがと……なんかこれドドメ色してるんだけど」
凛「ドリンクバーで色んなジュース混ぜて遊んでたらダークマターが出来ちゃってさ」
みく「なんでそんな劇物を飲ませようとするの」
卯月「誰も飲まないからもったいないなって」
みく「誰も飲まないなら、みくも飲まないからね? 水でいいにゃ。水で」
未央「あ、水ね。じゃあ今このコップの水をお皿に移すから待ってて」
みく「余計なことしなくていいにゃ。コップのままでいいから」
凛「我慢しないでいいんだよ? 猫らしくお皿からビチャビチャやりなよ」
みく「お前らちょっと大概にしとけよ?」
卯月「どうしてこのダークマター飲んでくれないんですか?」
みく「そんなドドメ色した目してドドメ色した液体差し出されても困るんだけど」
未央「私時々しまむーが本気で怖くなるんだよね」
凛「しっ。卯月さんに目をつけられるよ」
未央「あ、ごめんなさい島村さん」
卯月「大丈夫ですよ。私気にしてないですから」
みく「ニュージェネの嫌なパワーバランスを見たにゃあ」
未央「まぁ茶番はここまでにしとこうか」
卯月「そうですね」
凛「はいみく。お水」
みく「最初っから普通にやってよ疲れるから」
未央「それだとつまんないじゃん」
みく「つまるつるまらないの話じゃないの。疲れるの。みくが」
凛「ごめんごめん」
みく「で、なんの話してたの?」
卯月「プロデューサーさんが色モノアイドル引き連れてきたっていう話を」
みく「ああ。みくはいいと思うにゃ。やっぱりアイドルにキャラは必要でしょ」
未央「行き過ぎたキャラは身を滅ぼすと思うんだよね」
みく「でも卯月チャンとか『個性が欲しい個性が欲しい』ってよく言ってるでしょ。壊れたラジオみたいに。見習えば?」
卯月「私が言ってる奴とは方向性が違うんですよね」
凛「もっと自然な感じのがいいんだってさ」
みく「自然……きらりチャンみたいな?」
未央「まあ確かにきらりんのアレは自然っていうか天然っていうかそんな感じではあるけど」
凛「モノホンって事?」
みく「モノホンって言い方はどうかな」
卯月「確かにこのアイドル戦国時代の乱世に個性やキャラが大事っていうのは分かるんですけどね」
未央「振り切れすぎるのもどうかなってね」
みく「まあそこは各々落とし所を探っていくしかないにゃ」
みく「確かにキャラ付けとか濃すぎる個性を嫌う人はいるかもしれないけど、それと同じ数かそれ以上の数で好きになってくれる人もいるはずにゃ」
凛「流石プロジェクト随一のキャラ付けアイドルの言葉は重みがあるね」
未央「そうだよね。嫌う人達に合わせるより、好きになってくれる人達の方を大事にした方がいいよね」
卯月「確かにそうですよね……私なんか恥ずかしくなってきちゃいました。皆違ってて皆良いんですよね」
みく「そうそう。みく達はまだまだ新人なんだから、手探りで皆で協力して前に進んでいこうよ」
凛「綺麗に締まったね」
未央「よっ! 前川大明神!」
卯月「よっ! 346プロ期待の星!」
みく「ふっ……褒めたって何も出ないにゃ」ゴクリ
凛「あっ。みく、そのコップ」
みく「えっ? あっ。おごぷぁ」ドサッ
未央「みくにゃんがダークマター飲んでぶっ倒れた」
凛「何混ぜたの卯月」
卯月「秘密です」
未央「……今回私達が得た教訓は一つだ」
未央「ドリンクバーで遊んじゃダメ」
『ドリンクバーは遊び場ではない の章』 おわり
今回はここまで
特にアニメ設定じゃないけど、アニメネタはちょいちょいねじ込むぞ
『お遊びだから本気でやろう の章』
未央「暇だなあ」
卯月「暇ですね」
凛「暇だね」
未央「仮にもアイドルがこのザマなのはどうなんだろう」
凛「実際暇なんだから仕方ないよ」
卯月「未央ちゃん何か怖い話とかしてくださいよ」
未央「そういうのは小梅ちゃんのテリトリーでしょ」
卯月「じゃあ小梅ちゃん呼んで怖い話してもらいましょうか」
凛「いきなり呼びつけて『ちょっと暇だからお前怖い話しろや』とか言われたら流石の小梅もキレるよ」
未央「キレた小梅ちゃん見てみたい」
卯月「あの袖で首締められそうですね」
未央「『ゆ、幽霊の仲間入り……させてあげる……』とか言いながらギリギリ首を絞める小梅ちゃん」
凛「怖いよ。そんなベクトルの怖い話してどうすんの」
未央「普段絶対キレそうにない人がキレる所って見たくならない?」
卯月「『無理って言ってんですけど!? 森久保はそんなのやりたくねえって言ってんですけどォ!?』」
凛「乃々がそうなったらこの世の終わりだよ」
未央「クラスであまりいじっちゃいけないタイプの子を不用意にいじり過ぎてキレられたみたいな感じだね」
卯月「あの微妙な空気ってなんとも言えないですよね」
凛「越えちゃいけないラインは考えなきゃね」
未央「じゃあ仕方ない。私が怖い話するか」
卯月「やったー」
未央「昔々あるところにお爺さんとお婆さんが」
凛「その時点でもう違うよね」
未央「嫌だなしぶりん。ここから大量のお爺さんとお婆さんが入り乱れた惨劇に発展するんだってば」
凛「登場人物爺さん婆さんオンリーなの?」
卯月「期待してたのと違いましたね」
未央「じゃあ反対語ゲームでもする?」
凛「なにそれ」
未央「一人が言った言葉の反対の言葉を言っていくゲーム。『上』なら『下』ね。答えられなかった人の負け」
凛「へー」
卯月「『髪の毛』なら『ハゲ』とかですか」
凛「それはどうだろう」
未央「面白ければオッケー」
凛「適当なルールだな」
未央「じゃあ私からね。正常位」
凛「おかしいだろ」
卯月「異常位」
凛「それもおかしいだろ」
未央「しぶりんは文句ばっかりだなあ」
卯月「楽しむ気持ちを大事にしなきゃダメですよ凛ちゃん」
凛「君たちに説教されるのは甚だ不快だよ」
未央「それもこれも暇なのが悪いよ」
卯月「過度な余暇は人の頭を腐らせますね」
凛「凄まじい責任転嫁を見たけど、暇なのが悪いっていうのには同意」
未央「暇なせいで私達はここでダラダラと貴重な青春を浪費するしかないんだ」
凛「もっとアイドルの仕事が忙しくなったらこんな所でこんな事出来ないんだから、今のうちに楽しんどこうよ」
卯月「そうは言ってもファミレスでダラダラと寿命の無駄遣いをするのには精神的に辛いものがありますよ」
未央「わかった。じゃあこの一時を刺激的なものにしてみよう」
凛「つまり?」
未央「賭けをしよう。ギャンブル」
卯月「さっきみたいなゲームですか?」
未央「いやいや、今回は完全に運を天に任せるのだよ」
凛「ファミレスでそんな事できる?」
未央「賭けなんてのはやろうと思えば何でもできるんだよ」
未央「そうだな……次に窓の外を通るのは男か女か、とか」
卯月「この上なくシンプルですね」
凛「勝ったらなにがもらえるの?」
未央「勝利の二文字」
凛「この上なくいらない」
未央「まあまあ。ただし罰ゲームはあるよ」
卯月「なんですか」
未央「しまむーがドリンクバーで調合したダークマターを一気飲み」
凛「生命に関わることはやめようよ」
未央「お遊びだからこそ本気の覚悟で臨むんだよ」
卯月「一応人間が摂取しても問題ないものしか入ってないはずなんですけどねえ」
未央「ちなみにオカマが通ったら男としてカウントするよ」
凛「オカマが通る可能性はなかなか無いと思うけどね」
卯月「私は女にします」
凛「じゃあ私は男で」
未央「じゃあ私は女にしよっと。よーっしスタート!」
凛「……」
卯月「……」
未央「……」
卯月「誰も通る気配無いですね」
未央「そりゃそうだよね。人の少ない寂れた所にあるから、このファミレス使ってる訳だし」
凛「一応アイドルだからね。人目は忍ばないと」
未央「だめだ。賭けにならん」
卯月「刺激一切ありませんでしたね」
凛「いつもの日常に刺激的な事なんてあっても困るだけだよ」
未央「私達の茶色の青春に多少潤いがあればと思ったんだけど」
卯月「でも未央ちゃんの本気で遊ぼうという気概は受け取りましたよ」
未央「大人の方が遊びに本気だったりするものだからね」
凛「他人から見たらバカみたいなモノにジャブジャブ金を注ぎ込んだりね」
未央「ブーメランだ。逃げろ」
卯月「ソシャゲは子供のお遊びじゃないんですよ」
未央「そうだね。大人のお遊びだからね」
凛「遊びだから本気で金を使う」
卯月「何事も本気で取り組んでこそですね」
未央「あ! 人が来た!」
凛「え、ほんとに?」
卯月「男ですか? 女ですか?」
未央「あれは……」
凛「……お婆さん?」
卯月「いや……お爺さんじゃないですか……?」
未央「……どっちだ? え、ほんとにどっちだ?」
凛「時々いるよね。性別不明の老人」
卯月「人間ある程度年を経ると性別とか超越するんですよ」
未央「えー、賭けは不成立ということで」
卯月「仕方ないですね。性別不明の生き物が通ってしまいましたから」
未央「……じゃあ反対語ゲームでもしようか」
凛「それはもういい」
『お遊びだから本気でやろう の章』 おわり
今回ここまで
ちゃまPよかったね。これでちゃまP怒りのアクシズ落としは避けられたね
『部屋と園児服と私 の章』
卯月「……」
凛「……」
未央「……」
杏「……」
凛「……観た?」
未央「なにを」
凛「あの狂ったペドフィリア量産番組」
未央「ああ……観たよ」
卯月「私も観ました」
杏「杏も観たよ」
凛「あれ……あの……あれ……なんだあれ」
卯月「衝撃のあまりボキャブラリーが貧困になってますよ」
未央「気持ちは分かるよ」
杏「何考えてんだろうねプロデューサーは」
未央「小学生ならまだしも中学生に園児服着せるのはなあ」
凛「小学生でもアウトでしょ」
卯月「あれ確かいきなり園児服着ることになったらしいですよ。揃いの衣装があった方がいいとかで」
凛「良かった。これでプロデューサーが考えたとかだったら私はアイドル辞めてたよ」
未央「それは私のお家芸だ」
卯月「考えたの誰なんでしょうね。『揃いの園児服着せましょう!』って言い出した人」
杏「ヤバい奴が紛れ込んでるよ。346に相応しいアイドル云々の前にそういう危険因子を排除しようよ」
未央「いやでも純粋に園児服が好きなだけかもしれない」
凛「尚更危険因子だよそれ」
卯月「あれ常務はどう思ってるんでしょうか」
未央「常務があれみたら口から大腸が飛び出るよ」
凛「大腸まで飛び出たらもはや臓器総動員じゃん。もう全部出てるよ。身体の裏表が引っくり返るよ」
杏「それくらいの衝撃はあるよ」
卯月「どうするんでしょうねあれのせいで常務が尚更解体の意志を強固にしてたら」
杏「もし常務に『これで笑顔になるのは性的倒錯者だけだろ』とか言われたらぐうの音も出ないね」
凛「まぁあれで喜ぶ層は確実に一定数いるだろうけど」
未央「あえて小中学生に園児服を着せる事に喜びを感じる奴らはいるだろうね」
杏「どんな層に向けて知名度アップを狙ってるのさ。そんな新規層の開拓したくないよ」
未央「この狂った現代社会だもの。誰もが歪んだ性癖を抱えてるのさ」
凛「一般人に見えても心の中ではどんな欲望を秘めてるかわからないよね」
卯月「でも杏ちゃん似合うんじゃないですか。園児服」
杏「やめて」
凛「ああ、あの二人の次に似合いそう」
杏「やめろ」
未央「こりゃ次はとときら学園に杏ちゃん出演待ったなしだな」
杏「やめろや」
未央「いいじゃん杏ちゃんオナホールみたいな見た目してるし」
杏「ええと割り箸はどこかな」
凛「その割り箸をどうするつもり」
杏「未央ちゃんのヘソにねじ込む」
未央「また地味に嫌なことを」
卯月「お腹痛くなっちゃいますよ」
杏「仮にあの服を着させられるとしたら、杏は憤死するよ」
未央「出た。歴史で頻出するけどよく分からない死因ナンバーワンの憤死」
卯月「でもこの番組で知名度上げていくってプロデューサーさんが言ったからには、他の人達もこれから出ると思いますよ?」
杏「あれで上がるのは知名度じゃなくて恥名度だ」
凛「致命度とかでも可だね」
杏「杏は基本的に『何を着ようが自分は自分』ってスタンスだけど、限度があるよ」
未央「うーん。確かに他の子たちが着るとなると……」
卯月「かな子ちゃんとか美波ちゃんが着る所を想像するとなんかアレですね」
凛「もう犯罪だね。犯罪」
杏「BPOにしばかれる」
未央「確実に視聴者からいかがわしいビデオが地上波でやってると思われるよね」
凛「ピンク色の教材ビデオだと思われるだろうね」
杏「絶対に346のブランドとはそぐわない絵面が流されることになるよ」
未央「346ブランドの株が大暴落するね」
卯月「アイドル界のブラックマンデーですね」
杏「仮に高校生の園児服姿がブランドに沿うアイドルプロダクションだとしたら、そんなものは滅んだほうが世の為だ」
凛「果たして本当にこれを下地にシンデレラの舞踏会は成立するのかな」
未央「いやあ、きっと今はまだ力を溜めてる段階なんだよ」
卯月「これからバーンと来ますかね」
杏「バーンと来るのは妙な企画ばかりなんじゃないの」
凛「否定は出来ない」
卯月「ファラオ卯月だけは嫌です」
杏「そろそろ自分達が何をやらされようとしているのか落ち着いて見直す必要があるよ」
凛「アイドルって辛いお仕事だね」
未央「時には自分のプライドをドブに捨ててでも笑顔を振りまかなきゃいけないからね」
卯月「園児服を着ることによって何人の笑顔が曇るんですかね」
凛「皆の笑顔で企画をどうのこうの言う割には、皆大抵曇り顔してるよね」
未央「いやそんな事ないって。諸々の不可抗力で仕方なくだって」
杏「杏は働かない事を信条にしてるけど、今回のこれは絶対にやらないからね」
卯月「いやいや、そう言いますけど、結局やる羽目になるんですよ」
杏「嫌だ。私は働かないぞ」
凛「世の中には自分の力じゃどうにもならないうねりが存在するんだよ」
未央「流れ流され生きるしかないのさ私達は」
杏「もう少し自分の意志を持ったほうがいいよ」
卯月「なんだかんだ杏ちゃんは園児服着ることになりますよ。なんなら賭けてもいいですよ?」
杏「よーし受けて立つよ。杏は絶対園児服なんて着ない!」
『部屋と園児服と私 の章』 おわり
今回ここまで
敗北確定の賭けをさせていくスタイル。ウサミンの園児服はやく見たーい
未央「いっそ常務に着せようよ」
杏「やるなら一人でやってね」
『園児を演じた演者の怨恨 の章』
卯月「杏ちゃん園児服おめでとうございます」
杏「Fuck」
未央「こらこら」
杏「ファック」
凛「落ち着いて」
杏「ファック! ファック! ファァァァッック!」
未央「アイドルが公共の場でファック連呼しないの」
杏「園児服着せようと考えた奴の全身の穴という穴に飴玉を突っ込んでやる」
凛「そんな事したら身体中に蟻が寄って来るよ」
卯月「で、賭けの件なんですけどね」
凛「卯月はもう少し杏の気持ちを汲んであげようね」
杏「あんな恥辱を受けた杏にもう失うものはないよ。なんでもどんとこい」
卯月「ほんとですか? じゃあまず裸になってですね」
杏「待った。人としての尊厳だけはまだギリギリ持ってる。これだけは失いたくない」
卯月「えー。じゃあ服は着たままでいいので、とりあえずライオンの檻に入ってもらってですね」
杏「ごめんね。杏の言い方が悪かったね。命もまだ失いたくないんだ」
卯月「もう。わがままですねえ」
未央「容赦なさすぎる」
凛「杏、卯月に何かした?」
杏「何もしてないよ。いや、何かしたとしてもこの仕打ちはあんまりだよ」
卯月「冗談ですよ。ちょっと杏ちゃんを困らせようとしただけです」
杏「勘弁してよ。ただでさえ杏は今ナーバスになってるのに」
未央「しかし新たに加入した色モノ軍団も園児服着ることになってたね」
凛「一種の洗礼の儀式なのかな」
卯月「765の人達も園児服着させられてましたし、アイドルの通過儀礼なんですよきっと」
杏「結局皆あの格好をさせられることになるんだ。皆道連れだよ」
凛「常務側についておけばよかったかも」
未央「まさかウサミンまで園児服とはね」
卯月「ナナちゃんも『こんな事になるならおとなしくウサミンやめておけば良かった』とか思ってるかもしれないですね」
未央「そもそもウサミンやめるってどういう事なんだろうか」
凛「ウサミンという存在が一気に哲学になったよね」
杏「人間やめるみたいな事なんじゃないの」
卯月「でも杏ちゃんコーナー持てたじゃないですか」
未央「ああ。あんきランキングね」
杏「嫌だよコーナーなんてめんどくさい」
凛「きらりと一緒で楽しいんじゃないの?」
杏「それはそれ。これはこれだよ」
未央「杏ちゃんとしてはコーナー終わって欲しいの?」
杏「きらりだけが続投すればいいよ。杏はやめる」
凛「あんきランキングなんだから杏が抜けたら意味無いでしょ」
杏「諸星きランキングとかでもいいじゃん」
未央「語呂悪いよ」
卯月「どんな事のランキングやるかとか決まってるんですか?」
杏「いや、ある程度までしか決まってないみたい。とんだ見切り発車だよ」
未央「杏ちゃんからお菓子のランキングとかにすればって言ったんだっけ?」
杏「リポーターは智絵里ちゃんとかな子ちゃんだからね。やりやすいかなって」
凛「仲間思いだね」
杏「まぁね」
未央「でもコーナーは終わらせたいんだ」
杏「まぁねー」
卯月「『346のアイドルで誰が一番シコれるかランキング』とかやったらコーナー終わるんじゃ?」
杏「コーナーどころかアイドル生命が終わるよ」
凛「偉い人が杏ときらりの凸凹コンビ感を気に入ったんだっけ」
杏「そうだよ。所詮見た目だけであって実力が評価されたわけじゃないんだ」
未央「うわ。なんかネガティブになってる」
卯月「みりあちゃんに慰めて貰ったらどうですか?」
未央「ああ、美嘉姉がもうあれ無しじゃいられなくなったっていう」
杏「なにそれ」
卯月「美嘉ちゃん良く、みりあちゃんに抱き締められてよしよししてもらうんだそうです」
杏「え、本当になにそれ」
凛「この世のものとは思えないほどの満足感を感じるらしいよ」
未央「美嘉姉、あれ一日一回やってもらわないと手が震えて仕事にならないんだってさ」
杏「もはや中毒じゃん」
卯月「最近は幻覚まで見えるようになったそうです」
未央「しばらくみりあちゃんと話してないと虚ろな目でブツブツ独り言呟きながら事務所内うろついてるもんね」
凛「莉嘉がよく『お姉ちゃんが家でエアみりあちゃんと喋っててうるさい』ってぼやいてる」
杏「なにやってんだよカリスマ」
未央「そんな訳でどうかな。みりあちゃんに慰めてもらうの」
杏「まだ廃人になりたくないから遠慮しとく」
凛「あそこまで重症になるのは美嘉限定な気もするけど」
卯月「カリスマ廃人ですね」
未央「じゃあどうするのさ。杏ちゃんの園児服によって刻まれた心の傷は」
杏「考えたやつの首を取る事でしかこの傷は癒せないよ」
凛「揃いの服なら普通の制服とかでよかったよね」
卯月「なんで園児服だったんでしょうね」
杏「趣味だよ趣味」
未央「考えた奴も考えた奴だけど、周りも止めろよ」
卯月「深夜のテンションで決めちゃったんじゃないですかね」
杏「そいつらの一時のテンションで杏は心に一生ものの傷を負ったんだよ。この償いは絶対にさせてやる」
凛「恨み深すぎでしょ」
杏「杏のPCの検索履歴見る? コナン君や金田一君も真っ青だよ」
未央「殺人はやめときなよ」
卯月「もっとこう、他にうまい方法がありますよ」
杏「例えば?」
卯月「社会的に殺す方向で……とか」
杏「言うのは簡単だけど、実際は簡単にできないよ」
凛「子供を利用できないかな」
未央「キッズアイドル達にハニートラップ仕掛けさせる?」
卯月「ああ、それなら潜んでる危険人物もあぶり出せますね」
凛「一石二鳥どころか三鳥四鳥、いや、きっとそれ以上いけるね」
未央「これだな。どうよ杏ちゃん」
杏「ファミレスでなんつう会話してんだ」
未央「杏ちゃんの為を思って考えてるのに」
杏「流石に子供たちを使うのは忍びない」
卯月「莉嘉ちゃん辺りならノリノリでやってくれますよ」
未央「みりあちゃんもやってくれるよ。みりあも殺ーるーって」
杏「下手したら貞操が危険だよ」
凛「あ、いいのがあるじゃん」
未央「なに?」
凛「卯月のダークマター」
杏「なんだそれ」
卯月「これです」スッ
杏「うわほんとにダークマターだ」
未央「なんでしまむーは常にこれ作って置いとくの?」
卯月「いざという時の為に」
杏「これなにで出来てるの?」
卯月「一応全部ドリンクバーの飲み物で出来てます」
杏「嘘つけコップの周りに死んだハエがいっぱいいるじゃん」
凛「コップから出てる瘴気にやられたか」
未央「なんにせよこれ飲ませたら完全犯罪だよ。成分はジュースだから」
杏「……とりあえずこれ貰って帰るよ」スタスタ
卯月「行っちゃいましたね」
凛「これでもししばらくして番組制作会社で変死体が出たら私達殺人幇助罪かな」
未央「証拠さえなけりゃ殺ってないのと一緒だよ」
『園児を演じた演者の怨恨 の章』 おわり
今回ここまで
多分次回くらいで終わる
>>1は昔けいおんとドラえもんのSS書いてなかった?
>>87
書いたことないなぁ
『会議は踊る、アイドルも踊る の章』
凛「……」モグモグ
卯月「……」モグモグ
未央「……」モグモグ
未央「……あれから7年か」
凛「……」
卯月「……」
未央「杏ちゃんが殺人罪でブタ箱に入れられ、私達も共犯でしょっぴかれてから7年だね」
卯月「シャバのご飯は美味しいですね」
凛「ファミレスだけどね」
未央「まさか本当にあのダークマターで殺るとは思わなかったよ」
凛「私達まで共犯で引っ張られるとはね」
卯月「日本の警察は優秀ですね」
未央「科学捜査の精度をナメてたね」
卯月「杏ちゃんはまだ出て来られないんですよね?」
未央「うん。まだ臭い飯を食ってるはずだよ」
凛「あと3年はシャバに戻って来れないんじゃないかな」
未央「7年も経てば色々変わってくるね」
凛「楓さんが31歳だもんね」
卯月「川島さんは今35歳ですね」
未央「二人共まだ現役アイドルだから驚きだよ」
卯月「そしてナナちゃんはまだ17歳だそうです」
凛「ウサミン星人はすごいなあ」
未央「時空の歪みを感じる」
卯月「そして犯罪者を出してしまった事によってプロダクション自体が解体に」
未央「各アイドル達は別の事務所に吸収されたそうだけど」
凛「皆今何してるのかな」
卯月「会いに行ったら軽蔑した目で見られるんでしょうか」
未央「想像したらキッツいなあそれ」
凛「どうする? きらりに『あなた達とはもう関わりたくありません』とか真顔で言われたら」
卯月「成長した莉嘉ちゃんやみりあちゃんに『誰ですかあなた?』とか言われるんですよ。蔑んだ目で」
未央「本気で悲しくなってきた。やめようこの話」
凛「あ、もうやめるの? 犯罪者になってから7年後の設定で話すごっこ」
卯月「未央ちゃんが唐突に始めたのに。私は結構楽しかったんですけど」
未央「ツッコんでくれるかと思ってたらノリノリで乗ってくるんだもん」
凛「縁起でもない事を言い出すのが悪い」
卯月「そうですよ。もし本当になったらどうするんですか?」
未央「流石にそれは大丈夫でしょ」
凛「世の中何が起きるかわかんないよ」
卯月「世界は私達の知らない事で満ち溢れてますからね」
未央「例えば?」
卯月「実は智絵里ちゃんはストレス解消の為に猫を虐待するのが日課だとか」
凛「あー、やってそう」
未央「ちえりんはそんな陰湿な事はしない」
凛「分からないよ。自分より弱い存在を虐めるのが快感だからって理由でやってるかもしれないし」
卯月「ああ、それっぽいですね」
凛「猫(前川みく)虐めとかかもしれないよ」
卯月「影で嫌がらせしてるんですよきっと。みくちゃんのロッカーにネズミの死骸入れたり魚入れたり」
未央「君たち一回ちえりんに四つ葉のクローバーで殴られてこいよ」
卯月「どういう状況なんですかそれ」
未央「四つ葉のクローバーを拳に装着した状態で殴るの」
凛「それただの鉄拳制裁じゃん」
未央「必殺クローバーパンチだよ」
卯月「そういえばクローバー、というかシロツメクサの花言葉は『復讐』らしいですよ」
未央「ぴったりじゃん。殴られてきなよ。一発と言わず五、六発くらいさ」
卯月「技名はチエリ・オブ・ヴェンジェンスとかだとかっこいいですね」
凛「じゃあ私は未央に黄色いユリを贈るよ」
未央「ほう」
卯月「その心は?」
凛「黄色いユリの花言葉は『偽り』『陽気』」
未央「やめてよ。なんか私の明るさが偽りみたいじゃん」
凛「私正直そんなに花言葉詳しいってわけじゃないからさ、未央のために一生懸命調べたんだ」
未央「努力の方向音痴過ぎるだろ。脳にGPS受信機埋め込んできなよ」
凛「せっかく調べたのに」
卯月「今さっきスマホでポチポチ調べただけですよね」
凛「まあそうなんだけど」
卯月「……」
凛「……」
未央「……」
卯月「あ、今一つ気付いたこと言ってもいいですか?」
凛「ダメ」
未央「嫌」
卯月「酷いです!」
凛「冗談だよ」
未央「何に気付いたんだいしまむー」
卯月「私達ってアイドルの割には外を出歩くときに全然変装とかしませんよね」
未央「そこに気付いてしまった?」
卯月「卯月の気付きです」
凛「そういうのいいから」
卯月「今のは卯月と気付きをかけた」
未央「いいよ説明しなくて。わかってるから」
卯月「そこそこアイドルとしての露出はあるはずなのに、街に出ても全く騒がれたりしないなあって思ったんですよ」
凛「私達が底辺アイドルって事だよ」
未央「逆だよ。私達くらいのレベルになると自由自在にアイドルオーラを隠せるようになるんだよ」
卯月「未央ちゃんの意見、採用です」
凛「現実見なって」
卯月「現実なんてこの世で最も見たくないものの一つですよ」
未央「最もなのに複数あるんだ」
凛「ちなみに他のは?」
卯月「ダンゴ虫の裏側とか両親のセックスとかですかね」
未央「幅広いなあ」
凛「それは私も見たくない」
卯月「……あ、もう一つ思いついたこと言ってもいいですか?」
未央「なんだい」
卯月「前に話した個性の話なんですけど」
凛「ああ……」
未央「なんだっけ。結局しまむーに個性は無いって結論で終わったんだっけ」
卯月「違います回答保留です。もしくはノーコンテストです」
凛「で、なんか新しいもの思いついたの?」
卯月「765プロの双海姉妹っていますよね」
未央「いるね」
卯月「彼女たちって双子じゃないですか。一時期二人で入れ替わりながら一人のアイドルを演じてた時期があるそうなんですよ」
凛「へえ。そうなんだ」
卯月「それの逆をやってみようかなって」
未央「……つまり一人で複数のアイドルを演じるって事?」
卯月「そういうことです」
未央「それは個性なのかな」
凛「ちょっとやってみてよ」
卯月「どうも。島村家十二人姉妹の長女、島村睦月ですよ。うふふ」
未央「あー、そうなるかあ」
卯月「島村如月です。まあ、なんでも、いいですけれど」
凛「それパクリじゃん」
卯月「うっうー! 島村弥生ですー!」
未央「それもパクリじゃん」
卯月「そして島村卯月です! ブイ!」ダブルピース
未央「なるほどね」
卯月「このダブルピースの4本の指が4月、つまり卯月を指しているわけです」
凛「そんな深い意味があったんだね」
卯月「そうです。決してザリガニリスペクトとかそういう訳じゃ無いんです」
未央「とりあえずその方式だと皐月水無月文月葉月長月神無月霜月師走と続いていくことになるけど」
卯月「そうですね」
凛「流石に十二人演じるのは大変じゃないかな。島村神無月は語呂悪いし」
卯月「良いと思ったんですけどねえ」
未央「正直適当な事言ってるだけだよね」
卯月「暇ですからね」
未央「暇だよねえ」
凛「暇だねえ」
卯月「……」
凛「……」
未央「……」
ヴーヴー
凛「メールだ」
未央「私も」
卯月「私もです」
凛「プロデューサーからだ」
卯月「こっちもプロデューサーですね」
未央「私のもだ。一斉送信だね」
凛「えーと……『もうすぐライブの準備時間です。またいつものファミレスに三人一緒ですか? 車で迎えに行きます』だって」
未央「あー、もうそんな時間かあ」
卯月「もうライブなんですねえ」
凛「暇な時間も終わったね」
未央「ライブ前にこんな所で何やってんだって感じだけどね」
卯月「精神統一みたいなものですよ」
凛「イチローのあれみたいなもんだよね」
未央「そんな大層なものじゃないと思うけどなあ」
卯月「私達はライブ前にファミレスでダラダラしないと最高のパフォーマンスが出来ないんですよ」
未央「どんなアイドルなんだよ」
凛「こんなアイドルだけど」
未央「でも確かに実際このファミレスいると心が落ち着くんだよね」
卯月「もはやここは私達の心の拠り所ですよ」
凛「とりあえず外でプロデューサー待ってようか」
未央「そうだね」
卯月「はい。すいませーん。お会計お願いしまーす」
『会議は踊る、アイドルも踊る の章』 おわり
完
以上で終了
オムニバス形式っぽくするとネタ切れで死にそうになると学んだ
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