タイトルにピンと来た人向け。
百合につき注意。
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会場
淡「ツモ!ダブリー嶺上開花ツモ表表裏4赤1、きっかり逆転!」
アナウンサー「決まったー!大将大星選手、オーラスで強烈な捲り!これでチームは五連勝です!」
かじゅ「ふう……お疲れ様でした」
淡「おつかれー」
穏乃「だー!また負けたぁー!」
淡「ふっふふーん、プロ百年生の実力を持つ私に勝とうなんて100年早いよ」
かじゅ「プロに学年が有るわけないだろ」
淡「物の例えだよ!これだから堅物は――あれ、そう言えばキョーコは?」
末原「あかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんめげるわ……」
穏乃「これあかんヤツだ……」
かじゅ「嶺上開花……インターハイのトラウマが甦ったか」
淡「あ、サキのこと?」
かじゅ「ああ、全国一万人の女子高生の前に立ちふさがった……」
穏乃「咲さんですか。懐かしいな……」
かじゅ「だから、プロにならなかったときは意外だった」
穏乃「私もです……てっきり咲さんもプロになると思ってプロ入りしたのに……」
かじゅ「因果なものだよ……こうして私がプロになっているというのに、宮永咲がプロになっていないとは」
アナウンサー「――では、感想戦に入りたいと思いますが……ってあれ?なんかしんみりした空気ですね?」
末原「さっき宮永のことで盛り上がってたところなんや」
穏乃「あ、立ち直った」
アナウンサー「宮永?」
かじゅ「ほら、さっきの和了……」
アナウンサー「ああ、宮永咲さんですか。確かにさっきの大星選手の嶺上は宮永さんを彷彿させましたからね」
淡「ホント!?やったー!遂にサキの背中が見えてきたよ!」
アナウンサー「端から聞いたら凄い発言ですよ……?プロがアマの過去の背中を追ってるって」
かじゅ「まあ、解らないわけじゃないさ。私達、一回も勝てずじまいだったからな……」ショボン
アナウンサー「プロになっていれば今頃、小鍛冶プロの再臨かって叫ばれてたかもしれない人ですから」
穏乃「そうですよ!実力でいけばあの時の私達より遥か先にいたんですから。あんまり気を落とさないで下さいよ、あんまり……」ショボン
末原「ってアンタもかい!」
かじゅ「はぁ……恐ろしくはあるがまた闘ってみたいものだ。今頃どこで何をしているのやら……」
末原「ま、それは兎も角として。今は感想戦や。しっかりせんと」
淡「……」
※
淡「お疲れ様でしたー」
咏「おう、お疲れさん。もうあがり?」
淡「お腹空いたからね」
咏「ふ~ん。じゃあ今から飲みに行かね?」
淡「うーん……今日はいいや。また誘って」
咏「了解っと。後、人前では敬語使えよ。知らんけど」
淡「はいはーい」
バタン
咏「まったく……解ってるのか、淡のやつ。それにしても……」
咏「私も一回打ってみたかったんだけどね、宮永咲……」
…………。
……。
帰り道
淡「~♪」
「おい、あれ大星選手じゃね?」
「マジだ……サイン貰えるかな?」
「ちょっと頼んでみるか……大星プロー!」
淡「ん?あ、もしかして」
「あ、やっぱり本物だ!」
「俺達、大星プロのファンなんですよ!サイン貰えませんか?」
淡「ファン!?いいよいいよ!幾らだってしちゃうよ!」
大星痰
「お、おう……」
淡「もう一枚いる?」
「いえ……なんかすいませんでした」
淡「?変なの。あ、私帰るから。またね~」
スタスタ……
「やっぱり大星プロって……」
「ああ、間違いない。アホの子だ……でも、あれで同世代だと実力はトップクラスなんだぜ」
「今のところ対抗出来そうなプロが……神代プロに、今は謹慎喰らってる照プロくらいかな」
「なんで天は二物を与えなかったんだ……あ、そういやさ。プロにはならなかったけど、もう一人無茶苦茶に強い人がいなかったか?」
「ああ、嶺上開花の使い手って、一時期はかなり有名になってたな。確か照プロの妹で、名前が……」
淡「……」ニヤニヤ
淡「~♪プリズム落とした~♪」
淡(みんな驚くだろくかな?三年前、大会を震撼させた嶺上の使い手が……まさか)
ガチャッ
淡「ただいまー!」
咲「お帰り、淡ちゃん。ご飯とお風呂、どっちにする?」
淡「サキー!」ギュッ
咲「もう…私じゃないでしょ」ナデナデ
淡(まさか私と同棲してるって知ったら)
これから語るのは
遠い昔話だ。
それは今も
きらきらと輝いている。
すいません、なんか投下してみたら分量が大したことなかった。
少し書き溜め作ってきます。
It's a wonderful life!
すいません、我に返ってエロ削ってたらこんな時間に……明日か明後日に投下します。
>>14
握手
投下
二年前 清澄高校
淡「来ちゃった……」
淡(全国以来サキに会えてなかったから衝動的に来ちゃったけど……迷惑だったかな……)ズーン
淡「ま、いいや。サキに会えるとも限らないし、こっそり顔だけ見て変えろ」
まこ「わりゃ、それゃストーカーの発想じゃ」
淡「あ、わかめ」
まこ「染谷まこじゃ!ったく……付いてきんさい」
淡「へ?どこに行くの?」
まこ「なんじゃ、咲に会いに来たんじゃないのか?」
淡「え、うん。そうだけど……」
まこ「咲は部活中じゃ。顔くらい見て帰りんさい」
淡「……!」パア
淡「うん!ありがとう、優しいわかめ!」
まこ「染谷まこじゃ!」
…………。
……。
咲「……」スッ
和「……」タンッ
優希「チー」シャッ
マホ「あ、ポンです」
淡(ねえ、わかめ)
まこ(まこじゃ。なんだ)
淡(部室まで連れてきてくれたのは感謝してるよ。お陰でサキも見れたし)
淡(でもさ、なんで天井裏から見ないといけないの?)
まこ(顔だけ見て帰るんじゃろ?)
淡(本当に見るだけなの!?)
まこ(しっ……この場所は以前和が咲を盗撮する為に作った覗きの間。気付かれるのはマズい)
淡(おのれピンクがぁぁぁあああ!私のサキを……)ワナワナ
まこ(それにこの場所なら咲の麻雀がよく見える)
淡(!?)
まこ(凄い勢いで穴を覗きおった……)
咲「槓」
咲 手牌
222m789p2223s 8p
暗槓 222p
淡(東初の親、8順目……三面待ちだけど三色は3ワンのみ。リーチしたら1-3-4sは出ないよね……ここからどうするんだろ?)
咲「リーチ」
222m7889p222s
暗槓 222p
淡(中ぶくれの8ピン単騎?確かに三色確定だけど……)
まこ(……)
12順目
淡(やっぱり引けない。それどころかピンクの七対子が追い付いた)
和(聴牌……しかし……)
3399m566p788s北 北
和(5ピンか7ソウが重なってくれれば良いものを……しかし、東初で逃げたくはありません)
5ピン、7ソウ
咲 河
北発4p3m東1m西9m3s(リーチ)2p9s7p
和(7ソウはリーチ牌の裏筋で切りにくい……となると、序盤で周辺の牌が切れてる5ピンでしょうか)タンッ
和「通りますか?」
咲「通るよ」ニコッ
和「はうっ」ドキューン
淡(はうっ)ドキューン
淡(……あれ?)
淡(そういえばリーチ一発目の2ピン、どうして槓しなかったんだろ?)
優希(起ち親じゃない上に聴牌出来なくて冷や汗だったじょ……でも、咲ちゃんの親リーに2ピンも5ピンも通った……2-5-8ピンの筋が安いじぇ!)
優希「これだじぇ!」
咲「ごめんね、8ピンはロンなの。裏裏で24000」
優希「じぇぇぇええ!?」
淡(あ……5ピンを出させて8ピンで打ち取る為の2ピン見逃しか……全国ではこんな風にやられたんだ……)
優希「2ピンで槓出来るならして欲しいじぇ。だったら8ピンも打たなかったのに……」
咲「ごめんね」
淡(あ……5ピンを出させて8ピンで打ち取る為の2ピン見逃しか……全国ではこんな風にやられたんだ……)
咲「ツモ。1000点オールの一本場」
優希「と、東場で跳ばされたじぇ……」
マホ「コピーする間も有りませんでした……」
和(咲さん素敵です!こ、これはもう告白して無理矢理既成事実を作って……よし、行きます!)
和「咲さ――」
淡「サキー!最高だったよ!」シュバッ
咲「へっ…淡ちゃん!?なんで天井裏から!?」
和(な、なぜ私が極秘裏に開発した覗きの間から大星さんが……はっ)
まこ「逃げるが勝ちじゃ」シュバッ
のどっち「その罪、死すら生温い」ダッ
淡「サキー」スリスリ
咲「あ、淡ちゃん?なんでここに?」
淡「咲に会いたくて来ちゃった」
咲「東京から?なんで教えてくれなかったの!?」
淡「あ……迷惑だった?」ウルウル
咲「急に来られてもお茶とご飯とパジャマとベッドしか出せないよ!」
優希「既に準備万端だじぇ!?」
マホ(淡咲キター!マホ、今夜が捗りそうです!)
淡「え?サキの家に泊めてくれるの?」
咲「泊まらないの?」
淡「と、泊まる泊まる!」
淡(サキ……)ダキッ
まこ「キングクリムゾン!」
のどっち(くっ……流石は染谷先輩。一筋縄では勝てません……ここは咲さんへの愛を力に変えて……)
咲「じゃあ、ちょっとスーパーに寄らないといけなくなったから先に帰るね」
優希「お疲れ様だじぇ」
マホ「ご馳走でした!」
のどっち「……」ジー
淡「サキっていい匂いがするよね」
咲「恥ずかしいからほどほどにしてね」
淡「え、嗅いでいいの?」
咲「うん……嫌いじゃないから」
のどっち「……ガハッ」
まこ「なんじゃ、急に倒れおったが……」
咲宅
淡「お邪魔しまーす」
咲「はい、いらっしゃい。ご飯すぐに作るからゆっくりしてて」
淡「私もなんか手伝う!」
咲「うーん。じゃあお皿出して貰える?」
淡「解った!なに作るの?」
咲「宅配ピザ」
淡「スーパーなんで寄ったの!?」
咲「冗談だよ。煮物の残りがあるし、お魚焼くつもり」
淡「いやっほおー!」
咲「そんなに喜ぶほどのものじゃないよ。じゃあ、ちょっとコンロから離れてて」
淡「うん」
淡(まさかサキの家に泊まれるなんて……最高に最高だよ。もう満足……)
咲(淡ちゃん、急に長野に来てどうしたんだろ?なにか用事でもあったんじゃ……)
淡(……はっ!違う、今日の目的はサキとハスハスすることじゃなかった!)
淡「サキ、話があるの!」
咲「ん?なに?」
淡「あの、聞いて欲しいんだけど……魚じゃなくて、こっちを見て」ガバッ
咲「ふえ!?」バタン
咲(お、押し倒されちゃった……)アワアワ
淡「……ねえ、もしさ。もし、私がサキのこと好きだって言ったら……どうする?」
咲「ど、どうするって……」
淡「……多分一目惚れだった。初めてサキと出会ったときからサキの事が頭から離れなくなって……」
淡『……ねえ、名前。名前なんていうの?』
淡「初めてサキと麻雀打ってから、凄く好きになった」
咲「そう、なんだ……」
淡「……でも、そこからが地獄だった。大会が終わって、サキが長野に帰ってしまってから……苦しみが始まった」
『……大星さん、大会終わってから元気が無いね』
『仕方ないよ……清澄の大将に完全試合されたんだから』
淡「サキに会いたい……もう一度あの笑顔がみたい。もう一度サキと麻雀を打ちたい……それだけだったよ……」
淡「でも、誰にも言えなくて……それで照に言ってみた。サキが欲しいって」
咲「お姉ちゃんに?」
淡「うん。笑われたよ、『白糸台の三連覇を達成出来ない大将なんかに妹は任せられない』って」
咲「っ!?」
淡「それで……『三月までに私に勝ったら考えてやる』って」
咲「淡ちゃん……結果はどうなったの?」
淡「……ごめんね」ツー
咲「っ」ギュッ
淡「……長い間待たせちゃって、ごめんね、サキ」
咲「!」
淡「サキ、私と付き合って下さい!」
咲「うん……うん!」
その瞬間、二人を祝うかのように一つの咆哮が地球全体を覆ったという。
SOA
それは巨木が腐り落ちるときの断末魔より物悲しく、長大な鉄がねじ切れるよりも鋭い叫びだったという。なんで私じゃないのか、なんで後一歩先に踏み出す勇気が持てなかったのか……
千の言葉よりも雄弁な悲鳴は、一度虚空を貫くと行き場を失ったかのように大気に溶けてしまった。
SOA
誰にも届かない悲鳴は空に帰り、彼女は宛ても無い旅に出る。いつかこの叫びが誰かの耳に届く日を夢見て、終わりのない永遠と続く、決して叶わぬ夢を追い続ける……
淡「サキ、キスしてもいい?」
咲「うん……んっ」
淡「サキ……サキ……」ガシッ
二人の行為は、次の日の朝まで続いた。
おやすみ、のどっち。せめて最後は、どうか幸せな記憶を……
今回はここまで。日付が変わるまでにはもう一回投下します。支援感謝なのよー
後、今更ながら不安に思っての注意事項。
これは咲-Saki-で智代アフターっぽい話やろうと思って衝動的に書いたものです。つまり、鬱展開アリです。気をつけて下さい。
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