兵士「お...女...?」(452)


「号外!!号外!!魔王が我が国に宣戦布告!!号外!!」

市民「おい!一枚くれ!!」

「毎度!!ほらほら号外!!」

市民「おいマジかよ...!!」

市民「すでに国境付近の村には魔王軍の姿が...!?」

市民「首都にも攻めてくるのか?!」


兵士「へ~すごいっすね」

隊長「あぁ...とんでもない事だぜこりゃ」

兵士「...めっちゃやばいじゃないっすか」

隊長「おう...トンでもなくヤバイぜ...」

『城下町にいる兵は直ちに城へ!!繰り返す!...』

隊長「門番兵で定年まで行こうと思ったんだがなぁ...」

兵士「ぼやいてないで行きますよ!」 ッタッタッタ

隊長「老体に鞭打つような事はだな...」 トコトコトコ
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作戦本部

中将「敵の軍勢はおおよそでいくらだ?」

少将「はっ...魔王軍の勢力はおおよそで300万、まだ後方で待機している部隊もいる
ようですが詳細はまだ分かっていません」

大将「こりゃ大戦になりそうだのぅ...」

中将「先代の魔王が逝去されてまだ一年と経ってない...新しく即位した魔王の
アピールだろうな」

大将「うむむ...我が軍は前年の戦で師団を幾つか失っておる、編成もまだ完璧ではないぞ
兵の錬度もいささか心配じゃ...」

少将「はっ...自分の努力不足で御座います...」

中将「勇者様に...頼んで見てはどうでしょうか?」

大将「勇者様か...あれは少しばかり厄介な性格じゃからのう...」

少将「勇者様のお仲間には戦士様や僧侶様、それに賢者様や魔法使い様がおれられます、
このお方達にそれぞれ部隊にご教授頂ければ...急ごしらえではありますがそれなりの戦力になるかも知れません!」

中将「それに勇者様にはカリスマ性もあります、戦闘の指揮をしていただければ...」

大将「...話をしてみるか...時間も無い」

中将「早速使いを出してきます」

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隊長「号外は詳しく書いて無いからいかんな...」

兵士「自分にも読ませて下さい」

隊長「ほれ...しかしまぁ何で今の時期に戦なんぞ...」

曹長「ただいま戻りました」

隊長「おぉ、戻ったか...それで詳細は分かったか?」

曹長「はぁ、魔王はまだ城を出てない様子で敵軍の動きも見られないとの事です」

隊長「敵がくるのは早くて半月、遅くて一ヶ月かな...」

兵士「この号外にはもう国境の村で魔物を見ていると書いてますが...」

隊長「おそらく野生の魔物だろう、あそこの地域は特に多い」

曹長「何度か作物を荒らす魔物を退治しに出向いているだろ、恐らくその類の魔物だ」

兵士「なら良いんですが...」

隊長「...勇者様なら何とかしてくれるかなぁ」

曹長「勇者様ですか?あの方はかなり厄介な性格をしていると聞きますが...」

隊長「上層部は面子がどうらたと言って要請しないかなぁ...」

曹長「大将様あたりのお方ならば多少の融通は利くと思いますが...」

兵士「勇者様ってすごい方なんですか?」

隊長「あぁ、なんでも15歳にして西の大陸を支配していた竜の王を単身で倒し
東の島々を支配していた魔王を優秀な能力を持った方々と協力し倒した...俺らとは比べ物にならない位
強くてカリスマ性のある人物だ...」

曹長「しかも顔は中性的で男からも女からも熱い支持を受けている...パーティーの
人も結構ファンが多いそうだ」

兵士「へぇ~すげぇ!」

隊長「お前も同じ19歳だぞ、確か」

兵士「生まれた歳も同じなのになんで俺は百姓の生まれなんすかねえ」

曹長「運だろう」

隊長「百姓も立派な職業だぞ?てめぇが食ってる飯も百姓が居なけりゃ誰が作るんだ?」

兵士「まぁそれもそうっすね...」

曹長「そういえば他の兵はどうしたんですか?」

隊長「分からん、今城に向かってるんじゃないのか?」

少尉「ただいま戻りました...おや?お揃いでどうしました」

曹長「少尉殿、ご苦労様です!」

少尉「そんな畏まらなくていいよ、で、聞きましたか?宣戦布告の件は」

隊長「あぁ、魔王の奴も無茶するもんだ...先代の築き上げてきた人間界で唯一、同盟関係にあった我が国に
戦争吹っかけるなんてなぁ」

少尉「はは...魔王もかなり若いと聞きましたが、まさかもう行動を起こすとは」

隊長「しかし我が国ものほほんとはしとられんようだな...そろそろ鬼の師団長が...」

ピッー!!ガガッ...

『あー。テステス...我が師団の連隊長は至急会議室に集合せよ繰り返す...』

隊長「お呼びだ、少尉行こう」

少尉「はい」


バタン...

兵士「勇者様かぁ~どんな人なんだろう...あってみたいなぁ」

曹長「女から人気あるってんなら相当イケメンなんじゃねぇか?」

兵士「やっぱそうなんですかね?いいなぁ~イケメン...」

曹長「男から人気もあるってんだから男色家からもウケはいいんじゃねぇか?」

兵士「ほぉーそりゃすごい」

曹長「すごいこたぁねぇけど...」

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二日後...

大将「...と、言った次第であります...」

戦士「それで俺らを呼んだわけか?」

大将「はい、大変恐縮では御座いますが...何卒我が軍にご協力を...」

賢者「それは僕らに何か得はあるの?」

中将「得...と申しますと...?」

賢者「僕らがわざわざ出向いてあげて何か見返りは無いか...ってことだよ?」

大将「はっ...それでしたらそちら側の所望するものでしたら...」

魔法使い「まぁ一任は勇者が着たらって事で...よくないですか?」

賢者「えー?勇者だけが働くならまだしも僕まで呼び出されたんだよ?」

戦士「別にいいじゃねえか、かび臭い書庫に閉じこもってるよりかは」

賢者「僕はねぇ...!

ガチャ

勇者「遅れてすまない...もう話は...」

戦士「お前に任せるってよ」

勇者「そうか...あぁ賢者、久しぶりに外で見たよ」

賢者「書庫の本貸してあげてるのにその言い草は無いんじゃないの?」

勇者「ははっ、ごめんごめん..では、.申し訳ないが内容を最初から聞いてもよろしいですか?」

大将「はい、先日魔王の使者から宣戦布告を通達されたのですが魔王軍と我が軍の戦力差を見たところ...
魔王軍の方が戦力も兵の練度も一回り上回っているのが確認されました...」

少将「言い訳がましくなりますが...昨年の大戦で軍事訓練を受けた兵を数多く失って仕舞いました...
そして新たに募集した兵で師団が成り立っていますので...兵一人一人の錬度は...高くは無いのです...」

勇者「それで...僕たちは何をすれば?」

少将「戦士殿には兵の訓練のプログラムを、賢者殿、魔法使い殿には攻撃魔法を扱う部隊の
訓練を...僧侶殿には...欠席しておりますが...勝手にこちらが決めてよろしいのですか?」

勇者「後で僕が説明して、承諾したらいいよ」

少将「は、ありがとう御座います...僧侶殿には、訓練で怪我を負った兵の治療部隊の班長を...」

勇者「分かった後で伝えておくよ」

少将「ありがとう御座います...」

賢者「で?勇者はどうするの?」

少将「はい、勇者殿には戦闘の指揮を...」

勇者「僕が軍を指揮できる程の能力があると思ってるのなら...それは
間違いだ」

少将「...」

勇者「僕の生まれは小さな村の百姓だよ?軍人の息子さん達がが指揮をするならともかく
僕が指揮に一任させるのを良しとしない人もいると思う...僕はあまり諍いや歪みを残したくないんだ」

大将「そう言う事でしたら、われわれが何とか致します」

戦士「俺の剣勝手に折ってくるような輩は居ないか?」

大将「そんな恐ろしい事をやる程...我々に肝の据わった者は居ません」

魔法使い「そういえば国王の姿が見えないね...こういった席では出席すると思ってたけど」

大将「はっ、国王はただいま体調が優れず...正直申し上げますと喋るのも
ままならぬ様子で...『この無様な姿を見せるとは勇者様に失礼だ』との事です...」

勇者「そうか...姫は元気にしているかい?」

大将「面識があるのですか?」

勇者「あぁ...今も交流を続けているけど...ここ最近は会える機会が無かったので」

大将「姫様でしたら大層元気で...次の国王は初の女王だろうとまで噂に成る程
国のために働いて下さっております...申し訳ないです...」

勇者「そうか...分かりました、ではその依頼を引き受けますみんなもいいかい?」

戦士「おう、勇者の好きにしな」

魔法使い「賢者もいいよね?」

賢者「ちぇ...いいよ、もう」

勇者「ありがとう、では明日から仕事に取り掛かりましょう」

少将「ありがとうございます...!!」

大将(ふぅ...これで一つ目の課題はクリアか...)

勇者「姫はどこで仕事をしているのですか?」

大将「っは、姫様の部屋にて職務をなさってます」

勇者「ありがとう、じゃぁみんなも明日に備えて養生してくれ」

戦士「りょーかいっと...」

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『食堂』

兵士「えぇ?!今日は休みなんですか?!」

コック「いやーすまんねぇ...今日手伝ってくれるはずだった人が体調不良で...」

兵士「そっか~...お昼どうしよっかな~...」

コック「お、そうだそうだ!ちょっと待てってな...えーっと確か...」ガサゴソ

兵士「?」

コック「そら、あったあった...城下町の酒場は行ったことあるよな?」

兵士「はい」

コック「そこで俺の知り合いが働いててさ、先日招待券貰ったんだが...これお前にやるよ」

兵士「え?でもコックさんでしょう?良いんですか?」

コック「これ使用期限あんだけどさぁ、休みねえから俺いけないんだわ...だからせめてもの
お詫び!ほれ!それあったら何でも食えるぞ?」

兵士「じゃあ頂きます、ありがとうございます」

コック「良いって事よ!明日は食堂開けられるから!明日は来てくれよ!」

兵士「はい!それじゃぁ食ってきます!」ッタッタッタッタ...

コック「おう!しっかり食って来いや」

コック「ふぅさてと...お?こりゃ...前貰った招待券...あぁ!!あれ一昨年貰った...!」

コック「やべえよ...やべえよ...」

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勇者「失礼します!」

ガチャ

勇者「姫!長らく会えず仕舞いで...あれ?」

姫「Zzz...」

勇者「机で寝たらお体に触りますよ...タオルか何か...あった」

フサッ

姫「んん...Zzz...」

勇者(こんなに書類が...出直すか...)

ガチャ

執事「おや...勇者殿?」

勇者「久しぶりだね、執事さん」

執事「お久しゅうございます...前あったのは...何年も前のことでしたなぁ」

勇者「うん、ここ最近姫に会えずじまいだったからね来てみたんだけど...ちょっと立て込んでるようだ」

執事「はい...国王が病に倒れてからは、姫様が自らが率先して国王の職務を...
しかし最近は魔王の宣戦布告の件もあり仕事が忙しくなっておりまして」

勇者「そうか...」 チラッ


姫「Zzz...」

執事「おやおや...やはり疲れておいででしたか」

勇者「また出直そうと思ってね、しばらくはこの国に滞在する予定だから
姫が起きたら伝えてもらえますか?」

執事「承りました...」ペコリ

その頃...

兵士「ええ~!?使えないんですかぁ?!」

店主「ったりめえだ!いつの券だと思ってんだ!」

兵士「あーあ...毎日日替わり定食頼んでたのにこんな仕打ちねえよぉ~コックさーん!」

店主「あぁ?あいつからこれ貰ったのか?」

兵士「はぁ、今日食堂行ったら閉まってて、お詫びにこれでと」

店主「んで、一昨年の招待券つかまされたって訳かい...ウーン」

奥さん「あんた、今日ぐらいツケてやんな!金はコックから貰えばいいのさ!」

店主「ウーン...そうだな!すまねぇ兵隊さん!今日は何でも食って良いぞ!」

兵士「えぇ?!良いんですか?手持ちそんなに持ってないですよ?」

店主「いいんだよ!お代は後でコックにしっかり払ってもらうさ!」

兵士「はぁ...それなら...」

店主「よーし!ご注文は?」

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戦士「ここだよここ!!ここの店の飯が美味いんだ~!」

魔法「あまりはしゃがないで下さいみっともない」

勇者「はは、まぁ今日くらいは大目に見てあげようよ」

賢者「えー?居酒屋ー?」

戦士「いやか?」

賢者「レストランとかお洒落な店がいいなー」

戦士「まぁ子供にはここの良さは分からねえか...」

賢者「むーっ!もう子供じゃ無いもん!」

戦士「そうか~?俺から見りゃまだまだ...」

勇者「ほら喧嘩しないで、賢者もたまにはこう言う所で一緒に食事ってのも良いじゃないか、ね?」

賢者「勇者が言うなら...」

戦士「よし!入ろうぜ!」

ガチャ

戦士「おやじ!久しぶり!」

店主「ん?そのうるさい声は...とうとう帰ってきやがったか!戦士!」

戦士「半年振りだっけか?」

店主「知らんがな、それより何食うよ?」

戦士「今日は勇者たちも来てるからさ、貸切出来ないかな?」

店主「貸切は...」チラッ


兵士「うめっうっめ」 ハフハフ


戦士「あ~もう客来てるのか...」

店主「そう、だからいきなり貸切は厳しいんだよ...あの客、俺の知り合いと仲良いからさ...」

戦士「んー...思いっきり騒ごうと思ったが、客が帰るまで待つか...」

店主「そうしてくれると助かる」

兵士「あー食った...お?他にも客来てんのか」

店主「兵隊さんよ、もう食ったかい?」

兵士「はい、ありがとうございました」

店主「おう、お礼はいらねえって事よ!」

兵士「あの人たち装備いいですね、傭兵ですか?」

店主「いや勇者様のパーティーだ、運が良かったなぁもうちょっと遅れてたら
飯食えなかったぞ」

兵士「へぇ~初めて見ました」

店主「すまねえが今日はもう閉店だ、今度は仲間でも連れて来てくれよ?」

兵士「了解しました」

店主「ありがとよ」

兵士(あれが勇者様か~...めっちゃイケメンだな...ホモにも人気があるのも
頷ける)

兵士「んじゃ。ご馳走様でした」

勇者「すまない、ちょっと話があるんだが...」

兵士「はぁ。自分でありますか?」

勇者「あぁ、変な事を聞いてすまないが...例えば君は貴族や上級仕官の生まれだとしよう」

兵士(なにいってだこいつ)

兵士「はい」

勇者「そして仮に、君の上官は百姓の生まれだ。その上官にあれこれ言われると
どう思うかな?」

兵士「う~ん、別にどうも思わないと思いますけど」

勇者「どうして?」

兵士「上官は任務をこなして、上から認められて昇級できるんだと思います
別に気に入らない事はないですけどねぇ...」

勇者「そうか...時間を取らせてすまない。もう行っていいよ、ありがとう」

兵士「はい!」

バタン

戦士「なんだまだ気にしてんのか?」

勇者「いや...少し気になっただけだよ」

賢者「勇者ホンとに依頼受けるの...?あまり無理しない方が...」

勇者「大丈夫だよちょっと気にかかっただけさ、他の人に聞くのはこれっきり
にするよ」

賢者「うん...」

戦士「それよりも!オヤジ、いいよな?」

店主「あぁ、分かってるよ」

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戦士「おら勇者も飲めって~!!ヒック」

賢者「だから居酒屋嫌いなんだ...」

勇者「はは...今度は気をつけよう...」

魔法「Zzz...」

戦士「賢者も飲んだるォ?!」

勇者「賢者はまだ未成年だ!やめろ!」

店主「あーあーやっぱりこうなるんだな...戦士は悪酔いするからあまり飲ませたくはねえんだよ」

勇者「迷惑を掛けた、申し訳ない...そろそろお開きにしよう」

戦士「俺はもォォっと飲めんぞこるぁっ!っと ヒック」

勇者「賢者...戦士を眠らせてくれ」

賢者「はーい、Эгё...」テレテレテレッ

戦士「うらぁぁあ...Zzz...」

勇者「すまない店主、お勘定を」

店主「はいよ」

勇者「賢者。すまないが魔法使いを部屋に送ってやってくれないか?戦士は
僕が送るから」

賢者「はーい、魔法使い!ほら行くよ!」

魔法「ウーン...Zzz」

店主「馬車でも呼びましょうか?」

勇者「そうしたいが...もう夜中だ、馬車の音で近隣住民に迷惑を掛けるから遠慮しておくよ」

店主「そうですか、では気を付けて。オイ戦士あまり迷惑掛けんなよ?」

戦士「リョーカイ~ウイック...」

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曹長「上等兵と兵士今日はお前らが夜勤だろ?」

兵士「あぁすっかり忘れてた!行くぞ!」

上等兵「はいよっと...正門の警備でしたよね?」

曹長「あぁ、今日は納品の馬車が多いだろうから気を引き締めてくれや」

兵士「了解、行くか上等兵」

上等兵「俺の略帽どこ行ったっけなぁ~」

曹長「今かぶってるのは?」

上等兵「...行ってまいります」

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『正門』

兵士「はい、大丈夫ですね、入城を許可します」

業者「はいどうも~...それにしても魔王の宣戦布告から警備厳しくなりやしたねぇ」

兵士「はい、業者さん達なら通しても平気だとは思いますが念のためと言う事で」

上等兵「ジャガイモにニンジン...明日の定食はカレーだぜおい!」

兵士「はしゃぐなよ...次の方~」

勇者「よいしょっと...この酔っ払いも数に入れてくれ」

兵士「あれ?確か昼に...」

勇者「君は...どこか見覚えがあると思ったがやはり君だったか、夜勤は面倒だろう?」

兵士「ははっ、これで金貰ってるんで...しょっている方は...戦士様ですね、どうぞ入城を許可します」

勇者「すまない」

兵士「勇者様ご一行でしたら入城許可証を発行出来ますよ?出入りも激しいと思いますので
なんでしたら今作りましょうか?」

勇者「そうだな...今は立て込んでそうだ、明日にでも作ってもらうよ、ありがとう」

兵士「はい、次の...

戦士「アーハキソ...」

勇者「おい今は我慢を...

戦士「ウッ..ウブッ、オロロッロロロロr...  ビタビタッ!!

上等兵「うっわ、書類が...兵士よ~これ大丈夫か?」

兵士「あ~...勇者様これは...」

勇者「っす、すまん!これはとんでもない事を...」オロオロ...

兵士「仕方ないか...上等兵、衛生兵呼んできてくれあと担架も忘れずに」

上等兵「おうよ」タッタッタッタ

兵士「勇者様、戦士様を寝かして下さい、気道確保は忘れずに」

勇者「あっあぁ...寝かせるぞ...」

戦士「ウウ~...ウップ...」

兵士「ひとまずこの桶に」

勇者「あぁ分かった」


「なんだなんだ~?」

「まーだ時間掛かりそうですかね~?」

勇者「ど、どうすれば...」

上等兵「衛生兵連れてきたぞ、こっちだ!」

衛生兵「あ~こりゃ相当飲みましたね~、酒のにおいが強烈だ」

上等兵「担架にのせろ、医務室に連れて行くぞ」

衛生兵「おう、じゃぁ持ち上げるぞ...3、2、1、はいっ」

上等兵「兵士、始末書どうするよ...」

兵士「あぁ後で俺が書いとくよ、早く連れて行ってあげて」

上等兵「おう、行くぞ」

衛生兵「はいよっ...うわおっも...」


勇者「すまない...僕がしっかりしていれば...」

兵士「大丈夫ですよ、それよりも医務室へ行って下さい、軍医に説明しないといけないんで...」

勇者「あぁありがとう、礼は...」

兵士「すいません...混んでるのでまた今度でも良いですか?」

勇者「あ、あぁそうだな、すまない...」

兵士「申し訳ありません、お待たせいたしました。次の方~」

業者「何があったんで?」

兵士「ははっ...ちょっと...」

_
__

__
_

曹長「...」ペラッ

兵士「...」

曹長「よし...原因は把握したご苦労だったな」

兵士「はい」

曹長「あの後業者からクレームが来てな、兵の入城許可の発行が遅れた
おかげで、次に納品する予定だった店からクレームが来たってさ」

上等兵「はぁ」

曹長「ま、今回の件はお前らに非はない、むしろ慌てず落ち着いて患者の
手当てが出来た事はむしろ感謝状贈られても良いくらいだぜ?」

兵士「まぁ遅れたのは事実ですから...」

曹長「そうか...まぁこの事は隊長と師団長に報告しておくわ...改めてご苦労だった」

兵士「はっありがとう御座います」

曹長「んじゃ、ちょっと報告行ってくるは」

バタン

上等兵「はぁ~疲れたぁ~」

兵士「ははっ...でもおかげで二日の休み貰ったね」

上等兵「休みったってお前...戦争中だからどにもいけないぞ?」

兵士「久しぶりに大浴場入るかな~」

上等兵「はぁ?いやだぜぇ~あそこ師団長とか騎士団の偉いさんの井戸端会議
場と化してんのに...」

兵士「今は昼だから誰も居ないよ、上等兵も行くか?」

上等兵「俺はいいや、今日は寝る」

兵士「ふーん、んじゃぁ行ってくるよ」

上等兵「おーう行って来い」

_
__

__
_

『大浴場』

カポーン...

兵士「ふうぅう...」チャプ

兵士「誰もいないんだなぁ~...上等兵もくればよかったのになぁ...」

「あぁいつものように、誰も入れないでくれ」

「畏まりました、ごゆっくり御寛ぎ下さい」

ガララッ

勇者「ふう...ん?」


兵士「あっ...お勤めご苦労様です...」

兵士(なーんでタオルを全身に巻いてんだ?...乳首か?!乳首が気になるんか?!)

勇者「あっ...あのっ...きっ君は...っそ...」

兵士「だ、大丈夫ですか?自分が何か失礼な事...」

勇者「っち、違っ...なっなぜこんな時間に...」

兵士「べ、別に(乳首がエロい事なんて)気にしなくても良いですよ、他言をする気は毛頭ございませんから...」

勇者(こ、こいつ僕が女だと気づいて...?!)

兵士「っそ、それでも気になるなら自分はもう出ますが...」

勇者「いっいや!出なくて良い!少し...っは話をしよう!今後の事についてだ!」

兵士(勇者様と政治の話とは...さすが大浴場)

勇者「もう...これ以上隠し通す事は出来ないか...驚くのも無理はないよな
この世界の英雄が...その...アレなんて...」

兵士(まーだ乳首の話してるのか...)

兵士「いえ...何があったって、別に関係ないと思いますよ?勇者様は確かに
この世界の英雄なんですから」

勇者「関係ない...?」

兵士「いつから悩んでたんですか?」

勇者「あぁ...もう小さい時からだ...父親に言われたんだ...」


父親『隠し通せ!我が一族の為に何としても!』


勇者「僕は気にしてなかったんだ...でもある日父にこの事を言われたんだ
最初に...竜の王を倒してほしいと言う命令を受けてから」

兵士(乳首くらいでそんな?だったら俺なんかスカ○ロ物見つかってんだから
末代までの恥だぞ?)

兵士「そんな厄介に考えてどうするんですか勇者様が例えアレ(乳首がエロ)だとしても
...関係無いですよ...貴方はすごい人です」

兵士「勇者様は勇者様、自分の事なんですから他人には関係の無いことです
そんな事で見限るようじゃぁそいつはその程度の人間だった、それだけの事ですよ」

勇者「...僕は...僕?」

兵士「そうです、貴方は貴方、しかも世界中から尊敬を貰ってるんですよ?
それに比べて自分はハードなエロ本を家族に見つかってもう家族からも軽蔑の眼差しを...」

勇者(エロ本...?よく分からないが...この人も僕と一緒で居場所がないんだ...)

兵士「長話が過ぎましたね...自分はそろそろ隊に...

ガシッ

勇者「...君になら...すべてを見せても良いと思える」

兵士(うっわ...この人本気で悩んでたんだなぁ)

勇者「見てくれないか...?これが僕だ...」 バサッ

兵士「っ...」

兵士(全身を覆っているタオルが取り除かれた時、そこには歴戦の勇者とは
思えない程に華奢で、そして無数の切り傷があった)

兵士「あぁ...」

兵士(美しい...こんな言葉では表しきれない程美しかった、普通の人間では
切り傷は畏怖の対象になり興奮を覚える者なぞ少数に限られると今まで思っていたが
自分はその少数に入ってしまったようだ)

兵士(でも男なんだよな)

勇者「な、何とか言ってくれまいか...///その...黙っていられると不安なんだ...」

兵士(やっぱ乳首はピンクなんだなぁ~別に気にする程じゃあ...チン子か?!
チン子が気になるんか?!)

兵士「...」ジー

勇者「...///」プルプル

兵士(チン子が...無い?)

兵士「いやそんな筈は」ズイッ

勇者「ち、近づかれると恥ずかしい...のだが///」

兵士「あぁ...ああああああああっ?!」

勇者「ひうっ...な、何?」

兵士「あぁ?!ああああ?」

勇者「ぼ、母音だけで話されても...会話出来ない...」

兵士「ボインじゃないから!?俺ってばボインじゃないから間違ってたんだ!」

勇者「ぼ、ボインじゃない...?よく分からないが...バカにされているって言うのは
理解したぞ...!」

兵士「バカにはしてない!!でもボインじゃないからぁぁぁぁ!」

勇者「落ち着けバカ者!!」ポカッ

兵士「何とか落ち着きを取り戻せたゾ」

勇者「今まで国民を騙すようなマネをしたのは悪いとは思っている、しかし
ここまで驚かれるとは思わなかった」

兵士「いや~すいません...あのっ、そろそろタオル巻いた方が...よろしいかと...」

勇者「っ~///すまない///」

兵士「いえ、眼福であります!」ビシッ

勇者「僕が見みてきた中で一番きれいな敬礼だぞ...」

勇者「僕を...その...け...軽蔑とか見損なう事は無いんだな?」

兵士「はぁ、見損なう要素は今のところ無いと思われますが」

勇者「そうか...確か君は酒場で言ったな...」

兵士「あの~そろそろ出ませんか...?自分は女性と一緒の風呂に入る
というのに慣れてない物で...」

勇者「あっああそれもそうだな!さっさと出よう!」

_
__

__
_

勇者「ここなら人気も無い、ゆっくり話そう」

兵士(これ以上何を話すって言うんだ...)

勇者「そういえば...君はいつから僕が女だと気づいたんだ?」

兵士「勇者様がタオルガバッってやった時です」

勇者「へ...?じゃぁ最初からは気づいては無かったと...?」

兵士「はい」

勇者「で、でも僕に気にするなって...」

兵士「あぁ、あれ乳首の事です」

勇者(乳首の事って...一生に聞くか聞かないかの言葉だな...)

勇者「乳首の事?」

兵士「はい、自分は最初は勇者様は男ながらに乳首がエロいからその事を
気にしてたのかと思って」

勇者「...」

兵士「だからタオルガバッてされた時は本気で悩んでたのかと...ん?」

勇者「...っ」ウルウル

兵士(あ、たぶんやばい奴だこれ)

勇者「だっ...だったら...ヒッグ最初っから...グスッ...言って...ヒッグヒッグ...くれれば...」

兵士(ガチ泣き?!)

兵士「あ、すいません!あの自分語彙力が少ないものでして!」アセアセ

勇者「グスッ...ヒック...ウエエエエン!!」

兵士(ヒエ~)

兵士「泣かないで!誤解されちゃうから!」

兵士「あ、飴玉いります!?!」

勇者「僕もう子供じゃないもん!ウエエエエエン!!」

「なんだなんだ??」

兵士「あ」

上等兵「おい兵舎の裏で盛り合うn...お前...」

兵士「違うのね、これは僕の本意じゃないの」

上等兵「貴様という男は女に縁がねえからって男に手を...」

兵士「えっ、違っ...」

兵士(ここで勇者様が女ってバレたら...ヤバイんじゃね?)

兵士「あ、アーそうだ!!いつも男のケツを狙ってましたよ?!」

上等兵「俺のs、処女もか?!」

兵士「いやお前は無い」

上等兵「お前さぁ...!コクっても無いのに振られる人の気持ちも考えろよ!」

兵士「すいません...」

上等兵「で?ホントの理由は何だよ」

兵士「え、いや」

勇者「グスッ...ヒック...」

上等兵「まぁ面倒事に巻き込まれたくないから俺は転進するけどさ。あまり
部隊に迷惑を掛けないように行動しろ」

兵士「了解しました...」

上等兵「はぁ~...飴でも渡して泣き止ませとけ、んじゃ」 ツカツカ

兵士「りょ...了解...」

勇者「グスッ...エッグ...」

兵士「飴...いりますか...?」

勇者「...いる」

_
__

__
_

兵士「もう落ち着きましたか...?」

勇者「な、何とか...///」

勇者(人の前で泣くのは稽古を付けてくれた師範代以来だ...)

兵士(こんなに泣かれたのは前に女性が落とした財布を拾って以来だ...)

勇者「ゴホンッ...さて、見苦しいところを見せてすまない。ではこれからのお互いの
付き合いについて考えよう」

兵士「え、別にいつも通りに接すれば...」

勇者「ま、まぁそれはそうなのだが...まだ...その...」

兵士「勇者様が女性だと言う事を喋らない...そういった保障が欲しい...ですか?」

勇者「う、うむ...身勝手なこととは分かっているが...」

兵士「う~ん喋るつもりは毛頭ございませんが...そう言われると困るな...」

勇者(...僕は何を言ってるんだ...?自分が下手をこいただけなのに...これでは僕のミス相手の
せいにしてるだけじゃないか...)

勇者「...すまない、今の言葉は忘れてくれ」

兵士「でも不安でしょう?こんな一兵卒風情に弱み握られてるようなもんですよ?」

勇者「僕は君を信用する、どうしても喋りたければ君の意思に委ねる...」

兵士「...分かりました、ではこの機密はわが身を捨ててでも黙り通します」

勇者「...ありがとう...」

兵士「でも...一つだけ良いですか?」

勇者「何だ?」

兵士「俺と...っ俺と!!」

勇者「っ///」

兵士「飲み仲間になってk「それはまだ早いと思う!!!!」

兵士「は?」

勇者「ででででっ出会ってまだ間もないからお互いの事もちゃんと理解出来てないから///!!

勇者「ぼ、っぼくとしては嬉しいが今後の事もあるしお互いまだ片付けなくては
いけない仕事も///!!!っだだから!」

兵士「...」

勇者「もうちょっと段階を踏んでからでも...遅くは無いと思う///」

兵士「...」

勇者「っででは僕は仕事があるからぁ///!!」 ダダダダッ


兵士「えぇ...(困惑)」

兵士「コクってもないのに...!振られる男の気持ちも考えろよ!!」

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__

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『              掲示板
本日 正午過ぎに兵舎の裏手で不純性交友らしき行為を見たという
情報が入りました。軍としてはプライベートに干渉するつもりは御座いませんが
場所を選び励みませう』

隊長「兵舎の裏で盛るバカがあるか!!」

兵士「ほ、ほんとですよね~」

曹長「まったく戦争中だというのに...腑抜けているな!」

上等兵(なぁ、あの後結局ヤッたの?)ヒソヒソ

兵士(ヤッてないよ)ヒソヒソ

隊長「あ、そうだ明日から緊急で派遣された戦士様が我が部隊に稽古をつけて下さるそうだ
二人、明日も休みだと言ったな...あれはウソだ」

上等兵「ウソってなんすか!」

兵士「まぁいいじゃん...休み中でも行けるとこ限られてんだし」

曹長「明日は覚悟しといた方がよさそうだな」

兵士「怖いな~戦士様とかぜって~手加減知らないタイプですよ」

隊長「明日のためにしっかり休んどけよ、稽古開始は昼からだそうだ」

兵士「了解しました」

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__

__
_

上等兵「明日がお前の命日にならねぇと良いな?」

兵士「言うなよ、お前も可能性があるんだ」

上等兵「しかし何で戦争も始まってるってのに今さら練兵なんかするのかね」

兵士「さぁ?まぁ俺らは明日生きられる事を祈ろうよ」

上等兵「そうだな~たっぷり寝るかいな...」

_
__

__
_

姫「ちょっと勇者?大丈夫?」

勇者「...」ポケー

姫「だめだこりゃ...」

執事「はてさて、困りましたな...」

姫「んも~!!しっかりしなさい!」 ポカッ

勇者「ヒャッ...あぁすまない、書類はどこまで進んだ?」

姫「もう終わりました!何しにきたのよもう!」

執事「気分が優れないご様子ですな...休憩なされては?」

勇者「しかし...」

姫「居たところで何も出来てないじゃないの...今日はもう休みましょう?」

勇者「すまん、そうしようか...」

姫「ねぇ!久々に大浴場行かない?」

執事「大浴場でございますか...?あそこは兵のたまり場となっております
故あまりお勧めは...」

姫「いいのよ!!今の時間は居ないでしょ?あ!勇者の仲間も呼ばない?」

勇者「あぁ、聞いてみようか」

_
__

__
_

戦士「俺大浴場初めてだな~!!何かテンションあがってきたぜ!!」

魔法「兵舎の前を通るから静かにして下さい」

賢者「勇者、男女と別れてるの?」

勇者「ううん、混浴だよ」

僧侶「混浴...私が入っても大丈夫でしょうか...」

姫「いいのよ、どうせ神も今は女神とイチャコラして人間なんか眼中にないわよ」

僧侶「そ、その発言は聞かなかった事とします!」

戦士「僧侶、お前いつ帰ってきたんだ?」

僧侶「はい、昨晩のうちに帰って参りました」

勇者「国中の孤児院を回るのは大変だったろう、僕も一緒にいけたらよかったが...」

僧侶「いえ、この程度勇者様の苦労に比べたら...」

姫「んまっ~この謙虚さ!戦士にも見習って欲しいもだわ~」

戦士「んだこらぁ!!」

「すいませ~ん!ちょっと静かにしてもらえませんか?」

魔法「っす、すいません!」

兵士「気をつけて下さいよ...あっ」

勇者「っ~///っき君は///!」

兵士「っど、どうも...」

戦士「なんだお前?」

勇者「お前が吐いた時に助けてくれた人だ...そういえば礼はまだだったな...」

戦士「あ、あん時の...あぁそりゃすまねぇ!気分悪くしちまったな!」

兵士「い、いえなんて事は無いですが...他の兵も寝てるので静かにして下さいね...では」

勇者「すまない...また迷惑を掛けてしまったな...」

兵士「いえ、あ...そうだ、ちょっと時間いいっすか?」

勇者「僕か?」

兵士「はい、すぐ終わりますんで...」

勇者「っそ///そうか...じゃぁみんな先にいっててくれ」

賢者「誰その男...」

勇者「...っ///知り合い...かな///?」

賢者「っぼ、僕も一緒じゃ...!」

勇者「すぐ終わるから...ね?」ソワソワ

賢者「ムーッ...君!」

兵士「な、何でしょう」

賢者「...」チョイチョイ

兵士「?」

賢者(勇者と一緒にいる時間は僕のほうが長いんだからね!)
兵士(はぁ、そりゃそうでしょうが...)

勇者「っは、早く出来ないかな...///」ソワソワ

兵士「っすすいません」

戦士「そら賢者...勇者のおねえさんは大事な話があるそうだから俺らはいきましょうね~」

魔法「っせ、戦士!!貴様今!」

戦士「?あっと...聞いた?」

兵士「何をでしょうか...?」

魔法「っほ...なんでもないんだ、すまない行くぞ」

賢者「ッムー」


「聞かれてたかな~」
「恐らく大丈夫だと思いますが...」
「あれ勇者の彼氏!?どうなの?!」


兵士「時間を取らせて申し訳ありません...手短にすませます」

勇者「...///」

兵士「勇者様、俺と飲み仲間になって下さい」

勇者「...えっ」

兵士「前に勇者様に申し上げたのですが...うまく伝わってない様子でしたので...」

勇者「前...」

兵士「はい、勇者様が...その...勘違い的な事を...」

勇者「...あ」

兵士「その...前の大戦で飲み仲間を結構亡くしまして...居酒屋にも一人で行く
のは寂しいもので...」

勇者「...僕の事...好きって事じゃないんだ...」

兵士「は...?」

勇者「あの時...僕に告白してくれたのかと思って...」

兵士「っそ、そりゃ勇者様は魅力的ですし...じ、自分も憧れはありますが...
って言うかなぜ自分の事を...え?好き?」

勇者「...」コクッ

兵士「その...どういった経緯で...」

勇者「初めて...僕の初めてを...!」

兵士「え?え?」

勇者「あんな気持ちになったのは初めてなんだっ!!君は言っただろう!?
僕は僕...他人は関係ない...って」

兵士「...そ、それだけ?」

勇者「っそ、それだけだが!!僕は嬉しかった!!胸のモヤモヤが...取れた
気がしたんだ!!」

兵士「え...でもそれだけの理由なら...自分が言わなくても...それを言った人間に
なびくんじゃ...」

勇者「分からない...今までそんな事言われたことが無いんだ...さっきも言っただろう...
「僕の初めて」って」

兵士(めっちゃ分かりにくい!)

兵士「あ~...すいません...でも...」

勇者「...」 グスッ

兵士「自分も...勇者様の事は好きですよ...はい...」

勇者「...えっ///」

兵士「っで、でもまだお互いの事はよく理解できてないから...その...まずは友達
からって言うのは...」

勇者「...あぁ、段階を踏まないとな」

兵士「そう言う事です」

勇者「こんな事...初めてだ...この国はとんでもない国だ...」

兵士「はは...すいません...」

勇者「でも、嫌いじゃない...」 チョイチョイ

兵士「?」

勇者 チュッ

兵士「...」

兵士「...それは卑怯じゃありませんか?///」

勇者「まだ頬で十分だ、もっと凄いのは...段階を踏んでから」

兵士「了解であります...」

勇者「っざ、残念そうな顔をするんじゃない!だって口で接吻などしたら...
っそ///その赤ちゃんが...///」

兵士「...そうですね」

兵士(まずは基礎教育だな...)

_
__

__
_

上等兵「おい!起きろ!寝過ごしたぞ!!」

兵士「んあ...うおっ!何時?」

上等兵「九時!朝礼には...間に合わんか」

兵士「諦めるか」

曹長「ゴルア!!!」

上等兵「ヒエ~」

そして

隊長「上等兵は珍しくないが...お前が遅刻とはな」

兵士「申し訳ございません」

曹長「今日の稽古の切り込みはこいつにしましょうか」

兵士「え?自分ですか」

隊長「そうだな、生け贄となって貰うか...」

上等兵「ッホ」

曹長「お前は二番目だぞ」

_
__

__
_

隊長「そろそろ俺らの番だぞ」

少尉「私らは見学と言う事で...」

曹長「お、前の隊が帰って着ましたよ」


「うぅっ...」

「ッヒュー...ッヒュー...」


兵士(瀕死じゃねえか...)

上等兵(遺書書いときゃよかったなぁ...)

曹長「いけるか?」

兵士「粘るくらいなら何とか」

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__

__
_

戦士「んだよォ!張り合いがねぇな!」

勇者「あまり痛めつけては戦力の低下につながるぞ、手加減というものをだな」

戦士「でもよぉ...百戦練磨の俺がこんなジジ臭い事なんかできっかよ~これじゃ
道場の師範代だぜ」

勇者「良いじゃないか、前の君は誰彼かまわず喧嘩を吹っかけては大怪我
お負わせてた...やっていることは君の忌み嫌う山賊と同じだったんだぞ?」

戦士「そうだけどさ...」

勇者「今は君を必要としている人が沢山いるんだ、もう昔の君とは違うさ」

戦士「あぁ...」

隊長「失礼します!!○○師団、△部隊!入ります!!」

戦士「おう!!今日は楽しもうぜ!」

兵士「怖いな~...」

上等兵「なぁ拝啓ってこれであってたっけ?」

兵士「今遺書を書くな縁起でもない」

勇者「あ...///」

兵士「あ...」

勇者「二番手は君の部隊だったのか...」

兵士「っど...どうも、お手柔らかにお願いします...」

戦士「さぁ一番手は誰だぁ?」ブンブン!!

兵士(自分よかでけえ剣振り回してる...)

兵士「じ、自分が一番手であります!よろしくお願いします!」

戦士「おぉお前か、前は世話になったな。だが今日はそんな事関係ねぇよな?」

兵士「はい、そのつもりで」

戦士「よし!!んじゃはじめるか!」

ゴ~ン!

戦士「ウルア!!」 ブウンッ!!

兵士「あぶねっ!」スカッ

戦士「てめぇよけるな!」ブンッ!!

兵士「ッフ」ガキインッ!

戦士「ウオッ...」

兵士(粘るだけなら...イける!!)

兵士「ッシャぁ!」
ドゴオッ!!

上等兵「そうだ!蹴っちまえ!!」

曹長「落ち着けバカモンが」

戦士「イテテ...蹴りは卑怯だぞ...!」

兵士「これで何度も死線をくぐり向けてきたんだ、立派な戦術ですよ」

戦士「っく...くっそおおおおおお!!!!」

_
__

__
_

兵士「おう...調子に乗りすぎた...」ボロボロ

戦士「ったく、粘りやがって...」

上等兵「おーい大丈夫か?」

兵士「あぁ...息が出来るって素晴らしい...」

曹長「こりゃいかんな、衛生兵。こいつを医務室へ頼む」

衛生兵「了解しました、ほれ行くぞ」

兵士「うっ...」

勇者「っぼ、僕も着いて行こう」

衛生兵「はぁ...?人数はそろってますので手助けは...」

勇者「あ、いや...っそそう!僧侶に用事があるんだ!」

兵士「あっ...じいちゃん見える...」

上等兵「三途の川渡り始めたぞ、早く連れてってあげてくれ」

衛生兵「はいよ...よいしょっと!行くぞほら」

_
__

__
_

勇者「僧侶は不在か」

軍医「すいませんね~今日はもう医務室には来ないと言ってました...」

勇者「あ、あぁ大丈夫だ急ぎの用ではない...先の兵卒はどこへ?」

軍医「あぁ、あいつでしたら端の個人部屋に寝かせてます...しかし会うにしても
まだ起きられる状態じゃぁ...」

勇者「あぁ静かにしておくよ」

軍医(勇者様が兵卒に何の用だ...?まぁ良いか)

軍医「では私は戻りますので何かあったら医務室へ来て下さい、では失礼」

勇者「ありがとう」

そして

勇者「ここか...」

コンコン

「どうぞ~」

勇者「失礼する」

兵士「勇者様?わざわざこんな汚いところまで...」

勇者「あぁ、死にかけてたからな、とっても心配したぞ...?」

兵士「すいません...どうも昔から弱い癖して意地だけはいっちょ前にあるみたいで...」

勇者「ふふっ...無茶な事をしたものだ、あの戦士がほぼ本気で戦ってた位だぞ?」

兵士「はは...」

勇者「水飲むか?飲むなら汲んでくるぞ」

兵士「すいません。お願いします」

勇者「ちょっと待っててくれ」

バタン

ガチャ!

兵士「あれ?早かった...なんだお前か」

上等兵「よう、もう動いても平気なのか?」

兵士「いや、軍医さんはしばらくは安静にしとけって」

上等兵「そっか~大変だったな」

兵士「お前は終わったのか?」

上等兵「いんや、戦士様が疲れたから今日はやめるってさ」

兵士「へぇ~運が良かったな」

上等兵「あぁそうだ、隊長から伝言だ『なるたけ安静にして飯もきちんと食うように
、あと盛るな』ってさ」

兵士「あぁ?!盛るなってどういうことだ!」

上等兵「知らんがな、じゃぁ俺夕方に勤務あるから行くわ」

兵士「あぁ、気をつけて」

上等兵「あぁ」

バタン

兵士「ったっく...」

コンコン

兵士「はぁ...どうぞ」

「あ、開けてくれ...僕だ」

兵士「?大丈夫です...うわっ」

勇者「ははっ...蛇口が壊れてしまった...」ヒポタポタ...

兵士「タオルは...えーっと」

勇者「あぁすまない、水だ...」ポタポタ...

兵士「すいません水が欲しいって言ったばっかりに...」

勇者「何てことは無いよ...ちょっと捻りすぎただけ、僕は着替えに戻るよ、今日は安静にしないと
だめだよ?」

兵士「了解しました...おやすみなさい」

勇者「あぁ。おやすみ...」チュッ

兵士「...まだ頬ですよね///」

勇者「少し大胆にしてもバチは当らないね...///」

兵士「...はい」
_
__

__
_

?「来た...来たぞォ...!!こいつだ!こいつが!!!」

?「おォ...?おいおい占い師さんよ~あんたも歳だなぁ?別のが見えたのか?こんな冴えない男が...」

?「勇者の...想い人?」

?「勇者にとって大切か...そんな事ワシには分からん...一時的な好奇心やも
知れぬ...が、今一番勇者が求め欲している者である!!」

?「はぁ~...とにかくこの男を魔王のとこに持っていけばいいんだな?」

?「この男が...」


『あぁ?!盛るなってどういうことだ!!』

_
__

__
_
『正門』

兵士「退院して間もないのに一人で夜勤か...」

上等兵「ボヤクなよぅお前が入院してるときに俺が変わりに出てやったんだぜ?
んじゃ俺は上がるわ、気イ付けてな」

兵士「おうよ」

上等兵「今日は深夜帯の納品は無しだ、朝まで暇だぜ」

兵士「おうよ」

_
__

__
_

兵士「Zzz...ンガッ...あ寝ちゃった、今何時っと...一時間も経ってねえや...」
リー... リー...
兵士「鈴虫か...コーヒーでも飲んで静かに聴いてたいねぇ」

コンコン

兵士「はい。今出ます」

フードの男「夜分遅くに申し訳御座いません、ここはこの城の正門でよろしい
でしょうか?」

兵士「はい、入城なされるのなら許可証を発行いたします、何か身分の分かる
物は...」

フード男「はい、これで良ければ」

兵士「...ウーン、ちょっとこれでは難しいですね...どちらの国の言語で...?」

フード男「あれ?おかしいなぁ...なぁこれ駄目ってよ!!」

フード女「大声を出さないで下さい、応援を呼ばれたらどうする、騒いで申し訳ない
私達は旅の物で身分が分かるような物は一切持ち合わせてないのです」

兵士「あちゃ~...夜間にそれはちょっとまずいですねぇ...明るいうちなら何とか
手続きで済ませられるんですが...」

フード男「もうめんどくさいからさっさと持ってこうぜ、時間掛けるような事じゃねぇ」

フード女「はぁ、貴方は少し性急すぎる、その癖を直したほうがいい」

フード男「魔王様から生を受けた日から俺はこんなもんさ、文句は魔王にってな」

兵士「っま...魔王...!?っき君たちは...!」

フード女「ハア...ย้ายมายากล!!」
キイイイイイインッ
兵士「っは?はぁ?えっちょ...俺光ってる?!」

兵士「っぐ... キイイイイイイイイイイイイイン

ッパア...

フード男「さってと...自分たちも帰りますか...?」

フード女「あぁ行くか...」

_
__

__
_

隊長「バックレ...ってこたぁねぇだろうよ...」

少尉「はい、兵士は職に関してはまじめです」

曹長「じゃぁ兵士はどこに...!!」

隊長「ウーン...少将殿に報告してみるか」

上等兵「った隊長...俺が帰らなきゃ...兵士は...」

隊長「...大丈夫だ、お前の所為じゃねぇ、大丈夫だ」

バタンッ

上等兵「...」

曹長「気負うことはねぇさ、兵士はああ見えてタフだ...戦場で何度も見たろうが」

上等兵「はい...ッヒッグ...グスッ...」

_
__

__
_

隊長「...」

少将「つまり君は?魔王の手下に兵士とやらが連れてかれたかも...と?」

隊長「はい」

少将「...はぁ、そんな夢物語を聞くために時間を取らせたのかね?」

隊長「しかし!兵士は綺麗さっぱり...!」

少将「戦争が始まったから逃げた...いつもの事だろう、気の弱い兵が逃げることは」

隊長「っ...無駄な時間を取らせて申し訳御座いません、失礼しまし...

ガチャ

勇者「失礼する、魔法使いが開く講習会プログラムについて...今は大丈夫か?」

少将「あぁ申し訳御座いません...おい、さっさと出ろ」

隊長「...最後に一つよろしいでしょうか...」

少将「今はそんな事を...!」

隊長「いや聞いてもらいます!!貴方にとっては兵はただの駒でしょうが
我が隊にとってはかけがえのない仲間なのです!!それを貴様という男に
愚弄されるとは何という屈辱...!」

少将「っき...っき貴様ぁぁぁぁぁ!何だぁその態度はぁ?!」

隊長「貴様には分かるまいが!!貴様は昨年の大戦で何を見てきた!?何をした?!
貴様の愚考のお陰で我が師団の半数が死んだぞ?!それを貴様は兵の実力不足
と一蹴し責任を負わなんだ!!」

勇者(え?え?何?)

少将「やめろっ!!勇者様がいるんだぞ!!みっともない!!」

隊長「軍法会議に掛けるのならそれで良い...しかし兵士は気が弱いなどという発言は取り消せ!!
兵士は貴様よりも...!!!」

勇者「兵士...兵士に何かあったのか...?!」

隊長「っは、昨晩の夜勤中に兵士が姿を消しました...バックレなどという事は
絶対にありえません...奴は...奴はっ...!!」

勇者「分かっている、落ち着いて...少将、魔王国から何か使者や伝令は着てないか?」

少将「っは、そのような物は来ておりません、恐らくそいつの...

ガチャ!!

「失礼します!少将、至急会議室へ来て下さい!」

少将「何だ!」

「魔王国から使者が参りました、勇者殿もご同行願えますか?」

勇者「あぁ、話はその使者から聞いた方がはやそうだ...」

_
__

__
_

兵士「てめぇこんな一兵卒捕まえて何の得があるってんだおい!!」

フード男「...」イライラ

兵士「冗談じゃないぞおい!!皆勤賞逃しちまったじゃねえかよ!!」

フード男「あぁっ!!うるせぇ!!着てからずっとそればっかじゃねえか!言ってて
飽きねぇのか!!」

兵士「うるせぇ!!何だそのキザなフードは!!」

フード男「フードは関係ないだろ!?」

兵士「この国は通気性のいい軍服もねぇのかよ」

フード女「勇者が興味を持つのも頷ける、こんな強烈な性格の人間は初めてだ...」

フード男「おい、こいつに睡眠魔法掛けてくれ。じゃなきゃ俺が寝られない...」

兵士「また眠らそうってか!!もう目が冴えて寝られんぞ!」

フード男「頼むっ...頼むから寝かせてくれ...!!」

兵士「寝ればいいじゃん」

フード男「こんのっ...!」

フード女「もうお前は別室へ行ってこい、檻に入れてるんだから私だけでも
何とかなるさ」

フード男「おう、そうするわ...」

兵士「ッチ...暇つぶしが出て行きやがった...」

フード女「君は見てる限り性格が一転二転しているが...どれが本物の性格なんだ?」

兵士「それ本人に聞くか?」

フード「まぁ...それもそうか、私はここにいるから何かあったら呼んでくれ」

兵士(はぁ~...騒いでたら何かすっきりした...しかしここは...魔王城か?)

兵士「なぁ」

フード女「ここは魔王城では無いよ」

兵士「俺の考えてた事分かってんのか...」

フード女「あぁ、まぁもっともいつもは他人の心なんて読まないけどね」

兵士(伊達に魔王に使えてないってか...)

フード女「ははっ...怖いかい?」

兵士「怖いかそうじゃないかって聞かれたら怖い、エロい妄想出来ないし」

フード女「そう...」

兵士「で、ここはどこなんだよ?」

フード女「ここは私たちの拠点兼隠れ家だよ、私たちも魔王の国ではあまり
良い目では見られてないのでね」

兵士「謀反でも起こしたのか?」

フード女「君に教える義理は無いよ」

兵士「え~?いいだろちっと位」

フード女「もう寝ろ、明日は早いぞ」

兵士「...どこ連れて行く気だ?」

フード女「...」

兵士「ッチ...」

兵士(...そうだ)

フード女「...?」

兵士「...」ホワンホワン

__
_

兵士『ははっ、無表情な割には随分と濡れ濡れじゃないか...ちょっと激しくしてみるか』クチュクチュ

フード女『っや...///』

兵士『おっ、今声が...』

フード女『っこ、声など出してない///!』

兵士『っは、でもここは正直だぞ?ほら...大洪水だ...』ヌルヌル

フード女『んひっ...///っや、やめろぉ...痴れ物ぉ///』

兵士『ははっ今夜は寝かさないぞ...』

フード女『...///』
_
__

兵士「ウヘヘ...」

フード女「っ///!!!っき貴様///!!」

兵士「フヘヘ...」

フード女「っや、やめんか///!!おいっ///!」

兵士「なんですか?」

フード女「貴様...分かっててやっただろう...!!」

兵士「勝手に人の心読むなよ!!!」

フード女「こ...殺す...!」チャキッ

兵士「あっ、ウソウソ!すいません!もうしません!!」

フード女「次は無いぞ...!?」

兵士「了解しました」

_
__

__
_

大将「して、貰った文書にはなんと?」

中将「はい、内容は人質の有無と今後、我が国が魔王国に服従するか
否か...との事です。人質の有無に関しては我が国の兵を捕らえ監視下においている
と」

勇者「それは彼が言っていた兵士という男か?」

中将「名前などは一切記載されておりません、しかし兵の失踪は先ほど聞いた
兵士だけなので...間違いないかと」

勇者「そうか...」

中将「それと...」

勇者「なんでしょう?」

中将「これはただの挑発かと思われますが...兵を救出するのならば勇者一人
で来い...と」

勇者「ほう...?」

大将「ふん、幼稚な挑発ですな...」

勇者「それだけか?」

中将「はい。以上です」

勇者「一人で来い...か」

大将「敵の軍勢は分かっているだけでも300万です、魔王が何もしてこない
訳がありません」

勇者「仮に僕が魔王城に乗り込んで魔王を倒したとしたら...?」

中将「それはあまりにも無謀です、我が軍を練兵し決戦に臨みましょう!」

勇者「...その事だが、短期間の訓練で魔王の軍と対等に渡り合うのは
いささか厳しいんじゃないか?」

中将「...」

勇者「知っているとは思うが...魔王軍は多種族で構成されている、
突撃隊はゴブリンやオーク、はドラゴンを操る騎士...対してこの国の
戦闘ドクトリンは極端だ、戦闘相手の想定も人間相手で魔族との
戦闘は想定外だったろう?」

中将「っ...そんな事はっ...」

大将「やめなさい中将、確かにそうです。我が国は魔族との戦闘は経験しておりません...」

勇者「そうか...やはり僕が単体で乗り込もう、そうすれば無駄な犠牲が出なくてすむ」

大将「...」

中将「...国境まで護衛をつけましょう」

勇者「いや、魔王はどこから見ているか分からない、護衛はいりません」

中将「っで、では資金を用意します!」

勇者「大丈夫です、ちょっと出かけるだけですので」

バタン

中将「っはぁ~...」

大将「兵の一人くらい見捨てておけばよい物を...勇者様の考えることは分からん...」

中将「この兵...何か握っているのでは...」

大将「小隊の兵卒風情と勇者様に交友なんぞあるわけが無いだろう」

中将「そうでしょうか...」

_
__

__
_

兵士「ん...」 ムクリ

フード女「眠れたか?」

兵士「あぁお陰さまで」

フード女「飯だ、食ったらここをでて魔王のところへ行くぞ」

兵士「はい...?」

兵士(魔王...?この女は眷属じゃないのか?)

フード女「悪いが君に教える義理は無いよ」

兵士「勝手に心読むなっつーの...」 ハフハフ

兵士「しかし他人の心読めるとか結構苦労するだろ」

フード女「あぁ、余計な事まで耳に入ってしまうからな。私の周りはいつも険悪な
ムードだったよ、でも皆が思っている事は一つ、『邪魔者め、うせろ』ってね」

兵士「ふーん、魔界にも俺らと同じようなのがいるんだな」

フード女「言葉が話せる生物の根本は変わらないよ。いい奴もいれば悪い奴もいる」

兵士「へぇ~大変だな、お茶ないの?」

フード女「水で我慢しろ」 コトッ

兵士「っちぇ...しけてやんの...ゴクゴク...ップハア!!そいえばあんたの同僚は知り合いじゃぁないのか?」

フード女「今回の仕事で初めて顔を合わせた、仕事が終わればまた自分の
持ち場に戻るだけさ」

兵士「なんだ、仲よさそうに見えたが」

フード女「あいつはかなり魔王を狂信している、私は魔王のことは...まぁあれだ
早く食え」

兵士「...?」

_
__

__
_

少将「勝手に行動されては我が軍に支障をきたします!今すぐに中止してください!」

勇者「魔王が一人で来いと言ってきたんだよ?犠牲を最小限に抑えられるのなら
君たちにも得があると思うけどね」

少将「しかしですね!そうしたら厳しい訓練を受けている兵たちの立つ瀬が!」

勇者「そのような下らない理由でこの国を破滅させる気かい?言っただろう、
この国の兵には魔王軍の殲滅は難しい、と...あっ君は同席してなかったね
君と口論をしていた小隊長の処罰を決める方が君にとっては最優先事項だったのかい?」

少将「っう、え、っそのような事は!」

勇者「じゃぁ黙ってくれるかな?今は君の立場よりも大事な局面に立たされている
んだ...僕にとってね」

少将「...ッ」ギリッ

少将「っち、調子に乗るなよ小僧!!貴様がどのようなチャンバラを繰り広げた
かは知らんが大人に敬意も持てないとはお里が知れるぞ!!」

勇者「それが君の本性というわけか、はじめてあった時からどうも気に食わない
と思ったよ」

少将「小僧!!我が祖父は100年も前のこの大陸中の小国数百国を相手に
連戦連勝し!!今の国土の半分以上を国王陛下が手中に納められた事は
我が祖父の活躍なくして他にない!!そして我が父は祖父の情熱を受け継ぎ
今も我が国に剣を向けようとする蛮族共の監視のため!!北の大要塞にて
防衛任務中に誉れ高き戦死を遂げたのだ!!」

勇者「...?」ポカーン

少将「そしてその血を受け継いだ私に貴様は歯向かった!その代償は大きいぞ!!
計り知れないぞ!!」

勇者「...はぁ...調べたところ、君は先の大戦で戦闘行動を行わなくてもいい
後方支援中の作戦で師団の半分を失う失態を犯したそうだね、なぜだ?」

少将「今は関係がない話だ!!しかし答えよう、それはわが兵の錬度!
精神が足りなかったからだ!!」

勇者「君が行動中に武勲を挙げようと企み、小国の中立国に師団長の反対を押し切り
攻め入って...師団の半数の兵を失い、しかも手柄は無し...情けない男だね君は」

勇者「確かに君の祖父、父は素晴らしい人物だよ、兵の事も考え行動し
なるたけ負担を減らし攻め入った小国で捕らえた捕虜も手厚く歓迎した...」

勇者「では君はどうかな?何かあればすぐに下士官のせいにして責任を逃れ...
自分のミスを兵に擦り付ける...軍人としての誇りはないようだ、士官学校で君が学んだのは
ナイフとフォークの持ち方だけみたいだな?」

少将「貴様!!っく口が過ぎるぞ!!取り消せ!!」

勇者「僕は忙しいんだ、話は帰って...大将とゆっくり...ね?」

ガチャ

「もうよろしいですか?」

勇者「あぁ、長引かせてすまない」

「大将様の命令です、付いて来い」

少将「あ...ああぁアアぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」(ブリブリry

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__

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フード女「...ッスー...フウー」

兵士「大丈夫?」

フード女「あぁ、大丈夫だ...そろそろ謁見の間だ、身なりを整えろ」

兵士「...」

フード女「よし、行くぞ」

兵士「...君もさ、仕事が辛いなら辞めてもいいんじゃないか」

フード女「魔王様がいらっしゃる、喋るな」

兵士「...」

フード女「開けるぞ」

フード女「辞められるならこんな所...今すぐにでも辞めてやるさ」ボソッ...

兵士「...」

フード女「例の兵卒を連れてまいりました!入ります!!」

ゴオオオオオオ...

兵士(ここ開くのか...でかいから壁かと思った)

衛兵「魔王様がお待ちだ、付いて来い」

フード女「あぁ、行くぞ歩け」

兵士「あ、はい」

衛兵「そのしけた男が魔王様の客か?」

フード女「客だとしたら君は今すぐ不敬で首をはねられているぞ?口に気をつけろ」

衛兵「ッチ...魔王様!連れてまいりました!」

魔王「...貴様が勇者の...?おい、これがか...?」

フード女「はい、確かに勇者の最も大切な人間です」

魔王「にわかには信じがたいが...」

フード女「あの耄碌爺が出した答えです、信用は出来るかと」

魔王「そうか...おい貴様」

兵士「はい?」

魔王「お前は勇者のなんだ?恋人か?家族か?」

兵士「さぁ...?」

フード女「適当な事は抜かさない方が君の為だ」

兵士「そうは言われましても...ウーン...友人...かな?」

魔王「もっとも大切な人が友人?」

兵士「いや...これ以上の言葉が見つかりませんで...」

魔王「フーン...解せぬ...勇者の思考が全く持って解せぬ」

フード女「魔王様、勇者はやってくるでしょうか」

魔王「小僧っ子一人に何が出来る?今頃は人間界との国境付近にある
風俗街の男娼で調教を受けてるころだろう、そうは思わんか?兵卒」

兵士「っへ...そりゃ貴方みたいな変態には胸熱な話でしょうな...」

衛兵「貴様!!口が過ぎるぞ!!」チャキッ

魔王「...」

ザシュッ

衛兵「...っへ?お、俺の腕...?」

魔王「客に剣を向けろと貴様の隊長は教えてきたか?」

衛兵「アアアアアアアアッッッッ!!!!!」

魔王「外へ出せ、目障りだ」

フード女「っは」


兵士(こいつ...基地外か...)

魔王「基地外とは心外だな、大切な客に剣を向ける無法者...それを罰しただけの
事だ、そちらの国王もそうすると思うが」

兵士「あんたも心が読めるのか...」

魔王「ふんっ何千と生きてきた我には造作もない事だ...ただ、あの女の
心だけはどうしても読めないのが気に入らん」

兵士「女...あのフード被った女か...秘書か?」

魔王「眷属...と言えば奴は不快感を表す...まぁ無理もない、教えてやろう
あの女はな、我の奴隷だ」

兵士「奴隷...?」

魔王「あぁ、奴は元はこの国より北にある山脈の麓に拠点を置く、『エルフ族』の
の王の娘だ」

兵士「お、王の娘...?が何で奴隷なんかに...?」

魔王「ん?奴隷と言ったら語弊があるな...我はいまあの女の大切な”者”を預かっている
釈放の条件は...我の言うことに従い任務は確実に成功させる事...」

兵士「...」

魔王「っふ...質問に答えよう...あの女の父、つまり族の国王は我に戦争を仕掛けて
きたのだ、それも少ない手勢でだ...バカな話だとは思わないか?我がエルフの女郎を言い値で買おう
話を持ちかけてやったのに...」

兵士「...誰を指名した」

魔王「誰?若い女全員に決まっておろうが、エルフのメスは何千年とその容姿を変えずに
生きれるのだ、我の元に置かずしてどこにおくのだ?」

兵士「お前...」

魔王「感情的になるな...男の貴様になら分かるだろう?女を常にそばに置き
自分の欲求を満たす...それなりの地位に付けばそれが可能になる、ならば実行
に移す!...お前にも分かるだろう?」

兵士「っへ...俺はハーレム物はあまり好みじゃないんでね...俺のジャンルはイチャラブだ」

魔王「フーン...分かり会えぬか...まぁどうでも良い...勇者が来れたとしても貴様も
勇者も殺すまでだ...」

兵士「今は殺さないのか」

魔王「本人の目の前で殺したほうが赴きがあるだろう?」

兵士「...」

魔王(こいつはそう望むか...命乞いもしないとは面白みの無い男だ...)

兵士「勇者様が来れたらって...何かやったのか?」

魔王「何か...そうだな、主要な街道に軍を配置したくらいだな...総勢290万ほど」

兵士「ほぼ動員させたのか...」

魔王「前までは1000万ほどはいたのだが...粛清やらなんやらで逃げ出して
しまってな、全く腰抜け連中め...」

フード女「魔王様、勇者が」

魔王「ほう?もうやられたか?」

フード女「いえ...その」

魔王「なんだ煮え切らん...もう男娼で指名度No.1にでもなったか?」

フード女「...はぁ...こちらです」

勇者「お初にお目に掛かります...魔王様?」


兵士「は?」

魔王「は?」

魔王「あらっ?え?」

兵士「お、おい!!290万の軍勢はどうしたんだよ?!!」

魔王「いや...確かに配置したはず...」

兵士「じゃぁ何で勇者様がここに立ってるんだ!!」

魔王「っな、何で貴様がキレてるんだ!!!」

兵士「切れてねえよ!!びっくりしてんだよこっちは!!!」

勇者「兵士...怪我は無かった?僕とても心配したんだよ...?」

兵士「えっ...えぇ、おおむね生きておりますが...幽霊じゃないですよね?」

勇者「ッムー!失礼だなぁ!ちゃんと生きてますぅ!」

フード女(兵士の前ではキャラが違う...)

魔王「っわ我が配置した兵は...?」

勇者「兵?あぁあまり骨が無かったね、もう一回鍛え直した方がいいよ、
まぁもっとも...もうみんな死んじゃってるかも...ね?」

兵士「...ッ」ゾクッ

兵士(貴方...本当に何者なんですか...?)

魔王「おっおい!!こやつを何とかしろ!!」

フード女「...申し訳ございませんが、もう契約は終了となりますので」

魔王「何をバカな!!」

フード女「...」ッス

エルフ「お母様と妹ももう死んでいる...」

魔王「んなにをバカな事を!しゃんとい、生きておるわ!!!」

エルフ「...貴方が切りつけた衛兵が死に際に吐きました...」

__
_

衛兵『お前の母はとうに死んでる...妹は...陵辱されて死んだ...おっ俺は見たん...だ!』

エルフ『...』

衛兵『お、俺は関係ないぞ!俺は止めた...だが...』

エルフ『分かっていた...とうの昔に...大方そろそろ魔王も私に辱めを...ん?』

勇者『魔王のいる所まで案内して欲しい、案内したら命は助ける』

エルフ『...了解しました』
_
__

エルフ「魔王よ貴方は言った、任務をこなせば二人は返すと」

魔王「bbっば、死に際の戯言だ!!信用するな!!」

エルフ「勇者、後はお好きに...」

勇者「うん、ここで終わらせる」

魔王「っへ兵卒よ!勇者を止めろ!互いの性癖を語り合った仲ではないか!!」

兵士「ハーレム物と男色が好きな変わり者と語り合った覚えは...」

魔王「さっきの男娼のは冗談だっ!さらっと流せそのくらい!」

エルフ「貴様ホモだったのか...?」

魔王「違う!断じて違う!!」

勇者「フッ...!!」

魔王「貴様だいた...い...」ズシャッ!!

兵士(また一人...変態が逝ったか...)

兵士「イチャラブ物が好きだったのなら生かす事も考えてやったが...」

勇者「性癖...何を話したの?」

兵士「えっ?あ~っと...世界情勢などを...」

エルフ「勇者よ、そいつはかなりの変態です、気をつけた方がよろしいかと」

勇者「え?え?」

エルフ「兵士よ...昨晩はよくもやってくれたな?」

兵士「え?あぁ...えぇ?!今それ話す?!」

エルフ「あぁ、お陰で私の純潔は奪われたも同然だ違うかな?」

兵士「多分違う!!俺は妄想しただけで!!」

勇者「何...?なにかしたの?」

エルフ「勇者よ、君は保健はどこまでやったかな?」

勇者「え?あぁ...応急処置のあたりまでで...性?はまだ...」

エルフ「そうか、では簡潔に話そう、私は昨日彼と逢引をした!それも彼からGO-INに!」

勇者「逢引?」

エルフ「そうだ!お陰で赤子を身ごもったかも...」オヨヨ

兵士「っはぁ?!ヤッてないから!考えただけだか...ら...?」

勇者「赤子...赤ちゃん...口でキス...?」ウルウル

エルフ(あれ?まさかそうとうウブなのか?)ヒソヒソ

兵士(貴方が思っている数万倍はウブです!!)

勇者「ッヒッグ...グスッ...エウッ...」

エルフ「あちゃ~」

兵士「あちゃ^~じゃねえよ!弁解して!ねぇ弁解してぇ!」

勇者「ウエエエエエエエエン!!ビエエエエエエエエエ!!!」

兵士(今までに無い程のガチ泣き!?)

勇者「っ結婚...グスッ幸せな家庭っ...ヒッグ...ウエエエエエエン!!」

兵士「理想の家庭をもう考えてたんすか?!」

エルフ「...とりあえず、国に帰るか?」

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道中...

兵士「そいえばお前は国に帰らなくてもいいのか?」

エルフ「帰りたいのは山々だがもう国自体が存在してないのでな、生きている仲間
は方々に散らばってしまっているが、みんな国の再建の時を待って息を潜めている」

兵士「へぇ~何かと入用なんだねどこの国も...しかし起きないなぁ」

勇者「Zzz...」

兵士「重いな...ヨイショット」

エルフ「女性の心を分かっちゃおらんな君は、少女に重いは禁句だぞ?」

兵士「寝てるからダイジョブ」

勇者「...ダイエットしてるもん...」

兵士「...」ガタガタ

エルフ「耄碌爺の千里眼で君たちを見てきたが、勇者は特にキャラが変わっているな
兵士の前ではコロコロと」

兵士「そうなんですか?」

勇者「っそ、そんなことは...///」

兵士「あ、そうだお礼言ってなかったな...勇者様、改めてありがとうございます」

勇者「そんなの気にしないでよ...カゾクナンダカラ...///」

兵士(あれ?もう家族化計画始まってんの?)

勇者「あっあぁ今のは無し!忘れて!!///」

兵士(後で恥ずかしくなるタイプのアレだ)

エルフ「君も罪な男だな?」

兵士「なーに言ってだ」
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__

__
_

兵士「あと少しで国境だが...夜中に平原を歩くのはいささか酷という物だと
は思いませんか?」

勇者「うーん...野宿かな...?」

エルフ「あと少し歩いたところに『聖域の森』がある、寝るならそこで寝よう
魔物も入ってこないから安全だぞ」

兵士「んじゃそこをキャンプ地とする!」

そして
『聖域の森』

兵士「きのこ光ってるよおい!」

勇者「そんなに珍しいかな」

エルフ「旅や冒険をしていればいやでも目に入るだろう」

兵士「俺は国粋主義者なんでね、実家と首都からは絶対に出ないように
心がけてるんだよ」

エルフ「多分それは違うと思う」

勇者「う~...やっぱり夜は冷えるね...毛布か何かあれば良いんだけど...」

兵士「毛布...ちょっと待ってて下さいな...エーット」

エルフ「背嚢にずっと入れてるのか?」

兵士「ダニはちゃんと駆除してるよ...エーッツトお、あったあった」

『一人用テント』ボロボロ

勇者「年季入ってるね」

エルフ「これは一人用だぞ?どうやって三人入るんだ?」

兵士「いやね?前の大戦でテント張って寝たんですが、一人テントが破けちゃった奴が
いたんで、二人で入ったら大きく動かなければ案外イケたんですよ」

勇者「誰と入るの?」

兵士「だから勇者様とエルフで入れば良い」

エルフ「君はいいのか、今日は冷えるぞ?」

兵士「焚き火でもして寝ますよ、ささっどうぞ入って入って」

勇者「え、でも...」

兵士「寝心地は最高ですよ?朝露がつかなければの話ですが」

エルフ「勇者は君を心配しているんだよ、どうするんだ君は」

兵士「自分は地面で寝るには慣れてるんで、これでも泥水すすって戦場這いずり
回ったんですよ?」

エルフ「そうか...では言葉に甘えよう、だが何かあればすぐに知らせるんだぞ?」

兵士「了解です」

そして...
テント内

勇者「狭いけど、何かワクワクするね」

エルフ「...勇者の噂は我が国にも届いてましたのでどんな方かと思ったのですが
中々どうして」

勇者「え?変かな...?」

エルフ「いえ、常に人を気に掛けており接し易い...人望が在るのも頷ける」

勇者「えへへ...人前じゃあちょっとクールぶってるけど...こっちの方が僕は話し易いんだ」

エルフ「しかし周囲の人間がそれを良しとしない...ですか?」

勇者「...うん、お父さんからは「常に厳格な態度でいろ、それが勇者という物だ」って...
小さい頃に言われたから、その時は良く分かんなかったけど...今じゃ自然にクールぶっちゃって...」

エルフ「苦労なさったのですね...」

勇者「エルフのお父さんはどんな人だったの?」

エルフ「私の父上は...みなから慕われておりました、幼い頃から剣術や弓術に長けてたそうで
私も周りからは常に期待されてましたが...どちらも妹の方が優秀でした」

勇者「妹さん...」

エルフ「時期の国王はエルフ族では初の女王かとまで噂されるようになり、次第に
みなは私への関心を無くし妹と父上に着いて行きました」

勇者「...」

エルフ「でも、それでもあの国は私にとってかけがえのない故郷でした...また仲間と
一緒に日々を過ごしたい」

勇者「...大丈夫だよ、きっとまた再建できるよ」

エルフ「勇者が言ってくれると心強い..

「あっちゃーーー!!!火強すぎた!」

エルフ「...フフッ」

勇者「もう...フフッ」

エルフ「国が再建できたら勇者を招待します、きっと気に入ってくれるはずだ」

勇者「うん、絶対に行くよ...」
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__

__
_

兵士「そろそろ我が国の国境ですな...」ゼエゼエ

エルフ「案外近かったな」

兵士「何で疲れてないんだ...」ゼエゼエ

勇者「もっと鍛えたほうが良いよ?そうだ!戦士の訓練をもう一回受けてみる?」

兵士「遠慮しておきます...ん?あの見覚えのあるアホ面は...」


上等兵「お~い!!!!生きてやがったかぁ!!!」ブンブンブウンッ

曹長「やめろみっともない、勇者様もいるんだぞ?」

隊長「隣の美人さんはどちら様かねえ」

兵士「みんな...お~い!!!!」ッタッタッタッタ

勇者「...あっ」

エルフ「走るだけの元気はあったみたいだ」

勇者「...」

エルフ「...まだクールビューティーになるか?」

勇者「...もう少しだけ...ね?」

エルフ「フフッ...それもまた赴きがある」


兵士「ウアアアンッ怖かったよォォォォ~~!!!!」

上等兵「っだ、抱きつくなアホウ!!」

曹長「やっぱり兵舎ウラで盛ってたのはお前らだったのか...」

隊長「勇者様、我が隊の仲間を救出して頂きまことに感謝いたします...」

勇者「はは...僕は個人的に行きたかっただけだよ」

隊長「突然の遠征でお疲れでしょう、我が隊が首都まで護衛します」

勇者「あぁ、ありがとう」

曹長「荷物お預かりします」

勇者「いや、これは僕が持つよ、君たちもここまでの移動で疲れてるだろう?」

曹長「ですが...そうですね、兵士、お前持てよ」

兵士「ええ~?自分も拘束中に拷問をば...」

曹長「どうせ大声で愚痴ばっかこぼして看守困らせてただけだろ、勇者様
よろしいですか?」

勇者「兵士が持ちたいと言うのなら...な?」

兵士「勇者様に頼まれちゃ断れませんよ...ヨイショット」

エルフ「では私はテントを持とう」

勇者「あっ...僕が持つよ」

エルフ「いえいえここは私が...」

勇者「いやっ、兵士にばかり持たせるのも...っ!」


上等兵「...美人に美男子か、お前守備範囲広いな」

兵士「もう何とでも言ってくれ...」

そして...

兵士「帰った~っ!!」バタン

上等兵「風呂入っぺ風呂!!」


曹長「早速だが兵士、大将様がお呼びだぞ」

兵士「あぁ...行かなきゃ駄目ですか」

曹長「お前とだけで話たいそうだ」

兵士「了解しました...」

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__

__
_

大将「帰ってきて早々で悪いね...まぁ掛けてくれ」

兵士「いえ、自分はこのままで結構です!」

大将「長くなるぞ?」

兵士「...失礼します」ストン

大将「うむ、今回の件については魔王の意図を見抜けなかったこちら側の責任もある、すまなかった」

兵士「い、いえそんな...自分の力不足も...」

大将「魔法あいてじゃぁどんな剣豪も太刀打ち出来んよ、所で...今回はちょっと
話を聞きたいのだ」

兵士「魔王の死に様でありますか?」

大将「いや、そこじゃない...勇者様が自ら”君”を助けに行った事だ」

大将「正直に言って...君の生命を自らの命を投げ打ってまで危険なところまで
行く様な事は...ただの兵士にはしない事だ」

兵士「はい」

大将「率直に聞こう、勇者様とはいかなる関係を持っている?」

兵士「...友人であります」

大将「チャラけて言ってるようであれば怒るぞ?」

兵士「いえ友人であります、それ以上もそれ以下もありません」

大将「...そうか、すまなかった、疲れているだろう今日明日はゆっくり休んでくれ」

兵士「はい、失礼します」

バタン

大将「...勇者様は何かを隠している」

_
__

__
_
居酒屋

上等兵「でさぁ幼馴染が早く帰って来いってうるさいんだよォ!」デレデレ

兵士「それ結婚の報告だろ、他の男との」

上等兵「いや!あいつはまだ独身だ!俺にもチャンスはある!」

曹長「まぁ可能性はゼロじゃぁないな限りなく少ないが」

上等兵「曹長もはやく家に帰って奥さんに会ってやって下さいよ~!」ヒック

兵士「あぁ、例の栗色ストレートですか?」

曹長「なんでお前まで知ってんだよ...」

上等兵「町の繁華街を美人さんと歩いてるとか嫌でも目に付きますよ~!ヒック」

曹長「てめぇ俺の女房が視界に入るのが嫌ってか!!?」

店主「豚に真珠って意味だろ」

.

曹長「あんたまで何を!」

店主「まぁそうカッカすんなよ、最近あえて無いんだろ?たまにゃあ会ってやれよ~
ここから奥さんの家近いだろ」

曹長「次の休暇には帰るつもりだ...子供も欲しいしな...」グイッ

上等兵「赤ちゃん生まれたら報告してくださいね~」

曹長「お前にはしたくねえな~」

兵士「ははっ」

上等兵「そういえば、兵士の実家って東の地方だよな?」

兵士「うん、結構離れてるから帰ろうと思って中々帰れなくて」

曹長「妹さん元気か?」

兵士「はい弟と姉が育ててます、俺は仕送り担当で」

店主「そっか、親御さん亡くなっちゃったんだよな...」

兵士「まぁ悲しんでも仕方ないですよ、いまは残った家族を守らないと...」

曹長「カッコいいこと言うじゃねえかぁ!あぁ?!」

上等兵「あちゃ~曹長酔っちゃった...」

曹長「俺だってよォ?!こんな中途半端な階級で満足できっかよォ!!」

兵士「はいはいそうですね」

上等兵(ちょっと出てくる)

兵士(いつもの事だ、早くしてくれ)

曹長「女房もよォ!これがまたキャワイイのよ!!」

兵士「あぁそうですね」

曹長「寝るときもよォ!ちょっと添い寝してやりゃぁ「キャッ///」なんてぇ~デヘヘ」

ガチャ

上等兵「こちらであります!」

女性「曹ちゃん!!」

曹長「でへh...お前...」

兵士「今日は添い寝でキャまで話されました」

女性「んもう!!いつもいつも酔っ払ったら...話があります!!」ガシッ

曹長「あっ!!違うんです!今日は家の猫の話で!」

「おいまたおしどり夫婦だぞ~」

「今日は少ないぞー」

曹長「黙りやがれ!!っは、話し合おう!」ズルズル

女性「私からも話がありますから!!」

曹長「上等兵!!覚えてやg

バタン!!

店主「この漫才俺の店だけでやってるって聞いたが?」

上等兵「気のせいですよ」

兵士「新聞読んでもいいですか?」

店主「あぁ好きにしな、第一お前はなぁ...」

兵士「少将、勇者と口論になり更迭...東の要塞に転属...」

上等兵「あぁ、お前がさらわれた時にさ勇者様が助けに行こうってんでそれをとめようとした
少将とひと悶着あってなぁ、そうしたら少将が勇者様に「お里が知れる!!」ってさそれで反逆罪
で大将じきじきに転属命令、東の要塞へ島流しってわけだ」

兵士「へぇ...」

店主「東の国は山賊や蛮族も多い土地だからなぁ、少将さんも苦労するだろうよ」

兵士「姉ちゃん達大丈夫かなぁ...」

上等兵「大丈夫だお前の故郷までは来られないさ...でも用心しといた方が良いかもな」

兵士「さぁってと...そろそろ帰るか~」

上等兵「そっだな店主さん、いくら?」

店主「2千」

上等兵「ちょっと位サービスしてくれよ...はいちょうど」

店主「おう、確かに丁度だな寄り道せずに帰れや」

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賢者「っほんとに!!無茶なばっか事して!!」

勇者「っす、すまない...僕の理性が吹っ飛んでしまっていたようだ...」

賢者「反省してるの!?」


戦士「おうおうお姉ちゃんがいなくて寂しかったのかねぇ~」

僧侶「賢者が必死になるのも頷けます、せめて一言言って欲しかったです」

エルフ「姉弟の喧嘩とは...微笑ましい光景だ」

戦士「いつも賢者が説教食らわしてるんだよな~」

魔法「さてと...そろそろ止めましょうか...」

魔法「はいはい二人とも、そこら辺で終わりにしましょう」

賢者「でも!今回という今回は!」

戦士「賢者君お姉ちゃんがいなくて寂しかったんでちゅか~??」

賢者「っそ、そんな事は..。!」

魔法「はいはい戦士もやめなさい...明日は会議でしょ?」

勇者「あぁ、そうだったね、早めに寝よう」

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チュンチュン...

店主「さ~て今日の朝刊はっと...」

『東の要塞に更迭された少将、逃走し行方不明に。

関連記事:東の要塞の兵力増強の為に軍事物資運搬中、物資を武装集団に
奪われる。キャラバンは全滅か』

店主「東の地方...何か胸騒ぎがするな...」

店主(杞憂だと良いが...)

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『正門』

兵士「はい確かに本人ですね、どうぞお通り下さい」

「あんがとよ~」

兵士「ふぅ...今日はやけに客が多いですね」

曹長「東の要塞の指揮官が不在だからなぁ、東の地方の自治体が意見を求めに
きてんだな」

曹長「お前んとこの姉弟は大丈夫か?なんだったら官舎の家族寮で一時住まわせられるが...」

兵士「農作業が本格的に始まったみたいなんで今は離れられないと...」

曹長「しかしなぁ...要塞の指揮もままならんのに町村の防衛が出来るかね...」

兵士「まぁ本格的にやばそうだったら呼びますよ」

曹長「そうだな、でも早めに呼んどけ?敵が来てからじゃ遅いんだ」

兵士「東の国が宣戦を布告しなけりゃ良いんですが」

曹長「どうだかな~...魔王の一件以来どうも奴らの動きがきな臭いんだ」

兵士「...」

曹長「...不安なら手紙でも書いとけ」

兵士「はい...」

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村長「勇者様との口論が無ければ少将も血迷わないで済んだはずですぞ!!」

村長「最近村の詰め所の兵が不審な動きを見せております!妻子は不安で寝られないと!」

姫「分かりました、勇者からは厳しく指導いたします。兵の件に関してはこちらで
調査部隊を派遣いたしますので少しの間我慢して頂けますか?」

「頼みますぞ!」


姫「はぁ~~...地方自治って疲れるのね~...」

執事「今日の来賓の予定はありません、休憩を取られてはいかがでしょう」

姫「ふぅ~...今なら大浴場開いてるよね?」

執事「また勇者様と入浴なさるおつもりですか?」

姫「いいでしょ?今は騎士団長も出張で出払ってるし!」

執事「はぁ...ではお付の者を連れてまいります」

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『大浴場』
ガララッ
兵士「おっ、一番風呂か」
チャプ...
兵士「フウウウウウウウウン...生き返るぅ~...」

兵士(そいえば一年くらい帰ってないんだった...妹俺の事覚えてるかなぁ...)

兵士「今度休み貰うか...」チャプッ...


「いけません!ほかの者が入浴しております!」

「いいじゃないの、減るもんじゃなし!」

「せめてタオルだけでも!」
ガララッ

兵士(静かに入れないのかよ...)

姫「おやっ?君は確か...」

勇者「姫!タオルを...あ」

兵士「勇者様も...タオルおば...///」

勇者「っも、もう入っていたのか...///」

兵士「姫様とはいつもご一緒で入浴なされるのですか?」

勇者「姫とは時々だが、ここ最近はちょっと多くなってきたな」

姫「だって勇者ってばいつ国を出るか分からないんだも~ん...所で君は勇者
の秘密を知っているっぽいね?」

兵士「あーっと...はい...」

姫「珍しいね~秘密を教えるのはパーティーの仲間ぐらいなのに」

兵士「ちょっとした手違いが御座いまして...ね?」

勇者「あ、あぁ...でも兵士は黙ってくれると約束してくれました、僕は...
ガララッ!!
戦士「イヤッホーーウッッ!!」 バシャーーン!!

賢者「こら!!風呂場では走らない!あっ勇者だ」

戦士「おお、もう入ってたのか?っと?お前もいたのか!!お疲れさん!!」

兵士「はぁ...お疲れ様です...」

兵士(さっさと出よう...)コソコソ

エルフ「これが風呂か~...君、脱走は重罪だぞ?」

兵士「ヒエッ...」

兵士(俺をここから出してください!!)

エルフ(え~?いいだろう?エルフの裸体なんぞ滅多にお目にかかれるものじゃない
ぞ?)ポヨン

兵士(っぽ...ポヨンてしてんぞ...!!)

兵士「ってかお前エロ耐性着いてないもんだと思ったが案外平気なのな」

エルフ(この国の書物で勉強したからな!大抵の事では動じんぞ!)

兵士(いやそれはおかしい)

勇者「っな、何をコソコソと話しているんだ...?」

エルフ「兵士がポヨンポヨンの方が好みと...」

兵士「何言ってんだおま...え」

勇者「...」スカスカッ

兵士(絶壁っ!!それはまさに!絶p)

兵士「ってあんた何言ってるんだ!違いますよ?!勇者様のはステータス!希少価値!」

勇者「...グスッ」

賢者「君さぁ...」

戦士「無いわ~」

姫「おーよしよし...で?何か言い残すことは?」

兵士「待ってくだせえ!話を聞いておくんなせえ!」

エルフ松「年貢の納め時だぞ」

兵士「あんたが原因だろうが!ねぇ弁解してぇ!」

姫「とまぁ漫才はここまでにして...ほらしゃんとする!」

勇者「はい...」

兵士(自分、脱走いいっすか?)

エルフ(まぁ常識的に考えて返してくれる訳がないだろう)

兵士「...」
_
__

__
_
『居酒屋』
兵士「酷い目にあった...」

エルフ「この枝豆と塩辛を貰おう」

「はいよ!」

兵士「順応できてるな」

エルフ「あぁ、最初はちょっと怖かったが慣れると案外楽しい物だな」

勇者「...グスッ」

兵士「勇者様...機嫌直して下さいよ...自分が悪かったですから」

勇者「うるさい...もう大きいおっぱいでも追いかけてたら良いじゃん...!」

兵士(フード被せといて良かった...)

賢者「誠意が足りないよね」

兵士「っど、どうぞどうぞささっグイッと...」ペコペコ

賢者「ん、よろしい」

兵士「ふぅ...」

賢者「でも...勇者がこんなに楽しそうなのは初めて見たよ」

兵士「え?」

賢者「勇者ってさ、職業がら大勢の人に期待されるから...威厳を保つ為か、いつもムスッとした
顔で過ごしてたんだけど...君と会ってからちょっとずつ変わってきたんだよ...前よりも笑顔になる
事が多くなったし」

兵士「はぁ...」

賢者「悔しいけど...」

兵士(感じちゃう?...俺もう駄目かもわからんね)

賢者「君のお陰だって...みんなは思ってるよ?」

兵士「...///」

エルフ「なに照れているんだ初心な奴め」

兵士「って、照れてねぇよ!」

賢者「でも...個人的な事だけど勇者にはあまり無茶しないで欲しいんだ...」

兵士「...」チラッ

勇者「Zzz...」

賢者「君も勇者が無茶しそうになったら引き止めてね...たぶん僕らが引き止める
よりも効果がある」

兵士「承知しました」

兵士(俺に...出来るか...?)

エルフ「...」

エルフ「まぁ今はそんな大事に考えなくてもそう言う時がいつかやってくる...その時に決心すれば
いいんじゃないか?」

兵士「...そりゃそうだな」

賢者「さーてっと...明日の職務もあるし今日はお開きにしようか」

兵士「はい...勇者様は如何いたしましょう...」

エルフ「テイクアウトすればいいだろう」

兵士「バカ言うな、命が幾つあっても足りやしねえぞ」

賢者「部屋まで運ぶのを手伝ってくれるかな...僕は非力でね」

兵士(バイキルトでも唱えればいいじゃん)

エルフ(それは攻撃魔法だ)

賢者「ささっちゃっちゃと運ぶ!」

兵士「了解しましたっと...」

兵士「ふぅ...(重いなんていったらトンでも無い事になるかな)」

_
__

__
_
『正門』
リーン...リーン...
上等兵「であるからして、自分は勇者様ネコ派論を主張した次第であります。終わり」

兵士「何で俺に話すんだよ」

上等兵「勇者様タチネコ論争はお前の介入のお陰でさまざまな方向へ発展
してしまったんだちょっとは責任感をだな」

兵士「夜勤中に話す事じゃないだろそれは...」

上等兵「ちぇっ...で?勇者様とはどこまでイッたんだ?α?β?」

兵士「AもBも行ってないよ」

上等兵「はぁ?魔王城から帰還する時に野営したんだろ?だったらチャンスはあった
筈だぜ?」

兵士「エルフがいたからテント譲ったんだよ...俺は外で寝た」

上等兵「っへ粋なことを...」

「ッハア...ッハア...」ヨロヨロ...

上等兵「ん?こんな時間に客か?」

兵士「それにしては様子がおかしいな...」

兵士「どうかしましたか?」

「ッハア...っじ、自分はカハッ...先日に襲撃されたキャラバンの隊員であります!!」

兵士「襲撃された...っと、とりあえず中へ入って休んでいて下さい!上等兵、隊長へ緊急連絡
だ!」

上等兵「おうよ!」ッタッタッタ

兵士「どうぞこちらへ!」

「ありがとう...っ...」ヨタヨタ...

兵士(相当疲労している...ずっと走ってきたのか...)

「まさか...少将の奴が...っ!...」

兵士「少将?あの更迭された?」

「あぁ...っ...ッハア...奴が武装集団を指揮してたんだ...!」

兵士「今は休んだ方がよさそうです、話は後でゆっくりと...」

「あぁ...っ...」

兵士(これは...一波乱ありそうだぞ...)ッブル

兵士(...嫌な予感がする)

上等兵「隊長はすぐに来るちょっと待っててくれ」

兵士「...」

上等兵「おい...大丈夫か?」

兵士「っあ、あぁ平気だ...問題ない」

上等兵「?」

ガチャ

隊長「おう、話を詳しく聞かせてくれ」

兵士「話せますか?」

「あぁ...あいつらは深夜に襲撃してきやがった...」
_
__

「この武器高いんだろうな~」

「っへっへ、いっそのこと売り払っちまうか?」

「バカ言うな、首がすっ飛ぶぞマジで」

「へへ冗談d
ザシュッ!!!
「ッカハッ...ヒュー!ヒュー!」ジタバタ!

「っだ、誰だ!!」

?「...皆殺しだ」

「っう、うわあああああああああああ!!!」

ブシャア!!

__
_

「それで...逃げようとしたら奴が居たんだ...少将が...」

兵士「...」

隊長「見間違いではないな?」

「あぁ...あの肩章...あのひねくれた顔...間違いなく少将だ!!ウップ...」

隊長「ありがとう、もう良い休んでくれ」

上等兵「上層部への報告はいかがしましょうか」

隊長「あぁ俺が師団長に報告してくるわ、お前らは交代でこいつの看護に当ってくれ」

兵士「了解しました」

上等兵「じゃぁあいつ見てるから受付頼む」

兵士「あぁ何かあったら呼んでくれ」

_
__

__
_

中将「武装集団は東の国と我が国との国境にまたがる山を拠点としている
山賊と判明しました」

姫「そう、近隣の村に被害は無い?」

中将「そのような報告はまだ届いておりませんが...詰め所の兵が不審な
動きをしているとの報告と武装集団とに関係はありましょうか」

姫「何か良からぬ事を企んでいるだけならまだ対処はできるけど...山賊
とつるんでるというのは流石にヤバイわね...」

中将「先日のキャラバン襲撃で...小国の軍隊程の戦力は持っているでしょう...」

姫「勇者は少将と口論をしなければあいつは暴挙に出なかった...って気にしています」

中将「いえ、これは私の監督不届きでございます...元から怪しい奴ではありましたが
ここまでとは予想出来ませんでした...」

姫「分かりました...今回の始末は中将、貴方に託します。その反省は本物と
信用してもよろしいですか?」

中将「はい、私が責任を持って武装集団の殲滅および少将の始末をいたします」

姫「そう、ありがとう下がって良いわ。時間を取らせてごめんなさい」

中将「失礼しました...」
_
__

__
_

大将「ではこれより作戦会議を開く、中将頼む」

中将「っは、今回の作戦指揮及び参謀長を勤めさせて頂きます中将と
申します、では早速先日の襲撃事件の内容を踏まえ殲滅作戦の内容を
固めて行きます」

賢者「ねぇ、この集団の戦力はどれ位なの?」

中将「はい、襲われたキャラバンの武具等で小国の軍隊程度の装備がありそれを根こそぎ
盗まれました、現時点で分かっている事は集団は小国の軍隊以上の戦力を持っている、です」

賢者「つまり未知数って訳ね...」

戦士「面倒だから俺らがちゃっちゃと片付けてくりゃ良いじゃねえか?」

賢者「僕はやだよ、働きたくない」

戦士「まったお前はそんな事言ってからに...」

賢者「今回の不始末は軍部にあるんだから僕ら関係無いじゃん、僕らは
魔王を倒して欲しいって頼みでこの国に着たんだよ?」

魔法「まぁまぁ衣食住全てを揃えて貰っているのですし...」

中将「それは重々承知しております、今回の事件は我が軍に問題が
在ります」

戦士「自分のケツは自分で拭けってか」

中将「そう言う事です」

僧侶「そう言えば勇者様はどちらへ?」

戦士(いたのかこいつ)

賢者「さぁ?粗方兵士君の所にでもいるんじゃないの?」

戦士(おっ?こいついつもなら嫉妬するのに成長したな~)

賢者「失礼な事考えてない?」

戦士「いんや?別に?」

魔法「では今回は私達の出番はないと言う事ですね?」

中将「はい、ですが兵の教練は続行すると言う形で勇者様とは合意いたしました」

賢者「え~?」

魔法「まぁ用事も無いことですし...」

賢者「ちぇっ...」

戦士「んじゃあ今日は解散だなっと...」
_
__

__
_

兵士「は、入城を許可します」

「どうも~」

兵士「ふぅ...」

勇者「精が出るな」

兵士「あ、勇者様?もう勤務は終わりですか?」

勇者「あぁ、姫の書類整理で半日を使ってしまったよ」

兵士「ははっ...自分もそろそろ終わりますからちょっと待っててもらえますか?」

勇者「あぁ」

__

兵士「お待たせしました~」

勇者「ご苦労様、今から暇か?」

兵士「はい、実は自分も勇者様と...」

勇者「っそ、そうか...///いつもの飲み屋でいいか?」

兵士「はい」

勇者「みなも呼ぶか」

兵士「あっ...今日は二人で...行きませんか?」

勇者「っふ、二人か...///良いぞ行こう、今すぐ行こう」

兵士「はい」

_
__

__
_

勇者「二人だけで飲むのは初めてかな?」

兵士「はい、最初は勇者様と飲み仲間になる予定だったんですが...へへ」

勇者「はは随分と仲間が増えた物だ...二人だけで飲めないのはちょっと
寂しかったぞ...?」

兵士「ヘタレですいません...」

勇者「ふふっこれも惚れた弱みと言うものか...」

兵士「...///」

勇者「最初の頃よりかは余裕が出来てきたと思うが...どうだ?」

兵士「自分は女子と交友するのは苦手で...まだそれも治ってないみたいですね」

勇者「交友...」ムスッ

兵士「っど、どうしました?」アセアセ

勇者「何でもない...」

兵士「あれ...えーっと...すいません...」

勇者「ナニを謝っているんだ?僕は別に怒ってはないぞ?怒ってはな」

兵士「え、あ...」

勇者「フンッ...」

兵士「...」シュン

勇者「...」チラッ

勇者「...まったく...すまんちょっとからかっただけだ」

兵士「そうですか...」

勇者「ふふっ...この前の胸の件の仕返しだ」

兵士(まだ引きずってたんかい)

勇者「まだ引きずってるのか...そんな事は考えてはいないだろうな?」

兵士「っは、はい!そのような事は一切!」

勇者「ならよし...ふふっ、君と飲んでいると何か楽しい気分になるよ」

兵士「自分もです」

勇者「なら今日は朝まで飲むか!」

兵士「っそ、それは困りますぅ!」
_
__

__
_
兵士「お、重い...」

勇者「Zzz...」

兵士「ビール一気なんかするから...はぁ」

兵士「部屋に運んで...ん?そう言えば...」チラッ

勇者「Zzz...」

兵士「この人の部屋...どこだ?」

勇者「ん~...もう食べられない...Zzz」

兵士「ベタな寝言言ってないで起きて下さい!っへ、部屋はどこに」

勇者「部屋ぁ...ぅりゃぁ...Zzz」

兵士「うりゃぁじゃ無いんですよ...あ~どうしよ...」

兵士(そう言えば一緒に居ることが多いけど...部屋までは聞いてなかったなぁ...)

兵士「勇者様の知り合いに聞くしか...」

戦士「お?兵士じゃんか、何してるんだ?」

兵士「あっ、戦士様!良かった~...実は勇者様が酔い潰れちゃって..勇者
様の部屋に運ぼうかと思ったんですが場所がね...」

戦士「あぁ。勇者の部屋なら姫の寝室の隣だぜ姫の部屋ならわかんだろ?」

兵士「っわ、分かりますが自分が入ってもいいんですか?」

戦士「いいんじゃね?勇者担いでんだから誰も止めやしないさ」

兵士「っは、はぁ...分かりました」

戦士「んじゃあな!飲んでくるわ!」

兵士「...」

兵士(戦士様に運ばせたほうが確実じゃないか?)
_
__

__
_
兵士「ここかな...?」

『勇者の部屋』

兵士「まぁここやろうな...失礼しまー
ガチャ

姫「でさーそしたらお父さんがね~...?

エルフ「ん?どうしt....あら^~?」

兵士「あっどうも」

姫「意外とすみに置けないわね~?」

エルフ「気づかないうちにそこまで進展していたとは...負けてられんぞ」

兵士「え?いや部屋まで運ぼうとしていただけで...」

姫「今夜は使用人達には勇者の部屋の周りには近づくなって言っておくからへーキへーキ」

兵士「っや、やましい事は何一つ!」

エルフ「私は側室で構わんよ」

兵士「ッバ、バカ言うな!弁解してぇ~」

エルフ「どう弁解しろと...」

ガチャ
兵士「お邪魔しまーす...ベッドは奥か」

勇者「...」

兵士「ぐっすり寝てますなぁ...部屋はいい匂いだぁ...(恍惚)」

勇者「...」ゾクッ

兵士「寝かせますよ...ヨイショット...」

兵士「ふぅ...寝顔もいいっすねぇ~」

勇者「...///」

兵士「今度の休みに実家帰ろうかな...勇者様一緒に来てくれるかな...?」

勇者「...」モゾッ

兵士「エルフも連れて行くか」

勇者「...」ゴロンッ
ドゴッ
兵士「うぐぅっ!!寝返りか...」

兵士「...寝てるよな?」

勇者「...グー」

兵士「...」キョロキョロ

兵士「寝てるなら...良いよな?」ッス

勇者「...?」
チュッ
勇者「?!」

兵士「...もう一回」
チュッ
勇者「...///」トロン...

兵士「...口でキスしたってバレたら殺されるかな...」

勇者「...///」

兵士「ここは誉れある撤退を...」ソソクサ

勇者「あっ...」

勇者「...ヘタレ」
_
__

__
_
勇者(昨日のは...夢じゃないよね)ボー

姫「勇者、ハンコのインク取って」

勇者(兵士の唇...カサカサだったなぁ...でも良かった...)

勇者(今度リップクリーム買ってこようかな...兵士に...)

エルフ「リップクリームなら君の使い古しを渡せば良いじゃないか」

勇者「ヘアッ!んなナニを!!」

エルフ「わざわざ買うこともないだろう?君が使っている物を渡せばいい」

勇者「あ...それもアリかも...」

姫「おいゴルァ!何ボケーっとしてんの?昨日はお楽しみじゃなかったでしょう?」

エルフ「ちなみにリップクリームはもう私の使った物を渡してあるのでな、別の
作戦で望んだ方が良いんじゃないか?」

勇者「......」ワナワナ

エルフ「なーに、冗談だ」

姫「いいから書類の整理しなさいよ!!」

勇者「あっすいません...」

姫「まったく!ちょっと甘やかしたらすぐこれなんだから!」

エルフ(甘やかしの要素が見当たらんが)

勇者「申し訳ない...ちょっと浮かれていたようだ」

姫「だいぶ浮かれてたわよ...仕事終わったら話聞いたゲルから今は集中しなさいよ?」

勇者「はい」

エルフ「では私も手伝おうか」

姫「今さら遅いわよ」
_
__

__
_
『勅令下ル!!
東部方面守備不足ノ為以下ノ部隊を東部要塞に派遣ス
○○師団第五歩兵連隊 以下略
以上ヲ派遣ス』

兵士「新聞には詰め所の小隊が消えたって書いてますが...」

隊長「あぁ、詰め所の小隊共が一斉にバックレやがってよ、しかもバックレ連中は
全員武器持って消えやがったんだ...中将の命令で山賊共の隷下に入っちまったんだろうなぁ...」

曹長「現場の下っ端は上官の命令でしか動けませんからねぇ...とんでもない
ことになってきましたよ」

上等兵「勤務から戻ってまいりました~...おやっこの張り紙は?」

隊長「目玉見開いてみとけ、そしてお引越しの準備をしろ」

隊長「出発は明後日の早朝、持っていくものは野戦装備品すべてだ」

曹長「その他の備品は要塞にて配布する、嗜好品は全部捨てとけ!エロ本もだ!」

上等兵「え~!そりゃないっすよ曹長!!」

曹長「言っとくが歩きだぞ?抜く暇は無と思った方がいい」

上等兵「チックッショー!(裏声)」
_
__

__
_
勇者「第五連隊...兵士のいる部隊だ...」

賢者「今回はお呼ばれしてないから出る幕はないね~」

エルフ「しかし彼女はそうもイカンらしいな」

勇者「ちょっと出かけて...」
ガシッ
賢者「ちょちょちょっ!今回は軍の仕事だから僕らには関係ないんだってば!
勇者の出る幕は無いの!」

勇者「っで、でも兵士が...!」

戦士「お上の命令なんだから出動するのは当たり前だろ?兵士って職業はこんな
もんだ。私の大切な人が居るから行かんでくれなんて通用するかよ」

勇者「...」

魔法「確かに今回は大人しくしておいた方が...」

賢者「行って欲しくないなら兵士に辞退届けだせって行ってくれば?」

エルフ「兵士の故郷は東の地方だから当然家族もいるだろうなぁ」

勇者「分かってる...しかし挨拶には行かせてくれ...」

エルフ「では私も同行しようじゃないか」

戦士「おう、存分に挨拶してこいや」

賢者「出発は明後日なんだから今行かなくてもいいんじゃ...?」

エルフ「乙女心の移り変わりは渓流のように早いんだよ。覚えておきたまえ」

賢者「それは違うと思う」
_
__

__
_
上等兵「な~タオル何枚くらいいるかな~?」ガサゴソ

兵士「タオルくらい要塞にあんだろ」

上等兵「イヤに余裕だなや」ガサゴソ

兵士「もう準備すませてんだよこっちは!お前待ちだ!」

曹長「お~い兵士!勇者様が呼んでるぞ~」

兵士「っは、はい!!今行きます!さっさとしろよ?」

上等兵「善処しま~す」ガサゴソ
__

__
兵士「お待たせしました~...」

勇者「っや、やぁ...」

エルフ「君から呼んでおいてキョドるなよ」

兵士「あの~?」

勇者「え~っと...東の要塞に移動だって?」

兵士「はい、それがどうかしましたか?」

勇者「あーっと...あそこは危険区域らしいじゃないか...山賊も夜盗もウロウロしているらしいし...」

兵士「あぁ、まぁそうですね」

勇者「その...っで、出来ればなんだが...その...ゴニョゴニョいでくれるか...?」

兵士「え?なんですって?」

勇者「っだ、だから...あの...要塞へは行かないでくれるか...と...」

兵士「えぇ?!何言ってるんですか?!」

エルフ「そらそうなるわな」

勇者「っだ、だって!毎月兵が大怪我している所だぞ!?最悪死人も!」

兵士「っし、しかし命令が出た以上は...!」

勇者「心配して言っているんだ...!だって君に何かあったらかと思うと...」

兵士「ちょっ...勇者様、自分が何言ってるか分かっているんですか?連日の業務で疲れているんじゃ...」

勇者「当たり前だ!伊達や酔狂でこんな事言ってる訳ではない!!もう一度言う!
あそこへは行くな!ずっとココに居てくれ!」

兵士「っば、バカ言わんで下さい!!自分にも一応行く理由があるんです!」

勇者「家族が居るのだろ?東の地方に...」

兵士「分かっているなら...」

勇者「それでも...イヤだ...」

エルフ「勇者よ...気持ちは分かるが、兵士にも家庭があるんだぞ?」

勇者「...あぁ、そうだ...!兵士が一人抜けても他の部隊から一人補填すればいいじゃん!」

兵士「はぁ?!お、おい!あんた何言ってるんだ?!」

勇者「だってそうでしょ?君が「おい!」行かなくても他の部隊から...「おい!!」

兵士「自分が...行かなければ他の人間が行く事になるんだぞ...?例え他人だとしても...
そいつにも家族や大切な人がいるんだぞ...?分かって言っているのか...?」

勇者「君が死ぬよりかはずっと良い...」

兵士「お、お前...!」ギリッ

エルフ「お、おい二人とも落ち着け!勇者!口が過ぎるぞ!!」

勇者「命が惜しくないの?!」

兵士「そりゃ死にたくはないが俺の勝手な私用で仲間を殺したない!」

勇者「でも...君が...」

兵士「まだ言うのか!?」

勇者「そうだ...!兵一人抜けた位で戦力なんて変わらない!!兵なんて駒だ!!黙って僕の...上官の言うことを聞け!!」

兵士「...ッ」

勇者「っこ、これは命令だ...!行かせないぞ...!!」

兵士「それが貴方の本心か...所詮は血筋か...!!」

エルフ「...」

勇者「な...なんだよ!」

兵士「少しでも貴方を信用した俺がアホだった!貴方も権力を盾にし横暴の限り
を尽くす者と一緒だったとは!!」

勇者「っぼ、僕はちが「違わない!!」

兵士「はぁ...今までの無礼真に申し訳ありませんでした、これからは関らないようにします、勿論...勇者様と
その仲間とも!失礼」

勇者「ま、待って!!話を!!」

兵士「今更話す事はありません、ではもう少し準備がありますので」ツカツカ

勇者「っま!」ガシッ!!

エルフ「...もう終わりだ、勇者」

勇者「離せ!離して!!」ジタバタ

エルフ「失望した、君がまさか駄々をこねるガキと同じで...しかも自らの権力を振るい
他の兵を巻き添えにしようとしていたな?」

勇者「だっで...初めでの...ヒッグ...」

エルフ「言い訳無用、君は中将と同じ運命を辿ろうとしていた」

エルフ「...戻ろう、な?」

勇者「ングッ...ウッグ...ウエエエエエエエエエン...
_
__

__
_
兵士「...」イライイライラ

上等兵「...」ビクビク

曹長「お前...なんかあったのか?」

兵士「ナンもありませんでした」

曹長「...」

上等兵「じゅ、準備終わりました~...」コソコソ

曹長「まぁ大体は分かる、ずばり!喧嘩だろ?」

兵士「違います」

曹長「嘘コケお前大喧嘩の後はいつもそんな態度だぞ?」

上等兵「誰と喧嘩したんだ?勇者様とか言うなよ?」

兵士「寝ます」

曹長「...オロナイン控えろ!!」

上等兵「富士焼きそば!!」

兵士「ウザッテエ!」
__

__
曹長「ほぉ~そんな事がね~」

上等兵「お前バカだなや~」

兵士「だ、だって!」

曹長「この先そんなんじゃ昇進できんぞ?」

兵士「...でも勇者様のやり方は納得できません」

曹長「まぁそうだわな」

曹長「しかしいつまでもこのままって訳にもいけんしなぁ」

兵士「今のところは謝るつもりはありません!」

曹長「いや別に謝ってこいって事じゃねえが...」

上等兵「この先勇者様と一緒にいるってなら近いうちに話合わんといかんべ?」

兵士「っそ、そうだけど...」

曹長「まぁ今は要塞への移動で忙しいからな、今はとりあえずコノ件は保留と」

兵士「はい...」

上等兵「や~愛って恐ろしいなぁ~幼馴染もこうなってねえと良いが」

曹長「なってたとしてもお前には関係ないから安心しろ」

兵士「そうだよ(便乗)」
_
__

__
_
店主「そうかー...要塞のほうへ移動になっちまったか」

兵士「はい、明日の朝出発です」

店主「じゃあ今日は俺の驕りだ!好きなだけ飲め!」

兵士「あ、明日起きられなくなるので...」

賢者「隣、いいよね?」

兵士「っど、どうも」

賢者「ミルク」

店主「はいよ~」

>>235 中将→少将 間違えてました

賢者「どうも...エルフさんから話は聞いた、今回の件は勇者に非があった、本当に申し訳ない」

兵士「なにも貴方が謝らなくても...でも勇者様があのような暴挙に出たのは驚きました」

賢者「あの子は自己表現が苦手でね、パーティーのみんなも最初は扱いに手間取ってたよ...
でもあそこまでの駄々は初めてだよ...君の事がとても大切なんだろうね」

兵士「俺の事を想ってくれているのは...嬉しいです、でもあのやり方は...」

賢者「言いたい事は分かる、あの子が未熟だから許してやってくれとは言わないけど...正直僕もあそこまで
とは思わなかった...」

兵士「19才でアレはちょっと凄まじいですよ...?」

賢者「まぁ...生まれてからずうっと勇者になる為だけの教育を受けてきたから...人との接し方や保健やらの知識は
無知に近いね」

兵士(無知でも生きて行ける程のカリスマ性か)

賢者「信じられないだろうけど...最初の方なんかモラルの部分も欠落していてね...
仲間の前で平気で着替える位まで酷かった...魔法使いと僧侶が何とか教育してくれたけど...」

兵士(それはうら「やましいなんて思ってないよね?」「思ってないです、はい」

賢者「どうだか...ミルクのおかわりお願いします」

店主「はいよー」

兵士「...いつ帰れるかは分かりませんが...戻ったらちゃんと話合おうと思います...賢者様の話聞いて
俺もちょっと勇者様に悪いと思いました...まだ彼女は子どもなんですね...」

賢者「君が成長しすぎなんじゃないか?」

兵士「俺もまだ未熟ですが...て言うか、いいんですか?それカルーアミルクじゃ?」

賢者「ん?」ゴクッ

店主「あ、間違えちゃっちゃ」

兵士「あららら」

賢者「あぅ...」フラッ

兵士「っど、どうしましょう」

店主「う~ん連れて帰れとしか」

兵士「お前...」
_
__

__
_
正門
兵士「う~ん年相応かとても軽い...」

賢者「ふぁっ...///」

兵士(変な声出すな!!)


エルフ「おおぅ...もう...」

兵士「エ、エルフ姉さん...?出来たらこの子を運ぶのを手伝って欲しいのですが...」

エルフ「貴様そこまで守備範囲が広いと苦労するぞ?」

兵士「だぁー!もう!!違う!違うから!」

エルフ「何も必死にならなくてもわかっとるわ、どうせ酒でも飲ませたんだろう?」

兵士「う~ん、違うけど...まぁいいそれで」

エルフ「私が部屋まで運んで行ってやろう、兵士は明日の事もあるし早めに休んだ方がいいだろう」

兵士「いいかのか?助かるよ」

エルフ(賢者の部屋で勇者が精神的に腐り果てているから今会わせたら碌な事にならないだろうし)

兵士「ほら、この子案外軽いぞ」

エルフ「ちゃんと肉も食わせないとな...ヨイショッ...ではこの子は受け取った...あちらでも元気で」

兵士「あぁ、達者で暮らすさ...勇者様の事頼む」

エルフ「あぁ、しっかり教育してやるさ」

兵士「それなら安心だ...じゃぁな」ツカツカ

エルフ「あぁ...」
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_
『賢者の部屋』 書庫の隅
勇者「...」

エルフ「彼は見送られる気はなさそうだぞ?」

勇者「...兵士...僕に何か...」

エルフ「君宛への伝言は無い」

勇者「...グスッ」

エルフ「正直今なら彼を横取りできそうな気がするんだが?」

勇者「ウッ...ヒッグ...」

エルフ「...寝取りは彼が帰って来てからにしよう...君の事を気に掛けていたよ、そして彼が帰ってくるまで君の
事を頼まれた」

勇者「...」

エルフ「もう寝ろ、書庫で腐られて賢者もいい加減迷惑しているはずだ」

エルフ「はぁ...今日はもういい、少し頭を冷やせ」

勇者「...」コクッ
__
___

___
__
上等兵「あいさつくらい行ってこいよ」

兵士「まだ夜も明けてねえんだぞ」

曹長「でも黙って行くのもあれじゃねえか?」

兵士「いいんですよ、それに今あっても...碌な事にならなさそうですし」

曹長「ふ~ん、いいならもう隊長に報告するぞ」

兵士「はい」

曹長「片意地張りやがってまぁ...」ブツブツ


上等兵「なぁ~ホントにいいのか?後悔してもしらんぜ?」

兵士「だからいいんだってば...」

兵士(今あったら何か罪悪感が...)

兵士(俺は悪くないし...ウン)

「開門!!」

上等兵「おっし、出発だ!行くぜ」

兵士「あぁ」

曹長「なにお前が鼓舞してんだ生意気に」
_
__

__
_
上等兵「隊長~、どれくらい歩くんですか~?」

隊長「う~んそうだなぁ、明日の昼まで歩く」

上等兵「うへぇ」

曹長「兵員輸送用の馬車が使えないんだ、街道の行軍位我慢しろい」

兵士「山賊の奇襲攻撃に迅速に対応しこれを殲滅せん...どう読んでも無茶すぎませんかこれ」

少尉「っはっはっはボヤくなボヤくな!」

曹長(いたんだ)

隊長「しかしこの大所帯での行軍であれば流石の山賊も手は出せんだろうな、ちょこちょこお痛を
はさむ程度かなこりゃ」

上等兵「飛び火しなけりゃいいけどな~」

「これより山岳地帯に入る!!周囲の警戒を厳とし障害にそなえよ!!」

上等兵「鉄仮面被っとこ」

兵士「真昼間からつけるな暑苦しい」
_
__

__
_
勇者「う~...」イジイジ

エルフ「なーにいじけとるかバカ者」

魔法「こりゃ重症だね、彼が出発してからこれだもの」

賢者「見送りに行かせないってのはちょっと厳しくない?」

エルフ「いいや!こやつはまた何しでかすか分かった物じゃない!兵士に会わせたら
次はメンヘラになってしまうぞ」

僧侶「うっ...それは困りますね...」

魔法「この時間だと兵士君がいる部隊は今頃はもう山岳地帯かな」

賢者「あそこらも山賊が出没しているらしいね」

勇者「え?!山賊が?!」

エルフ「出ない!出ない!ノー山賊!」

エルフ「まったく、君たちは油断も隙もあった物じゃない...」

賢者「発言には気をつけないとね~」

魔法「まぁ彼なら大丈夫でしょう、あの戦士でさえももう二度と決闘したくないって
言ってましたもの」

僧侶「でも、少し心配ですね...」

勇者「...」

エルフ「はぁ...先が思いやられるな...」
_
__

__
_
「ウギャアアアアア!!!!っも!!燃えるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」ブオン!!ブオン!!

隊長「おい!布、布!!」

上等兵「はい!!」バサッ!バサッ!!!

曹長「くっそっ!!どっから投げられた!!」

兵士「崖の上からです!!」

少尉「東の公国の最新兵器、火焔壷ですか...厄介な」

「まだ来ます!!」

パリンッ!! ブオオッ!!

兵士「ええい卑怯者め!!この中に肩に自信のある奴!!」

「遠投80m!!」

「砲丸投げ14m!!」

兵士「十分だ!隊長!!いいですか?!」

隊長「決めろよ」

兵士「はい!!第三波で決めます!みんな!布を広げて!投げられた壷を取ってくれ!」

「「「「おう!!!」」」」

少尉「第三波!!」

ヒュウウウウウウ... ヒュウウウウウウ....

兵士「取れ!!」ガバッ

「おしっ!上手くいったぜ!!」

兵士「遠投に自信ニキ!」

「おうよ!!」ブウウンッ!!!

「ウラアアアアア!!!!!!」ブウウウウウウンッ!!!

ガシャーンッ!! ナゲカエサレタ!!ウワアアアアアモエルウウウウウウ...

隊長「被害状況は?」

少尉「っは、四名が重軽傷を負っています、幸い死者は出てません」

隊長「まさかもう仕掛けてくるとは...」

少尉「山岳地帯の迂回は...」

隊長「迂回したら三日は掛かる、要塞歩兵が不足している状況では一日も無駄には出来ないしな...
よし!各隊警戒を怠らず縦隊で前進!!」

「っは!!」

曹長「上も下もぜーんぶ見渡せよ!!どこに罠があるか分かったものじゃない!」

兵士「とんでもない仕事になるかもな~...」

上等兵「無事に帰れッかな~...」
_
__

__
_
「移動中の部隊で早速怪我人だとよ」

「ほぉ、山賊か?」

「らしいぜ、先が思いやられるなぁ」


勇者「オオオオオオオオ...」

エルフ「彼が怪我をした訳ではない、あまり深く考えるな」

賢者「ていうかもうそこまで入り込まれているのに何で討伐に行かないの?」

戦士「だよなぁ、大将あたりに掛け合ってみるか?」

勇者「掛け合おう、今すぐに!」

エルフ「変なマネはよせ、君に何かあれば兵士に面目が立たん」

勇者「でも...兵士が...」

エルフ「彼なら大丈夫だろ、だって魔王と口論で渡り合っていた男だぞ?今頃
無茶な作戦を決行して的を全滅させている頃だと思うがな」

賢者「え?口論してたの?魔王と?」

戦士「野朗何モンだよ」

勇者「でも大将と掛け合う位なら...いいよね?」

戦士「そろそろ俺らにも活躍させてクレヨン」

エルフ「しかしなぁ...」

僧侶「不安でしたら、エルフ様もご同行なされては如何でしょうか?」

賢者「まぁ...それならいいんじゃないかな?」

エルフ「う~ん...それなら...」

勇者「ッシャアイクゾオゴラア!!」

一同「?!?」
_
__

__
_
兵士「ッハア...ッハア...」

上等兵「ふう、山の強行軍は疲れるな~おい」

兵士「何で...ッハア、お前は余裕なんだよ...」

上等兵「田舎の生まれだから山岳地帯の行進は慣れているぜ」

曹長「そんなモンかよ...ハアハア...」

隊長「おいてめえ暇ならこれ持てや...!」

上等兵「あぁ軽いもんすよこれ、もっこよりも軽いっすよ」

兵士「上等兵の奴まさか登山が得意とは...」ッザッザッザ

曹長「俺もびっくりだぜ...ッハアッハア...」

上等兵「♪~」

隊長「少尉、いまどこら辺だ?」

少尉「えぇっと..お、そろそろ山岳地帯を抜けそうです、後は平野をしばらく歩けば
もう要塞ですよ」

隊長「よーし...いっちょがんばっかなぁ...」ッザッザッザ

上等兵「俺この作戦が終わったら幼馴染に告白するんだ!」

兵士「や、やめろぉ!!」
_
__

__
_
隊長「山岳地帯は抜けられたな、今日は途中による村の詰め所で宿泊するぞ」

兵士「この街道を歩いていると言う事は...自分の村に泊まるんですか?」

曹長「そうだ、宿泊ついでに顔出しとけ?」

兵士「あぁ~何話そうかな~」

上等兵「隊長、おなかすきました」

隊長「もうすぐで付くから我慢せいや」

曹長「要塞に付けば幾らでも食えるから安心しろ」

曹長「...ん?ありゃぁ...」

兵士「煙...燃えているの自分の村だ...」

隊長「くっそ!急げ!!」ッタッタッタ

上等兵「兵士!!ボケッとしてないで行くぞ!!」ッダダ

兵士「あ...あぁ...」ッダダ

曹長「各員密集せずに離れて行動せよ!!」

「「「「はいっ!!」」」」

『兵士の村』
ボオオオオオオオ...
「村民諸君!無駄な抵抗はやめて、武器を捨てて出て来なさい、畏れ多くも少将殿は
慈悲深く、君達を痛めつける様な事はしたくないと、仰せられている!」

「5分時間をやる!それまでに出て来なければこの女性と子供達の命は保障できない!」

「あんたぁ!助けてぇ!」

「父ちゃん!怖いよ!!」


「くっそ、おっかぁを人質にとるたぁ...!!」

「っで、出ようぜ...少将が直々に言ってるのなら殺しはしないだろ!」

「しかし隣村はでても殺されたらしいぞ?!」

「現場見てねえなら確かじゃねぇだろ!」


「...もういいだろ、ヤれ」

「っは...」チャキン...

隊長「動くな逆賊!!!」

「?!」

「な、もう応援が来たのか?!」

曹長「その短剣を捨てろ、そして地面に伏せろ、早く!!!」

兵士「村の住人を解放しろ!!」

「っく、クッソ!!応援を!」


少尉「村は我が隊が包囲している、援軍はもう呼べんぞ」


「ッヒ...っこ、降参だ...」

「お、おい!降参したら少将殿に...」

隊長「安心せい、少将殿が粛清せずとも我らが粛清してくれようぞ」


上等兵「住人の解放終わりました!!」

曹長「兵士家族んとこ行ってやれ、多分怖がってるだろうぜ」

兵士「っは、はい」ッタタ


上等兵「住人から聞きましたが村民の半数は郊外へ逃げたそうですよ」

曹長「はぁ?マジかよ...そりゃちょっとヤバイな...」

隊長「そりゃイカンな...小隊を村の周辺の捜索にあたらせろ、住民を発見した場合は「少将の隊ではない」
と言え」

「「「っは!!」」」

曹長「兵士家族んとこ行ってやれ、多分怖がってるだろうぜ」

兵士「っは、はい」ッタタ


上等兵「住人から聞きましたが村民の半数は郊外へ逃げたそうですよ」

曹長「はぁ?マジかよ...そりゃちょっとヤバイな...」

隊長「そりゃイカンな...小隊を村の周辺の捜索にあたらせろ、住民を発見した場合は「少将の隊ではない」
と言え」

「「「っは!!」」」

少尉「本部から応援を呼びましょう、住人の保護は我が隊では手に余ります」

隊長「その事ならこの後来る他の隊と相談してみるよ」


兵士「姉さん!みんな!!」

「お前の家族なら村の郊外へ逃げたぞ」

「あぁ、要塞の方面へ行ったぜ」

「大丈夫かねぇ」

兵士「あぁ...ありがとうございます」

「少将が率いている部隊が方々にちらばっとる...捕まってないと良いが」



隊長「ふざけるな!住人をココに置いていけと言うのか?!」

『首都ではクーデターの影響で厳戒態勢に入っている、今は一つの小隊も動かせない』

隊長「この地方で暮らしている住人はクーデター軍の恐怖に怯えて過ごしているんだぞ?!せめて要塞に収容させろ!!」

『それは出来ない、住人の中にスパイがいるかも知れない、要塞の中から破壊させる気か』

隊長「くそが!!もういい切れ!」

少尉「っは」チンッ

隊長「一体どうすれば...」
_
__

__
_
姫「...どう言う事か説明してくれる?」

参謀「っは、東方の要塞へ移動中の隊が住人の防衛の為に大隊の増援をと抜かして...」

姫「...増援を向かわせなさい、足りない戦力は西方の要塞から引き抜いて」

参謀「っし、しかしそれでは西方の要塞の守備が...」

姫「敵が居ない西を守ってどうするの?第一の目標は住人の安全の確保、いい?」

参謀「いやあのですねぇ...!」

姫「早くしなさい”!!国民の期待を裏切る気?!」

参謀「...承知しました」ツカツカ...

バタンッ!!
参謀「っへ...傀儡の小娘が...」

「どうするよ?西方の要塞から兵を出すか?」

参謀「いや、増援はいらないだろう...これから姫君には情報は漏らすな?面倒だ」


中将「丸聞こえ...参謀の腐敗っぷりはここまで来ていたのか」

大将「やはり我々で指揮を取った方がよさそうです」

姫「そうして頂戴...今後命令に背いた者は懲罰ね」

大将「っは」

中将「御意」

コンコン

姫「はぁ...どうぞ」

勇者「姫、話は聞いた」

姫「勇者...貴方達は関わらないと...」

勇者「状況は芳しくない様子だ、大将から聞いたよ...」

姫「それで...どうしたいの?」

勇者「僕達がクーデター軍を討伐する、少将の討伐は派遣されている部隊に任せる」

姫「...そう...ご協力感謝します」

勇者「ありがとう」

姫「...彼の事が心配なのね?」

勇者「...仲間が働きたくてウズウズしているのでね」

姫「それなら...仕方が無いわね」

勇者「あぁ、どうしようもない事だ」
_
__

__
_
曹長「残された住人はどうなります!?クーデタ軍に皆殺しさせられるのがオチですよ?!」

『何度も言わせるな、首都はいま厳戒態勢で兵の増援は出来ない』

曹長「ならどうすればいいんですか?!」

『だから住民は置いて...ちょっと待て...はぁ...はぁ...はい分かりました』

曹長「...」

『いいニュースだ、勇者一行と二個大隊がそちらに向かっている』

曹長「勇者...様がだと?」

『あぁ、遅くても明日の昼に到着する、それまでは村に待機せよとの命令だ』

曹長「あぁ...分かった...すまん」

『通信終了、以上』

曹長「イイッヤッホオオオオオオオオオ!!!!!!!」

上等兵「うえい!?どうなされました?」

隊長「あかん...曹長がイカれてもうた」

曹長「二個大隊の増援と勇者様御一行がこちらに向かってくれています!!到着は明日の昼と!」

少尉「それは朗報だな」

隊長「よぉし...これで参謀の気にくわねえ声を聞かなくて済むぜ」

兵士「勇者様が...」

上等兵「いや~これで勝ち戦だべ」

曹長「はぁ~...これで安心して寝られる...」

隊長「あぁ、誰の差金かしらねえが感謝しねえとなぁ」

兵士「後は要塞に移動するだけですね」

隊長「あぁ、ようやっと動けるぜ」

上等兵「要塞に行く前に兵士は家族さん探さねえと」

兵士「あぁ、今夜見て回るつもりだ」

上等兵「俺も一緒に探すぜ」

隊長「そうだった...住民がクーデター軍に捕まったら大事だな...」

少尉「であれば話は早い、我々も夜を徹し捜索いたしましょう」

隊長「よし、少数は村に残り他の部隊で捜索しよう、文句無いな?」

「「「「はい!!」」」」


僧侶「ッハア...ッハア...」

賢者「ちょっと...大丈夫?」

僧侶「っは、はい...」

戦士「ふう~...いい加減疲れたぜ...兵士がいる部隊はこの山を一日で越えたんだな」

勇者「あぁ、やっぱ彼らは山の強行軍に慣れているんだろうね...」

「っはっはっは、先に行きますよ~!」

戦士「くっそ~後で追いついてやっからな~!」

僧侶「ふぅ...少し楽になりました」

勇者「ホントに大丈夫か?」

賢者「僧侶は無茶し過ぎる所があるからね...」

戦士「よぉ~し...行くぞ~...」


「おい...クーデター軍の死体だ、目障りだカンバス掛けとけ、埋葬は後続の部隊に任せとこう」

「っは」


勇者「兵士の部隊がヤッたのかな」

戦士「だろうぜ、補給部隊からカッパラッた武器を持ってるなぁ...僧侶、お祈りでもしといてやれば?」

僧侶「はい...」
_
__

__
_
曹長「何か見えるか~?」

上等兵「人っ子一人見えませんね~ホントに援軍くるんすか?」

曹長「ばっか野郎お前~、俺は通信の聞き損じをした事は一回もねえぜ?」

隊長「新兵の時期に何度かヤらかかしただろうが」

上等兵「ですって」

隊長「お前ほど聞き損じはないがな」

「隊長!先遣隊が見えました!!勇者御一行もおられる様子です!」

隊長「っしゃあ出迎えだ、立てオラ!」

上等兵「ひえ~」

「いや~遅れて申し訳ない!」

隊長「っはっは、十分くらいどうって事ねえよ、落伍者は?」

「一人もイねえよ、運がよかった」

隊長「そりゃ良かった、ちょっと勇者様に挨拶してくるわ」

「おうよ」

勇者「...」キョロキョロ

隊長「勇者様!こんな所までわざわざお疲れ様です!」

勇者「あ...っど、どうも...」

隊長「兵士なら郊外で住人の捜索にあたってます、そろそろ戻る頃合でしょう...上等兵!兵士が戻ってきたらいの一番に勇者様の前へ!」

上等兵「了解!!」ッタッタッタ

僧侶「クーデター軍の兵は今どのあたりに...」

隊長「それがまだ分からないのです、ここいら周辺って事は分かってんですが...」

「おいおい何だよ!!」

上等兵「いいっから来い!!」ポイッズドンッ
兵士「ってて...何しやがる!!」

勇者「っへ...いし...」

兵士「ウオッ!もう来たのですか?!」

賢者「っや、もう来たよ」

戦士「状況はよろしくないようだな?え?」

兵士「ちょ、ちょいとこっちへ...」

エルフ「はい...」

兵士(どう言う事か一から説明しろ!!)

エルフ(あ、あたしは止めたんだ!しかし姫がGOサイン出しちゃってさ)

兵士(ええいこんちくしょう!とっても気まずいじゃねえかよ!)

勇者「ずっと会えなかったから...寂しかったんだよ?」トコトコ

兵士「っま、まだ二日くらいでしょう?っさ、流石にこらえ性が何で近づいてくるんです...んえ
チュウウウウウウウ...

勇者「ンッ...レロ...///」ッチュパ

兵士「」


エルフ「」

賢者「ウワア...///」

戦士「ウッヒャッヒャッヒャ!!!!大胆だなぁおい!」

僧侶「ハワワワ...///」


勇者「ンチュ...ップハ、ンムッ...///」

兵士「...ッハ ええい!!っや、やめて下さい///!!」

勇者「ハア...ハア...」ズイッ

兵士「落ち着け!!」

勇者「だって...僕...兵士に嫌われたら...ウック...ヒック...」


上等兵「兵士の奴ってば隅に置けませんね~」

曹長「皆の前でやらんでくれるかなぁ...」

隊長「う~む、これでは要塞に行けんぞ」

上等兵「勇者一行を連れてっては?」

少尉「ですね、上等兵の案が得策かと」

隊長「だな...ではこの空気のなかどうやって話しかけるかだ」

口でキスしたら赤ちゃんが出来ると思ってるくらいウブなんじゃなかったっけ?

>>305
そこらの設定はちゃんと覚えてますのでご安心を

兵士「った、隊長...どうすれば」

曹長「お、自分から掛かってくれたぜ」

上等兵「ナイスタイミング」

兵士「な、何が?」

隊長「あー...勇者様、我が隊はその兵士を含め要塞へ今から移動せにゃなら無いんですよ」

勇者「では僕も行こう!」

隊長「話が早くて何よりです、んじゃ行くぞ」

曹長「はい!よしお前ら立て!出発だ!」

「「う~い」」ゾロゾロ

兵士「え?え?ちょ」

勇者「では要塞へ行こうか」ッズン

兵士「っひ、引っ張らないで!ちょいエルフ!!何とか!」

エルフ「いや、これもう無理だと思う」

兵士「諦めんなよぉ!これじゃあ計画がオジャンだ!畜生!」

僧侶「え?もう出発ですか...」

賢者「どうやら僕らも行くみたいだね...はぁ...」ヨイショッ

戦士「ッシャアもう一踏ん張りか~」トコトコ


僧侶「ちょ、ちょっと待ってくださいよ~...荷物が重くて...」

上等兵「おんや?大丈夫ですか?」

僧侶「あ...はい大丈夫です...えへへ...荷物を持って来すぎちゃって....ンショ...お、重い」

上等兵「こんな大荷物持って行軍してたんですか?ガッツありますね~...ヨイショッ」

僧侶「あ...すみません...」

上等兵「いえいえ、荷物もちが取り得なので...早く行かないとお仲間においてかれますよ?」

僧侶「あ、はい...」

上等兵「♪~...?」

僧侶「...」トコトコ

上等兵「...行かないんですか?」

僧侶「に、荷物を持って下さってるので...先に行くのはちょっと...」

上等兵「そんな事気にしなくてもいいっすよ」

僧侶「でも...心配なので...」

上等兵(そんな大層な物がこん中に入ってんのか...落としたら割れるかな)

上等兵「いいえ、一所懸命に運ばさせて頂きます、中身の安全は保障しますよ」

僧侶「っそ、そんな事では...!」

曹長「お?お前が荷物もちとは珍しいな」

上等兵「先日隊長に荷物もちさせられてたでしょ!」

曹長「っはっはっは、そうだったかなぁ~、では若いもん同士...」スタコラ

上等兵「ちっくしょ~帰ったら奥さんに言い付けてやるぞ~」

僧侶「この隊はみなさん仲が良いのですね」

上等兵「はい、皆何度も死線を一緒に越えてきた仲ですしね~!しかも風の噂によるとこの隊に入ったら最期嫌でも曹長の
酔っ払いに付き合わんと生きて帰れない、って」

僧侶「っふふ...面白い方ばかりなのですね」

上等兵「中でも兵士ってばめちゃくちゃ運がいい奴でしてねぇ、今でもホラ美人の姉さんと美少年に囲まれて築いちゃってまぁ」

僧侶(少年...あ、勇者様の事ですね)

僧侶「上等兵さんはどちらのお生まれですか?」

上等兵「自分は大陸の西の生まれでしてねぇ、山と海に囲まれて静かでいい所ですよ~」

僧侶「へぇ...いつか行ってみたいなぁ」

上等兵「まぁ交通の便はアホみたいに悪いんですけどね」


兵士「あ、歩きにくいんで...離れて下さいよ」

勇者「酔っ払った僕を部屋に連れ込み唇を奪ったのによくそんな事が言えるな!!」

エルフ「あぁ、あの時の」

兵士「起きてたんすか?!ねぇ!」


上等兵「元気なやっちゃなあいつは」

僧侶「勇者様も元気そうで何よりです」

上等兵「そ言えば、僧侶さんの生まれはどちらで?」

僧侶「私は大陸の南にある小さな村で生まれました、勇者様も同じ村ですよ」

上等兵「へ~幼馴染なんすね~」

上等兵(ふうん、僧侶さんと勇者さんが幼馴染√に入らなかったお陰で今の兵士√があるのか...これは興味深い)

僧侶「?」

上等兵「いやね?自分の故郷にも幼馴染がいましてねぇ、昔は弟と幼馴染とで一緒に遊んだなぁ...
弟もそれがまた人形みたく可愛くってまあ婿に出したくない程でしてねぇ」

僧侶「...」ポカーン

上等兵「幼馴染も別の村の男子によく告白されてましてねぇ、毎日がドキドキの連続でしたよホントっはっはっは」

上等兵「俺、帰ったら幼馴染と弟とで結婚するんだ」

「っや、やめろぉ!!」

上等兵「あ...熱く語りすぎ?」

僧侶「ッ...」プルプル

上等兵「おーい...?これ引かれた?」

僧侶「ップ...ウフフッ...ンフフフッ...」

上等兵(何かが壷に入ったらしい)

僧侶「ッフウ...上等兵さんも面白い方ですね...?」

上等兵「そうですか?」

僧侶「はい…ウフフッ…」

上等兵(うーん可愛E…おっといかんいかん…俺には幼馴染と弟が…)


兵士「はぁ~…もうどうでもよくなって来た…」

エルフ「最初から難しく考え過ぎなんだよ、さぁ肩の力を抜いて」

兵士「うるせぇ!こちとら気まずい思いしてんのにお前ときたら!」
__
____

__
_
『東の要塞』

「投石器用の麻縄結っとけ!もう時間無いぞ!」

「タール詰めた樽はどこに置けば?!」

「んなもん火の気の無いとこに置いとけ!」
ワー ワー

隊長「なにやら慌しいな」

守備隊長「お!増援部隊か?!」

隊長「あぁ、今着いたところだ」

守備隊長「いやー!運が良かったなぁ、あと一日早く着いてたら敵さんの大部隊と
交戦する所だったぜ!っささ、今のうちに休憩しといてくれ!いつ敵が来るか分かったもんじゃねえ」

隊長「それはありがたいが...被害の方は?」

守備隊長「あぁ、20人戦死で15人が重軽傷...んで少将側に2個中隊が寝返った」

隊長「おいおい状況は芳しくねえな」

守備隊長「あぁ、我が方は劣勢も劣勢、第二次総攻撃なんか食らったら十分持つ自信なんか無かったぜ」

守備隊長「しかしよぉ...なぁ、後ろに居るのって」

隊長「あぁ、勇者ご一行だ」


勇者「もう...兵士は僕の後ろについていればいいんだよ?」

兵士「ええイ!バカ言わんで下さい!僕もう行きますからね!」

賢者「勇者、他の人にも迷惑かけるからもうやめなよ」

エルフ「まぁ今更だがな」


守備隊長「いやぁ元気だねぇ!増援軍がアレだけ元気ならウチの守備隊の士気も上がるってもんだ!っはっはっは!!」

隊長「おめえも元気じゃねえかよ」

曹長「隊長、部隊の全員が作業の手伝いをしたいと」

上等兵「ふう~ここに置いても大丈夫です?」

僧侶「はい、本当にありがとうございました...」

上等兵「いえいえ、いいんすよ別に...んじゃ俺行きますわ」

僧侶「はい、また...」


兵士「ひい~...やっと抜け出せた...」

上等兵「お前もようやるなぁ」

兵士「ならもうちょっと労わってくれよ...くっそ~...勇者様の事気になってしょうがねえじゃんか...」

上等兵「君それ恋やで」

曹長「はいはいサボってないで物資運ぶぞ」
_
__

__
_
「作業終了!!ご協力感謝いたします!」

隊長「とりあえずこれで攻撃に対処できるな、行軍した後の作業で疲れたろう、休んでもいいぞ」

上等兵「ふぅ~...ツッかれた~!」

兵士「タール弄ってたお陰で手がべとべとだよ...」

曹長「ご苦労さん、あと上等兵よぉ速達の手紙だぜ、弟さんからだ」ッス

上等兵「え?!あいつからですかい?!ウホホ!」

__________________________________

お兄ちゃんが兵隊へ行ってもう三年くらいたちました、お体に変わりはありませんか?
母も父も、勿論僕もとても心配しています。
さて、本題に入りますが夏明けに僕と幼馴染さんとの結婚式を挙げる事になりました
まだ手紙で詳しくは書けていなかったので馴れ初めを書いておきます。
お兄ちゃんが兵隊になった後、幼馴染さんはとても心配してました、幼馴染さんは
お兄ちゃんの事がちょっと気になっていたみたいで僕も二人の中を応援しようかと
意気込んだのですが。。。

。。。どうも幼馴染さんと一緒に過ごしている間に僕らの間で恋愛感情が
生まれた訳で、お兄ちゃんが兵隊へ行った年のうちに交際、そして僕の就職内定が決まり次第、結婚式
を挙げようと約束しました。
前の手紙でも書いた通り、今年僕は村の近くにある街の大手金融機関から無事内定を貰えたので
今年の夏明けに幼馴染さんと結婚式を挙げようと決意した次第です。詳しくはまた
送りますので楽しみにしててください。                   返信不要
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上等兵「」

兵士「」

曹長「」

隊長「」

上等兵「」


曹長「恋愛に対して優柔不断なのが仇になったなぁ...」ヒソヒソ

隊長「まさか最愛の弟に寝取られるとはな」ヒソヒソ

兵士「まだ交際にもいけて無いのでただの片思いですよ」ヒソヒソ


上等兵「」

兵士「なぁ...まぁアレだな...」

上等兵「ン...」

兵士「ん?」

曹長「お、おい...大丈夫か?」

上等兵「ンホオオオオオオオオオオオオ!!!!!!バカにナリュウウウウウウウウウウ!!!!!!」ガバッ!!!!

兵士「おっ!おい落ち着け!!抱きつくな!!っそ、曹長!助けて!!」

曹長「うわ、こりゃ凄い」

上等兵「ンホオオオオオオオオオオオ!!!!!!冥府へイグウウウウウウウウウ!!!!!」

兵士「っお、俺を!巻き込むな阿呆が!!離せ!!」

勇者「っへ...兵士...?ウソ...」

賢者「...っほ、ホモだったの?」ッサ

戦士「ありゃりゃ...」ッサ

僧侶「っれ、恋愛に性別はございませんし...」

エルフ「おいおいマジかよ」

兵士「おい!尻隠すな!」

上等兵「アヘエエエ」

曹長「落ち着けバカもんが!!!!」ポカッ

上等兵「ッハ?!俺は一体...ん?この字は...弟?!」

隊長「っみ、見せるな!破り捨てろ!」

少尉「はい」ボオオオ 

上等兵「アアアア弟の手紙が消し炭に!」

兵士「いいか?お前は今何も見ていなかった、いいか?何も見ていなかった」

上等兵「お、おう...?」

そして

上等兵「実はさ...ちょっとは分かってたんだ...最近弟と幼馴染がいい関係になってるのでも...油断してたわ...」

兵士「へぇ...」

上等兵「昔さ、幼馴染が俺に『大人になったら結婚しようね!』って言ってくれたの...
あいつまだ覚えてやがってさ...俺も(あ~いつか幼馴染と結婚するんだろうな)って思ってたのよ...」

兵士「...」

上等兵「で、それもあってか...何か油断してたんだろうな~...出征前に幼馴染が俺に『待ってるから』って言ってくれたんだけど...
俺ってばその時は兵隊に行くってんでテンション上がってて適当に話流しちゃったんだわ...「あーはいはい、気長に待ってて」
ってさ...」

兵士「...」

上等兵「その時の...あいつの顔ったらさぁ...何かを諦めて達観したような...すべてが吹っ切れたような顔してて...馬車に乗った後に
事の重大さに気づいて...手紙だしまくってたんだけど...」

上等兵「三十通目くらいかな?その内容が『無理して手紙を出す必要はありません』って、何かこう...他人行儀で書かれててさ...」

上等兵「それで俺もバカだからさ...面倒になってたし出さなくなったのよ、手紙」

兵士「...」

上等兵「したらこれだよ」

兵士「お前...クズだな」

上等兵「だろ...?笑っちゃうぜ」

兵士「ハア~...どうすんだ」

上等兵「どうしよ」

兵士「もう諦めろ...としか言いようがない、いやなら二人の結婚式をぶち壊すか?」

上等兵「いや...大切な幼馴染と弟の結婚式だ...俺は祝福するよ...うん」

兵士「う~ん...もう一回幼馴染に手紙出しとけば?それでもう終いにしろよ」

上等兵「そうだな...なんて書こうかなぁ...」

兵士「自分で考えろホモ」

上等兵「う~ん...」

兵士「じゃあ俺もう寝るからな」トコトコ


上等兵「こりゃ参りましたなぁ...幼馴染の写真見てたら涙出てキソーッス」


僧侶「あの...」

上等兵「ん?あぁ...僧侶さん」

僧侶「もう大丈夫ですか?」

上等兵「えぇ...何とか...ウン...」

僧侶「本当に?」

上等兵「っほ、ホントですよ?俺はポジティブなのが売りですから...」

僧侶「ウソ、とても辛そうな顔してますよ?」

上等兵「っそ、そうですかねぇ...」

僧侶「その方が...とても好きな方だったのですね」

上等兵「え...あぁ...そうっすね...」

上等兵「僧侶さん...ちょっと自分本音いいっすか...?」

僧侶「えぇ...どうぞ」

上等兵「これホントに俺が悪いんすかぁ?いや、確かに蔑ろにしてたのはイカンですが
幼馴染ってば流石に諦め早く無いっスカこれ」

僧侶「どうぞ続けて...」ッス

上等兵「いや昔した結婚の約束をこの歳まで覚えていてですよ?それを出征の時に持ち出して...勝手に自分で完結して
しかも俺はずっと結婚するって言って来たのにあのタイミングで持ち出して来て...人も一杯いるのに...真剣に答えれる訳が...ウウッ...」

僧侶「...」ナデナデ

上等兵「ずっと一緒に居たなら俺の性格もッグス...分かる筈でしょうに...ヒッグ...」

僧侶「ここで吐き出して...ずっと...全て聞いてますから...」ナデナデ

上等兵「冗談じゃぁねえよぉ...何が少し気になっていただよぉ...めっちゃ諦めてた顔してたじゃんかよオ...」

僧侶「...」

上等兵「あいつね、小学校の時も中学の時も...他の男達がいるグループに出入りしてたんすよ...?んで「仲いいんだな」
って言ったら『ずっと見てるのは上等兵君だけだよ』って、もうね、アホかと、バカかと...ちょっと問い詰めてみたら『嫉妬
してるの?』って...当たり前だろうがよぉ...」

あ……え?地図のヒトだったの?

向こうも好きです!ゆるゆるとお待ち致しております……

>>333 駄作しか書かない癖してしかもお待たせして申し訳ありません

僧侶「...お手紙はお書きになられるのですか?」

上等兵「え~え~書きますとも...くたばる前に目一杯幼馴染ちゃんの愚痴書いてやる...」

僧侶「いい心がけです、もう落ち着かれた様子ですね」

上等兵「えぇおおむね...あっ~...ッスっきりしたぁ~!」

僧侶「よかった...」

上等兵「手紙は時間が出来たときにでも書くかなぁ...」
_
__

__
_

上等兵「...」サラサラ
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拝啓 幼馴染さん
そちらは初夏の梅雨も過ぎいよいよ夏本番に入るといった所でしょうか。しかし東の地方はまだ肌寒いです、本題に入らさせて頂きます。
結婚の話は弟から聞きました、ご結婚おめでとう御座います。
大変に喜ばしく思う一方で、出遅れたよ畜生と思うのも正直な話、出征前に貴方には沢山の迷惑をお掛けしたことを
ここで謝罪します。
大切な弟と貴方が人生を一緒に過ごされるので特に心配事はありません...ですが弟の寝癖の悪さはどうにか治して出征しようと
思ったのですがこれが中々に手強く治せませんでしたので就寝の際は注意して欲しいです。
で、僕は今少し危険な所で仕事しています、あまり考えたくはありませんが僕が戦死した場合は弔慰金が遺族に支給されます、
私の両親は居ませんので今の所は弟に支給されます。弟と二人で将来生まれる子供さんの為に使って下さい
余り暇な時間が無いのでココまでとさせて頂きます。いっぱい書きたいことはありますが何か疲れたのでやめときます

返信不要
_________________________________________________

上等兵「...ふう、こんなもんか」

兵士「終わったか?」

上等兵「あぁ、綺麗さっぱり」

兵士「しっかしまぁスッキリした様な顔しちゃって...そろそろ休憩時間も終わりだから行くか」

上等兵「おうよ」

『大休憩終了!各自作業に戻れ!』
_
__

__
_
「クーデター軍はこの地方に散らばっている雑木林の中に陣を張っている様子です」

隊長「ここから一番近い陣地は?」

「はい、こちらの要塞の正門から見下ろして...あそこです、あそこの雑木林に先日の
総攻撃にて撤退した残党が残っています、高級将校も見受けられました」

隊長「そうか...ご苦労、休息に行ってもいいぞ」

「っは...ですが自分は味方の作業を手伝って参ります、では」

隊長「...すまない」

守備隊長「あの雑木林なら投石器の射程にはいるぞ、火炎樽でもお見舞いするか?」

隊長「いや...少し試したい事があるんだ」

守備隊長「?」

隊長「少尉!賢者様を呼んできてくれ」

少尉「っは」

そして
賢者「あの雑木林に?簡単だよ」

隊長「それでは早速かまして貰えませんか?」

賢者「ココに着てから一発も打ててなかったからねぇ~...腕が鳴るよ」

戦士「おぉ、久々に賢者の魔法が見れるぜ」

勇者「要塞を巻き込まないようにね」

賢者「分かってるよ~...ッフー...」

賢者「дэлбэрэх аюултай шидэт!!!」

キュイイイイイイイイインンン...
ズドン!!!!!!!!ズドンッ!!ズドンッッッ!!!!
ワー!! マホウコウゲキダー!!

守備隊長「おぉ...雑木林諸共吹き飛ばした...で?結局何が気になってたんだ?」

隊長「あの賢者様...とうの昔に滅びた賢者一族の末裔かも知れねえ」

守備隊長「滅んだ賢者...あぁ、かつての北西大陸戦争で、敵国の王都を大陸諸共消し飛ばしたって言う?」

隊長「あぁ...これはとてつもない戦力になるぞ...」ブルッ

守備隊長「...お前...何考えてんだ?」

隊長「いんや...何にも?何も考えてねえよ...」

隊長「いや~...素晴らしい魔法でした...」パチパチ

賢者「そうかな?60点くらいだよ」

戦士「いつもなら雑木林から500m以内を吹き飛ばしてもんな~」

隊長「所で...賢者様はどちらでお生まれに?」

賢者「僕?う~ん...実は生まれた場所の記憶が無いんだよねぇ...母さんも父さんも
分かんないんだ」

隊長「そうなんですか...これは失礼...」

賢者「別にどうって事は無いけど」


上等兵「めっちゃ煙たいんだが...なんだ?」

兵士「どっかのバカが火遊びでもしたんじゃねえの?」

賢者「そのバカは...もしかして僕の事?」

兵士「ん?」
キイエエエエエエエ
_
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____
__
『そうか、やはりあの賢者は…』

「あぁ…そうだ、間違いなく大賢者の末裔だ」

『しかし既に勇者側に付いている、どう奴らから引き剥がし我が革命軍に入れるか…』

「恐らくもうこちら側に引き入れるのは無理だ、今からでも首都へ攻め入ってみろよ
首都は厳戒態勢と謳ってるが…実際の所は部隊の編成に手こずっているだけだろ?」

『いや、まずはその要塞を無傷で奪取し体制を整え、首都へ進撃する、これはもう
揺るがぬ』

「はぁ、分かった…ではこちらは要塞内の戦力を順次削っておくとするか、以上」ガチャン 


隊長「はぁ…物分かりの悪い男だ…今なら城は近衛と雑多な兵しかいないと言うのに…
何のために我が師団を城から出させたと思ってるのか…」

「もう通信は終了しましたか?」

隊長「あぁ、お前はもう妨害工作は終わったのか?」

少尉「はい、火炎樽に火をつけた瞬間爆発させる程度の物ですが…」

曹長「しかし、兵士と上等兵には悪い事を…」

隊長「一時の感情で大義を見失うな?確かに奴らはいい奴だった」

曹長「それは分かってますが…奴らを裏切るには…少々一緒に時間を過ごし過ぎました」

少尉「とても優秀な兵だった、ただそれだけの事だよ」

隊長「あの斥候はもう本隊に合流したか?」

少尉「はい、先程通信が入りました」

曹長「では自分は最後の指示を出してきます」

隊長「あぁ、なるべく兵同士を近くにに配置させとけ、特に投石機の近くにな」
__
____

____
__
兵士「…」

勇者「…」

兵士「勇者様、自分は別に貴方の事を嫌いになったとか、面倒になったとかそんな事は
コレッポッチも思ってません…ただ勇者様、先の件は勇者様に非があると思われます。」

勇者「…君の事がとても心配で我を見失ってた、その件については自己の弁護はするつもりは無い」

兵士(その件…?他になんかあったか?)

勇者「僕は一人の女子として君に好意を寄せている、勇者と言う職は関係なくだ」

勇者「手段は弁護のしようも無いが、君を引き止めた事については悪いとは思っていない
何故なら僕は君を愛している、愛する者が死地へ赴くのに達者で行けと言うバカがどこにいるか」

兵士「そ、それは…そうですが…」

勇者「では僕のした事に何の問題が?」

兵士「あの…他の兵を行かせようとしたとこがアカンかったかと…」

勇者「確かにそれは軽率だった、だが君の意見を無視し我儘を通そうとしたのは他でも無い
君を愛するが故の行動だ、それは間違いか?」

兵士「いや間違っては無いですが…ご自身のお立場も少し考えて欲しいかなーと…」

勇者「僕は僕だ!この言葉は君が言ったのに何だそれは!」

兵士(うーんこれはあかん…ドンドン劣勢に…)

勇者「それとも…君は僕の事は好きでは無いと…?」

兵士「えっ?!いや違います違います!いや、この反乱軍の件が済んで首都へ帰ったら話し合おうと…
別に嫌いになったという訳では!」

勇者「ホントかな~?兵士ってばどうも天然ジゴロを疑わせる所があるからなぁ…」

兵士「いやーそうだと良いんですが生憎…ハッ?!」

勇者「…やっぱ浮気してるの?」

兵士「してない!天地天命に賭けてしてません!!」

勇者「なら…証拠…///」

兵士「しょ?証拠ですか?」

勇者「うん…///」

兵士(証拠ったって納得させるようなもんは…どうすれば…この際、一か八か…
入隊日に上等兵から習った手段で…あいつまだやった事無いらしいが)

兵士「うし…ヤるか」

勇者「?」

兵士「勇者様…いや、勇者」キリッ

勇者「ハウッ…///」

兵士「すまんっ!!」ガシッ!

勇者「ンムッ?!」

兵士「…ッ」ギュッ

勇者「ンムゥゥ?!♪///」

兵士「ップハ…ハァハァ…」

勇者「へ、兵士から…キッ、キスなんて…赤ちゃんが…ハウゥ…///」

兵士「まだまだぁ…!」ガシッ
勇者「…ッ///」
__
_____

____
__
兵士「…///」

勇者「…///」

兵士(やってもうた…)

兵士「勇者…様…」
勇者「様いらない…」

兵士「ゆ、勇者…すまん…」

勇者「良いよ…ぜんぜん…それより、あ、赤ちゃんの名前…どうしようか?///」

兵士「…勇者、赤ちゃん出来ませんよ」

勇者「え?!ぼ、僕の体じゃあ赤ちゃんは…出来ない?!」

兵士「違う、キスだけでは赤ちゃんは出来ないってんだ」

勇者「…?キスで出来ないならどうやって…?」

兵士「それは…知らん」

勇者「そ、それは可笑しいよ!キスだけじゃ赤ちゃん出来ないって分かってるのに…」

兵士「じ、自分は知らん!!何も知らんの!」
兵士(今作り方教えたら絶対にとんでも無いことになるぞ)

兵士「か、帰ってから調べよう?!な?!」

勇者「やだぁ!今知るのぉ!!」ジタバタ

兵士「今はダメなんだってば!!頼むから聞き分けてくれ!」

勇者「やっぱ知ってるんだ?!じゃあ教えtンニュ?!
兵士「…ッッッ」ムチュウウ

勇者「ンムゥ…///レロッ…///」

兵士「ップハァ!…この件が終わったら…絶対に結婚しような?だから今は聞き分けて
くれ…頼む…」

勇者「ず、ズルいよぉ…///」

兵士「ははっ…これが俺のやり方なんだ…」

勇者「…キスだけなら良いんだよね?」

兵士「まぁ…ダメでは無い…」
勇者「♪」ガバッ
___
_____

____
__
上等兵「随分と楽しんでたらしいなぁ?エルフの姉さんが地団駄踏んでたぜ」

兵士「え…いやぁ…///」

上等兵「シネェェェェェ!!!!」

兵士「な?!何でだよ?!」

上等兵「てめぇ俺にゃ散々な説教かましやがってェェェェ!!今考えたら腹立つんだよォォ!!あ?それとも一緒に冥府へ堕とすっか?あ?」

兵士「だってさぁ…///何かこう…ね?」

曹長「おい、喧嘩も程々にしとけ?いつ敵が来るか分かった無いってのに仲間割れしてたら世話無いぜ」

兵士「曹長からも言って下さいよぉ…」

曹長「作戦中に盛るな阿呆が」

兵士「え?それ俺にっすか?」

曹長「…そろそろ配置に着いとけ」

兵士「え?でも敵襲のサイレンなんか…」

曹長「良いから着いとけ!! 」

兵士「…?は、はい」

上等兵「んだよ、曹長ったらヒスババァみたいにキレちゃって」

兵士「曹長があんなに怒るなんて珍しいなぁ…」

兵士(何か…変な感じだ…胸の奥がチリチリする…)

兵士「なぁ…何か感じないか?」

上等兵「俺はそんな絶倫じゃねぇよ」

兵士「アホ、何かこう…胸騒ぎ的な…」

上等兵「ん?別に無いけど」

兵士「そっか…考え過ぎかな…」

上等兵「曹長は来ないのか?訳ワカンね」

そして
守備隊長「あっれ~?あいつどこ行ったんだ?」

兵士「俺らの配置どこだっけ?」

上等兵「でっけぇ投石機の近くだったぜ」

守備隊長「あ、おーい!君らの隊長はどちらだ?!」

兵士「隊長ですか?自分は見てませんが…」

守備隊長「そうか…君達は何を?」

兵士「はい、曹長から配置に着いとけって」

守備隊長「配置に?まだ敵は来てないだろ、何でだ?」

上等兵「さぁ…分かりませんが…」

守備隊長「…まさかとは思うが…」

兵士「?」

守備隊長「あぁ、配置につかなくてもいいぞ、で、曹長を見かけたら俺の所に来るよう言っといてくれ」

兵士「はい、了解しました」

守備隊長「頼むぞ、必ず…」

上等兵「何なんだよ…」

兵士「まぁ一応最前線だからなぁ…曹長も気い張ってんだろ」


「あれぇ?通信機無くなってんぞ」

「おい誰だ!食料庫の糧秣勝手に食った奴は!乾パン半分無くなってんぞ!!」
ワイワイ ガヤガヤ

兵士「…」

上等兵「た、隊長探すか」

兵士「あぁ…」
__
____

__
_
兵士(それから隊長を探す為に方々を走り回ったが姿は見えず、少尉と曹長の姿も見つからなかった)

兵士(また多数の将兵も姿を消し、ありとあらゆる物資が盗み取られ、要塞は
物資欠乏の状態に陥ってしまった)

上等兵「まさか中からやられるたぁな~」

「ウチんとこもヤラれたよ、武器も糧秣もぜ~んぶ持ってかれたがや、隊長も消えちまった...」

兵士「この隊もか」

守備隊長「う~ん参ったなぁ結構な数の兵が消えちまったな~」

賢者「ここまでスパイ活動が横行していたとかマジでこの国終わったんじゃない?」

戦士「この国もう駄目だろ、マジで」

僧侶「っそ、そこまで言わなくても...」

勇者「でも一度、軍内部の調査をする必要があるね」


兵士「だぁめだ~やる気めっちゃ無くしたぁ~...」

上等兵「隊長が反乱軍の一員とかめっちゃ士気なくすわ~...」

勇者「兵士、心配しなくても大丈夫、君は僕が守るから」

兵士「今はやめて...」


僧侶「親密度が著しくあがったりましたね...」

エルフ「ッチ...クソが」

僧侶「?」

上等兵「あんたもアピールせなこのままじゃあかんでしょ」

エルフ「いや無茶言うな...」

上等兵「つったって諦めきれんべ」

エルフ「ううっ...まぁ...出来るだけやってみる...」トボトボ


上等兵「これで面白くなってきたぞ~」

僧侶「人の恋路を邪魔したら馬に蹴られたいますよ?」

上等兵「っへ、俺には無関係ですよ」

僧侶「これからはこう言うのは控えて下さい...ね?」ウワメヅカイ

上等兵「っは...はぁ...?」


戦士(こちらでも事が動いているようだぜ)

賢者(ウチのパーティー春着すぎじゃない?)
_
__

__
_
「は~ぁ、当直の兵がバックレやがって俺にまでしわ寄せきちまったよ」

「流石に反乱軍に加勢しすぎじゃねえか?あちらで一旗上げようって事かね?」

「知らねえやんな事...」


バシュウン...!!バシュウン...!!


「な、なんの音だ...」

「...っ?」

ヒュウウウウ...

「って、敵襲...っ!!!!」
ドゴンッッ!!!! ボオオオンッッ!!!

「うおぁ!!み、皆を起こせ!!」

カン!カン!カン!カン!!

兵士「なんだなんだ?!」

上等兵「て、敵か?!」

守備隊長「総員戦闘配置!!!!敵を片付けるぞぉぉ!!!」

「「「ウオオオオオオ!!!」」」


賢者「ンア...?何?なに?」

戦士「ま、祭りかぁ...?」

「敵襲だ!敵!!」ッタッタッタ


「おい!投石器の石持って来い!!」

兵士「お、おう!!」

上等兵「先に配置着いてんぞ!」

上等兵「ッハア~...真夜中に着やがって」

「うっわ、投石器近くね?」


「敵の位置がわかんねえぞ!!撃っていいのか?!」

「あぁ!もう!!適当に火炎樽でもぶっ放しとけ!!」


上等兵「双眼鏡とかない?」

「兵の俺に言うなよ」


「装填完了!!」

「火種!!」

「っは!!」ッジュぅぅぅ...


ドゴオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!

ドゴオオオオオオオオオオオオンッッッ!!!!!!

兵士「うおぉっ...?!」

ウワアアア!!
「火炎樽が暴発した!!水桶!!水桶持って来い!!」

「兵が何人か巻き込まれたぞ!!助けろ!!」


兵士「この方向...上等兵...!!」ッダダ!!

上等兵「...?」ポカン

「」

「アウ...ウア...」ガクッ

「ッタ、タスケ...テ...」ズルッ...ズルッ...


「火炎樽が暴発したぞ!!」

「水桶!!」

「何人か巻き込まれたぞ!助けろ!!」


上等兵「...アレぇ...?俺の...片腕どっかいっちまった...」

兵士「っじょ、上等兵!!無事か?!」ッタッタッタ

上等兵「あ...腕...どっか行っちまった...俺の...」

兵士「…ッとにかく、ち、治療室行くぞ!」

上等兵「あ…あぁ…」

兵士「肩貸せ!行くぞ!」
___
_____

_____
___
兵士「すいません!治療を頼みます!!」

衛生兵「ああ!そこに寝かしつけとけ!」

兵士「横にすっぞ?」

上等兵「あぁ…ウグァ!ッハァハァ…」

衛生兵「出血が多い…僧侶さん!切断された所を治療魔法して下さい!」

僧侶「はい!…っ!?」

上等兵「ッヘヘ…世話かけます…ウッ!っテテ…」

僧侶「あ…」

衛生兵「…?早くしないと!」

僧侶「は、はい!!」

僧侶「いきます!טיפול בפצע!!」

上等兵「ウグァァァ!!ガァァァァ!!」

兵士「…何で痛がってるんですか?」

衛生兵「治療の魔法は傷の度合いによっちゃ滅茶苦茶痛くなる事もあるからなぁ…
まぁ痛みハァハァ一瞬で終わるから安心しろ」

兵士「はい…」

上等兵「…ッハァ!!ハァハァ…ハァ~…死ぬかと思ったぁ…」

僧侶「上等兵さん…!」ガバッ

上等兵「うお?!ど、ドウイタシマシテ?!///」

衛生兵「治療室でイチャつかんで下さい」

僧侶「す、すいません…」

上等兵「いや~しかし…腕一本持ってかれるとわ思わんかったなぁ…しかも利き腕たぜ?
もっと考えて暴発してくれよなぁ」

兵士「死ぬよかマシだろうけどなぁ…この先大変だろうに…」

上等兵「まぁ弔慰金よか少し安くなるが弟と幼馴染に金が行くからええワイ」

兵士「前向きだなお前…じゃぁ俺配置戻るぞ、僧侶さん、上等兵を頼みます」

僧侶「はい、お気を付けて…」

僧侶「利き腕を失ったのですか…では慣れるまで私が看病致しましょうか?」

上等兵「え?いや…別にそこまでして貰わなくても…多分一人でもやってける
んじゃ無いっすか?」

痛みハァハァって何だよ…

僧侶「いけません!こういった患者は家事を疎かにして不摂生な食生活を送りそうして生活習慣病を患い...
上等兵「わっ、わっかりました!!では看病をお願い致します!!」

僧侶「はい!がんばります!」

上等兵(おかしな子だなぁ...まぁ女の子が心配してくれているのは悪い気がしない!)

僧侶「ではお食事を取って参ります」ッタッタッタ

上等兵「はあ...しかし利き腕をやられっちゃってこの先どうや...ん?!つーか...オナれねえ?!」

上等兵「そうだ...右手もってかれちゃぁ...シコる事もできねえじゃねえか!!!」

上等兵「う...ウワアアアアアアアアア!!!!!」

僧侶「っど、どうしましたか?!」
_
__

__
_
兵士「...」

勇者「...」

兵士「い、今は離れてくんないか?」

勇者「見張り台が狭いから仕方が無いじゃん」

兵士「じゃあ降りろよ!」

勇者「バカ言うな!僕らの空白の二日間を今埋めるんだよ!」

兵士「アホ!仕事中だぞ!」


エルフ「あの~...」

兵士「あ、エルフか!こいつを引っぺがしてくれ!気が散ってかなわん!」

エルフ(どんどん親密度が...うぅっ...)

エルフ「では私も入らせてもらおう」

兵士「え?マジで?」

エルフ「私の体は大人っぽいから嫌な思いはしないと思うがな」ポヨンッ♪

兵士(胸が...?!)

兵士「っく...しかし勇者と結婚の約束を...っ!」

勇者「」

エルフ「側室でも構わないと言っているじゃないか?」

兵士「しかし俺にはポリシーが...うぅっ...」

勇者「」

兵士「…うっ…ふぅ、エルフ、勇者、今はダメだよ、僕は今仕事中なのだから」

エルフ「おいなんだ今のは」

勇者「仕事熱心な兵士も素敵…///」

兵士「エルフ、勇者、すまないが今はどちらかとは決められないんだ、だからこの仕事が
終わったら思う存分話し合おう、いいね?」

エルフ「あ、あぁ…?」

勇者「わかった…また明日だね…」

兵士「優柔不断な男すまない…」
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____
__
少将「おい、状況は芳しく無いにも程があるじゃないか」

隊長「仕方ねぇだろ、お前がフライングしてくれたお陰で我がクーデタ軍の作戦計画は
おじゃんだ、全ての行動を根本から変えにゃあならんのだぞ?」

少尉「慎みを持った行動を取れとあれ程言ったではありませんか」

少将「ッチ…勇者はまだあの兵卒にくっついてんのか?」

隊長「あぁ、正直二人の仲があそこ迄進展するとは思わんかったな…もう
勇者をこちら側に引き入れるのは不可能だ」

少将「じゃあどうすれば…」

隊長「どうするもこうするも、お前が俺らの指揮官だぜ?お前が指揮を取らなくてどうすんだ」

少将「ええい!もう面倒だ!要塞へ突入を…!」

曹長「アホかお前は!今要塞へ行ったら確実に全滅だぞ!」

隊長「要塞内には勇者一行が滞在している、守備隊程度なら一日と掛からず
皆殺しに出来るが勇者がいるとなると話は別だ、逆に我らが全滅させられるぞ」

少将「ええいうるさい!腰抜け共が!!恥知らずの便所虫が!!貴様らはこの革命の為に動いてきたのでは無いのか!?」

曹長「...」

少尉「...もちろんその筈ですが?」

少将「では何故先ほどから否定的な意見しか出せんのだ!!口を開けば勇者怖いなどと!!」

隊長「今の我らには勝ち目がない、今はここから引いて態勢を整え再度攻撃するんだ!」

少将「攻撃のときは今だ!!勇者一行をここで叩きこの国の戦力となり得なくして一気に首都へ進軍するんだ!!」

隊長「だからそれは今は出来ないと何度...!!」

少将「もういい!!貴様ら腰抜けには飽き飽きだ!現時点を持って全ての指揮権は私に譲れ!いいな!!」ドカドカ!!

隊長「...もう終わりだな、我が革命軍は...」

曹長「どうします?我が隊だけでも引き抜いてここから撤退させましょうか?」

少尉「兵には悪いが...今は私達だけでも撤退するべきでしょう」

隊長「厄介な事に...よし、自分の持っている隊だけでも撤退させろ。東の国の国境付近まで撤退」

曹長「っは」

少尉「了解」
_
__

__
_
少将「俺はもう腰抜け共の相手はもうウンザリだ、今夜要塞に突入する、第一目標は
勇者一行だ、情けは無用確実に殺せ、第二目標は要塞守備隊の全滅だ、以上」

少将「貴様らはあの腰抜けよりも度胸はあるか?!」

「「「「「「「「「おう!!!」」」」」」」」

少将「よし、上出来だ...」
_
__

__
_
上等兵「...」ガッシュガッシュ

僧侶「かゆいところはありませんか?」

上等兵「いえ...無いですが...何故僧侶さんまで風呂に?」

僧侶「上等兵さんの看病をすると決めたからです!」ザパーンッ!

上等兵「ップア...どうも...」

僧侶「では何かあれば呼んで下さいね?浴場で待ってますので」

上等兵「あ、はい...あの~」

僧侶「はい?」

上等兵「僧侶さんも一緒に...ハイル?」

僧侶「え...?」

上等兵「あ...何でもねえっす...一緒に入った方がお湯の節約になるかな~と...」

僧侶「...」ガララッ

上等兵「...ちょっと調子に乗りすぎちゃったかな」

ガララッ

僧侶「お邪魔します」

上等兵「?!」

僧侶「いかがしましたか?」

上等兵「な、なぜ!?」

僧侶「?上等兵さんが一緒に入ろうと...?」

上等兵「え...あっと~...どうぞ...狭いですが...」

僧侶「大浴場ですから別に狭くは無いですよ?」

上等兵「っそ、そうですねぇ~...」

僧侶「では失礼いたします...」チャプン...

上等兵(うっそ~?!マジっすか?!いや...僧侶だからこういう介護的なのには
慣れているからか?あ、そうかも)

上等兵「いや~!やっぱ僧侶って職はこう言うのに慣れてんすか?」

僧侶「...男の人と入ったのは初めてです///」

上等兵(おい、なに顔赤らめてんですかやめて下さいよホント!)

上等兵「っへ、へぇ...」

僧侶「端っこにいないで...どうぞこちらへ...///」

上等兵「...恐らく自惚れと思われますが...俺の事を...?

僧侶「...っ///」

上等兵「はぁ?!何で?!おかしくないっすか?!え?え?どのタイミングで?!」

上等兵「いやおかしいよ僧侶さん、まさか荷物持ったからとかじゃないですよね?」

僧侶「そ、それも...あります...」

上等兵「う~ん...?」

僧侶「なぜか...放って置けなくて...一緒に居て落ち着けると言うか...」

上等兵「えぇ...?しょうもな...」

僧侶「初めてなのです!男性と一緒に居てこんなにもドキドキして...何か居心地がよくて...」

上等兵「へぇ...そうっすか...」

僧侶「...やはり可笑しいでしょうか...聖職者である私が恋などと...」

上等兵「へ?いっいや、可笑しくは無いっすよ?!僧侶さんも女性ですし?」

僧侶「いえ...仕方の無い事です...神に仕える者が...ウウッ...」

上等兵「いやいや!!僧侶さんとっても素敵っすよ?!なんつーかーえー...母性的っつーか味噌汁
作って欲しいっつーか...俺もあんまこういうの慣れてないんでぇえーっと...」

僧侶「クスンクスン」

上等兵「うえーっと...そうだ!まずはお友達から行きましょう!ね?ね?そうしましょ!」

僧侶「...ッチ、そうですね...」

上等兵「?」

僧侶(ッチ、こんなに誘惑していると言うのに...なかなか落ちないですね...)

上等兵(この子...何か闇を隠しておる...)

カンッカンッカンッカンッ!!!!!
『敵襲!!!敵襲!!』

上等兵「おぉ?!」

僧侶「て、敵襲?!」

「勇者一行を探せ!!邪魔する奴は皆殺しだ!!!」
「了解!!!おい風呂場を探すぞ!」
ガララッ!!!

上等兵「タオル、体隠しとけ」

僧侶「っへ?っは、はい...」マキマキ

「おい!!第一目標だ!!ここにいるぞ!!」
「でかした!!」
ドカドカドカッッ!!

「貴様は僧侶だな?入浴中に悪いがその命を頂くぞ」

僧侶「ッヒ...」

「御免!」

上等兵「おい、人が風呂入ってるってのに随分な挨拶だなぁ?」

「...何だぁ貴様ぁ?この要塞の守備隊か...」

「隊長、こいつカタワですぜ?」

「っへっへ...威勢がいいじゃねえか、ダルマにしちまおうぜ」

「っへへ...すまんね傷病兵さんよ?今は仕事中なんでね相手なら後でしてやるからちょっと待ってて...

上等兵「わりィな、生憎俺も仕事中なんだよ...僧侶さん、裏口から出ろ」

僧侶「え...でも...」

上等兵「大丈夫です、このウスノロ共には絶対に追いつかれませんよ」

僧侶「...っ」

「ッチ...めんどくせえな...」

「ヤリましょうか?」

上等兵「っしかし...随分と綺麗な服だなぁ?新品か?」

「あ?どうでもいいだろんなもん」

上等兵「っへ、お前らは死線を越えてきた感じがしねえなぁ?大方、安っぽい革命ごっことやらでエクスタシーでも感じてんだろ?あ?」

「ってんめぇ...!!っぶっころ...!
「落ち着けバカ者が、そうだな...俺らはまだ戦場とやらには行った事は一度もない...だがこの状況を見てみろ?貴様ら
守備隊はいま相当不利な状況に陥っている...貴様の越えてきた死線とやらも結構安っぽいもんだと思うが...どうかな?」

上等兵「話が出来るキチガイでよかったぜ、なら話は早いな?お前もさっさとこの勇者の仲間を殺したいんだろ?」

僧侶「?」

「そりゃもうウズウズして堪らないねぇ...彼女の柔肌にこの研ぎに研いだ剣を挿したい気分でいっぱいさ...」

上等兵「なら、俺とサシで勝負だ」

「?話が見えないが...女の前で英雄気取りか?」

上等兵「あぁ、その後はべらせて末永く暮らすつもりだが?」

(なんだこいつは...?強そうには見えないし...)

上等兵「あれ?サシでの勝負は怖い?なら...そこの奴らも掛かって来い」

「っは...はぁ?」

「こいつ...マジにイカれてんぜ...」

上等兵「えぇ?!お前らの怖いの?!カタワ相手に?!うっそ~?!」

「...っ」プルプルッ

こいつら風呂場に真っ先に来たのか

>>405 結構な数のうち兵と将校?が入ってきたと想像していただければ。

「貴様...正気か?いくら女の前とは言え...そこまで煽られると我慢の限界があるんだが」

上等兵「生まれてこの方十数年間ずうっと女日照りの俺に怖いもんなんてねぇ」

「はぁ?」

上等兵「それに...俺に惚れてくれた女を見捨てて逃げるような覚悟は出来てないしな」

「...」

「こちらもあまり時間がないのでな、早めに片付ける、オイ荷物もっとけ」ポイ
「っは」

上等兵「僧侶さん、隅にある剣とって下さい」

僧侶「っは、はい...」チャキッ

上等兵「上等...HEY!カモン!!」

「...」

上等兵「んっん”...なんでもない...来い」

「ッフッ!!」ブウンッッ"!!!

上等兵「うおっとい!」ヒュンッ ブンッ
ザシュッ!

「うぐっ...やるなぁ...?」

上等兵「ッフ!!」ブンッ!
カキンッッ!!
「うぐぉぉぉぉ!!!」
上等兵「ああああああああああ!!!!!!!」
_
__

__
_
上等兵「ッハア...ッハア...ッハア~...」

「」

上等兵「次はぁ...ハアハア...どいつだぁ...?」

「ッヒイ...」

「っく...狂ってる...」

上等兵「っつぅ...ウギャアアアア!!!!」

「う、ウワアアアアアア!!!!」ドカドカッッ

「っひ、ッヒイイ!!」ドカドカッッ

上等兵「アア...っつあぁぁアアぁぁ!!腕変な方向に曲がったぁぁ!!ぜってえ肘痛めたってこれえ!!!」

僧侶「い、今治療を!!」キュイイイインッッ

上等兵「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

上等兵「あ、痛み治まった」

僧侶「...っ~!!」ガバッ!

上等兵「ふぇ?!///」

僧侶「なんであんな無茶を...っ!バカ...っ!!」

上等兵「っも、申し訳ありません...」ナデナデ

僧侶「もう絶対離しません!!あんな無茶を...ヒッグ...されては命が...ズズッ...幾つあっても足りませんからっ!!」

上等兵「これっきりに...これっきりにしますから堪えてつかあさい...あんなもこんなも...」ナデナデ

僧侶「ずっと...ヒッグ...行けなかったァ...ッズズ...城下町にあるパフェ屋を奢って貰います!!」

上等兵「いくらでも奢りますから...」

僧侶「もう...っ」ズイッ

上等兵「んお?!んむっ...!」

僧侶「ンウッッ....んはぁっ///...」

上等兵「...///」
_
__

__
_
ズドオオオンッッッ
ビリビリ...
上等兵「...そと、騒がしいっすね」

僧侶「はい...」

上等兵「守備隊は...まァ勇者様たちがいるから大丈夫か」
ワーニゲロー
タスケテー
僧侶「はい...~っ!!///」バンバンッッ

上等兵(思い出して恥ずかしくなってるのか、あるある、追い討ち掛けたろ!)

上等兵「僧侶さんは何で俺の事を...好きになったんですか?」

僧侶「...最初は...初恋の人に似ていたから...」

上等兵「はァァァァァァ?!」

僧侶「まだ見習いだった頃...子どもの時にいた若い神父さんの事が...ハイ」

上等兵「」

僧侶「でも...今は上等兵さん自信に惹かれて...さっきも...かっこよかったです...///」

上等兵(納得いかねえが...)

上等兵「はぁ...まぁそういう事もあるか...」

ガララッ!
兵士「おい!上等兵!」

上等兵「遅せえよホセ、で敵は?」

兵士「あぁ、粗方敗走してったよ、少将がいっちゃん後ろの方でギャアギャア喚いてたが...
味方がいなくなると分かったら奴もソソクサと逃げてった」

上等兵「ふ~ん、っつーか何で正門が開いてたんだ?」

兵士「門番が反乱軍の間諜だったんじゃねえの?門がパッかり開いてたぜ、っつーかいつまでくっ付いてる気だ早めに
でねえと湯冷めすっぞ?」

上等兵 僧侶「あ...///」
_
__

__
_
守備隊長「敵さんらは全員お山に帰ったそうだ、今から勇者一行を連れて残党狩りに行く、質問は?」

「少将の野朗は捕まえたら如何します?」

守備隊長「抵抗されたら殺せ、降伏の意思があるようであれば要塞まで連行、他には?」

兵士「敵の幹部は...やっぱ隊長ですか?」

守備隊長「まぁ...あまり考えたくは無いが...そうなるかもな、なんせまだ敵に寝返ったと言う確実な情報は
無いんだ」

上等兵「俺ら傷病兵はどうすれば?」

守備隊長「歩ける者は着いて来られたら着いてきてくれ、強制はしない」

僧侶「上等兵さんは行っては駄目ですよ?」
上等兵「え?何でっすか?」
僧侶「だってまた怪我をなされたら...ウウッ」
上等兵「いっ行きません行きません!」


戦士「っへっへっへ...いちゃついちゃってまぁ...」

賢者「敵の正確な数は分からない?」

上等兵、全裸で戦ってたのかなとかそんな変態仮面的なバーサーカとかどうしようドキドキする(*´Д`)

守備隊長「あぁ、さっぱりだ」

賢者「それでいいの...?」

戦士「ま!その方が燃えるぜ!なぁ?!」

勇者「僕も戦闘狂みたいに見られるからやめてくれ」

僧侶「あまり無茶はしないようにして下さいね...?」


守備隊長「で、だ...誰が幹部連中の殲滅をするかだが...勇者さんらは幹部連中を頼めるか?」

勇者「あぁ...別にいいが...何故?」

守備隊長「まぁ後で分かるさ!ッささ!行った行った!」

勇者「人使いが荒いな...みんな行こう!兵士も...」

守備隊長「っとぉ~!兵士らの部隊は少将の殲滅だ!」

兵士「え?はぁ...?了解です」

勇者「な、何ゆえ!!」

守備隊長「熟慮した結果でっせ、さぁ行きましょうかイ!」

>>417 ご想像にお任せします。

兵士「自分の部隊の指揮官は...」

守備隊長「お前だよ、軍曹」

兵士「え?自分ですか?!」

守備隊長「あぁ、少将の首狩って来いや!」バシンッ!

兵士「イテテ...が、頑張ります」


勇者「兵士~...」

エルフ「もう諦めろ、行くぞ!」

守備隊長「おっとぉ...エルフの姉さんは回復魔法とか使えるかい?」

エルフ「あぁ、中級の白魔道士位は...」

守備隊長「それは結構、ではエルフの姉さんは兵士の隊の回復役を」

エルフ「えぇ?別に構わないが...」

勇者「ガルルルッッ...」ズルルルルッッ

賢者「んじゃぁ行きますか」

戦士「さあ行くぞ~」

兵士「エルフが居てくれりゃ百人力だなぁ」

エルフ「あ、あぁ...頑張るよ」

兵士「...大丈夫か?」

エルフ「う、うん...私は平気だ...」

兵士「?」


「大した朴念仁ですなぁっはっはっは!」
「鈍感過ぎですぞ分隊長殿!」
「っはっはっは!!」

兵士「な、何で?!何が?!」

エルフ「...」
_
__

__
_
ブシャアアア!!
「うがぁ!!」
戦士「ッチ...張り合いがねえなぁ~!」

「ひ、ヒイイイアアアア!!!!」ッダッダッダ


隊長「ッチ...もうここまで来られたか...」

戦士「よぉ隊長さん...いや、元隊長さんか?」

隊長「どちらでも良いさ...しかし俺の最期の対戦相手は戦士か...」

戦士「お前はちょっとは腕が立ちそうだな...」

隊長「死線を何度も潜り抜けてきたからな、お前ら勇者一行とは比べ物にはならんが」

戦士「へぇ...最期に質問、なんで兵士の奴らを裏切ってまで革命を?でその革命ってのは?」

隊長「理由かぁ...そうだな、前の世界大戦を覚えているよな?」

戦士「あぁ」

隊長「俺はその時最前線も最前線...地獄を越える場所に俺らの隊はいた」
_
__

__
_
『結構前』
ワーッ!! コロセーッ!!
兵士「隊長!!左からさらに敵数十名!!」

上等兵「ったく!!キリがねえぜ!!」ザシュッ!!
「ウギャア!!」

曹長「援軍はまだ到着しないのですか?!」

少尉「中将の部隊が向かっているらしいが、連絡は一行にこないな...」

隊長「ッチ...少将の部隊は?」

少尉「とっくの昔に撤退いたしました」

隊長(くっそ...俺らも撤退するか...?いやここで撤退をすれば後方の部隊が...)

『ッピッピーッッッガッガ!! こちら野戦本部!こちら野戦本部!生存している隊は応答願う!!どうぞ!』

少尉「こちら第○○小隊」

『おぉ!生き残りが居たか!!撤退命令だ!今から砲撃を開始する!!後方二キロの地点まで後退しろ!今すぐに!』

少尉「了解、隊長撤退命令です!後方二キロの地点まで撤退です!!」

隊長「よし!負傷者を連れて撤退だ!」

そして...
ッドオオオオオオン... ッドオオオオオン...

隊長「ッハア...ッハア...全員...撤退完了...」

曹長「ふう~...みな大事ないか?」

兵士「へえい....ッゴホ!!ッゴホ!!」


中佐「ん?貴様ら...何故ここに?」

隊長「はい、野戦司令部から撤退命令が...」

中佐「んん?俺は撤退命令を出していないはずだが?」

隊長「え...しかし...」

中佐「貴様ら...まさか逃げてきたのか?」

曹長「と、逃亡ではありません!!きちんと撤退命令が...」

中佐「はいはい...憲兵隊、この隊全員を捕らえろ」

「っは!!お前らこっちへ来い!」

隊長「ちょ、話を聞いてくれ!!待ってくれぇ!」
_
__

うーん失敗したなァこりゃ

__
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隊長(それから...我が隊は営倉行き、前線で戦死した兵への遺族に対する弔慰金の支給は無効となり
戦死した兵も逃亡兵とみなされた)

隊長(終戦後、中佐の撤退命令の通達の際に不手際があった事が明るみになる。しかしこの事は軍部に握りつぶされ”なかった事〟
とされ世間には公に公表されなかった)

戦士「で、軍部の腐敗っぷりに愛想尽かし、クーデターを...ってことか?」

隊長「あァ、大まかな原因はそれだ」

戦士「ふうん...で、それが兵士、上等兵になんの関係があるんだ?上等兵は腕一本失くしたぞ」

隊長「あの二人には悪いと思っている、が」

戦士「が?」

隊長「時すでに遅し...クーデターの準備は万端だったのさ...辞めようにも辞められなんだ...」

戦士「ふ~ん...まぁそこん所は俺っちにゃ関係ねえや...さっさと殺ろうや?」

隊長「あぁ...」チャキン
_
__

ところどころ魔法使いの霊圧が消えてる、はっきりわかんだね(今見直して知った)

__
_
兵士「そちらはどうだ?」

「野営地の後は確認できましたが、人っ子一人居ませんでした」

兵士「そうか...引き続き捜索をしよう、次は...?」

エルフ「...」

兵士「...東の雑木林を捜索だ、二時間後にココへ」

「了解」 ッタッタッタ


兵士「エルフ、体調でも悪いのか?」

エルフ「ん...あっ、いや...悪くないぞ...うん」

兵士「...勇者との事?」

エルフ「...」

兵士「勇者ってさ...俺が思っていた以上に...子供でさ、でもしっかりしてる所もあってさ...」

エルフ「...で、どうするんだ」

兵士「帰ったら...結婚を前提にお付き合いする予定...」

エルフ「私の返事はどうした」

兵士「返事?あれ冗談だったんだろ?」

エルフ「はぁ...?」

兵士「え?からかいのつもりで言ったんだろ側室がどうたらとか」

エルフ「...」

兵士「ま~女に態勢無い奴はコロッと落ちるよなぁ、お前みたいな美人に言われたらさぁ」

エルフ「こんの鈍感がァ!!!!」

兵士「っひい?!」

エルフ「貴様はいつもいつも...話をそらすかと逸らしたかと思ったら勇者勇者と...!!」

兵士「?!?!」

エルフ「私だってな!兵士の事をとても愛しているんだ!!」

兵士「え?え?怖い」

エルフ「怖くない!!」

兵士「はい」

エルフ「そうしたら何だ?!もう結婚か?早いんだよオ!!」

兵士「っす、すいません」

エルフ「簡単に決めるものじゃないだろう!そう言う事は!」

兵士「はい...」


(仕事しろよ...)

エルフ「すみませんで済む物か!この件が終わったあかつきには詳しく説明させてもらうぞ」

兵士「へ、へい...」


中将(な、何だこいつら...)


「軍曹、人の気配が」

兵士「...着いて来い」


中将(イカン!)ッダダッ

兵士「逃げた!追っかけるぞ!」ッダダ

「はい!」ッダダ

_
__

__
_
守備隊長「よくやってくれた、賞金首だ!君のお陰で俺は昇給だ」

兵士「いえ、隊員全員のおかげです」

エルフ「しかし木の根っこに躓いて気絶とは中将も運が無いな」

兵士「バカが張り切るからこうなるんだよ」


戦士「戻ったぜ~...いやぁ疲れた」

守備隊長「で、どうだった、隊長は」ヒソヒソ

戦士「あぁ、死んだよ、自決だ...」ヒソヒソ

守備隊長「そうか...良くも悪くも仕事熱心な奴だったなぁ...」

戦士「中将は?」

守備隊長「あぁ、兵士の隊が捕まえたよ、雑魚らしい末路だ」

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