注:【たまに安価】
提督「む……もう3時か。そうだな、この書類を書き終えたら小休止としよう」カキカキ
時雨「うん。あまり根を詰めすぎないようにね」
提督「大切なお前達の命がかかっている、艦隊編成の書類だ。真剣にもなるさ」カキカキ
金剛「~ッ! テートク、大好きネー!」
提督「お前達は先に休んでいてくれ。俺のことは気にしなくていい」カキカキ
空母棲姫「そんなことを言って秘書艦だけを先に休ませ、自分は徹夜で執務を行っていた。先週の事件をお忘れですか?」
時雨「あの時は皆、本気で怒っていたよね。霧島さんに至っては子分(イ級)を集めて抗争だーって叫んでいたんだよ?」
提督「悪かったって。もうしないから」カキカキ
金剛「むーっ! そう言ってまたやるんでショウ? 皆を心配させたテートクは、罰としてワタシと三日間お触り禁止ネ!」
提督「…………」カキカキ
時雨「…………」
空母棲姫「…………」
金剛「アレ?」
空母棲姫「金剛さん、何故貴女は自分の首を絞めるようなことを……」
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時雨「あのね。ボク達はもう、提督無しでは生きられないカラダにされてしまったんだよ?」
空母棲姫「その通り。雌の悦びを刻み込まれ、夜伽を兼ねている秘書艦の番を今か今かと待っている艦娘もいるというのに」
金剛「……」
時雨「百人以上いるといつ自分の番が来るか分からないから、秘書艦を三人に増やして」
空母棲姫「それでも提督の夜戦で三名とも轟沈し、次の日は丸一日が休日として充てがわれ、体力の回復に勤めなければならない始末」
提督(……そういえば昨日の秘書艦だった高雄と瑞鶴、曙は大丈夫だろうか)カキカキ
空母棲姫「翌日まで残る至福の余韻に溺れないよう、自らを律するとは。カワイイナァ」
時雨「自分から言いだしたことだよ、残念だったね。今日は二人で提督に可愛がってもらおうか、空母棲姫さん」
空母棲姫「そうですね。二人では少々不安ですが……それも提督のご寵愛を多く受けられるというのなら……」
金剛「」
提督(まぁ昼に見舞い行った時は『こ、このお尻大好き変態クソ提督!』と罵倒されて彗星一二型甲が飛んできたから問題ないだろう)カキカキ
提督「よし、こんなところか。三人とも待たせて悪かったな」
時雨「ううん。気にしないよ」
空母棲姫「提督が仕事をしているというのに、私達だけ休むわけにはいきませんから」
提督「ん、ありがとな。いい嫁さんを持って、俺は世界一の幸せ者だ」
時雨「……ふふ」
空母棲姫「いえ、秘書艦として当然の事です」
時雨「素っ気ないように返しても顔が真っ赤だよ、空母棲姫さん」
空母棲姫「くっ……」
金剛「あ、あの……テートク……」
提督「ん?」
金剛「その……お触り……」
提督「抱きついてこないのか?」
金剛「……えっ?」
提督「休憩になったら、いつもいの一番に抱きついてくるだろう。もしかして、どこか身体の具合でも悪いのか?」
金剛「そ、そういうワケでは……」
提督「なら、遠慮なく来い。お前が腕の中にいないと、俺はリラックスできないんだよ」
金剛「そ、それなら……しょうがないデスネ。許してあげマース!」ポフッ
時雨(ちょろいね)
空母棲姫(ちょろすぎる)
提督「ん。やはり金剛は暖かくていい匂いがするな」
金剛「だ、ダメ……髪の匂い嗅いじゃ……」
提督「俺は金剛の匂い好きだぞ。紅茶の香りと金剛自身の、な」
金剛「ひぁあっ!? み、耳もダメ、ッ! ムードとタイミングが、んんぅっ!!」
時雨「…………いいなぁ」
空母棲姫(ヒノカタマリトナッテ、シズンデシマエ)
金剛「えへへ……テートクぅ……」スヤスヤ
提督「それじゃ、気分転換がてらに鎮守府内を散歩してくる」
時雨「ボク達も行くよ」
提督「いや、お前達には別の仕事を頼みたい」
時雨「仕事?」
提督「そうだ。食事処間宮に新しいメニューが加わるらしくてな」ペラッ
空母棲姫「そ、それは!」
赤城「間宮さんの特製スイーツチケットですね!」
時雨「…………」
空母棲姫「…………」
提督「どっから執務室に入ってきやがった大食艦」
赤城「ひどい!」
提督「ともかく、今日の朝に試食用のチケットを三枚渡されてな。秘書艦に来てくれとのことだ」
空母棲姫「提督は行かれないのですか?」
提督「俺はもう食べさせてもらったよ。あれはクリームと果物の相性が抜群でなぁ」
空母棲姫「……」ヨダレドバ-
赤城「……」ヨダレドバ-
金剛「テートクぅ……そこは、だめデース……むにゃむにゃ」ヨダレドバ-
時雨「金剛さんは寝ているけど、どうしようか?」
提督「毛布をかけてソファーに寝かせておこう。俺が何か和菓子でも作って、金剛に渡すことでフォローしておくから心配するな」
時雨(ボクも提督お手製和菓子がいいな……)
赤城「ということは、チケットが一枚余るということですね!?」
提督「そうだ。赤城も行ってくるといい」
赤城「ありがとうございます! 加賀さんも呼んで二人で食べるとしましょう」
提督「珍しいな。食欲の権化みたいなお前が食べ物を分けるなんて」
赤城「ひ、ひどい言われ様……」
時雨「普段の行動を顧みるといいよ」
中間棲姫「それこそ(お腹周りの)慢心ね」
ヲ級「ヲッ?」
球磨「どうしたクマー?」
中間棲姫「何でもないわ。早めに買い出しを済ませて鎮守府へ帰りましょう」
球磨「そうするクマ。後は卯月のニンジンと川内の兵糧丸だけクマ」
ヲ級「ヲッ!」
提督「さて、埠頭にでも行って体をほぐしてくるとするかね。近くの訓練場からも声が聞こえてくるし、さぞかし激しい演習を……」
飛行場姫「ナンドデモ……ナンドデモ……スベッテ……イキナサイ」
暁「れ、れでぃーは滑り台なんかで遊ばないんだから!」
電「飛行場姫さんの滑走路滑り台、すごく楽しいのです!」
響「ハ、ハラショー」
雷「大変! 勢いをつけすぎて響が地面に埋まってるわ!」
鬼怒「コロンビア!」
暁「う、ううぅ……」
提督「……何をしているんだ、あいつらは」
提督(海岸線に浮かぶ夕日を見るのは、いつになっても飽きないもんで。……ん、あれは)
大和「…………」
提督「何を黄昏ている、大和」
大和「あっ、提督。し、失礼しました」
提督「いや、そのままで構わないよ。俺も隣に座らせてもらっていいかな?」
大和「……はい。どうぞ」
提督「悪いな」
大和「…………」
提督「…………」
大和「……平和、ですね」
提督「数ヶ月に一度の大規模作戦以外、俺たちはほとんど出撃していないからな」
大和「そうですよ。おかげさまで、大和と武蔵は演習番長なんて言われているくらいです」
提督「それくらいでいいだろう。平和に越したことはないんだ」
大和「むぅ……」
大和「深海棲艦の姫級、鬼級の大多数が提督に鹵獲されましたからね。戦線も安定してきています」
提督「そうだな。今では彼女達の模造品が、大規模作戦で敵として立ちふさがってくる程度だ」
大和「海軍上層部はオリジナルの方も戦犯として処刑すべき、そして提督も敵を匿った重罪人として殺害すべきだと声高に叫んでいるようですが……」
提督「その件に関しては心配要らないよ。俺がさせない」
大和「……どうやってですか?」
提督「なに、今の状況で俺か彼女達に手を出してみろ。それこそ大惨事だ。姫級や鬼級、それに艦娘が海軍上層部へ牙をむくことになるからな」
大和「し、しかし、そうなっては私達の居場所が……」
提督「その時は深海か、海の向こう側にでも亡命してやるさ。海軍上層部の極秘事項でも手土産にしてやれば大丈夫だろう」
大和「……祖国を裏切ることになりますよ」
提督「それだけ大事なんだよ、お前らが。背に腹は変えられないだろう?」
提督「ま、ともかくだ。外野のことは俺の領分。お前達は、新たに現れる深海棲艦を正気に戻すことだけ考えて動け」
大和「……はい」
提督「不満か?」
大和「そ、そんなことはありません。むしろ……」
提督「ん?」
大和「大和があなたの艦娘でよかったと、安心しました」
大和「いえ、艦娘としてだけじゃありませんね。あなたをお慕いする、一人の女としても」ポフッ
提督「……そうか」ナデナデ
大和「~♪」
提督「…………」
大和「……提督」
提督「なんだ?」
大和「あの……キス、してもらえませんか?」
提督「ああ、いいよ」
大和「……んっ」
提督「これでいいか?」
大和「大和が、この程度で足りないことなどお分かりのはずです。火のついた女性を焦らすなんて、提督は鬼級ですね」
提督「陸奥か大鳳以外なら逃がさないところだがな。今は場所が悪い」
大和「場所、ですか?」
提督「そうだ。ここはどこだ?」
大和「ふ、埠頭ですが……」
提督「ああ、俺達はそこに腰掛けて夕日を眺めている。さらに言えば、埠頭は艦隊が出撃帰投する場でもある」
大和「しかし、周囲に艦艇の影は……」
提督「足元の海を見てみろ」
伊168「…………」ワオ
伊19「…………」イクノ?
伊58「…………」デチ
伊8「…………」ダンケ
伊401「…………」ネ?
呂500「…………」ハイ!
青葉「…………」パシャッパシャッ!
大和「」
ソ級「ワタシモ、イル。ヤマト……キョウテイ、イハン……」
大和「あなたまで!」
伊168「ねぇ、大和さん。忘れたわけじゃないよね?」
伊8「提督独占禁止法第4条第7項『秘書艦となった者以外は、提督のからの要求がない限り性的接触をしてはならない』」
提督(初めて聞く法律だな……)
大和「ち、違うんです……これは、その……」
伊19「お仕置き、されたいの?」
伊58「されたいに違いないでち」
呂500「言い逃れはできないよ?」
青葉「アオバ、ミチャイマシタ!」
伊401「これは地下懲罰房行きだね」
大和「地下懲罰房!?」
伊8「大和さんは初犯だから知らないんでちね。とりあえず、彼女を呼ぶでち」ピイイィィ
川内「地下懲罰房は私達『提督護衛部隊』のみが使用可能な施設」シュタッ
提督(施設も部隊も初耳なんだが……)
川内「現行犯逮捕。大和さんを取り押さえて」
潜水艦娘「ハイ!」ナノデチワオダンケ!!
大和「ちょっ、みんな、まっ……攻撃が当たらない!?」
呂500「ふふーん。戦艦がろーちゃんに勝とうなんて百年早い、です!」
伊401「それで、今日の尋問艦は誰かな?」
大和「尋問艦!?」
川内「霧島の姉貴と香取先生、それに龍田様だね」
大和「」
伊19「大丈夫なの。艦載機や三式弾を挿れられても意外に艦娘は頑丈なの」
武蔵「なんだ、久々の出勤かと思ったら相手は大和だったのか」
大和「む、武蔵……お願い助けて! 簀巻きにされて身動きが取れないの!!」
伊58「それは無理でちね。武蔵も提督護衛部隊の一員でち」
大和「……え?」
武蔵「場合によっては数人を取り押さえられる戦力が必要だろう。そういうことだ姉よ」
大和「わたしはそういう話し聞いていないんですけど!?」
伊168「純情な大和さんに鎮守府の黒い裏面を見せたくないんだって、榛名部隊長が言ってた」
提督(何をやっているんだ榛名は……)
ソ級「ダイジョウブ……スグニ、キモチヨクナル……」
大和「ひいいいっ」ゾクッ
大和「て、提督」ウルウル
提督「あー、なんだ。俺もそういう決まりがあるってのは知らなかったし、今回は勘弁してやってくれないか?」
武蔵「だが提督よ、犯罪者を見逃していては規律というものがだな……」
提督「頼む。俺にも責任があるんだよ」
川内「…………わかりました。今回だけは見逃します」
大和(えっ? そんなにあっさり?)
伊8「大元帥提督憲法第1条第1項」
呂500「提督の願いは我らの願い。提督の言葉は絶対命令。死を賭してでも全てを捧げよ」
提督(それ相当危ない領域に踏み込んでるよな……)
川内「ですが大和さん、二度目が発覚した際は今回の分もまとめて罰を受けてもらうことになります。くれぐれも、周囲にはお気を付けて」
大和「は、はいっ!」
青葉「司令官! 大和さんが簀巻きにされて悶えている映像、必要ですか? 大和さんの乱れた吐息は、結構クるものがありますよ!?」
提督「そんなの、い……らないに決まっているだろう」
伊19(一瞬だけ迷ったの)
伊58(迷ったでちね)
伊401(迷ったよね)
ソ級(マヨッテタ)
???「今回、珍しく提督が気付いたでちね」
??「いつもは事が終わった後に、私のスイミンヤク=サンで確保していたからね。だから提督に止められることなく刑を執行できたけど……」
???「問題ありません。提督ご自身が周知されているのであれば、それはそれで抑止力として働くでしょう」
???「あ、あなたは!」
???「榛名部隊長なの!」
榛名「護衛お疲れ様。今日も提督は無事に就寝できましたか?」
???「ああ。不埒な真似をしたのは、秘書艦を除けば私の姉のみだ」
榛名「よろしい。提督の御身だけでなく、貞操を守るのが私達の役目です。くれぐれも目を離さないようにお願いしますね」
???「もちろん! ろーちゃんは、いつも提督を見守っています、です。はい!」
???「ワカッタ……」
榛名「ええ。頼みますよ。……ふふ、ふふふふふふ」
今日はここまで。明日の夜にまた続き。
>>30の貞操のくだりは「ところ構わずエロいことをさせない」って意味にしたかったけど、それだと貞操じゃ全然駄目ですね。もっと別の表現にすればよかった。
ある日の鎮守府・早朝
提督「朝の散歩はいいもんだな~。……ん?」
【わふあわこにそくにのな】
提督「何だ、この名詞みたいな紙。暗号のようだが……」
提督「ん~。どこかで見たことのある暗号だな。帰ったら、ちょっと調べてみるか」
加古「zzz……んぁー。はっ! 寝てないよぉ! 護衛任務の途中で寝たら、また榛名部隊長に怒られる!!」
同日26時半・資材備蓄用倉庫
ザワザワ ザワザワ
明石「青葉、準備はいい?」
青葉「もちろんです。ばっちり宣伝しておきました」
明石「ありがとう。この『第五十二回鎮守府オークション』は、鎮守府に住む全員の癒しだからね。修理とか工作機械の手入れとか色々やることあるけど、これが最優先!」
大淀「提督の方は?」
青葉「今夜の司令官は、護衛もかねて暁型四姉妹に一任しています。彼女達は欲しい一品を確保しておくことで手を打ってくれました!」
明石「それなら問題なさそうだね。彼女らとて特三型駆逐艦。護衛能力に関しても悪くない」
大淀(何でしょうか……この言い知れない不安は……)
青葉「鎮守府近海に関しては、霧島組のイ級さんたちが……っと、そろそろオークション開始の時間ですね。配置に行きましょうか」
大淀「ええ。では私は司会進行のところに……」スタスタ
青葉「青葉は実況席に行ってきます!」タッタッタッ
明石「わたしは裏方で。ん~、楽しみですねぇ」
提督「ほう。何が楽しみなのか、俺にも説明してもらいたいところだな」
明石「」
明石「て、ていとムグッ!」
提督(あまり大声を出すな。今日のイベントは全員にとっての癒しなんだろう? 俺は、それを見学に来ただけだ)ヒソヒソ
明石(な、なぜ提督がここに!?)ヒソヒソ
提督(今朝拾った暗号を解読してな。不審に思ったから暁たちの監視を抜け出してきたんだよ)
明石(どうやって……)
提督(ん? それはだな、)
暁『今日こそは、司令官に大人のれでぃーを見せてあげるんだから!』
響『司令官。早くしたい』
雷『もーっと私に頼ってもいいのよ?』
電『はわわっ! はわわわわっ!』
提督『まったく。そんなに力んでたら駄目だろう? リラックスできるようにカフェオレ(川内特製睡眠薬入り)を淹れたから飲むといい』
『『『『わーい!』』』』
提督(ということだ)
明石(あンの役立たず四姉妹いいいいいぃぃぃ!!)
提督「何も邪魔しようってわけじゃない。オークションに参加はしないから、見つからないように裏から見学だけしておくことにするよ」
明石「え、えーっとですね。あ、あはは……」
提督「そうそう。俺がここにいるってことは、他のやつには内緒な」
明石「ええっ!? そ、それも隠し通せるか厳しいって言うか……」
明石(時津風さんや夕立さんあたりは匂いで気付くとかありえるし、一部のラブ勢に至っては謎の提督電探で既に気付いている可能性も……)
提督「その辺も含め、よろしくな明石」ポンッ
明石「」
青葉『さて、やってまいりました、第五十二回鎮守府オークション! 今回も多数の品々を取り揃えておりますので、ぜひぜひ皆さん競っていってくださいね!』
鈴谷「ほおおぉぉ↑おおぅ↓」
熊野「とおおぉぉ↑おおぅ↓」
ヲ級「ヲオオォォ↑オオォ↓」
島風「おうっ?」
青葉『実況は、鎮守府ナンバーワンのジャーナリストこと青葉と、』
大淀『司会進行の大淀です。よろしくお願いします』
五十鈴「自称ナンバーワン……」
泊地水鬼「イタい、イタいわ……」
青葉『本日は艦隊業務でお疲れでしょうが、今宵も目を開けるに相応しい品々が登場します。まずはその一品目をご覧ください!』
提督「ふむ。暁型以外の全員が集合しているのか。活気があっていいじゃないか」
明石(まだ大丈夫。最初のほうは大丈夫。問題は後半……)
提督「俺も提督として、この辺りの催しを積極的に増やしてみるべきかもしれないな」
明石(ボルテージが上がってくれば、提督に知られたら軍法会議モノな品々が出品されるはず。その前に何としても提督をここから連れ出さなければ……)
大淀『最初はこちらです』
【提督人形(体毛入り)】
明石「なん………だと………」
提督「……ほう」
明石(な、何で! どうして!?)
青葉『一品目から逸品が来ましたー! しかし珍しいですね。前半は間宮券などが出品され、こういったものは後半に出されるのが基本的な流れのはずですが……』
大淀『たまにはいいでしょう。最初で資金が尽きてしまい後半で涙する人がいると、某正規空母さんから苦情が来ていましたから』
赤城「だ、誰のことでしょうね……」バリバリボリボリ
明石(赤城さあああああん!!)
加賀「赤城さん、備蓄のボーキサイトを食べるのはやめた方がいいわ(提督が見ているから)」
青葉『つまり、今回は目玉商品を先に出すと。なるほど、たまには趣向を変えるのもアリということですね!』
大淀『そういうことです。では、出品者から商品の説明をしていただきましょう』
早霜「こんばんは、早霜です。フフ……フフフフ」
早霜「このミニ提督人形の中心部には、提督の毛髪が埋め込まれています」
早霜「妖精さんによるDNA鑑定の結果、提督の一部であることに疑いはないわ。これが証明書ね……」ペラッ
青葉『おおっと、これは工廠妖精さんの認印! 間違いありません!!』
早霜「フフフ……おまけに、この人形は耐水性と耐水性も並みの人形ではありません。お風呂によし、深海にもよし、抱いて寝るもよし、51cm砲が直撃しても耐えられる構造よ」
提督(そんな技術あるなら装甲上げろよ工廠妖精)
青葉『これはまたレアなものを出してきましたね。そのような貴重品を出品しても大丈夫なのでしょうか?』
早霜「すでに保存用観賞用御使用の3つは確保していますから」
提督(最後の御使用って何だ……)
青葉『それでは落札タイムといきましょう! 最低価格は五千円からです!』
天津風「は、八千円よ!」
駆逐棲姫(本気モード)「一万円!」
能代「一万五千円!」
あきつ丸「二万円であります」
愛宕「二万円五千円ね~」
陸奥「二万八千円出そうかしら」
秋津洲「二ま……三万円かも!」
提督「何であいつらは人形を獲りあっているんだ? 確かに技術だけは無駄に凄いが、それが人形なら意味ないだろうに」
明石(この人もこの人だなぁ……)
今日はここまで。明日また続き。
青葉『現在三万円が最高価格です! あと三十秒で締め切りますが、これ以上のお値段をつける方はいるのか!?』
日向「うーむ。欲しいことは欲しいが、今月は長良とトレーニング用具を購入してしまってな……」
赤城「間宮デザート券用にお金を残しておかないと。うぅ……」
加賀(まだよ……これがメインの商品ではないはず。今は様子見ね)
飛鷹「予備の等身大抱き枕があるから必要ないわ」
比叡(お姉さま、落札されないのですか?)ヒソヒソ
金剛(問題ナッシン。提督ヘアーはワタシの体内で生きているので、この人形はお見送りデース。それよりも、まずは皆のウォレット事情を見極めるのデース!)ヒソヒソ
比叡(ヒエー。さっすが金剛お姉さま! 資金が足りないときには、この比叡にもお任せください! 観艦式で会った偉そうなおじいさんに、気合!入れて!頼んでみます!)
金剛(いい妹を持ってワタシは幸せ者ネ。ありがとデース、比叡!)
霧島「お姉さま方は何を話しているやら。……榛名姉さま?」
榛名「…………」
青葉『残り十秒! これは秋津洲さんの勝利確定かー!』
秋津洲「えへへ~。私が一番なの~? そんなことって、あるかも~」
榛名「十 万 円 出 し ま す !」
秋津洲「おほおおおおおぉぉおお!?」
青葉『おーっと。ここに来てまさかの3倍増し! これは大番狂わせです!』
秋津洲「お、お金、そんなに無いかもなんだけど……」
榛名「ふふふ。秋津洲さん、あなたは今の本当の価値をわかっていません!」
秋津洲「うえぇ!? い、意味がわからないかも!」
瑞鳳(今……?)
榛名(TeTO9レーダーを搭載している榛名には、裏方に提督がいらっしゃることなど容易に探知できます)
榛名(つまり! 提督は今、この会場を見ているということ!)
榛名(本来提督には知らされないような品々が出る以上、提督はここにいらっしゃるのは初めてのはずです……)
榛名(そこで最初に見た光景は、榛名が提督の人形を競り落としているところ……)
榛名(自分の毛が混入された人形が高値で競り落とされる……普通のお方なら吐き気を催すほどの嫌悪を抱かれることでしょう!)
榛名(そう! 提督が! 榛名に! 生ゴミを見る様な眼差しを向けてくださるということ!!)
榛名(普段は心優しく、誰にでも平等に接してくださる提督が……榛名がお慕いするあの提督が……!)
榛名(この衆人環視の中! 榛名を蔑むような瞳で! 榛名だけを映していただける!!)
榛名(それだけで、榛名は……榛名は!)
榛名「 ―――――ぁッ」ビクンッビクン
明石「駄目だあの人……はやく修理しないと……」
青葉『ここで時間終了ー! 最初の落札者は榛名さんです!』
早霜「フフ、フフフフフ。お買い上げ、ありがとうございます」
睦月「オメデトー」
衣笠「オメデトー」
軽巡棲姫「オメデトー」
大淀『おめでとうございます』
榛名「は、はるにゃは……らいりょう、ぶ……うれひいれふ……」ビクビクンッ
明石(真性ですねこの人)
秋津洲「ううぅ……負けちゃったかも~」
提督「…………ふむ」
明石(その後も順調に消化されていき……)
大淀『提督の箸は二万円で落札されました』
最上「こ、これが……提督の古シャツ……スーッ」ハアアアァ
青葉『提督の使用済み歯ブラシを落札したのは飛龍さんです!』
明石(ついに前半が終わりました)
提督「」
明石(その間、提督は無言を貫いています)
提督「」
明石(怖いです。……プレッシャーで胃に穴が開きそう)
提督「……明石」
明石「はっ、はいっ!」
提督「ひとつ頼みがある」
今日はここまで。また明日。
>>53の青葉のセリフは提督じゃなくて司令官ですたわ……
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