小早川紗枝「あれ、周子はん?京都で何してはるの?」 (68)

塩見周子(18)

http://i.imgur.com/bGMhlEW.jpg
実家でヌクヌクしようとしたらほっぽり出された系アイドル


塩見周子「あれ、プロデューサー?京都で何してんの?」
の続きのような何か

エセ京ことば祭り注意

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1435246538

周子「へ?……あれ、紗枝ちゃんじゃん。うーっす」

紗枝「どうもー。ふふ、奇遇やなぁ。こっちでも会うなんて」

周子「ねー。世の中狭いなぁ。あはは」

紗枝「周子はんも帰ってはるなら教えてくれればよかったんに」

周子「や、あたしはちょっと、アレでさ」

紗枝「アレ?」

周子「勝手に帰ってきてる、というか」

紗枝「勝手に」

周子「一息つける隙があったから逃げてきちった」

紗枝「……戻ったらどやされますえ」

周子「だろうねー。……はぁ」

紗枝「……?なんや、元気ないなあ」

周子「……ごめん。ちょっと、ブルー入っちゃってて」

紗枝「あら。珍しい」

周子「でしょ」

紗枝「悩みごとなら聞きますえ?」

周子「ありがと。でもごめん、ちょっと人には話せない、というか」

紗枝「あ。わかった。Pはんのことや。周子はんもえらいなぁ」

周子「……紗枝ちゃん鋭いね」

紗枝「Pはんもうすこーし周子はんの気持ちのこと、考えはっても罰は当たらんのに」

周子「え、ちょっと待ってちょっと待って」

紗枝「んー?」

周子「なんでそうなるの」

紗枝「見てたらわかります」

周子「……あたし?」

紗枝「周子はんも、Pはんも。もどかしいというか」

周子「……そんなわかりやすいかな」

紗枝「Pはんが他の子と話してるとすぐ怖い顔しよるし」

周子「……あたし?怖い顔?」

紗枝「いー、って」

周子「やー、あはは、そんなわけが」

紗枝「結構な仲なんと違いますの?」

周子「…………」

紗枝「……っ、ふふ!うち、口は堅いどすえ?」

周子「えー……やー、紗枝ちゃんグイグイくるね……」

紗枝「ほーら、恋煩いなんて一人で抱えるもんでもなしに」

紗枝「あ、うち一度周子はんのお家、お邪魔してみたかったんよ!ねね、これから」

周子「あー、うちは、ちょっとアレだ、NG、ダメ、ダメ」

紗枝「えー。いけずー」



周子(とは言ってもめっちゃ食い付いてるし)

周子(ただじゃ帰ってくれないんだろうなぁ)

周子「……あ、あたしもさ、紗枝ちゃんち行ってみたいなー?」

周子(うん、お嬢様の家はそんなほいほい遊びに入れな……)

紗枝「あ、ほんま?ふふ、ほないこか?」

周子(…………普通にオッケーなんかーい)

周子「い、いえーい!お嬢様のお家って楽しみやーん」

周子(まあ適当にくっちゃべって適当に帰ろ、大丈夫大丈夫)

紗枝「お菓子も出しますから、ゆーっくりしゃべりましょ?」

周子「…………」

紗枝「しんでれらがーるが遊びにくるなんて、家の人たちびっくりしはりますやろなあ」

周子「…………」


周子「…………」

・・・

[紗枝の家]

周子「ん~~♪おいし~♪」モグモグ

紗枝「ふふ、塩見屋さんの子が来てはるのに下手なもん出せひんからなあ」

紗枝「にしても、ほんまおいしいわあ。こないなお菓子、うちにあったんや」

周子「なんかいいモノ出してもらっちゃったね。おおきに~♪」

紗枝「ふふ、ほな次はちゃんと周子はんのお家にお邪魔させてもらいますえ」

周子「あはは……今日はごめんね。あたしもまだ帰ってないもんだからさ」

紗枝「……あら。悪いことしたなあ」

周子「や、いーよいーよ。ふらっとこっち来てみただけだから、別に家帰るつもりがあったわけでもないし」

紗枝「……傷心旅行?」

周子「とはちょっと違うけど。ま、その前段階、みたいなね。あはは」

紗枝「……?」

周子「……ちょっと、いろいろあってさ。いろいろ」

紗枝「いろいろ?」

周子「いろいろ」

紗枝「いろいろ、って?」

周子「いろいろー」

紗枝「……周子はん」

周子「うん?」

紗枝「今から家の人にお願いして、お夕飯こしらえてもらいます」

周子「えっ」

紗枝「それも、とびっきりの」

周子「……しゅーこちゃんは食べ物じゃ釣られな」

紗枝「今朝立派な鱧ちゃん買うてはったから、それになると思いますけど」

周子「は、ハモ」

紗枝「周子はんがお夕飯の時間までお話してくれはるなら、一緒に食べられるなあ」

周子「や、ややや、ダメダメダメダメ、人に話せることじゃないから」

紗枝「あら」

周子「ん゛」

紗枝「Pはんとのことなのはわかってはりますのに」

周子「ん゛ん゛」

紗枝「なーに、話せへんようなことまでしてはるの?」

周子「ん゛ー」

紗枝「鱧ちゃん~」

周子「ん゛ー!!!!」

紗枝「心配やなぁ。紗枝がこないに心配してるのに、周子はん釣れへんなあ」

周子「ん゛ん゛ん゛」

紗枝「応援しますえ?」

周子「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」

紗枝「鱧ちゃん~~~」

周子「…………」

周子「……」

周子「……」

周子「鱧」

紗枝「鱧ちゃん」

周子「紗枝ちゃん」

紗枝「はい?」

周子「内緒よ?」

紗枝「もちろんです」

周子「その、紗枝ちゃんとあたしの仲だから、ね?」

紗枝「はい」

周子「困ってるのも事実だし?」

紗枝「ふふ」

周子「あと、今日は宿なしだし?」

紗枝「お布団はぎょーさんありますから」

周子「お世話なりまーす」

紗枝「わ!」

周子「ゴチになりまーす」

紗枝「周子はん、まずは一つ、お約束しましょ」

周子「うん?」

紗枝「他の人がご飯出してくれはっても、喋ったらいけませんえ?」

周子「……はい」

紗枝「はい。したら、ふふ、何から聞こうかなあ」

周子「……手加減してね?」

[紗枝の部屋]

紗枝「ほな、ね……馴れ初めから!」

周子「……紗枝ちゃん根掘り葉掘り行く気だよね」

紗枝「ふふ。周子はんとうちの仲やし」

周子「そうくるか」

紗枝「ほら、たーんと」

周子「馴れ初め、ねぇ」

紗枝「うん、うん」

周子「……うーん。そーねー。あれが多分、一番よくなかったんだろうなー」

紗枝「よくなかった?」

周子「そーんなに面白い話でもないんだけどね」

周子「デパ地下で試食コーナー荒らしてたらスカウトされて」

周子「家出中だったから、収入も家もなかったし」

周子「ちょうどいいかなーと思ったんだよね」

紗枝「ふふ。渡りに船、やなあ」

周子「で、即日寮!ってわけにもいかなかったからさ」

周子「その夜Pさんの家に泊めてもらって」

周子「まあ。うん」

紗枝「……?」

周子「いろいろ、ね」

紗枝「いろいろ?」

周子「うん」

紗枝「いろいろ」

周子「まあ、あるよね。当時はまだアイドルでもなんでもなかったし」

紗枝「……え!?」

紗枝「え、何、いろいろって、ええ!?」

周子「うん、そんな感じの……いろいろ?」

紗枝「えっ、でもそれ、会ってその日?その日に?」

周子「うん」

紗枝「な、ななななな」

周子「だってさ、ほら、流れ的にそうじゃん?」

周子「家出少女と、面倒見てくれる男の人だし?」

紗枝「……」

紗枝「……Pはん、そないな人やったの……」

周子「や、あたしは最初床で寝かされてたんだよ」

紗枝「……も、もしかして、周子はんから」

周子「うん」

紗枝「なんで、そないな」

周子「うーん、あたしがそういう気になってた、としか」

紗枝「そういう気?」

周子「だってさ、優しいし、悪い人じゃなさそうだったし」

周子「その前にちょっと、変な現場に出くわしちゃって、ムラムラしてたのもあって」

周子「で、連れ込まれちゃってる的なシチュエーションじゃん」

紗枝「……~~~っ!!!」

周子(あ、赤い赤い、めっちゃ赤くなってる)

あれ?3年くらい前の……?

紗枝「…………で、さ、誘ったって」

周子「え、マジ?そこまで?」

紗枝「せ、せっかくやし」

周子「……えっとね、こう、ベッドにするっと、入り込んでさ」

周子「元々寝間着で薄着だったから、ブラとか外しちゃってて」

周子「こう、背中からぎゅーっと、押し当てるわけ」

紗枝「……!」フンフン

周子「最初はやめなさいとか言われてたんだけど、ストレートに誘ったら、割とストレートにノってくれて」

周子「んで、まあ、さ。するじゃん」

周子「あたし的には最後の火遊び、くらいのつもりだったんだけどさ」

紗枝「」フンフン

周子「……最中のことも詳しく聞く?」

紗枝「えっ、あ、えっと……あ、後で」

周子(聞くんかーい……)

周子「……ま、でも結局、することしちゃって」

周子「それが……よくなかったんだよね」

紗枝「よくなかった?」

周子「思ってたよりも、なんていうのかな」

周子「好きになっちゃった、というか」

紗枝「好きに……その、Pはんのことが、やんな?」

周子「うん」

紗枝「わ!わわ」

周子「……嬉しそうね」

紗枝「ふふ!周子はんもやっぱりしっかり乙女なんやなー、って」

周子「やめてそれ恥かしい」

紗枝「ふふ、ええなあ。好きになってもたー、って」

周子「やーめー」

紗枝「かいらしいわあ」

周子「もー」

周子「……最初はさ、『あ、この人いい感じかも』ってくらいだったんだ」

紗枝「うん、うん」

周子「大切にしてくれる感じの人だし。したときも、そう」

紗枝「そ、そうなん?」

周子「うん。なんかね、こう、抱きつきたくなるんだ」

紗枝「……ええなあ」

周子「でも、アイドルやる以上は踏ん切りつけないとダメじゃん?」

周子「だからさ、好きになっちゃダメだー、ダメだーみたいに考えるわけ」

紗枝「あ」

周子「でも、あの人って何かと激甘でさ」

周子「ちょろっとした隙に甘えさせてくれたり、いろいろ仕掛けたら付き合ってくれたり」

紗枝「ふふ」

周子「そしたら、うん」

紗枝「もっと好きになってしもたんどす?」

周子「……そゆこと」

紗枝「周子はん、周子はん」

周子「うん?」

紗枝「うちは、ええと思います」

周子「……そう?」

紗枝「だって、好きになる人は選べひんもん」

周子「……でも、だめじゃん。立場あるんだから」

紗枝「あるからこそ、やないかなあ」

周子「……?」

紗枝「足、攣りそうになる時と同じどす」

紗枝「最初はな、あ、ちょっと痛い、これ攣るんやないかなあ、って思って」

紗枝「あーいたいいたい、これ足攣りよるーって思っとったらもう手遅れ」

紗枝「今だけは足攣ったらあかんあかんーって考えるほどに、攣りますやろ?」

周子「……ぷっ。なにそれ」

紗枝「え、わかるやろ」

周子「まあ、うん。ちょっと好きになっちゃった時点で負け、ってことでしょ」

紗枝「そう、そう!」



周子「紗枝ちゃんよく足攣るもんね」

紗枝「うちどんくさいからなあ」

紗枝「って、もー!そないなことやなくて!」

周子「うん?」

紗枝「あんな、うちが言いたいのは」

紗枝「周子はんは、ちゃーんとPはんのことを好きになる重みを考えてはるから」

紗枝「それ自体はえらいことやけど。うち、応援したいんよ」

周子「……ありがと」

紗枝「……でも」

周子「うん?」

紗枝「傷心旅行の前段階やて、いうてはりましたけど」

周子「…………」

紗枝「あんまり、上手くいってないんやろか」

周子「……うん」

周子「自分ではね、上手くバランス取ってるつもりだったんだ」

紗枝「バランス?」

周子「Pさんのことは、基本は我慢。でも隙があったらちょっと構ってもらう、みたいな」

紗枝「構ってもらう、て」

周子「まあ、ご飯連れて行ってもらったり」

紗枝「たり?」

周子「ちょっとお昼寝に付き合ってもらったり」

紗枝「……お昼寝?」

周子「たまに、ね?」

周子「……こう、肩枕とか。腕枕とか」

紗枝「ふふ」

周子「な、なにさ」

紗枝「別にー。うちやったら、寝顔見られるの恥かしゅうて無理やろなあ、って」

周子「……や、一度どころじゃなく見られてる仲だし?」

紗枝「ほんまに、Pはんのこと好きなんやなあ」

周子「うう……紗枝ちゃん、ゴスゴスくるね……」

紗枝「ふふ、ええわあ。ほっこりします」

周子「堪忍して、恥かしいわ……」

紗枝「で、何があったんどす?」

周子「……欲が出ちゃった、というか」

周子「Pさんにもちょっとくらい、お熱になって欲しいじゃん」

紗枝「うん、うん。せやろなあ」

周子「だから誘って引く、みたいな。やってたんだ」

紗枝「あっ、あれや、奏はんとかが上手にやってはるの」

周子「そそ。胸元ちらっと見せたり。おもむろにちょっとボディタッチしてみたり」

紗枝「わ。やらしいわあ」

周子「男の人とか絶対好きだろうなーと思ってさ」

周子「あとアレ、フラッシュトーク。耳元で意味深なこと呟いて、すーっとフェードアウトするの」

紗枝「ふふ、恋する乙女はえらいなあ」

周子「うっさーい。でね、そういうのPさんに仕掛けては結構楽しんでたんだ」

紗枝「Pはん、ええ反応しはるんやろ」

周子「そう!こうさ、ちょっと照れくさそうに目逸らさせられたりするとさ」

周子「上手くいった、よしよし、って感じになるんだよね」

紗枝「ふふふ」

周子「でも最近、なんか、ダメでさ」

紗枝「……?」

周子「……Pさんに完全にそういう女なんだと思われてる、っていうのかな」

紗枝「……そういう女、て」

周子「軽い女」

紗枝「そ、そないなこと、あの人は」

周子「まー、実際そこまでは思ってるかわかんないけどさ」

周子「言われちゃったんだ。『そういうことばっかしてると、どっかで損するぞー』って」

周子「確かにそうだなーって思い始めたら、もうダメダメ。自己嫌悪しかないや」

周子「馴れ初めも話した通りで。それ以降も気を引きたいから小悪魔ごっこして」

周子「直球はダメだからって、あほみたいに回り道して、いらんことばっかして」

周子「……結局、一番ダメな道選んじゃった。どっかで損するどころか、ずっと損してる」

紗枝「Pはんもそないな意味で言いはったわけやないと、思いますけど」

周子「だろーねー。だけど、グッサリきちゃった。あたしが撒いた種なのにね」

紗枝「……今日は、なにがあったん?」

周子「ちょっと、ね。Pさんにそういう絡みしたら、やれやれって感じで相手されて」

紗枝「……」

周子「耐えられなくなっちった。午前の仕事終わって、そのまま新幹線」

紗枝「……」

周子「あはは。怒られるよねー、これ」

周子「あーあ。ほんまあほ!まーたPさんに嫌われちゃうよ」

紗枝「……」

周子「あたしも忙しいのに。Pさんも必死で仕事まとめてくれてるのに」

紗枝「……周子はん」

周子「なーんで、上手くいかないかな。アイドルは、なんだかんだでこんなに上手くいったのに」

紗枝「周子はん」

周子「なんで、こんなこと、してるんだろ」

周子「なんで。……好きに、なっちゃうかなあ」

紗枝「……」

周子「なんで……っ、なんで、こんな」

紗枝「……」

周子「ダメだ、あたし、本当に」

紗枝「……ほら、周子はん。こっち、こっち」

周子「……っ、う……」

紗枝「せっかく、紗枝がおるんやから。一人で泣くもんやおまへん」

周子「っ、いいよ、化粧、うつるし」

紗枝「ほーら」

ぎゅっ

紗枝「よーしよし」

周子「……いい、のに」

紗枝「ええんよ。しんどいときは、へたっても」

周子「…………ぐすっ」

紗枝「よーし、よし」

周子「っ、う、うぅ」

周子「うう、っ、あ、あああああ……」

・・・

紗枝「落ち着きはりましたかー?」

周子「……」コクリ

紗枝「ふふ」

周子「紗枝、ちゃん」

紗枝「はーい?」

周子「……おっぱいちっちゃ」

ぎゅううううっ

周子「ん゛ー!!ん゛ー!!!!」

周子「ごめんごめんごめんごめん!!!」

ぱっ

紗枝「はーい?」

周子「……その、おおきに」

紗枝「ふふ、ええよ。周子はんとうちの仲どす」

周子「久しぶりに泣いたかも」

紗枝「うちには、これくらいしかできひんから」

紗枝「恋愛ごとは得手やあらへんし。こうしたらー、みたいなことは言えひんもん」

周子「……ううん。めっちゃ楽になったよ」

紗枝「よかったわあ。ごめんなあ、ちっちゃくて」

周子「……変なこと言いましたごめんなさい」

紗枝「周子はんは」

周子「うん?」
紗枝「Pはんと、どないになりたいんやろ」

周子「……Pさんと?」

紗枝「アイドル続けはって、Pはんと一緒にお仕事して、今のままの関係が続いて」

紗枝「それも、よろしゅおすなあ」

周子「……うん」

紗枝「けど、他にもきっといーっぱい道があると思うんどす」

紗枝「周子はんは」

周子「うん?」

紗枝「Pはんと、どないになりたいんやろ」

周子「……Pさんと?」

紗枝「アイドル続けはって、Pはんと一緒にお仕事して、今のままの関係が続いて」

紗枝「それも、よろしゅおすなあ」

周子「……うん」

紗枝「けど、他にもきっといーっぱい道があると思うんどす」

紗枝「アイドルするにしても、いろいろやりようはあると思いますし」

紗枝「他にも例えば、一緒に塩見屋さんの跡、継いでみはったり」

周子「うぇ」

紗枝「あとは……」

周子「あとは?」

紗枝「……うーん。あんまり浮かばひん……」

周子「えぇ……」

紗枝「でも、そこは周子はんが決めはるところやから」

周子「……うん」

紗枝「どないにしたいかは、周子はんの心次第、やなぁ」

周子「あたしの、心」

紗枝「そこだけは回り道せんと、Pはんに言うてみたらええと思うわあ、うち」

周子「え、いやいやいや、それは厳しいよ」

紗枝「あら」

周子「ん゛」

紗枝「なんや、決まってはるん?」

周子「ん゛ん゛ん゛」

紗枝「ほな、気張らんとなあ」

周子「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛」

紗枝「ほーら、紗枝と約束」

紗枝「明日、Pはんに会うたら、ちゃんと言いましょ?」

周子「……ちょっと、勇気ないかも」

紗枝「大丈夫やと思うけどなあ。Pはんも周子はんのこと、大好きやから」

周子「へ?」

紗枝「うちには、そうしか見えひんよ?」

周子「……」

紗枝「周子はんが一番ようわかってはるんと違います?」

周子「……えっと」

紗枝「周子はん。うちも、明後日東京に戻りますえ」

紗枝「そのときまでに、な?」

周子「紗枝ちゃぁん……」

チリーン チリーン

紗枝「あら、もうお夕飯の時間や。おしゃべりしてるとあっという間やなあ」

周子「鱧!」ピコーン

紗枝「ふふ、楽しみやなあ」

紗枝「ご飯の前にうち少しだけお電話しますえ、待っとって?」

周子「はーい」

パタパタパタ

周子「鱧~♪」

周子「…………」

周子「あたしの心、かぁ」

周子「……応援してくれる、って言ってるのに。裏切れないよねえ」

周子「…………どーしよっかねぇ」

・・・
・・

[翌朝 玄関]

周子「やー、何から何までお世話になりました」

紗枝「いいえー。ふふ、うちも楽しかったわあ」

周子「うちはまた今度、ね」 

紗枝「もちろんどす」

周子「Pさんとのことは……うん。よく考えとく」

紗枝「決まってはるんやろ?」

周子「そう、だけど。覚悟が、さ」

紗枝「東京まで2時間少し、ありますえ」

周子「きっびしーなー」

紗枝「会うたら、真っ先に言うこと言わなあきまへんえ?」

周子「きびし……」

紗枝「ふふ。周子はんのためやから」

周子「はーい……」

紗枝「さて、ぼーちぼちお迎えの人が来はるはずなんやけど」


チリーン

紗枝「……あ。来はった」

周子「あーあー、東京戻るのかー。あたし紗枝ちゃんちの子になりた……」

紗枝「周子はん」

周子「……うん?」

紗枝「気張って、な?」

周子「へ?」


チリーン


紗枝「はーい」

ガラガラガラ

周子「……」

周子「紗枝ちゃん」

紗枝「ほな、また明日~」


ガラガラガラ


周子「……」



周子「…………Pさん、京都で何してんの?」




    ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
           -=ニニニニ=-


                          /⌒ヽ   _,,-''"
                        _ ,(^ω^ ) ,-''";  ;,
                         / ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
                     (.゙ー'''", ;,; ' ; ;;  ':  ,'

                   _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'  ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                _,,-','", ;: ' ; :, ': ,:    :'     d⌒) ./| _ノ  __ノ

ということでモバマスSSだったよ
また暴露トークパターンかよ!と思ったかもしれないけどそうだよ!としか言いようがないよ!好きなんだよ!

>>25
3年前のデース…
前々から続き!続き!って声があったので、折角なので続きのような何かになりました

じゃあ私生徒会行くね

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