池袋晶葉の独白 (25)

・地の文あり

・晶葉しかしゃべらない

・ネタバレあり

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なあ、P、私の話を聞いてくれ。

そう硬くならなくていい。これは私の独り言みたいなもんだ。

少し昔を振り返りたくなってな。

いいだろ?今日ぐらい。今日は特別な日だ。

まずは私がアイドルになる前の話からだ。


私の両親は二人ともその世界では有名な研究者だ。

二人に愛されていないわけではない。むしろ私も二人を愛しているし愛されている自覚はある。しかし、二人は多忙だった。

家を何日も空けることが多かった。ロボット製作は私にとって家族の絆だった。

元々ロボット製作は両親から教わったことだった。次第に一人でも作り始めた。

両親がいないときはロボを作ることによってその寂しさを紛らわせていた。

ロボを作るときは両親を近くに感じられる気がして。


そのうち私は天才少女として有名になった。テレビの取材などもたくさん来た。

しかし、私はそのとき飢えていた。

愛に、知識に、地位に、名声に。ありとあらゆるものが欲しかった。

そのとき私にアイドルにならないかと話しかけてくるものがいた。

そう、P。君だ。

今だったら怪しがるだろう。そんなこと顔をするな。当たり前だろ?

急に君にはアイドルの才能がある。アイドルにならないかなんて不自然すぎる。

まあ、結果としてアイドルになったのは正解だったのだが、とりあえず当時は飢えていたからな。

何の疑いも持たず私はアイドルになった。


「へへん♪この天才少女の手にかかれば物言わぬ機械も生を得るっ! ん? アイドル? 面白いな、私の才能を世に知らしめるチャンスというわけか!」

そのキーと酉割れてるよ
というかこれは検索されずともかぶる可能性高い
変えといた方が無難かもね


アイドルになった私だが最初からすべて上手くいくわけではなかった。

天才少女としてテレビに出ることはあったが、あんなに多くの人の前で歌ったり踊ったりすることは初めてだったから。


「…ひ、人前は、きっ、緊張するな。」


それでも、ライブが成功したときは凄く嬉しかった。こんな気持ちは多分アイドルにならなきゃ感じることはなかっただろう。

しかし、ここには一人でたどり着けたわけじゃない。今まで孤独だった私のそばにいてくれた人がいたからな。


「天才はいつも孤独というが、Pがそばに居てくれたら私は孤独ではないな…!」


このあと私は事務所に来てはじめての誕生日を迎える。

みんなに祝ってもらうのも初めてで戸惑うことも多かったな。

それでも祝われて嬉しかったぞ。ありがとう。

>>5 ご指摘ありがとうございます。変更も検討しておきます。とりあえず今日はこのままいきます。




私が始めて他のアイドルと一緒にやったお仕事。それは秋夜のお月見会だったな。

頼子やウサミンとの共演は嬉しかった。ただそれは私の知識欲から来るものだった。

頼子は私の知りえない知識をたくさん保有していた。本から得た知識、美術館から得た知識。それらは私の今まで関わったことがない分野だったからな。

ウサミンは…うん。たくさん新しいことを教えてくれた。昭和のこととか昭和のこととか昭和のこととか。

ウサミン星は…いまだに調査中だ。


「ウサミン星人、一度じっくり話してみたいな。謎の技術とか…ないか。」


ウサミンはいつになったら教えてくれるのだろうか?


それとそこで始めて知ったことはまだある。

それは仲間の重要性だ。

Pはあくまで私の助手だった。アイドルではない。

アイドルとして共に競い合い、共に高めあう。それを教えてくれたのはあの二人だった。


「私たちは誰も欠けてはならない歯車だったという訳だな!」


それと同時に、ファンの大切さも学んだ。

近くにいてくれて応援してくれるファンを私は大事にしたいと思った。


「ファンの声援に応えなければな!」


次の大きな仕事はひな祭り。

ひな祭りで思い出すのは私の作ったおひなロボとお内裏ロボだな。

せっかく千佳のために作ったのにかわいくないと言われたのはショックだったな。

ロボはそれだけでかっこいいではないか。

あと、千鶴と始めて仕事をしたのはあのときだな。

千鶴は私に出来た歳の近い友達だ。今でも仲良くしてもらっている。

今まで友達という友達を作ってこなかった私に千鶴はとても新鮮な存在だ。

それとひな祭りも私にとって新鮮だったな。

なんせ今までそんなことやったことがなかったからな。

仕事いうことを忘れて楽しんでいた。


「この祭り、楽しもうじゃないか!」

「たまにはロボ開発に明け暮れる日々を忘れ、女子の祭りに酔いしれてみるのもよかろう。」


このとき私は皆を改造しようとした。

もちろん本心からじゃないぞ?

そんな危ないこと私には出来ない。

技術的には出来るのか?だと。

ふふふ、天才に不可能はないからな。出来るに決まっている。

まあ、改造されたわけじゃないが一番変わったのは私だったのかもな。


「生まれ変わるがいい!」


これは私に向けた一言だったのかもしれない。


次に私はこの事務所で二度目の誕生日を迎えた。

もうこのときで一年以上みんなと共にいることになったな。

正直そんな長続きするものではないと思っていたため驚いた。

まあ、毎日が忙しくて、楽しくて、誕生日のことなど忘れてしまっていた。

でもPや皆が覚えててくれて祝ってくれて思い出したよ。


「…ん?ふむ、私の誕生日か。いやぁなに、毎日忙しくてすっかり頭から抜けていたから、プロデューサーはさすがだと思ったのさ。」

「みんなといると退屈しないな。研究だけでも忙しいのに、アイドルもやってるんだからな。ふふ、毎日楽しくすごせているさ。」


次は私がメインになった仕事だな。

「ハッピー☆ジーニアス」

幸せな天才か。私にぴったりだな。

このときからかな、少し私にも余裕が出来てきた気がするな。


「アイドルも発明も、安心して続けられるのはプロデューサーが一緒にいてくれるからだ。ふふふ、褒めているのだよ。」


私一人だけだとダメだっただろうな。

でもP、君がいると私は何倍にも強くなれるんだ。

君がいてくれたから今の私があるんだ。

孤独だった私に君が光を与えてくれたんだ。


「天才はなかなか理解されないものだが、プロデューサーはちゃんと理解してくれるから助かる。さすが私の助手だ。」


私メインの仕事だったからな。

ついに時代が来たのかと思ったよ。


「これからはロボガールの時代が…」

「私は私の道をいくぞ!」

「アイドル道もロボも極めてみせる! 私はあきらめるのが嫌いだ!」


この言葉はあの日からずっと心がけているよ。


「私の人生に、Pが現れるとは大誤算だったよ。これは設計図を一から書き直さなければ。アイドルとしての未来をな!」


何もかもがほしくて、何もかもに飽いていた私が、Pと出会い軽い気持ちでなったアイドルが、こんなに楽しいものだとは思わなかったよ。

皆の笑顔が、ファンの声援が、Pの言葉の一つ一つが今の私を作っているんだ。


ちょうどこのときか、頼子とPと三人でクレープを食べに行ったな。

あの時に食べたクレープは今まで私が食べたどんなクレープよりもおいしかった。

帰って即刻クレープロボを開発したよ。だけどあんまりおいしくなかった。

頼子に聞いたらみんなで食べるからおいしいといっていた。やっぱり頼子は物知りだな。

それからクレープロボは事務所の倉庫に置かせてもらってるよ。時々引っ張り出してはみんなで食べてる。

やっぱり食べることが最高の調味料だな。

え?なんでクレープを食べるといつもクリームが左頬に付くかだって?

う、うるさい。天才にだってミスはあるものだ。


次の仕事は大晦日と正月だ。ウサミンと千鶴、それとライラと共演したぞ。

ここでわたしはまた、ライラという友達が出来た。

ライラも苦労してるみたいで、私と千鶴で服をあげた。

白衣をプレゼントしたのだがライラはたいそう喜んでくれた。

やっぱり人に喜ばれるのは気持ちがいいな。

しかしライラが白衣を着ているからといってPは私の助手だからな。

ふふ、わかってるか。それはよかった。



そのあとライラと千鶴と三人で鍋を囲んだな。鍋は初めてだったため少し焦ってしまったよ。

え?なにをしたかって。猫舌なのに急ぎすぎてしまった。

うう、今度からは確りと冷ましてから食べよう。

それと四人で初詣にも行ったな。

ウサミンも千鶴も心の声が漏れている。あれじゃライラにも悪影響だぞ。

素直なことはいいことだが物事には限度があるきがするぞ。うーん今度はそれを改善するロボを開発するべきか。

少なくとも二人ほど助かるな。考えておこう。


「千鶴のアレは…計算なのか? それとも…う~ん…わからん…」

「事務所のみんなの役に立つロボを作るのも、いいかもな…」


あの時作ったマッサージロボは今も使ってくれているのか。

ありがとう。


その次は三回目の誕生日か。時がたつのは早いものだな。

いやいや、流石に忘れてたわけじゃないぞ。Pを試そうかと思っただけだ。

そう、役割分担だ。Pのサポートは私がする。私のサポートはPに任せているだけだ。

信頼しているんだぞ?ここまで頼る人は助手であるPしかいないからな。


「ふふん♪やはり私のことはPに任せておけば大丈夫だな!…いや、違うぞ?忘れていたわけではなく、役割分担だ!」

「私は発明とアイドルで忙しい。もちろんそれはお互い様だろうが、Pは私より私のコトを知っているのだろう?」


これからも頼むぞ。


そのあとは光や心、千枝と共演したTBSだな。

応援といえばメガホン。私特性のトーク応援用特製メガホンは完璧だったな。

ただ少し問題点があったとすればうるさいと怒られてしまった事かな。天才でも失敗はあるものだ。


「さぁ、気合を入れてトークするがいい!私も知性をあげて開発したトーク応援用特製メガホンで応援するぞ!これは私の応援ボイスの声量をアップさせて相手側のボイスを超えるんだ!すごい発明だろう!」


前にクレープを食べていらいクレープが好物になってしまってな。実は私のラボにも一つクレープロボはあるのだ。

トークをするには糖分が必要かと思い持っていったのだがそれも怒られてしまったな。ふむ、天才のやることはなかなか理解されないもんだ。


「クレープロボが調子良かったらスタジオに連れてきたんだがな…すまない。」

「疲労回復に糖分は欠かせないからな!私も最近ロボ製作のときはクレープを食べたりするぞ!」


今度Pも一緒に食べような。


光とは不思議な関係を保っている。

同い年だし、いろいろと気が合う。

この関係性はなんだろう?親友?ちょっと違う気がする。腐れ縁?それは麗奈と光だな。

え?悪友?ふむ、そうだな。多分私と光は悪友だ。

光といるとついつい変な方向に行ってしまう。

光を改造する話が出たとき千枝が止めてくれてなかったらどうなったことか。

いや?冗談だぞ?目が笑ってないって?そんなことはないぞ!本当だぞ!

しかし、池袋博士か。そう呼ばれるのも悪くないかな。

うむ、まだ少しむずがゆい。Pは今までどおり呼んでくれ。


そして一番最近の仕事。アイドルチャレンジだ。琴歌、薫、あいと共演したときだな。

私がお嬢様役と聞いたときは驚いたな。

しかし、それ以上に驚いたことがある。私が四姉妹役だったことだ。

もちろん私に姉妹はいない。そこでお嬢様の作法を身につけるためにもしばらく琴歌の家で暮らすことになった。

そこに私の求めていたものはあった。暖かかった。

アイドルをして私は望んだものがすべて手に入ったようなきがしたよ。

私は今、幸せだ。胸を張ってそういえる。昔感じていた飢えはない。しかしここで留まるってわけじゃない。

もっと、もっと私は高みを目指していくんだ。そういった意味ではアイドルチャレンジはまだまだ終わってないな。


初めて挑戦したものは他にもあったな。

あの時私は始めてピアノに挑戦した。


「ロボばかりの私が、お嬢様らしくピアノにチャレンジなんて…ふふふ、面白いな!あぁ、とっても楽しいぞ、P!」


少しづつだけどロボに頼らず努力していると自分が成長していくのが判った気がする。


「私だけの力で…!」

「自分の力で挑戦するんだな。」

「指がちゃんと動いてくれた!」


やっぱり私に出来ないことなど何もなかったな。


「天才に不可能はなぁい!…多分。」


これが私の今までだな。今日は私の誕生日。また新しい池袋晶葉になる。

私をアイドルにしてくれて、今まで支えてきてくれて本当にありがとう。P、心から感謝している。


「礼を言うぞ、P。私を多角的に分析し、総合的かつ包括的にプロデュースしてくれたのだから。さすが、私の助手だ!」


私は立ち止まらない。今日という日は長い。さあ、次の計画を立てようじゃないか。


「今日はPと、大いにディスカッションしようではないか。現在進行中の最新ロボの新機能について…ふふふ…」

以上で終わりです。

晶葉誕生日おめでとう。みなさんもぜひ晶葉をプロデュースしてみてください。

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