私「偕老同穴のべつまくなし」(15)
私「…うわ!」ガバ
今はおそらく夜中も夜中、いや深夜と呼ぶべきであろうか。
私は今宵も枕元にセットしてある目覚ましより
4時間も早く起きた。起きてしまった。
何故だかはわからないが、3日ほど前から同じ状態が続いている。
首にまとわりついている汗のせいか、あまり気持ちがよくない。
むしろ悪い。最悪だ。
これではまた朝にシャワーを浴びなければいけないではないかと独り言を言い終え、
この時期ならではとも言えよう不快感を覚えながら
私はペットボトルのフタを開けて水を飲む。
私「…また昨日と同じ夢か」
私はまた同じ夢を見ていた
人は寝ている間に夢を見ることがある。
これは皆、今までに1度くらいは経験していることだと思うが
決めつけはよくないのでおおまかに説明しよう。
夢とは睡眠中にあたかも現実の経験であるかのように感じる
心像や幻覚のことであり、起床してすぐの間はぼんやりと
それの内容を思い出せるが、夕方頃にふと気になったりしても
中々その内容を思い出す、ということは難しいなどと…
言われていたり、はたまた言われていなかったりする。
説明というものはうまくまとまらない。
だがしかしそれは自分の物事に対する解釈の能力が云々…
私は重々自負している。許していただきたいところではある。
ノドの乾きを満たした後で何気なく携帯をチェックする。
携帯と一概に言ってもすぐに思いつくだけでざっと3種類ある。
1つはガラケーと呼ばれるもの。
2つに別れている部分を開いて初めて核の部分が顔を出すモノやスライド式のモノ。
これが一番世間一般に親しみがあるんじゃなかろうか。
私が初めて買ってもらった携帯もこれにあたる。
次に主に高齢者が持っている、というか持たされていると言ったら語弊があるであろうからこのとおり先に謝っておくが
メール機能が無くて電話機能に特化したディスプレイがないモノ。
別に特化はしてはいないし例外もある。
1つ前の例えでも十分伝わったであろうが
私は何かを例えるのも得意では無い。
ちなみに今のも自虐である。
最後に思いつくのは、今私も使用しているこれ、スマートフォン。
ディスプレイをタッチ、が基本操作という感じであろうか。
通称スマホで通っている。
ん?略さず言うとスマートフォンだよな
ではスマホのホはどこからきているのか?
など野暮でな質問はやめていただきたい。
どの辺が野暮?
そこまで言うならお答えしよう。
乏しい語彙と知識を捻り出して
何故なら、通称スマホで通っているから。
あなたも細かいことは気にせず使えばよかろう。
旅は道ずれ世は情け。
つまり世は情けなのであるのだから、
変に好奇心とも呼べよう正論じみたクレームでは誰も喜ばない。
…はずなのだ。少なくとも私は
眠れなくのを知っていながら
私は冷蔵庫から缶コーヒーを取り出し、
あろうことか煙草にまで火をつけていた。
こんな時間に脳が覚醒してしまうがそんなものは関係無い。
人の欲求にはたまに呆れてしまう。
いや、人間のせいにしてはいけないな。
私は我慢強くないところが多々ある、認めよう。
それに嗜むどころかこの2つの嗜好品はもはや中毒レベルだ。
横文字はあまり好きではないが使ってしまえ。
そんなの関係無いのだ。
覚醒レベルは2つで2倍。
さらに2倍。
金色の鳩がオリーブをくわえているこの銘柄にもだいぶ慣れた。
この国最高級の味と香り、それにコク。
今時両切りの煙草なんて云々…
言われるが、とにかく美味しいので最近は聞く耳は持たない。適当に流している。
しかし喫煙歴1年にも満たない私がこの銘柄を吸い、
さらに人様に煙草のうまさ云々を語るようなことは
あまり喜ばれないだろうし、したくない。
それと何より私が喫煙者であることもあまり知られたくない。
実に煙たいし後ろめたい事実なのである。
私「ふ、ああ…」
私「zzzzz」
それでも迫り来る睡魔には勝てずにいつの間にか朝になっていた。
急いで支度をしなければならない時間だった。
すべてを目覚まし時計のせいにして、私は重たい体を起こす。
決して夏のせいにはしない。
缶コーヒーが切れているので帰りにでも買ってこようか。
煙草もまあ、2箱ほど。
それとこの夢の報告はまた今日の夜にでもしよう。
正確には明日の深夜、にでも。
そして私は今宵も昨日、一昨日と同じように
深夜に目が覚め、台所へと赴き、コーヒー片手に煙草をふかしていた。
私「…また同じ夢か」
首に汗が滲んでいないことを確認した後に気がついた、
冷房が効いていて、少し肌寒い。
どうやらタイマーを設定し忘れたようだ
先月の電気代のことが脳裏によぎったが、コーヒーと一緒に飲み干す。
時期的な理由で、電気を使わなくてはとてもじゃないが安眠などできやしない。
まあ喉元過ぎれば何とやら…
とは云えども、請求はまってはくれない。
私「まあ、どうにかなるだろう」
そう言い終えると同時に布団に潜り込んで朝を迎えた
蒸し暑くて起きる。何故か頭が痛い。
そういや昨日は酒を飲んだか。
酒とは言えども、辛口雑味がウリの安いウイスキーだ。
あいにく金は余っていない。
酔っぱらえればそれでいいのだ。
コップに並々水を注いでソファに腰掛ける。
ミネラル類いの買い置きはしていない。
あいにく金には限りがある。
だが今日は多少時間に余裕がある。
腹に適当なモノを入れてから、ゆっくり煙草を吸おうか
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