海未(6)「ほのか…いっしょのおふとんで寝てもいいですか…?」 (45)

穂乃果(6)「うんっ!!」



穂乃果(16)「ねぇ海未ちゃん、今日はいっしょに寝ようよ~♪」モゾモゾ

海未(16)「って、答える前に潜り込んできてるじゃないですかっ!」

穂乃果「…ダメ?」

海未「ハァ……今日は特別、ですよ?」

穂乃果「うんっ!!」






海未(6)「あぁぁぁん…痛いですぅぅ…」ポロポロ

穂乃果(6)「な、泣かないでうみちゃん…ほら、痛いの痛いのとんでけ~っ!!とんでけったらとんでけ~っ!!」

海未「うっ…ひっく……?」

穂乃果「ほぁぁぁぁ……!!」ハンドパワ~

海未「…ぷっ…うふふ…!ほのか、変なかおです…!!ふふふ…!!」


穂乃果(16)「うぇぇぇん…擦りむいたぁ…」

海未(16)「急に走り出すから転ぶんですよ…ほら、絆創膏貼ってあげますから」

穂乃果「ありがとぉ…」

海未「まったく、穂乃果は昔からそそっかしいんですから…」

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穂乃果(6)「みてみて!紙ねんどでおまんじゅうとか、よーかんとか、いっぱい作ったの!」

海未(6)「うぅーん…」

穂乃果(6)「…どうしたの?もしかして、夏やすみの工作のしゅくだい、まだおわってないの?」

海未(6)「はい…何をするかきまらなくて…」

穂乃果(6)「じゃあほのかもいっしょにかんがえてあげる!!」





穂乃果(16)「う、海未ちゃぁ~ん…ちょこぉっとお願いが

海未(16)「お断りします」

穂乃果「ま、まだ何も言ってないよ!!」

海未「夏休み最終日に穂乃果が頼んでくることなんて、1つしかありません」

穂乃果「わかってるなら助けてよぉ~っ!!おねがぁ~~~いっ!!」

海未(6)「返して…返してください…!」

クソガキA「へへへ…こっちだよーっと!」

クソガキB「おまえいっつもいい子ぶって先生にほめられて、むかつくんだよー!」

海未(6)「そんな…いい子は、いいことなのに…ひどいです…っ」グスッ

クソガキB「ありゃ?」

クソガキA「くひひ、あーあ、泣ーかせ

穂乃果(6)「うぉぉぉーーーーっ!!海未ちゃんをいじめるなーーーーーっ!!」ドンッ

クソガキA「いでぇぇっ!?な、なんだ!?」ドシャー

海未「ほ、ほのか…!」

クソガキB「こうさか…!やったなーっ!」ポカッ

穂乃果「海未ちゃんを泣かせるやつは許さないぞーっ!!」ゲシッ

海未「あ、ああ…どうしましょう…!!」オロオロ





クソガキズ「覚えてろよー!!」

穂乃果「まいったか…!いてて」

海未「ほのか…ほのかぁ…!!」ポロポロ

穂乃果「うみちゃん…ほら、もう大丈夫だよ。追っ払ったから!」

海未「ち、違うんです…私のせいで、またほのかが…っ」

穂乃果「ほのかはぜんぜんへーき!だから笑って?ね?」ボロッ

海未「うっ…ぐすっ…!ほの、か…」

海未(もういやです、こんなの…わたしは…わたしは……)

穂乃果(6)「うーみーちゃんっ!!あーそーぼっ!!」

海未(6)「ほのか…?どうしたんですか、こんな朝はやくから…」

穂乃果「せっかくのお休みだよ、公園に遊びにいこうよ!」

海未「でも、今日はおけいこが…」チラ

海未ママ「…仕方がありませんね。その代わり、明日は厳しいですよ」フフ

海未「おかあさま…!」

穂乃果「ありがと、うみちゃんママ!じゃあいこっ!!」

海未「はいっ!!」




海未(16)「こら穂乃果!いつまで寝てるんですかっ!起きてくださいっ!」

穂乃果(16)「う、うーん…?海未ちゃん…?どうしたの…今日は日曜だよぉ…?」ムニャ

海未「なっ…今日は一緒に映画を観に行く約束だったじゃないですか!!しかもあなたが誘ったんですよ!?待ちに待った続編だーとか何とか言って!!」

穂乃果「そうだっけ…?ごめぇん、眠くて眠くて…お休みぃ…」

海未「ダメですっ!!私も穂乃果のせいでまんまとハマってしまって、ずっと楽しみにしていたんですから…ほらっ!!行きますよ!!」バサッ

穂乃果「うわぁっ!?」

海未「だいたい休みだからといってダラダラしていたのでは…!」クドクド

穂乃果「わ、わかったわかった…今準備するよぉ…」

DQN1「ねぇ、いっしょにカラオケいこーよ」

DQN2「おれらマジで穂乃果ちゃんのファンなんだよ!ね?お願い!」

穂乃果(16)「う、うん…ありがとう…でも、あの…」

DQN3「大丈夫だって!ほら、いこいこ!」ガシッ

穂乃果「…っ」

海未(16)「穂乃果っ!!こんなところにいたんですかっ!!」

穂乃果「!!」

DQN1「あれ!?この子、園田海未ちゃんじゃね!?」

DQN2「うわっ、マジかよラッキー!ねぇ海未ちゃんもいっしょに…」

海未「すみませんが、これから練習がありますので。行きますよ穂乃果」ギュッ

穂乃果「あ…」

DQN3「待ってよ、まだ時間あるって聞いたけど?一曲だけでいいからさ」

DQN1「そうそう、ファンサービスも大事っしょ!つーわけで…」

海未「ふぅ……」

海未「……っ」ギンッ

DQNズ「」ビクゥ

海未「…失礼します。今度のライブも、是非見にきてくださいね」スタスタ

DQN2「な、なんだあれ…」

DQN1「おっかねー…」

DQN3「そ、そういや海未ちゃんって、剣道とか色々…」




海未「…まったく、愛想を振りまき過ぎるのも問題ですね。断るに断れなくなっていたんでしょう?」スタスタ

穂乃果「…だってファンだって」

海未「それでも、です。今度にこにうまい受け流し方がないか聞いてみましょう。何かアドバイスしてくれるかもしれません。花陽なんかも心配ですね…ことりは…なにか慣れていそうですが」スタスタ

穂乃果「…海未ちゃん」

海未「はい」スタスタ

穂乃果「ありがと……」グスッ

海未「…はい」

海未(6)「……」

穂乃果(6)「うみちゃんうみちゃん、鮭のクリームソースがけ、食べれないの?」コソッ

海未「い、いえっ!食べられます!食べられ…」

鮭「」ドロッ

海未「……」

穂乃果「じゃあほのかが食べてあげるっ!」ヒョイッ パク

海未「あ…」

穂乃果「もぐもぐ…ごくん。その代わり、ぴーまん…」スッ

海未「うう…いいんでしょうか…先生にバレたら…」





穂乃果(16)「海未ちゃん海未ちゃん、これ…」コソッ

海未(16)「嫌です。ピーマンくらい自分で食べてください」

穂乃果「う、海未ちゃんしーっ!」

ほのママ「こらっ!またあんたはそんなこと…!」

穂乃果「だ、だって…!そ、そう!海未ちゃんがピーマンが大好物だって言うから!はい、はい!」ヒョイヒョイ

海未「あっ、こらっ!もう子どもじゃないんですから、好き嫌いしないでちゃんと食べないと駄目じゃないですかっ!」

穂乃果「海未ちゃんだって苦手な食べ物あるじゃーん!!」

海未「私は苦手なものでも、出されたらちゃんといただきます!!」

穂乃果「あっ!お母さん今の聞いた!?たしか冷蔵庫にコーラが入ってたよね、海未ちゃんに一杯ごちそうし

ほのママ「話を逸らさない」ギロッ

穂乃果「うぅ…お母さんが2人…」

海未(6)「けほ、こほ…」

穂乃果(6)「うみちゃーん…起きてる…?」 

海未「ほ…のか…?」

穂乃果「うん、ほのかだよ。うみちゃんのおみまいにきたの。まだ風邪なおらない?」

海未「はい…こほっ、ねつも下がらなくて…」

穂乃果「うみちゃんとってもつらそう…あのね、ほのか、穂むらのおまんじゅう持ってきたの。うみちゃんがはやく元気になりますようにって…」

海未「うぅ…ほむまん…食べたいです…」

穂乃果「うん…そのためにも、風邪さんなんかに負けちゃだめだよ、うみちゃん…」ナデナデ

海未「はい…がんばります…」

穂乃果「うみちゃんが眠れるまで、ずっとこうしててあげる…」ナデナデ

海未(ほの、か……)





海未(16)「穂乃果、入りますよ」

穂乃果(16)「あ、海未ちゃーん…ごほごほっ」

海未「ああもう…そのままでいいですから…」

穂乃果「えへへ…ごめんね。お見舞いに来てくれたの…?」

海未「ええ、まぁ…具合はどうですか?」

穂乃果「だめだめー…」

海未「まったく…またお腹を出して寝ていたんでしょう…?いつも季節の変わり目は気をつけるように言ってるじゃないですか…」

穂乃果「うぅー…お説教は聞きたくないよぉー…」

海未「別に、私もお説教をしに来たわけじゃないですよ。…りんご、食べますか?」

穂乃果「ウサギさんにして…」

海未「はいはい」シュルシュル

穂乃果「あと…食べ終わっても、穂乃果が寝れるまでずっとそばにいてほしい…」

海未「はいはい」シュルシュル

穂乃果「ハイは1回…」

海未「はいはい」シュルシュル

穂乃果「う~…」

穂乃果(6)「焼き肉おいしいなーっ!あれ?うみちゃん、ちゃんと食べてる?」

海未(6)「はい、食べて…

穂乃果「いっぱい食べないと大きくなれないよ!ほら、お肉食べて食べて!」ヒョイヒョイヒョイ

海未「こ、こんなにたくさん食べられないですよ~っ!」

海未ママ「あらあらまぁまぁ…」

ほのママ「うふふ、海未ちゃん、遠慮しちゃダメよ?」

ほのパパ&海未パパ「………」カンパイ





穂乃果(16)「肉、肉、野菜、肉、肉、肉っ!!」パクパク

海未(16)「こらっ!さっきからお肉しか食べていないじゃないですかっ!他の人のことも考えてください!」

穂乃果「もごもぐぐ、もぐ?」

海未「口に物を入れたまま喋らない!…雪穂、ちゃんとお肉、食べられていますか?」

雪穂「あー…私はあんまり食べなくていいんで」

海未「何言ってるんですか、今年は受験生なんですから、しっかり体力をつけないと!」

雪穂「わかってますけど…!余計なものまでついちゃうんですよ…!!」

海未「…?余計な…?」

穂乃果「いただきっ!」シュバッ

海未「ああっ!?それ、私が育てていたお肉ですっ!返してくださいっ!!」

穂乃果「ふっふっふっ…海未ちゃん、この世は弱肉強食なんだよ…焼き肉だけに!」

海未「意味がわかりませんっ!!」

海未ママ「あらあらまぁまぁ…」

ほのママ「穂乃果っ!少しは遠慮することを覚えなさいっ!」

ほのパパ&海未パパ「………」カンパイ

ビリィッ ポチャン

海未(6)「あぁ…またやぶれてしまいました…」

ハッサン「うわっはっはっは!!うちの金魚は生きがいいからねぇ!!どうだい、もう1回挑戦するかい?」

海未「もうおこづかいが…くやしいです…!」

穂乃果(6)「よーしっ!ここはほのかにまかせて!」グッ

海未「!」

オッサン「はっはっは!!お嬢ちゃんたちには難し…」ハッ

オッサン(ほのか…?ほのかってまさか、あの高坂のとこの…!?)

ほのパパ『……っ』ズァッ
穂乃果「……っ」ズァッ

オッサン(ま、間違いねぇ…あの構えは…!!)

穂乃果「ていっ!ていていていてーーーいっ!!!」ヒョイヒョイヒョイヒョイ

オッサン(高坂流正統継承者!!!!)



オッサン「」チーン

穂乃果「いやぁ~っ、大漁大漁っ!!またね、おじさん!!」

オッサン「毎度あり……」

海未「ほのか…すごいです…!!」キラキラ

穂乃果「えへへ…はい、これ!」スッ

金魚「プクプク…」

海未「え…?この子、わたしにくれるんですか…?」

穂乃果「うんっ!この中でいちばん大きい子だよ!のこりは学校で飼えないか先生にそうだんしてみる!」

海未「ほのか…!ありがとうございます…!!たいせつに飼います…!!」

海未(16)「…はっ!!」

パコンッ!! パタリ

穂乃果(16)「わぁっ!すごいすごい!!じゃあラストはあのマリオの新作、いってみよー!!」

オッサン「ひぃぃ…もう許し…

パコンッ!! ……パタ

オッサン「」

海未「ふうっ…」

穂乃果「やったぁーーっ!!百発百中だよーーーっ!!」

型抜きのハッサン「射的がやられたようだな…」

輪投げのヤッサン「ククク…奴は屋台連合の中でも最弱…」

水ヨーヨー釣りのヨッサン「女子高生ごときに負けるとは連合の面汚

穂乃果「あっ!穂乃果、水風船ほしい!!」

海未「ふふふ、任せてください」

水ヨーヨー釣りのヨッサン「」

ヨーヨー釣りのヨッサン「」チーン

海未「あぁ…今年も少々取りすぎてしまいましたね…」

ヨーヨー釣りのヨッサン「毎度あり……」

穂乃果「さっすが海未ちゃん…!!」

海未「はい、水風船、好きなの選んでください。残りはμ'sのみんなで分けましょうか」

穂乃果「そうだね…あっ、そういえば、穂乃果もちゃんと取ってきたよ!」スッ

金魚「…プクプク」

海未「これまた大きな金魚ですね…」

穂乃果「うん、おじさんが自慢してた子だからね!」

海未「あなたで11匹目です、よろしくお願いしますね。水槽もだいぶ狭くなってきましたが…さて、名前はどうしましょう…」

穂乃果「穂乃果が付けてあげようか?」

海未「お断りします。穂乃果はネーミングセンスがありませんから」

穂乃果「海未ちゃんの方がないよ!!去年の子、何て言ったけ?」

海未「田母神俊雄」

穂乃果「荘厳過ぎるよ!!金魚の名前じゃないよ!!」

海未「なっ…偉大な唯一神の名なんですよ!?あの子もそんな風にですね…!!」

ギャーギャーワーワー



金魚すくいのオッサン「」チーン

穂乃果(6)「おーい!うみちゃんはやくぅ~!おいてっちゃうよ~!」

海未(6)「ちょっと…まって…ください…!そんなにいそがなくても、駄菓子屋さんは…にげませんよぉ…!」ゼーハー

穂乃果「もー!あたりはにげちゃうんだよぉ~!」

海未「そんなわけ…ないです…!それに、わたしはほのかみたいに…足がはやく…ないんです…!」ゼーハー

穂乃果「じゃあほのかがひっぱってあげる!」ガシッ

海未「えぇ…!?」

穂乃果「いっくぞー!!」ダッ

海未「わ、わわ…すとっぷ…すとっぷですほのかぁ~~っ!」




『ゴーーール!!1着は…園田海未さんーーー!!』

海未(16)「ふぅっ…」

下級生「「「キャーーー!!海未せんぱーーーーい!!!」」」

穂乃果(16)「うわぁーん!!今年もまた負けたぁー!!」

海未「穂乃果は2位ですか…すごいじゃないですか」

穂乃果「嫌味にしか聞こえないよ!!」

海未「フフ…穂乃果やμ'sのトレーニングをみている身として、負けるわけにはいきませんから」

穂乃果「うぐぐ…!来年…最後の体育祭でこそ、絶対穂乃果が勝つんだからっ!!」

海未「望むところです」クスッ

穂乃果(6)「わーい!おんせんだー!」テテテ

ほのママ「こら!走り回ったら危ないでしょっ!」

穂乃果「はーい…あっ!うみちゃん、ほのかがあたまあらってあげる!」

海未(6)「いえ、わたしはあとでおかあさまにやってもらいま

穂乃果「いいからいいからっ!はい、わしゃわしゃー♪」

海未「ちょっとほの…うぁー!しゃんぷーが目に入りましたぁー!」

穂乃果「かゆいところはないですかー♪」ワシャワシャ

海未「やめてくださいー!」ジタバタ





穂乃果(16)「んあー…」

海未(16)「痒いところはありませんか?」ワシャワシャ

穂乃果「だいじょーぶ…キモチイイ…」

海未「じゃあ流しますよ」シャー

穂乃果「んー…」

海未「……」シャワシャワー

海未「…はい、終わりました」

穂乃果「ふぃーっ…」プルプル

穂乃果「いやぁ、やっぱり海未ちゃんは髪を洗う天才だね!将来美容師さんになったら?」

海未「穂乃果が代わりに園田家を継いでくれるなら考えますが」

穂乃果「穂乃果には穂むらがあるからムリ!」

海未「やれやれ…バカなこと言ってないで、湯につかっていてください。私もすぐ…」

穂乃果「ふひひ…お返しに穂乃果が海未ちゃんのカラダを洗ってあげるよ…隅々まで念入りに♪」ワキワキ

海未「身体ならもうとっくに…ってその手はなんですかっ!?ちょっ…こっち来ないでください!!あ、あんまり騒ぐと他のお客様の迷惑に…きゃぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!?」

海未(6)「ほのかぁー…ほの…あうっ」ドンッ

海未「うぅ…ほのかー…」

海未「どこにいってしまったのですか、ほのかぁ…ぐすっ…」

ブチッ

海未「あっ…!」ベシャ

海未(はなよが…)

海未「……」ウルルッ

海未「いたい…いたい、です…っ!!っ、うぇ、えっ…ふぇぇ…っ!!」

「うみちゃんっ!!」

スッ…

海未(あ…)

穂乃果(6)「だいじょうぶ!?立てる!?」

海未「ほのか…!!」

穂乃果「ごめんね、手をはなしちゃって… ほら、ここじゃあぶないから、はしっこいこ?」

海未「でもぉ…はなよが切れてしまって…足も…」

穂乃果「じゃあ、ほのかがおぶってあげる!」スッ

海未「え…?でも、おもいんじゃ…」

穂乃果「だいじょうぶ!ほのか、おとーさんのおてつだいとかして、力もちだから!ほらほら!」

海未「……は、い…」ギュッ

穂乃果「えへへ…しっかりつかまっててね!」ググッ

海未「…っ!はいっ…!ほのかっ…ありが…ぐすっ…うぇ、うえぇぇぇぇん……!!」

穂乃果(16)「もぐもぐ…んん~!たこ焼きもいいけど、イカ焼きも最高!!ねぇ、凛ちゃんも…」クルッ

ぽつーん

穂乃果「…あれ?」


………
……



穂乃果「おーい。凛ちゃーん、花陽ちゃーん、真姫ちゃーん」

穂乃果「絵里ちゃーん、希ちゃーん、にこちゃーん」

穂乃果「…こっとりちゃーん!」

穂乃果「…はぐれちゃった」

穂乃果「あ、ケータイ…は、置いてきたんだっけ…」

穂乃果「んー…みんな先に花火大会の場所まで行ってるかな?」

穂乃果「………」


ワイワイガヤガヤ ピーヒュルルードンッドンッ 
   ヨイサッホイサッ ワイワイ  アードッコイショー


穂乃果「………」

穂乃果(なんでだろ…さっきまであんなに賑やかに感じてたのに…)

穂乃果(穂乃果が1人だけ、お祭りから切り取られちゃったみたい…)

穂乃果「……」足プラプラ

ちびっ子1「わーい!」タタタ

ちびっ子2「待ってよー!」タタタ

穂乃果「……」足プラプラ

穂乃果(お祭りが終わったら…もう夏も終わりだなぁ…)

穂乃果(今年の夏は楽しかったなぁ。みんなと海に行ったり、肝試しをしたり…いっぱい、いっぱい楽しかった)

穂乃果(来年は…絵里ちゃんたちは卒業して、穂乃果たちは受験生。今年みたいに楽しいことばっかりじゃないんだろうな。きっとそうやって大人になって…いつの日か、今日のことも……)

穂乃果「………」

穂乃果(あーあ…)

穂乃果(今がずっと続けばいいのに…)


ピトッ


穂乃果「うひゃあっ!!?な、ななな何っ!?」ビクーッ

「こんなところにいたんですか、穂乃果…」

穂乃果「あ…」

海未(16)「探しましたよ。飲みますか?オレンジジュース」

穂乃果「海未ちゃん……」

穂乃果「えへへ…ごめんね?出店に気を取られちゃって…」

海未「まったく…いつまでも子どもなんですから…」

穂乃果「あはは…」

海未「……」 

海未「なんだか、元気がありませんね。どうかしましたか?」

穂乃果「…やっぱりわかっちゃう?」

海未「当たり前です。何年いっしょにいると思ってるんですか」

穂乃果「何年いっしょにいるんだろ?」

海未「…さぁ」

穂乃果「えー」

海未「とりあえず、16年以内ですかね」

穂乃果「ぷっ…そりゃそうだ…」クスッ

海未「ダメですか」クスクス

穂乃果「……」

穂乃果「じゃあさ…」

穂乃果「いつまでいっしょにいられるかな?」

海未「…穂乃果?」

穂乃果「少なくとも、にこちゃんと希ちゃんは先に卒業しちゃって…1年後、ここにはいない。そして、次は穂乃果たちの番。凛ちゃんたちともお別れ…」

穂乃果「そうやって、だんだん皆大人になってさ…バラバラになって、今日あったことも、昨日あったことも…全部忘れちゃうのかなって」

穂乃果「そう思ったらさ…大人になんかならないで…ずっと子どものままでいたいなって…」

海未「……」

海未「そうですね…」

海未「たしかに、今のように毎日いっしょ…とはいかないでしょう」

海未「でも…それでも、私たちは皆、ずっといっしょだと思います」

穂乃果「…それって、離れていても心は1つだーってこと?」

海未「はい、そんな感じです。だいたい、穂乃果が自分で言っていたじゃないですか。ずっといっしょだと。ずっといっしょにいたいと思っていると」

穂乃果「言ったし、そう思ってるけど…」

海未「じゃあ大丈夫です。穂乃果がずっといっしょだと言うなら、私たちは嫌でもずっといっしょです。私が保証します」

穂乃果「…なにそれ、意味わかんない」

海未「そうですか?皆に聞いてみてください。きっと納得してくれると思いますよ」クスクス

穂乃果「うーん…」

海未「そんなことで悩むなんて、穂乃果らしくないですね…。それに、穂乃果は私たちのことで、いくつか間違っている点があります」

穂乃果「え?」

海未「まず…1年後の今日も、希たちはここにいるでしょう」

穂乃果「! どういうこと?」

海未「穂乃果があの2人を夏祭りに誘わないなんて、あり得ません。受験勉強で忙しくて、そもそも夏祭りには行かない…なんてことは、もっとあり得ませんし」

穂乃果「…そうだね。ふふ…ホントだ。海未ちゃんの言うとおりだよ」

海未「はい。そして…私たちは、穂乃果や皆と過ごしたこの日々を、絶対に忘れません」

穂乃果「…!」

海未「むしろその逆です。大人になればなるほど…何度も、何度も思い返すでしょう。年月が経てば経つほど…強く、強く光り輝くでしょう」

海未「私たちは今、そんな日々の中にいるんだと思います」

穂乃果「海未ちゃん…」

海未「そして、皆をそんな毎日の中に引き込んでくれたのは…穂乃果、あなたなんですよ」

穂乃果「……」

海未「…10年前の今日のこと、覚えていますか?」

穂乃果「…うん。海未ちゃんに初めて金魚をプレゼントした日だ」

海未「はい。南條愛乃は今も元気です」

穂乃果「…あの頃からセンスなかったんだね」

海未「なっ…可愛いじゃないですか!?」

穂乃果「金魚っぽくないんだってば…それから、海未ちゃんが迷子になって…」 

海未「ええ…穂乃果が迎えにきてくれて、母たちがいた所までおぶっていってくれたんです」

穂乃果「ふふふ…そうそう、海未ちゃんったら穂乃果の背中でわんわん泣いて、浴衣がびしょびしょになっちゃったっけ」

海未「そうでしたね」クスッ

穂乃果「お母さんも海未ちゃんママも大騒ぎで…それで…」

海未「フフ…」

海未「ほら…ちゃんと覚えているじゃないですか」

穂乃果「…うん」

海未「他にも、私は穂乃果との思い出なら、いくつでも挙げることができます」

海未「風邪を引いた私のためにほむまんを持ってきてくれたこと。先生に隠れて苦手な給食のメニューを交換していたこと。男の子にいじめられていたとき助けてくれたこと…全部、全部覚えています。穂乃果は忘れてしまいましたか?」

穂乃果「ううん…穂乃果もちゃんと覚えてるよ…」

海未「…良かったです。私の大切な思い出たちですから」

海未「これからも、ずっと…」

穂乃果「海未ちゃん…ありがとう。穂乃果は、もう大丈夫」

穂乃果「大人になっても、おばあちゃんになっても…穂乃果たちは、きっとこうやって、皆で昔話に花を咲かせている…そんな気がするよ」

海未「…はい。私もそう思います」

穂乃果「えへへ…よし、この話はお終い!柄にもなくおセンチになっちゃった!」

海未「おセンチって…死語ですよ。それこそ皆忘れているんじゃないですか…」

穂乃果「えぇー!?まだ全然使えると思ってたのにぃ!?」ガーン


凛「あっ!!おーいっ!!海未ちゃーん!!」

希「お…戻ってきた?」

花陽「穂乃果ちゃんもいっしょみたいです!」

にこ「ったく…どこ行ってたのよ…」

真姫「穂乃果のことだから、どうせ出店につられてはぐれたんでしょ」クルクル



海未「さぁ…もうすぐ花火大会が始まります。行きましょうか」

穂乃果「うんっ!」

ヒュルルルルルル……ドンッ!!ドドンッ!!ドンッ!!

穂乃果(6)「すごーいっ!!」

海未(6)「はいっ!!とってもきれいですっ!!」

穂乃果「そうだっ!んむむむ……」

海未「なにしてるんですか?」

穂乃果「えへへ…花火におねがいごと!」

海未「は、花火におねがいごと…ですか?せんこう花火とかではなく?」

穂乃果「だってせんこう花火よりこんなに大きくて、たくさんあるんだよ?すごいおねがいごと叶えてくれそう!それに、おねがいごとを叶えてくれる花火もあるってテレビでやってたよ?」

海未「そうなんですか…」

穂乃果「ねぇ、うみちゃんもいっしょにおねがいごとしようよ!」

海未「は、はい…!」






希「たーまやー!」

真姫「素敵ね…」

にこ「ええ…それにしても」

穂乃果「……」ムムム

海未「……」ムムム

にこ「あんたらは何してんのよ」

穂乃果「えへへ…花火にお願い事だよ!」

凛「花火にお願い事…?」

花陽「ここの花火、そんなに縁起がいいものだったっけ…?」

海未「それはわかりませんが…少なくとも、私のお願い事は毎年叶っていますよ」

にこ「ちょっと!それを早く言いなさいよ!大銀河宇宙No.1アイドルになれますように大銀河宇宙No.1アイドルになれますように大銀河宇宙No.1アイドルになれますように…」

希「にこっち…」

にこ「それから…ラブライブ優勝ね」

希「!」

凛「凛もやるー!」

花陽「じゃあ、私も」

真姫「……」クルクル

凛「真姫ちゃんは?」

真姫「わ、私はいいわ。どんな願いも、自分の力で叶えるもの」

穂乃果「おおっ!真姫ちゃんかっこいい!」

にこ「ちょっと!にこが自分じゃ大銀河宇宙No.1アイドルにはなれないって言うの!?」

真姫「言ってないわよ…」

希「海未ちゃんは毎年なんてお願いしてるん?」

海未「秘密です」

希「あぁんっ、海未ちゃんのいけず~」

海未「願い事を人に言うと叶わないって言うじゃないですか。だから秘密です」

にこ「ちょっと!にこの大銀河宇宙No.1アイドルになるっていう願いは叶わないって言うの!?」

海未「言ってませんが…それに、その理屈だとさっき口にしたラブライブ優勝も叶わなく…」

にこ「はっ!?」

花陽「だ、大丈夫です!私も同じことをお願いしておい…はぁぁっ!?言っちゃったァ!?」

凛「じゃあ凛たちがちゃんと黙ってないとだねっ!」

ギャーギャーワーワー



海未「……」クスクス

穂乃果「……」

穂乃果(6)「ねぇねぇ、うみちゃんはさっきなんておねがいしたの?」

海未(6)「ひみつです!おねがいごとって、人に話すと叶わなくなるんですよ?」

穂乃果(6)「そ、そーなの!?じゃあほのかもナイショ!」





穂乃果(海未ちゃんが毎年してるお願い事…わかっちゃった気がする)

穂乃果(たぶんそれは、穂乃果と同じ)

穂乃果(ずっと叶ってきて…これからも叶い続けてほしいお願い事…)





穂乃果(6)(16)(来年も、再来年も、ずっとずっとうみちゃんと)
海未(6)(16)(ほのかと)




(いっしょにいられますように)



終わり

ラブライブ!板ですと数日経つと消えてしまうのでこちらに転載しました
また、まとめサイトに転載されないよう誠に勝手ながら手を加えさせて頂きました





原文を作って頂いたささかまぼこさんに感謝を込めて

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月11日 (土) 08:05:18   ID: tl2INUWt

良い話です!

2 :  SS好きの774さん   2015年04月29日 (水) 14:54:53   ID: Tfc-vxoh

良かった

3 :  SS好きの774さん   2015年06月12日 (金) 18:01:32   ID: vGLtgLcY

やはりほのうみは最高ですね…!

4 :  SS好きの774さん   2015年08月11日 (火) 17:37:51   ID: yGMHJK7B

幼馴染みって良いな

5 :  SS好きの774さん   2015年10月13日 (火) 15:45:53   ID: 8Eb0zSAw

金魚の名前ワロタ

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