咲(35歳)「……」 (124)

キャラ崩壊注意

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はやり(47)「これより☆」


健夜(46)「恋人ができない淑女たちによる」


咲(35)「夜のお茶会を始めまーす……」


はやり健夜「いえ〜い!」


咲「はあ……」


はやり「では、早速」


はやり健夜「かんぱ〜い!」ゴクゴク


咲「かんぱーい……」


はやり「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛う゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛め゛」ゴクゴク


健夜「おいし〜〜〜〜〜〜〜!」ゴクゴク


咲「……」ゴクゴク


咲「――どうして私には恋人ができないんだあああああああああああああああ」ガシャーン


はやり「ありゃ、咲ちゃん?」


健夜「きょ、今日は一段と荒れてるね……」


咲「どうして私には恋人ができないの! どうして私には男が近づかないの!」


健夜「魔物オーラを常に出してるからだよ」


はやり「うんうん☆」ゴクゴク


咲「くっそおおおおおおおおお」ゴクゴクゴクゴク


はやり「すごーいすごーい☆」


健夜「いっきいっき」


咲「くーっ! この際男じゃなくてもいい! 美少女でもロリでもいいよおおおおおおお」


健夜「まさかのバイ発言」


はやり「だったら……私は?」


咲「誰が乳の垂れたアラフィフBBAと恋人になるかああああああああああああ」


はやり「まだアラフォーだよ!」


健夜「残念ながら47歳はアラフィフです。因みに46歳はアラフォーですので」


はやり「……なにが言いたいのかな、健夜ちゃん?」ゴゴゴゴゴゴ


健夜「……まだわからないの? はやりちゃんはお ば さ ん な の」ゴゴゴゴゴゴ


はやり「1つしか変わらないくせに! 46歳もおばさんだから! 今日という今日は許さない!」


健夜「上等だよ! 表でなよ!」




咲「くそ……くそ……」


咲「どうして私は恋人ができないんだ……」メソメソ


咲「もうやだ……」カクッ


咲「………」Zzz

すこやんはチャンス自体が無かったタイプ
清澄に男マネいたけど、アイツはどうなんだ。


「……い……ろって……」


咲「……んー」スピー


「起きろって、咲!」パシッ


咲「い゛だっ」


「やっと起きたか、全く……」


咲「(太陽の日差しが眩しい……あれ、ここは……)」


京太郎「なにぼーっとしてんだ、咲? それより、お願いがあるんだけどいいか?」


咲「あれ、京ちゃん……?」


京太郎「おう、京ちゃんだ」


咲「……って、京ちゃんっ!!!??」


京太郎「!? ど、どうしたんだよ急に大声あげて!?」ビクッ


咲「ど、どうしてここに京ちゃんが!?」


京太郎「どうしてと言われても、ここが学校だからだろ!」


咲「がっ、こう……?」


咲「(この澄んだ川、遠目に見える旧校舎……)」


咲「清澄高校……?」


京太郎「そうだ、俺たちが3年間通う学び舎だ」


咲「……」


咲「(おかしい、さっきまでお酒を飲んでたのに、どうして清澄に? それに、なぜか私は制服だし)」


咲「(もしかしてここは、20年前の清澄……)」


咲「……」プルプル


京太郎「おーい、もしもーし。咲さーん?」


咲「やったああああああああああああああああああああああああああああ」


京太郎「!?」


咲「素晴らしい! 実に素晴らしい!」


咲「もう1度青春を味わえるなんて!!」パアアアア


咲「あっはっはっは!」


京太郎「さ、咲が壊れたー!?」


咲「で、お願いとはなにかね、京太郎くん」キリッ


咲「(これは神様からの、普段の行いがいい私へのプレゼントだ!)」


咲「(おもいっきり青春するんだから! 恋人作ったり、デートしたり……その他諸々)」


京太郎「お、おう。実は―――」


咲「はい、レディースランチ」ニコニコ


京太郎「わりーな、今日のレディースランチがうまそうだったから」


咲「ううん、いいよ」ニコニコ


京太郎「(どうして咲はずっとニコニコしてんだ?)」


咲「……」ニコニコ


咲「(京ちゃんと話すなんて10年ぶりくらいだよ。優希ちゃんと京ちゃんの結婚式以来ずっと会ってなかったもん)」


咲「(……やっぱり京ちゃんはイケメンだな、こんな人が旦那さんになってくれたら……)」ジーッ


京太郎「(咲から視線を感じる……)」


京太郎「よっと」


咲「ん?」


京太郎「んー、ここは……」


咲「京ちゃんなにしてるの?」


京太郎「ほれ」スッ


咲「麻雀?」


京太郎「ああ。最近始めたんだけどよ、すげーおもろいのな」


咲「うん、そうだよねー」ニコニコ


京太郎「もしかして咲、麻雀打てるのか?」


咲「うん、大好きだよ」


京太郎「お、それなら……」


京太郎「1つ付き合ってよ、面子が足りないんだ」


咲「はい?」


京太郎「麻雀部」キラッ


咲「(麻雀部……もしかすると和ちゃんや部長にも会える!?)」


咲「いくいく! 今すぐ行くよ!」ガタッ


京太郎「お、おい咲っ!」


咲「麻雀部にレッゴー♪」


――


咲「京ちゃんおそーい」


京太郎「お、お前が早すぎるんだよ……あとなんで道知ってるんだ……」ハァハァ


咲「なんとなくだよ」


京太郎「まあいいや……コホン」


京太郎「ようこそ、お姫様」


咲「(この扉の先にみんなが!)」ワクワク


京太郎「カモ連れてきたぞー!」ガチャ


和「……? お客様ですか?」


咲「……」


咲「(うわー! 生和ちゃんだ! 前は可愛いな程度しか思ってなかったけど、ちょー可愛い! ちょー可愛い!!)」


和「あれ、あなたは先ほどの……木の陰で寝ていた……」


咲「宮永咲です」キリッ


咲「(み、見られてたんだ……私は見てないのに……)」


和「原村和です」


京太郎「和はなんと、去年の全国麻雀選手権の優勝者なんだ」


咲「すごい! すごいよ原村さん!」


和「そ、そうですか?」テレテレ


咲「(名前で呼びたいけど呼んだら変に思われるよね。それにしても、その照れた顔さいっこうだよ! 和ちゃん!)」


「もっとのどちゃんを褒めるじぇー!」


咲「ん?」


「どーん!」


優希「もっともっとのどちゃんを褒めるじょ!」


咲「う、うん」


咲「(優希ちゃんだ! うはぁ、ロリロリだよぉ!)」


和「……あの、お茶。できました」コトッ


京太郎「部長は?」


和「奥で寝てます」


咲「んーっ、この紅茶美味しーっ」


和「ありがとうございます」


咲「和ちゃんマジ天使」


和「へ……!?」


咲「(あっ)」


咲「ごめん、なんでもないです」

これだからすこやんの後継者になったのだろ。

久(剥製)「・・・・」
キャップ(37)「うえのさんうえのさんうえのさんうえのさんうえのさん」


京太郎「よし、始めるぞー」


和「(宮永さんの実力はいかほどなんでしょうか)」


咲「(うーん、どう打とうかな)」


咲「(18歳からプロやってるし、ぶっちゃけ負ける気がしない)」


咲「(プラマイゼロにすると和ちゃん怒るし、どうしようかなあ)」タン


優希「ローン!」


咲「あっ」


優希「2000!」


京太郎「筒子集めてるの見え見えでしょ、これは」


咲「あはは……」


優希「(もろ初心者だじぇ)」


咲「(本気だす)」ゴゴゴゴゴゴ


優希京太郎「!?」ビクッ


和「?」


咲「(結局)」


優希「ツモ!」


咲「(若い芽を摘むわけにはいかず)」


京太郎「また和のトップかあ」


和「ありがとうございます」


咲「(プラマイゼロにしました。ごめんね和ちゃん)」


咲「(ここ数年、振り込んだのは健夜さんとはやりさんだけなのに)」


優希「それにしても、咲ちゃんの麻雀は……えっと」


京太郎「ぱっとしないな」


優希「それだ! 点数計算はできるみたいだけどね」


ゴロゴロゴロ…


京太郎「んあ? 雷?」


和「結構強いですね」


「嘘ぉ……! 傘持ってきてないわよ……!」ガバッ


咲「(こ、この声はまさか……!)」


京太郎「あ、部長」


咲「(部長キタあああああああああああ)」


久「今日のゲストー?」ノビー


京太郎「俺の中学の同級生です」


咲「宮永咲です」キリッ


久「麻雀部部長の竹井久よー」


咲「……」ジーッ


久「んー?」


咲「(部長……妖艶すぎる)」ジーッ


久「もしかして惚れちゃった?」


咲「はい」ニコッ


久「え!?」ドキッ


咲「冗談ですっ」ニコニコ


久「そ、そう」ドキドキ


優希「部長の一枚上手を」


京太郎「いった、だと……!?」


咲「(部長かわいい)」


久「……えーっと、どれどれ」


久「(綺麗な手牌ね、これなら7700は確実)」

終わり、続きは明日にでも


久「」カチカチッ


久「(今日も和がダントツ、さすがね。宮永さんは……)」


久「あれ……?」


咲「ロン、1000点です」


京太郎「ええっ!? 1000!?」


久「!?」ガタッ


和「終わり、ですね」


京太郎「点数申告なー」


久「(おかしい……さっきまでは7700点以上の手牌だったはず……)」


優希「またのどちゃんがトップかー、強いじぇ」


久「み、宮永さんのスコアは?」


京太郎「プラマイゼロですね」


久「(3連続プラマイゼロ……!?)」


咲「ふわああ……」


咲「(急に眠たくなってきちゃった……。今日は清澄のみんなに会えたことだし、帰ろっかな)」


咲「(ああ……それにしても、みんなかっこよくてかわいいなあ。それに比べて私は……はあ)」


咲「私、抜けますね。部長さんが起きて、メンツも足りると思いますし。失礼します」


優希「もう帰っちゃうの?」


咲「この後、用事があるので」ガチャ バタン


和「慌てて帰っちゃいましたね」


優希「のどちゃんが強すぎるから当然だじぇ」


京太郎「ホント、圧勝だったよな」


久「圧勝? なーに甘いこと言ってるのよ。彼女のスコアを見て同じこと言える?」


和「宮永さんのスコアは3連続プラマイゼロ……まさか、それが故意だとでも言うんですか?」


京太郎「そんなわけないない。ありえないっしょ」


優希「そうだじょ。麻雀は運の要素が多いから。プロでもトップ率が3割いけば強い方」


京太郎「そうですよ。それをプラマイゼロにするなんて、勝つことより難しいじゃないですか」


久「それを3回連続するのは無理だってかい? でも―――圧倒的な力量差があったとしたら?」





咲「あ゛ー、眠い。寒い、恋人欲しい」


咲「早く帰らないと。風も強くなってきたし。ってあれ? 私、このまま帰っていいのかな……?」


咲「もしかしたらもう1人の私が……いや、ないない。帰ったらお酒飲もう。……あ、今は飲めないんだ―――」


和「」ダキッ


咲「!?」ビクッ


和「はあ…はあ……! 追いつきました……!」


咲「(こ、この柔らかい感触は! なかなかのおもちをおもちで。じゃなくて)」


咲「どうしたの原村さん? 傘もささないで」


和「……3連続プラマイゼロ、ワザとですか?」


咲「プラマイゼロ……? なんですか、それ?」


和「あなたは先ほど、プラマイゼロを故意的にやりましたよね」


咲「いやー、なんのことだかさっぱり」


和「……」ギロッ


咲「……はい、やりました」


和「……私は悔しいです。あなたに手加減されていたことに」


咲「手加減したつもりは……」


和「部長が言ってました。力量差がない限り、プラマイゼロはできないと」


咲「……あー」


和「宮永さん。私は、あなたにお願いがあって追いかけてきました」


咲「お願い?」


和「はい。明日、私ともう1度打ってもらえませんか!」


咲「うん、いいよ」


和「……え? いいんですか?」


咲「別にいいよ」


咲「(どうせ麻雀部入るし。それに、今のうちに根回ししときたいしね)」


和「あの、てっきり断るかと……」


咲「明日は特に用事はないからね」


和「よかった」ホッ


咲「それじゃ、また明日」


和「はいっ」


咲「」テクテク


和「……宮永さん。私は、あなたのプラマイゼロを阻止してみせます」


咲「ただいまー」ガチャ


シーン


咲「……誰もいない。お父さん、まだ帰ってないのかな。それにしても、懐かしいなあ」キョロキョロ


咲「ん? これは……」ペラッ


『全国の高校生麻雀雀士の頂点、宮永照! 彼女の強さの秘密とは――――!?』


咲「……」ペラッペラッ


咲「ふぅ……」


咲「今ってまだお姉ちゃんと喧嘩してたよね」


咲「」ピッピ


咲「……」プルルルルルルルッ


プルルルルルルルッ


菫「おい、電話が鳴ってるぞ」


照「知らない、この番号は出なくていい」


菫「妹と表示されてるが?」


照「……知らない」


菫「はい、もしもし」ピッ


照「菫……!?」ガタッ


菫「……おい、お前と話したいそうだ」スッ


照「……なに? なんか用でもあるの?」


咲『全国で勝負しよう』


照「……は?」


咲『お願いちゃんは先鋒だから個人だね』


照「言ってる意味がわからない」


咲『わたしとお姉ちゃんの本気、どっちが強いか勝負しようってこと』


咲『わたしが勝ったら仲直り、お姉ちゃんが勝ったら1つなんでも言うこと聞いてあげる』


咲『それじゃ』プツッ


照「……」


照「菫、打とう」


菫「今日は部活休みだが」


照「いいから」


菫「わ、わかった」


照「……は?」


咲『お姉ちゃんは先鋒だから個人戦だね』


照「言ってる意味がわからない」


咲『わたしとお姉ちゃんの本気、どっちが強いか勝負しようってこと』


咲『わたしが勝ったら仲直り、お姉ちゃんが勝ったら1つなんでも言うこと聞いてあげる』


咲『それじゃ』プツッ


照「……」


照「菫、打とう」


菫「今日は部活休みだが」


照「いいから」


菫「わ、わかった」

地元、長野で迎えたお茶会
リーダーはやりが結局破局、誰も恋人を作れず惨敗だった
実家に響く両親のため息、Twitterから聞こえる「今年も処女確定!」の声
終電で帰り始める淑女達の中、アラサーの宮永咲は独りベンチで泣いていた
清澄で手にした青春、親友、感動、そして何より甘酸っぱい想い・・・
それを今の宮永が得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」宮永は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、宮永ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃ」宮永は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、宮永はふと気付いた

「あれ・・・?試合が中継されてる・・・?」
ベンチから飛び出した宮永が目にしたのは、出入口まで埋めつくさんばかりの観客を写すモニターだった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように各校の応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする宮永の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「咲、出番よ、早く行きなさい」声の方に振り返った宮永は目を疑った
「ぶ・・・部長?」  「なんじゃ咲、居眠りでもしてたのか?」
「そ・・・染谷さん?」  「ひどいじぇ咲ちゃん、和ちゃんが頑張ってるのに」
「優希ちゃん・・・」  宮永は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
先鋒:片岡優希 次鋒:染谷まこ 中堅:竹井久 副将:原村和 主将:宮永咲
暫時、唖然としていた宮永だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「できる・・・できるんだ!」
京太郎を抱きしめ、卓へ全力疾走する宮永、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている宮永が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った


咲「いってきまーす」ガチャ


咲「今日も快晴、日差しが眩しい。んん〜」ノビー


咲「やっぱりいいね〜長野は。川も空気も綺麗で。久しぶりに木陰で本でも読みたいな」テクテク

トントン

咲「ん?」プニッ


和「おはようございます、宮永さん」ニコッ


咲「……私はどうやら楽園に迷い込んでしまったみたい。天使さん、出口まで連れてって下さい」


和「て、天使……!?」カアッ


咲「ごめん、忘れてください」


咲「(こちらの笑顔も眩しい、そして初心でかわいい)」


和「コ、コホン。天使なんてものは存在しませんよ」


咲「(目の前にいます。あと和ちゃんはのどっち化すると羽生えて天使になります)」


和「よければ学校までご一緒しませんか?」


咲「やだ」


和「え……!?」


咲「ふふ、じょーだん」ニコッ


和「も、もうっ。宮永さんって以外に意地悪なんですね」プイッ


咲「(かわええのうかわええのう)」ギュッ


咲「ほら、早く行こう」ニコニコ


和「はいっ」ギュッ


咲「和ちゃんの手柔らかいなー。ずっと握ってたいくらい」


和「へ?」ピタッ


咲「あ」


咲「(やばい、またやってしまった。最近心の声が口にでちゃうよぉ……。和ちゃん、怒ってるかな……?)」チラッ


和「……」モジモジ


咲「(めちゃくちゃ怒ってる――――!? あんなに顔真っ赤にして! これは……絶好フラグ!?)」


咲「ごごめん、原村さん! これはーそのね、あの、なんかわからないけどごめんなさ―――」


和「あ、あのっ!!」


咲「はい!?」ビクッ


咲「(終わった、もう終わりだ。ビンタされて絶好宣言だ。ジ・エンド)」ガクッ


和「私のことを……和って呼んでください! 先ほどみたいに!」


咲「……ぇ?」


和「で、ですから先ほどみたいに和って呼んでください! いつまでも苗字呼びだと……他人行儀みたいじゃないですか! その……ダメ、ですか?」ウワメヅカイ


咲「」キュン


和「あの……うぅ」


咲「か、かか……」


咲「かわいい――――!!」ギューッ


和「きゃっ!」


咲「なに、なんなの!? なんでそんなにかわいいの? 全私が萌え死んだんですけど!? そりゃもう、私ね、我慢できませんよ。こんなかわいい子がいたら―――」


京太郎「おーい咲さーん」


咲「ちょっと邪魔しないで。――京ちゃん?」


京太郎「朝からなにしてるんですかねぇ? しかも道のど真ん中で」


咲「……あ」

ミテアレー イイユリゼッケイダ…

京太郎「お前らのこと見て鼻血垂らしてる奴いるぞ」タラー


咲「おいコラ、人のこと言えないぞ」


京太郎「っとと。それじゃあ、引き続き楽しんでくれ!」タタッ


咲「ちょ、京ちゃん! ……あー」


咲「(私たちのことを見てくる清澄の生徒たち、近所の人たち。微笑ましい目で見ないで!)」


和「……宮永さん、あのぅ」


咲「ああ、ごめん!」バッ


和「あ……」


咲「その……本当に申し訳ござしません。こんな羞恥姿晒したのはすべて私の責任です。どんな罰でも受けます。切腹でも切腹でも」


和「切腹しかないじゃないですか!? ……それに、私は怒ってませんよ」


咲「ほ、本当でせうか?」


和「はい。それに、むしろ嬉しかったですし」ボソッ


咲「今、なんて?」


和「な、なんでもありません! これから宮永さんのこと、咲さんとお呼びしてもいいでしょうか?」


咲「はい、呼んでください」


和「なぜかなげやりに……」


咲「(はあ〜)」


咲「(和ちゃんとの絶好フラグは叩き折って終わりを無事回避した。けど、これからの学校生活は間違いなく終わる。いや、もう終わってるよ、うん)」


咲「(今頃学校では『宮永さんって同性愛者なんだよ』『マジかよー』『あの宮永さんがレズ……ねえ』)」


咲「いやあああああああああああああああああ」


和「さ、咲さん!?」


咲「ごほっごほっ! げほっ」


和「だ、大丈夫ですか咲さん!?」サスサス


咲「……ありがと、和。落ち着いたよ」


和「いえいえ」テレテレ


咲「(なんかもう……ホントに女の子でもいいんじゃないかと思うよ)」




咲「(クラスに着いた途端、皆に囲まれました)」


「宮永さんと原村さんお似合いだよ!」「応援してるぜ宮永!」「この国の法律を変えるんだ! さすれば道は必ず開かれるぞ!」


咲「(知らないよそんなこと。それに法律なんて変えられるわけないでしょ)」


咲「(と、まぁ。汚物を見るような目で見られることはなかった。皆、慈愛に満ちてたよ)」


咲「(この先、一体どうなるのやら。そんなの私にもわかりません)」

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