P「765院に就職した」 (1000)

設定改変あり
選択式安価あり
一応胸糞注意
遅筆

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427971855

P「ここが765院か……なかなか大きな建物だな」

P(大学を卒業したはいいものの結局就職できなかった俺は、道端で出会った高木というおっさんに誘われ、とりあえずここ765院に就職することになった)

P(何をするところなのかはまだ聞いてないけれど、働けるだけ幸せだよな……)

P「…………」

P(あれ……今さらだけど業務内容すら聞いてないのっておかしくないか?)

P(…………)

P「ま、まあいいや。職が見つかるまでの繋ぎでいいって言ってたしな」

エントランス

P「!」

P(イメージと違うな……病院かなにかかと思ってたけど、違うのかな?)

「あら? どちら様ですか?」

P(気がつくと、緑色の髪の女性が側に立っていた)

P「えっと、高木さんに呼ばれて来たんですけど」

「あ、それなら、あちらの院長室にどうぞ」

P「はい、ありがとうございます」

院長室

コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「ん? おお! 君かね、待っていたよ!」

P「はい! 今日からよろしくお願いします!」

高木「うむ! いい返事だ。それじゃあ頑張ってくれたまえ。私はこれから用事があるので、これで失礼するよ」

スタスタ

P「……えっ?」

しばらく後……

小鳥「私は、事務員の音無小鳥です。すみません、うちの院長が……」

P「いえいえ。それはそうと、ここはどういった場所なんですか?」

小鳥「ここは765院。通称、社会のゴミ箱です」

P「しゃ、社会のゴミ箱……?」

小鳥「はい。ここは、いろいろな理由で社会に適合できない子なんかが集められる所なんです」

P「はあ……なるほど。それで、俺は何をすれば?」

小鳥「一応、事務や清掃なんかの仕事もあるんですけど……一番大事な仕事は、みんなの話し相手になってもらうことです」

P「え? そんなことでいいんですか?」

小鳥「はい。それだけで、きっとみんな喜ぶはずです。本当は私達の仕事なんですけど、人手不足で忙しくて……事務清掃は私達がなんとかしますから、お願いできませんか?」

P「分かりました。でも、どうして俺なんですか? あなた達の方が相手のことをよく分かってるはずでは?」

小鳥「既に知っているからこそ、私達には難しいんですよ。一から新しい関係を築ける、あなたが適任なんです」

小鳥「昨日院長が言ってましたよ、『明日、期待の新人が来る』って。あの院長がそこまで言うんですから、きっとあなたなら大丈夫です」

P(院長はずいぶん信頼されているんだな……俺にはまだ、ただのおっさんにしか思えないが)

P「……わかりました。そういうことなら、精一杯頑張ります!」

小鳥「はい! お願いします。じゃあ、まずは施設を案内しますね。律子さん、お願いできますか?」

律子「いいですよ」

廊下

律子「私は、秋月律子です。今日からよろしくお願いしますね」

P「はい、お願いします。ところで律子さん、ひとつ訊いてみてもいいですか?」

律子「律子、でいいですよ。あなたの方が年上ですし」

P「そ、そうですか?」

律子「あと、敬語もいりませんから」

P「じゃ、じゃあ……律子」

律子「はい、なんでしょう」

P「律子はどうして、ここで働いてるんだ?」

律子「いや、なんというか……まあ、色々ありまして」

P「…………」

律子「ひとつ言っておきますけど、みんなの前では、今みたいに思ったことをなんでもかんでも訊いたりしないでくださいね?」

P「あ、はい。わかりました」

律子「敬語」

P「あ、すいません」

律子「…………」

P「あ……えっと、すまん」

しばらくして……

律子「えっと……施設の紹介はこんなもんですかね。じゃあ、肝心のここの子達の紹介ですけど……」

律子「最初に言っておきますが、ここのみんなの紹介は最小限にします。小鳥さんも似たようなことを言ってましたが、あまり先入観を持って接してほしくないですから」

P「わかった」

律子「じゃあ、今からその最小限の紹介が必要な子達のところへ行きますね」

美希の部屋

ガチャ

律子「美希? 起きてる?」

美希「…………」

P(うわっ、随分かわいい子だな……)

律子「うーん……やっぱり寝てるみたいですねぇ。じゃあ、出ましょうか」

P「あ、ああ」




廊下

律子「今の子が、星井美希です。あの子は普段ずっと今みたいに寝ています」

P「ずっと?」

律子「ええ、ずっと」

P「それは……どうして?」

律子「分かりません。精神的なものだと考えられるそうです」

P「……原因は?」

律子「……性的暴行、です」

P「…………」

律子「そういう訳ですから、あまりあなたと関わることはないかもしれません」

律子「でも、たまに院内をうろつくことがあるんです。ですから、見かけた時は声をかけてあげてください……ただし、慎重にお願いしますね」

P「……ああ」

亜美の部屋

ガチャ

律子「亜美ー? 入るわよー?」

律子「……あら、いない」

P「え?」

律子「ここは、双海亜美という子の部屋です」

P「え、あ、ああ……」

律子「? どうかしました?」

P「いや、別に……」

律子「そうですか。じゃあ、えっと……亜美はですね、子供の頃から空想の友達と話している子なんです」

P「空想の友達?」

律子「はい。名前を双海真美と名付けてます」

P「……なるほど」

律子「まあそういうわけですから、会った時は話を合わせてあげてくださいね」

P「ああ、わかった」

廊下

律子「こんなもんですかね……あとの子はまあ、出会って話したりする中で掴んでください。どうしてもって時は、私や小鳥さんなんかに訊いてくださいね」

P「ああ、わかった」

律子「あ、それと最後に一つだけ」

P「?」

律子「ここにいる子は誰であれ、大なり小なりデリケートな部分を持っています。そしてそれは、大抵の場合ここにいる理由と関係があります」

律子「ですから、接する時はくれぐれも気をつけてくださいね」

P「……肝に銘じておくよ」

律子「それでは、私はここで」

P「うん。ありがとう」

P「なるほど……孤児院やら精神病院やらをごっちゃにした感じだな。確かに、社会のゴミ箱って言う人がいてもおかしくないな」

P(しかし、こんなところでやっていけるかなぁ……不安だ)

P「……ま、とりあえずやるだけやってみよう」



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

ミス、安価下で

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

P「えっと、亜美ちゃんはいるかな?」

亜美「あれ? 兄ちゃん誰?」

P「ああ、えっと、ここでしばらく働くことになったPって言うんだけど……」

亜美「ふーん。で、亜美に何の用?」

P「いや、用って言うか……」

P「とりあえず、君が亜美ちゃんってことでいいのかな?」

亜美「? どーゆー意味?」

P「いや、そっちの子は誰なのかなーって思ってさ」

亜美「! 真美が見えるの!?」

P「ああ、やっぱりその子が真美ちゃんなんだ」

亜美「すごいよ真美! この兄ちゃん、真美が見えるって!」

真美「知ってるよ。さっき亜美がトイレにいってる間にここに来たもん」

P(なるほど、これが空想の友達の真相か……普通、人には見えないんだな)

亜美「すごい! すごいよ! 今まで誰にも見えなかったのに、なんで兄ちゃんには見えるの!?」

P「さあ? なんでだろう……」

真美「ねえ亜美、そろそろ……」

亜美「あっ、そっか……」

亜美「ねえ兄ちゃん。亜美、これから行かなきゃいけないところがあるんだ」

P「あ、そうなんだ。ごめんね、そんな時に」

亜美「ううん、いいよ。その代わり、絶対また来てね! 約束だよ!」

P「うん、わかった」

翌日

事務室

P「おはようございます」

小鳥「あ、おはようございます。昨日はどうでしたか?」

P「ええ、まあ……慣れないことばかりでしたけど、頑張ろうと思います」

小鳥「そうですか。何かあったら、相談にのりますからね?」

P「はい、その時はお願いします」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

ミス、安価下で

P(そういえば、まだ美希ちゃんの動くところを見たことないな……美希ちゃんの部屋に行ってみようかな)



美希の部屋

コンコン
ガチャ

P「お邪魔します……」

美希「…………」

P「…………」

美希「…………」

P(きれいな寝相だなぁ……まるで死んでいるみたいだ)

美希「…………」

P(どうやら、起きる様子はなさそうだ)

翌日


高木「やあ、P君」

P「あ、院長」

高木「この間はすまなかったね」

P「いえいえ」

高木「自分で言うのはなんだが……私には人を見る目があってね」

高木「君なら、必ずうちの子たちをいい方向に導けると信じているよ」

P「が、頑張ります」

P(期待されてるなぁ……)



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

指定がない限り安価下でお願いします

P「医務室にでも行ってみようかな」


医務室

ガチャ

「あら? えっと……どちらさまでしたっけ?」

P「あ、新しくここで働くことになったPです」

あずさ「あら~そうですか。私、三浦あずさと申します~」

P(ん、あれ、ナース服を着てるってことは……)

P「えっと、あずささんは、ここの職員なんですか?」

あずさ「はい、そうですよ。今日はどうしたんですか?」

P「あ、別に用事があったわけじゃないんですけど……」

あずさ「そうですか~。私、いつもここにいますから、何かあったらまた来てくださいね~」

P「わかりました」

翌日

律子「Pさん、お仕事にはもう慣れましたか?」

P「ああ、いや、まだ慣れないかな」

律子「そうですか」

P「ここの子達はみんないい子だよな、何て言うか、見てると笑顔になるよ」

律子「ま、そうでしょうね」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「運動場に行ってみようかな」


運動場

ワーワー

「へいパス!」
「ディフェンスディフェンス!」
「シュートいけシュート!」


P「おお、サッカーか……なつかしいな」

P(しかし、なんというか……みんな顔が怖いな……刑務所にいる気分だ)

P(たしか、少年院としてもやってるんだっけか……)

オオー!!

P「……ん?」


「へへっ、やーりぃ!」


P(あれ、あの子はどっちかというと可愛いかんじだな?)

P(まあ、色々事情があるんだろう)

翌日


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「屋上にでも行ってみようかな」



屋上

ガチャ

P(あれ、先客がいる……)

「…………」

P(きれいだな……それと、なんだろう……儚げな感じだ)

「…………」チラッ

P「あ、えっと……こんにちは?」

「…………」

P「……え、えっと……」

「…………」スッ

スタスタ……

P「…………」

P(む、無視された!?)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

P「おお……桜が綺麗だ……」

P(大学の友達は今頃スーツ着て出社してるんだろうなぁ……)

P「……はぁ」

「どうしたんですか? ため息なんかついて」

P「うおっ!?」

「あ、すいません。驚かせちゃいました?」

P(い、いつの間に後ろに……)

P「え、えーと君は?」

春香「私は天海春香です」

P「春香ちゃん、か」

春香「呼び捨てでいいですよ」

P「そ、そうか? じゃあえっと、俺は……」

春香「新しくここで働くことになったPさん……ですよね?」

P「あれ? なんで知ってるんだ?」

春香「さあ? なんででしょう?」

P「……誰かから聞いた……とか?」

春香「まあ、そんなところですね」

P「そっか」

春香「私は、いつもこの辺にいますよ」

P「え?」


「Pさーん!」


P「あ、ごめん。呼ばれてるから、行かなきゃ」

春香「はい、行ってらっしゃい」


P(なんだか不思議な感じの子だったな……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

亜美「あーっ! 兄ちゃん!」

P「こんにちは、亜美ちゃん」

亜美「もー、遅いよ! 亜美、ずっと退屈してたんだよー?」

P「ごめんごめん」

亜美「罰として、今日はずっとここにいて亜美と遊んでね!」

P「ははは……うん、できる限りいることにするよ」


亜美「できる限りじゃダメだよ。ずっといないと」


P「え? あ、えっと……」

真美「ダメだよ亜美、あんまり兄ちゃんを困らせちゃ」

亜美「えー……」

真美「亜美」

亜美「……うん、わかった。ごめんね兄ちゃん」

P「え、あ、いやいいんだけど……」


P(しばらくの間亜美ちゃん真美ちゃんと一緒に遊んだ)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂

P「ここの食堂は安くて便利だなぁ……助かるよ」

P(そういえば、まだ給料について何も聞いてないような……?)

P(……まあいいか)

P「さて、どこに座ろうか……な……?」


「…………」ズルズル


P「な、なんだあの丼の量……」


「…………」ズルズル


P「…………」

P「……おっと、ぼーっとしてないで座る所探さないと」


「…………」コトッ

「すみませんが、おかわりをお願いします……」


P(まだ食うのか!)



P「はー、今日も疲れたなぁ」テクテク

P(話し相手になったり、遊び相手になったり……なかなか大変な仕事だなぁ)

P「ま、後は家に帰ってゆっくりするだけ……」

カーンカーンカーン
ウー……ウー……

P「ん、火事かな?」

P「近そうだな……後で野次馬にでも行こうかな」

P「…………」テクテク

P「…………」テクテク

P「!!!」

P「お、俺の家じゃないか!」

翌日

P「というわけで……」

律子「それは……なんと言いますか……」

小鳥「ご、御愁傷様です……?」

P「はあ……職どころか家を探さないといけなくなっちゃったよ……」

律子「ま、まあまあ、元気だしてください」

小鳥「…………」ティン

P「どうしたんですか音無さん、閃いたって感じの顔して」

小鳥「まあまあ、とりあえず日中お仕事頑張ってください」

P「? はあ……わかりました」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上

P「あ……」


「…………」


P(またいた……あの子、いつもここにいるのかな)

P(だとしたら……)


「…………」


P(じっと空を見て、何を思っているんだろう……)


「…………」チラ


P「! あ、えっと……」


「…………」スタスタ


P「…………」

P(あの子、友達とか、いないのかな……)



小鳥「Pさん! 院長が呼んでますよ!」

P「えっ、院長が?」

小鳥「さあさあ♪」



院長室

コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「おお! 聞いたよキミぃ! 大変だったそうじゃないか」

P「ええ、まあ……」

高木「どこか住む当てはあるのかね?」

P「いえ、それが……」

高木「そうだろうそうだろう。だがもう心配はいらんよ! 今日からここに住めばいい!」

P「えっ!?」

高木「余った部屋ならある。次の住まいが見つかるまで、ここに住むといい」

P「え、あ、それは……」

P「……本当に、いいんですか?」

高木「いいとも!」

P「……じゃ、じゃあ、お願いします」

高木「承った! さっそく君の部屋に案内するよ」

P「はい!」

高木「あ、一応言っておくが光熱費等は君の給料から引かせてもらうよ」

P「……はい」

翌日

小鳥「おはようございます♪」

P「あ、おはようございます」

律子「Pさんもここに住むことにしたんですね」

P「え? じゃあ、律子もここに住んでるのか?」

律子「ええ、まあ」

小鳥「私もここに住んでますよ!」

P「へえ……そうなんですか」

小鳥「……ちょっと! もっとこう……部屋教えてくださいとか! 今度遊びに行きますねとか! ないんですか!?」

P「え……あ、じゃあ、部屋教えてもらえますか?」

小鳥「はい♪」

律子「必死ですねぇ……」

小鳥「悪いですか?」

律子「いえ別に」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

P「へえ……けっこう立派な図書室だなぁ」

P「……せっかくだし何か読んでいこうかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『幽霊大全 ~降霊徐霊これ一冊~』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「ひさしぶりにラノベでも読んでみるか……」スッ

ピタッ

「あっ」
P「あっ」

P「ごめん、どうぞ」

「いや、別にいいぞ。先に読んで?」

P「いや、いいよ。他のにするから」

「そうか? じゃあ、遠慮なく」

P「好きなの? ラノベ」

「うん。えっと……」

P「ああ、俺はP。最近ここで働きだしたんだ」

響「そっか。自分、我那覇響。よろしくね、P」

P「よろしく、響」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

わー!わー!


P「鬼ごっこ……かな? まあなんにせよ元気がいいな」

P「小学生ぐらいの子もいれば、高校生ぐらいの子もいる……本当に、すごい所だなここは」


ギャーギャー


P「あれ、喧嘩かな? 止めるべきか……ん?」


「こら! 喧嘩しちゃダメでしょ?」

「でもあいつが……!」
「ちがうよ!こいつが……!」

「言い訳しないの! 二人とも謝りなさい!」

「う……ごめんなさい……」
「ごめんなさい……」

「よくできました。じゃあ、みんなで仲良くあそぼ?」

「「うん!」」



P(へー、あの子、みんなのお姉ちゃんって感じだ……しっかりしてるなぁ)

翌日


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

医務室

ガチャ

あずさ「あら~、Pさん。今日はどうしたんですか?」

P「あずささんに会いにきました」

あずさ「あ、あら~」

P「あずささん」

あずさ「は、はい、なんでしょう?」




1「今度一緒に買い物にいきませんか?」

2「あずささんはどうしてここで働いているんですか?」

安価下

P「あずささんはどうしてここで働いているんですか?」

あずさ「そうですねぇ……私の場合、ここで働くくらいしかできなかったんです」

P「え?」

あずさ「小さい頃、親とはぐれてこの施設に迷いこんだらしいんですよ、私」

P「捜索願いなんかは……?」

あずさ「ありませんでした。当時のスタッフの皆さんも両親を探してくださったみたいですけど、見つかりませんでした……もしかしたら、捨てられてたのかもしれませんね」

P「…………」

あずさ「そのままこの施設で育って高校を出ました。アルバイトで貯めたお金で短大を出た後、就活をしました。でも、どこにも採用してもらえませんでした」

あずさ「だから、私はここで働いてるんです。それしか選べませんでした」

P「……あの、えっと」

あずさ「謝らなくていいですよ? 気にしてませんから」

P「…………」

あずさ「Pさん」

P「は、はい」

あずさ「たまに……たまにでいいんです。他の子の相手を優先してくださって結構ですから」

あずさ「私の話し相手にも、なってもらえませんか……?」

P「……もちろん、いいですよ」

あずさ「……うふふっ、ありがとうございます~」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


響「あっ、P」

P「よっ。なに読んでるんだ?」

響「あっ、えっと……」スッ

『人の上に立つ方法』

P「…………」

響「…………」

P「……立ちたいの?」

響「うん」

P「そっか……」

P(どうしよう、本気で言ってるのかな……理由を訊きたいような、訊きたくないような……)

響「ねえ、自分、立てるかな?」

P「う、うーん……まだ知り合ったばかりだし、よくわからない……かな」

響「そっかー」

P(そうか、響もここの一員である以上、何かあるんだなぁ……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂


P「おばちゃん、A定食ひとつ」

「はいよー」

P「…………」チラッ


「…………」ズルズル


P「…………」

「はいおまちー」

P「ねえおばちゃん、あの子何者なの?」

「あの子? ああ、貴音ちゃんね」

P(貴音っていうのか)

「あの子はよくわかんないのよねー。なんでも、ある日突然院長が連れてきたらしいわよ」

P「院長が?」

「院長の愛人の子供なんじゃないかって噂もあるくらいよ」

P「へえ……」


「…………」ズルズル……

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P(あの子、またいるな)


「…………」


P(話してみたいけど、いつも俺を見たらどこかに行っちゃうからなぁ……どうしようかな)


「…………」


P(…………)


1 話しかける

2 話しかけない


P「ねえ、君……」

「…………」

P「えっと、俺は最近ここで働き始めたPって言うんだけど……」

「…………」

P「…………」

「…………」

P「……あの……」

「…………」スッ

スタスタ

P「…………」


P(やっぱり無理……か)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

P「静かだなぁ……」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『幽霊大全 ~降霊徐霊これ一冊~』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「たまにはオカルト系の本も悪くないな」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「…………」パタン

P「ま、実用的な知識ではないかもしれないけど、いいリフレッシュにはなったかな」

翌日

律子「あ、Pさん。ちょっとお話したいことが」

P「なんだ?」

律子「今晩、夜の見回りお願いできませんか? ちょっと私、用事がありまして」

P「ああ、うん。いいよ」

律子「ありがとうございます」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

まだ少ししか読んでないが同じのを昔読んだことある気がする
それと真美が亜美の空想の友達っておかしくね?
苗字が同じなんだから空想の姉じゃ

俺も読んだ事あるな。律子がスタッフだと思い込んでるキチガイだった
同じ作者さんなら問題ないけど違う輩ならちとマズいな

>>91
>>92
スレタイ教えてもらえませんか?

屋上

P「……あれ?」

P(今日はあの子来てないな……しばらく待ってみるか)

P「…………」

P「…………」

P「…………」


しばらくして……


P(……来ないな。どうしたんだろう)

P「しょうがない、そろそろ戻るか」



律子「それじゃ、お願いしますね。一応戸締まりを確認したら、後は時間まで適当にしてていいんで」

P「ああ、わかった」


しばらくして……

P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を見て回る
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

屋上

ヒュウゥゥ……

P「……いい風だな」

P(それに……静かだ。街の方とは大違いだな……やっぱり、環境を重視しているんだろうか)

P「……ん?」


「…………」


P(あの子は……たしか食堂の……)

P「ねえ、君」

「なんでしょうか」

P「えっと、君は貴音ちゃん……だよね?」

貴音「はい、そうですが」

P「えっと……」

P(どうしよう、消灯時間はとっくに過ぎてるのに……ここまで堂々とされると何も言えない)

貴音「はて……? どうかされましたか?」

P「ええと、いや……なんていうか……なんでここにいるのかなって思ってさ」

貴音「私は、月を見るためにここに来ました」

P「いや、そうじゃなくて……」

貴音「?」

P(どうしようかな……)

P「えっと……」



1「月が好きなの?」
2「部屋に戻らなくていいの?」

P「貴音ちゃんは、月が好きなの?」

貴音「……どうなのでしょうか、自分でも、分かりません」

P「え?」

貴音「私には、記憶がないのです」

P「記憶喪失……ってこと?」

貴音「はい。ここのすぐそばの森の中で倒れていたそうです」

P「それで、ここにいるのか」

貴音「ええ。たまたま通りがかった高木殿が、私をここに置いてくださりました」

P「なるほどね……」

P(なんだかすごい話だけど、これが本当なら、食堂のおばちゃんが言ってたのはただの噂ってことか)

P(まあ、あのおっさんからこんな子が産まれるわけないよな)

P「……おっと、もうこんな時間か」

貴音「お帰りになるのですか?」

P「うん。あ、でもそういえばここの鍵って……」

貴音「ご心配なさらずとも、私が帰り際にきちんと施錠いたします。私もここの鍵を持っておりますゆえ」

P「そっか。じゃあ、おやすみ貴音ちゃん」

貴音「はい。おやすみなさい」

翌日

律子「昨日はありがとうございました。何もありませんでしたか?」

P「うん、変わったことは何もなかったよ」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

P「春香」

春香「あ、来てくれたんですねPさん」

P「うん。でも、なんでいつもここにいるんだ?」

春香「私、この場所が好きなんです」

P「へえ」

春香「春は桜が咲いて、夏は緑でいっぱいになって、秋は紅葉が綺麗で……冬になると、ちょっぴり寂しくなりますけど、ここが好きなんです」

P「そっか……たしかに、いい場所だよな」

春香「はい」

P「…………」

春香「ねえ、Pさん」

P「ん、どうした?」

春香「例えばですよ? 例えば、仲良くなりたいなーって思ってる人がいたとしたら、積極的にいくべきですかね? それとも、相手から来るのを待つべきですかね?」

P「そうだな……」




1「積極的にいくべきじゃないか?」
2「相手から来るのを待つべきじゃないか?」

P「積極的にいくべきじゃないか?」

春香「そうですか?」

P「ああ、相手から来てくれるとも限らないしな」

春香「そうですか……そうですよね」

春香「わかりました、ありがとうございます」

P「役に立てたならうれしいよ」

春香「また来てくださいね?」

P「ああ、もちろん」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6春香について訊く
7響について訊く
8貴音について訊く

P「たまには音無さんともお話しようと思いまして」

小鳥「ほほう、それはそれは……おっと失礼」

P(な、なんか一瞬すごい悪そうな顔にならなかったか?)

小鳥「そういうことでしたら、お相手しますよ」

P「ありがとうございます」

小鳥「そろそろお仕事にも慣れてきましたか?」

P「ええ、まあ、おかげさまで。みんなすごくいい子ばかりで、なんとかやっていけてます」

小鳥「そうですね。みんな、本当にいい子ばっかりで……」

小鳥「……だからこそ、どうしてこんな所にいなくちゃいけないんだって、思うんですよね」

P「…………」

小鳥「あっ、すいません……こんなこと、話してもしょうがないですよね」

P「いえ、いいんですよ。付き合います」

小鳥「……ありがとうございます」

P(考えてみれば、音無さん達も大変だよなぁ。俺が来てから頻度は減ったとはいえ、まだみんなの相手もしてるんだし)

P(……俺が他の職を見つけたら、また逆戻りか……)

P(…………)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

亜美「あ、兄ちゃん!」バフッ

P「うおっ!」

亜美「もー遅いよー」

P「いや、ごめんごめん……」

真美「仕方ないよ亜美。兄ちゃんは他の子のところにも行かないといけないもん」

亜美「わかってるよ、そのくらい……」

P「ま、まあまあ。そんなことより、今日は何して遊ぶ?」

亜美「うーん……しりとりしよ!」


しばらくして……


P「じゃあ、そろそろ帰るよ」

亜美「……また来てね」

P「うん、また来るよ」

亜美「絶対だよ! 約束だかんね!」

P「うん。約束する」

亜美「……またね」


バタン


P(……寂しそうだったな)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P(お、今日はいる)


「…………」


P「…………」


「…………」


P「……何を見てるの?」


「…………」チラ

スタスタ……

P「…………」

P(やっぱり、俺に気がつくとどこかへ行ってしまうんだな……)

P(……一度、誰かに話を聞いてみようかな)


廊下

P「ふう……いいお湯だった」

P(立派な浴場だよなぁ……ここ、やけに設備がいいけどいったいどこから金が出てるんだろう)

P「……ん?」

春香「こんばんは、Pさん」

P「春香……どうしたんだ? そろそろ消灯だぞ?」

春香「いえ、ちょっと散歩でもしようと思いまして」

P「ふうん。じゃあ、俺は部屋に戻るから」スタスタ

春香「…………」スタスタ

P「……なんでついてくるんだ?」

春香「気にしないでください」

P「まあ、いいけど……」


しばらくして……


P「じゃあ、部屋に着いたから……」

春香「はい、おやすみなさい」

P「ああ、おやすみ」

バタン

P(……なんだったんだ?)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「春香」

春香「あ、Pさん」

P「……桜、終わっちゃったな」

春香「また来年咲きますよ」

P「ま、それもそうだな」

春香「…………」

P(……思えば、春香とは何度かこうして一緒に話してるけど、俺はほとんど春香のことを知らないよなぁ)

P「なあ、春香……」

春香「なんですか?」



1「他の子と遊んだりはしないのか?」
2「春香はどうしてここにいるんだ?」

P「春香はどうしてここにいるんだ?」

春香「……どういう意味ですか?」

P「ああいや、なんで765院にいるのか、ちょっと気になってさ……」

春香「ああ、そういうことですか」

P「うん」

春香「……頭です」

P「え?」

春香「頭……つまり、脳の病気です」

P「……で、でも、それなら普通の病院に行けばいいんじゃないのか? どうしてここに?」

春香「……………………いよ」

P「……え?」

春香「いえ……すいません、今日はもう、帰ってもらえませんか?」

P「え、あ、ああ……わかった」


P(まずいこと訊いちゃったかなぁ……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

美希の部屋

コンコン
ガチャ


美希「…………」

P「…………」

P(相変わらずずっと眠っているのか……)

美希「…………」

P(……なんか、前にみた時より痩せてるような……ちゃんと食事してるのか……?)

美希「…………」

P「…………」

P(無理に起こすわけにもいかないよな……)

バタン

翌日

律子「すいません、Pさん。また見回りお願いできませんか?」

P「ああ、いいよ」

律子「ありがとうございます」



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P「…………」


「…………」


P「…………」


「…………」


P「…………」


「…………」チラ

スタスタ……


P(……どうしたものかな)



律子「それじゃ、お願いしますね」

P「ああ、わかった」


しばらくして……

P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を歩き回ってみる
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

P「暇だし、適当にうろついてみるか……」


しばらくして……


P「…………」

P(……ん? 今、向こうにだれかいたような……)


「…………」


P(あれ、あの金髪はもしかして……)

P「み、美希ちゃん?」

美希「…………」

P(あの美希ちゃんが、立って歩いてる……夢、じゃないよな……)

美希「……だれ?」

P「えっと、ここの職員のPだけど……」

美希「…………」スッ

P「あ、ちょ、ちょっと待って!」

美希「……なに?」

P「いや、消灯時間過ぎてるんだけど……」

美希「そんなこと……ミキにはカンケーないの」

P「あっ……」

P「…………行っちゃった」

P(……なんだろう、会話をしてる気がしなかった……まったく興味をもたれていないみたいだ)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

響「あっ、P」

P「また本読んでるのか?」

響「うん、今日はこれ」

P「…………」

『猿でもわかる人心掌握術』

P「…………」

P(……すごく突っ込みたい……なんでこんなもん読んでんだ……)

P(けど、もしかしたら何か深い理由があるのかもしれない……俺には全く想像もつかないけど何かあるのかも……)

響「?」

P「……なあ、響」

響「なんだ?」



1「なんでこんなの読んでるんだ?」
2「……いい天気だな」

P「……いい天気だな」

響「? ……う、うん、そうだな」

P「…………」

響「…………」

P「…………」

響「…………」

P「…………」

響「……ど、どうかしたのか?」

P「……いや、なんでもない……そろそろ戻るよ」

響「あ、うん……」


P(耐えきった……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

運動場

P(今日は静かだな……みんな他の場所で遊んでるのかな?)

P「……ん?」


「…………」タッタッタッ


P(あれは……この前見た子だな。ランニングしてるのか?)


しばらくして……


「……ふぅー」

P「お疲れ様」

「へ? ……えっと……」

P「ここの職員のPだよ。会うのは初めてだね」

真「そ、そうですね……あ、ボクは、真です。菊地真って言います」

P「真くんか、よろしく」

真「ん?」

P「え?」

真「えっと……ボク、女なんですけど」

P「えっ!? あ、ご、ごめん」

真「いえ、もう慣れてますし、別にいいですよ。それよりも、汗かいてるからそろそろ行っていいですか?」

P「ああ、うん。呼び止めて悪かったね」

真「いえ、いいですよ……それじゃ」

P「…………」

P(女か……そう言われてみるとたしかにそうだな)

P(あれが噂に聞く中性的な子ってやつか……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭

P「そういえばここに来るのは初めてだけど……いい場所だな」

P「うん、なんだか落ち着く……広くて解放感があるよ」

P「……ちょっと歩いてみようかな」

P「…………」テクテク

P「……あれ? なんであの辺だけ地面が剥き出しになってるんだ?」

P「それに……あの建物はなんだろう。まだ入ったことがないな……」

P「うーん……」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

P「よし、この建物に入ってみよう」

ガチャ

ワン!

P「ん?」

ニャー
ヂュイ!
グルルルル……

P「な、なんだここは……すごい数の動物達だ」


響「あれっ、P?」

P「え、あれ、響? なんでここに?」

響「それはこっちのセリフだぞ……まあいいけど」

響「実は自分、ここの管理任されてるんだよね」

P「……えっと、ここって何の場所なんだ?」

響「んー? ここは、野良の動物や飼えなくなったペットたちを預かる場所だぞ」

P「へ、へえー」

P(動物保護センターみたいなことまで……手広すぎるだろこの施設)

響「Pはどうしてここに来たんだ?」

P「いや、たまたまこの建物を見かけて気になったから……」

響「ふーん。ま、いいや。そういうことなら手伝ってよ」

P「え? 何を?」

響「見ればわかるだろ? 餌やりだぞ」

P「え、あ、でも……」

響「ほらほら早くー」

P「わ、わかったよ」

響「よし! じゃあまずは――」



P(響と一緒に動物達の世話をした)

翌日


高木「おはよう」

P「あ、おはようございます」

高木「その様子だと、ここでの生活にも大分慣れてきた様子だね」

P「はい、おかげさまで……」

高木「新しい住居なんかは探しているのかね?」

P「ああいえ、それが、忙しくて中々……」

高木「ふむ、まあそう焦らなくてもいいさ。まだ時間はあるからね」

P「え?」

高木「おっと……すまない、気にしないでくれ。こっちの話だ。それでは私はこの辺で失礼するよ」

P「? はあ……」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂

「はいよ、B定食おまち」

P「ありがとう」

P(ここの食堂は本当に助かるなぁ……ここがなければ俺は生きていけないよ)

ズルズル

P(満足のいく量、良心的な値段)

ズルズル

P(だというのに味はなかなか)

ズルズル

P(広くて清潔な食事スペース)

ズルズル

P「…………」

ズルズル

P「……ごめん、もうちょっと静かにしてもらえないかな」

貴音「なんと……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋


P「…………」

亜美「うーあー……」ゴロゴロ

真美「こら亜美、ぱんつ見えるよ?」

亜美「兄ちゃんならいいもーん」

P「…………」

真美「兄ちゃんが困るの」

亜美「兄ちゃんは亜美のぱんつ見るのいや?」

P「えっ!? い、いや、うーん……ど、どうだろうね?」

亜美「……いやなの?」ウルウル

P「え、ええと……そ、そんなことない……かな?」

亜美「ほら」

真美「……兄ちゃんって、ロリコン?」

P「どうすればいいの……?」





P(何回か遊んだけだけど、亜美ちゃんにはだいぶなつかれたなぁ)

P(それにしても、亜美ちゃんはいつもここにいるけど……友達とかはいないのかな……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

運動場

真「あれ、また来たんですか」

P「あ、いやだった?」

真「いえ別に……」

P「今日はこれからランニング?」

真「ええ、まあ」

P「そう、じゃ、頑張って」

真「…………」

真「Pさんって、仕事何してるんですか?」

P「え? うーん……まあ、みんなと話したりするのが仕事かな」

真「へえー……」

真「……じゃあ、ボクを外に連れて行ったりって、できないんですか?」

P「え……?」

真「どうなんですか?」

P(……うーん、どうなんだろう?)

P「ごめん、わからないや。今度誰かに訊いてみるよ」

真「ほんとですか?」

P「うん」

真「ありがとうございます!」

P(次会う時までに訊いておかないとな……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

ワーワー

P「子ども達が遊んでるな。あれは……缶けりかな? 懐かしいな」

P(……一見すると微笑ましい光景なんだよな)

P(あの子たちに何があったんだろう。どうしてここにいるんだろう)

P(俺があの子たちにしてあげられるのは、本当にただ話相手になることだけなのか……?)

P「…………」

「あっ!?」

ヒュー
コン!

P「痛っ!?」

P(な、なんだぁ?……ああ、子どもたちの蹴った缶か……)

「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか!?」

P「い、いや……大丈夫だよ。ほら、これ」

「あ、ありがとうございます……」

P(この子は……たしか前にも一度見たな)

「あ、あの……ほんとにごめんなさい!」

P「いや、いいよ。それよりも早く戻ってあげないと、みんな待ってるよ」

「う……じゃ、じゃあ、えっと……」

P「あ、そうだ。行く前に、名前を教えてくれないかな?」

やよい「あ、はい。私、高槻やよいです! えっと……じゃあ、その……ほんとにすいませんでした!」


P「やよいちゃん、か……ほんとにみんないい子なんだよなぁ……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

医務室

あずさ「あら、Pさん。どうしましたか?」

P「すいません、爪切りってありますかね? まだ新しいの買ってなくて……」

あずさ「ええ、ありますよ。はい、どうぞ」

P「ありがとうございます」

あずさ「お家、燃えたそうですね。大変でしょうけど、頑張ってくださいね?」

P「ええ。おかげさまでなんとか生活していけてますし、まだまだ頑張れますよ」

あずさ「うふふっ、頼もしいですね~。その意気ですよ」


しばらくして……


P「爪切り、ありがとうございました」

あずさ「どういたしまして~」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

P「春香」

春香「なんですか?」

P「いや、そのだな……これ、受け取ってもらえないか?」

春香「これは……クッキー? どうして私に?」

P「いや、この前実家から色々送られてきてさ。あんまりお菓子が多いもんだから、他の人にも配ろうと思って」

春香「そう、ですか……ありがとうございます。後で食べさせてもらいますね」

P「うん、そうしてくれ」

春香「…………」

P「……春香? つらそうだけど、どうかしたのか……?」

春香「ああ、いえ、なんでもないですよ?」

P「……そうか? 何かあったら言ってくれよ、力になるからさ」

春香「……ありがとうございます。優しいんですね」

春香「でも、大丈夫ですから。気にしないでください」

P「…………」

P(…………)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

小鳥「あら、Pさん。何かご用ですか?」

P「そうですね……」

1 小鳥について話をする
2 律子について話をする
3 美希について話をする
4 亜美について話をする
5 あずさについて話をする
6 春香について話をする
7 響について話をする
8 貴音について話をする
9 屋上の少女について話をする
10 真について話をする
11 やよいについて話をする

P「音無さん、菊地真って知ってますか?」

小鳥「真ちゃんですか。あの子がどうかしたんですか?」

P「この間ちょっとした知り合いになったんですよ」

小鳥「へえ、そうなんですか……へえ……ふうん……」

P「? なんですか?」

小鳥「いえなにも。あの子はあんまりPさんとの接点はないと思いますけど、知り合ったからには仲良くしてあげてくださいね。根はいい子ですから」

P(ん? なんか表面はいい子じゃないって言ってるような……?)

P「……あ、そうだ。その真に訊かれたんですけど、俺が真を外に連れて行ってあげたりってできます?」

小鳥「…………さあ、どうでしょうねぇ。私にはちょっと……律子さんに訊いてみたらいかがですか?」

P「律子にですか?」

小鳥「はい。私も、言ってしまえばPさんとそんなに変わらない仕事をしてますし。許可とか管理とか、そういった話は律子さんにした方がいいかと……」

P「わかりました。ありがとうございます」

小鳥「いえいえ、お役に立てなくてすいません」

P「そんなことありませんよ。音無さんのおかげで、俺もみんなも随分助かってるんですから」

小鳥「そう言ってもらえると嬉しいです」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


「…………」


P「…………」


「…………」


P「…………」


「…………」チラ

スタスタ……


P(……どうしたものかな)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

P「静かだなぁ……」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「なんだこれ」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P(……なるほど。仕草や表情……言葉がなくても、全く意志疎通ができないってわけじゃないのか……)


しばらくして……


P「…………」パタン

P「……意外と役に立った気がするな。タイトルで避けなくて正解だったかもしれない」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

小鳥「あら、Pさん。何かご用ですか?」

P「そうですね……」

1 小鳥について話をする
2 律子について話をする
3 美希について話をする
4 亜美について話をする
5 あずさについて話をする
6 春香について話をする
7 響について話をする
8 貴音について話をする
9 屋上の少女について話をする
10 真について話をする
11 やよいについて話をする

P「いつも屋上に女の子がいるんですけど、音無さん何か知ってますか?」

小鳥「ああ……それはたぶん、如月千早ちゃんですね」

P「如月千早……ですか」

小鳥「ええ。律子さんからは何も聞いてませんか?」

P「聞いてません。いつも俺に気がつくとどこかへ行ってしまうんですけど……どうすればいいんですかね?」

小鳥「そうですね……律子さんの考えは分かりませんが、私としては知っておくべきだと思いますので、お話しします」

小鳥「千早ちゃんは、失声症です」

P「失声症?」

小鳥「声を出せなくなる病気……こう言えば、分かりやすいでしょうか」

P(なるほど、会話してくれないんじゃなくて、会話ができなかったのか……)

P「……原因は?」

小鳥「精神的なものですね。昔受けたショックが原因です」

P「ショック?」

小鳥「……地雷を踏まないように、少しだけお教えしますね」

小鳥「弟さんを……失ったそうです」

P「!」

小鳥「私からお話しできるのは、このくらいです」

P「……ありがとうございました」


P(千早ちゃん……ただのそっけない子って訳じゃなかったのか……)

P(でも、なんで律子はこのことを教えてくれなかったんだ……?)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 貴音について
3 美希について
4 響について
5 真について
6 千早について

P「千早について訊きたいことがあるんだけど」

律子「千早ですか?」

P「ああ。どうして千早が失声症だって教えてくれなかったんだ?」

律子「ははあ、小鳥さんあたりから聞きましたか? 察するに、あまりにも相手にしてもらえないから小鳥さんを頼ったってところですかね?」

P「……まあ、そうだ」

律子「いえ、大した理由はありませんよ。失声症だと知らない方が積極的に関わろうとするかもしれないと思ったので教えなかっただけです」

P「積極的に関わろうとしたって、相手が声を出せないなら意味がないじゃないか」

律子「そうでもないと思うんですよね……私、あの子は声を出せないだけなんじゃなくて、出そうともしていないんだと思うんです」

P「出そうとしていない?」

律子「ええ。千早は、もう何年も失声症のままなんですけど、実は失声症ってのはそんなに長く続くものじゃないんですよ」

P「そうなのか?」

律子「まあ個人差はありますが、大体長くて一年程度だそうです」

P「じゃあ、失声症はもう治ってるのに声を出していないってことか?」

律子「それは分かりません。治ってるのかもしれないし、そうでないのかもしれません。もしかしたら、治ったそばからまた発症しているのかも……」

律子「いずれにせよ、千早はまだ過去の事件を引きずっているんですよ。だから、本当の意味で千早を治そうと思ったら、それをなんとかすることが必要だと思うんです」

P「そんなこと言ったって、いったいどうすればいいんだ? 千早は、俺のことを見るとどこかに行ってしまうから話すらできないぞ?」

律子「そうですか……それは困りましたね……うーん」

律子「……ちょっと思い付きませんね。次に会う時までに考えておきます」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

春香「Pさんは、どうしてここで働こうと思ったんですか?」

P「あー……俺、大学卒業したのに就職できなくてさ……ある日、街をふらふらしてたら院長に出会って、ここに誘われたんだよ」

春香「へえ、そうなんですか……」

春香「……いつまでですか?」

P「え?」

春香「いつまで、ここで働く予定なんですか? 次の仕事が見つかったら、すぐにでも辞めちゃうんですか?」

P「……実を言うと、まだ決めてない。でも、そうだとしても先の話だ。とりあえず家を探さないといけないし……少なくとも今年度はここにいると思う」

春香「そうですか……」

P「ああ、だから安心してくれ」

春香「…………」

P「おっと、そろそろ行かないと……またな、春香」

春香「………………せんよ」

P「? なんか言ったか?」

春香「いえ、なんでもありません。また来て下さいね」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭

P「この前見た、土が剥き出しの所に行ってみようかな」

しばらくして……


P「……ん? なんだこれ。マンホールの蓋みたいだな……」

P(よくわからないが、下水道に通じているのかな?)

カタッ

P「!?」ビクッ

ズズズ……

「ふぅ」ヒョコッ

P(あ、穴から女の子が出てきた……)

「……ひぅ!?」ビクッ

P(気づかれたか)

P「え、えっと……こんにちは?」

「あ……こ……こんにちはっ!」シュポッ

P「引っ込んだ……こんにちはって、別れの挨拶だったっけ」

P「…………」

P「とりあえず、戻しておいてあげるか……」ズズズ……

中庭

P「この前見た、土が剥き出しの所に行ってみようかな」

しばらくして……


P「……ん? なんだこれ。マンホールの蓋みたいだな……」

P(よくわからないが、下水道に通じているのかな?)

カタッ

P「!?」ビクッ

ズズズ……

「ふぅ」ヒョコッ

P(あ、穴から女の子が出てきた……)

「……ひぅ!?」ビクッ

P(気づかれたか)

P「え、えっと……こんにちは?」

「あ……こ……こんにちはっ!」シュポッ

P「引っ込んじゃった……こんにちはって、別れの挨拶だったっけ」

P「…………」

P「とりあえず、戻しておいてあげるか……」ズズズ……

連投ミス

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭

P「前のはいったいなんだったんだろう……ん?」

「…………」

P(穴から、この前の女の子が顔を出してこっちを見ている……)

「……あ、あの……」

P「えっと、なにかな?」

「こ、この前は、逃げたりしてごめんなさい……」

P「ああ、別にいいよ。それより、君の名前を教えてくれないかな」

雪歩「えっと、私、萩原雪歩って言います」

P「そっか。俺はここの職員のP。よろしく、雪歩ちゃん」

雪歩「あ、はい……よ、よろしくお願いしますぅ」

P(……ちょっと怯えられてる?)

雪歩「そ、それじゃ、また……」

ズズズ……ゴトン


P「……結局この穴はなんなのか訊きそびれちゃったな」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭

P「やあ、雪歩ちゃん」

雪歩「こ、こんにちは……Pさん」

P(また穴から顔だけ出してる……)

P「……ちょっと訊いていい? その穴はいったいなんなのかな?」

雪歩「あ、えっと、これは……私のお父さんが作ってくれたんです」

P「え? 雪歩ちゃんのお父さんはここの職員なの?」

雪歩「ち、違います……」

P「……ここの職員じゃないのに、ここで穴を掘ったの?」

雪歩「あ、掘ったのはたぶん、お弟子さん達ですぅ……」

P(お弟子さん? なんだそりゃ)

雪歩「お弟子さん達が、私のために……わ、私の……」

雪歩「……うぅ……わ、私なんかのために穴を開けちゃって……ご、ごめんなさい!」シュポッ


P「えっ」


P「…………」


P「…………」ズズズ……

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

美希の部屋

コンコン
ガチャ

P「……あれ? いない?」

P(どこに行ったんだろう……前みたいに廊下をうろついているのかな?)

美希「…………」スッ

P「!?」ビクッ

美希「…………」ボフッ

P(お、驚いた……突然後ろから隣を通りすぎていくなんて思わなかった)

美希「…………」

P「……ねえ、美希ちゃん」

美希「…………」

P(寝てるのか……)

美希「…………」

P「…………」

P(……美希ちゃんにとっては、寝ている時が……いや、寝ている時だけが、幸せなんだろうか……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子ー……は、いないのか」

P(忙しいんだろうなぁ、パソコンがつけっぱなしだ……まあ、大した画面でもないから問題ないけど)

律子「あれ、Pさん?」

P「おっ、律子か。ちょうどよかった」



1 今度飲みにいかないか
2 貴音について訊きたいんだけど
3 美希について訊きたいんだけど
4 響について訊きたいんだけど
5 真について訊きたいんだけど
6 千早について訊きたいんだけど
7 雪歩について訊きたいんだけど

P「美希ちゃんについて訊きたいんだけど」

律子「なんですか?」

P「あの子、ちゃんと食事とかしてるのか?」

律子「……一応、してはいます。美希はたしかにずっと寝てはいますが、食事や排泄の時は目を覚ますんですよ」

P「そうなのか? ……でも、なんだか痩せていってないか?」

律子「どんなに食事をさせたところで、ほぼ一日中寝たきりでいれば当然筋肉が落ちます……そしてなにより問題なのが……彼女自身に、生きる目的がないことです」

P「生きる目的?」

律子「ええ。生きる目的がないので、彼女はほとんど活動しません。ただの入院患者とは訳が違いますよ。筋力は低下し、そのうち歩くことさえ困難になるかもしれません」

P「……それでも、動かなければ?」

律子「……医者でもないのに、滅多なことは言えませんよ」

P「…………」

律子「……できることなら、私だってなんとかしてあげたいんですけどね……」

P「…………」

P(生きる目的……か)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

美希「…………」スッ

P「!?」ビクッ

美希「…………」ボフッ

P(お、驚いた……突然後ろから隣を通りすぎていくなんて思わなかった)

美希「…………」



ボフッって何なんだよ。屁でもしたのか

事務室

小鳥「あら、Pさん。何かご用ですか?」

P「そうですね……」

1 小鳥について話をする
2 律子について話をする
3 美希について話をする
4 亜美について話をする
5 あずさについて話をする
6 春香について話をする
7 響について話をする
8 貴音について話をする
9 千早について話をする
10 真について話をする
11 やよいについて話をする
12 雪歩について話をする

P「律子って、忙しそうですよね」

小鳥「…………」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

P「違います。別に音無さんが暇そうだって言ってる訳じゃないです」

小鳥「まあ、実際律子さんは忙しいですよ。事務仕事もしながらみんなの面倒も見てますし」

P「音無さんもじゃないですか」

小鳥「いえ、私は最近はあまりしてないんですよ……その代わり事務や清掃をさせてもらってますけど」

P「へー」

小鳥「へーってなんですかへーって」

P「いえ別に深い意味は……ところで、律子ってどうしてここで働いてるんですか?」

小鳥「なんで私に訊くんですか。そんなの本人から聞けばいいじゃないですか」

P「訊いてみたんですけど、はぐらかされちゃいまして」

小鳥「本人が答えたがらないことを私が言うわけにはいきませんよ」

P「そうですか」

小鳥「……ま、ひとつだけ言っておくなら、律子さんは自分の意思でここにいるってことですかね」

P「自分の意思で……」


小鳥「ちなみに私も自分の意思でここにいるんですよ」

P「そうですか」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子ー」

律子「はい?」


1 今度一緒に飯食べに行かない?
2 貴音について訊きたいんだけど
3 美希について訊きたいんだけど
4 響について訊きたいんだけど
5 真について訊きたいんだけど
6 千早について訊きたいんだけど
7 雪歩について訊きたいんだけど

P「あのさ、雪歩が使ってる穴って、どういう理由で作られたんだ?」

律子「あー、あれですか。えっと、雪歩がここにいる理由ってもう知ってますかね?」

P「いや、知らないな」

律子「そうですか……そことちょっと関係があるんですよね」

P「そうなのか?」

律子「はい。まあざっくり説明しますと、雪歩が穴に入るのが好きなんですよ。それで、雪歩の父親がどうしてもと頼むんで、作ることを許可したんです。色々してくれた上に、工事費は向こうが全面負担してくれましたしね」

P「へえ……じゃあ、あの中庭の穴は雪歩の病室に通じているのか」

律子「…………」

P「え、なんで黙るの」

律子「……ここだけの話、あの穴は施設のあちこちに通じてるんです。蟻の巣みたいに」

P「えっ!?」

律子「他の人には内緒ですよ? とくに、小さい子達が勝手に入ったりすると困るんで……まあ、一応そうと知ってなければ見つけられないようにカモフラージュはされてるんですけどね」

P「なんか怖いな……」

律子「ちなみに、事情を知ってる人の中には、あの穴をユキホールと呼んでいる人達がいるそうですよ」

P(ユキホール……不思議な響きだ)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子ー」

律子「はい?」


1 今度一緒に映画見に行かないか?
2 貴音について訊きたいんだけど
3 美希について訊きたいんだけど
4 響について訊きたいんだけど
5 真について訊きたいんだけど
6 千早について訊きたいんだけど

P「千早の件、何か思いついた?」

律子「あ! そうでした、時間がある時に話そうと思ってたのに、すっかり忘れちゃってましたよ」

P「つまり、何か思いついたのか?」

律子「ええ。ま、何もしないよりはましだろうって程度の案ですけどね」

P「なんでもいい、聞かせてくれ」

律子「Pさん、千早と一緒に街に出てみてくれませんか?」

P「……どういうことだ?」

律子「えっとですね……今の状況って、千早にとって良くないと思うんですよ」

律子「自力で立ち直るような感じでもない以上、誰かのサポートが必要なのに……私達は忙しくてあまり役に立てませんし、千早自身、友達を作るようなタイプでもありません」

P「まあ、そうだな……」

律子「だから、ここはいっそ治療のためだとか適当な理由をつけて、多少強引でもいいので千早といっしょに過ごしてみるんです」

律子「せめてリフレッシュぐらいさせてあげられれば、あの子が前に進む手助けになると思うんですけど……どうですかね?」

P「ふむ……」


1 いいと思う
2 それはどうかな

P「いいと思う。今のままじゃ、ろくに話もできないからな」

律子「そうですか。じゃあ、お願いします」

P「ああ……でも、俺が街に行ってる間、他の子達の相手ができないな」

律子「大丈夫ですよ。別に毎日朝から晩までってわけでもないですし、そもそもちょっと前まではPさん抜きでやってきてたんですから」

P「……ま、そうだな。じゃあ、えっと……」

律子「ええ。千早には私の方から話しておきます」

P「悪いな、ありがとう」

律子「それはこっちの台詞ですよ。Pさんが来てくれたおかげで、私達みんな助かってるんですから」

P「そんなに大したこともしてないけどな……」

律子「すごいことをしてる人は、大抵そう言うんですよ」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


千早「…………」

P「えっと、千早ちゃん。律子から話は聞いてるかな?」

千早「…………」コク

P「そっか、じゃあ、改めて自己紹介するよ。俺はここの職員のP。よろしくね」

千早「…………」サラサラ

P(メモ帳?)

千早『如月千早です。よろしくお願いします。それと呼び捨てで結構ですから』

P「……わかった。よろしく、千早」

千早「…………」コク

P「じゃあ、今日はこのくらいで。外に出る日は、事前に連絡するから」

千早「…………」コク


P(よかった。ちゃんとコミュニケーションはとってもらえるみたいだ)

P(それにしても、メモ帳は前から持ってたのかなぁ…………持ってたんだろうなぁ……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

エントランス

P「……お、来たか。おはよう千早」

千早「…………」コク

P「じゃあ、行こうか」

千早『どこに行く予定なんですか?』

P「んー、今日はとくに予定はないかな」

千早「……?」

P「今はここに住んでるけど、元々俺は少し離れた所に住んでたからこの辺りのことをよく知らないんだよ」

P「だから、ちょうどいい機会だしこの辺を千早と一緒に見てまわろうと思ってるんだけど……駄目だったか?」

千早「…………」

千早「…………」フルフル

P「そうか、よかった。それじゃあ行こう」




P「へぇー」

P(いつもまっすぐ院に向かってたから気がつかなかったけど、そんなに小さな街でもないんだな)


しばらくして……

P(うん、だいたい見てまわれたかな)

P(千早の様子は……)チラ

千早「…………」

P(いつも通りの表情……いや、微かに不快な感情が表れてるな。まあしょうがないか)

P「悪いね、俺もこの辺りに慣れてないから……退屈だったかな?」

千早「…………」コク

P「うっ……ごめん、次からはちゃんとできるようにするよ」

千早「…………」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

動物保護施設


P「うーん……相変わらず凄いな。犬に猫にハムスターに……」

P「シマリスにオウムにウサギにブタに……」

P「ヘビにワニにエリマキトカゲ……いったいこんなにどこから連れてきたんだ」

響「飼い主が連れてきたり、警察が連れてきたり、いろいろだな」

P「へー……で、餌代は院がもってるわけか?」

響「……そりゃそうでしょ。自分じゃ……」

響「……絶対に……無理だぞ」

P「ふーん」

P(これだけ数がいたら、餌代も結構かかるんだろうなぁ……)

P「……あれ? そう言えば、この前いたあの犬がいないな。人懐っこくてかわいかったのに……どうしたんだ?」

響「…………」

P「響?」

響「……いつまでも喋ってないで、手を動かしてよ。まだ餌やり終わってないでしょ」

P「? わ、わかった」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子ー」

律子「はい?」


1 お茶でも飲んで……話でもしようや……
2 貴音について訊きたいんだけど
3 響について訊きたいんだけど
4 真について訊きたいんだけど

P「響ってどういう経緯で中庭の動物保護施設の管理任されてるんだ?」

律子「経緯って言われても、別に大したことはありませんでしたよ?」

律子「院長が動物保護施設を作ってはどうだろうとか言い出して、たまたまそれを聞いた響が猛賛成しまして」

律子「人手不足だから駄目って言ったのに二人がどうしてもって言うんで、仕方なく響が全面的に管理責任をもつことを条件に許可したんです」

P(要するに、スケールの大きい『ママ、ペット飼いたい!』か……)

P「……しかし、それだけ熱心に頼むってことは、よっぽど動物が好きなんだな」

律子「そのようですね。実家でも何匹かペット飼ってたそうですよ?」

P「ふーん」



P「ふぅ、仕事も終わったし、そろそろ部屋に戻ろうかな……」

春香「お疲れ様です」

P「うおっ!? ……なんだ春香か……おどかすなよ」

春香「あはは、ごめんなさい」

P「えっと、何か用なのか?」

春香「いえ、特には。見かけたから話しかけただけです」

P「そうか」

春香「疲れてそうですね、肩でも揉みましょうか?」

P「え? ああ、じゃあ、頼もうかな」

春香「それじゃ、失礼しますね……」

グッグッ

P「おお、いい感じだ……最近肩がこってるからなぁ……」

グッグッ

春香「そんなに気持ちいいですか?」

グッグッ

P「うん、いいよ……」

グッグッ

春香「それじゃあ、これからもずっとしてあげましょうか?」

グッグッ

P「ははは、それじゃ流石に春香も大変だろうから、遠慮しておくよ」

グッグッ

春香「そうですか……」

グッグッ

P「……おっと、もうこんな時間か。春香、そろそろ消灯だぞ」

グッ

春香「そうですね。それじゃ、私はそろそろ部屋に戻りますね」

P「ああ、おやすみ春香」

春香「おやすみなさい、Pさん」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭

ワーワー


P「今日は……だるまさんが転んだ、か」

P(あの子達に風呂場でのだるまさんが転んだの話を教えてあげたらどうなるのかなぁ……泣かれちゃうかなぁ……)


やよい「あっ、あの、えっと……」


P「ん? あ、こんにちはやよいちゃん」

やよい「は、はい! こんにちは!」

P「やよいちゃんは、今日はみんなと遊ばないの?」

やよい「私、さっき学校から帰ってきたばっかりなんです」

P「ああ、そうなんだ」

P(この院っていろんな施設の役割を持ってるから、学校に行ってる子と行ってない子がいてややこしいんだよなぁ)

やよい「え、えっと、その……名前をきいてもいいですか……?」

P「あ、ごめんごめん。まだ自己紹介したことなかったね……俺はP、ここの職員だよ」

やよい「Pさんですかー……」


「やよいお姉ちゃーん!」
「早く早くー!」


やよい「あ、呼ばれてる……」

P「はは、人気者だね、やよいちゃんは」

やよい「…………」

P「? どうしたの?」

やよい「え、えっと、その……Pさん……できれば、できればでいいんですけど……」

やよい「また今度、私とお話ししてくれるとうれしいかなーって……」

P「ああ、そんなことか。いいよ」

やよい「ほ、本当ですか!?」

P「うん。俺でよければいつでもいいよ。だから今は、早くあの子達のところに行ってあげなよ」

やよい「わ、わかりました! それじゃ、行ってきますね!」

P「うん、行ってらっしゃい」

タタタ……


P「…………」

P(やけに嬉しそうだったな……なんでだろう)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

亜美「!」

P「あ。久しぶり、亜美ちゃ……」


亜美「兄ちゃーーーーーーん!!!」ダッ!


P「!?」

ドゴッ

P「おっ……おぐぁ……」

亜美「遅い! 遅すぎだYo! 亜美、ずっとずっと寂しかったんだかんね!?」スリスリ

P「ぐ、ごふっ……ご、ごめん……」

亜美「でも亜美信じてたよ! 兄ちゃんは絶対また会いに来てくれるって!」

真美「亜美……いったん兄ちゃんから離れなよ。苦しそうじゃん」

亜美「やだ! これは兄ちゃんへの罰だもん!」

P「ま、まぁまぁ……俺は別に気にしないよ、真美ちゃん」

真美「……まあ、それならいーけど」

亜美「…………」ギュウ~

P「…………」

P(亜美ちゃん、しばらく会わない内にまたずいぶんパワフルになったというか……なんというか……)

P(……待てよ。そういえば前も思ったけど、亜美ちゃんには他に友達がいないのか……? いつもここにいるよな……)

P(うーん……)

P「……ねえ、亜美ちゃん」

亜美「んー? なにー?」


1 友達とかいないの?
2 今日は何して遊ぶ?

P「今日は何して遊ぶ?」

亜美「んーとねー、今日はー……」

真美「…………」


しばらくして……


P「じゃあ、そろそろ帰るよ」

亜美「うん! またね、兄ちゃん!」

P「またね、亜美ちゃん」


真美「…………」

亜美「あれ? どーしたの? 真美」

真美「……なんでもない」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

運動場

ワーワー

P「……今日は野球してるのか」

P(偏見だけど、不良って大抵野球部かサッカー部にいるよなぁ)

P「……しかし、運動場っていつもあいつらしかいないな……他の子達は使わないのか?」

P「…………」

P「いや、使えないんだな……怖い顔した奴が大勢いるんだ、小さい子達は近づくことすらできないか」


カキーン!


P「お、ホームラン」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

P「たまには仕事の息抜きも必要だよな」

P「さて、何か適当な本でも読んでいくか」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『私が見たもの ―バル・ベルデの悪魔―』

P「海外の小説の和訳版か……」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「…………」パタン

P「宇宙人……か。果たして本当にいるのかねぇ……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

エントランス

P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

遊園地

P「へえ、けっこう客がいるな」

千早「…………」

P(ここなら声が出せなくても楽しめるだろう)

千早「…………」チラ

P(うんうん、アトラクションもいい感じじゃないか……まずはどこから攻めようかな……)

千早「…………」チラ

P(……? さっきから千早はどこをチラチラ見てるんだ?)

P「……ん?」


マスコット「ヂュイッ」


千早「…………」チラ

P「……千早?」

千早「!」サッ

P(……ふーん)

P「なあ千早。俺、あのマスコットの写真撮りたくなったんだけど、協力してくれないか?」

千早「…………」

千早「…………」コクッ

P「よし、決まりだ。スイマセーンッ」


P(案外……と言ったら失礼だけど、かわいいものとか好きなのかな)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

真美「……おはよう、兄ちゃん」

P「おはよう真美ちゃん……あれ? 亜美ちゃんは?」

真美「んー……ま、入りなよ。変な目で見られちゃうよ?」

P「え、ああ、うん……」

バタン

P「それで……亜美ちゃんは? トイレ?」

真美「違う」

P「……そ、そっか」

P(なんとなく気まずい……そう言えば、真美ちゃんとはあんまり話したことないよな……)

真美「…………」

P「……い、いい天気だね」

真美「そうだね」

P「…………」

真美「…………」

P(……あれ? もしかして俺って嫌われてる?)

真美「ねえ兄ちゃん」

P「! ……な、なに?」

真美「亜美のこと、どう思ってるの?」

P「え? ……ええと……」

真美「答えられない?」

P「…………」

P(なんなんだいったい……?)


1 友達のように思ってる
2 妹のように思ってる
3 患者だと思ってる

P「妹みたいに思ってるよ」

真美「…………」

P「俺には妹はいないけど……亜美ちゃんと一緒にいると楽しいし、もし妹がいたらこんなだろうなって……感じる」

真美「……ふぅん」

P「…………」

真美「…………」


バァン!


亜美「真美~疲れたYo~……って、兄ちゃん!?」

P「あ、亜美ちゃん。お邪魔してるよ」

亜美「うぅん全然いいよ! やったー! 兄ちゃん兄ちゃーん!」バッ

P「うおっ……ととと……」

真美「亜美? いきなり飛びついたりしたら危ないよ?」

亜美「だいじょぶ! 兄ちゃんが受け止めてくれるから!」

P「はは……」チラ

真美「?」

P「…………」

P(もういつもの感じだ……亜美ちゃんの前では普段通りなのか)

亜美「んん? ダメだよ兄ちゃん! いくら兄ちゃんでも真美は渡さないかんね!」

P「そ、そんなつもりはないよ」

亜美「ほんとにー?」

P「ほんとほんと」

亜美「んー、じゃあいいよ、許してあげる」

P「あはは……ありがとう」


真美「…………」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂


P「あれ? 響?」

響「ん? ああ、Pか……何?」

P「いや、別に。響もここを利用してるんだなーって思ってさ」

響「そりゃそうでしょ。ここの子は大体ここを使ってるんだから」

P「ああ、言われてみればそうだな」

響「中には例外もいるけどね。ま、タダでこれだけ美味しいものが食べられるなら普通みんなここを使うぞ」

P「…………」

P(タダで……か。流石にここの資金源が気になってくるな……)


P「ところで、それなんだ?」

響「ソーメンだけど?」

P「へー。ここのソーメンってチャーシューのってるのか」

響「……あー、いや、これは自分が頼んだからだな」

P「ふーん」

P(チャーシュー好きなのかな?)

翌日

小鳥「おはようございます」

P「あ、おはようございます」

小鳥「…………」

P「な、なんですか?」

小鳥「いいですよねPさんは……出勤に雨とか関係なくて」

P「え? ああ……なるほど、そう言えばもう梅雨ですか」

小鳥「ええ。おかげで出勤が面倒で仕方ないですよ」

P「まあ、頑張ってください」

小鳥「気楽そうですね……」

P「実際あんまり関係ないですからね」

P(代償として家が燃えてるけど……)

小鳥「あーあ……ウェザーリポート欲しいなー」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

>>348修正

翌日

小鳥「おはようございます」

P「あ、おはようございます」

小鳥「…………」

P「……な、なんですか?」

小鳥「いいですよねPさんは……外に出る用事とかなくて」

P「え? ああ……なるほど、もう梅雨ですもんね」

小鳥「ええ。今日なんかも郵便局まで行かないといけないのに、雨のせいで面倒で仕方ないですよ」

P「まあ、頑張ってください」

小鳥「気楽そうですね……」

P「実際あんまり関係ないですからね」

P(家が燃えたことによって得た数少ないメリットとでも言うべきか……)


小鳥「あーあ……ウェザーリポート欲しいなー」

外庭

P「…………」

春香「あ、Pさん。おはようございます」

P「ああ、おはよう」

P(まさか雨の日もいるとは思わなかったが……なるほど、ギリギリ雨が当たらない場所なのか……)

P(いや、でも、それにしたって……)

春香「どうかしましたか?」

P「……どうしてここにいるんだ?」

春香「はい?」

P「いや、たしかにここの眺めはいいけど……それでも、春香がいつもいるそこは日当たりもよくないし、寒いじゃないか」

春香「うーん……まあ、そうですね」

P「雨の日ぐらい、中にいてもいいんじゃないのか? 風邪をひいたりしても困るだろ?」

春香「……やっぱりPさんって、優しい人なんですね」

P「いや、普通だよ」

春香「まあ、Pさんがそこまで言うならそうしますか……よいしょっと」

春香「ふう……それじゃ、行きましょうか」

P「ああ……ん?」

P(さっきまでは春香の陰になってて見えなかったけど……なんだ、あれ……お菓子の……箱?)

春香「Pさん?」

P「ん、ああ、悪い。行こうか」

P(あの箱……なんか、見覚えがあるような……?)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

エントランス

P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

映画館

P「へえ、ここの映画館は昔の映画もやってるのか」

P(映画なら、見てるだけでいいから千早も楽しめるだろう)

P「ええと、見たい映画とかある?」

千早『特にありません』

P「そっか、じゃあ……うーん」

P(この古そうな洋画でいいか)


しばらくして……


P「…………」

P(不覚にも泣いてしまった……コーフィ……)

千早「…………」

P「……それじゃ、そろそろ帰ろうか」

千早「…………」

千早「…………」コク

P(……ん? なんか千早、不満そうな感じだな……)

P「……えっと、面白くなかった?」

千早『いえ、とてもいい映画だったと思います』

P「…………」

P(あまり明るい映画でもなかったから、気分が沈んでいるのかな……?)


千早「…………」

翌日

高木「やあ」

P「あ、院長。おはようございます」

高木「うむ、おはよう。……君もここで働きだしてそろそろ二ヶ月か。早いものだ」

P「ええ、そうですね」

高木「今後どうするかについては考えているのかね?」

P「……すいません、まだ決めきれなくて……」

高木「構わないよ。君の人生だ、納得がいくまで考えるといい。その結果君がどのような選択をしても、私はそれを支持するよ」

P「ありがとうございます。……ところで、院長はいつもどこにいるんですか? 院長室にはいませんよね?」

高木「……ん、まあ、いろいろと用事があってね……おっとすまない、そろそろ出かける時間だ。失礼するよ」

P「? は、はあ……」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


P「……お?」

P(ここの図書室、パソコンも置いてあるのか……ん? あれは……)


響「…………」カチカチ


P「響?」

響「ん? あ、はいさい、P」

P「はいさい?」

響「ああ、はいさいってのは、うちなーぐちで……えっとつまり、沖縄の言葉で……」

P「響って沖縄出身だったのか?」

響「んー、まあね」

P「ふーん。で、何してんだ?」

響「バイト探し」

P「えっ? バイトなんかしていいのか?」

響「? 自分、今もしてるぞ?」

P「まじで?」

響「うん」

P「…………」

P(未だに響のことがよくわからないな……施設の管理任されてたりバイトしたりしてるって、ここの子にしては珍しいよな?)

P(少なくとも少年院系じゃない……かといって精神院系でもなさそうだし……孤児院系なのか?)

P(でも、流石に『孤児なのか?』とは訊けないよなぁ……)

響「? どうかしたのか?」

P「……いや、なんでもない。頑張れよ」

響「え、あ、うん……?」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子ー……は、いないのか」

P「……ん、またパソコンがつけっぱなしだな……」

P(これは……経理的な何かかな? よくわからないけど……)

P(……ん? この『M資金』ってなんだ……?)

律子「あっ! ちょっとPさん! なに人のパソコン覗いてるんですか!」

P「うおっ!? す、すまん!」

律子「まったく……まあ、つけっぱなしで場を離れた私も悪いとは言え、こういうのはやめてくださいよ?」

P「ああ、気をつける……ところで律子」

律子「なんです?」



1 今度一緒に街に出掛けないか?
2 貴音について訊きたいんだけど
3 真について訊きたいんだけど
4 『M資金』について訊きたいんだけど

P「その、画面にある『M資金』ってなんなの?」

律子「…………」

P「…………」

律子「…………です」

P「え?」

律子「ある団体からの寄付金のことです! いいじゃないですか! 正式な資料でもないんだし、ちょっとくらい遊んだって!」

P「ど、どうしたいきなり……落ち着け」

律子「うぅ……失敗したぁ……」

P「……ま、まあ、いいと思うよ? 少しくらい遊んでも……」

律子「もうほっといてくださいよ……しばらくしたら立ち直れますから」

P「わ、わかった……」

律子「はぁ……」

P「……あ、最後に、もうひとつだけ」

律子「なんですかP殿」

P「ある団体ってなに?」

律子「ああ、水瀬グループです」

P「えっ、あの水瀬グループ?」

律子「ええ。あの水瀬グループです」

P「すごいな……なんでまた」

律子「なんでも、代表が院長の古い友人だとか」

P「へえ~」

律子「ちなみに、代表の娘さんもよくうちに来てくれてるんですよ? 会ったことありませんか?」

P「うーん……ないと思う」

律子「そうですか。ま、そのうち会うかもしれませんね」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

医務室

P「こんにちは、あずささん」

あずさ「こんにちは、Pさん。今日はどういったご用でしょうか?」

P「今日もあずささんに会いにきました」

あずさ「あ、あら~」


1 会話する
2 デートに誘う

P「今度いっしょに街に行ってもらえませんか?」

あずさ「え? えっと……それは、どういうことですか?」

P「いえ、ちょっとあずささんと出かけてみたくなりまして……あ、もちろん嫌ならいいんですけど」

あずさ「い、いえ! 嫌なんかじゃありません」

P「そうですか?」

あずさ「はい、私なんかでよければ、ご一緒させていただきます」

P「よかった。じゃあ、俺も仕事に戻りますね。また今度」

あずさ「はい! 連絡、待ってますね」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

事務室

P「律子」

律子「はい?」



1 今晩Do-Dai?
2 貴音について訊きたいんだけど
3 真について訊きたいんだけど

P「なんで貴音って屋上の鍵を持ってるんだ?」

律子「まあ、本人が希望したからですね」

P「本人が希望したからって、そうホイホイと渡すわけでもないだろ?」

律子「そうなんですけど……えっと、貴音の事情は知ってますか?」

P「記憶喪失だっけか」

律子「はい。その貴音が、夜空を見ていると何か不思議な気持ちになるって言うんですよ? 貸さざるを得ないでしょう」

P「まあ、文字通り記憶を取り戻す鍵になるかもしれないってんなら、そうかもな」

律子「それに一応貴音は18歳らしいですし、院にいるのも治療のためというよりは保護のためですから、私達と同じで消灯時間なんかが適応されてないんですよ」

律子「ですから、まあ、いいかな……と。悪用しそうな子でもないですし、院長からもよろしく頼むと言われてますから」

P「ふぅん」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

中庭

P(お、またいる……なんだかリセットさんを思い出すなぁ)

P「こんにちは、雪歩ちゃん」

雪歩「ふぇ!? ……あっ、Pさん……お、おはようございますぅ」

P(うーん、やっぱりなんだか怯えられてるような感じだな)

P「いつもここにいるよね。ここが好きなの?」

雪歩「は、はい……」

P「そっか。わかるよ、いい場所だもんね」

雪歩「…………」コク

P「ところで、どうして穴に入ってるの?」

雪歩「えっ……」

P「あ、訊いちゃだめだった?」

雪歩「い、いえ……その……そうじゃなくて……」

雪歩「……怖いんです」

P「怖い?」

雪歩「はい。怖いんです……広い場所が」

P「…………」

雪歩「小さい時からそうだったんですけど……だんだん、より怖くなっていって……今はもう、外に出られないんです」

P「でも、今こうしてここにいるよね?」

雪歩「ここは、一応囲まれているので……それにここでも、穴からは出られないんです」

P(なるほど、そのための穴だったのか)

雪歩「あ、そ、そろそろ行かないと……ごめんなさい、Pさん」

P「いやいいよ、いってらっしゃい」

雪歩「し、失礼しますぅ」ズズズ

P「…………」

P(…………外の世界は怖いけど、穴なら平気……ね)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

食堂

P「C定食ひとつ」

「はーい! ……あっ! Pさん!」

P「ん?」

やよい「こんにちは!」

P「やよいちゃん? こんな所で何を……」

やよい「私、たまにここのお手伝いしてるんですよ」

P「へえー、偉いなぁ。ところで、俺の注文は……」

やよい「はわっ! ご、ごめんなさい! すぐにC定食用意しますね!」

P「うん」

P「…………」

P(学校に行って、帰って来たら子供達の遊び相手になって、食堂の手伝いもしてるのか……)

P(大変……なんだろうな。なのに俺は、話し相手になることしかできないのか……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

事務室

P「律子」

律子「はい?」



1 ここに遊園地のチケットが二枚あります
2 真について訊きたいんだけど

P「ここに遊園地のチケットが二枚あります」

律子「はあ……それで?」

P「……いやさ、律子っていつも忙しそうだから、たまには羽を伸ばしてほしいなーって思って……」

律子「なるほど……ですが、ご存知の通り忙しいので行けません」

P「やっぱり?」

律子「まず休みがないですから」

P「いつ休んでるのかずっと気になってたんだけど、まさか本当に休んでないのか?」

律子「ええまあ……元々年中無休の職場ですし。せめて人数がいればまだ休みもとれるんですけどね」

P「そのうち体壊すんじゃないか?」

律子「もう慣れましたよ。それに、休んでないって言うならPさんだってそうじゃないですか。たしかまだ一回も休んでないですよね?」

P「俺はまあ……律子より楽な仕事だし」

律子「……ひとつ忠告しておきますけど、そのうちここを出て別の仕事に就くつもりでしたら、さっさと家と職を探したほうがいいですよ」

P「…………」

律子「ま、それはともかくとして……そろそろ仕事に戻らせていただきますね」

P「……ああ、俺もそうするよ」

律子「…………」

律子「……そう言えば、いい忘れてました」

P「なんだ?」

律子「気持ちは嬉しかったですよ。ありがとうございました」

P「ん、どういたしまして」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

エントランス

P「あ。あずささん」

あずさ「お待たせしました~」

P「お仕事の方は大丈夫なんですか?」

あずさ「はい。もともと医務室に来る子はあまりいませんし、何かあったら連絡が来るようにしてきましたから……そういうPさんは大丈夫なんですか?」

P「他のみんなと違って忙しい仕事は任されてませんからね……それに、ちゃんと半日休むと連絡しましたから」

あずさ「そうですか。でも、Pさんのお仕事ってけっこう大事なお仕事だってこと、忘れないでくださいね?」

P「もちろんです」



P「それでですね、…………」

あずさ「あら、そうなんですか?」

P「はい、そうなんですよ」

あずさ「うふふっ、Pさんらしいですね」

P「ははは」

P(……そろそろ歩き疲れてきたな)

P「あずささん、どこかで休憩でもしませんか?」



P「……あれ?」

P「あ、あずささん?」キョロキョロ

P「……あ! い、いつのまにあんな所に……あずささーん!」


しばらくして……


あずさ「すいません……私、小さい時から迷子になりやすくて……」

P「ははは……」

P(ほんの数秒目を離した間に消えるのは、もう迷子癖とかを超越してる気が……)


そして……


エントランス

あずさ「今日は楽しかったです。ありがとうございました……また誘ってくれますか?」

P「ええ、勿論」

あずさ「あ、でも、あまり仕事に支障が出ないようにしてくださいね?」

P「わかりました。それじゃ、また」

あずさ「はい♪」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

亜美の部屋

亜美「うあうあ~! 退屈だよ~! 兄ちゃんなんとかしてよー!」

P(最近亜美ちゃんの定位置が俺の膝の上な件について……いやいいんだけど、むしろウェルカム)

亜美「……? 兄ちゃん?」

P(いい匂いするなぁ……膝にも嬉しい感触が伝わってくる……ずっとこうしていたい……)

亜美「おーい、兄ちゃーん」ベシッ

P「痛っ!?」

亜美「あ、起きた」

P「……ありがとう、目が覚めたよ」

亜美「?」

P「それで、えっと、なんだっけ」

亜美「だからー、退屈だから兄ちゃんがなんとかしてって」

P「なんとかしてって言われてもなぁ……うーん」

亜美「はやくはやくー」

P「ちなみに、俺がいない時はいつも何してるの?」

亜美「退屈してるよ」

P「……今度ゲームでも貸してあげようか?」

亜美「本当!?」

P「うん」

P(焼けちゃったからいくつか買い直したはいいけど、結局ほとんどしてないしな)

亜美「あ……でもやっぱいいや、いらない」

P「え? なんで?」

亜美「……なんででも! それよりジャンケンしよ! 負けたら服一枚脱いでくこと!」

P「野球拳は亜美ちゃんにはまだ早い!」

亜美「えー」


真美「…………」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

中庭

雪歩「……ふぅ」

P「……あれ? 雪歩ちゃん、なにそれ」

雪歩「あ、Pさん……こ、これは湯呑みと急須と言うもので……」

P「いやそれは知ってるよ!」

雪歩「ひっ……ご、ごめんなさい」

P「あっ、いやその……」

P(てっきりツッコミ待ちかと思ったのに……まさか素だとは……)

P「……お、お茶が好きなの?」

雪歩「あ、はい……」

P「へえー」

雪歩「……えっと、Pさんも飲みますか……?」

P「いいの?」

雪歩「はい。あ、でも、湯呑みひとつしかない……どうしよう……」

P「んー、それなら今回は遠慮しておくよ。また今度飲ませてくれるかな?」

雪歩「じゃあ、次からは湯呑みをふたつ用意しておきますね」

P「ごめんね、ありがとう」

雪歩「ど、どういたしまして」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

廊下

ガヤガヤ

P「……? あっちの方から賑やかな声がするな」


しばらくして……


広間

P(ああ、そう言えば今日はレクリエーション?の日だったな)

P(ええと……子供達が友達をつくり仲良くできるようにする時間だっけか)

P「……ん?」


亜美「…………」


P(あれは……亜美ちゃん? )


亜美「…………」


P(……見るからに退屈そうだ。無気力そうに隅っこでボーッとしてる)


亜美「…………」


P(俺の前ではいつもあんなに元気なのに……いや、もしかして元気なのは真美ちゃんと俺の前でだけなのか……?)

P(…………)

P(……とりあえず、ここを離れよう)

P(俺が言っても何にもならないし、なによりこんな所、俺には見られたくないだろうからな……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

美希の部屋

ガチャ

P「……あれ? 律子?」

律子「Pさん!? ど、どうしてここに……」

P「いや、美希ちゃんの様子を見ようと思ってきたんだけど……そういう律子はどうしたんだよ」

律子「わ、私は……」

P「ん? そのおにぎりは……もしかして?」

律子「……ええ、はい、そうですよ。この子、いつ起きるか分かりませんから食事の用意が難しいんです。それに、置いといても食べてくれないことが多くて……」

律子「でも、おにぎりだけは食べてくれるんです。だからこうして、用意しておくんですよ」

P「律子が作ってるのか?」

律子「ええまあ、衛生面には気を使ってますから大丈夫なはずです」

P「そうか……でも、それじゃ栄養が足りないんじゃないのか?」

律子「一応具にも気を使ってますが……やっぱりそれだけじゃ足りませんからね、点滴なんかもしてます」

P「……なるほど」

P(相当美希ちゃんを気にかけてるんだな……)

美希「…………」

P(…………)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

広間


亜美「…………」


P(また一人でいるな)

P(もしかして、たまに部屋にいないときはいつもこれに参加させられてたのか……?)


亜美「…………」チラ

亜美「!」


P「!」

P(み、見つかった……!)


亜美「…………」


P「…………」


亜美「…………」パクパク


P(なんだ……? 何て言ってる? そう言えば前に読んだ本に読唇術が載ってたな……)


亜美『あ』

亜美『ん』

亜美『え』

亜美『え』


P「あ、ん、え、え……いや、『ん』じゃないな……そうか」

P(『待ってて』……だ)

しばらくして……


亜美「兄ちゃん……ちゃんと待っててくれたんだね」

P「…………」

亜美「……亜美ね、いっつもこれに参加させられるんだ。やんなっちゃうよ」

P「…………」

亜美「知らない子達となんて、仲良くしたくないのに……ここの兄ちゃん姉ちゃんは無理矢理仲良くさせようとするし」

P「…………」

亜美「たまにおじちゃんとも話させられてさ……カウボーイってやつだっけ? あれもいやだし」

P(……カウンセリングのことかな)

亜美「……亜美知ってるよ、みんな、亜美のことおかしな子って思ってるんでしょ」

P「……そんなことは」


亜美「あるよ!」


P「!」

亜美「ある……みんな亜美のこと変な目で見てる! でもいいもん! 亜美はおかしくなんかない! おかしいのは、真美が見えないみんなの方だもん!」

P「…………」

亜美「なんで!? ねえ! なんで亜美が!? なんで真美が見えてちゃだめなの!? 真美はいるのに! いるよね!? 兄ちゃんも見えてるもん!!」

亜美「真美はいつもそばにいてくれたよ!? 小さい時からずっと! みんなが亜美をのけものにしても真美はいっしょにいてくれた!」ポロ

亜美「真美は妄想でも幻でもないのに! 亜美の家族なのに! ずっとずっといっしょの家族なのに!!」ポロポロ

P「亜美ちゃん……」

亜美「……っ」ポスッ

P「…………」ギュ

亜美「……亜美は、真美が見えない人とは仲良くしたくないだけなのに……なんでほっといてくれないの?」

亜美「ずっと亜美をほっといたくせに……なんで今更、どうして真美を取り上げようとするの?」

亜美「もうやだよぅ……みんな嫌い……真美と兄ちゃんだけがいい……」

P「…………」

亜美「やだやだやだ……みんな嫌い……もうやめてよ……やだよぉ……やだぁ……」

亜美「ぐすっ……ぅえっ…………うぁぁ……」ボロボロ

P「…………」ギュッ

亜美の部屋

ガチャ

真美「! に、兄ちゃん!? 亜美、どうかしたの!?」

P「大丈夫、泣き疲れて寝てるだけだよ……っと」ポフッ

亜美「……zzz」


真美「泣き疲れた……? なにか……うぅん、なにがあったの?」

P「……色々と溜め込んでたみたいでさ、それを俺に、吐き出したんだよ」

真美「…………」

P「なぁ……亜美ちゃんに、昔なにかあったのか?」

真美「……そうだね。兄ちゃんは、知っておくべきかも」

P「…………」

真美「……でも、また今度でいいかな? もう遅いし、亜美がいつ起きるかも分からないし……」

P「いいよ、分かった」

真美「うん。じゃあね、おやすみ兄ちゃん」

P「ああ。おやすみ、真美ちゃん」

バタン


亜美「……zzz」

真美「……亜美……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、真美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

事務室

小鳥「あら、Pさん。何かご用ですか?」

P「そうですね……」

1 小鳥について話をする
2 律子について話をする
3 美希について話をする
4 亜美について話をする
5 あずさについて話をする
6 春香について話をする
7 響について話をする
8 貴音について話をする
9 千早について話をする
10 真について話をする
11 やよいについて話をする
12 雪歩について話をする

P「雪歩ちゃんって、もしかして対人恐怖症かなにかですか?」

小鳥「むしろ男性恐怖症ですかね。女性は平気みたいなんで」

P「ああ、そうなんですか。なるほど、そりゃ怯えられるわけだ」

小鳥「雪歩ちゃんに会ったんですか?」

P「はい、中庭で見つけました」

小鳥「見つけたって……まあ、さほど間違ってもないですけど」

P「中庭以外にもどこかよく出るところがあるんですか?」

小鳥「んー、どうなんでしょう。少なくとも私は知りませんね」

P「じゃあ、やっぱり中庭が一番よく会える感じですか」

小鳥「ま、そうですね。私なんかも雪歩ちゃんに会いたい時は中庭に行きますから。部屋に行ってもあんまり会えないんですよ」

P「へえ? どうしてそんなに中庭にいたがるんでしょうか」

小鳥「さあ? 中庭がよっぽどお気に入りなんじゃないですか?」

P「…………」

P(それもそうなんだろうけど……なんか引っ掛かるような気もするなぁ)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、真美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

屋上


P「ふぅ……もうすぐ今日の見回り当番も終わるな。後はここだけか」

P(……ん?)


響「…………」ボーッ


P「珍しいな、こんなところにいるなんて」

響「!?」ビクッ

P「よっ」

響「え? P? な、なんでここに……」

P「当番だから、ここを閉めないといけないんだよ」

響「あ、もうそんな時間なのか……」

P「どうしたんだ? 普段なら、あの施設にいる時間だよな?」

響「うん……」

P「……なにか悩みでもあるのか?」

響「…………」

P「よかったら話してみてくれないか。俺でよければ、力になるぞ」

響「…………」

響「……実は、将来について悩んでるんだ」

P「将来? 進路か何かか?」

響「あ……えっと、そうじゃなくて…………」

響「……ごめん、やっぱりなんでもない」

P「え? あ、おい、響!?」


タタタ……


P「……なんなんだいったい」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、真美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

亜美の部屋

ガチャ

P「おはよう真美ちゃん」

真美「おはよ、兄ちゃん」

P(やっぱりか。亜美ちゃんがレクリエーションに参加させられている間、真美ちゃんはいつもここにいるんだ)

P「それで、この前のことなんだけど……」

真美「その前にさー……その話し方、苦しくないの? ホントはそんな話し方じゃないんでしょ? 真美は別に気にしないから、好きにしていいよ」

P「……えっと……別に無理してるわけじゃないんだけどな。普通にした方が楽なのは確かなんだけど……」

P「……ん、まあいいや。これでいいんだろ? 真美」

真美「うん。やっぱりそっちの方がいいね。対等に扱われてるって感じがするよ」

P「そうか。それで、話は?」

真美「んー……どこから話そっかな。兄ちゃんは、何から聞きたい?」

P「何からって言われてもな……まず、どんな話なのかも分からないんだけど」

真美「そっか、そうだよねー……それじゃ、真美が覚えてる限りのことを話そうかな」

真美「あ、最初に言っておくけど、変な期待はしないでね。この話って、案外どこにでもある、フツーのことなんだから」

P「普通?」

真美「うん、フツーだよ。亜美にはひとつだけ、みんなにはないものがあったってだけなんだから」

真美「真美がいた……ただ、それだけだったんだから」

P「…………」


真美「じゃあ、えっと……そだね」

真美「亜美の両親はね、病院で働いてるんだ」

P「病院?」

真美「うん。だから忙しくて、二人ともあんまり亜美に構ってあげられなかったの」

P「…………」

真美「亜美はいつも独りで、寂しそうだった……だから真美が、亜美と一緒にいてあげたんだ」

真美「でも、今思うとこれが間違いだったんだと思う」

P「間違い?」

真美「亜美もまだ小さかったからね……真美が、ホントにいるって思っちゃったんだ。だから、どこにいても真美と話すようになっちゃった」

P「…………」

真美「当然お父さんとお母さんは変に思ったんだろうけど……たぶん、そこは二人とも大人だから、大丈夫だったんじゃないかな」

真美「でも、周りは大丈夫じゃなかった」

P「周り……?」

真美「亜美は、幼稚園に通いだしても真美を現実に見てたの。そんな亜美を、周りの子は変に思ったんだと思う。それで……」

P「……いじめ、か」

真美「そう。毎日仲間外れ。先生もなんとかしようとしたけど、ダメだった」

真美「小学生になっても、いじめは続いたよ……しかも、もっともっとひどくなっていった」

P「…………」

真美「それでも亜美は、ずっと我慢してた……ずっと、真美の存在を主張してた。誰になんと言われても、どんなひどい目にあわされても……真美が、いじめの原因なのに」

P(……『家族』が否定されるのを、受け入れられなかったんだろうな……)

真美「でもやっぱり、無茶だったんだね……そのうち亜美は、真美が見えない周りの方が異常だって言って、周りに当たりだしたの。きっと、耐えられなかったんだろうね」

真美「周りを突き放すようになって味方を失って、孤立して……最後には、学校の三階から突き落とされちゃった」

P「三階……!?」

真美「すごいよね? 真美も驚いたよ……どうしてここまでできるの?って思った。正直、真美は真美でよかったって、思っちゃったくらい」

P(集団心理ってやつか? 小学生じゃまだ倫理観もしっかりしてないかもしれないし……いやでも、それにしたって……ひどすぎないか……?)

真美「……まあ、奇跡的にひどいことにはならなかったけど……もう色々と限界だってことになって、亜美はここに入れられた」

P「……なるほどな」

真美「ねえ兄ちゃん」

P「なんだ?」

真美「あの時の、亜美を妹みたいに思ってるって言葉に……ウソはない?」

P「ああ、ない」

真美「だったら、亜美のこと、お願いできない……? 亜美を支えてあげてほしいんだ……真美には……できないから」

P「…………」


1 約束する
2 それはできない

P「……俺なんかでよければ、いくらでも亜美ちゃんの支えになるさ」

真美「約束できる?」

P「ああ、約束する」

真美「……よかった、安心したよ」

スゥ……

P「え……? ま、真美?」

真美「…………」

P「な、なんか……身体が、薄くなってないか……?」

真美「もう真美がいちゃダメなんだよ、兄ちゃん……真美がいたら、亜美がつらくなっちゃうから……」

真美「もっと早くこうするべきだったよね……けど、真美がいなくなった後、亜美を支えられる人がいなかった……」

P「お、おい! 真美!」

真美「でも、それももう終わり……見つけたよ、亜美の、新しい……」

P「待て真美! 亜美のことを考えてるならまだ行くなよ! 亜美にはまだお前が……!」

真美「真美がいると、亜美は他の子と遊べないの。真美がいると、亜美はおもちゃで遊べないんだよ……」

P「だからって……」

真美「それに……真美も、もう限界なんだよね……。誰にも見られなくて、聞かれなくて、感じられない毎日は……つらいよ」

真美「だから、兄ちゃんが初めてここに来たとき……すごく嬉しかった。兄ちゃんがこの部屋に来てくれるのを、いつも待ってた……態度には出さなかったけどね」

P「真美……」

真美「これ以上いると、たぶん真美は兄ちゃんのことを好きになっちゃう……うぅん、きっともう、 好きなんだろうね」

真美「兄ちゃんは亜美のものだから……だから、もう行かなきゃ」

P「……せめて、亜美に別れの挨拶くらいしてやってくれよ……」

真美「……会うと、決心がにぶっちゃうからね……仕方ないよ」

P「真美……」


真美「じゃあね、兄ちゃん……亜美を、よろしくね」


スゥゥ……


P「ま、真美……」


ガチャ

亜美「ただいま…………って! 兄ちゃーんじゃーん!」ガバッ

P「亜美……ちゃん」

亜美「んー? ……あれ、真美は?」

P「…………」

亜美「……兄ちゃん? 真美はどこ行ったの?」

P「…………」

亜美「……ねえ、兄ちゃん? 真美は……?」

P「…………」

亜美「……兄ちゃん? なんで泣いてるの……? 真美は? ねえ、兄ちゃん……?」

翌日

P「あれ、もしかして失敗したかな?」

小鳥「どうかしましたか?」

P「いえ、たまには他の仕事もしようか?って律子に言ったら、これを任されたんですけど……どうも失敗したみたいで」

小鳥「あー、これですか」

P「何が原因なんですかね?」

小鳥「うーん……なんでしょうね。準備不足か、判断ミスか……」

P「中々難しいんですね」

小鳥「そうですね。まあ、気を取り直して頑張ってください」

P「ええ、頑張ります」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

亜美の部屋

ガチャ

P「亜美ちゃん……」

亜美「…………」

P「……えっと」

亜美「ねえ兄ちゃん、真美はどこなの?」

P「……真美ちゃんは……もう……」

亜美「ウソだよ。だって真美は、ずっと一緒にいてくれるって言ってたもん」

P「…………」

亜美「いつも一緒にいてくれたもん。つらいときも、悲しいときも、一緒にいてくれたもん」

P「…………」

亜美「ねえ兄ちゃん。真美がいなくなったら、亜美はどうすればいいの?」

P「……俺が代わりになるよ」

亜美「え?」

P「真美ちゃんに頼まれたんだ。だから、これからは俺が真美ちゃんの代わりになる」

P「ずっと一緒にいるよ。つらいときも、悲しいときも、いつだって亜美ちゃんのそばにいるって……約束する」

亜美「…………」

P「だから、また、いつもみたいに笑ってくれないか……?」

亜美「…………」

亜美「……兄ちゃんは、兄ちゃんだもん。真美の代わりにはならないよ」

P「亜美ちゃん……」

亜美「……ごめんね、兄ちゃん」

P「…………」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かと街に行く(千早、あずさから選択)

事務室

P「律子」

律子「はい?」



1 真について訊く
2 雑談する

P「あのさ、俺って、ここの子を外に連れていってあげたりとかできないの?」

律子「へ? ああ……なんです? 連れていってあげたい子でもいるんですか?」

P「まあ、そんな感じだ」

律子「そうですか……まあ、別に構いませんよ」

P「本当か?」

律子「ええ。ただし、きちんと逐一報告すること。それから、絶対に問題を起こしたりしないこと。万一の時は、全責任を負うこと」

律子「これらを守れるなら、たまに外に連れて行ってあげるくらい構いませんよ」

P「そうか……ありがとう」

律子「ちなみに、誰を連れて行くつもりですか?」

P「ああ、えっと、菊地真って子……」

律子「ちょっと待ってください」

P「え?」

律子「……Pさん、あなた自分が何を言ってるのか分かってますか?」

P「……なんかまずいこと言ったか?」

律子「あー、なるほどなるほど、知らないんですね」

P「……もしかして、やっぱりダメって言うつもりなのか?」

律子「…………」

律子「…………」

律子「………………外出中は一時も目を離さずに、一挙手一投足に気をつけること。真には変装をさせること。真を外出させたことは誰にも言わないこと。もしもの時は、その腹かっさばいてでも責任をとること」

律子「これらを天地神明に誓って守れるなら、どうぞ」

P「……な、なんか怖いな……」

律子「私はあなたの無知が怖いですよ……ま、そういうことですので、よく考えて実行に移してくださいね」

P「あ、ああ……わかったよ」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

図書室

P「お、いたいた。よっ、響」

響「なんだ、Pか……」

P「なんだとはなんだよ」

響「なに? 何か用でもあるのか?」

P「あー、うん。ほら、この前進路がどうとか言ってただろ? あれってどういうことなのかなって思って」

響「あれは……なんでもないって言っただろ?」

P「なんでもないわけないだろ。聞かせてくれよ、力になるぞ」

響「…………」

響「……じゃあ、質問してもいいか?」

P「いいぞ」

響「自分、前に訊いたよね? 自分が人の上に立てるかどうか……あの時は答えてくれなかったけど。あれに、答えてくれないか?」

P「え? えっと……」

P(たしか、前に変な本読んでたよな? 人心掌握がどうとか……ってことは、立ちたいのか?)

P(うーん……相変わらずそんなに響のことは知らないからなぁ……)

P(響と言えば……そうだな、動物好きかな。動物保護施設の管理までしてるし……)

P(読んでた本から察すると、立てるって言ってほしそうだ。でも、動物と接してる時の響って、人の上がどうとかって感じじゃないよな……)

響「…………」

P(うーん……)


1 立てる
2 立てない
3 わからない

P「わからない……かな?」

響「……ふーん」

P「え、えっと……」

響「……自分さ、家族に大物になるって大見得きって沖縄から出てきたんだ」

響「だからこの先のこととか、ちょっと考えてるの、それだけ」

P「そ、そうなのか……」

響「……何?」

P「い、いや、なんか……怒ってる?」

響「別に?」

P「…………」

P(よく分からないけど、気分を悪くしたみたいだ……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

中庭

雪歩「あ……Pさん」

P「おはよう」

雪歩「ちょ、ちょっと待ってくださいね」

P「あ、湯呑み、用意してくれたんだ」

雪歩「は、はい……どうぞ」

P「ありがとう、いただくよ」

ズズ……

P「!」

P「うまい!」

雪歩「ほ、ほんとですか? え、えへへへ……」

P「すごいね……へえー、お茶ってちゃんと淹れるとこんなに美味しいんだ……」

雪歩「Pさんも、お茶を淹れたりするんですか?」

P「適当だけどね。よかったら、今度お茶の淹れかたを教えてくれないかな?」

雪歩「ええ!? わ、私がですか……?」

P「うん。だめかな?」

雪歩「……わ、わかりました。じゃあ、また今度……」

P「ありがとう」



P(雪歩ちゃんとお茶を飲みながら話をした)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

中庭

雪歩「あ……Pさん」

P「こんにちは」

雪歩「ちょ、ちょっと待ってくださいね……」

P「…………」

雪歩「ど、どうぞ」

P「ありがとう」ズズ……

P「ん、今日はまた違うお茶なんだね」

雪歩「は、はい」

P「やっぱり色んな種類のお茶葉を持ってたりするの?」

雪歩「あ、いえ……私、あんまりお茶葉を持ってなくて……」

P「そうなの?」

雪歩「はい。昔はよくお店に行ったりしてたんですけど……」

P「ああ、なるほどね……」

雪歩「…………」

P「…………」

P(茶葉の店……か)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

夜 廊下

P(基本的に美希ちゃんを見かけることはない……でも以前、夜に出歩く美希ちゃんに出会ったことがある)

P(もしかすると……いつもとは言わなくても、たまに夜起きて出歩いてるんじゃないか?)

P「……!」


美希「…………」


P「いた……美希ちゃん!」

美希「…………」

P「み、美希ちゃん?」

美希「……だれ?」

P「え、えっと、この前も会ったんだけどな……まあいいや。ここの職員のPだよ」

美希「……ミキになんの用?」

P「ちょっと、話したくてさ……美希ちゃんは、何してるの?」

美希「……ミキは、夢が覚めるのを待ってるの」

P「え?」

美希「この夢はたいくつなの……あふぅ」

P「ゆ、夢?」

美希「うん……ミキは今夢を見てるの。もうすぐ覚めるから、もう行くね」

スタスタ

P「…………」

P(夢……?)

P(もしかして、美希ちゃんにとっては夢こそが現実で、この世界は夢ってことなのか……?)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

中庭

P「中庭って、案外人がいないな」

P「まあ、外庭とか運動場とか、遊び場はいくらでもあるし……子供達はあまり来ないんだろう」

P「だからこそ、静かでいい場所なのかもしれないな」

P(ん……待てよ? そういえば以前、中庭がどうとかって子供達が話してたような……)

P「ええと、確か、七なんとかって言ってたか……? うーん、忘れたなぁ」

P「今度子供達に訊いてみるか。とりあえず今は、ここで昼休みの間のんびりしよう」

P「…………」

P「…………」

P「……zzz」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

中庭

P「ねえ、雪歩ちゃん」

雪歩「な、なんですか?」

P「穴の外に出るのは、怖いの?」

雪歩「……はい」

P「出ると、どんな感じなの?」

雪歩「え、えっと……動けなくなるんです」

P「動けなくなる?」

雪歩「はい……逃げたくて、でもどこにも行けなくて……近くに穴がないと、その場でうずくまってしまうんです」

P「そっか」

雪歩「ご、ごめんなさい……わ、私、本当にダメダメで……」

P「謝らなくていいよ。雪歩ちゃんも、好きでこうなってるわけじゃないんだよね?」

雪歩「は、はい……」

P「大丈夫、雪歩ちゃんならきっと治せるよ」

雪歩「……そう、ですか……?」

P「そうだよ。だから焦らないで、ゆっくり前に進もう」

雪歩「……わ、わかりました……が、頑張ります」

P「うん。俺もできる限り手伝うから、いっしょに頑張ろう」

雪歩「は、はいっ……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、千早、あずさから選択)

エントランス

P「おはよう、千早」

千早「…………」コク

P「それじゃ行こうか」

千早『どこへ?』

P「そうだな……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地

公園

P「へえ……けっこう大きな公園なんだな。お、池もある……」

千早「…………」

P「……千早? やっぱり、こんな所じゃ物足りないか?」

千早「…………」フルフル

P「……な、なにか不満でもあるのか?」

千早「…………」フルフル

P(じゃあどうしてそんなに仏頂面してるんだ……)

P「……ん、あれは……」

P「千早、ちょっと待っててくれ」

千早「……?」


しばらくして……


P「ほら、クレープ。あっちで売ってたから、買ってきたよ」

千早「…………」

P「……い、いらなかった?」

千早「…………」

千早「…………」フルフル

P「よかった。じゃあ、これ」

千早「…………」

パク

P「味はどうだ?」

千早「…………」

P(微妙そうだな……やっぱり、食べ物で釣られるタイプじゃないか)

千早「…………」



P(結局、終始千早は仏頂面だった……)

エントランス


P「今日はこれで終わりにしようか」

千早「…………」

P「それじゃ、お疲れさま」

千早「…………」クイ

P「ん?」

千早「…………」

P「な、何か言いたいことがあるのか?」

千早『あなたは、何のために私を外に連れ出しているんですか?』

P「え……?」

千早「…………」

P「えっと、律子から聞かされてないかな」

千早『治療の一貫だとは聞きました。ですが、あなた自身は何を思って私と外に出ているんですか?』

P「何を思って……か。そうだな……」


1 千早を治そうと思って
2 千早と仲良くなろうと思って

P「千早と仲良くなりたいと思って……かな」

千早「…………」

千早『私は、あなたと仲良くしたいとは思っていません』

P「え?」

千早『私は早く治ってこんな所から出ていきたいんです。デート気分で付き合って欲しくなんかありません』

P「い、いや、別にデート気分ってわけじゃ……」

千早『今後、あなたとの外出は断らせていただきます』

P「え、ちょ、千早!」

千早「…………」スタスタ

P「待ってくれ! 話を……!」

スタスタ……

P「…………」

P(行ってしまった……)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、あずさから選択)

屋上


ガチャ

P「……いた! 千早!」

千早「…………」

スタスタ

P「ちょっと待ってくれ、話だけでも聞いてくれ! 」

千早「…………」スタスタ

P「千早……!」

千早「…………」スタスタ

P「ちは……」

バタン!

P「…………取り付く島もないな……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、あずさから選択)

事務室

P「律子ー」

律子「…………」カタカタカタカタ

P「……律子?」

律子「え? あっ! す、すいません、気付きませんでした……何か用ですか?」

P(今日はまた一段と忙しそうだな……とても悠長に話はできなさそうだ)

P「いや、ごめん。やっぱりなんでもない」

律子「? はあ、そうですか」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、あずさから選択)

事務室

律子「Pさん、この間任せた仕事のことなんですけど……」

P「ん? 何?」

律子「ここ、間違ってます」

P「あ、本当だ」

律子「大方、手順を省略しようとしたんでしょう? しかもこれ、ここにはないものじゃないですか」

P「ごめん、今度から気を付けるよ」

律子「そうしてください」

P「……と、ところでさ、ひとつ訊きたいんだけど……」

律子「……なんですか?」

P「この前、なんで真の名前を出した途端に不機嫌になったの?」

律子「別に不機嫌になったわけじゃないですよ」

P「いや、でも……」

律子「私、前に言いましたよね? 先入観をもって接して欲しくないって……私が言わないことは、言わなくてもいいって判断したことなんです」

P「そ、そうだったな……ごめん」

律子「それじゃ、私は仕事に戻りますね」

P「あ、ああ」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、あずさから選択)

亜美の部屋

ガチャ

亜美「あ! 兄ちゃんだ!」タッ

ガバッ

P「え?」

亜美「? どうかしたの?」

P「え、いや……」

亜美「? 変な兄ちゃん……ね、真美もそう思うよね?」

P「!?」

亜美「ほらー、真美も変だって言ってるよ!」

P「あ、亜美ちゃん……?」

亜美「なにー?」

P「ま、真美ちゃんは……」

亜美「あ、そっか! 兄ちゃんはまだ知らなかったね!」


亜美「真美が帰って来たこと!」


P「か、帰って来た……?」

亜美「うん! やっぱり、真美はちょっと出掛けてただけだったじゃん! 兄ちゃんのウソつき!」

P「……ご、ごめんね……」

亜美「うーん……いいよ、許してあげる! だから今日も一緒に遊ぼ!」

P「……今日は……すぐに行かないと……駄目、なんだ……」

亜美「えー?」

P「……ご、ごめんね……亜美ちゃん」

亜美「ぶー」

P「……もう行くよ……本当に、ごめんね亜美ちゃん」

亜美「うーん、しょうがないから許してあげるよ。だから、また来てね!」

P「うん……ごめんね……亜美ちゃん」

バタン



P「ごめんね……本当に、ごめんね亜美ちゃん……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、やよい、あずさから選択)

運動場

P「ああ、いたいた。真ちゃん」

真「あ?」

P「……え?」

真「ああ……なーんだ、Pさんですか。すいません、その呼び方やめてもらってもいいですか?」

P「え、ああ……ごめん。じゃあ、真」

真「はい! なんですか?」

P「この前、外出できないかどうか訊いてきたよね?」

真「もしかして、オーケーなんですか!?」

P「うん」

真「やーりぃ! ありがとうございます!」

P「あ。その代わり、外出の時は変装することと、外出のことは誰にも言わないこと……守れるかな?」

真「はい!」

P「それじゃ、日時はどうしよっか」

真「ボクはいつでも大丈夫ですよ? Pさんの都合のいい日にしてください」

P「わかった。じゃあ、また連絡するよ」

真「はい! ありがとうございました!」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

エントランス

P「あれ? 早いね」

真「もう! 遅いですよPさん!」

P「ごめんごめん……ところで、どこか行きたい所とかあるの?」

真「あ、はい」

P「へえ。どこなの?」

真「図書館です」

P「図書館?」

P(図書室に無い本でも読みたいのかな?)

真「だめですか?」

P「いや、いいよ。それじゃ行こうか」

真「はい!」

図書館

P「へー、かなり大きい所なんだな」

真「あの、Pさん」

P「ん? 何?」

真「ボク、一時間ほどここにいたいんですけど……いいですか?」

P「ああ、いいよ」

真「ありがとうございます。それじゃ、また後で」

P「うん」


一時間後


真「お待たせしました」

P「もういいの?」

真「はい。そろそろ帰りましょう」

P「ああ、わかった」

エントランス


真「Pさん、今日はありがとうございました! またお願いしてもいいですか?」

P「もちろん」

真「ありがとうございます!」

P「……あ、そうだ。そういえば、図書館ではどこにいたの? 一度も見かけなかったけど」

真「え? ああ……色々読んでまわってたんですよ。だから、そのせいじゃないですか?」

P「そっか」

真「そうですよ。それじゃ、そろそろ行きますね」

P「あ、うん」

真「お疲れさまでした!」

タッタッタッ

P「…………」

P(なんか忘れてたような……?)

P(……ま、いいや)

事務室

小鳥「あ、Pさん。院長が呼んでましたよ?」

P「え? 院長が?」

小鳥「はい。院長室で待ってるそうです」

P「なんだろう……」

院長室


コンコン


高木「入りたまえ」

ガチャ

P「失礼します」

高木「おお、君かね」

P「院長、どういったご用件でしょうか?」

高木「なに、ちょっと話がしたくてね……ま、座りたまえ」

P「はい」

高木「君がここで働きだして、三ヶ月ほどになる……時が経つのは早いものだ」

P「ええ、そうですね」

高木「時は、優しくも残酷だ……そうは思わんかね」

P「は、はあ……」

高木「いやすまない、つい話を脱線させてしまったな……ただ、君が接している子達の何人かには、時は無力だ。それは覚えておいてくれたまえ」

P「……はい」

高木「さて、本題に入ろう……単刀直入に言うが、君、ここで働かないかね?」

P「え……?」

高木「つまりだね……職が見つかるまでの繋ぎなどではなく、ここに骨を埋める覚悟で働かないかね? ということだ」

高木「実を言うと、今の君はまだ正式な職員という訳ではないのだよ……言うなればアルバイトだ。だが、君さえよければ、正式に雇ってもいい」

P「…………」

高木「君の噂は聞いている。よくやってくれているみたいじゃないか……私の見込んだ通りだ」

P「いえ、そんな……」

高木「どうだろう、ここで働いてはもらえないだろうか?」

P「…………」

P「……すみません。もう少し、考えさせてもらってもよろしいでしょうか……」

高木「……いいとも。だが、そうだな……あと十日ほどで決めてはもらえないかね」

P「……わかりました」

高木「うむ。では私からの話は終わりだ。時間をとらせてすまなかったね」

P「いえ……ところで院長」

高木「なにかね?」

P「少し、お痩せになりましたか?」

高木「! ……はっはっは……どうやら、日頃のダイエットが功を奏したようだね」

P「ダイエット……ですか」

高木「……P君、いい返事を待っているよ」

P「……失礼します」


バタン


高木「……ふふふ。本当に、時というものは残酷だ……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

中庭

P「雪歩ちゃん」

雪歩「あ、Pさん。今お茶を……」

P「そこから出てみようか」

雪歩「……え?」

P「そこから出て、地面に立とう」

雪歩「……む、むむむ無理です! わ、私……!」

P「大丈夫。なにも外に出ろって言ってるわけじゃないよ」

雪歩「それでも無理ですぅ!」

P「……ねえ、雪歩ちゃん。たしか、穴の中なら大丈夫なんだよね?」

雪歩「ふぇ……? あ、は、はい……一応」

P「うん、それじゃあ、ちょっと周りをよく見てみようか」

雪歩「ま、周り……ですか?」

雪歩「…………」

雪歩「え……あれ……? ま、窓が……?」

P「そう。中庭に面する窓のカーテンを全部閉めてきた。ここは今、完全に囲まれた穴なんだ」

雪歩「穴……?」

P「そう、ちょっと大きいだけの穴だよ。だから、大丈夫だろう?」

雪歩「あ、穴……ここも、穴……」

P「…………」

雪歩「ここも穴……ここも穴……」

P「…………」

雪歩「穴……穴……穴……」

スッ

P「!」

雪歩「はぁ……はぁ……」

P「頑張れ! 雪歩! もう少しだ!」

雪歩「っ……穴っ……! ……ここも……穴……! 穴っ……! 」


グッ


P「!!」


タッ!


雪歩「はぁっ、はぁっ……」プルプル


P「やった!」

雪歩「Pさん……! わ、わた、私っ……! た、立ててますぅ……!」

P「おめでとう……雪歩ちゃん。これで、一歩前進できたね」

雪歩「はいっ!」

夜 廊下


P「……はぁ」

あずさ「あら? Pさん?」

P「あ、あずささん。こんばんは」

あずさ「はい、こんばんは~。どうしたんですか? ため息なんかつくと、幸せが逃げちゃいますよ?」

P「いえ、ちょっと……あれ? あずささん、買い物帰りですか?」

あずさ「はい~。あ、そうだ。Pさん、お酒飲めますか?」

P「え? ええ、まあ」

あずさ「よかったわ~。それじゃ、行きましょう?」

ガシッ

P「え、ああっ!? ちょっとあずささん、どこ行くんですか!?」

あずさ「うふふっ……いい所、ですよ~」

ズルズル

P「あ! 分かった! さてはあずささん、既にちょっと飲んでますね!?」

あずさ「うふふっ♪」

あずさの部屋


あずさ「さあさあPさん、いらっしゃ~い♪」

P「どこかと思えば、あずささんの部屋ですか……お邪魔します」

あずさ「今グラス用意しますね~」

P「あ、はい」


しばらくして……


あずさ「どうぞ~」

P「ありがとうございます」

あずさ「それで、どうしてため息ついてたんですか?」

P「……ちょっと、この先のことについて悩んでまして」

あずさ「この先のこと……ですか?」

P「はい。実は院長に、ここで正式に働かないかと誘われてて……」

あずさ「まあ、そうなんですか」

P「元々は、次を見つけるまでの繋ぎのつもりだったんですけど……やってる内に、だんだんみんなに愛着が湧いてきて」

P「……でも、本当にここで働くべきなのかなって……思っちゃうんです。給料低いし、休みもないし……将来、後悔するんじゃないかって……」

あずさ「そうですか……」

P「はい……すいません、あずささんにこんなこと、言うべきじゃないですよね」

あずさ「いえ、構いませんよ」

あずさ「……私、昔はここのことが大嫌いだったんです」

P「え……?」

あずさ「前にお話ししましたよね? 私、ここの育ちだって……」

P「はい」

あずさ「当時は、どうして自分がこんな所にいるんだって、ずっと思ってたんです」

あずさ「お父さんとお母さんがいないのが、悲しくて辛くて……それに、学校では馬鹿にされてたんですよ、『施設育ち』とか『捨て子』とか……」

P「そうなんですか……」

あずさ「そんな時、一人の子に出会ったんです」

あずさ「その子は、親に捨てられてここに来た子でした。なのに私と違って明るくて、みんなと仲良く遊んでました」

あずさ「でもある日、たまたまその子が隠れて泣いてる所に出くわしたんです……『お父さん……お母さん……』って、泣いてました」

あずさ「その姿を見たとき思いました。『みんな同じなんだ』って……『ここにいる子は、心のどこかに傷を負ってるんだ』って……」

あずさ「その時、初めてここが素敵な場所に思えたんです。『ああ、ここは、心に傷を負った子を癒してあげるための場所なんだな』……って」

P「…………」

あずさ「そう思ってから、拗ねるのは止めました。できるだけ、他のみんなを癒してあげられるようにって、頑張りました」

あずさ「ここでしか働けなかったけど、私は後悔してません。ここの子の傷を癒すお手伝いができるのが、私にとっては、何よりうれしいことなんですから」

P「あずささん……」

あずさ「ごめんなさい、私なんかの話じゃ、Pさんの参考にはなりませんよね」

P「いえ、そんなことはありませんよ。今の話、すごく参考になりました」

あずさ「それなら、よかったです……。あ、そうだ。Pさん、マッサージしてあげましょうか?」

P「へ?」

あずさ「いつもお疲れでしょうから、私が労ってあげますよ?」

P「……はは、ありがとうございます。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな……」

あずさ「は~い。じゃあ、ちょっと待っててくださいね~」

P「はい。……あ、これでしてくださるんですか?」

あずさ「え?」

P「これ、マッサージ機ですよね? 電動の」カチ

ヴィィィィ

P「お、動い」

バキ!

P「がっ……!?」

ドサッ

翌日


P「んー……」パチ

P「…………」

P「……ん?」ムクッ

あずさ「あ、起きましたか? おはようございます~」

P「アイエエエ!?」

あずさ「あらあら、どうかしましたか?」

P「な、なんで……!? 俺、なんであずささんの部屋に……!?」

あずさ「覚えてないんですか? 昨日、私の部屋で飲んでる最中に酔いつぶれて寝ちゃったんですよ?」

P「……そういえば……たしかに、あずささんの話を聞いてるあたりまでの記憶はありますね……」

あずさ「私の話を聞き終わったらすぐに寝ちゃったんです」

P「そうでしたか……すいません、迷惑かけて」

あずさ「いえいえ♪ それより、もうすぐ朝ごはんできますからね」

P「あ。ありがとうございます」


しばらくして……


P「ご馳走さまでした。じゃあ俺、自分の部屋に戻りますね」

あずさ「わかりました。行ってらっしゃい、Pさん」

P「あはは……ありがとうございました」






P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

エントランス

あずさ「お待たせしました~」

P「いえ、大して待ってませんから大丈夫ですよ」

あずさ「そうですか。ところで、今日はどちらへ?」

P「そうですね……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ
7 安価指定(不可な場合はランダム)

商店街


P「ふーん、結構色んな種類の店があるんですね」

あずさ「ええ。大抵のものは、ここで揃っちゃうんですよ」

P「なるほど」

あずさ「今日は、これといって行きたい店はないんですよね?」

P「ええ、まあ」

あずさ「それなら、私のお気に入りのお店を紹介しちゃいますね」

P「あ、じゃあ、お願いします」

あずさ「それじゃ、行きましょう。こっちですよ~」

P「あずささん、そっちに店はないと思うんですが……」

あずさ「あら?」



P(あずささんと商店街を歩き回った)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

中庭


雪歩「あ、Pさん……」

P「おはよう、雪歩ちゃん……その様子だと、もうその穴には入ってなくても大丈夫なのかな?」

雪歩「あ、はい……Pさんのおかげで、ここなら、もう大丈夫です」

P「いや、あくまで雪歩ちゃんが頑張ったからだよ」

P(やっぱりな、思った通りだ)

雪歩「……あ、あの!」

P「ん?」

雪歩「よ、呼んでくれないんですか……?」

P「?」

雪歩「こ、この前は……雪歩って、呼んでくれましたよね……」

P「え、ああ……」

P(そういえば、つい呼び捨てにしてたような……)

P「……えっと、呼び捨てがいいの?」

雪歩「で、できれば……」

P「そっか、じゃあ……雪歩」

雪歩「あ……え、えへへ」

雪歩「今お茶淹れますね♪」

P「うん、ありがとう」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

動物保護施設


P「なあ響」

響「ん?」

P「今度、一緒に街まで行ってくれないか?」

響「え? なんでだ?」

P「駄目か?」

響「いや、理由を聞かせてよ……」

P「駄目か?」

響「……駄目っていうか……ほら、自分学校とかバイトとかで……忙しいし」

P「駄目か?」

響「うん、ちょっと……無理かな」

P「駄目だ」

響「!?」

P「いつでもいいから、付き合ってくれ」

響「いくらなんでも強引すぎるぞ……まあ、空いてる日なら別にいいよ」

P「よし」



響「……ところで、結局どういう理由なんだ?」

P「別にないけど?」

響「だと思ったぞ……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

外庭

春香「あ、おはようございますPさん」

P「ああ、おはよう」

春香「久し振りですね」

P「そういえば……たしかにしばらく会ってなかったな。一ヶ月くらいか?」

春香「およそ36日ですよ」

P「細かいな」

春香「暇でしたから。Pさんは忙しかったみたいですけど」

P「そうかな」

春香「そうですよ。千早ちゃんとデートしたり、あずさちゃんとデートしたり、菊地真とデートしたり……とっかえひっかえだったじゃないですか」

P「な、なんで知ってるんだ……?」

春香「なんでって……院の出入りは全部ここから見えますから」

P「ああ……そういえばそうだな」

春香「ま、私は寛容ですから、あのくらいは見逃してあげますよ。こうして会いに来てくれてることですしね」

P「なんだそりゃ。見逃してくれない時は、石でも投げられるのか?」

春香「あはは、それもいいかもしれませんね……ところで、今日は何か用があるんじゃないですか?」

P「あ、そうだった。なあ春香、今度一緒に出掛けないか?」

春香「それは、どうしてですか?」

P「え? いや、単純に春香と出掛けてみたいなーって思ってさ」

春香「……うれしいですけど、お断りしますね」

P「そうか」

春香「あれ? 食い下がらないんですか?」

P「無理強いはよくないからな。また別の機会に誘うよ」

春香「へえ……そうですか」

P「それじゃ、そろそろ行くよ。またな」

春香「はい、また……」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

食堂


「おーやPちゃん、何か用かい?」

P「いえ。ただなんとなくぶらぶらしてるだけです」

「そうかい。ま、せっかく来たんだ。茶でも飲んでいきなよ」

P「あ、いただきます……この時間は、いつもこうして休憩してるんですか?」

「そうだね。特にすることもないし、テレビ見ながらのんびりしてるよ」

P「へー……」

「…………」

P「おば……えっと、お姉さんは……」

「あはは。いつもみたいにおばちゃんって呼んでくれて構わないよ。そっちの方がお互い楽だからね」

P「じゃあ……おばちゃん」

「はいよ、なんだい?」

P「おばちゃんは、なんでここで働いてるの?」

「あー、そうだねぇ……」

「おばちゃんはね、昔、街の方の商店街でまんじゅう屋をやってたんだよ」

P「へえー」

「ただ、商店街もだんだん寂れて、売れなくなっちゃったからね……店を畳むことにしたんだよ。田舎にでも帰ろうと思ってね」

「ところが最終日、閉店間際にふらっと来た客に、ここで働かないかって誘われてさ」

P「その客って……」

「そ、ここの院長。まあ、他にやることもなかったからね……それ以来、ここで働いてるよ」

P「なるほど……ところで、ひとつ訊いていいですか?」

「なんだい?」

P「おいくつなんですか?」

「あっはは! こんなおばちゃんの年齢に、興味なんか湧かないだろうに」

P「え、いや……」

P(話の割にはめちゃくちゃ若く見えるから、すごく気になってるんだけど……音無さんと同い年って言われたら信じられるくらいの見た目だし……)

「ふぅ……さってと、そろそろ晩御飯の準備しなくちゃね……ほら、Pちゃんも仕事に戻りなよ」

P「あ、はい……」

「最近は商店街も活気を取り戻してるみたいだねぇ……よかったよかった」

P(うーむ、気になるなぁ)

翌日

P「…………」

P(もうすぐ期限か……)

P(今日を含めると、あと三日……その間に、どっちにするか決めないとな)

律子「おや珍しい、考え事ですか? Pさん」

P「まあ、ちょっとな」

律子「そうですか。何か力になれることがあったら、言ってくださいね」

P「ああ」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

中庭

P「…………」ズズ……

雪歩「…………」

P「……ふぅ」

雪歩「…………」

P「……なあ、雪歩」

雪歩「はい」

P「外に、出てみないか?」

雪歩「……無理です」

P「ちょっとだけでも」

雪歩「……無理……です」

P「……どうしても?」

雪歩「……はい」

P「なんでだ? 中庭には、こうして出れるようになったじゃないか」

雪歩「こ、ここは……穴みたいなものですから」

P「……そうか。でも、ちょっとでいいから挑戦してみないか? 何かしなきゃ、ずっとこのままかもしれないだろ?」

雪歩「…………」

P「別に一回で成功しろとは言わないからさ」

雪歩「……む、無理ですよ……こ、こんな……」

P「こんなダメダメな私なんかじゃ、できない?」

雪歩「…………」コク……

P「さっきも言ったけど、ここには出れたじゃないか。雪歩はダメダメなんかじゃない」

雪歩「あれは……Pさんが、応援してくれたから……」

P「だったら、今度も応援するよ」

雪歩「……でも……」

P「…………」

P「……なあ雪歩。雪歩は、どうしていつも病室じゃなくて中庭にいるんだ?」

雪歩「え?」

P「広い所が怖いなら、狭い所に閉じ籠っていればいい……なのに、どうして病室という箱よりも、穴の中にいたがるんだ?」

P「その先に世界があるからじゃないのか? 外は怖いけど……それでも、繋がっていたいんじゃないのか?」

雪歩「…………」

P「雪歩……あと一歩なんだ。あと、ほんの少し勇気を出すだけでいいんだよ」

P「いつまでも、こんな所にいたら駄目だ。俺でよければ力になる、だから……外に出よう」

雪歩「…………」

雪歩「……Pさん」

P「ん?」

雪歩「もしも……もしも私が、外に出れたら……」

雪歩「私と一緒に、お出掛けしてくれますか……?」

P「もちろんだ。一緒に街に行こう。そして茶葉でも買って、一緒にお茶を飲もう」

雪歩「…………分かりました」

P「! じゃあ……」

雪歩「でも、せめて心の準備をさせてもらえますか?」

P「ああ、いいとも。それじゃあ、今日はもうやめておいて、また次会った時にするか」

雪歩「…………」コク

P「なら、今日はそろそろ戻るとするかな……またな、雪歩」

雪歩「はい、また……」

雪歩「……待って……ますね」

翌日

P(あと二日……か)

P「はぁ……」

小鳥「悩んでるみたいですね」

P「音無さん……そりゃそうですよ。一生ものの決断なんですから」

小鳥「そうなんですかね?」

P「え?」

小鳥「別に正式に働きだしたからって辞めれない訳じゃないですし……そんなに重く考えることでもないと思うんですよね。それこそ、気になる女の子がいるって理由で決めてもいいぐらいですよ」

小鳥「正直、どうして院長が期限を決めたのか、私には分かりません」

P「……たしかに」

小鳥「ま、院長なりの考えがあるのかもしれませんけどね……どっちにしろ、あんまり深く考えすぎる必要はないと思いますよ」

P「なるほど……」

小鳥「さて、私もそろそろ仕事始めますか……それじゃ、今日も一日頑張りましょうね」

P「ええ」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

中庭


P「……あれ? いないな……ちゃんと連絡しておいたはずなのに」

P「……ん、なんだこれ……手紙?」

『Pさんへ
正面玄関前で待ってます
萩原雪歩』

P「……え?」

P「…………」

ダッ

外庭


「……Pさん」


P「ゆ、雪歩……」

P(玄関前、夏の照りつけるような日差しの中、純白のワンピースを着て麦わら帽子を被った雪歩がいた)

雪歩「……ど、どうですか? この格好……」

P「……あ、ああ……可愛いと、思う」

雪歩「そ、そうですか……え、えへへ……よかったぁ」

P「……というか……えっと……?」

雪歩「……ごめんなさい。実を言うと、中庭に出たあの日から、出られるようにはなっていたんです」

P「そ、そうだったのか……じゃあ、なんで……」

雪歩「だって、外に出られるようになったら、ここを出ていかないといけないじゃないですか……」

P「……駄目なのか? 広い所が怖いのを、治したかったんだろ?」

雪歩「…………」

雪歩「Pさん……あなたのおかげで、あの日、私は穴から出ることができたんです」

P「それは違うよ。出られたのは、雪歩が頑張ったからで……」

雪歩「違います。あなたがくれた勇気のおかげです」

P「勇気?」

雪歩「はい」

雪歩「ダメダメな私に、あなたはたくさんの勇気をくれました」

雪歩「あなたの笑顔が……あなたが発した言葉が……あなたと過ごした時間のすべてが、勇気となって、あの時私の背中を押してくれたんです」

雪歩「私、あなたがいれば、どんなことだってできます……してみせます」


雪歩「だって、あなたが好きだから」


雪歩「お願いします、私と、付き合ってください」


雪歩「これからもずっと……私に、勇気をください……」



P「雪歩……」


1 Yes
2 No

P「……雪歩の気持ちは、分かった」

雪歩「…………」

P「ありがとう、嬉しいよ……俺でよかったら、付き合おう」

雪歩「ほ、ほんとですか!?」

P「ああ」

雪歩「う……ううっ」グスッ

P「え!? ど、どうしたんだ!?」

雪歩「ご、ごめんなさい……嬉しくて、つい……」

雪歩「こんなことなら、もっと早く言えばよかった……ごめんなさい、外に出れないふりしてて」

P「いや、いいよ……とりあえず、中に入ろう。律子あたりに報告しないとな」

雪歩「え?」

P「ん?」

雪歩「そ、その……少し、気が早すぎませんか? まだ私達、付き合ったばかりですし……」

P「? いや、雪歩の症状が治ったって報告だぞ?」

雪歩「え、あっ……」

P「何の報告だと思ったんだ?」

雪歩「う、うぅ……ご、ごめんなさい! こ、こんな勘違いしちゃうようなダメダメな私は、穴に埋まってますぅ~!」ダッ

スポッ

P「え!? 雪歩!?」

P「き、消えた……だと? これが噂のユキホールか……」

翌日

P「…………」

P(今日が最後だ……明日には、院長に報告しないと)

P(…………)

P(やっぱり……俺は……)




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

中庭


P「……あれ、珍しい。今日はいないのか」

P「ちょっと残念だな……まあ、そういう日もあるか」

ドン……ドン……

P「ん? なんだ? この音」

ガタガタ……

P「マンホールが揺れてる……?」

P「……よいしょっ……と」ガタン

ズズズ……

雪歩「!」

P「あ、やっぱり雪歩……」ギュッ!

P「え!? ちょ、ちょっと……雪歩?」

雪歩「ひっく……ぐすっ……」

P「……! ど、どうした? 何かあったのか?」

雪歩「ま、マンホールが……あ、あかなくて……」

P「え? でも……今、簡単に開いたぞ?」

雪歩「で、でも……私が何度開けようとしても……開かなかったんですぅ……」

P「うーん……もしかしたら、ちょっと蓋に問題があるのかもしれないな」

雪歩「ぐすっ……」

P「というか、もう外に出れるんだから穴を通ってくる必要もないんじゃないのか?」

雪歩「こ、こっちの方が近くて……それに、穴が好きだから……」

P「でも、今回はたまたま俺が来たけど、次こんなことがあったときも誰かが来るとは限らないだろ? できるだけ、使わないようにした方がいいんじゃないか?」

雪歩「…………そう、ですね……」

P「そんなに落ち込むなよ……」


P(でも、あんなに簡単に開けれたのに、どうして雪歩は開けられなかったんだろう……?)

翌日

P「……よし」

P(もう決めた……あとは、院長に報告するだけだ……)

P「でも、院長はどこにいるんだろう……院長室にいるかな?」


小鳥「た、たいへんですPさん!」

P「ん? 音無さん、どうかしましたか?」

小鳥「い、院長が……病院に運ばれたそうです!」

P「ええ!?」

病院
高木の病室


ピッ……ピッ……

高木「…………」


P「い、院長……」

小鳥「あ、あの! 院長の容態はどうなんですか!?」

「……極めて危険な状態です。もって一週間と言ったところでしょうか」

小鳥「そ、そんな……」

P「……もしかして、院長はよくここに来てましたか?」

「はい。検査に来られた時には既に遅かったのですが、少しでも延命できるよう、通っていただいておりました」

P「じゃあ、院長は自分の残りの寿命を知っていたんですか……?」

「ええ。四ヶ月ほど前には」

P(四ヶ月前か……俺がここに来る少し前だ)

小鳥「もう、本当に助かる見込みはないんですか……?」

「ええ……残念ながら」

P「……院長は、もう目を覚ますことはないんですか……?」

「それは分かりません……もしかすると、あるのかもしれませんが……なんとも言えませんね」

P「……分かりました。ありがとうございます」

「いえ……それでは、失礼します」


小鳥「院長……」

事務室


律子「そう……ですか。院長が……そんなことに……」

P「……もっと早く、院長に報告するべきだった……」

律子「え?」

P「医者は、院長が四ヶ月前に寿命を知ってたって言ってた。院長は、たぶん自分が死ぬ前に俺が正式に働きだすのを見たかったんだと思う……俺と話す時はよく、時間を気にしてたから……」

律子「……そうかもしれませんね。院長、あなたが来る前の日に言ってましたよ『明日、期待の新人が来る』」

P(ああ、ここに初めて来た日に音無さんに聞かされたな……)

律子「『いずれは私の跡を継いで院長になる男だ。みんな、よろしく頼むよ』って……」

P「え?」

律子「院長は……ああ見えて人を見る目は確かですからね、きっと、あなたに何かを感じてたんでしょう」

P「…………」

P(本当に……もっと早く伝えて、院長を安心させるべきだった……)

P(せっかく、ここで働いていく覚悟ができたって言うのに……)


律子「……なに暗い顔してるんですか」

P「え?」

律子「今は勤務中ですよ。もっと明るくしてください……じゃないと、みんなにも影響がでちゃいますよ?」

律子「院長は、そんなこと望んでいませんよ……きっと」

P「……そう、だな……ありがとう、律子」

律子「いえ……別に」

P「じゃあ、そうだな……さっそく仕事に戻るとするよ」

律子「ええ、そうしてください……どうしても仕事が手につかないなら、院長の様子を見に行ってもいいですからね」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、あずさから選択)

中庭


P「雪歩」

雪歩「あ、Pさん。今お茶淹れますね」

P「うん、いつもありがとう」

雪歩「いえ……好きでやってることですから」

P「治ってからもここにいるけど、他の所に行ったりはしないのか?」

雪歩「特に居たい所もないですから……それなら、Pさんとの思い出があるここにいたいなって思って……」

P「ふぅん……えっと、出発は六日後だっけ?」

雪歩「はい」

P「そっか……寂しくなるな」

雪歩「大丈夫ですよ。Pさんはあんまり時間がないかもしれませんけど、私が時間を作って遊びにきますから」

P「……いや、俺もできるだけ時間を作るよ。雪歩だって、これから大変だろうしな」

雪歩「そうですね……まずは、勉強の遅れを取り戻さないと……」

P「ああ、そうか……うーん……そう考えると、この先しばらくはあまり会わない方がいいんじゃないか?」

雪歩「そう、かもしれませんけど……」

P「大丈夫。会えなくても、電話やメールがあるだろ? 俺達にはまだ時間があるんだから……お互い落ち着いてから、ゆっくり会えばいいさ」

雪歩「……そうですね」

P「うん、そうだよ」

雪歩「……じゃ、じゃあ! 今の間だけは……その……」

P「分かってるよ。まだ約束も果たしてないしな……今の間だけは、精一杯一緒にいよう」

雪歩「……え、えへへ」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、雪歩、あずさから選択)

事務室

小鳥「あら、Pさん。何かご用ですか?」

P「そうですね……」

1 小鳥について話をする
2 律子について話をする
3 美希について話をする
4 亜美について話をする
5 あずさについて話をする
6 春香について話をする
7 響について話をする
8 貴音について話をする
9 千早について話をする
10 真について話をする
11 やよいについて話をする
12 雪歩について話をする
13 高木について話をする

P「この前、真の話したの覚えてます?」

小鳥「ええ。それがどうかしましたか?」

P「いえ、俺も一応何回か真に会って話してるんですけど、どうも周りの態度がしっくりこないんですよ」

小鳥「と言うと?」

P「音無さんや律子は、どうも真のことをあまり良く思ってないような感じがするんですよね……なんでですか?」

小鳥「はあ……そういえば、Pさんはこの前のとき、真ちゃんを外に連れていくとか何とか言ってましたよね? あれ、結局どうなりました?」

P「え? ああ、律子にも一応許可貰えたんで、この間連れていってあげましたよ」

小鳥「え……? 本当に、律子さんが許可したんですか?」

P「ええ……なにか?」

小鳥「いえ別に……そうですか、Pさんはどうやら相当律子さんに信頼されてるみたいですね」

P「もう、なんなんですかさっきから、自分だけ納得して……説明してくださいよ」

小鳥「あ、あはは……すいません。じゃあヒントをあげますね」

P「ヒント?」

小鳥「はい。ヒントは、真ちゃんの所属です。そこから先は、頑張って答えを探してくださいね」

P「所属……?」

P(そういえば、真はどこの所属なんだ……? 孤児院? 精神院? 少年院?)

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、雪歩、あずさから選択)

エントランス


雪歩「お、お待たせしましたぁ」

P「おお……今日もまた可愛いな」

雪歩「そ、そんな……それを言うなら、Pさんだって今日もまたかっこいいですよ?」

P「かっこいいとか生まれて初めて言われた気がするなぁ」

雪歩「……そ、それで、今日はどこへ?」

P「そりゃあもちろん……」

茶葉店


雪歩「わぁ……」

P「おお、すごい匂いだな……お茶のいい匂いだ」

雪歩「ちょ、ちょっと見てきますね」

P「うん」



雪歩「……あ、このお茶……でも、こっちもいいかも……」



P(すごく真剣に見てるな……どうやら堪能できてるみたいだ……よかった)


雪歩「Pさん。ここのお店、喫茶コーナーもあるみたいですよ!」


P「そうか。じゃあ、雪歩の買い物が終わったら一緒に飲んでいこう」

雪歩「はい♪」

帰り道


P「あれから色々店を回ったけど……随分買ったな」

雪歩「ご、ごめんなさい……久しぶりで、つい……」

P「いや、謝らなくていいけど……ほら」スッ

雪歩「?」

P「荷物持つから、貸してくれ」

雪歩「え、そ、そんなのいいですよ」

P「いいから、そのくらいさせてくれよ」

雪歩「……じゃ、じゃあ……こっちの荷物をお願いしてもいいですか?」

P「いいよ」

雪歩「あ、そっちじゃなくて、もう片方の手で持ってください」

P「え? いいけど……なんで?」

ギュッ

雪歩「こ、こういうことです……」

P「…………」

雪歩「? Pさん……?」

P「雪歩」

雪歩「は、はい」

P「今から寄り道するから、嫌だったらいつでも言ってくれ」

雪歩「え? べ、別に寄り道くらい構いませんけど……?」

P「そうか。じゃあ、こっちだ」グイ

雪歩「え? こ、こっちの道ってたしか……」

P「……嫌か?」

雪歩「……え、えっと……私……その……」

P「…………」

雪歩「……Pさんとなら……いいですよ?」

数時間後
外庭


P「うわー、すっかり遅くなっちゃったな」

雪歩「もう……Pさんのせいですよ?」

P「すまん……」

雪歩「で、でも……嬉しかったです」

P「……あ、そういえば雪歩っていくつだっけ?」

雪歩「え? 17ですけど……」

P「よかった」

雪歩「?」



雪歩「痛っ……?」

P「ん? どうかしたのか?」

雪歩「さ、さぁ……なにか、硬いものにぶつかったみたいで……」

P「え? ……うーん、暗くてよく分からないな……虫じゃないか?」

雪歩「ひぃ!? こ、怖いこと言わないでください!」

P「はは、ごめんごめん」

雪歩「でも、たぶん虫じゃないと思います……石かなにかのような感じでした」

P「ふーん……?」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、雪歩、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「…………」

P「……お、音無さん?」

小鳥「Pさん、ちゃんとルールは守りましょうね?」

P「え? 俺、なにかしました?」

小鳥「いえ、別に……それで? なんの御用ですか?」


P「ああ、そうそう。音無さん、春香のことなんですけど……」

小鳥「え?」

P「え?」

小鳥「……えっと……すみません、何の話ですか?」

P「いえ、春香について話をしたいなって思ったんですけど……」

小鳥「……えーっと……その、ハルカ……ちゃん? って、誰ですか?」

P「え? 天海春香ですけど……この院の」

小鳥「…………」

P「……音無さん?」

小鳥「……ごめんなさい、ちょっと知らない名前です……私も、この院にいる全員の名前を知ってるってわけじゃないんで……」

P「あ、そうなんですか? すいません、てっきり知ってると思って、つい……」

小鳥「いえ、構いませんよ。ですが、その子についての話を聞きたかったら、他の方にあたってください」

P「ええ、わかりました」

小鳥「お力になれず、すみません……」

P「いえ、こちらこそ、すいませんでした」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、雪歩、あずさから選択)

外庭

P「あれ? 珍しいな、春香がここにいないなんて……」

P(……そういえば、いつもここで春香と話しだしてしまうから、この先には行ったことないな……)

P(……ちょっと行ってみるか)


そして……


P「……ん? なんだこの建物」

P(やけにボロいな……もう使われてない施設なのかな?)

P(それにしても、中途半端に壊してあるなぁ……)

P(…………)

春香「Pさん? こんなところで何してるんですか?」

P「!? ……なんだ、春香か……びっくりさせるなよ」

春香「…………」

P「いや、今までこっちの方に来たことなかったからさ……何かあるかなと思って」

春香「何もありませんよ。見ての通り、壊れかけた建物があるだけです」

P「そうみたいだな……ところで、春香はあの建物が何か知ってるのか?」

春香「さあ? 知りません」

P「ふーん」


1 ちょっと探索してみようかな
2 そろそろ戻るか

P「……ま、いいや。そろそろ戻るか」

春香「あれ? てっきり探索したいとか言い出すかと思ってたんですけど」

P「見るからに古い建物だし、崩れたりしたら危ないからな」

春香「そうですか。それじゃ、いつもの場所でお話でもしましょうか?」

P「ああ、そうだな。俺は元々その為に来たんだし」

春香「そうだったんですか?」

P「うん。そういえばさっきはいなかったけど、どこに行ってたんだ?」

春香「ちょっと図書室に」

P「図書室? なんで?」

春香「うーん……石橋を叩くため……ですかね」

P「?」

春香「まあ、もう気にしなくていいですよ」

P「??」

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設、病院から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、千早、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥、高木から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、真、やよい、雪歩、あずさから選択)

運動場


P「おーい」

真「ん? ……あ! Pさんじゃないですか! どうかしましたか?」

P「別に用があるわけじゃないんだけど、たまたま見かけたからさ。迷惑だったか?」

真「いえ、Pさんならいつでも大歓迎ですよ!」

P「そっか、よかった。ところで、真っていつも運動してるよな? 好きなのか?」

真「うーん、好きってほどじゃ……まあ、習慣みたいなものですかね」

P「ふーん。何かスポーツでもしてたのか?」

真「空手を習ってました。こう見えてもボク、強いんですよ? 男相手でも負けないんですから!」

P「へー」

P(たしかに意外と筋肉質だし、そこそこ腕が立ちそうな感じだな……)

真「そういうPさんも……何か運動してるんじゃないですか? よく見ると、結構筋肉ありますね」

P「ん? ああ……最近はしてないけど、昔はしてたな。とある人に勧められて、通信教育で色々やってたよ」

真「通信教育? そんなので上達できるんですか?」

P「うーん……少なくとも、俺に勧めてくれた人はすごく強かったぞ」

真「そうですか。ちなみに、何をやってたんですか?」

P「空手と柔道と相撲」

真「へぇー」


Pの部屋


P「…………」

P(あれからもうすぐ一週間……医者の言う通りだとすると、明日には院長は……)

P「……はぁ。なんでこんなタイミングなんだろう……」

P(思えば、院長のおかげで俺はここのみんなに出会えた……その点に関しては、感謝してもし足りない)

P(なのに、その気持ちを伝えることもできないのか……?)

P(……いや……)

P「……信じよう。あの院長が、そう簡単に死ぬもんか。少なくとも、俺の返事も聞かずに死ぬわけがない」

P「……明日、病院に行ってみよう。もしかしたら、目を覚ますかもしれない……」

コンコン

P「……ん?」

P(誰だろう、こんな時間に……?)


1 開ける
2 開けない

>>455
sien
http://upup.bz/j/my12452idgYtT99neHicHv6.jpg


ガチャ


春香「こんばんは、Pさん」

P「春香か? どうしてこんな時間に」

春香「ちょっと訊きたいことがあるんですけど……いいですか?」

P「訊きたいこと?」

春香「はい」

P「どうしても今訊かないといけないのか?」

春香「はい」

P「分かった。いいよ」

春香「ありがとうございます。じゃあ……」


春香「例えばですよ? 例えば私が、食べるのがもったいないくらい綺麗なお菓子を持っているとします」

P「…………」

春香「できる限り食べずに眺めていたい……そう思っているのに、ふと見ると、一匹の虫がそのお菓子を食べようとしています」

P「…………」

春香「私はどうするべきでしょう? さっさとお菓子を食べてしまいますか? それとも、虫を潰してお菓子を守りますか?」

P「…………」

P(どういう意味なんだ……?)

春香「…………」

P「……そうだな……」


1 お菓子を食べる
2 お菓子を守る
3 お菓子を虫に譲る

P「……お菓子を食べればいいんじゃないか?」

春香「…………」

P「どうせいつかは食べなきゃいけないんだし、虫を[ピーーー]よりはいいと思うんだけどな……」

P(そもそも虫を潰す必要があるのかが疑問だが……まあ、例え話にそんな突っ込みをいれるのも野暮か)

春香「……Pさんならそう答えるって思ってましたよ……優しい人ですしね」

P「えっと、俺の回答は何かの役に立ったか?」

春香「ええ、立ちましたよ。とっても」スタスタ

P「ならよかった……って、どこ行くんだ? そっちはキッチンだぞ?」

春香「知ってますよ?」

P「知ってますよって……」

春香「えっと……ああ、あったあった」スッ

ピッ

P「……えっと……それをこっちに向けて、どうするつもりだ?」

春香「Pさんのアドバイス通り、お菓子を食べるんです」

P「な、何を言って……とりあえず、危ないから包丁を降ろせ……な?」

春香「危ない? どうしてですか?」

P「どうしてって……そんなものを振り回したら、怪我するかもしれないじゃないか」

春香「ああ、それなら大丈夫ですよ……心配いりません」

P「な、なんでだ?」


春香「だって、それが目的ですから」


ブンッ

修整

P「……お菓子を食べればいいんじゃないか?」

春香「…………」

P「どうせいつかは食べなきゃいけないんだし、虫を殺すよりはいいと思うんだけどな……」

P(そもそも虫を潰す必要があるのかが疑問だが……まあ、例え話にそんな突っ込みをいれるのも野暮か)

春香「……Pさんならそう答えるって思ってましたよ……優しい人ですしね」

P「えっと、俺の回答は何かの役に立ったか?」

春香「ええ、立ちましたよ。とっても」スタスタ

P「ならよかった……って、どこ行くんだ? そっちはキッチンだぞ?」

春香「知ってますよ?」

P「知ってますよって……」

春香「えっと……ああ、あったあった」スッ

ピッ

P「……えっと……それをこっちに向けて、どうするつもりだ?」

春香「Pさんのアドバイス通り、お菓子を食べるんです」

P「な、何を言って……とりあえず、危ないから包丁を降ろせ……な?」

春香「危ない? どうしてですか?」

P「どうしてって……そんなものを振り回したら、怪我するかもしれないじゃないか」

春香「ああ、それなら大丈夫ですよ……心配いりません」

P「な、なんでだ?」


春香「だって、それが目的ですから」


ブンッ


P「うお!?」サッ

春香「避けないでくださいよ」

P「む、無茶言うなよ! 死んじゃうって!」

春香「だから、それが目的なんですってば」

P「わ、訳が分からないぞ……どうして……」

春香「Pさんが言ったことじゃないですか」

P「え……?」

春香「気に入ったお菓子を虫に狙われたら、食べて、奪われないようにしちゃえばいいんでしょう?」

春香「だからこうして、決して奪われないようにするんです……ちょっと遅れちゃった気もしますけどね」

P「え、えっと……つまり、どういうことだ?」

春香「鈍いですね……そういうところも、嫌いじゃなかったりしますけど」

春香「……まあ、分からないなら後でいくらでも教えてあげます。だから今は大人しく……」


春香「死んでください」ブンッ


P「っ! すまん!」

バシッ

カラン

春香「痛っ……」

P「だ、大丈夫か?」

春香「…………」

P「なあ春香、落ち着けって……何か俺に不満があるのか? だったら、話を聞くよ……だから……」

春香「…………」

P「……は、春香?」

春香「…………」スッ

ガシッ

P「!?」

P(お、俺の首を……!?)

春香「…………」グッ

P「がっ……!」

P(な、なんだこの力!? ひ、引き剥がせない……!)

春香「…………」ググ……

P「ぐっ……」

P(ま、まずい! どうにかしないと、本当に殺されてしまう!)

P(どうすれば……!)


1 「好きだ!」
2 全力で抵抗する
3 …………。

五分経過で自動的に3

P(くっ……もう春香のことを気遣ってる場合じゃない!)

P「……!」ドスッ

春香「……痛」

P「っ……!」ガッ

春香「…………」

P「っ!」バキッ

春香「……痛いですよ、Pさん」

P(な……なんでここまでしても離さないんだ……!?)

P(……こ、こうなったら!)

スッ

春香「…………」

P(春香の腹に足を着けて……伸ばす!)ググ……


春香「……はぁ」


スルッ


P(……え?)

P(今、なにが……なんで、足が……すり抜け……)


春香「まったく……」グッ

P「! がはっ!?」

春香「女の子のお腹を蹴るなんて、酷いじゃないですか……Pさん」ググ……

P「ば……ばる……が……」

春香「大事なところなんですよ? 私だからいいようなものの……」グググ……

P「……ぐ……ぎゅぅ……」

春香「…………」ググググ……

P「……ぁ……が……」

春香「…………」グググググ……

P「…………」

春香「……ふぅ」パッ

P「」ドサッ

春香「思ったより抵抗されちゃったなぁ……Pさんって、意外と力あるんですね」

春香「あ……涎、垂れてますよ?」スッ

ペロッ

春香「ふふっ……それじゃ、行きましょうか」




そして……



翌年
事務室


律子「…………」カタカタ

コトッ

律子「?」

小鳥「コーヒーでもいかがですか? 律子さん」

律子「ああ、小鳥さんでしたか……ありがとうございます」

小鳥「だいぶお忙しいみたいですね」

律子「ええ。更に業務が増えましたから」

小鳥「そうですね……でも、無理はいけませんよ? 律子院長♪」

律子「や、やめてくださいよ……」

小鳥「ふふっ」

律子「…………」

律子「あの、小鳥さん。私、思うんです……前院長は、本当は彼に後を継いでほしかったんじゃないか……って」

小鳥「……そうかもしれませんね。あの人、だいぶ気に入られてたみたいですから」

律子「彼、どこに行ったんでしょうね……」

小鳥「……たしか警察の人の話では、窓から落ちた形跡があったんでしたよね?」

律子「ええ。ただ、そこから移動した跡がなかったみたいで……」

小鳥「……私、なんとなく、あの人がまだこの院にいるような気がするんですよね……」

律子「この院に……ですか?」

小鳥「はい。なんとなく……ですけど」

律子「そう……ですか……」

小鳥「…………」

フワッ

小鳥「あら、桜の花びら……」

律子「そういえば、もうそんな季節ですか」

小鳥「あの人が来たのも、この時期でしたね……」

律子「……小鳥さん、今夜、飲みにいきませんか?」

小鳥「あれ? もう飲めるんでしたっけ?」

律子「いえ、それはもう少し先ですけど……お付き合いしますよ。なんなら、あずささんやおばちゃんも誘って……」

小鳥「……そうですね。じゃあ、お言葉に甘えようかしら」

律子「そうしてください。それじゃ、そろそろ仕事に戻りましょう」

小鳥「ええ。また後で」

スタスタ

律子「…………」

律子「……まだこの院に……かぁ」

律子「本当に、どこ行っちゃったんですか……Pさん……」


「わぁ……」


今年もまた、春が来た。


「きれいですね、Pさん」


桜の花は満開で、花びらをひらひらと宙に舞わせている。


「ふふっ……どうしたんですか? そんな悲しそうな顔、しないでくださいよ」


春、夏、秋、冬……巡る季節が、俺達の前を通りすぎて行く。

俺は、この先もずっと、それらを見送り続けるのだろう……。



「大好きですよ、Pさん」



この場所で……君と。



『真美の質問コーナー』

Q真美は結局何者?

真美「それは真美ルートで確めてね」


Q雪歩ルートのあの寄り道は何?

真美「きっとゆきぴょんのあまりの可愛さにプレゼントがしたくなった兄ちゃんが、ゲームセンターに連れて行ったんだよ」

QPさんとならいいよとは?

真美「兄ちゃんとなら(ゲーセンみたいな怖いところに行っても)いいよってことっしょ?」

QPさんのせいで遅くなったとは?

真美「兄ちゃんが熱くなって連コインしたせいで遅くなったんだね」

Q嬉しかったとは?

真美「連コインの成果のプレゼント(景品)のことっしょ?」


Qなんか雪歩とかチョロくない?

真美「本来一年分やるはずだったのに土壇場で三ヶ月分に切り替えたからね、ちかたないね」


Q伊織は?

真美「上の理由とかもあって出にくくなっちゃったんだよねー……でも、出せないことはなかったよ?」


Qなんで春香END?

真美「ちゃんと対処しなかったから……」

お陰様で久々の安価スレ完結できました、ありがとうございました
今更ながら日数表示しておけばよかったと後悔してます

他のルートがもったいないのでなんとかしたいのですが全ルート書くとかキツそうですし……
皆様の意見を参考にして決めたいと思います
別に安価ではないですが

1 二週目
2 大まかなストーリーだけあげて終わる

じゃあやれるだけ二週目をやるってことで……別にこのスレ継続利用でいいですよね

>>617
言い忘れてましたが、支援絵ありがとうございました

1日目

P「ここが765院か……なかなか大きな建物だな」

P(大学を卒業したはいいものの結局就職できなかった俺は、道端で出会った高木というおっさんに誘われ、とりあえずここ765院に就職することになった)

P(何をするところなのかはまだ聞いてないけれど、働けるだけ幸せだよな……)

P「…………」

P(あれ……今さらだけど、業務内容すら聞いてないのっておかしくないか?)

P(…………)

P「ま、まあいいや。職が見つかるまでの繋ぎでいいって言ってたしな」

エントランス

P「!」

P(イメージと違うな……病院かなにかかと思ってたけど、違うのかな?)

「あら? どちら様ですか?」

P(気がつくと、緑色の髪の女性が側に立っていた)

P「えっと、高木さんに呼ばれて来たんですけど」

「あ、それなら、あちらの院長室にどうぞ」

P「はい、ありがとうございます」

院長室

コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「ん? おお! 君かね、待っていたよ!」

P「はい! 今日からよろしくお願いします!」

高木「うむ! いい返事だ。それじゃあ頑張ってくれたまえ。私はこれから用事があるので、これで失礼するよ」

スタスタ

P「……えっ?」

しばらく後……

小鳥「私は、事務員の音無小鳥です。すみません、うちの院長が……」

P「いえいえ。それはそうと、ここはどういった場所なんですか?」

小鳥「ここは765院。通称、社会のゴミ箱です」

P「しゃ、社会のゴミ箱……?」

小鳥「はい。ここは、いろいろな理由で社会に適合できない子なんかが集められる所なんです」

P「はあ……なるほど。それで、俺は何をすれば?」

小鳥「一応、事務や清掃なんかの仕事もあるんですけど……一番大事な仕事は、みんなの話し相手になってもらうことです」

P「え? そんなことでいいんですか?」

小鳥「はい。それだけで、きっとみんな喜ぶはずです。本当は私達の仕事なんですけど、人手不足で忙しくて……事務清掃は私達がなんとかしますから、お願いできませんか?」

P「分かりました。でも、どうして俺なんですか? あなた達の方が相手のことをよく分かってるはずでは?」

小鳥「既に知っているからこそ、私達には難しいんですよ。一から新しい関係を築ける、あなたが適任なんです」

小鳥「昨日院長が言ってましたよ、『明日、期待の新人が来る』って。あの院長がそこまで言うんですから、きっとあなたなら大丈夫です」

P(院長はずいぶん信頼されているんだな……俺にはまだ、ただのおっさんにしか思えないが)

P「……わかりました。そういうことなら、精一杯頑張ります!」

小鳥「はい! お願いします。じゃあ、まずは施設を案内しますね。律子さん、お願いできますか?」

律子「いいですよ」

廊下

律子「私は、秋月律子です。今日からよろしくお願いしますね」

P「はい、お願いします。ところで律子さん、ひとつ訊いてみてもいいですか?」

律子「律子、でいいですよ。あなたの方が年上ですし」

P「そ、そうですか?」

律子「あと、敬語もいりませんから」

P「じゃ、じゃあ……律子」

律子「はい、なんでしょう」

P「律子はどうして、ここで働いてるんだ?」

律子「いや、なんというか……まあ、色々ありまして」

P「…………」

律子「ひとつ言っておきますけど、みんなの前では、今みたいに思ったことをなんでもかんでも訊いたりしないでくださいね?」

P「あ、はい。わかりました」

律子「敬語」

P「あ、すいません」

律子「…………」

P「あ……えっと、すまん」

しばらくして……

律子「えっと……施設の紹介はこんなもんですかね。じゃあ、肝心のここの子達の紹介ですけど……」

律子「最初に言っておきますが、ここのみんなの紹介は最小限にします。小鳥さんも似たようなことを言ってましたが、あまり先入観を持って接してほしくないですから」

P「わかった」

律子「じゃあ、今からその最小限の紹介が必要な子達のところへ行きますね」

美希の部屋

ガチャ

律子「美希? 起きてる?」

美希「…………」

P(うわっ、随分かわいい子だな……)

律子「うーん……やっぱり寝てるみたいですねぇ。じゃあ、出ましょうか」

P「あ、ああ」




廊下

律子「今の子が、星井美希です。あの子は普段ずっと今みたいに寝ています」

P「ずっと?」

律子「ええ、ずっと」

P「それは……どうして?」

律子「分かりません。精神的なものだと考えられるそうです」

P「……原因は?」

律子「……性的暴行、です」

P「…………」

律子「そういう訳ですから、あまりあなたと関わることはないかもしれません」

律子「でも、たまに院内をうろつくことがあるんです。ですから、見かけた時は声をかけてあげてください……ただし、慎重にお願いしますね」

P「……ああ」

亜美の部屋

ガチャ

律子「亜美ー? 入るわよー?」

律子「……あら、いない」

P「え?」

律子「ここは、双海亜美という子の部屋です」

P「え、あ、ああ……」

律子「? どうかしました?」

P「いや、別に……」

律子「そうですか。じゃあ、えっと……亜美はですね、子供の頃から空想の友達と話している子なんです」

P「空想の友達?」

律子「はい。名前を双海真美と名付けてます」

P「……なるほど」

律子「まあそういうわけですから、会った時は話を合わせてあげてくださいね」

P「ああ、わかった」

廊下

律子「こんなもんですかね……あとの子はまあ、出会って話したりする中で掴んでください。どうしてもって時は、私や小鳥さんなんかに訊いてくださいね」

P「ああ、わかった」

律子「あ、それと最後に一つだけ」

P「?」

律子「ここにいる子は誰であれ、大なり小なりデリケートな部分を持っています。そしてそれは、大抵の場合ここにいる理由と関係があります」

律子「ですから、接する時はくれぐれも気をつけてくださいね」

P「……肝に銘じておくよ」

律子「それでは、私はここで」

P「うん。ありがとう」

P「なるほど……孤児院やら精神病院やらをごっちゃにした感じだな。確かに、社会のゴミ箱って言う人がいてもおかしくないな」

P(しかし、こんなところでやっていけるかなぁ……不安だ)

P「……ま、とりあえずやるだけやってみよう」



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く

P「亜美ちゃんって、どんな子なんですか?」

小鳥「……えっと、さっきの私の話聞いてました?」

P「え?」

小鳥「もう……律子さんに言われませんでしたか? あまり先入観をもって接してほしくないって」

P「あ……あー……」

小鳥「あーじゃないですよ、まったく……気持ちは分かりますけど、安易に私達に頼ろうとしないでください。私達は何も知らないあなたに期待してるんですから」

P「すいません……」

小鳥「いえ、いいんですよ」

P「じゃあ、とりあえず色々手探りで頑張ってみますね」

小鳥「ええ。応援してます」

小鳥「あ、それと本当に困った時なんかは、遠慮なく頼ってくださいね? いつでも力になりますから」

P「はい、ありがとうございました」

2日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

P「えっと、亜美ちゃんはいるかな?」

亜美「あれ? 兄ちゃん誰?」

P「ああ、えっと、ここでしばらく働くことになったPって言うんだけど……」

亜美「ふーん。で、亜美に何の用?」

P「いや、用って言うか……」

P「とりあえず、君が亜美ちゃんってことでいいのかな?」

亜美「? どーゆー意味?」

P「いや、そっちの子は誰なのかなーって思ってさ」

亜美「! 真美が見えるの!?」

P「ああ、やっぱりその子が真美ちゃんなんだ」

亜美「すごいよ真美! この兄ちゃん、真美が見えるって!」

真美「知ってるよ。昨日亜美がトイレにいってる間にここに来たもん」

P(なるほど、これが空想の友達の真相か……普通、人には見えないんだな)

亜美「すごい! すごいよ! 今まで誰にも見えなかったのに、なんで兄ちゃんには見えるの!?」

P「さあ? なんでだろう……」

真美「ねえ亜美、そろそろ……」

亜美「あっ、そっか……」

亜美「ねえ兄ちゃん。亜美、これから行かなきゃいけないところがあるんだ」

P「あ、そうなんだ。ごめんね、そんな時に」

亜美「ううん、いいよ。その代わり、絶対また来てね! 約束だよ!」

P「うん、わかった」

3日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「いや、特にはないんだけど……」

律子「そうですか。ところで、お仕事にはもう慣れましたか?」

P「ああ、いや、まだ慣れないかな」

律子「まあ、そうでしょうね」

P「でも、ここの子達はみんないい子だよな、何て言うか、見てると笑顔になるよ」

律子「ええ。分かりますよ……その気持ち」

P「……よし、また仕事してくるかな」

律子「はい、頑張ってください」

4日目


高木「やあ、P君」

P「あ、院長」

高木「この間はすまなかったね」

P「いえいえ」

高木「自分で言うのはなんだが……私には人を見る目があってね」

高木「君なら、必ずうちの子たちをいい方向に導けると信じているよ」

P「が、頑張ります」

P(期待されてるなぁ……)



P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

二週目も二週目でキツいことに気づいた……イベ抜けあったらすいません

P「屋上にでも行ってみようかな」



屋上


ガチャ

P(あれ、先客がいる……)

「…………」

P(きれいだな……それと、なんだろう……儚げな感じだ)

「…………」チラッ

P「あ、えっと……こんにちは?」

「…………」

P「……え、えっと……」

「…………」スッ

スタスタ……

P「…………」

P(む、無視された!?)

4日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「運動場に行ってみようかな」


運動場

ワーワー

「へいパス!」
「ディフェンスディフェンス!」
「シュートいけシュート!」


P「おお、サッカーか……なつかしいな」

P(しかし、なんというか……みんな顔が怖いな……刑務所にいる気分だ)

P(たしか、少年院としてもやってるんだっけか……)

オオー!!

P「……ん?」


「へへっ、やーりぃ!」


P(あれ、あの子はどっちかというと可愛いかんじだな?)

P(まあ、色々事情があるんだろう)

5日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P(そういえば、まだ美希ちゃんの動くところを見たことないな……美希ちゃんの部屋に行ってみようかな)



美希の部屋

コンコン
ガチャ

P「お邪魔します……」

美希「…………」

P「…………」

美希「…………」

P(きれいな寝相だなぁ……まるで死んでいるみたいだ)

美希「…………」

P(どうやら、起きる様子はなさそうだ)

7日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

食堂

P「ここの食堂は安くて便利だなぁ……助かるよ」

P(そういえば、まだ給料について何も聞いてないような……?)

P(……まあいいか)

P「さて、どこに座ろうか……な……?」


「…………」ズルズル


P「な、なんだあの丼の量……」


「…………」ズルズル


P「…………」

P「……おっと、ぼーっとしてないで座る所探さないと」


「…………」コトッ

「すみませんが、おかわりをお願いします……」


P(まだ食うのか!)

8日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、亜美、律子、小鳥から選択)

P「医務室にでも行ってみようかな」


医務室

ガチャ

「あら? えっと……どちらさまでしたっけ?」

P「あ、新しくここで働くことになったPです」

あずさ「あら~そうですか。私、三浦あずさと申します~」

P(ん、あれ、ナース服を着てるってことは……)

P「えっと、あずささんは、ここの職員なんですか?」

あずさ「はい、そうですよ。今日はどうしたんですか?」

P「あ、別に用事があったわけじゃないんですけど……」

あずさ「そうですか~。私、いつもここにいますから、何かあったらまた来てくださいね~」

P「わかりました」

9日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭

P「そういえばここに来るのは初めてだけど……いい場所だな」

P「うん、なんだか落ち着く……広くて解放感があるよ」

P「……ちょっと歩いてみようかな」

P「…………」テクテク

P「……あれ? なんであの辺だけ地面が剥き出しになってるんだ?」

P「それに……あの建物はなんだろう。まだ入ったことがないな……」

P「うーん……」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

P「よし、この建物に入ってみよう」

ガチャガチャ

P「ん? なんだ、鍵がかかってるのか……」

P「しょうがない、今日のところは諦めよう」

10日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

医務室

ガチャ

あずさ「あら~、Pさん。今日はどうしたんですか?」

P「あずささんに会いにきました」

あずさ「あ、あら~」

P「あずささん」

あずさ「は、はい、なんでしょう?」




1「今度一緒に買い物にいきませんか?」

2「あずささんはどうしてここで働いているんですか?」

P「あずささんはどうしてここで働いているんですか?」

あずさ「そうですねぇ……私の場合、ここで働くくらいしかできなかったんです」

P「え?」

あずさ「小さい頃、親とはぐれてこの施設に迷いこんだらしいんですよ、私」

P「捜索願いなんかは……?」

あずさ「ありませんでした。当時のスタッフの皆さんも両親を探してくださったみたいですけど、見つかりませんでした……もしかしたら、捨てられてたのかもしれませんね」

P「…………」

あずさ「そのままこの施設で育って高校を出ました。アルバイトで貯めたお金で短大を出た後、就活をしました。でも、どこにも採用してもらえませんでした」

あずさ「だから、私はここで働いてるんです。それしか選べませんでした」

P「……あの、えっと」

あずさ「謝らなくていいですよ? 気にしてませんから」

P「…………」

あずさ「Pさん」

P「は、はい」

あずさ「たまに……たまにでいいんです。他の子の相手を優先してくださって結構ですから」

あずさ「私の話し相手にも、なってもらえませんか……?」

P「……もちろん、いいですよ」

あずさ「……うふふっ、ありがとうございます~」

11日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室

P「へえ……けっこう立派な図書室だなぁ」

P「……せっかくだし何か読んでいこうかな」


1 『眠り姫 ~THE SLEEPING BE@UTY~』

2 『幽霊大全 ~降霊徐霊これ一冊~』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「ひさしぶりにラノベでも読んでみるか……」スッ

ピタッ

「あっ」
P「あっ」

P「ごめん、どうぞ」

「いや、別にいいぞ。先に読んで?」

P「いや、いいよ。他のにするから」

「そうか? じゃあ、遠慮なく」

P「好きなの? ラノベ」

「うん。えっと……」

P「ああ、俺はP。最近ここで働きだしたんだ」

響「そっか。自分、我那覇響。よろしくね、P」

P「よろしく、響」

12日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(響、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

亜美「あーっ! 兄ちゃん!」

P「こんにちは、亜美ちゃん」

亜美「もー、遅いよ! 亜美、ずっと退屈してたんだよー?」

P「ごめんごめん」

亜美「罰として、今日はずっとここにいて亜美と遊んでね!」

P「ははは……うん、できる限りいることにするよ」


亜美「できる限りじゃダメだよ。ずっといないと」


P「え? あ、えっと……」

真美「ダメだよ亜美、あんまり兄ちゃんを困らせちゃ」

亜美「えー……」

真美「亜美」

亜美「……うん、わかった。ごめんね兄ちゃん」

P「え、あ、いやいいんだけど……」


P(しばらくの間亜美ちゃん真美ちゃんと一緒に遊んだ)

13日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場から選択)

2 誰かに会いに行く(響、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「…………」

P「……やっぱり、気になるなぁ」


1 地面が剥き出しの所に行ってみる
2 見知らぬ建物に入ってみる

P「よし、今度こそ」

ガチャ

ワン!

P「ん?」

ニャー
ヂュイ!
グルルルル……

P「な、なんだここは……すごい数の動物達だ」


響「あれっ、P?」

P「え、あれ、響? なんでここに?」

響「それはこっちのセリフだぞ……まあいいけど」

響「実は自分、ここの管理任されてるんだよね」

P「……えっと、ここって何の場所なんだ?」

響「んー? ここは、野良の動物や飼えなくなったペットたちを預かる場所だぞ」

P「へ、へえー」

P(動物保護センターみたいなことまで……手広すぎるだろこの施設)

響「Pはどうしてここに来たんだ?」

P「いや、たまたまこの建物を見かけて気になったから……」

響「ふーん。ま、いいや。そういうことなら手伝ってよ」

P「え? 何を?」

響「見ればわかるだろ? 餌やりだぞ」

P「え、あ、でも……」

響「ほらほら早くー」

P「わ、わかったよ」

響「よし! じゃあまずは――」



P(響と一緒に動物達の世話をした)

14日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(響、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

図書室


響「あっ、P」

P「よっ。なに読んでるんだ?」

響「あっ、えっと……」スッ

『人の上に立つ方法』

P「…………」

響「…………」

P「……立ちたいの?」

響「うん」

P「そっか……」

P(どうしよう、本気で言ってるのかな……理由を訊きたいような、訊きたくないような……)

響「ねえ、自分、立てるかな?」

P「う、うーん……まだ知り合ったばかりだし、よくわからない……かな」

響「そっかー」

P(そうか、響もここの一員である以上、何かあるんだなぁ……)

15日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(響、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

運動場

P(今日は静かだな……みんな他の場所で遊んでるのかな?)

P「……ん?」


「…………」タッタッタッ


P(あれは……この前見た子だな。ランニングしてるのか?)


しばらくして……


「……ふぅー」

P「お疲れ様」

「へ? ……えっと……」

P「ここの職員のPだよ。会うのは初めてだね」

真「そ、そうですね……あ、ボクは、真です。菊地真って言います」

P「真くんか、よろしく」

真「ん?」

P「え?」

真「えっと……ボク、女なんですけど」

P「えっ!? あ、ご、ごめん」

真「いえ、もう慣れてますし、別にいいですよ。それよりも、汗かいてるからそろそろ行っていいですか?」

P「ああ、うん。呼び止めて悪かったね」

真「いえ、いいですよ……それじゃ」

P「…………」

P(女か……そう言われてみるとたしかにそうだな)

P(あれが噂に聞く中性的な子ってやつか……)

16日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


P「ふむ……桜も散っちゃったな……」

P(大学の友達は今頃会社でどんな仕事してるんだろう……)

P「……はぁ」

「どうしたんですか? ため息なんかついて」

P「うおっ!?」

「あ、すいません。驚かせちゃいました?」

P(い、いつの間に後ろに……)

P「え、えーと君は?」

春香「私は天海春香です」

P「春香ちゃん、か」

春香「呼び捨てでいいですよ」

P「そ、そうか? じゃあえっと、俺は……」

春香「新しくここで働くことになったPさん……ですよね?」

P「あれ? なんで知ってるんだ?」

春香「さあ? なんででしょう?」

P「……誰かから聞いた……とか?」

春香「まあ、そんなところですね」

P「そっか」

春香「私は、いつもこの辺にいますよ」

P「え?」


「Pさーん!」


P「あ、ごめん。呼ばれてるから、行かなきゃ」

春香「はい、行ってらっしゃい」


P(なんだか不思議な感じの子だったな……)

17日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 響について

P「特にはないかな」

律子「そうですか」

P「……律子は相変わらず忙しそうだな。休みとかとってるのか?」

律子「休み? ええ、とってますよ」

P「え? そうなの? いつ?」

律子「毎日午前0時から7時まで」

P「それは、睡眠時間、です」

律子「冗談ですよ。休みですか……ここに入ってからは殆どとったことないですねぇ」

P「やっぱりか……体壊したりとかしないのか?」

律子「もう慣れましたから。そういうPさんは大丈夫そうですか?」

P「まあ、俺はそんなにキツい仕事でもないし……」

律子「……ひとつ忠告しておきますけど、そのうちここを辞めるつもりでしたら、さっさと他の職を探したほうがいいですよ」

P「それは……どうしてだ?」

律子「……さあ?」

P「なんだよそれ」

律子「いつまでも喋ってないで、お仕事に戻られてはいかがですか? P殿」

P「誤魔化すなぁ……ま、いいや。そろそろ戻るとするかな」

律子「ええ、そうしてください」

18日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

運動場

真「あれ、また来たんですか」

P「あ、いやだった?」

真「いえ別に……」

P「今日はこれからランニング?」

真「ええ、まあ」

P「そう、じゃ、頑張って」

真「…………」

真「Pさんって、仕事何してるんですか?」

P「え? うーん……まあ、みんなと話したりするのが仕事かな」

真「へえー……」

真「……じゃあ、ボクを外に連れて行ったりって、できないんですか?」

P「え……?」

真「どうなんですか?」

P(……うーん、どうなんだろう?)

P「ごめん、わからないや。今度誰かに訊いてみるよ」

真「ほんとですか?」

P「うん」

真「ありがとうございます!」

P(次会う時までに訊いておかないとな……)



P「はー、今日も疲れたなぁ」テクテク

P(話し相手になったり、遊び相手になったり……なかなか大変な仕事だよなぁ)

P「ま、後は家に帰ってゆっくりするだけ……」

カーンカーンカーン
ウー……ウー……

P「ん、火事かな?」

P「近そうだな……後で野次馬にでも行こうかな」

P「…………」テクテク

P「…………」テクテク

P「!!!」

P「お、俺の家じゃないか!」

19日目


P「というわけで……」

律子「それは……なんと言いますか……」

小鳥「ご、御愁傷様です……?」

P「はあ……職どころか家を探さないといけなくなっちゃったよ……」

律子「ま、まあまあ、元気だしてください」

小鳥「…………」ティン

P「どうしたんですか音無さん、閃いたって感じの顔して」

小鳥「まあまあ、とりあえず日中お仕事頑張ってください」

P「? はあ……わかりました」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 響について
3 真について

P「響ってどういう経緯で中庭の動物保護施設の管理任されてるんだ?」

律子「経緯って言われても、別に大したことはありませんでしたよ?」

律子「院長が動物保護施設を作ってはどうだろうとか言い出して、たまたまそれを聞いた響が猛賛成しまして」

律子「人手不足だから駄目って言ったのに二人がどうしてもって言うんで、仕方なく響が全面的に管理責任をもつことを条件に許可したんです」

P(要するに、スケールの大きい『ママ、ペット飼いたい!』か……)

P「……しかし、それだけ熱心に頼むってことは、よっぽど動物が好きなんだな」

律子「そのようですね。実家でも何匹かペット飼ってたそうですよ?」

P「ふーん」



小鳥「Pさん! 院長が呼んでますよ!」

P「えっ、院長が?」

小鳥「さあさあ♪」



院長室

コンコン
ガチャ

P「失礼します」

高木「おお! 聞いたよキミぃ! 大変だったそうじゃないか」

P「ええ、まあ……」

高木「どこか住む当てはあるのかね?」

P「いえ、それが……」

高木「そうだろうそうだろう。だがもう心配はいらんよ! 今日からここに住めばいい!」

P「えっ!?」

高木「余った部屋ならある。次の住まいが見つかるまで、ここに住むといい」

P「え、あ、それは……」

P「……本当に、いいんですか?」

高木「いいとも!」

P「……じゃ、じゃあ、お願いします」

高木「承った! さっそく君の部屋に案内するよ」

P「はい!」

高木「あ、一応言っておくが光熱費等は君の給料から引かせてもらうよ」

P「……はい」

20日目


小鳥「おはようございます♪」

P「あ、おはようございます」

律子「Pさんもここに住むことにしたんですね」

P「え? じゃあ、律子もここに住んでるのか?」

律子「ええ、まあ」

小鳥「私もここに住んでますよ!」

P「へえ……そうなんですか」

小鳥「……ちょっと! もっとこう……部屋教えてくださいとか! 今度遊びに行きますねとか! ないんですか!?」

P「え……あ、じゃあ、部屋教えてもらえますか?」

小鳥「はい♪」

律子「必死ですねぇ……」

小鳥「悪いですか?」

律子「いえ別に」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

外庭


わー!わー!


P「鬼ごっこ……かな? まあなんにせよ元気がいいな」

P「小学生ぐらいの子もいれば、高校生ぐらいの子もいる……本当に、すごい所だなここは」


ギャーギャー


P「あれ、喧嘩かな? 止めるべきか……ん?」


「こら! 喧嘩しちゃダメでしょ?」

「でもあいつが……!」
「ちがうよ!こいつが……!」

「言い訳しないの! 二人とも謝りなさい!」

「う……ごめんなさい……」
「ごめんなさい……」

「よくできました。じゃあ、みんなで仲良くあそぼ?」

「「うん!」」



P(へー、あの子、みんなのお姉ちゃんって感じだ……しっかりしてるなぁ)

21日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

P「屋上にでも行ってみようかな」



屋上


ガチャ

P(あれ、先客がいる……)

「…………」

P(きれいだな……それと、なんだろう……儚げな感じだ)

「…………」チラッ

P「あ、えっと……こんにちは?」

「…………」

P「……え、えっと……」

「…………」スッ

スタスタ……

P「…………」

P(む、無視された!?)

22日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

中庭


P「この前見た、土が剥き出しの所に行ってみようかな」


しばらくして……


P「……ん? なんだこれ。マンホールの蓋みたいだな……」

P(よくわからないが、下水道に通じているのかな?)

カタッ

P「!?」ビクッ

ズズズ……

「ふぅ」ヒョコッ

P(あ、穴から女の子が出てきた……)

「……ひぅ!?」ビクッ

P(気づかれたか)

P「え、えっと……こんにちは?」

「あ……こ……こんにちはっ!」シュポッ

P「引っ込んじゃった……こんにちはって、別れの挨拶だったっけ」

P「…………」

P「とりあえず、戻しておいてあげるか……」ズズズ……

23日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

屋上


P「あ……」


「…………」


P(またいた……あの子、いつもここにいるのかな)

P(だとしたら……)


「…………」


P(じっと空を見て、何を思っているんだろう……)


「…………」チラ


P「! あ、えっと……」


「…………」スタスタ


P「…………」

P(あの子、友達とか、いないのかな……)

24日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

事務室

P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 真について

P「あのさ、俺って、ここの子を外に連れていってあげたりとかできないの?」

律子「へ? ああ……なんです? 連れていってあげたい子でもいるんですか?」

P「まあ、そんな感じだ」

律子「そうですか……まあ、別に構いませんよ」

P「本当か?」

律子「ええ。ただし、きちんと逐一報告すること。それから、絶対に問題を起こしたりしないこと。万一の時は、全責任を負うこと」

律子「これらを守れるなら、たまに外に連れて行ってあげるくらい構いませんよ」

P「そうか……ありがとう」

律子「ちなみに、誰を連れて行くつもりですか?」

P「ああ、えっと、菊地真って子……」

律子「ちょっと待ってください」

P「え?」

律子「……Pさん、あなた自分が何を言ってるのか分かってますか?」

P「……なんかまずいこと言ったか?」

律子「あー、なるほどなるほど、知らないんですね」

P「……もしかして、やっぱりダメって言うつもりなのか?」

律子「…………」

律子「…………」

律子「………………外出中は一時も目を離さずに、一挙手一投足に気をつけること。真には変装をさせること。真を外出させたことは誰にも言わないこと。もしもの時は、その腹かっさばいてでも責任をとること」

律子「これらを天地神明に誓って守れるなら、どうぞ」

P「……な、なんか怖いな……」

律子「私はあなたの無知が怖いですよ……ま、そういうことですので、よく考えて実行に移してくださいね」

P「あ、ああ……わかったよ」

25日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

中庭

P「前のはいったいなんだったんだろう……ん?」

「…………」

P(穴から、この前の女の子が顔を出してこっちを見ている……)

「……あ、あの……」

P「えっと、なにかな?」

「こ、この前は、逃げたりしてごめんなさい……」

P「ああ、別にいいよ。それより、君の名前を教えてくれないかな」

雪歩「えっと、私、萩原雪歩って言います」

P「そっか。俺はここの職員のP。よろしく、雪歩ちゃん」

雪歩「あ、はい……よ、よろしくお願いしますぅ」

P(……ちょっと怯えられてる?)

雪歩「そ、それじゃ、また……」

ズズズ……ゴトン


P「……結局この穴はなんなのか訊きそびれちゃったな」

26日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

美希の部屋

コンコン
ガチャ


美希「…………」

P「…………」

P(相変わらずずっと眠っているのか……)

美希「…………」

P(……なんか、前にみた時より痩せてるような……ちゃんと食事してるのか……?)

美希「…………」

P「…………」

P(無理に起こすわけにもいかないよな……)

バタン

27日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、響、あずさから選択)

外庭


ワーワー


P「子ども達が遊んでるな。あれは……缶けりかな? 懐かしいな」

P(……一見すると微笑ましい光景なんだよな)

P(あの子たちに何があったんだろう。どうしてここにいるんだろう)

P(俺があの子たちにしてあげられるのは、本当にただ話相手になることだけなのか……?)

P「…………」

「あっ!?」

ヒュー
コン!

P「痛っ!?」

P(な、なんだぁ?……ああ、子どもたちの蹴った缶か……)

「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですか!?」

P「い、いや……大丈夫だよ。ほら、これ」

「あ、ありがとうございます……」

P(この子は……たしか前にも一度見たな)

「あ、あの……ほんとにごめんなさい!」

P「いや、いいよ。それよりも早く戻ってあげないと、みんな待ってるよ」

「う……じゃ、じゃあ、えっと……」

P「あ、そうだ。行く前に、名前を教えてくれないかな?」

やよい「あ、はい。私、高槻やよいです! えっと……じゃあ、その……ほんとにすいませんでした!」


P「やよいちゃん、か……ほんとにみんないい子なんだよなぁ……」

28日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(あずさ)

外庭


P「春香」

春香「あ、来てくれたんですねPさん」

P「うん。でも、なんでいつもここにいるんだ?」

春香「私、この場所が好きなんです」

P「へえ」

春香「春は桜が咲いて、夏は緑でいっぱいになって、秋は紅葉が綺麗で……冬になると、ちょっぴり寂しくなりますけど、ここが好きなんです」

P「そっか……たしかに、いい場所だよな」

春香「はい」

P「…………」

春香「ねえ、Pさん」

P「ん、どうした?」

春香「例えばですよ? 例えば、仲良くなりたいなーって思ってる人がいたとしたら、積極的にいくべきですかね? それとも、相手から来るのを待つべきですかね?」

P「そうだな……」




1「積極的にいくべきじゃないか?」
2「相手から来るのを待つべきじゃないか?」

P「相手から来るのを待つべきじゃないか?」

春香「どうしてですか?」

P「だって、あんまり積極的にいって嫌がられたりしたら本末転倒じゃないか」

春香「それじゃあ、もし待ってても相手が来てくれなかったら?」

P「えっ? ……うーん……」

春香「…………」

P「……ごめん、分からないや」

春香「じゃあ、もし待ってても来なかったら……その時は、Pさん、私の仲間になってくれますか?」

P「え?」

P(仲間? 友達じゃなくて? ……ああでも、この年の差で友達ってのも変だよな。春香なりに考えた友達の言い換えってとこか……)

P「わかった、いいよ」

春香「ほんとですか?」

P「ああ」

春香「ふふっ、ありがとうございます」

P「それじゃ、俺はそろそろ行かなくちゃ」

春香「わかりました。また来てくださいね?」

P「ああ、もちろん」

29日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く

P「もしかして音無さんって、あずささんが来た時にはもうここで働いてました?」

小鳥「…………」

P「お、音無さん?」

小鳥「あずささんから、何か話を聞いたみたいですね?」

P「え、ええ、まあ」

小鳥「あずささんは、いつ頃ここに来たって言ってました?」

P「え? えーと……小さい頃って」

小鳥「ほほぅ、つまりPさんは、あずささんが小さい頃に私はすでに働ける年齢だったと思っているわけですね?」

P「あっ……ご、ごめんなさい」

小鳥「……いえ、いいですよ。実際、ここにいたのは確かですしね」

P「え? じゃあ……」

小鳥「あ、一応言っておきますけど、働いてはいませんでしたし、ここに入院してたわけでもないですからね?」

P「そうなんですか」

P(じゃあなんでここにいたんだ……?)

小鳥「そういえば、昔のあずささんはやさぐれてましたねぇ……」

P「へえ?」

小鳥「流石に本人のいないところでは言えませんけど、中々すごかったですよ」

小鳥「たぶん、今でも街の方には、あずささんの名前が通じる女の子達がいるんじゃないかしら……」

P「え……? どういう意味ですか?」

小鳥「……まあ、昔のあずささんは少しやんちゃだったってことですよ」

P(やんちゃ? あずささんのイメージとは正反対だな……)

小鳥「あら、もうこんな時間……すいません、そろそろ仕事に戻らせてもらいますね」

P「あ、はい」

30日目


高木「おはよう、P君」

P「あ、おはようございます」

高木「その様子だと、ここでの生活にも大分慣れてきたようだね」

P「はい、おかげさまで……」

高木「新しい住居なんかは探しているのかね?」

P「ああいえ、それが、忙しくて中々……」

高木「ふむ、まあそう焦らなくてもいいさ。まだ時間はあるからね」

P「え?」

高木「おっと……すまない、気にしないでくれ。こっちの話だ。それでは私はこの辺で失礼するよ」

P「? はあ……」





P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

図書室

P「静かだなぁ……」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『幽霊大全 ~降霊徐霊これ一冊~』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「たまにはオカルト系の本も悪くないな」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「…………」パタン

P「ま、実用的な知識ではないかもしれないけど、いいリフレッシュにはなったかな」

31日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く

P「春香のことなんですけど……」

小鳥「え?」

P「え?」

小鳥「……えっと……すみません、何の話ですか?」

P「いえ、春香について話をしたいなって思ったんですけど……」

小鳥「……えーっと……その、ハルカ……ちゃん? って、誰ですか?」

P「え? 天海春香ですけど……この院の」

小鳥「…………」

P「……音無さん?」

小鳥「……ごめんなさい、ちょっと知らない名前です……私も、この院にいる全員の名前を知ってるってわけじゃないんで……」

P「あ、そうなんですか? すいません、てっきり知ってると思って、つい……」

小鳥「いえ、構いませんよ。ですが、その子についての話を聞きたかったら、他の方にあたってください」

P「ええ、わかりました」

小鳥「お力になれず、すみません……」

P「いえ、こちらこそ、すいませんでした」

32日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

図書室

P「静かだなぁ……」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『どんと来い、育児問題』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「あれ? これ、先生の本かな?」

P「……違うのか、紛らわしいタイトルだなぁ」

P「育児本ね……役に立つ日がいつか来るといいんだけど……」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらく後……


P「……ん? 『イマジナリーフレンド』?」

P(『空想の友達』……か。真美ちゃんに似てるけど、ここに書いてあることが本当なら、俺に見えるのはおかしいよな……?)

P(そういえば、真美ちゃんはいったい何者なんだろう? 不思議と今まで考えたこともなかった……)

P(……とりあえず、ここの院としては真美ちゃんのことをイマジナリーフレンドだと考えているのかな……?)

33日目

律子「あ、Pさん。ちょっとお話したいことが」

P「なんだ?」

律子「今晩、夜の見回りお願いできませんか? ちょっと私、用事がありまして」

P「ああ、うん。いいよ」

律子「ありがとうございます」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

中庭


P「やあ、雪歩ちゃん」

雪歩「こ、こんにちは……Pさん」

P(また穴から顔だけ出してる……)

P「……ちょっと訊いていい? その穴はいったいなんなのかな?」

雪歩「あ、えっと、これは……私のお父さんが作ってくれたんです」

P「え? 雪歩ちゃんのお父さんはここの職員なの?」

雪歩「ち、違います……」

P「……ここの職員じゃないのに、ここで穴を掘ったの?」

雪歩「あ、掘ったのはたぶん、お弟子さん達ですぅ……」

P(お弟子さん? なんだそりゃ)

雪歩「お弟子さん達が、私のために……わ、私の……」

雪歩「……うぅ……わ、私なんかのために穴を開けちゃって……ご、ごめんなさい!」シュポッ


P「えっ」


P「…………」


P「…………」ズズズ……




律子「それじゃ、お願いしますね。一応戸締まりを確認したら、後は時間まで適当にしてていいんで」

P「ああ、わかった」


しばらくして……


P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を見て回る
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

屋上


ヒュウゥゥ……

P「……いい風だな」

P(それに……静かだ。街の方とは大違いだな……やっぱり、環境を重視しているんだろうか)

P「……ん?」


「…………」


P(あの子は……たしか食堂の……)

P「ねえ、君」

「…………」クル

P「えっと……その……よかったら、名前を教えてもらえないかな?」

貴音「……四条貴音……と、呼ばれています」

P「そっか。じゃあ、貴音ちゃん」

貴音「なんでしょうか」

P「えっと……」

P(どうしよう、消灯時間はとっくに過ぎてるのに……ここまで堂々とされると何も言えない)

貴音「……? どうかされましたか?」

P「ええと、いや……なんていうか……なんでここにいるのかなって思ってさ」

貴音「私は、月を見るためにここに来ました」

P「いや、そうじゃなくて……」

貴音「?」

P(どうしようかな……)

P「えっと……」



1「月が好きなの?」
2「部屋に戻らなくていいの?」

P「貴音ちゃんは、月が好きなの?」

貴音「……どうなのでしょうか、自分でも、分かりません」

P「え?」

貴音「私には、記憶がないのです」

P「記憶喪失……ってこと?」

貴音「はい。ここのすぐそばの森の中で倒れていたそうです」

P「それで、ここにいるのか」

貴音「ええ。たまたま通りがかった高木殿が、私をここに置いてくださりました」

P「なるほどね……」

P(なんだかすごい話だなぁ)

P「……おっと、もうこんな時間か」

貴音「お帰りになるのですか?」

P「うん。あ、でもそういえばここの鍵って……」

貴音「ご心配なさらずとも、私が帰り際にきちんと施錠いたします。私もここの鍵を持っておりますゆえ」

P「そっか。じゃあ、おやすみ貴音ちゃん」

貴音「はい。おやすみなさい」

34日目


律子「昨日はありがとうございました。何もありませんでしたか?」

P「うん、変わったことは何もなかったよ」






P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

図書室

P「たまには仕事の息抜きも必要だよな」

P「さて、何か適当な本でも読んでいくか」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『私が見たもの ―バル・ベルデの悪魔―』

3『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「海外の小説の和訳版か……」

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「…………」パタン

P「宇宙人……か。果たして本当にいるのかねぇ……」

35日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

医務室


P「こんにちは、あずささん」

あずさ「あらPさん。今日はどういったご用件ですか?」

P「今度、俺といっしょに街に行ってもらえませんか?」

あずさ「え? えっと……それは、どういうことですか?」

P「いえ、ちょっとあずささんと出かけてみたくなりまして……あ、もちろん嫌ならいいんですけど」

あずさ「い、いえ! 嫌なんかじゃありません」

P「そうですか?」

あずさ「はい、私なんかでよければ、ご一緒させていただきます」

P「よかった。じゃあ、俺は仕事に戻りますね。また今度」

あずさ「はい! 連絡、待ってますね」

36日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

亜美の部屋

コンコン
ガチャ

亜美「あ、兄ちゃん!」バフッ

P「うおっ!」

亜美「もー遅いよー」

P「いや、ごめんごめん……」

真美「仕方ないよ亜美。兄ちゃんは他の子のところにも行かないといけないもん」

亜美「わかってるよ、そのくらい……」

P「ま、まあまあ。そんなことより、今日は何して遊ぶ?」

亜美「うーん……しりとりしよ!」


しばらくして……


P「じゃあ、そろそろ帰るよ」

亜美「……また来てね」

P「うん、また来るよ」

亜美「絶対だよ! 約束だかんね!」

P「うん。約束する」

亜美「……またね」


バタン


P(……寂しそうだったな)

37日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く
11貴音について訊く

P「音無さん、菊地真って知ってますか?」

小鳥「真ちゃんですか。あの子がどうかしたんですか?」

P「この間ちょっとした知り合いになったんですよ」

小鳥「へえ、そうなんですか……へえ……ふうん……」

P「? なんですか?」

小鳥「いえなにも。あの子はあんまりPさんとの接点はないと思いますけど、知り合ったからには仲良くしてあげてくださいね。根はいい子ですから」

P(ん? なんか表面はいい子じゃないって言ってるような……?)

P「……そういえば、今度真を外に連れて行く約束をしたんですよね」

小鳥「へえー、律子さんが許可してくれるといいですね」

P「律子は許可してくれましたよ?」

小鳥「え?」

P「どうしたんですか、そんなに驚いて……」

小鳥「……いえ。そうですか……Pさん、ずいぶん律子さんに信用されてるみたいですね」

P「え? どうしてですか?」

小鳥「さあ? それよりも、真ちゃんを外に連れて行く時は、ちゃんと律子さんに言われたことを守るようにしてくださいね?」

P「ええ、もちろんですよ」

38日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

美希の部屋

コンコン
ガチャ

P「……あれ? いない?」

P(どこに行ったんだろう……)

美希「…………」スッ

P「!?」ビクッ

美希「…………」ポフッ

P(お、驚いた……突然後ろから隣を通りすぎていくなんて思わなかった)

美希「…………」

P「……ねえ、美希ちゃん」

美希「…………」

P(寝てるのか……)

美希「…………」

P「…………」

P(……美希ちゃんにとっては、寝ている時が……いや、寝ている時だけが、幸せなんだろうか……)

39日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

エントランス


P「あ。あずささん」

あずさ「お待たせしました~」

P「お仕事の方は大丈夫なんですか?」

あずさ「はい。もともと医務室に来る子はあまりいませんし、何かあったら連絡が来るようにしてきましたから……そういうPさんは大丈夫なんですか?」

P「他のみんなと違って忙しい仕事は任されてませんからね……それに、ちゃんと半日休むと連絡しましたから」

あずさ「そうですか。でも、Pさんのお仕事ってけっこう大事なお仕事だってこと、忘れないでくださいね?」

P「もちろんです」



P「それでですね、…………」

あずさ「あら、そうなんですか?」

P「はい、そうなんですよ」

あずさ「うふふっ、Pさんらしいですね」

P「ははは」

P(……そろそろ歩き疲れてきたな)

P「あずささん、どこかで休憩でもしませんか?」



P「……あれ?」

P「あ、あずささん?」キョロキョロ

P「……あ! い、いつのまにあんな所に……あずささーん!」


しばらくして……


あずさ「すいません……私、小さい時から迷子になりやすくて……」

P「ははは……」

P(ほんの数秒目を離した間に消えるのは、もう迷子癖とかを超越してる気が……)


そして……


エントランス


あずさ「今日は楽しかったです。ありがとうございました……また誘ってくれますか?」

P「ええ、勿論」

あずさ「あ、でも、あまり仕事に支障が出ないようにしてくださいね?」

P「わかりました。それじゃ、また」

あずさ「はい♪」

40日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、あずさから選択)

運動場


P「ああ、いたいた。真ちゃん」

真「あ?」

P「……え?」

真「ああ……なーんだ、Pさんですか。すいません、その呼び方やめてもらってもいいですか?」

P「え、ああ……ごめん。じゃあ、真」

真「はい! なんですか?」

P「この前、外出できないかどうか訊いてきたよね?」

真「もしかして、オーケーなんですか!?」

P「うん」

真「やーりぃ! ありがとうございます!」

P「あ。その代わり、外出の時は変装することと、外出のことは誰にも言わないこと……守れるかな?」

真「はい!」

P「それじゃ、日時はどうしよっか」

真「ボクはいつでも大丈夫ですよ? Pさんの都合のいい日にしてください」

P「わかった。じゃあ、また連絡するよ」

真「はい! ありがとうございました!」

41日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

屋上


「…………」


P(あの子、またいるな)


「…………」


P(話してみたいけど、いつも俺を見たらどこかに行っちゃうからなぁ……どうしようかな)


「…………」


P(…………)


1 話しかける

2 話しかけない


P「ねえ、君……」

「…………」

P「えっと、俺は最近ここで働き始めたPって言うんだけど……」

「…………」

P「…………」

「…………」

P「……あの……」

「…………」スッ

スタスタ

P「…………」


P(やっぱり無理……か)

42日目


P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

外庭


春香「あ、おはようございますPさん」

P「ああ、おはよう」

春香「何か用ですか?」

P「ああ。春香、今度一緒に出掛けないか?」

春香「それは、どうして?」

P「え? いや、単純に春香と出掛けてみたいなーって思ってさ」

春香「……うれしいですけど、お断りしますね」

P「そうか」

春香「あれ? 食い下がらないんですか?」

P「無理強いはよくないからな。また別の機会に誘うよ」

春香「そうですか」

P「それじゃ、そろそろ行くよ。またな」

春香「はい、また」

43日目

律子「すいません、Pさん。また見回りお願いできませんか?」

P「ああ、いいよ」

律子「ありがとうございます」




P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

屋上


P「……あれ?」

P(今日はあの子来てないな……しばらく待ってみるか)

P「…………」

P「…………」

P「…………」


しばらくして……


P(……来ないな。どうしたんだろう)

P「しょうがない、そろそろ戻るか」



律子「それじゃ、お願いしますね」

P「ああ、わかった」


しばらくして……


P「よし、窓もドアもちゃんとしまってるな」

P「まだ時間はあるし……どうしようかな」


1 時間まで廊下を歩き回ってみる
2 屋上で夜風にあたる
3 事務室で暇をつぶす

P「暇だし、適当にうろついてみるか……」


しばらくして……


P「…………」

P(……ん? 今、向こうにだれかいたような……)


「…………」


P(あれ、あの金髪はもしかして……)

P「み、美希ちゃん?」

美希「…………」

美希「……だれ?」

P「えっと、ここの職員のPだけど……」

美希「…………」スッ

P「あ、ちょ、ちょっと待って!」

美希「……なに?」

P「いや、消灯時間過ぎてるんだけど……」

美希「そんなこと……ミキにはカンケーないの」

P「あっ……」

P「…………行っちゃった」

P(……なんだろう、会話をしてる気がしなかった……まったく興味をもたれていないみたいだ)

44日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

夜 廊下


P(基本的に美希ちゃんを見かけることはない……でも以前、夜に出歩く美希ちゃんに出会ったことがある)

P(もしかすると……いつもとは言わなくても、たまに夜起きて出歩いてるんじゃないか?)

P「……!」


美希「…………」


P「いた……美希ちゃん!」

美希「…………」

P「み、美希ちゃん?」

美希「……だれ?」

P「え、えっと、この前も会ったんだけどな……まあいいや。ここの職員のPだよ」

美希「……ミキになんの用?」

P「ちょっと、話したくてさ……美希ちゃんは、何してるの?」

美希「……ミキは、夢が覚めるのを待ってるの」

P「え?」

美希「この夢はたいくつなの……あふぅ」

P「ゆ、夢?」

美希「うん……ミキは今夢を見てるの。もうすぐ覚めるから、もう行くね」

スタスタ

P「…………」

P(夢……?)

P(もしかして、美希ちゃんにとっては夢こそが現実で、この世界は夢ってことなのか……?)

45日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

運動場


真「あ、Pさん!」

P「おはよう」

真「どうしたんですか? あっ! まさか、外に連れて行ってくれるんですか!?」

P「え? あ、いや……そういうわけじゃないけど」

真「そうですか……じゃあ、何の用ですか?」

P「いや、別に用があったわけじゃないよ?」

真「…………」

P「真? ど、どうかしたのか?」

真「いえ、なんでもないです。それより、早くボクを外に連れて行ってくださいよ。Pさんだけが頼りなんですから」

P(ん? ……ああ、たしかに他のみんなは忙しそうだし、真を外に連れて行く暇はないだろうな)

P「まあ、また今度ね」

真「お願いしますよ? 約束ですからね?」

P「ああ、約束する」

46日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

エントランス


あずさ「お待たせしました~」

P「いえ、大して待ってませんから大丈夫ですよ」

あずさ「そうですか。ところで、今日はどちらへ?」

P「そうですね……」


1 商店街
2 映画館
3 ゲームセンター
4 公園
5 遊園地
6 カラオケ

商店街


P「ふーん、結構色んな種類の店があるんですね」

あずさ「ええ。大抵のものは、ここで揃っちゃうんですよ」

P「なるほど」

あずさ「今日は、これといって行きたい店はないんですよね?」

P「ええ、まあ」

あずさ「それなら、私のお気に入りのお店を紹介しちゃいますね」

P「あ、じゃあ、お願いします」

あずさ「それじゃ、行きましょう。こっちですよ~」

P「あずささん、そっちに店はないと思うんですが……」

あずさ「あら?」



P(あずささんと商店街を歩き回った)

47日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

外庭


P「春香」

春香「あ、Pさん」

P「……へえ、この時期は紫陽花が綺麗なんだな、ここ」

春香「ええ。青も紫も、どっちも綺麗ですよね」

P「そうだな……」

春香「…………」

P(……思えば、春香とは何度かこうして一緒に話してるけど、俺はほとんど春香のことを知らないよなぁ)

P「なあ、春香……」

春香「なんですか?」



1「他の子と遊んだりはしないのか?」
2「春香はどうしてここにいるんだ?」

前と同じ選択肢だけ踏むのか…

P「春香はどうしてここにいるんだ?」

春香「……どういう意味ですか?」

P「ああいや、なんで765院にいるのか、ちょっと気になってさ……」

春香「ああ、そういうことですか」

P「うん」

春香「……頭です」

P「え?」

春香「頭……つまり、脳の病気です」

P「……で、でも、それなら普通の病院に行けばいいんじゃないのか? どうしてここに?」

春香「……………………いよ」

P「……え?」

春香「いえ……すいません、今日はもう、帰ってもらえませんか?」

P「え、あ、ああ……わかった」


P(まずいこと訊いちゃったかなぁ……)

48日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く
11貴音について訊く

P「やよいちゃんって、なんだかみんなのお姉ちゃんって感じですよね」

小鳥「そうですね。実際、みんなからもお姉ちゃんって呼ばれて慕われてますよ」

P「へえ……」

小鳥「小さい子達をまとめてくれるし、院のお仕事も手伝ってくれるし……本当に、やよいちゃんには頭が上がりません」

P「そうなんですか。でも、大変なんでしょうね……見た感じ、精々中学生ってとこでしょう? それなのに……」

小鳥「ええ、大変でしょう。ですから、私達大人が気を配る必要があるんですよ」

P「そうですよね……」

小鳥「まあ、そんなやよいちゃんにも姉代わりがいますから、きっと大丈夫ですよ」

P「姉代わり? まさか音無さんですか?」

小鳥「いえ、違います」

P「ああ、そうですよね」

小鳥「ちょっと! 何を納得したんですか!?」

P「えっ? いや……」

小鳥「私だと母親代わりだって言いたいんですね! そうでしょう!」

P「被害妄想ですよ……」

P(しかし、あのやよいちゃんにも姉代わりがいるのか……誰なんだろう? 知ってる人かな?)




小鳥「ま、まさか祖母代わりだとでも!?」

P「落ち着いてください……」

49日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

エントランス


P「あれ? 早いね」

真「もう! 遅いですよPさん!」

P「ごめんごめん……ところで、どこか行きたい所とかあるの?」

真「あ、はい」

P「へえ。どこなの?」

真「図書館です」

P「図書館?」

P(図書室に無い本でも読みたいのかな?)

真「だめですか?」

P「いや、いいよ。それじゃ行こうか」

真「はい!」

図書館


P「へー、かなり大きい所なんだな」

真「あの、Pさん」

P「ん? 何?」

真「ボク、一時間ほどここにいたいんですけど……いいですか?」

P「ああ、いいよ」

真「ありがとうございます。それじゃ、また後で」

P「うん」


一時間後


真「お待たせしました」

P「もういいの?」

真「はい。そろそろ帰りましょう」

P「ああ、わかった」

エントランス


真「Pさん、今日はありがとうございました! またお願いしてもいいですか?」

P「もちろん」

真「ありがとうございます!」

P「……あ、そうだ。そういえば、図書館ではどこにいたの? 一度も見かけなかったけど」

真「え? ああ……色々読んでまわってたんですよ。だから、そのせいじゃないですか?」

P「そっか」

真「そうですよ。それじゃ、そろそろ行きますね」

P「あ、うん」

真「お疲れさまでした!」

タッタッタッ

P「…………」

P(なんか忘れてたような……?)

P(……あ、そういえば、片時も目を離すなって言われてたっけ)

P「…………」

P(まあ、図書館なら問題ないだろう……まさか本に悪戯したわけじゃあるまいし)

50日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

図書室


P「この独特の空気がいいんだよな、図書室って」

P「さて、せっかくだし何か読んでいくかな」


1 『無尽合体キサラギ ~ 宇宙の果てまでイッテきM@S ~』

2 『元アイドル衝撃の告白! 芸能界の影に迫る!』

3 『非言語交流 ~猿から宇宙人まで~』

P「なんだ、こんな本まで置いてあるのか」

P「芸能界の影……ねえ」ペラ

P「そういえば、ヤクザとの関係がバレたあの人は今頃どうしてるんだろう……沖縄にでもいるのかな」ペラ

P「…………」ペラ


しばらくして……


P「へーえ、枕営業……そういうのもあるのか」ペラ

P「アイドルってのも、意外と大変なんだなぁ」パタン

51日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

屋上


「…………」


P(お、今日はいる)


「…………」


P「…………」


「…………」


P「……何を見てるの?」


「…………」チラ

スタスタ……

P「…………」

P(やっぱり、俺に気がつくとどこかへ行ってしまうんだな……)

P(……一度、誰かに話を聞いてみようかな)

52日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

事務室

P「音無さん」

小鳥「あら、Pさん。何か御用ですか?」

P「そうですね……」


1小鳥について訊く
2律子について訊く
3美希について訊く
4亜美について訊く
5あずさについて訊く
6響について訊く
7真について訊く
8春香について訊く
9雪歩について訊く
10やよいについて訊く
11貴音について訊く
12屋上の女の子について訊く

P「いつも屋上に女の子がいるんですけど、音無さん何か知ってますか?」

小鳥「ああ……それはたぶん、如月千早ちゃんですね」

P「如月千早……ですか」

小鳥「ええ。律子さんからは何も聞いてませんか?」

P「聞いてません。いつも俺に気がつくとどこかへ行ってしまうんですけど……どうすればいいんですかね?」

小鳥「そうですね……律子さんの考えは分かりませんが、私としては知っておくべきだと思いますので、お話しします」

小鳥「千早ちゃんは、失声症です」

P「失声症?」

小鳥「声を出せなくなる病気……こう言えば、分かりやすいでしょうか」

P(なるほど、会話してくれないんじゃなくて、会話ができなかったのか……)

P「……原因は?」

小鳥「精神的なものですね。昔受けたショックが原因です」

P「ショック?」

小鳥「……地雷を踏まないように、少しだけお教えしますね」

小鳥「弟さんを……失ったそうです」

P「!」

小鳥「私からお話しできるのは、このくらいです」

P「……ありがとうございました」


P(千早ちゃん……ただのそっけない子って訳じゃなかったのか……)

P(でも、なんで律子はこのことを教えてくれなかったんだ……?)

53日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

事務室


P「律子ー……は、いないのか」

P(忙しいんだろうなぁ、パソコンがつけっぱなしだ……まあ、大した画面でもないから問題ないけど)

律子「あれ、Pさん?」

P「あ、律子」

律子「すいません、ちょっと席を外してまして……用件はなんですか?」

P「そうさのう……」



1 特にない
2 雪歩について
3 美希について
4 貴音について
5 亜美について
6 春香について
7 千早について

P「天海春香って子……知ってるか?」

律子「アマミハルカ? アイドルか何かですか?」

P「いや、ここの院の子なんだけど……」

律子「……ちょっと待ってください」

カタカタ

P「何してるんだ? パソコンなんかいじって」

律子「この画面を見てください」

P「ん? なんだこれ、名簿か?」

律子「ええ。この院にいる入院者と職員、全ての人物の名前等を載せたリストです」

P「へえ……それで、これがどうかしたのか?」

律子「いいですか? 今から、このリストの中から『アマミハルカ』という名前の人物を検索します」

カチャカチャ……

P「え……?」

律子「ふむ、どうやら私の記憶違いじゃなかったみたいですね」

P(0件……? ど、どういうことだ?)

律子「念のため、過去の人物リストからも検索してみましょうか? ちゃんと調べてありますよ」

カチャカチャ……

P「また……0件……」

律子「そういう訳です。『アマミハルカ』という名前の人物は、未だかつてこの院にいたことはありません」

P「…………」

律子「それで、どうしてあなたは、そんな名前の人物がこの院にいると思っていたんですか?」

P「…………」フラ……

律子「……Pさん? どうかしましたか?」

P「いや……ちょっと、一人にしてくれ……」

律子「? はあ、分かりました」


P(天海春香という人物は……この院にはいない……?)

P(じゃあ、お前はいったい何者なんだ? 春香……)

54日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

エントランス


真「あっ、おはようございます!」

P「ああ。おはよう、真」

真「ちぇっ、今日はPさんの方が先でしたか」

P「前回は真を待たせちゃったからな、今回は先に来させてもらったよ」

真「次は負けませんからね!」

P「別に勝負してるわけじゃないんだけどな……ところで、今日もどこか行きたい場所とかあるのか?」

真「あっ、はい。今日は本屋に行きたいんですけど……」

P「本屋か、じゃあ商店街だな」

真「はい!」

本屋


P「意外に広いな……」

P(というかこの辺の店はどこもけっこう大きいよな……地価が安いのか?)

真「えーっと、じゃあボク、読みたい本があるんでPさんも適当に見て回っててください」

P「ふーん、どれが読みたい本?」

真「へ? あー……えっと……これです、これ」

P「……へえー」

真「なんですか? ボクがこういうの読んじゃいけませんか?」

P「いや、別にそういうわけじゃないけど……」

P(流石に少女漫画雑誌を読む気にはならないなぁ……他のやつを読んでるとしよう)


しばらくして……


真「Pさん」

P「ん? なんだ、もういいのか?」

真「はい」

P「そっか、じゃあ行こう」

> 春香「例えばですよ? 例えば私が、食べるのがもったいないくらい綺麗なお菓子を持っているとします」

P「…………」

春香「できる限り食べずに眺めていたい……そう思っているのに、ふと見ると、一匹の虫がそのお菓子を食べようとしています」

まあ軽率な行動さえしなければ大丈夫だろう
多分

エントランス


真「今日はありがとうございました! またお願いしますね!」

P「ああ、うん」

真「それじゃ、お疲れさまでした!」

P「あっ、ちょっと待って」

真「……なんですか?」

P「いや、靴紐がほどけてるからさ」

真「あ、ああ……なんだ、そんなことですか。後で直しておきますよ。教えてくれてありがとうございます」

P「ん? 今直さないのか?」

真「え、えーと……く、くつずれしてて! 早く部屋に戻りたいんです!」

P「そっか、じゃあ引き止めて悪かったな」

真「いえ! それじゃ!」

タッタッタッ……


P「……走れてるじゃん」

P(ん……あれ? 真のズボンのポケット……膨らんでないか?)

P(……気のせいか?)

55日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

外庭


P「春香」

春香「あ、こんにちは、Pさん」

P「……訊きたいことがあるんだけど、いいか?」

春香「よくないって言ったら、訊かないでいてくれますか?」

P「……いや、それはできない」

春香「そうですか」

P「なあ春香……」

春香「はい、なんでしょうか」

P「……お前はいったい、何者なんだ?」

春香「一言で言えば、幽霊ですね」

P「幽霊……」


春香「あーあ、バレちゃいましたか。鈍いから、案外最期までバレないかと思ってたんですけど」

P「…………」

春香「それで? 私が幽霊だって知ってどうするつもりですか?」

P「…………」



1 「どうもしない」
2 「何か未練があったのか?」
3 「南無阿弥陀仏……」
4 「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時……」
5 「臨兵鬥者皆陣列前行」

P「どうもしないよ」

春香「え?」

P「いや、だって、何者なのかが気になって訊いてみただけだし……それに、幽霊だったとしても春香は春香だろ?」

春香「…………」

P「……あれ? 俺、何か変なこと言ったか?」

春香「いや変ですよ……幽霊を目の当たりにしてほぼノーリアクションってどうなんですか」

P「だって春香って全然幽霊っぽくないからなぁ……それに、似たような奴を知ってるし」

春香「ああ……そういえばそうでしたね」

P「まあそういうわけだから、これからもよろしくな」

春香「…………」

P「……春香?」

春香「……はぁ」

春香「すいません。今日はもう、帰ってください」

P「え?」

春香「…………」

P「……な、なんだかよく分からないけど……わかったよ」

春香「…………」

P「……またな、春香」

スタスタ……


春香「…………」

春香「……はぁ」

56日目


律子「Pさん、ちょっといいですか?」

P「ん? なんだ?」

律子「まさかとは思いますけど……Pさん、院内で煙草吸ったりしてませんよね?」

P「ああ、もちろん。それがどうかしたのか?」

律子「……いえ、まだ確証がないので……」

スタスタ……

P「……?」




P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

亜美の部屋


P「…………」

亜美「うーあー……」ゴロゴロ

真美「こら亜美、ぱんつ見えるよ?」

亜美「兄ちゃんならいいもーん」

P「…………」

真美「兄ちゃんが困るの」

亜美「兄ちゃんは亜美のぱんつ見るの、いや?」

P「えっ!? い、いや、うーん……ど、どうだろうね?」

亜美「……いやなの?」ウルウル

P「え、ええと……そ、そんなことない……かな?」

亜美「ほら」

真美「……兄ちゃんって、ロリコン?」

P「どうすればいいの……?」





P(何回か遊んだだけなのに、亜美ちゃんにはだいぶなつかれたなぁ)

P(それにしても、亜美ちゃんはいつもここにいるけど……友達とかはいないのかな……)

57日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

医務室


あずさ「……はいっ、これでいいわよ」

「ありがとう、あずさお姉ちゃん」

あずさ「いい? もうあんまり危ないことしちゃだめよ?」

「はーい」

あずさ「それじゃ、またね」

「うん! ばいばーい!」

タタタ……


あずさ「ふぅ……あ、すいませんPさん、ほったらかしにしちゃって……」

P「いえ、仕事を優先するのは当然ですよ」

あずさ「そう言ってもらえると助かります。ところで、今日はどういったご用件でしょうか?」

P「特に用があったわけじゃありませんが、なんとなく会いたくなったので」

あずさ「そ、そうなんですか? なんだか照れちゃいますね……」

P「それにしても……やっぱり、あずささんって優しいお姉さんって感じですね」

あずさ「あら、そうですか?」

P「ええ。昔やんちゃしてただなんて信じられませんよ」

ガタッ

P「……ん?」

あずさ「そ、それ……誰から聞きました?」

P「え? いや、音無さんからですけど……」

あずさ「ど、どこまで聞きましたか!?」

P「どこまでって……昔はやんちゃだったとしか聞いてませんけど……」

あずさ「そ、そうですか……」

P「えっと……どうかしたんですか?」

あずさ「いえ、別に……それより、女の子の過去を探るだなんて、よくないことですよ?」

P「あ、す、すいません。そんなつもりじゃ……」

あずさ「お願いですから、もうそんなことはしないでくださいね?」

P「え、ええ、もちろん」

あずさ「ふぅ……音無さんのお喋りにも、困ったものだわ」


P(どうやら、あまりその辺りの過去には触れられたくないみたいだな……)

58日目


小鳥「おはようございます」

P「あ、おはようございます」

小鳥「…………」

P「……な、なんですか?」

小鳥「いいですよねPさんは……外に出る用事とかなくて」

P「え? ああ……なるほど、もう梅雨ですもんね」

小鳥「ええ。今日なんかも郵便局まで行かないといけないのに、雨のせいで面倒で仕方ないですよ」

P「まあ、頑張ってください」

小鳥「気楽そうですね……」

P「実際あんまり関係ないですからね」

P(家が燃えたことによって得た数少ないメリットとでも言うべきか……)


小鳥「あーあ……ウェザーリポート欲しいなー」






P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

中庭


P(お、またいる……なんだかリセットさんを思い出すなぁ)

P「こんにちは、雪歩ちゃん」

雪歩「ふぇ!? ……あっ、Pさん……お、おはようございますぅ」

P(うーん、やっぱりなんだか怯えられてるような感じだな)

P「いつもここにいるよね。ここが好きなの?」

雪歩「は、はい……」

P「そっか。わかるよ、いい場所だもんね」

雪歩「…………」コク

P「ところで、どうして穴に入ってるの?」

雪歩「えっ……」

P「あ、訊いちゃだめだった?」

雪歩「い、いえ……その……そうじゃなくて……」

雪歩「……怖いんです」

P「怖い?」

雪歩「はい。怖いんです……広い場所が」

P「…………」

雪歩「小さい時からそうだったんですけど……だんだん、より怖くなっていって……今はもう、外に出られないんです」

P「でも、今こうしてここにいるよね?」

雪歩「ここは、一応囲まれているので……それにここでも、穴からは出られないんです」

P(なるほど、そのための穴だったのか)

雪歩「あ、そ、そろそろ行かないと……ごめんなさい、Pさん」

P「いやいいよ、いってらっしゃい」

雪歩「し、失礼しますぅ」ズズズ

P「…………」

P(…………外の世界は怖いけど、穴なら平気……ね)

59日目


P「さて、どうしようかな」


1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、美希、貴音、雪歩、やよい、あずさ、亜美、律子、小鳥から選択)

3 誰かを街に誘う(春香、真、あずさから選択)

1000も近いのでこのスレの利用は終わります、次スレは今日中に立てる予定

ここまで続いたのは初めてで少し嬉しかったり……皆さまのレスのおかげです、ありがとうございます

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom