まゆ「Pさんのことなんか『大嫌い』です」

P「俺もまゆのこと『大嫌い』だよ」

まゆ「エイプリールフールだからといってひどいです。本当に嫌いになっちゃいますよ」

P「まゆだって同じような嘘をついているじゃないか」

まゆ「まゆはいいんです。嘘だってすぐ分かりますよね。でもPさんは…」

P「俺がどうしたんだ？」

まゆ「Pさんはまゆのことを好きって言わないじゃないですか」

P「ちょっと恥ずかしいんだよ」

まゆ「愛してるって言って欲しいのに…」

P「俺こう見えて天邪鬼だから言って欲しいって言われると言いたくなくなるんだよね」

まゆ「知ってます。それでも言って欲しいんです」

P「まゆって本当に寂しがり屋だよな。形がないものは無理に形にしなくてもいいのに」

まゆ「形がないものだから形にしなくていい？」

P「ライブだって録画しておけば形になるけれど、それでも生で見たいっていう人はいるだろ？それと同じだよ」

まゆ「形がなければ壊れることはありませんよね…」

P「形がないものが良いって言っている訳じゃないぞ。形にするのも一つの手段だ」

まゆ「どうしてですか。形がなければ永遠になれますよね」

P「永遠なんてそこら辺に転がっているよ。特別なものじゃない」

まゆ「永遠は簡単に見つけられませんよ。もしそうだったらまゆはもう幸せになれますから」

P「難しく考えすぎだな。例えばまゆってアイドルがいるだろ。その存在は永遠にあったってことになるんじゃないか？」

まゆ「記録は書き換えることは簡単ですよ。みんなが忘れた頃にまゆに関するデータを消せばいいんですから」

P「それでもこの世界にいたことは事実だろ」

まゆ「それは詭弁です」

P「あはは、それじゃあまゆの言う永遠は不老不死になるしかないな」

まゆ「人は変わってしまいますし、一秒前と同じとは限らないでしょ」

P「確かにそうかもな」

まゆ「だからまゆには形にならないものが永遠の手がかりになる気がするんです」

P「結ばれないから記録に残らない。思い続けたなら気持ちは変わらない…」

まゆ「まゆの思う永遠はきっと平行線なんだと思います。決して交わることはないけれど側にいる…」

P「まゆはロマンチストだな。そんなに考えなくてもいいのに」

まゆ「これでも真剣なんです」

P「じゃあ俺も真剣にならないとな」

まゆ「本当ですか？」

P「本当、本当」

まゆ「怪しいですよ」

P「真面目に言うけど、結婚しようか」





まゆ「えっ」

まゆ「なんでですか？」

P「形にした方がいいものはあるだろ？」

まゆ「嘘じゃありませんよね。そういえばエイプリールフール…」

P「嘘ならさっき言っただろ。一回だけしか嘘付けないルールだし。それで返事は？」

まゆ「えっと…」

P「ん？」

まゆ「不束者ですが、よろしくお願いします…」