女「貴方を不幸にしてあげる」(14)
学校 屋上
男「うっ、やっぱりこの時期の屋上は寒いな」ブル
男「まぁ、そのお陰で誰もいないし…我慢するか」
男「どこまで読んだっけな?」ペラ
男「………」ペラ
───
──
─
男「んん、集中して読みすぎたな」
男「……ん?」
女「…………」
男(いつの間にか他の生徒が来てる?!)
男(全然気付かなかったな…)
女「…………」ジッ
男(何見てるんだ?)
男「…………」ソッ
不良「これっぽっちの金しかねぇのか?」
下級生「は、はい…それしかありません」
不良「……はぁ」ガシッ
下級生「ひぃっ?!」
不良「お前、俺をなめてんのか?」
下級生「い、いえ…」
不良「…………」ドス
下級生「がはっ…!」
不良「先輩は敬わないとダメだろ…なぁ?!」バキ
下級生「っう…や、やめて…」
男(うわぁ…あれって校内で一番荒れてる奴じゃん)
男(下級生にあんなことしてんのか…)
女「本はもう読み終わったの?」
男「へっ、いや…まだだけど」ビク
女「凄い真剣に読んでたね」
女「私が来ても全然気づいてなかったし」クス
男「うん、ほんとに気付かなかったよ」
女「あの下級生、通りすぎようとしたら捕まっちゃったみたい」
男「あぁー、それは災難だな」
女「助けに行かないの?」
男「いや、俺には無理だよ」
女「やってみないと分からないよ?」
男「………」
女「ふふ、意地悪してごめんね」ニコ
女「あの下級生は不幸なだけ」
女「不良に目をつけられて、殴られて…」
男「ほんとに不幸だな」
女「………ほんと理不尽過ぎるよ」
男「…?」
女「何も悪いことしてない人が不幸で…」
女「悪いことする人は幸せになって…」
女「私はね、ああいう人こそ不幸になるべきだと思うの」
男「………」
女「貴方はどう思う?」
ドス バキ
下級生「………」
不良「………」ニヤ
男「…そうだな」
男「俺も、ああいう奴らが不幸になるべきだと思うよ」
女「………」ニコ
女「じゃあ、不幸にしちゃおっか」クス
男「え?」
女「………」ジッ
男(何してるんだ?)
女「…………」
男「?!」ゾワ
男(急に寒気が…!)
女「…よし」
女「ほら、行くよ!」キュッ
男「えっ、ちょっ?!」タッ
男「どこ行くんだよ!」
女「結末を見に行くの」
男「結末?」
───
──
─
不良「………」スタスタ
男「不良追いかけて何がしたいんだよ」
女「言ったでしょ、結末を見に行くって」
男「結末ってなんだよ…」
女「もうすぐ分かると思うよ」
男(…何だこの胸騒ぎ)ドクン
交差点
不良「今日もゲーセン行くか」スタスタ
女「…………」ピタ
男「追いかけないのか?」
女「ほら、ちゃんと見て」
女「あの不良の不幸な結末だよ」
男「は…?」
キキィー!!
不良「あ?」クイ
ドン!! グチャ
男「なっ…?!」
キャー!! ダレカヒカレタゾ!!
不良「」ドロ
女「ふふ、あはは…!」クスクス
男「………!」ゾワ
女「はぁ…結末も見終わったし帰ろっか」ニコ
男「…待てよ」
女「ん?」
男「お前、不良に何かしたのか?」
女「…ちょっとだけね」
男「何したんだよ!」
女「不幸を分けてあげたの」
男「……不幸を分ける?」
女「ふふ、じゃあ私帰るね」タッ
男「あっ、おい!」
男「………」
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