【EXVS】シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」 (146)

一同「えっ…?」

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シャア(乗機サザビー)「ほぉ…今回のペアは君か。
            白いガンダムとは、アムロ・レイを彷彿とさせるな…」

バナージ(乗機ユニコーン)「バナージ・リンクスです。
              貴方とこうして共に戦うというのも…何だが複雑な気分ですが…
              貴方の期待を裏切るつもりはありません!よろしくお願いします!」

シャア「こちらこそ、よろしく頼む」

バナージ「はい!」

シャア「………」


シャア(ユニコーンガンダムのコストは3000…こちらのサザビーのコストも3000…合わせるのは些か厳しいな…
    どちらかが後衛に付き、前衛に出でる機体の支援に徹する他ないか…)

シャア(ここはNT-Dの格闘能力も考慮して、バナージくんに前衛を譲るべきか…)

シャア「よし、バナージくんは前衛を頼む。
    私は後方で体力の温存をしつつ、君の援護に徹する」

バナージ「えっ?良いんですか?俺なんかが前に出て…」

シャア「君の能力とその機体の性能を考慮しての事だ。何も君が遠慮する必要はない」

バナージ「は…はい!分かりました!」

シャア(よし。後は極力ダメージを受けないようにして…
    少なくとも、バナージくんが一落ちするまでは後方支援に徹するように…)


─サザビー撃墜─


バナージ「ちょッ!?後方支援に徹するんじゃなかったんですか!?」

シャア「すまんバナージくん!まさかあんな所で百式の置きメガバズーカランチャーに当たるとは思わなかったのだ!」

バナージ「あぁーッ!こっちはもう体力がピンチなんですよ!オマケに敵のロックがこっちに集中していて…うわッ!」

シャア「何とか持ってくれバナージくん!
    相手は瀕死のZZと体力が半分程削がれた百式!どちらかを落とせば我々の勝利だ!」

バナージ「なら速くこっちに来て援護してくださいよ!
     これ以上は持ちませェーんッ!」

シャア「クッ!ならば!」

シャア(バナージくん目掛けガン攻め中のZZを狙う!覚醒を使って確実に仕止めるぞッ!)

キュイーン!






シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





バナージ「……えっ?」




バナージ「い…いきなり何言ってるんですかアンタッ!?
     それって今言わなきゃいけないことなんですかッ!?」

シャア「ええい!いいから君は逃げる事に集中するんだッ!」

バナージ「集中させたいんならそんな変なこと言わないで下さいよッ!
     母になってくれるとか何なんですか!?貴方はそのララァって人に何を求めてるんですかァー!?」

シャア「そんな事今はどうでも…」


バチューン


バナージ「あっ」


チュドーン!



   ─LOSE ─



シャア(うむ…やはり3000コス同士のペアでは些か厳しかったか…
    それに後衛に回った私が先落ちしたのがマズかったな…)

シャア(……バナージくんは何故あそこまで取り乱していたのだ…?
    危険な局面だったが故に、平常心を失ってしまったか…?)

シャア「ふむ…彼もまだ若かった、という訳か…」


テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「むっ?どうやら次の対戦が始まるようだな…」

シャア「私のペアは…『安価下』か」


東方不敗「むっ?今回の供はオヌシか」

シャア「力を貸して頂きます、御老体」

東方不敗「フンッ!まぁ貴様は大船に乗ったつもりでいればよい!
     この東方不敗マスターアジアの手に掛かれば、奴らのような小童共などモノの数ではないわッ!」

シャア「それは何とも、心強い」


シャア「………」

シャア(ふむ…再びコスト3000の機体とペアか…
    前衛は格闘機であるマスターに任せて、後衛にはこの私の駆るサザビーが回るのが得策だろう…)

東方不敗「………」

シャア「んっ?どうかしましたか?御老体」

東方不敗「……フッ…どうやらオヌシ…ワシと似たような思想を持った男のようだな」

シャア「何…?」

東方不敗「無理に話さんでもよいわ。ワシには分かるぞ…オヌシの考えている事がな」

シャア「………」

東方不敗「フン…しかし、似たような思想を持つ間柄だとはいえ、オヌシとワシはこの一時のみの関係…
     同志として手を組む事は出来んが……ならばせめて、この一時だけでも存分に楽しもうぞ!」

シャア「フッ…随分と威勢のいい御老体だ」

シャア(これは私も…気を引き締めて戦わねばな)


東方不敗「でいやーッ!」金マスブンブン


バチーン!バチーン!


シャア「よし!我が方が圧倒しているぞ!」

シャア(御老体が一度落ちたものの、持ち前の火力で押し切り敵を圧倒している。
    私のサザビーも体力にはまだ余裕がある……このまま行けば…)


東方不敗「むっ!」

バリバリバリィー!

東方不敗「ムオアァーッ!?」


シャア(何ッ!ゲロビが直撃だと!?)

東方不敗「ムゥ…!ぬかったわ…!」

シャア「ここは私が前に出る。御老体は後退を」

東方不敗「うむ…すまん…」

シャア「よし…一気に畳み掛ける!」

キュイーン!






シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





東方不敗「……なぬ?」






シャア「逃げ場はないぞ!」キリッ

ズビー!


   ─WIN─




シャア「フン…」

シャア(……決まった…)


東方不敗「こンの…戯けがッ!何だ今の台詞はッ!?」

シャア「……えっ?」

東方不敗「戦いの最中に自分の性癖を暴露するとはッ!何を考えておるのだ貴様ァーッ!」

シャア「ご…御老体……何をそんなに怒って…」

東方不敗「ええい!側に寄るなッ!ワシの後ろで勝利ポーズを取るでないッ!」

シャア「なっ…」

東方不敗「全くオヌシに共感を感じたワシが馬鹿だったわッ!」プンスカプン


タッタッタッタッ


シャア「あっ…」



シャア「………」

シャア(……何がそこまで気に入らなかったのだあの御老体は…?
    全くあの年頃の老人は扱いに困る…)



テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「やれやれ…気を取り直して次の対戦を初めるか…」

シャア「次のペアは『安価下』か…」


シャア「………」

ハマーン「フッ…よもや貴様と手を組む事になるとはな…」

シャア「……ハマーン…」

ハマーン「久しぶりだな、シャア…
     ネオジオンの総帥としてこの場に居るという事は…お前も遂にその気になったという事だな…」

シャア「勘違いするな、ハマーン…
    お前と組んだのはあくまでも偶然…貴様と共に戦うのも今回だけだ」

ハマーン「フッ…何にせよ貴様と私は今や同志だ。仲違いする必要もあるまい」

シャア「………」

シャア(……心なしか嬉しそうだな…)




シャア(ハマーンのキュベレイはコスト2500……ここは私が先行して、ハマーンには後衛を頼むのが得策か…)

シャア「ハマーン、攻め方についてだが…」

ハマーン「分かっている。お前は前に出て暴れてこい…」

シャア「あ…あぁ…」


シャア(よし、今のところは好調だ。
    私が一度落ちたものの、ハマーンは未だ健在…
    この調子で行けば、我々の勝利は確実!)

シャア「よし!ここで勝負を仕掛けるぞ、ハマーン!」

ハマーン「フッ…良いだろう!ならば決めてこい!シャア!」

シャア「行くぞ!」

キュイーン!






シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





ハマーン「………」








シャア「先行する!ハマーンは援護を!」

ハマーン「………」

シャア「……は…ハマーン?」

ハマーン「……この…俗物がぁーッ!」キュイーン!

シャア「なっ…!?ハマーンッ!何故このタイミングで覚醒をッ!?」

ハマーン「ええい!黙れッ!黙れーッ!」ブワッ

シャア「ぷ…プレッシャーだとッ!?
    しまった!身動きが取れな…」


コンナモノハモウイラナインダッ!


ブワーッ!


シャア「ぐわあぁーッ!」バリバリバリィ!

シャア(ま…マズイッ!これは予想以上にダメージが…!)


ハマーン「行け!キャラ・スーンッ!」ビューン

ガシッ

シャア(ば…馬鹿なッ!味方である私に故意に当てただとッ!?)

シャア「な…何のつもりだハマーンッ!?私は味方だぞッ!」

ハマーン「何が味方だ!俗物ッ!貴様は今この瞬間…再び私を裏切ったのだッ!
     全く貴様に一時でも心を許した私が愚かだったわッ!死を持って償えッ!」

シャア「ま…待てハマーンッ!話せば分か…」

イッケー!

ブワーッ!

シャア「あっ」



チュドーン!



   ─LOSE ─





シャア「な…何が気に入らなかったのだ、ハマーン…」ボロボロ

シャア(全く…やはりあの女は信用ならんな…何をしてくるか分からん…)


テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「早速次の試合か…さて、相方は…『安価下』か」


シャア(再びコスト3000とペアか……まぁ良い。今回も私が後衛に回ろう)

刹那「こちら刹那・F・セイエイ、ダブルオークアンタで共同させてもらう」

シャア「あぁ、よろしく頼む」

刹那「………」

シャア(……ガンダムパイロットの例に漏れず、やはり彼もまた若いな…
    ガンダムに乗っていた頃のアムロや、バナージくん程ではないが…)

刹那「………」

シャア「君には大いに期待している。前衛は任せたぞ」

刹那「……了解した」



──暫くして──



アテヌッ!

バシューン

刹那「─ッ!!ワァーッ!」ドサァ


シャア「………」

シャア(……しまった…。後衛である筈の私が先落ちしてしまったばかりに…彼に只ならぬ負担が掛かっている…)


刹那「くッ!このままでは…!」

シャア(……ここは一先ず…)


シャア「刹那くん!一旦後退しろ!私が前に出る!」

刹那「りょ…了解した…!」


シャア(ゲージは一度落ちた事で溜める事が出来た!後は私が前へ出るのみ!)

シャア「行くぞ!」

キュイーン!







シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





刹那「なっ…?」







刹那「……あの男…一体何を言って…?」


バシューン!バシューン!


刹那「砲撃ッ!?チィッ!」グッ

パシィ!パシィ!

刹那(こちらのダメージが予想以上に大きい…!後の事はあの男に任せて…俺はクアンタムバーストで回復をッ!)スッ



刹那「クアンタムバーストッ!」ブワァー





ブワッ


シャア「何ッ!」

シャア(わ…私の方にまであのガンダムの光が!)


バチバチバチ!


刹那「─ッ!!な…何だッ!?」

刹那(俺の脳内に流れ込む…この感情は…!)


バチバチバチィーッ!


刹那「─ッ!!アアァァアアァァーッ!!」




────

──





シャア「よし、厳しい戦いだったが…何とか勝つことは出来たな。君のおかげだ、刹那くん」

刹那「………」ジッ…

シャア「……な…何だその哀れむような目は…?」

刹那「……いや、何でもない……何でもないんだ…」フイッ

シャア「あからさまに目線を逸らすなッ!尚更気になるではないかッ!」

刹那「……お前が気にする必要はない…
   俺は何も見ていない……何も…」タッタッタッタッ…


シャア「なッ!何だというのだ!?彼は一体何を見たというのだッ!?
    ええい!勝ったというのに胸糞の悪いッ!!」



シャア(……何故だか…試合が終わる度にことごとく相方に悪態を付かれているような気がするが…気のせいか?)

シャア「………」

シャア(過去に因縁のあるハマーンは兎も角、
    私とは縁もゆかりもない…初対面の彼らまでもが試合後に不快感を露にするのは…何故だ…?
    一体何が理由で…彼らはあそこまで…?)

シャア「………」

シャア(……フッ…こんな下らない事でいちいち思い悩むなど、全く私らしくもないな…)


テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「……次の試合は、『安価下』が私のペアか…」


シャア「ほぉ……これはまた奇妙な巡り合わせだな…」

シャア(旧)「まさか未来の自分と共に戦う事になるとは…
       ……貴公にとっては過去の自分など、未熟な若造にしか写らないだろうが…ここは一つ、協力を頼む」

シャア「私の実力は私自身がよく知っている。
    心配せずとも君の事を未熟者だと下に見るつもりもなければ、能力を過小評価するつもりもない」

シャア「期待しているぞ、赤い彗星」

シャア(旧)「……自分自身に期待されるとは妙な気分だが…まぁいい、よろしく頼む」

シャア「あぁ」

シャア(旧)「よし…見せてもらおうか、未来の私が駆るMSの性能とやらを!」


シャア(よし、ここまでは順調だ…)

シャア(私は一度落とされたが、過去の私が上手く立ち回ってくれている…
    このまま押し切れば、我が方の勝利は確実だろう…)

シャア(旧)「フッ…どうやら腕は鈍っていないようだな、シャア・アズナブル総統閣下…」

シャア(……確かに…もうひとりの自分に誉められるというのも、些か妙な気分だな…)

シャア「油断するな。まだ勝負が終わった訳ではない」

シャア(旧)「分かっている。が、これだけの戦力差だ…
       こちらももうそろそろ勝負を仕掛けても良い頃合いだろう」

シャア「分かった、私が前へ出る!援護を頼むぞ!」

キュイーン!





シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





シャア(旧)「!?」







シャア「これで!」

ズバッ!



   ─WIN─



シャア「よし、我々の勝利だ!
    よくやった過去の私よ!」

シャア(旧)「………」

シャア「……何だ…?あまり嬉しそうではないが…」

シャア(旧)「仮面越しでも分かるとは……流石、私だ…」

シャア「ど…どうしたというのだ…?
    今回の試合の結果に、何か不満な点でもあったのか…?」

シャア(旧)「……未来のシャア・アズナブルよ…
       私の聞き違いでなければ…先程女の名前を叫んでいなかったか…?」

シャア「女の名前…?」

シャア(旧)「……ララァ・スン…私の耳には、確かにそう聞こえた…」

シャア「何…ララァだと…?」

シャア(旧)「………」

シャア(……そうか…。この頃の私は、確かララァに出会う前の私だったな…)

シャア(……ララァはおろか、アムロ・レイにすら…
    この頃の私は面識が無かった筈だ…)

シャア「………」

シャア(……何とも…奇妙な気分だ…)


シャア(旧)「……ララァ・スンとは…一体何者だ?
       私の母になってくれるかもしれなかった女性とは…一体どういう意味だ?」

シャア「………」

シャア(旧)「……語りたくない事ならば、無理に話さなくても構わないが…」

シャア「……彼女に関する話は、君の未来にも大いに関係する話だ。私も多くを語るつもりはない…」

シャア(旧)「………」

シャア「……しかし、これだけは覚えていて欲しい」

シャア(旧)「何…?」

シャア「君もいずれ、その身を持って知る時が来る。
    己の無力さを…。魂の拠り所となる存在を失う、耐え難い苦しみを…」

シャア(旧)「……耐え難い…苦しみ…?」

シャア「……時が来れば、君も私の語った言葉の意味を理解する事が出来るだろう……否応なしにな…」


シャア(旧)「………」

シャア「………」

シャア(旧)「……未来の私からの助言…心得ておこう」

シャア「……あぁ…」

シャア(旧)「では、私はこれで失礼する。
       未来のジオンを束ねる私よ…
       共に戦えた事を、誇りに思う」

シャア「……こちらこそ、礼を言う」

シャア(旧)「では…」クルッ


タッタッタッタッ


シャア(……過去のシャア・アズナブルよ…
    君にもいずれ、その仮面を脱ぐ時が必ず来る。
    その時が来たら、君はまた…)


シャア(……確か、あの頃の私はアムロとの面識も無かった筈…)

シャア(……私の人生に大きな影響を及ぼした二人の人間の存在を知らない頃の自分と、こうして会話をする事になるとは……全く奇妙な体験だった…)


テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「……余韻に浸っている暇もない、か…
    次の試合は、『安価下』が仲間か…」



カミーユ「クワトロ大尉ッ!」

シャア「か…カミーユ!?」

カミーユ「あなたは、シャア・アズナブルの名前を語って…何やってんですッ!?」

シャア「地球に住むノミ共は、自分達のことしか考えられないエゴイストの集まりだッ!
    だからこそ…この私の手で奴らを一掃しなければならないのだ!」

カミーユ「貴方にはその権利があるとでも言うんですかッ!?」

シャア「カミーユ、君なら分かってくれると思っていたが…
    ……だが、今はそんな話より目の前の問題だ!
    敵が来るぞ、カミーユ!」

カミーユ「くッ!相変わらず身勝手な人だ…!」


カミーユ「落ちろォーッ!!」バキューン


ドゴォーンッ!


シャア「よくやったカミーユ!だが最後まで気を抜くな。
    あと一歩で我々の勝利だとはいえ…相手は相当な手慣れだ」

カミーユ「分かってますよ!クワトロ大尉!」

シャア「よし、奴は私が仕止める。カミーユは援護を!」

カミーユ「了解です!」

シャア「これで…!」

キュイーン





シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





カミーユ「……えっ?」






シャア(よし、ここから一気に畳み掛けて…)


カミーユ「大尉ィーッ!」


シャア「なッ!?」ビクッ

カミーユ「貴方って人はッ!こんな緊迫した状況でいきなり女の名前を叫ぶだなんて…一体どういうつもりなんですッ!?」

シャア「ど…どうと言われても…
    それに言っておくが今の私は大佐…」

カミーユ「貴方は無神経な人だッ!
     人が必死になって戦ってるっていうのに…立場も弁えないで、意味の分からないことを公然と口にしてッ!」

シャア「お…落ち着くんだカミーユッ!」

カミーユ「“私の母になってくれるかも”とか何とか言って…正直気持ち悪いんですよッ!
     相手に貴方みたいな人の仲間だと思われる僕の身にもなって下さいよッ!
      下手したら…僕まで貴方みたいな変態だと勘違いされるじゃないですかッ!全くいい迷惑だ!」

シャア「わ…私は別に、君の迷惑になるような事は一言も…」

カミーユ「いつまでもグチグチグチグチと言い訳ばかり…!
     それが世直しを考えている男の言うことですかーッ!」

キュイーン



シャア「私は世直しなど考えては……ッ!? カミーユッ!何故このタイミングで覚醒を使うッ!?」

カミーユ「今分かった…俺の知っていた頃のクワトロ大尉はもう死んだんだッ!」スィーッ

シャア「な…何をする気だカミーユッ!?」

カミーユ「お前は、人に不幸を振り撒く毒虫だッ!
     しかも…自分がそうなんだと自覚すらしていない…!」

シャア「な…何故こっちに来る!?敵は向こうだぞッ!」

カミーユ「クワトロ大尉ッ!いや、シャア・アズナブルッ!
     そんなんだから貴方は…何時まで経ってもアムロさんに勝てないんですよッ!」

シャア「ええい!今はアムロの事など関係な…」

カミーユ「歯ァ食いしばれッ!そんな大人!修正してやるーッ!」特大ビームサーベル キュイーン



シャア「ま…待つんだッ!カミーユッ!」


ブワンッ!


シャア「わあ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ァァァァァァアアアッ!!!」ズバッ!


チュドーン!



   ─LOSE ─





シャア(……サザビーの脱出装置が起動していなければ、即死だった…)

シャア(カミーユ…前々からよくキレる若者だとは思っていたが、まさかあそこまでするとは…
    ……私とは、完全に袂を分けたという事か…)

シャア「………」

シャア(ええい!今更私に迷いなどないッ!
    私には、やらねばならぬ事があるのだ!その為には、例えかつての同士といえども…)


テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「……どうやら次は、『安価下』が私の仲間のようだな…」


キンケドゥ「貴方があのシャア・アズナブルですか。
      歴史上の人物と共に戦う事になるだなんて…思ってもみませんでしたよ」

シャア「海賊のガンダムか…。何とも興味深い機体だな」

キンケドゥ「ハハハッ…やっぱり気になりますよね。それ
     まぁ海賊旗を掲げる身ですが、少なくとも今は貴方の味方ですよ」

シャア「あぁ、よろしく頼む」


キンケドゥ「貴様ら貴様ら…バカ野郎ォーッ!」バシバシバシバシ

シャア(よし、キンケドゥは善戦しているな…ならッ!)

シャア「キンケドゥ!私も前に出る!一気に畳み掛けるぞッ!」

キンケドゥ「了解した!」

シャア「よし!」

キュイーン!





シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





キンケドゥ「えっ…?」






キンケドゥ「ら……ララァ・スン…? 私の母…だと…?」

シャア「…ッ!! ええいッ!貴様も又それかッ!?」

キンケドゥ「えっ…?」


シャア「アクシズ、行けッ!忌まわしい記憶と共に!」キュイーン


ゴゴゴゴゴ…


キンケドゥ「な…何だとッ!? 隕石がこっちに…」



チュドーンッ!!



キンケドゥ「わあぁぁぁああッ!!」




セシリー「キンケドゥ…!キンケドゥッ!……シーブックゥーッ!!」


チュドーン!



   ─LOSE ─




シャア(先手を打たせてもらったぞ…
    ハマーンやカミーユの時の二の舞になるような事は、私としても避けたかったからな…)

シャア「……しかし…こうも連続して味方から敵意を向けられるとは…
    やはり…ジオンの遺児であるこの私の存在を芳しく思っていない連中が、ここの戦場には少なからず居るという事か…?」

シャア「………」

シャア(……全く、気を抜けないな…)



テレレレー♪テレレテレレレテーンテーン♪テーンテーン♪テーンテーン♪


シャア「全く…一息つく間もなく次の戦闘か…
    今度のペアは『安価下』のようだが…」



ハサウェイ「シャア・アズナブル……まさか貴方と共に戦える日が来るだなんて…」

シャア「ほぉ…ブライト艦長の御子息か。
    ガンダムのパイロットになっているとは、流石に驚いた…」

ハサウェイ「乗っているのはガンダムですが…志は貴方と同じです。
      二人で腐敗した連邦政府に鉄槌を与えましょう!」

シャア(……ブライト艦長を知っている手前、複雑な気分だが…)

シャア「……分かった。よろしく頼む」


シャア(さて、我々の対戦相手は…)



アムロ(乗機Hi‐νガンダム)「来たかシャアッ!」



シャア「なッ! アムロだとッ!?」


ハサウェイ「あ…アムロさん!?」

アムロ「馬鹿なことはやめろハサウェイッ!
    こんな男の考えに賛同するなど…間違っているッ!」

ハサウェイ「アムロさん……クッ!」

アムロ「ハサウェイ、君は何も分かっちゃいない…!
    シャアは…この男は君が思っているような人間ではないッ!」

ハサウェイ「そ…そんな事!」

シャア「それ以上彼を惑わせないでもらおうか、アムロ!
    彼は真実に気づいたのだッ!地球環境を蝕んでいる癌細胞の存在に!
    そう!私の掲げる思想の正しさになッ!」

アムロ「馬鹿な…! シャアッ!
    貴様こそ、上辺だけの言葉でハサウェイを惑わすなッ!」ダッ!



シャア「ええい!アムロッ!!」バキューン!

アムロ「シャアーッ!!」バキューン!


バキューン…! バキューン…!



ハサウェイ「す…凄い…!何てレベルの高い戦いだ!」

ハサウェイ(とても…とても僕なんかが手を出せる状況じゃない…)

ハサウェイ「と…とりあえず、僕はアムロさんの僚機の相手を!」バキューン!



???「………」




アムロ「シャアッ!」バキューン!

シャア「アムロッ!」バキューン!

アムロ「何故ハサウェイまで戦いに巻き込む!? 彼をクェスの二の舞にするつもりかッ!?」

シャア「私の望んだ事ではない!
    ハサウェイ・ノアが…彼自身がそれを望んだのだ!」

アムロ「何をッ!」

シャア「仮に彼が私の仲間になったとしても…それはそれだ!
    ララァを殺した貴様に、それをとやかく言う資格はない!」


ハサウェイ(ララァ…?)


アムロ「情けない奴ッ!
    シャアッ!そうやって貴様は何時までも…ララァの存在に縛られてばかりで!」

シャア「貴様が言えた事か!? アムロッ!」バキューン!




──残り、30秒──




アムロ(クソッ…時間がない! ここは一気に奴を叩くしかッ!)キュイーン!




アムロ「νガンダムは伊達じゃないッ!」






シャア(覚醒を使ったか…妥当な判断だ!)

シャア「しかし! 覚醒ゲージは私とて溜まっているのだぞ!アムロッ!」

キュイーン!





シャア「ララァ・スンは、私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」キリッ





ハサウェイ「なっ……」







アムロ「何ッ…!?」

アムロ(お母さん…? ララァが…!?)


シャア「隙を見せたな!」グワッ

シャア(これが決まれば私の勝ちだ!アムロッ!)


シャア「逃げ場はないぞ!」ズビー!



アムロ「なッ!しまっ…」



ハサウェイ「あ…アムロさんッ!」


???「………」バッ!


ハサウェイ「あッ!待てッ!」

ハサウェイ(しまった!アムロさんの僚機が飛び出て…!)


シャア「これでッ!」ズビー!

アムロ(─ッ! シャアめ…!)

シャア(決まった! 私の勝ちだ、アムロッ!)


???「だぁーッ!」バッ


バキューン!


シャア「─ッ!? 何だとッ!?」バチィ!

ズビッ…


アムロ「はッ!」

アムロ(ビームが来ない…味方がやってくれたのか!?)


シャア「ええい!横やりだとッ!? 一体誰が!?」クルッ


???「……まさか、もう俺のことを忘れたのか? シャア・アズナブル…」

シャア「き…貴様は! まさか…あの時の!?」


???「そうさ…そのまさかだッ!」ダッ



シャア(額に髑髏をあしらったガンダム!間違いないッ!
    今の今までアムロの事しか眼中になく…全く気にも止めなかったが…!)



キンケドゥ(眼帯Ver)「うおォーッ!」ダッ!



シャア「キンケドゥ・ナウッ! 貴様かッ!?」


キンケドゥ「貴様ら貴様ら!馬鹿野郎ォーッ!」

シャア「クッ!このままでは…!
    ハサウェイ君!援護をッ!」

ハサウェイ「………」

シャア「ハ…ハサウェイ…?」


キンケドゥ「今だッ!」


ザンッ!


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