いろは「じゃんけんしません?」八幡「は?」 (80)

いろは「だから、じゃんけんですよ。グーチョキパーですよ」ギュッ

八幡(え、なにこいつ、じゃんけんしたかったら腕組むのがデフォなの?」

八幡「ただじゃんけんするだけなのか?」

いろは「あ……もしかしてじゃんけんしたことなかったですか?」

八幡「おいおい、いくら俺がボッチだからってじゃんけんくらいしたことあるっつーの」

いろは「どんな人ですか?」

八幡「そいつはな、すごく……孤独だったんだよ」

いろは「えっ!?」


書き溜めナシの勢い重視です。
よろしくお願いします。

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いろは「先輩みたいにボッチだったってことですか?」

八幡「おい、俺を当たり前のようにボッチ認定するな、あと近い離れろ」

いろは「あ、もしかして勘違いしちゃいました? ごめんなさい無理です」

八幡「してねぇよ……」

いろは「それで、どんな人だったんですか?」

八幡「じゃんけんの相手か?」

いろは「他に誰がいるんですか……」

八幡「それもそうだな」

いろは「先輩ってペース独特ですよね」

八幡(お前に言われたくねぇよ……)

いろは「なんていうか、ボッチの理由分かっちゃいます」

八幡「まじかよ、それ何で中学の時に教えてくれなかったんだよ」

いろは「………」

八幡(あれ、難聴かな?)

いろは「それで、どんな人なんですか?」

八幡「お前もっとあっさりした奴じゃなかったか?」

いろは「もう、やだなぁ。先輩だからに決まってるじゃないですかぁ」

八幡「えっ!?」ドキッ

いろは「いやっ!?」

八幡「な、何もしてねぇだろ!!」

いろは「……あ、いえ、なんかエッチな顔してたので襲われるかと思って」ドキドキ

八幡(その顔、マジで思ってるじゃねぇか……)

いろは「とりあえず、謝罪してください」

八幡「えっ!?」

いろは「えっ!?」

八幡「俺が? お前に? なんで?」

いろは「え、本来ならがいそん賠償……モノですよ!」

八幡「なんだよその海外製の掃除機みたいな名前、慰謝料もいっぱい吸い込んでやるぞぉって意味があるのか?」

いろは「……いきなり饒舌になって気持ち悪いです」ドンビキ

八幡「……すまん、……すまん」

いろは「それはさっきの謝罪にならないですからね?」

八幡(うわぁ、めんどくさい……)

八幡「とりあえず、そのなんだ、すま

いろは「それで先輩とじゃんけんした人ってどんな人なんですか?」

八幡(マジかよ……)

いろは「あー、また面倒くさそうな顔してるっ。そんな顔してたら女の子に嫌われますよ!」

八幡「お前以外に見せねぇよ、こんな顔」

いろは「へっ///」

八幡(いや、小町が妹じゃなかったらあるいは……)フム

いろは「そ、そんなコト言ったって謝罪するまで許してあげないんですからネッ!」

八幡「え、巻き戻し? お前の脳みそVHSなの?」

いろは「ぶ、ぶいえいち? 料理するんですか?」

八幡「お前の知識レベルならIHじゃないと火事起こすから料理すんなよ」

いろは「失礼ですね! あたしだって料理するんですからね!」プンプン

八幡「えっ、まじ?(どうでもいいけど)」

いろは「本当ですよ! なんだったら嫌いな料理言ってみてください!」

八幡「いや、別に好き嫌いないけど……」

いろは「えっ、本当に作ると思ったんですか? ただ好き嫌い聞いただけですけど?」

八幡「お、おう……、俺も自炊できるから全然いらないけど」

いろは「えっ、ほんとですか? 今度食べに行っていいですか?」

八幡「食べる側なら良いんだ……」

いろは「あ、でもお泊りはできるか分かりませんよ!? ママに聞いてみないと!」

八幡「お前の距離感覚がわかんねーよ」

いろは「あたしの家ですか? 住所は――」

八幡「なんでそうなる……」

いろは「一人で荷物持てるか分からないじゃないですか」

八幡「引っ越しかよ……」

いろは「えっ、結婚する訳ないじゃないですか、気持ち悪いです」ドンビキ

八幡「………(帰りてぇ……)」

八幡「つーかじゃんけんはどうした。するのか、しねーのか」

いろは「え、そんなにいろはとじゃんけんしたかったんですか?」

八幡「あれ?」

いろは「あたしが可愛い後輩だからって積極的すぎて気持ち悪いです」

八幡「お、おう……」

いろは「えへへ、可愛い後輩……///」テレテレ

八幡(あれ、これは本気でデレたの?)ジーッ

いろは「何見てるんですか、気持ち悪いです」

八幡「お、おう……」

いろは「えへへ///」

八幡「………」

いろは「それより早く謝ってくださいよ。裁判しますよ」

八幡「負けるんで勘弁してください。ごめんなさい」

いろは「はぁ、先輩ってすぐ謝って男らしくないですよね」ヤレヤレ

八幡「………」

いろは「ま、そこが良いんですけど」ボソッ

八幡「えっ?」

いろは「それで、いつ遊びに行ったらいいんですか!」アセアセ///

八幡「えぇ……(一歩進んで二歩下がってんじゃん……)」

八幡「まじで来るのか?」

いろは「男に二言はないですよねっ。……あっ、でも先輩って女々しいからなぁ」ハァ…

八幡「この場合、男というカテゴリーが邪魔してるんだけど……」

八幡(かといって百合は百合で困るが……)

いろは「カテゴリー? クマさんの一種ですか?」

八幡「グリズリーじゃねぇよ。クマさんとか言いながらグリズリー思い浮かべる辺り演出失敗じゃねぇか」

いろは「もう、先輩と話してると本来の目的から逸れちゃいます!」プンプン

八幡「本来の目的って?」

いろは「そんなのっ、お泊りに決まってるじゃないですか!」

八幡(じゃんけんだっただろうが……)

いろは「それで、今週末とかどうです?」

八幡「いや、他人を泊めた事がねぇから今すぐ返事できねぇよ」

いろは「なんでそんな他人事なんですかっ。あたし達の仲じゃないですかっ」

八幡「他人じゃねぇか……」

いろは「あ、寝る時はちゃんと小町ちゃんの部屋で寝ますからねっ」

八幡(いつの間に仲良くなってんだよ……)

いろは「パジャマパーティに参加したいですか?」ニヤニヤ

八幡「いや、別に……」

八幡(一色のパジャマ……ピンクのフリフリっぽい…)

いろは「いやっ!!」

八幡「本当に申し訳ありません、お許しください」ドゲザ

いろは「先輩と一緒にいるとストレスで肌が荒れそうです」

八幡「じゃあ、これで……」ガシッ

いろは「話の途中で立ち去るなんて最低ですよ?」ニッコリ

八幡「お、おう……」

いろは「ところで、先輩はじゃんけんって得意ですか?」

八幡「戻ったようで全然違う位置にズレちまった……」

いろは「どうなんです?」

八幡「いや、比べるモンがねぇから分からねぇよ」

いろは「あ、それもそうですね。あたしは強いですよ!」

八幡「勝率が良いのか?」

いろは「三回に一回は勝てます!」

八幡「普通じゃねぇか……」

いろは「じゃあ先輩はどうなんですか? その人との勝率」

八幡「覚えてねぇよ」

いろは「それはあたしで頭がいっぱいってことですか?」

八幡「少なくとも今日はお前でいっぱいいっぱいだよ」

いろは「えへへ、あたしでいっぱい///」テレテレ

八幡(何こいつ、喜んでんのか?)

いろは「あたしは先輩の事なんてこれっぽっちも考えてないですけどね」

八幡「考えずに喋ってるもんな」

いろは「えっへん」

八幡「こいつすげーな……」

いろは「当然です!」

八幡「………」

八幡「それで、どうすんだよ」

いろは「何がですか?」

八幡「週末、ほんとに泊まるのか?」

いろは「あたしに泊まってほしいんですか?」ニヤニヤ

八幡「できる事ならとま

いろは「先輩がどうしてもって言うんならパジャマパーティもしてあげますよっ」

八幡「条件が緩和してる、だと?」

いろは「どうなんです?」

八幡「いや、パジャマパーティは色々とまずいからやめとく」

いろは「もう、そうやって素直に泊まってほしいって言えばいいんですよ」ヤレヤレ

八幡「これがフットインザドア法ってやつか。家に入るという意味も込めて」

いろは「それじゃあ、あたしもママに確認しときますね」

八幡「なんて説明するんだよ」

いろは「え、先輩の家に泊まりに行くって」

八幡「それで許されるのか……」

いろは「何が問題なんです?」

八幡「男の家に泊まるとか色々まずいだろ」

いろは「それもそうですね。じゃあどう言えばいいんですか?」

八幡「……小町の家に泊まるって言うとか?(トラブルは避けたいしな)」

いろは「はぁ、先輩ってそこまでしてあたしに泊まってほしいんですね」

八幡「えぇ……」ゲンナリ

ちょっと離れます! 最初はグーをすると、グー以外の手を出しやすいとかって言いますよね! 迷信か分かりませんが、自分の中で固定されない戦い方を覚えるのが一番いいと思います!

数分後。。。

いろは「オッケーでしたぁ♪」

八幡「えぇ……」

いろは「ま、あたしにかかれば余裕ってやつです」エッヘン

八幡「なんて説明したんだ?」

いろは「……ママとの会話を聞きたがるなんて、変態ですか?」

八幡「んなわけねーだろ。誤解されたくねーんだよ」

いろは「そうですね。誤解されたら困りますもんね」

八幡(分かってくれたか!)

いろは「今度スーツで挨拶に来てくださいね」ニコッ

八幡「わかってねぇ……」

いろは「あ、スーツ持ってないですか? 一緒に青山行きます?」

八幡「いや、あるけどよ……」

いろは「え、なんでそんな着る気満々なんですか。怖いんですけど……」

八幡「つーか、何を報告するんだよ。じゃんけんの勝ち方か?」

いろは「うわ、ママへの大事な報告なのにふざけないでくださいよ」

八幡(いや、大事だと言う前に何を報告すればいいんだよ)

八幡「すまん……」

いろは「それじゃあ、練習しましょっか」

八幡「えぇ……?」

結衣「あ、ヒッキー! ……いろはちゃん?」

八幡「最悪のタイミングだ……」

いろは「結衣せんぱぁい、この人が最悪だって言ってます」

結衣「えっ!?」グスッ

八幡「割と本当に最悪だ……」ゲンナリ

結衣「えっ、あ、あたしがいろはちゃんのママ役?」

いろは「はいっ、お願いします」ニコッ

結衣「ヒッキー……」ドウシヨウ…

八幡「………」ドウシヨウモナイ…

結衣「……うん、わかったよ。任せて」ニコッ

いろは「それじゃあ、アルゴリズム体操踊っててください」

結衣「わかっ……えっ?」

いろは「さ、お願いします」

結衣「……う、うん…」コクリ

八幡(素直だなー)

いろは「……ママ、実はあたし、紹介したい人がいるの」

結衣「そう……」イーッポススンデマエナラエ

いろは「この人なの……」

八幡「……うす」

結衣「そう……」イーッポススンデエライヒト

いろは「実はこの人……」

結衣「うん……」ヒックリカエッテペコリンコ

いろは「ママ! ふざけないで聞いてよ!!」

結衣「それはあたしの台詞だよ!!」

八幡(厳密には俺の台詞なんだけどなぁ……)

いろは「もう結衣先輩は頼りになりませんっ」プンプン

結衣「あたしだっていろはちゃんのママなんてしたくないもんっ」プンプン

八幡「俺も茶番に付き合ってる暇はねぇんだけどなぁ……」

いろは「もういいです! 先輩、じゃんけんしましょう」

結衣「え、じゃんけん?」

いろは「負けたら黙って去ってくださいね」

結衣「か、勝ったら?」

いろは「挨拶して去ってください」ニッコリ

結衣「結局去るんじゃん!」

八幡「それ、俺やりたい……」

いろは「行きますよ結衣先輩っ」

結衣「う、うんっ」

八幡(あれ、無視されてる……あ、いつもの事だった…)

結衣「あ、ちょっと待って」

いろは「えっ?」

八幡「?」

結衣「ねぇヒッキー、あたしってこの前何だしたっけ?」

八幡「さぁ、胸じゃねぇか?」

結衣「ヒッキー最低!!」

いろは「結衣先輩のエロはす!!」

結衣「えぇ!?」ビクッ

八幡(そうか、由比ヶ浜がいれば矛先はそっちに向くのか……。つーかエロはすって自分の事じゃなかったのか……)

結衣「あ、あたしエロくないもん!」

いろは「そんなことないです! 先輩だって結衣先輩のことビッチって言ってましたもん!」

結衣「ヒッキー!?」

八幡「ご、誤解だ! 俺はお前を馬鹿だと言ったことはあるがビッチだと言ったことは春先しかねぇよ!!」

いろは「春先はあったんですか……最低ですね」

結衣「ヒッキーの馬鹿……」

八幡「今のは俺が悪かったかもしれない。すまん、もう自宅待機する」

二人「「待って」」ガシッ

八幡(一歩も動けない、だと?)ゾクッ

いろは「それで、さっきの話ですけど」

八幡「どの話だよ、もうボッチ人生の三割くらい今日の会話で占めたぞ」

結衣「そんなにずっといたんだ!?」ガーンッ

八幡「ややこしいなお前……」

いろは「結衣先輩がじゃんけんで出した手を何で知ってるんですかっ」

八幡「なんでって、そりゃお前……あ」

いろは「先輩はじゃんけんしたことある相手はボッチだって言ってたじゃないですか!」

結衣「えっ!?」ビクッ

八幡「………」

いろは「結衣先輩は確かにキョロ充で、誰でも仲良いように見えて誰にも信頼されてないですけどっ」

結衣「えっ!?」ビクッ

いろは「でも、結衣先輩はビッチだからボッチな訳なごふっ」ガシッ

八幡「アイアンクロー……だと?」

結衣「ヒッキー思い出した。あたし、前……パーからグーにしたんだった」グググッ

いろは「も、もがっ……」イタイ…


八幡「お、おいやめろっ、(一色の頬が削がれるとこなんて)誰も見たくねぇよ」

結衣「えっ」パッ

結衣(あたしが暴力振るうとこをヒッキーは見たくない?)

いろは「はぁはぁ……し、死ぬかと思いました…」ギュッ

八幡「お、おいっ、くっつごふっ」ガシッ

結衣「………」ゴゴゴゴゴ

八幡(あれ、さっきより迫力ある?)ギチギチ

いろは「先輩! 身体を張ってあたしを助けてくれるなんて、さすが先輩です!」スリスリ

結衣「……っ」ピキピキッ

八幡「も、もがっ、もがもがっ(やめろっ、その顔特攻の拓で見たことあるぞ!)」ギチギチギチ

いろは「さぁ先輩! こんな怪力女は先輩のじゃんけんパワーで勝ってくださいっ」

結衣「……っ」ブチッ

八幡「!?(な、なんか変な音した!? 血管!? 血管が破れたの!?)

結衣「 THIS  WAY 」ゴゴゴゴゴ

八幡「もがもがっ(ジャンルが違いすぎる!!)」

結衣「FIRST…COMES…ROCK…」グググッ

八幡「」

いろは(先輩の胸ちょっと貧相ですね……)スリスリ///

八幡「由比ヶ浜っ! お前、髪形変えた?」

結衣「えっ?」パッ///

八幡「なんか今日、いつもと違うな」

結衣「そ、そうかな/// 変えてないんだけどな///」モジモジ

八幡(あぶねぇあぶねぇ、チャラ男の神様が言ってたんだよな。女は髪形変えたって聞けば100%安泰って)

いろは「あ、そのネタこの前見ましたっ、チャラ男が軽い女落とすテクニックなんですよね」

結衣「……っ?」ピキピキ

八幡「不運と踊っちまってるよぉ……」フェェ…

八幡「ち、違うっ、俺はただ由比ヶ浜の髪形が安定しない事についてだなっ」

結衣「なんであたしの事、作画崩壊っぽく言うん!?」

いろは「崩壊してるのはこれですよね」ツンツン

結衣「きゃっ///」ビクッ

八幡「おぉ……///」ドキッ

いろは「………」ムスッ

結衣「……ヒッキーのエッチ///」

八幡「ふ、不可抗力だ……」

いろは「………」

いろは「それで、結衣先輩とじゃんけんしたんですか先輩?」

八幡「ちげぇよ、雪ノ下とじゃんけんしてるとこ横目に見てただけだよ」

いろは「横乳見てた?」

結衣「えっ!?」ビクッ///

八幡「そりゃたまには見るけど……ちげーよ」

いろは「……あたしだってありますからねっ」

八幡「お、おう……(なんだ急に……)」

結衣(ヒッキーあたしのおっぱい興味あるんだ……)エヘヘ




奉仕部

雪乃「……くしゅんっ」

雪乃(何だかあまりよろしくない気がするわ……)



八幡「あん時は確か、グーじゃなかったか?」

結衣「えー、そうだっけ? パーじゃなかった?」

いろは「え、結衣先輩って二パターンも形作れたんですか?」オドロキ

結衣「作れるよ!? 何だったら三パターン以上作れるよ!」パッパッ

八幡「おお、くねくねしてる……」

いろは「なんだかエッチですね」

結衣「えっ!?」ビクッ

八幡「慣れてるんだろ」

いろは「そうかもしれないですね」

結衣「……二人とも酷過ぎ…」グスッ

結衣「じゃあ、ヒッキーを信じる」

八幡「お、おう……(じゃんけん如きに人を信じて戦うのか?)」

いろは「あたしも先輩を信じます」

結衣「えっ?」

八幡「俺何も言ってねぇけど……」

いろは「信じるんで、裏切られたら責任取ってくださいね」ニコッ

八幡「お前、割と天才だよな」

いろは「恐縮です///」エヘヘ

結衣「あたしは勝っても負けても去らなきゃいけないのに、いろはちゃんは勝っても負けてもヒッキー独り占め……?」

いろは「行きますよ! じゃーんけーん

結衣「う、うそっ、早いっ!」


いろは「ポンッ!」サッ


結衣「!」サッ

いろは「………」チョキ

結衣「………」チョキ

八幡「引き分け……だな」

いろは「………」ダラダラダラ

結衣「………」ダラダラダラ

八幡「え、何でそんな苦しそうなの?」

いろは「引き分けのこと、想定してなかったです」

結衣「あたしも……」

八幡ʅ(◔౪◔ ) ʃダメダコイツラ

結衣「ヒッキーを信じても勝てなかった……」

八幡(何で俺のせいみたいなんだよ……)

いろは「先輩が役立たずで勝てなかった……」

八幡「正直者だな、お前」

結衣「ここからは……」

いろは「本当の戦いっ!」

八幡(やっぱこいつらバカだろ……)

いろは「言っておきますけど結衣先輩。あたし、勝率三分の一ですからね」

八幡(自慢した!?)

結衣「いろはちゃん。あたしだって同じなんだからね」

いろは「えっ」

八幡(そりゃ、じゃんけんなんだからな……)


結衣「パーセンテージで30パーセント!」


八幡「分かるけど違う!!」

八幡(裏口だ! 由比ヶ浜は確実に裏口入学だ!!)

いろは「さすが結衣先輩…やりますね……」ゴクリ

八幡(もう一人裏口がいた!!)ガーン

結衣「ちなみに、負け率は?」

八幡(え、それ確かめる必要ある?)

いろは「良い事聞きますね。さすが結衣先輩です」

八幡(ど、どういうことだ? 負け率は違うのか? もしかして引き分け率が以上に高いとか?)

いろは「あたしの負け率は……」

八幡「………」ゴクリ

いろは「三分の一です!」ビシッ

八幡「自信満々に言い切った……」

結衣「……さ、流石ね」ゴクリ

八幡(もう二人がお泊り会すればいいんじゃね?)

いろは「ちなみに先輩は?」

結衣「ふふっ、もちろん30パーセントだよっ」

いろは「やっぱり……」ゴクリ

八幡「ちなみに引き分け率は?」

いろは「なんですか急に、入りたいなら入りたいって言えばいいのに」

結衣「そうだよヒッキー、ちょっと自分勝手すぎない?」

八幡「す、すまん……(こいつらすげぇ!)」

いろは「まぁ良いですけど、あたしはもちろん三分の一です」

結衣「あたしも30パーセントだよ」

八幡「由比ヶ浜、お前、その三つの確率足してみろよ」

結衣「ヒッキー馬鹿にしてる?」

いろは「先輩さいてーですね」

八幡「……いいからっ」

結衣「もう、ヒッキーのわがまま……」エット…





結衣「90パーセントしか……ない?」ガクガクブルブル




いろは「森羅万象の法則が崩れ去りましたっ」ガクガクブルブル

八幡(足し算はできるのか……)


結衣「まさかこんなことになるなんて……」

いろは「本当に驚きです……」

八幡「お前ら、計算がまちが

結衣「じゃんけんに勝ち負け引き分け以外があったなんて……」

八幡「」

いろは「驚きです……」

八幡「」





八幡ʅ(◔౪◔ ) ʃ




結衣「じゃあ、それ以外っていったい何?」

いろは「謎です……」

八幡(謎でも何でもないんだよなぁ……)

結衣「! もしかして……」

いろは「わかったんですかっ」

八幡「わかったのかっ? (自分が馬鹿だって)」




結衣「妥協……しかないと思う…」コクリ




八幡「」

限界が来たので寝ます。おやすみなさい。

起きた。続きを書く時間だった。

八幡「妥協……?(そんな難しい感じ知ってたのか?)」

結衣「うん、よく考えたけどそれしかないかも……」

いろは「………あっ、そっか」

八幡「理解できたのか?」

いろは「お昼休みのジュースじゃんけんっ」

八幡「は?」

いろは「よく友達と4人くらいでやるんですけど、……あっ、先輩はやったことないですよね、分かりづらくてごめんなさい」

八幡(何でそこだけ律儀に謝るんだよ……)

いろは「たまーに10人くらいになるんですよ……。そしたらあいこばっかりで決まらないし、10人ということは1300円もかかるじゃないですか」

八幡「回転寿司行けるじゃねぇか……」ヤバ…

いろは「だから、……やめるんです。じゃんけん」

八幡「それが……妥協」ゴクリ

結衣「あたし達っていつも勝ち負けばかりにこだわってたけど……」

いろは「本当は、分かり合えたのかもしれませんね」

八幡(こいつらは、まさか……互いの気持ちに折り合いをつけるのか……?)ゾクッ

結衣「ねぇいろはちゃん、ここはお互いに負けってことで妥協しない?」ニコッ

いろは「ええ、そうですね。あたしもそう思ってました」ニコッ

八幡「……お前ら…」ツーッ

八幡(これが、成長……か)




いろは「じゃあ、結衣先輩は負けたということでさよならです」




結衣「ひどいっ!!?」

八幡(成長してねぇ……)

いろは「先輩っ、やっと結衣先輩帰りましたね」ニコッ

八幡「ああ、帰ったというか泣きながら去って行ったけどな」

いろは「それでさっきの話ですけど」

八幡(お泊り会の話か?)

いろは「先輩って回転寿司とか行くんですか?」

八幡「いや確かにさっきの話だが、それ以上ウィンドウ開いたらタスクバーいっぱいになるぞ」

いろは「なんだかインテリぶってて気持ち悪いです」ドンビキ

八幡「難しいなぁ……」

いろは「どうなんですか? 行くんですか?」

八幡「ああ、家族で行くか、たまに一人で、な」

いろは「先輩も外食とかできたんですね……」

八幡「引きこもりじゃないからな? 他人と関わるのが煩わしいだけだからな?」

いろは「何を食べるんですか?」

八幡「そりゃまぁ、タコとかウナギとか?」

いろは「……食べる食材も孤独な生き物ばかりなんですね」

八幡「やっぱりそういう時の頭の回転は速いんだな」

いろは「えへへ///」

八幡「つーかよ、本題に入ろうぜ本題に」

八幡(これ以上こいつと話してたら、日が暮れるどころじゃねぇ)

いろは「そうですね、先輩と喋ってたら朝になっちゃいそうですしね」

八幡「お、おう……」

いろは「じゃあ、本題ですけど」

八幡「………」ドキドキ



いろは「じゃんけんしましょうか」



八幡「本題だけど、本題じゃねぇっ」

いろは「えっ!?」

いろは「本題じゃないって、あたしは先輩にじゃんけんを申し込んだんですよっ」

八幡「それはそうかもしれないけどっ」

八幡(どう説明したら分かってくれるんだこいつ!?)


回想(妄想)

雪乃『比企谷君、奉仕部は魚の獲り方を教えてあげるの』

~~~

八幡「そうか……そうだな」

いろは「?」

八幡「なぁいろは、今から説明することをよく聞いてほしい」

いろは「じゃんけんの説明なんて今更聞く必要あります?」

八幡「いや、ちげぇよ……」

いろは「あ、もしかして先輩って一人としかやってなかったから、違うルールがあるんですか?」

八幡「……違うルール?」

八幡(そんなのあったか?)

八幡「いや、普通にじゃんけんポンするだけだけど」

いろは「えっ、先輩ってじゃんけんポンって言うんですか?」

八幡「へ、変か?」

いろは「い、いえっ、なんか可愛いと思って///」プイッ

八幡「えっ///」ドキッ

いろは「……言い方ですよ? 何ドキッとしてるんですか怖いです」

八幡「……っ///」ハズカシイ…

いろは「どんな感じですか、一回やってみましょう」

八幡「おお、いいぜ」

いろは「最初はグー」グー八幡「じゃんけんポン」パー

いろは「えっ」

八幡「えっ」

八幡「いやちょっと待て、今のは流石の俺も突っ込まざるを得ない」

いろは「自分で流石とか言って恥ずかしくないんですか?」ウワ…

八幡「こ、言葉の綾だ///」

いろは「先輩……じゃんけんをする前は最初はグーをする。……常識ですよ?」ドヤァ

八幡(くっ、あざとい奴がたまに見せるドヤ顔……可愛いっ)

いろは「全く……、先輩のコミュニケーション能力の低さにはヤレヤレです」

八幡(色々文句を言いたいが、めんどくせぇ……)

八幡「じゃ、じゃあ、最初はグーからで良い」

いろは「で、良い?」

八幡「……が良いです」

いろは「仕方ありませんね。やってあげます」ヤレヤレ

八幡(色々精神的にヤヴァイ……)キリキリ

いろは「最初はグー」八幡「………」

いろは「じゃんけんポン」グー八幡「………」パー

いろは「………」

八幡「………」ニヒッ

いろは「……さ、試しは終わったとして」

八幡「俺の勝ちだよな?」

いろは「………」

八幡「俺の勝ちだよな?」

いろは「………」

八幡「お・れ・の

いろは「うるさいです!!」

八幡「ひっ」ビクッ

いろは「先輩はたかがじゃんけんで、しかもじゃんけんポンってどんな感じかなぁってだけでやった事でそんなに意地悪言うんですか?」

八幡「」

いろは「あたし、先輩の事好きですけど、そういうの嫌いです」

八幡「」

いろは「でも、先輩はあたしの大切な先輩ですし、今回はあたしが勝ったことにしてくれたら許してあげますよ」

八幡「」コクコク

いろは「じゃあ、先輩チョキ出してください」

八幡「」チョキ

いろは「………」グー


 ――カシャッ


八幡「えっ?」

いろは「スマホに収めました」ニィッ

いろは「さぁっ、先輩の負けです! 何でも一つだけあたしの言う事聞いてもらいますからね!」

八幡「詐欺だっ」

いろは「詐欺? 先輩が自分から負けておいて、何言ってるんですか?」

八幡「……ぐっ」

いろは「はぁ……男の癖に約束も守れないんですか」ヤレヤレ

八幡「そ、そういう意味なら、そもそも約束なんてしてないっ」

いろは「証拠はあるんです?」

八幡「……ぐっ」

いろは「ぐっ、じゃないですよ。あたしは証拠ありますよ」つスマホ

八幡「…………くそっ」

いろは「はい、それじゃあ、一つだけ言う事聞いてもらいますからね」

八幡「あ、ああ……」

いろは「目をつむってください」

八幡(ビンタ!? まじかよ……)コワイ…

いろは「早くっ」

八幡「……っ」




――ちゅっ



八幡「えっ!?」ビクッ

いろは「……どうしたんですか?」

八幡「い、今の……(唇に柔らかいものが……)」ドキドキドキ

いろは「それより

八幡「今のっ! もしかして……」

いろは「………」

八幡「き、き……」

いろは「………」

八幡「キス……なのか?」カァ///

いろは「………」カァ///

八幡「!?」ドキッ///





いろは「指に決まってるじゃないですか、何を勘違いしてるんですか?」




八幡「」

いろは「あたしが先輩にキスを? 理由がありませんよ?」

八幡「そ、それはっ……お泊り会をしようとしたり…」

いろは「したり?」

八幡「さ、さっきだってっ、俺の事……す、す……」

いろは「はぁ……先輩、良いですか?」

八幡「……?」

いろは「もしそうだとして、あたしの気持ちを確認する前に、いう事があるんじゃないですか?」

八幡「……っ」ドキッ

八幡(そうだ……、俺はこいつを自分の家に泊めようとしている癖に……)

いろは「………」

八幡「そうだな。俺はお前の気持ちに甘えていたのかもしれない」

いろは「ほーんと、甘々なんですから」ヤレヤレ

八幡「聞いてほしい」

いろは「はい、聞いてあげます」

八幡「俺はお前のことが

いろは「あっ、葉山せんぱーい」タタタッ

八幡「」

葉山「何してんだ? こんなところで」

いろは「あ、いえ、別に何でもないです」エヘヘ

葉山「早く来ないと部活終わるぞ。いくら生徒会長だからって、部活サボるようだったらクビだからな」

いろは「わかってますよー」タタタ

八幡「」

部室裏


いろは「………」ドキドキドキドキドキ///

いろは(ちょ、ちょっとズルすぎますよぉ!?)ドキドキドキドキ///

いろは(あの人ほんとにあのタイミングで告白するつもりだったんですかぁ!?)ハァハァ///

いろは(あたしはただ、先輩をからかうのが楽しかっただけなのに、いきなり過ぎです!)ドキドキ///

いろは「はぁ……ふぅーーーー」スーハースーハー

いろは「………」フゥ…

いろは「………あ」




いろは「しまったぁああああ! 告白されれば良かったのにぃいいいい!」ガーンッ



いろは(お、おおお、落ち着いてあたし……)カタカタ

いろは「さっきの写真見て落ち着こう……」つスマホ


【八幡にキスしてる写真】


いろは「落ち着けるかーーーーーっ!」ピッ///

いろは「…………もぅ、まぢ最悪だょ……」グスッ

いろは(でも……ま、あの感じだったらあたしの事好きっぽいか)ケロッ

いろは「明日も先輩とあーそぼっ♪」


八幡「………」

八幡「………」

八幡「………」スッ

八幡「じゃんけんポン」


右手パー、左手グー


八幡「通算5098勝5097敗……か」フッ

八幡「帰ろ……」トボトボ



おしり。

終わりです。オチだけ思いついて20レスくらいで終わるのかと思いきやここまで伸びてしまいました。
楽しんでいただけたなら幸いです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月06日 (金) 06:13:13   ID: -eM5LND_

・・・なんというか、タイトルから想像のつかん展開だったな。

まあ、おもしろかったけど。

2 :  SS好きの774さん   2015年03月06日 (金) 10:48:50   ID: y2-0w5zv

あざといいろは、ほんとあざとい

3 :  SS好きの774さん   2015年03月07日 (土) 22:43:59   ID: DwjusJEP

すごい話の発散具合だった。嫌いじゃない。

4 :  SS好きの774さん   2015年03月08日 (日) 21:50:14   ID: zEsFiZfW

勢いはあった また書けください

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