遊佐こずえ「こずえの……なまほうそうだよー」 (35)

島村卯月「こずえの部屋~」

卯月「はい、というわけで始まりました~」

卯月「えー、この番組は346プロ所属アイドル遊佐こずえちゃんが」

卯月「毎回ゲストを招いて生放送でお話する、という番組で」

卯月「私はあくまで第1回目のゲストなんですが」

卯月「見ての通り、こずえちゃんは寝ています……」

遊佐こずえ「すーすー」

卯月「こずえちゃんにとって初めての冠番組、しかも生放送ということで」

卯月「今日はかなり早くから打ち合わせやリハーサルをしてたらしいんですが」

卯月「早すぎたために、本番までの待ちが長くて寝てしまったようです……」

こずえ「すーすー」

卯月「……」

こずえ「すーすー」

卯月「と、とにかく! こういうフリーダムな感じでお送りします!」

卯月「一旦お知らせをどうぞ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423640728

こずえ「ふわぁ~……」

卯月「こ、こずえちゃん! もうCMあけてるよっ」

こずえ「……んー?」

卯月「ほらっ、あっちにカメラ!」

こずえ「えっとー、こずえの……なまほうそうだよー」

卯月(さっき私が説明したけど嬉しそうだから黙っておこう)

こずえ「こずえと……げすとのひとが、おしゃべりするのー……」

こずえ「さいしょの、げすとは……うづきおねえちゃん……ぱちぱちー」

卯月「ふふ、改めてよろしくねこずえちゃん」

こずえ「……こずえねー、さいきん……あたらしいことば、おぼえたのー」

こずえ「きいてくれるー……?」

卯月「うん、どんな言葉かな?」

こずえ「あしのふみばもない……っていうのー」

卯月「へ、へぇ~……どこで覚えたの?」

こずえ「『しまむーのへやは あしのふみばもない』……ってー」

卯月「未央ちゃぁぁん!!」

こずえ「ほんとー?」

卯月「いや、あの」

こずえ「ほんとうに、あしのふみばもないのー?」

卯月「たしかにちょっと散らかってるときもあるけど、普段は片付いてるよ!?」

卯月「未央ちゃんが来たときはたまたまで……アハハ」

こずえ「じゃあー……こちらのえいぞうを、ごらんくださーい」

卯月「え?」


 モニターに、とある散らかった部屋が映し出される。


卯月「きゃあああ! 私の部屋!!」

こずえ「ごかぞくにきょうりょく、してもらって……いっかげつかん、さつえいしましたー」

こずえ「このひは、なにしてるのー?」

卯月「えーっと……多分休みだからゴロゴロしてるだけじゃないかな……」アブラアセ

こずえ「おかたづけ、しないのー?」

卯月「あのー、そろそろこの映像止めませんかねぇ? プロデューサーさん?」

こずえ「どうして、おかたづけ……しないの?」

卯月「それは、その……どうしてだろうねぇ?」

卯月(ピュアな瞳で訊かれると辛い……!)


 結局動画内で卯月の部屋が片付くことはなかった。


こずえ「……ぜんぜん、かたづけないねー」

卯月「もうやめてェ! 私のライフはとっくにゼロです!」

こずえ「おかたづけ、しようねー?」

卯月「ハイ……」

卯月(うう、まさかこんな展開になるなんて……)

こずえ「こずえのへやー……にかいめだよー」

こずえ「きょうのげすとは、このひと……ですー」

向井拓海「おぅ、向井拓海だ。よろしくな!」

こずえ「だいいっかいは……みたー?」

拓海「わりぃな、まだ見てねぇんだ。事務所で見れるらしいからあとで見るぜ」

拓海「卯月のファンにはかなり好評だったらしいな」

こずえ「こうひょうって……よかった、ってことー?」

拓海「そうだぞ。卯月の可愛いところが見れたんじゃないか、多分だけど」

こずえ「んー、よくわからないけど……うづきおねえちゃんのおへや、みたよ……」

拓海「ああ、そういうのか。めったに見れない貴重な映像が良かったんだろうな」

こずえ「あのねー、こずえ……あれ、すきなのー。やってほしいな……」

拓海「ああ、いいぜ。で、アレってなんだ?」

こずえ「たくみんすまいるー」

拓海「!?」

拓海「ス……スマン、聞き取れなかった。もう1回言ってもらえるか?」

こずえ「たくみんすまいる」

拓海(クソッ、やっぱり聞き間違いじゃなかった……!)

こずえ「やってー?」

拓海「そ、そうだな、こずえが見たいならな……けど、それよりアタシの歌は聞きたくないか?」

拓海「歌のほうが楽しいし、見てる人も喜ぶと思うなぁ!」

こずえ「んー……」

拓海(期待を裏切って悪いが、たくみんスマイルは恥ずかしいから二度とやりたくねぇんだ……)

拓海(歌で満足してくれ、こずえ!)

こずえ「じゃあ、めるへんでびゅーうたってー」

拓海(オゥ!?)

拓海(やべぇ、墓穴掘っちまったか!? アタシにあの歌は合わなすぎるだろ……っ!)

こずえ(キラキラ)←期待の眼差し

拓海「…………」

拓海(プロデューサーの仕込みじゃないだろうな?)

拓海(第一回を見ておけば対策たてられたかもしれないが……)

拓海(クソォッ! 曇りのない瞳でおねだりされたら断れねぇ……!)

拓海(腹ァくくるぜ!)

拓海「ンンッ……たくみんパワーでメルヘンチェーンジ!」

拓海「ミミミンミミミン! たーくみん! ミミミンミミミン! たーくみん!」

こずえ「わー♪」

こずえ「さんかいめだよー」

上条春菜「前回はすごかったですね」

こずえ「なにが……すごかったのー?」

春菜「まさかメルヘンデビュー! を歌うとは……」

こずえ「こずえも、うたえるよー……?」

春菜「ああ、こずえちゃんが歌ったら可愛いでしょうね。でも拓海ちゃんは……」

春菜「ファンも全く予想してなかった組み合わせなので、結構話題になったそうですよ」

春菜「1回目の卯月ちゃんの部屋も、散らかっていたとはいえ」

春菜「貴重なプライベートが見れたのでファンには好評だったそうですね」

こずえ「ふーん……それって、すごいー?」

春菜「凄いです、お手柄です。というわけでご褒美の眼鏡をどうぞ!」

こずえ「おおー」スチャッ

こずえ「めがねかけるの……はじめてー」

春菜「それはいけませんね」

春菜「眼鏡は視力の矯正だけでなく、手軽なオシャレアイテムでもあるんですよ」

春菜「また、私達アイドルにとっては変装する際も欠かせません」

こずえ「ふぁんのひとがあつまったらー……まわりのめいわくに、なるんだよねー」

春菜「その通りです、こずえちゃんは賢いですね」

こずえ「えへへー」

こずえ「……はるなおねえちゃんは、へんそうするとき……どうするのー?」

こずえ「もうひとつめがね、かける……?」


http://i.imgur.com/yyoU5cj.jpg

春菜「いや、ダブル眼鏡はさすがに……」

春菜(サンタ衣装のときはやったけど、目立ちすぎるし)

こずえ「じゃあ……そうだぁー」

春菜「うん?」

こずえ「めがねはずしたら……はるなおねえちゃんって、わからないかもー」

春菜「そんな! 私から眼鏡を取るなんて……なんて恐ろしいことを……」

こずえ「だめなのー?」

春菜「ダメです。そもそも変装手段は眼鏡だけじゃないし……」

春菜「私と気づかれなくする、という意味では正しい変装ですが……」

こずえ「はるなおねえちゃーん?」

春菜「いや、でも……」

こずえ「ねーねー?」

春菜「……ハッ! ごめんなさい、つい真剣に悩んでしまって」

こずえ「めがね、はずしてみたら……?」

春菜「今ここで?」

こずえ「うんー」

春菜「ファンの前で眼鏡外したこと無いんですが……うーん」

こずえ「……」

春菜「…………」ウーン ウーン

こずえ「ぷろでゅーさーが……おまえのめがねこれくしょんが、どうなってもいいのかー、だって」

春菜「!? カンペでなんて恐ろしいことを……!」

春菜「やめてください! あの子達は関係ないでしょう!?」

こずえ「はやくしないと、れんずに……かたっぱしから、しもんつけるってー」

春菜「あっ、酷い! もう、分かりましたよ、眼鏡を人質(?)に取られては……」

こずえ(あとで、ふけば……いいんじゃないかなー?)

スチャッ
春菜「ど、どうですか?」

こずえ「おー……べつのひとみたいー」

春菜「変じゃないですか?」

こずえ「へんじゃないよー、めがねなくても……きれいー」

春菜「そうですか、なら良かった」

春菜「でもやっぱり眼鏡がないと違和感がありますね。小さい頃からかけていたので……」

こずえ「それって、なんさいくらい……?」

春菜「何歳だったかな……たぶん今のこずえちゃんより小さい頃、目が悪くなって」

こずえ「もし、めがわるくならなかったら……めがねすきだった?」

春菜「うーん、考えたこと無かったですね」

春菜「でも眼鏡を好きじゃない自分なんて、今となっては考えられません」

春菜「我思う。故に眼鏡あり。ってところですかね」


http://i.imgur.com/vsen4dv.jpg

綾瀬穂乃香「こずえの部屋、4回目です」

こずえ「いらっしゃいませー」

穂乃香「こんにちは、こずえちゃん。おみやげを持ってきましたよ」

こずえ「わー……なにー?」

穂乃香「ぴにゃこら太のぬいぐるみです」

穂乃香「ゲームセンターで取ってきたんですけど、よく見たら持ってるやつでした」

こずえ「きづかなかったの……?」

穂乃香「ええ、まあ……。新作が出ると聞いていたので無我夢中で」

穂乃香「本当は同じのでも構わずお迎えしたいんですけど、部屋のスペースが……」

こずえ「ほのかおねえちゃんは、ぴにゃこらただいすき……なんだよねー」

穂乃香「だって可愛いでしょう!?」

こずえ「………………うん」

穂乃香「そうそう、このぬいぐるみはお腹を押すと声が出るんですよ。ほら、押してみて」

こずえ「えい」ムニ

『ビィニ゙ャアアアァァ!!』

こずえ(ビクッ)←予想より大音量だった

穂乃香「うふふっ、愛らしい鳴き声……」

穂乃香「こずえちゃんは、ぴにゃこら太好き?」

こずえ「えっと、きらいじゃないよ……たぶん」

穂乃香「そうですよね、ぴにゃこら太を嫌いな人なんていませんよね」

こずえ「でもね、ぷろでゅーさーが……そろそろべつのはなしもしよう、って」

穂乃香「そうですか……今日はぴにゃこら太の話をたくさん出来るって聞いていたんですが……」

こずえ(ぷろでゅーさーが、『たくさんとは言ってないぞ!』ってかおしてる……)

穂乃香「いえ、進行の都合もありますよね、分かりました」

こずえ「じゃあー、このまえのらいぶのはなし……きいていいー?」

穂乃香「この前というと、フリルドスクエアのロワイヤル公演ですね」

こずえ「だんすとか……ぴったりそろってて、すごかったー」

穂乃香「ふふっ、ありがとう」

穂乃香「お仕事以外でもよく一緒に遊びますから、そのおかげかもしれませんね」

こずえ「どんなことして、あそぶの……?」

穂乃香「いろいろですよ。カフェにいったり、ゲームセンターや遊園地や……」

穂乃香「そうそう、最初にぴにゃこら太と出会ったのも、忍ちゃんと行ったゲームセンターなんです」

こずえ(また……ぴにゃこらたのはなしに……)

穂乃香「遊園地では、おそろいの帽子を買う話になったんですけど」

穂乃香「なんとそこにはぴにゃこら太帽子があって……!」

工藤忍「はいはい、そのくらいにしようねー。こずえちゃん困ってるからねー」グイ

穂乃香「あっ、ちょっと待って! まだ語りたいことが!」ズルズル

桃井あずき「撤収大作戦~」

喜多見柚「処す? 処す? ぐさーっする?」

こずえ「……」ポツーン

こずえ「…………」ムニ

『ビィニ゙ャアアアァァ!!』

こずえ「……」ムニムニ

『ビィニ゙ャビィニ゙ャアアアァァ!!』

こずえ「……」ムニ

『傷ついた悪姫第二形態! 我が名はブリュンヒルデ!』

こずえ「……?」

ズゴオオン!!
『ピニャァァァ……』

こずえ「……おー」

ナニ!? イマノ ナンデスカ!? カクシボイス!?

ホノカチャン オチツイテ!

こずえ「……もうじかんだってー。またねー」フリフリ

前川みく「前回の隠しボイスについて、放送後にメーカーに問い合わせたところ」

みく「再生産バージョンの隠し要素で、128(ぴにゃ)回ごとに出るそうです」

みく「こんなに早く問い合わせがあるとは思わなかったそうですにゃ」

みく(出てすぐ取ってきた穂乃香ちゃんがスゴイのか、それとも)

みく(偶然出したこずえちゃんがスゴイのか……)

みく「で、隠しボイスを出したこずえちゃんに、ゴホウビの猫耳付けてあげるにゃ!」

こずえ「ふわぁー……ありがとー」

こずえ「はるなおねえちゃんも……めがねくれたよぉー」

みく「見たよ~。眼鏡のこずえちゃんも可愛かった!」

みく「でもそれに負けないくらい猫耳も似合うと思うにゃ」

本田未央「せっかくだから尻尾も付けてあげよ?」

みく「あー、ありがと。じゃあクリップでスカートに……」

みく「って未央ちゃん、いつのまに!?」

未央「へへへ、たった今。はい、付いたよ」

こずえ「どおー? ……にあうー?」

未央「うん、似合う! 最高に可愛いよ、コズエル」

みく「コズエル?」

未央「天使っぽいから」

みく「あぁー……なるほど」

こずえ「こずえはにんげんだよー……たぶん」

未央「天使みたいに可愛いってことだよ☆」

こずえ「ふわぁ……そっかー」

未央(あと、浮世離れしてるって意味もこめられてるんだけどね)


http://i.imgur.com/Bkke1Zt.jpg

みく「あっ、みくだったらミクエルだにゃ! 大天使ミカエルみたいじゃない?」

未央「いや、自分から天使って言うのはどうなんですかねぇ……」

未央「さっちーはそういう芸風だから良いけど」

みく「……それもそうだにゃあ」

こずえ「みくおねえちゃんも……てんしさまー?」

みく(天使のようにピュアな子に言われると恥ずかしくなってくるにゃあ!)

未央「そうだ、みくにゃん。実はみくにゃんとコズエルには共通点があるんだけどなんだか分かる?」

みく「共通点? 今2人とも猫耳つけてるけどそのこと?」

未央「そうだけどそーゆー話じゃなくて、もっと本人に関係あること」

みく「んー、出身地……は違うよね。じゃあ誕生日?」

未央「みくにゃんいつだっけ?」

みく「2月22日。にゃんにゃんにゃんの日だにゃ」

未央「うわ、そこも猫関係だったんだ」

みく「スゴイでしょ~」

未央「スゴイっていうかそこまで徹底してキャラ作りしてると引くっていうか……」

みく「誕生日はキャラ作りじゃないにゃ!」

未央「コズエルの誕生日は?」

こずえ「2がつ……19にち?」

未央「あ、意外と近かった。でも誕生日の話じゃないんだなー」

みく「うーん……分かんない! 降参だにゃ」

未央「答えはねー……二人共、まだ生えてない! でしたー」

みく「ふにゃあああっ!? な、な、何言ってるにゃあ!!」

みく「みくは、生えて、いやっ、えっとっ!」///

未央「あれあれー、みくにゃん、なにか勘違いしてないかなー?」

未央「親知らずのことなんだけどー?」

みく「お、親知らず……? って、それなら未央ちゃんだって生えてないんじゃないの!?」

未央「私は生えてる、なんて一言も言ってないよ?」

みく「うにゃあ……」///

こずえ「……?」

未央「ほら、どういうことか説明してあげて、みくにゃん」

みく「え、えっと……こずえちゃんにはまだ早いから! もう少し大人になったら分かるにゃ!」

こずえ「ふーん……」

未央「こういうときは、ごにょごにょ……って言うんだよ」

こずえ「しつぼうしました……みくにゃんの、ふぁんやめます……」

みく「グハアッ! こずえちゃんだとやたらダメージが大きいにゃ!」

以上終了です
猫耳コラを作りたかっただけ

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