ユルール「悪霊の神々」(ドラゴンクエストⅡ&蒼天のソウラ) (24)



登場人物

ユルール
オーガ(人間)、男、戦士
数々の活躍から、勇者と呼ばれる少年

ディオニシア
人間、女、僧侶

アマセ
エルフ、男、魔法使い

ヨナ
ドワーフ、女、武闘家



子犬
???、♀




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蒼天のソウラ・前回までのあらすじ
魔族の襲撃を退け、さらに天魔クァバルナを倒したユルールらは、共に戦ったソウラやJBらと共に打ち上げを行った。
が、打ち上げ後の温泉で、アマセによる男のロマン計画は失敗に終わる。
そして…


……


ユルール「たぁあああ!」

ザシュッ

魔物の群れを倒した!

ユルール「ふぅ…」

アマセ「お疲れさん、ゆるるん」

ユル「うん、お疲れ」

ヨナ「アマセは今の戦闘で何もしてないよ」

アマセ「いや魔法力を温存してるんだよ。いざって時に俺のイオがないと困るだろ?」

ユル「このぐらいの魔物なら、前衛2人でどうにかなるしね」

シア「怪我はありませんか?」

ユル「大丈夫。ありがとう、シア。傷一つないよ、戦闘中にかけてくれたホイミのおかげで。」

シア「いえ、私はこのパーティーの僧侶として、当然のことを…」

ヨナ(アタシの回復は後回しだったけどね)ヒソヒソ

アマセ(ヨナっぺのが耐久力高いからだろ)ヒソヒソ

ヨナ「それもあるけど…やっぱりシアはさ」

アマセ「ん?なんだ?」

ヨナ「…なんでもない」

アマセ「……そうか?」

ヨナ「うん」

アマセ「……」



ヨナ「ところでさ、」

アマセ「あん?」

ヨナ「温泉でのこと」

アマセ「ぶっ!?」

ヨナ「そんなに裸が見たかったの?」

アマセ「な、ナンノコトデショウカ…」ダラダラ

ヨナ「…はぁ、あんた、まだ諦めてないんでしょ」

アマセ「……」

ヨナ「あんな目に合っておいて…」

アマセ「お前には、関係」

ヨナ「あるでしょーが」

アマセ「…」

ヨナ「……これ以上、また変な計画を発動されて、後輩君たちを巻き込むのも迷惑だし。諦めなって」

アマセ「それは……できねぇ」

ヨナ「そう言うと思ったけどさ……じゃあ、…じゃあ、さ」




ヨナ「アタシの……なら、見ていいから」

アマセ「……」

ヨナ「……」

アマセ「割れた腹筋をか?」

ヨナ「セイッ」ドス!

アマセ「ぐほぁ!?」

ヨナ「…………ばか」

アマセ「な"、な"に"ずんだよ"…」

ヨナ「つい」

アマセ「ついで正拳突き!?ついで腰を深く落としてまっすぐ突くか!?」

ヨナ「うん」

アマセ「……」



ユル「あれー2人とも何やってるのー?置いてっちゃうよー」


ヨナ「ごめんユルール!すぐ行く!」

タッタッタッ…


アマセ「……ふ、ふふ、」

アマセ「ははは……効いたぜ、ヨナっぺ。けど、俺はますます楽しみになってきたよ……」

アマセ「次なる《計画》の目標がな…!」


……


……

ユル「…もう日が落ちるね」

シア「今日はここの岩陰で野宿にしましょう」

ヨナ「そうだね」

ユル「野宿も久々な気がするよ。…ちょうど雨風も防げそうで、魔物もあまり出なそうだし。うん。……」

シア「…ユルール様?」

ユル「え?なに、シア」

シア「いえ、なんだか、遠くを見ていたように見えたので……」

ユル「あぁ…うん、いや、静かだな…って」

ヨナ「最近、大人数での混戦をやったばかりだからね。無理もないよ」

ユル「彼らとも……また会えるよね」

シア「…きっと。また肩を並べ戦う日も来るでしょう。このアストルティアで冒険する…仲間なのですから」

ユル「うん。…もう寝ようか。おやすみ、シア、アマセ、ヨナ」

ヨナ「おやすみー」

シア「おやすみなさい」

アマセ「……zZZ」

ユル「もしかして……静かだったのは、アマセが先に寝てたからかな……?」


……


……

アマセ(いいや、ゆるるん。俺はまだ寝ちゃいないぜ……俺にはどうしても《計画》の前に、確かめなくちゃならないことがあるんでね…!)

ゴソゴソ…

アマセ(…いた)

ヨナ「…すー……すー」

アマセ「ククク……よく寝てやがるぜ…さすがヨナっぺ、健康的じゃねぇか」

ヨナ「……すー…むにゃ…」

アマセ(そう……俺は確かめなきゃならねぇ、戦闘中にボサッとしちまったのも、これが気になって仕方なかったせいだ。だが…これをしたら、俺は……いや!覚悟を決めろアマセ!お前は男だ!やればできる!)


アマセ「いくぜ……!」

ぺら…

ヨナ「ん……ぅん?」

アマセ「おぉ…これが」

ヨナ「なにしてんの?」

アマセ「なにって、そりゃ……」

ヨナ「……」

アマセ「……」

ヨナ「なんで、アタイの服をめくり上げてるの?」

アマセ「…いや」

ヨナ「コォォ……」

アマセ「わわわぁ!タンマタンマ!!こりゃ誤解だ!」

ヨナ「ゴカイもキョウカイもない」

アマセ「…蘇生のチャンスはないってことか。ははは、おもしろ」

ドゴォオオン!!



ドゴォオオン!!


ユル「な、なんの音!?」

ヨナ「ユルール!」

アマセ「あれを見ろよ!」

ユル「なんだ…?燃えてる……城が」

シア「……あんな場所に、城などないはずですが」

ユル「行かなくちゃ!」

ヨナ「待ちな!」

アマセ「あぁ、明らかに妙だ。罠かもしれねぇ」

ユル「…だとしても、行くよ……目の前でみんなが燃やされるのを…もう見たくない!」ダッ

シア「ユルール様!」

アマセ「ちっ、仕方ない。俺らも行くぞ!」

ヨナ「今度はなんに巻き込まれたのか知らないけど……命拾いしたね、アマセ」

アマセ「……その話は後だっ」

タッタッタッタッ……


……


……


ユル「魔物の群れが…城にっ…!?」

アマセ「な、なんだこりゃあ……こんな数の魔物の群れ、見たことねぇぞ…!」

ヨナ「群れなんてレベルじゃないよ!」

シア「えぇ、間違いなく、統率された軍勢です」

ユル「くそぉ!」ダッ

アマセ「待てよ」ガシッ

ユル「アマセ!?どうして止めるんだ!」

アマセ「敵の数が多すぎる。ただでさえ状況が分からねぇんだ、無闇に」

ユル「状況!?見れば分かるだろ!?城が魔物に襲われてるんだ!」

アマセ「落ち着け!こんな急に出てくる城があるか!」

ヨナ「魔物だって、この辺にこんな数いるわけないし」

ユル「けどっ」

シア「軍勢ならば、率いている者もいるはず。この数を相手にするばかりか、敵の首領とやり合うとなれば、私達のみでは…」

ユル「……僕は」

アマセ「ユルール」

ユル「罠だったとしても行く」

シア「……」

ユル「罠なら飛び込んで突破すればいい。それより罠じゃなければ、まだ生き残った人がいるかもしれない。それを…見殺しにはできないんだ」

ヨナ「…やれやれだね」

アマセ「あぁ、とんでもねぇアマチャンだぜ」

ユル「みんな、ごめん。僕だけでも」

アマセ「バカ言うなよ」

ユル「え…」

アマセ「俺達はな、お前がそういうやつだと知った上で……いや、そういうやつだからこそ、ここまでついてきたんだ」

ヨナ「地獄までだって付き合うよ、勇者さん」

ユル「みんな…」

シア「そうと決まれば急ぎましょう。正面突破は不可能です。他に侵入できそうな場所を探し、極力戦闘を避けて生き残った人を見つけ出します。いいですね?」

アマセ「おうよ」

ヨナ「がってん!」

ユル「…よし。行くぞ!みんな!」

アマセヨナ「「おー!」」
シア「はい!」

……


……


アマセ「どうにか入れたはいいが……こりゃひでぇ」

ヨナ「ここまでズタボロの死体は見たことないよ…」

シア「……兵士も民間人も、お構いなしだったようですね」

ユル「っ…!くそっ!!」


ベビル「グケェー!」
グレムリン「ゲォオオ!」

アマセ「!まじぃぞ!見つかった!」

シア「ザラキ!」オロロォオオ……

ヨナ「はぁあ!」ズガァ!

ベビル「ゲェ…」
グレムリン「グエァ…」


ギガンテス「…」ズン…ズン……
サイクロプス「ァア…!」ドゴン!!

アマセ「ちっ…集まってきやがった!……ヨナっぺ!一喝頼む!」

ヨナ「すぅ…………ハァッ!!!」


ギガンテス「っ!」
サイクロプス「ウガァ!」

アマセ「動きが止まった…!今だっこいつを食らいな!」バッ

アマセ「イオラ!」

ドゴォオ!

シア「今のうちにっ」

ユル「よしっ!」


タッタッタッ…

……


……


シルバーデビル「ケケェー!」シュバッ

ヨナ「こいつっ速い!」

アマセ「俺のシャボン機雷(イオ)で動きをっ…ぐぁあ!?」

キラータイガー「グルルゥウウ…」

ヨナ「っ……こんのぉ!!」

ガキィン…!

キラータイガー「グォオオ!」
ヨナ「くっ…なんて力だい!」

シルバーデビル「ケケッ」

ヨナ「!しまっ」

ユル「やぁあああ!」シュタッ

ズバァッ!

シルバーデビル「ウギィーッ…!」バタ…

アマセ「ゆ、ゆるるん、そっちのスカルナイトは片付いたのか…?」

ユル「あぁ!…ヨナ!加勢するよ!」

ヨナ「っ、助かったよ」

シア「!…怪我をっ」

アマセ「かすり傷だっそれよりヨナっぺとゆるるんの援護に集中してくれ!」

シア「…はい!」

アマセ(つぅ……いてぇな。もろに食らっちまった…。シャボン機雷で道を塞いで、塗り薬だけでもつけとかねぇと…)プワッ…プワッ…

アマセ(城内に突入したはいいが…いかんせん敵の数が多すぎて、止めきれてねぇ……シアの回復呪文は前衛に回さなけりゃ2人が危険だ…)ヌリヌリ…ギュッ

アマセ「っし、応急処置はできた。俺も援護をっ」



子犬「ワゥンッワンワン!」

アマセ(なんだ?犬…?…ハッ)

アマセ「あ、危ねぇ!」ダッ


大ねずみ「ヂヂュー!」

アマセ「でりゃあぁ!」ドガッ

大ねずみ「ヂュッ…!」タタタタタッ

アマセ「逃げたか…」

子犬「クゥン…」

アマセ「へへっ…怪我ぁねぇか?」

子犬「ワンッ」

アマセ「そいつぁ良かった…と、つつ…俺の方が怪我してんだった」


ユル「ここは片付いたよ!アマセっ……て、それ…」

ヨナ「犬…?」

アマセ「あぁ…城ん中にいるんだから、誰か偉いさんの飼い犬だったんだろ。…その飼い主が、逃げたのか、死んだのかは知らねぇけど」

ユル「置いていくわけにはいかないね。任せていい?アマセ」

アマセ「あぁ、子犬一匹くらいなら抱えていけるぜ」

ユル「なら…」

シア「ユルール様……たった今、フローミでこの城の様子を見たのですが…」

ユル「…どうだった」

シア「城全体が魔物に占拠されています。おそらく生き残りはもう…」

ユル「……くそぉお!」

ヨナ「…撤退だね」

アマセ「あぁ…急ぐぞ!」


タッタッタッ…

……



……


ユル「はぁっ…は、ぁ……」

アマセ「ぜぇ……ぜぇ…」

シア「どうにか脱出できましたね」

アマセ「死ぬかと思った…マジで」

ヨナ「……結局助けられたのは、この子だけか…」

子犬「クゥン?」

ヨナ「で?どうするの?この子」

ユル「うーん…」

シア「飼い犬では、野に放つわけにはいきませんね。まだ小さいですし」

アマセ「近くの町まで連れてってやりゃいいさ。こいつのキュートさなら、誰か飼ってくれんだろ」

子犬「ワンワンッ」ペロペロ

アマセ「っとと、こら舐めるなって!ははは…いっつぅ!」

ヨナ「アマセ!?」

アマセ「あぁ気にすんな、ちっと痛んだだけだ」

シア「先程の怪我ですか…やはりホイミを」

アマセ「いいって。魔法力温存しとけよ、まだどうなるか分かんねんだから」

ヨナ「確かに…魔物どもが追ってくるかもしれないし。あんな軍勢がいたんだ、この辺もまだ危険かも」

ユル「アマセ。本当に大丈夫なんだね?」

アマセ「あぁ、いつもお前らに守ってもらってっから、タマの怪我に痛がっちまっただけだ。騒がせてすまん」

ユル「いや、ならいいんだけど…」

ヨナ「…」

子犬「キャンキャン!クゥーン」

アマセ「よしよし、お前も心配してくれんのか?大丈夫だからな、ははは」ナデナデ

子犬「クゥン」

ヨナ「すっかり懐いちゃったね」

ユル「アマセ、犬とか好きだったんだ」

アマセ「え?いやーそんなでもないんだけどな」

ヨナ「じゃあ」

アマセ「なんか気になるんだよなぁ…こいつ」

ヨナ「…ふぅん」

アマセ「なんだよ」

ヨナ「べつにー」

アマセ「?…よく分からんねーやつだな。おーよしよしお前は可愛いぞー」ナデナデナデ

子犬「クゥウン…」

シア「……」


……


……


子犬「…」ペロペロ

アマセ「…ん、朝か…」

ヨナ「ふぁあ……おはよ」

アマセ「おはようさん。夜番ありがとな」

ヨナ「交代制だし、どってことないよ」

アマセ「魔物はどうだった」

ヨナ「…それが、ここらじゃ見かけない魔物が何体も通ったよ。どうにかやり過ごしたけど…」

アマセ「ゆるるんとシーちゃんは」

ヨナ「偵察、っていうか、周囲の状況を確認にね」

アマセ「そうか…」

子犬「クゥン」

アマセ「ん?お前よく見りゃ随分汚れてんな……あんな場所にいちゃ当然か。洗ってやれるといいんだがなぁ…近くに川か」


ユル「アマセ!ヨナ!」

ヨナ「帰ってきたね」

アマセ「どうだった?」

ユル「それが……」

シア「城が現れたどころか、周囲の地形全てが変化していました」

ヨナ「えっ!…てことは」

アマセ「城が出たんじゃなくて、俺らがここに飛ばされた。…と考えるのが妥当だろうな」

ヨナ「驚かないのかい」

アマセ「ぶっちゃけそんな気はしてたんだよ。な、ゆるるん」

ユル「え?僕は全然…」

アマセ「あ、そうッスか…」


子犬「キャンキャン!」くーきゅるる…


子犬「キャンキャン!」くーきゅるる…

アマセ「まぁ、まずはメシ食ってからだな」

シア「えぇ、原因を調べるにしても、準備が必要ですし」

ヨナ「それじゃあ早速っ」

ユルアマセヨナ「「いただきまーす」」
シア「…いただきます」

子犬「クゥン…クゥン」

アマセ「ほれ、お前も食うだろ?」

子犬「キャイン!キャイン!」パクッ

アマセ「ははは、腹減ってたんだな」

子犬「ハグハグ…」ペロペロピチャピチャ

アマセ「俺の手まで食うなっての、はは!くすぐったいって!」

子犬「ハグッ」チュパチュパ…

アマセ「……」

ヨナ「…」
ユル「…」
シア「…」

子犬「ハッハッハッ……」パクッチュパ



アマセ「なんか…………エロいな」

ヨナ「さいってー」

アマセ「いや違くて」

シア「ザキ」

アマセ「ほんと違うんだって!」

ヨナ「変態。知ってたけどまさかそこまでとは」

アマセ「…」

子犬「クゥン…クゥウン」コテン

ユル「あ、仰向けになった」

シア「服従のポーズですね」

ヨナ「なんだかはしたないなぁ」

子犬「クゥン…」

ユル「メスだったんだね」

ヨナ「そんな気はしてた」

シア「お腹なでると喜びますよ」

ユル「へぇ…じゃあちょっと」サワッ

子犬「クゥウン!ゥン!」ビクッビクン

ユル「…」サワサワ

子犬「ゥウン!…ゥ…クゥッ…ン」ビクッ…ビクッ…

ユル「なんか…」

シア「いけませんユルール様」






アマセ「エロいな」

ヨナ「セイッ」ズド!

アマセ「がっ!?…け、怪我人に、なんてことぉ…」

ヨナ「変態。変態変態」

アマセ「違うんだって……なんかよ、こいつ、妙に人間くさいっていうか、女の子っぽいというか」

ユル「僕もそれを言おうと思ってた」

シア「……」

ユル「…ほんとだってば」

シア「シアもそれは感じていました。何か、魔族が仕掛けた罠なのでは、と」

ヨナ「この子犬が?」

アマセ「それはねぇだろ…だってよ」

子犬「ハッ…ハッ…ハッ……」デローン

アマセ「こんなだらしない格好の罠があるかっての。ほら、メシ食ったら町を目指すぜ。まずは町で情報収集、ここがどこなのか確かめないとな」

ユル「うん。さっき偵察したとき、街道があったから、その先に町があるはず」

アマセ「よぅし、すぐに安全なとこまで送ってやるからなぁ!」

子犬「ゥーワンッ」パタパタ


……


……

リザードフライ「ジジジィ~」

アマセ「イオッ!」

ドォン!

兜ムカデ「シャァアー!」

ユル「火炎斬り!」ボボォッ

ズバァッ!


ヨナ「…片付いたね。もう大丈夫だよ」

子犬「クゥン…」

アマセ「ふぅ……ん、おい、ありゃあ」

シア「丘の向こうに建物の先端がが見えますね。あれは聖堂でしょうか」

アマセ「てこたぁ町があるぜ!よぅし一気に」

ユル「!!…待って!……何か、来るっ」

ヨナ「何かって…」

シア「非常に嫌な気配です…全身を逆撫でるような……寒気のする気配」


ゴゴゴォ……

アマセ「空がっ…急に暗く」

ユル「来るぞ……みんなかわせ!」

ドゴォオオオン!!

アマセ「ぐぁっ、つ、イオグランデかっ」

ヨナ「昨日聞いた音はこれかいっ」

シア「…とすれば」



バズズ「……フシュゥウウウ…」


ユル「あ、あいつがっ」

バズズ「いかにも…わしがムーンブルク城を落とし、国王らを始末した大悪魔……バズズ様よ」

ユル(む、ムーンブルクだって…!?)

バズズ「ロトの末裔の匂いを追い来たが……王女ではないようだな。……貴様か」

ユル「ぼ、僕っ?」

バズズ「貴様が、ロトの血をを継ぎし勇者か」

ユル「……確かに僕は…勇者と、そう呼ばれている。けど…………ロトとは関係ない」

バズズ「なんだと?」

ユル「生まれも血縁も関係なく……僕はお前を許さない!!みんなの命を奪い!人々の故郷を燃やす貴様を!!」

ジャキン…

バズズ「愚かな…ただの人間がっ、わしにかなうと思うてかぁっ!!」

ズギャアァアア!

ユル「うぉお!」ガキィイン!

バズズ「カァアッ」バギィイ!


シア「ユルール様の援護をっ」

ヨナ「だ、だめだっ囲まれてる!」

シルバーデビル「グォオ…」
デビルロード「グキキ…」
グレムリン「…ケェ」
ベビル「ゲゲ…」


アマセ「…俺とヨナっぺで隙を作る。シアはユルールの方へ行ってくれ」

シア「……分かりました」

アマセ「お前も、行くんだ」

子犬「クゥ…」

アマセ「町はもうすぐだ。振り向かず、思いっきり走れ!いけ!」

子犬「…ゥウ」

ヨナ「いくよ……でぃああぁああ!!」ギュオオン!

アマセ「イオナズン!」ドゴォオ!!


子犬「ゥウウ……ワンッ!」ダダッ


アマセ「行ったか…」

ヨナ「シアも抜けたよ」

アマセ「じゃ…あとはコイツらをやるだけか」

ヨナ「…簡単に言うね。30匹以上いるよ」

アマセ「やるっきゃねぇさ。大将だってあの大物とやり合ってんだ…!俺らが負けられっかよ!!」

ヨナ「あぁ!勝つよ!」

アマセ「はぁあっ!」
ヨナ「うおぉおおお!」


……


……


ギキィン…!

ユル「ぐっ…ぅ」

バズズ「グォオオ!」ビュオン!

ユル「ぐぁっ…!くそ…なんて強力なツインクローなんだ…」

シア「ユルール様っ……おのれ…ザラキーマ!!」オォオオ…

バズズ「マホトーン」ビギィイイッ

シア「っ!?呪文がっ」

バズズ「カァアアッ」ヒュゴォオ!

ユル「危ないっシア!…ぅぐっ」

シア「ユルール様っ!?敵のブレスをっ…シアをかばったせいで…」

ユル「…へ、平気だ。まだやれるっ」

バズズ「ふん…生意気なヤツ。強がりも今の内だぞっ……カァアアア!」

シア「ユルール様ぁっ!!」


……

アマセ「はっ…ぁ、ぅ」

ヨナ「りゃああ!」ズシャア!

アマセ「…悪魔払い!」ドガッ

ヨナ「大丈夫かい…?」

アマセ「なんとかなぁ……けど、これ以上は正直キツいぜ。魔法力が足りねぇ」

ヨナ「まだ半分はいるよ!泣き言は後にしな!」

アマセ「そうだな…やるしか……ぅぐっ!」ズキッ…

ヨナ「アマセ!?」

アマセ(ぁ…しくった……昨日の傷に、敵の毒がっ)

ヨナ「しっかりしな!おい!」

シルバーデビル「ゲケケェ…」

ヨナ「っ…」

アマセ(ちくしょお…ここまでかよ。俺はまだ、なにも……ユルールのことも、《計画》のことも…ヒメアさんのことだって!なにもっ…!)




???「炎の精霊よ!我に力をっ!紅蓮の業火を!!」

ボボボォオオオオゥ!!

ヨナ「なんだっ炎が…魔物を焼き尽くしてく!」

アマセ「呪文かっ…けど、見たことねぇぞこんなの!」

魔物達「「グギァアア…!」」ドサドサッ

アマセ「す、すげぇ…いったい、誰、が…」

ヨナ「あ、アマセ!そ、そうだっ薬!使わせてもらうよ!」ガサゴソ…グイッ

アマセ「んぐっ…」ゴクッ…

ヨナ「アマセ!」

アマセ「ヨナっぺ……サンキュー」

ヨナ「良かった…」

アマセ「…さ、ゆるるんの援護に、行かねぇと」

ユル「その必要はないよ、アマセ」

ヨナ「ユルール!無事かい!?あいては倒したの!?」

ユル「うん。…と言いたいけど、かなりキツくてさ」

シア「私達だけではどうにもなりませんでした」

ヨナ「じゃあ…」

ユル「すごく強い人が駆けつけてくれて……三人がかりでどうにか退けたよ」

シア「その方は、すぐに行ってしまわれましたが…」

アマセ「…そっちもか」

ユル「あれ?アマセ達も?」

ヨナ「あぁ、見たこともない呪文で敵を蹴散らして、風のように去っていっちまった」

ユル「……そっか。とにかく、みんな生きてて良かった。さぁ、町へ……あれ?」

ヨナ「どうした…って町が」

アマセ「消えてやがる。きれいさっぱり」

シア「……それだけでなく、地形も。どうやら、元の場所に戻ったようです」

ヨナ「な、なんだったんだよ…」ヘタッ

ユル「夢…?」

アマセ「こんな怪我が残る夢なんてごめんだぜ」

シア「……異変が収まったならば、出し惜しみは必要ありません。マホトーンの効果が切れ次第、ベホマをかけましょう」

アマセ「あぁ、頼むわ」

ユル「…………」

シア「ユルール様…?」

ユル(もし……今回のことが、僕が知る通りの、伝説なら…)


ユル「僕は……僕達は」

ユル(あの人になんてことをぉおおお!!うわぁあああああああ!)ガクッ…

シア「…クスッ……変なユルール様」

ユル(ぁ……あぁ、精霊神ルビスよ…僕達の無礼を……どうか…許したまえぇ……)

……


……

ヨナ「でさ」

アマセ「ん?」

ヨナ「結局なんだったわけ」

アマセ「何がだよ」

ヨナ「その……アタシの、服…こっそりめくったの」

アマセ「ぶへっ!?…お、覚えてやがったか。こんだけの騒動があったってのに…」

ヨナ「アタシはそんな甘くない。ほら観念して吐いちまいな」

アマセ「……分かったよ。なら、言わせてくれ」

ヨナ「お、おう…」

アマセ「ヨナっぺ、頼む。……お腹を、見せてくれ…いや、違うな…………」



アマセ「腹筋を……触らせてくれ!!」

ヨナ「……」

アマセ「……」



ヨナ「それだけ?」

アマセ「それだけとは何だ。俺はお前の謎の一発芸を聞いたせいで、気になって気になってしょうがなかったんだぞ」

ヨナ「アタシの…腹筋が?」

アマセ「あぁ」

ヨナ「……はぁ、いいよ」

アマセ「マジで!?」

ヨナ「ほら」ペロン

アマセ「ぉおお…」

ヨナ「ほらほら」メコッ…メキッ

アマセ「すげぇ…力を込めるたびに、筋肉が脈動して…」

ヨナ「…」

アマセ「じゃ、じゃあ…いくぜ……」ツン…

ヨナ「んっ…!」

サワッ

ヨナ「はぁっ……ぁ」

サワサワ…サワサワサワ

ヨナ「あっ!…あっ、んん……んぅーっ!」

アマセ「カッチカチだ…」

ヨナ「はぁ…はぁ、はぁ…」コテン…

アマセ「あ…?これはっ……!?」

アマセ(服従のポーズ…!?)



アマセ(服従のポーズ…!?)



ヨナ「……いいよ、触って…ほら…」

アマセ「…いや、もういい」

ヨナ「なっ…なんでだい!裸見たかったんじゃ」

アマセ「ヨナっぺ!…違うんだ」

ヨナ「な、何がさ」

アマセ「俺は、裸が見たいんじゃない……ロマンを追い求めたいだけなんだっ!」

ヨナ「…はぁ?」

アマセ「相手から見せてもらうんじゃない……ただ、遥かな遠山の頂きを目指すように!…困難に挑んで手にするから価値がある!」

ヨナ「…」

アマセ「小さな穴からでいい……背中だけでもいい……湯煙でよく見えなくっても、いいんだ」

ヨナ「…」

アマセ「そこに……ロマンがあるなら!…………分かったか?」

ヨナ「うん。あんたが筋金入りのアホだってことが…ね!!」ヒュッ…



ドゴォオオオン!!


アマセ「……ぶべらっ!」ドサァッ

ヨナ「ふんっ…ほんとばか…」スタスタスタ……


アマセ(……悪ぃな。俺はまだ、何も成しとげてねぇ…今はまだ……甘えるわけにゃあいかないんだ)

アマセ「そう……」



アマセ「新たなる《計画》…!……『ハッスルパラダイス』を、成すまではな…!!」



END…?


アマセ(服従のポーズ…!?)



ヨナ「……いいよ、触って…ほら…」

アマセ「…いや、もういい」

ヨナ「なっ…なんでだい!裸見たかったんじゃ」

アマセ「ヨナっぺ!…違うんだ」

ヨナ「な、何がさ」

アマセ「俺は、裸が見たいんじゃない……ロマンを追い求めたいだけなんだっ!」

ヨナ「…はぁ?」

アマセ「相手から見せてもらうんじゃない……ただ、遥かな遠山の頂きを目指すように!…困難に挑んで手にするから価値がある!」

ヨナ「…」

アマセ「小さな穴からでいい……背中だけでもいい……湯煙でよく見えなくっても、いいんだ」

ヨナ「…」

アマセ「そこに……ロマンがあるなら!…………分かったか?」

ヨナ「うん。あんたが筋金入りのアホだってことが…ね!!」ヒュッ…



ドゴォオオオン!!


アマセ「……ぶべらっ!」ドサァッ

ヨナ「ふんっ…ほんとばか…」スタスタスタ……


アマセ(……悪ぃな。俺はまだ、何も成しとげてねぇ…今はまだ……甘えるわけにゃあいかないんだ)

アマセ「そう……」



アマセ「新たなる《計画》…!……『ハッスルパラダイス』を、成すまではな…!!」



END…?

最後ミスりました。2回同じ内容がありますので片方だけ読んで下さい。

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