オオサンショウオ娘「薄汚い人間め!!この私を捕まえにきたのだな!!」
男「大丈夫!!大丈夫だから!!僕はオオサンショウオ保護委員会の委員長なんだ!!」
オオサンショウオ娘「保護………委員会……………?……」
男「そう!!だから安心していいんだよ!!」
オオサンショウオ娘「ふ……ふん!!誰がそんな話を鵜呑みにするものか!河を汚す人間の話など聴くに値しない!!」
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男「…………確かに人間は歴史的に河を汚してきた………」
オオサンショウオ娘「素直に認めるのか…………」
男「だけど……人間は反省してるんだ!……本当に申し訳ない」
オオサンショウオ娘「………謝られたところで死んでいった同胞たちは生き返らない………」
男「わかってる………でも……だからこそ!!せめて君だけでも助けたいんだよ!!」
オオサンショウオ娘「………(なんなのだ………この人間は……)」
オオサンショウオ娘「………貴様の気持ちは分かった…………しかし……どうやって私を保護するのだ?河でも掃除するのか?」
男「とりあえず…………僕の家に来てもらおうかな」
オオサンショウオ娘「!!!!!!…………貴様の魂胆がわかったぞ………この私を捕まえて生態実験でもする気だろう!この偽善者!!!」
男「違うよ!!この土地はまだ保護規制がかかってないから危険なんだよ!!」
オオサンショウオ娘「ホゴキセイ………?訳のわからん言葉でこの私を惑わそうとしているのだな!?そんな手にはのらんぞ!!」ダッ!!
男「あ!………待って!!」
オオサンショウオ娘「ハア………ハア……………あの男……かなり危険なやつだな……………たぶん……」
オオサンショウオ娘「きっと……私が人間の姿をしているから……実験のついでに犯すつもりだろう………」
釣り人1「?……よおねえちゃん!迷子かな?」
釣り人2「うっひょー!超マブいっすね!!」
オオサンショウオ娘「な……なんだ貴様ら!!」
釣り人1「こいつ……ぬるぬるした尻尾がはえてるぜ……」
釣り人2「うっひょー!人外っすね!超萌えるっす!!」
オオサンショウオ娘「な………なんなんだ……?」
釣り人1「悪いけどな……ねえちゃん……犯させてもらうぜ……」
オオサンショウオ娘「!!!!」
釣り人2「うへへへ……大人しくしてろよ~~」
オオサンショウオ娘「や…やめろ!!近づくな……!」
釣り人1「くくく……にげらんねえぜ………ねえちゃん……」バッ
オオサンショウオ娘「うっ…………この鬼畜め!!!……誰か………助けて!!」
釣り人1「その尻尾…………お前絶滅危惧種のオオサンショウオだろ?お前を助ける同胞はすでに死んでるって訳だ……」
オオサンショウオ娘「!!………許さんぞ………人間め!!」
釣り人2「へへへへへ」
男「やめろ!お前たち!!!」
釣り人1「まずい!!オオサンショウオ保護委員だ!!」
釣り人2「逃げるっす!!」ダッ!!
男「大丈夫かい?オオサンショウオ娘ちゃん………」
オオサンショウオ娘「う………ひぐ……………人間なんて信用してたまるか……」
男「その通りだ」
オオサンショウオ娘「え?」
男「人間は信用できないし……してはいけない………だから人間の沢山いるここはとても危険なんだよ」
オオサンショウオ娘「…………」
男「ほんの1週間でいい………僕を信用して来てくれないかい?その間にここを立ち入り禁止にして安全にするから……」
オオサンショウオ娘「…………人間のお前を信用しろというのか?」
男「…………どうしてもこないつもりかい………?」
オオサンショウオ娘「当然だ……人間を信用するなと言ったのは貴様ではないか」
男「なら仕方ない………少し眠ってもらおう……」
オオサンショウオ娘「!!?………貴様ぁ!!やはり!!!………ムグゥ……………………」
オオサンショウオ娘「zzz」
男「ふぅ………」
~男の家~
オオサンショウオ娘「…………………ん…………」
オオサンショウオ娘「なんだここは………プール………?」チャプ
男「やあ、目が覚めたかい?」
オオサンショウオ娘「!!!……………貴様……やはりこの私を……」
男「朝御飯は……沢蟹でいいかな?」
オオサンショウオ娘「……………?………」
男「いろいろ調べた結果……沢蟹がお好みらしいからね」
オオサンショウオ娘「……何を………調べたんだ………?」
男「ここにいれば危険な人間はこないし……食料も自由に食べていいよ。悪くない条件だろ?」
オオサンショウオ娘「もう………釣り人はいないんだな?」
男「ああいない」
オオサンショウオ娘「蟹も……タニシも食べ放題なんだな?」
男「ああ」
オオサンショウオ娘「……………仕方ない…………少しだけなら実験されてもいいぞ………」
オオサンショウオ娘「……………でも…………解剖とか………痛いのは無しだからな……」
男「いや、別にそんなたいそうな事しないって……」
オオサンショウオ娘(狩りをしなくてもいいという誘惑につられて承諾してしまった…………)
オオサンショウオ娘(よりによって人間の申し出に………すまん……同胞よ……………)
オオサンショウオ娘(せめて………やつのペットにだけはならんぞ………)
男「オオサンショウオちゃん、タニシ捕ってきたよ。食べる?」
オオサンショウオ娘「…………うん」
オオサンショウオ娘「…………………ポリポリ」
男「ふふふ………」ジロジロ
オオサンショウオ娘「……なんだ……ジロジロ見て………」
男「いや、素敵な尻尾だなと思って……」
オオサンショウオ娘「尻尾…………?なんでこんなものがいいんだ?」
男「いや………ごめん………なんでもない……」
オオサンショウオ娘「……?」
男「じゃあまたちょっと出掛けるから……オオサンショウオちゃんは適当に遊んでてね」
オオサンショウオ娘「ああ……わかった………」
オオサンショウオ娘(…………プールの中というのも暇なものだな…)チャプチャプ
オオサンショウオ娘「ん?………これは………本というやつか?」
オオサンショウオ娘「………………………人間の文字は読めんな………挿し絵を楽しもう…………」
男「ただいま~オオサンショウオちゃん。誰も来なかったかい?」
オオサンショウオ娘「くるな!!!このオオサンショウオ殺し!!!」
男「え!?………なんだいきなり……」
オオサンショウオ娘「この本を見たぞ!!なんだこのオオサンショウオの唐翌揚げの写真は!!!」
男「!!……それは……」
オオサンショウオ娘「やっと貴様の正体が分かったぞ………貴様はオオサンショウオを食べたいがあまりこの私を捕まえた偏食家だ!!!」
男「誤解だ!!それはかなり昔の資料で…………」
オオサンショウオ娘「なるほど………これでやっと、あんなに私の尻尾を眺めていた理由がわかった……」
オオサンショウオ娘「美味しそうだと思っていたんだろう!!!」
男「違う!!!!!!!!!!」
オオサンショウオ娘「少しでも貴様の事を信用した私がバカだった!!この変態め!!!近寄るな!!!」
男「聞いてくれ!!それは本当に昔のことで、今はオオサンショウオを食べることは禁じられているんだ!!」
オオサンショウオ娘「…………」じと…
男「ほ……本当だよ!」
オオサンショウオ「ではなぜ……私の尻尾を美味しそうに見ていたのだ……」
男「白状する………僕オオサンショウオが大好きなんだ!!!!!」
オオサンショウオ娘「え………?」
男「僕は小さい頃からオオサンショウオマニアなんだよ………だからオオサンショウオを見ていると凄く落ち着くんだ……」
オオサンショウオ娘「…………だから見てたのか………?」
男「そうだ……………」
オオサンショウオ娘「そうなのか……………」
男「……気になったならやめるよ………すまん……」
オオサンショウオ娘「し……仕方ないな!!!少しだけなら見せてやらんでもないぞ!!」
男「本当かい!?」
オオサンショウオ「………特別だぞ…」
男「写真とらせて!!写真!!!」バタバタ
オオサンショウオ娘(………変なやつに捕まったな…………)
~次の日~
TV『うっわあああ美味しそうなお寿司ですねええええええええええwww』
TV『マグロがとろけりゅううううwww』
オオサンショウオ娘「……あんな箱の中に入れるほど小さな人間もいるのだな……………」
男「それテレビだよ……オオサンショウオちゃん………」
オオサンショウオ娘「てれび?」
男「そうだよ。別の場所の景色がこの箱に映し出されているんだ」
オオサンショウオ娘「なに!?これほどたくさんの人が集まる場所が現実にあるのか!?」
男「そこは街といって人間が食料を買ったり服を買ったりする場所なんだよ」
オオサンショウオ娘「マチ……か………」
オオサンショウオ娘「おい…………男よ………」
男「?………どしたの?オオサンショウオちゃん」
オオサンショウオ娘「その…………私はお前の研究に手を貸してやっているだろ……………?」
男「うん」
オオサンショウオ娘「だったら私もお前たち人間を研究する!人間のマチというところに連れていってもらうぞ!」
男「え………!!いいのかい?人がいっぱいいるよ?」
オオサンショウオ娘「う…………お前が私を守るのだ…………」
男「ふふふ…………おっけい!じゃあ行こうか!人間の街に」
~街中~
オオサンショウオ娘「ににににに……人間がこんなにも……………」ガタガタ
男「オオサンショウオちゃん…大丈夫。ここにいる人間は君がオオサンショウオだって気付かないよ。尻尾も隠してあるし」
オオサンショウオ娘「で………でも………もしばれたら………解剖されるんだろ……………?」ガタガタ
男「なんだろう……その解剖への異常な恐怖心は……」
オオサンショウオ娘「とりあえず!!私のそばを離れるなよ!!男!!!」ガシッ
男「おいおい……あんまくっつくと誤解されるぞ?」
オオサンショウオ娘「ひぇ………あの男が今私を実験したそうな目で見てきたぞ………(被害妄想)」ガシッガタガタ
おばさん「やあね~~最近のカップルはこんなところでもくっつきたいのかしら」
おじさん「ははは!いいじゃないか!青春青春!!」
男「…………(悪くないな……)」
オオサンショウオ娘(………………あまり攻撃的なやつはいないな……)
男「そうだ!オオサンショウオちゃん!蟹でも食べようか!」
オオサンショウオ娘「なに!?こんなところにも蟹は生息しているのか!?」
男「生息は………してないけど………とりあえず行こうか!」
オオサンショウオ娘「………?」
~蟹専門店~
毛ガニ「」
オオサンショウオ娘「なんだこの蟹は…………!!こんな巨大な蟹がいたなんて…………」
男「ほら、食べなよオオサンショウオちゃん。」
オオサンショウオ娘「手足1本で沢蟹数匹分の肉がつまっている………………」パク
オオサンショウオ娘「う…………うますぎる!!!なんだこれは!!!」
男「ははは……気に入ってもらえてよかったよ」
オオサンショウオ娘「貴様ら人間は……毎日こんなものを食べているのか……」
男「毎日は食べられないけど……」
オオサンショウオ娘(やはり侮り難いな………人間………)
男「さあ、あんまり水から出てると尻尾が乾いちゃうからね…………そろそろ帰ろうか」
オオサンショウオ娘「そ……そうだな………」
~男の家~
オオサンショウオ娘「……………ボケェ」
男「……なんて顔をしてるんだ………オオサンショウオちゃん………」
オオサンショウオ娘「カニ…………」
男「………また食べたいなら連れていってあげるからさ………」
オオサンショウオ娘「はっ…………!!!…………ふふふ……なるほどな……お前の魂胆がみえたぞ………」
男「え?」
オオサンショウオ娘「この私にあんなにおいしいものをたべさせ、虜にして調教する気だな!!!」
男「!!!!??」
オオサンショウオ娘「そんな手にはのらんぞ!!この悪魔!!」
男「街へ連れていけといったのは君だろ!!?」
オオサンショウオ娘「あんなものなくとも私には沢蟹さえあればいいんだ!!」
男「そっか…………ならもう毛ガニはいらないんだね……」
オオサンショウオ娘「………………え…………」
男「一応市場で買ってきたんだ……でもオオサンショウオちゃんがいらないなら捨てちゃうよ……」
オオサンショウオ娘「…………あ……」
男「………………」
オオサンショウオ娘「…………あぅ………………」
男(流石にかわいそうだな……)
男「嘘だよ…………ほら食べよう!」
オオサンショウオ娘「…………悔しい……でも……………」
オオサンショウオ娘「かんじちゃう……」
男「どこで覚えたんだよ…………」
~次の日~
オオサンショウオ娘「それでなそれでな!その時鮎のやつがこう言ったのだ……」
男「あ………もうこんな時間だ!オオサンショウオちゃん…ごめん!また帰ってきたらそのシャケと格闘したときの話聞くから!」
オオサンショウオ娘「そ………そうか……………いってらっしゃい………」
オオサンショウオ娘「………………暇だ………」
オオサンショウオ娘「………男のやつ………こんな狭いプールで私を一人きりにして………」
オオサンショウオ娘「………zzz」
男「ただいま~オオサンショウオちゃん」
オオサンショウオ娘「おとこ!!やっと帰ってきたか!!!!」パァ
男「?なんだか妙に嬉しそうだね」
オオサンショウオ娘「!!!!………そんなことは……ない…………」
男「………?」
オオサンショウオ娘「ただ……もう少し早く帰ってきてくれ…………………」ボソ
男「!………」
男(そうか………寂しいんだな。当然か……仲間のオオサンショウウオはもうほぼいなくなってしまったのだから……………)
男(それに……僕が勝手にこんな狭いところにつれてきてしまったから………)
男(僕にはオオサンショウオちゃんを寂しくさせないようにする義務がある……)
男「よし!ちょっと待ってて!オオサンショウオちゃん!!」バタバタ
オオサンショウオ娘「……?」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
オオサンショウオ娘「なんだ………その銀髪の女は…………」
男「オオサンショウオちゃんの仲間のウーパールーパーだよ!これで僕がいなくても寂しくないだろ?」
ウーパールーパー娘「あうあう(^q^)」
オオサンショウオ娘「話が通じないのではないか………?」
男「…………人懐っこいから………大丈夫だよ………」
~次の日~
男「行ってくるね!オオサンショウオちゃん!ウーパールーパー!」
オオサンショウオ娘「あ………ああ……」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
オオサンショウオ娘「……………」
ウーパールーパー娘「あうあう(^q^)」
オオサンショウオ娘(あの男………こんなマニアックな生物を飼うほどの両生類好きなのか………)
オオサンショウオ娘(というか……別にオオサンショウウオでなくてもいいのか!?あの裏切り者め!!)
オオサンショウオ娘(………………信用していないはずの人間を裏切り者というのも変な話だな………)
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
オオサンショウオ娘「貴様………別名メキシコサンショウウオというらしいな…………」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
オオサンショウオ娘「なんとも可愛らしいやつだな………」
ウーパールーパー娘「ぱしへろんだす(^q^)」
オオサンショウオ娘「ふふふ………お前とは仲良くなれる気がする……」
オオサンショウオ娘「そういえば……仲間と会話(?)したのはいつぶりだろう…」
ウーパールーパー娘「あう?(^q^)」
オオサンショウオ娘「母が死んで河にいるオオサンショウウオが私だけになってからもうずいぶんとたつ……やっといい仲間に出会えた……ありがとうウーパールーパー…」
ウーパールーパー娘「あうあうあー…(^,q^,)」
オオサンショウオ娘「な……泣くな…………同情なんて…………私には……………………」
オオサンショウオ娘「同じサンショウウオの仲間がいるたけでこんなに心が暖かいのだな…………」
男「ただいま~」
オオサンショウオ娘「!おかえり男よ!」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
男「仲良くしてたかい?」
オオサンショウオ娘「ああ!ウーパールーパーはなかなかいいやつだぞ!」
男「そうか………よかった……オオサンショウオちゃんこれで寂しくないね…」
オオサンショウオ「男……………私のためにそこまで………」
男「当然だろ!僕はオオサンショウウオ保護委員会なんだから!」
オオサンショウオ娘「…………男………………」
~次の日~
オオサンショウオ娘「な……なあ………男………」
男「ん?……どうしたの?オオサンショウオちゃん」
オオサンショウオ娘「私はお前を通して人間に対する理解が深まった………」
オオサンショウオ娘「人間というのは多種多様で、昔のようにオオサンショウオを食べて河を汚す人間もいれば、それを必死で止めるお前のような人間もいる………」
男「オオサンショウオちゃん………」
オオサンショウオ娘「それを理解した上で………お前という人間を私は高く評価している………」
オオサンショウオ娘「だからな…………その……………」
男「?…………」
オオサンショウオ娘「な……………なんでもない……………」
男「な……なんだよ………」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
男「じゃあ、行ってくるね!オオサンショウオちゃん、ウーパールーパー!」
オオサンショウオ娘「おお!今日もしっかり働いてくるのだぞ!!男よ!」
ウーパールーパー娘「ぱしへろん(^q^)」
オオサンショウオ娘「ふふふ………行ったか………ウーパールーパー……今日の計画は覚えているな?」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
オオサンショウオ娘「やつは毎日疲れて帰ってくる………そこでこの私とお前でおいしい手料理を作って癒してやるのだ!!!」
ウーパールーパー娘「あうあう(^q^)」
オオサンショウオ娘「やつは泣いて喜んで私をこの家にずっと居てくれと懇願するだろう!!」
ウーパールーパー娘「ぱしふぃっくりむ(^q^)」
オオサンショウオ娘「くすくす………想像するのが易いな………」
~オオサンショウウオ保護委員会本部~
男「さて、これで特別保護規制の手続きは終了だ………」
委員1「やりましたね!委員長!」
委員2「やったな……男君!」
男「ありがとう!みんな!」
委員1「でも委員長………このままではあの河のオオサンショウウオは守れませんよ?」
委員2「その通り……あそこに生息するオオサンショウウオは君が捕獲した国産オオサンショウウオただ一匹だけなんだろ?」
男「……………」
男「………………………」
委員1「交尾する相手を見つけてやらねば………これ以上あそこにはオオサンショウウオは増えない……」
男「…………………」
委員1「そうですね!!!早速探しましょう!!オスの国産オオサンショウウオ!!!」
男「…………ま……待ってくれ………」
委員2「?………どうした?男……」
委員1「どうしたんですか?国産オオサンショウウオなんて珍しいんだから早く見つけないと………」
男「…………そうだな……………」
男(オオサンショウオちゃん……………)
~男の家~
オオサンショウオ娘「おお!男よ!おかえり!!」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
男「……あ……あぁ……」
オオサンショウオ娘「ふふふ……今日もしっかり疲れているな!!男よ!」
オオサンショウオ娘「そこで私が…………………………なんだ……?いつも以上に元気がないじゃないか………」
ウーパールーパー娘「?(^q^)」
男「オオサンショウオちゃん………伝えなければいけないことがあるんだ……」
オオサンショウオ娘「え?」
男「もう、オオサンショウオちゃんがいた河は保護規制されて安全になったんだ」
オオサンショウオ娘「え………」
男「だから………すぐにでも君を河にかえそうと思う………」
オオサンショウオ娘「……………………そ………そうか…………」
オオサンショウオ「あはは………やっとこんな狭いプールから出ていけるというわけだ!清々しいな!!」
男「…………」
オオサンショウオ娘「…………………」
オオサンショウオ娘「……………なあ………男よ………」
男「………なんだい?」
オオサンショウオ娘「お前は私のことが…………好きだと言ったな……?」
男「…………………」
オオサンショウオ娘「………そんな大好きなこの私がいなくなっていいのか?ひ………引き止めるなら今しかないぞ?」
男「…………………」
オオサンショウオ娘「……………」
オオサンショウオ娘「引きとめないのか…………?」
男「…………………ごめん…」
オオサンショウオ娘「あ……あやまるなよ…………私はどうしたら……」
オオサンショウオ娘「わ……わかったぞ!!!!今河に戻ると罠で捕まってしまうのだろ!!?それならここにとどまるしかないな!」
男「………オオサンショウオちゃん……………」
オオサンショウオ娘「………………」
男「…………今君はあくまで公的な「保護」としてここにいるにすぎないんだよ。僕が私的な目的で君を「捕獲」したのなら……それは種の保存法違反だ………」
オオサンショウオ「……なにいってるんだ………ぜんぜんわからない!!」
男「わかってくれ…………」
オオサンショウオ娘「そんな………ウーパールーパーとはもう会えないのか?」
ウーパールーパー娘「あうあう(^q^)」
男「ウーパールーパーよりもっと君と近い存在を今度紹介するよ」
オオサンショウオ娘「なに?」
男「……………オオサンショウオのオスだ……」
オオサンショウオ娘「!!!??……………まさか………」
男「君の交尾する相手だ」
オオサンショウオ娘「いやだ!!!!!!!!」
男「オオサンショウオちゃん………わかってくれ………」
オオサンショウオ娘「嫌だったら嫌だ!なんで私が……見ず知らずのオオサンショウウオなんかと!」
男「オオサンショウウオを絶滅させないためだよ!!」
オオサンショウオ娘「!……………」
男「オオサンショウオちゃん………君は今まで同類がいなくて寂しい思いをしてきたじゃないか………君の子孫も同じ思いをさせるつもりかい?」
オオサンショウオ娘「っ………………!!!」ダッ!!
男「オオサンショウオちゃん!!!どこへ行くんだ!!」
男「………………こんな夜中に……!!」バッ!!
ウーパールーパー娘「待て」
男「!!!??」
ウーパールーパー娘「待てといっておる」
男「ウーパー…………ルーパー………?」
ウーパールーパー娘「少し話をしよう……主人よ」
男「でも…………オオサンショウオちゃんが………」
ウーパールーパー娘「少し1人にしてやった方がいい………追い付くのは自らを顧みた後でも遅くはないだろう……」
ウーパールーパー娘「それとも………貴殿は、あの娘がどこにいるか検討がつかぬほど融通のきかない男なのか……我が主人よ……」
男「……」
ウーパールーパー娘「単刀直入に聞こうか…………本当にいいんだな?」
男「…………………………あぁ……」
ウーパールーパー娘「ふ……ずいぶんと長い間があいたな……」
男「……………」
ウーパールーパー娘「主人よ……貴殿は今2つの選択肢の間で揺れている…………1つはオオサンショウウオという種を守ろうとする道……そしてオオサンショウオ娘とともに後世を歩む道…」
ウーパールーパー娘「ふふふ………ものの聞こえ方1つとっても……前者はかなり世間様にはきこえがいいな…」
男「僕は………オオサンショウウオを守らなきゃいけないんだ………」
ウーパールーパー娘「…………」
男「自然をここまで動物の住めない状況にして、数えきれないほどの絶滅危惧種を今も増やし続けているのは人間だ!!」
男「オオサンショウオちゃんだって……人間のせいで寂しい思いをしてきた……」
男「ならば……僕たちは償わなければいけない………自然保護という形で……」
ウーパールーパー娘「………主人様よ………貴殿のやろうしていることは、はっきりいって無謀だぞ……?」
男「なに?」
ウーパールーパー娘「それだけ脆い精神で自らの行動をコントロールできるほど、君たち人間の脳は強くない」
男「そんなことは………」
ウーパールーパー娘「そんな強さがあれば何も自然問題じたい起こり得ていないのさ……」
男「………………」
ウーパールーパー娘「自然保護への執念…確固たる決意……大いに結構!」
ウーパールーパー娘「だが、私に言わせてもらえば……自分の意思さえも封印するような男の執念やら決意なんてものは信用ならん」
男「僕の………意思だと?」
ウーパールーパー娘「そうだ………私が思うに……仮に自然保護への最短の道というものが本当に実在するならば……それはそう………主人よ、貴殿のような存在そのものだとおもっている……」
男「僕のような存在………そのもの…………?」
ウーパールーパー娘「人は2つの対立する主張がぶつかり合い………双方の主張を理解したとき、新たな道を発見する」
ウーパールーパー娘「人間が自然を破壊する存在だとするのなら……その逆もまた人間だ……そう、君のようなね……」
男「言っている意味がわからない……」
ウーパールーパー娘「君にはもって生まれた両生類への愛情がある。それに基づき、君はオオサンショウウオ保護委員会へと入り、懸命に両生類を保護してきた」
ウーパールーパー娘「だが、その過程で君は愛情という名の原因と保護という名の行動を完全に入れ換えてしまった……」
ウーパールーパー娘「貴殿は初心にかえらなければいけない………」
男「初心に……………」
ウーパールーパー娘「愛せ………私が言いたいのはそれだけだ」
男「……………愛せ……」
ウーパールーパー娘「わたし達だって……貴殿が愛をくれれば嬉しい………」
男「わかった………わかったよウーパールーパー………行ってくる!!」
ウーパールーパー娘「ふ………頑張れよ………我が主人様よ……………………………………………………………………………………………あうあうあー(^q^)」
オオサンショウオ娘「う……………ひぐ…………………誰がもう人間なんか信用するものか………」ポロポロ
男「オオサンショウオちゃん!!!」
オオサンショウオ娘「!………おとこ…………」
男「やっぱりこの河に居たのか………」
オオサンショウオ娘「ふん!……どうせ私は一生ここで誰だかわからないオオサンショウウオと暮らすんだろ?」
男「いや、そんな必要はない」
オオサンショウオ娘「え?………」
男「よく考えればそうだ………社会の倫理……世間体に縛られて抑えるべきではない衝動さえも抑えていたんだ僕は……」
男「好きだ!!!!オオサンショウオちゃん!!!」
オオサンショウオ娘「!!!??」
男「オオサンショウオちゃんはどうかな?」
オオサンショウオ娘「わ………わからない…………いきなりそんな…………」カア…
男「もし………君が僕を拒絶するなら…………逃げてくれ」グイ
オオサンショウオ娘「あ………待って………そんな………いきなり…………………………あ………」ベロチュー
男「チュ……クチャ……ペロ……」
オオサンショウオ娘「ん………ピチャ……………んはぁ!!」バッ!!
オオサンショウオ娘「い……いいい…………いきなり貴様は!!!」
男「オオサンショウウオの香りは山椒だっていうのは本当だったみたいなだな」
オオサンショウオ娘「な…………なにいって……………」カア…
男「好きだ………オオサンショウオちゃん………」
オオサンショウオ娘「やさしく言うな!!!ばか!!……………んんっ……!」
オオサンショウオ娘「んく………ピチャ……あぅ………ペロ………んはあ……」
男「…………ふぅ」
オオサンショウオ娘「…………責任とってもらうぞ……男…………」
男「ああ……もちろんだ」
オオサンショウオ娘「毎日蟹をたべさせろ!!」
男「……………わかった」
オオサンショウオ娘「毎日ちゃんと早く帰ってこい!!」
男「オオサンショウオちゃんのいる家ならいつだって早く帰るよ」
オオサンショウオ娘「ふふ……………これで私は種族に歯向かった裏切り者だな…………」
男「僕だって………オオサンショウウオを愛するあまり捕獲した犯罪者だよ……」
オオサンショウオ娘「ははは………なんだお似合いじゃないか!!」
男「さあ………帰ろう、僕達の家に。ウーパールーパーも待ってるよ」
オオサンショウオ娘「ああ!」
~数年後~
オオサンショウオ娘「おい!!男!!!また鉄腕DASHとかいう番組から取材オファーがきてるぞ!!」
男「よし!オオサンショウウオの生体について知ってもらうチャンスだ!」
オオサンショウオ娘「がんばれよ!!おとこ!!」
ウーパールーパー娘「あうあうあー(^q^)」
男「まかせろ!打倒DASH海岸だ!!」
こうして人間の男とオオサンショウウオの娘は幸せに暮らしましたとさ。
~完~
最後まで見てくれた方、途中でレスくれた方、本当にありがとうございました
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