提督「お悩み相談」 (32)
提督「塊状」
提督「塊状」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1409/14098/1409823155.html)
からのパラレルとなっております
キャラ崩壊、メタネタ、言葉の暴力が御座いますので苦手な方はご注意下さい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419860317
昼、という言葉には、何か人の心をホッとさせる力があるのかもしれない
御昼どき、お昼ごはん、お昼休み、昼餉、昼寝、etc , etc
時刻は昼を少し回った所。人々が昼ご飯にありつき、学校も職場も賑やかになる頃
――昼・とある鎮守府・食堂
加賀「どういう事かしら」バンッ
瑞鶴「……」
加賀「『加賀のお悩み相談室』は昼休みに開くと掲示板に貼り出したはずよ」バンッ
翔鶴「……」
加賀「昼休みが始まって十分経っても誰も来ないから」バンッ
金剛「……」
加賀「こちらから出向いてきたわ」バンッ
赤城「……」
加賀「アナタ達の悩みを聞きに」バンッ
提督「やめて下さい、机が割れます」
加賀「……まぁいいわ。じゃあまずは提督。アナタの悩みを聞いてあげるわ」
提督「悩み、か」
加賀「はい。あるんでしょう?お悩み」
提督「……いや、特には無いですね」
加賀「からの?」
提督「……特に無いと言っています」
加賀「悩みなど無いと?」
加賀「艦娘という兵器である私達を統べる提督と言う御身分でありながら」
加賀「日々私達の体調に気を付け労って下さる提督が」
加賀「悩みなど露程も無いと?羨ましいです事ね」
提督「」イラッ
提督「まぁ、あってもこの場で言うもんじゃないですからね」
加賀「なんや提督、溜まってんのか」
金剛「ブフッ!!ゲッホゲホ!!」
比叡「姉様!鼻からひじきが!!」
加賀「そらこんだけより取り見取りやったらなぁ……」
加賀「あ、でもそんなん榛名さんに頼んだら一発やで」
加賀「『おう、ヌイたるヌイたる』言うて喜んでやってくれるわ」
榛名「やりません!!」ガタッ
加賀「……」
加賀「え、今ので通じるって事は……榛名さんアナタもしかして」
榛名「ちっ!違います!榛名は何の事か解りません!!」
加賀「いやいや自分これでフォローは無理やって」
榛名「フーッ!フーッ!!」ブンブン
金剛「榛名!今はやめておくデース!!ココ食堂!皆の大事な場所!!」
青葉「ごめんなさい榛名さんにそういう本貸したのは青葉です!!」
金剛「アオバワレェ!!」
比叡「姉様!こっち向いてくれないとひじきが取れません!!」
霧島「比叡姉様も榛名姉様を抑えて!!」
加賀「ふっ……お悩み一つ解決ね……」
提督「……あまり調子に乗っちゃいけませんよ?」
加賀「心配いらないわ。鎧袖一触よ」
昼、という言葉には、何か人の心をホッとさせる力があるのかもしれない
御昼どき、お昼ごはん、お昼休み、昼餉、昼寝、etc , etc
時刻は昼を少し回った所。人々が昼ご飯にありつき、学校も職場も賑やかになる頃
ここだけは、不幸のどん底であった
加賀「さて、次は……」チラッ
長良「!」→
由良「!」↑
五十鈴「!」←
鬼怒「!」↓
名取「ふぇ?」
加賀「名取さん」ズカズカ
阿武隈「……」
阿武隈(あれ?目の前素通りされた?)
名取「ふぇぇ……な、なんでしょうかぁ……?」
加賀「アナタの悩みは……いえ、聞かなくても判るわ」
名取「ふぇ?」
加賀「引っ込み思案な自分の事について悩んでるのでしょう」
名取「ふぇ?……あ、はいぃ……」
長良(あれ?思ったよりマトモだ)
由良(さっきのは何だったのかしら?)
五十鈴(油断しちゃダメよ名取)
鬼怒(隙を見て部屋に戻ろう)
阿武隈(あ、前髪崩れてきた)サッサッ
加賀「悩むだけ無駄よ」
加賀「そんな事を考えてるからいつまでもウジウジウジウジした性格なのよアナタは」
名取「」
長良「そんな言い方しなくても!!」ガタッ
加賀「あ、言い方に問題があるだけで中身には問題無いのね」
加賀「ほら名取さん、長良さんも言ってるわ」
加賀「いつまでもウジウジウジウジしてないでもっと建設的な考え方をしろって」
名取「グスッ……ふぇぇぇ……」
長良「言ってないよ!!」
長良「離して!あの飛行甲板と鼻っ柱叩き折ってやる!!」ジタバタ
鬼怒「お姉ちゃんすとっぷすとっぷ!!」
由良「駄目よ姉さん!場所が悪いわ!!」
五十鈴「今は抑えて!!後で協力するから!」
加賀「また一つ、お悩みを解決してしまったわ……」ワシャワシャ
阿武隈「あぁー!前髪崩さないでぇぇええ……!!」
赤城「加賀さん、少しオイタが過ぎるわ」ガタッ
加賀「あら?私はただ、皆の悩みを解決しようと一生懸命に……」ヨヨヨ
赤城「それにしてもやり方と言うモノがあるでしょう」
加賀「……」ジーッ
赤城「……何かしら?」
加賀「電波キャラにされたり腹ペコキャラにされたり大変ね」
赤城「」
加賀「戦闘マシーン、なんてキャラもあったかしら?」
加賀「通常台詞なんて戦闘に関する物しか無かった所に、あの放置台詞だもの」
加賀「腹ペコキャラって言われても文句言えないわ」
赤城「」
加賀「でも心配いらないわ。腹ペコキャラでいればキャラ崩壊なんて言われずに済むもの」
瑞鶴「あれが一航戦のクリティカル……赤城さん少食なのに……」
翔鶴「見ちゃダメよ瑞鶴。次はココよ」
加賀「あら、流石被害担当艦ね。やられる勘はずば抜けてるのかしら」
翔鶴「焼き鳥屋を呼んだ覚えはありません」
加賀「そう邪険にするものじゃないわ。今の私はお悩み相談のお姉さんよ」
翔鶴「……」ジロ
加賀「」ビクッ
瑞鶴(……あれ?)
翔鶴「結構ですので、お引き取りを」
加賀「そ、そう……」
加賀「……ま、また何かあったら来なさい」スタスタ
瑞鶴「……ねぇねぇ翔鶴ねぇ、あれって」コソッ
翔鶴「瑞鶴」
瑞鶴「?」
翔鶴「今は黙っておきましょう」ニコリ
瑞鶴(うわぁ、怖ぁ……)
加賀「さ、さぁ次は……」チラッ
那智「……ふん」モグモグ
加賀「那智さーん」ズカズカ
那智「……何用か」
加賀「今までのやり取りが聞こえなかったのかしら?」
加賀「アナタの悩みを聞いてあげようとしているのよ」
那智「悩み、か……そうだな……」
加賀「あ、今から考える程度の悩みなら聞く必要は無いわね」
加賀「私も暇じゃないの」
那智「喧嘩を売っているのか?」
妙高「ま、まぁまぁ那智、抑えて……」
加賀「まぁ妙高さん。悩みの多そうな妙高さんじゃないですか」
妙高「え、えっと……」
加賀「那智さんに足柄、さんに羽黒さんなんて個性的な妹さん達を持つ妙高さんですもの」
加賀「なかなか言い出せない悩みなんて物もたっくさんあるんじゃないかしら」
妙高「公衆の面前でそういうのは、あまり感心しませんねぇ……」
那智「まったく、何がお悩み相談だ。下らん」
加賀「そう言いながらこっそり私の所に来るつもりじゃなかったの?」
那智「そんな訳無いだろう」
加賀「からの?」
那智「あぁ?」
足柄「ま、まぁまぁ那智姉さん、ここは一つ抑えて」
那智「そうだな……こんな事に目くじらを立てる程、私も心狭い訳では無い」
加賀「ストライクゾーンは狭いですけどね」
那智「」ガタッ
羽黒「ヒッ」
加賀「ゾーンも広くないと見逃し三振よ」スタスタ
那智「貴様ァッ!!」ジタバタ
足柄「どうどうどうどう」
那智「……いや待て、確かに私は足柄達と呑みに行って好みの話をしていたが……」
那智「加賀、何故貴様がそれを知っている?」
加賀「……し、知っていてはおかしいかしら?」
那智「当然だ。その場にいたのは私と、足柄と――」
<ガチャ
那智「大淀」
加賀「……げ」
加賀'「……え?」
金剛「加賀が二人……ツインズ……ってワケ無いネー?」
長良「ど、どういう事?」
加賀「た、大変だわ。私の偽者よ」
加賀'「……」ムッ
加賀'「……偽者なのは貴女ではなくて?」
加賀「私がホンモノよ。皆を騙そうとなんてしないで」ズィッ
加賀'「……泣きを見る前に馬鹿な真似はおよしなさい」ズイッ
比叡「……見分けが付きませんね」
加賀「」キッ
加賀'「」キッ
比叡「ひぇっ!」
扶桑「まぁまぁ、簡単に見分ける方法はあるわ」スッ
霧島「お二人しか知らないような事とか、ですか?」
扶桑「ごめんなさい、私はそこまで加賀さんと仲良くないから……」
加賀'「……」
扶桑「コレを機に仲良くしたいわね。ねぇ?大淀さん?」
加賀「ど、どうしたんですか扶桑さん?大淀さんはこの場には――」
扶桑「……悟り顔サウザンドピース」ボソッ
加賀「ンフッ」
加賀'「?」
扶桑「確保!!」
加賀「そう……そんな事をしていたのね」
大淀「うぅ~新開発の変装システムの試運転だったんですよぉ~」
赤城「それにしてもやり過ぎです」
長良「何もあんなマネしなくてもいいじゃん!!」
大淀「でも見破れなかったじゃないですか」
赤城「うぐ……」
大淀「何ですか?そんなに私の真似は上手かったですか?」
那智「大淀、貴様なんだその態度は!」
大淀「誰も加賀さんの事知らないからこんなイタズラが通るんですー!」
加賀「ッ!」
大淀「もっと人と話す機会を増やすべきですよ加賀さん」
加賀「……私も」
加賀「私も、そう思って……悩み相談を受けようと思ったの」
大淀「呆れましたねぇ……普段話さない人に悩み相談なんてすると思います?」
加賀「で、でも懺悔室とか……」
大淀「はぁ……まぁ、お悩み相談はそのまま続けるとしても、です」
大淀「普段からの会話をしておかなきゃですよ」
大淀「でないと今回みたいに、私だって気付かれないままですよ?」
加賀「大淀さん……はい」
金剛「……何良い話みたいに締めようとしてるデース?」ポン
榛名「……」ポン
大淀「ギャー!」
大淀「何ですか!艤装も付けられないポンコツの私が皆さんの役に立とうと必死にですねぇ!」
加賀「ッ!」
加賀「ポンコツだなんて言わないでッ!!」
大淀「」ビクッ
赤城「」ビクッ
長良「」ビクッ
加賀「……ごめんなさい。でも、誰も貴女の事をそんな風に思っていないわ」
大淀「……どうでしょうね」プイッ
足柄「……」
阿武隈「ねぇ、思ったんだけど」
大淀「なんですか?」
阿武隈「大淀さんは、加賀さんの事ああいうキャラだと思ってやってた訳?」
大淀「あ」
阿武隈「あ、って言うか、名取お姉ちゃんの事もああいうふうに思ってたって事だよね?」
大淀「」
金剛「……ヘイ大淀」
金剛「ちょっとツラ貸すネー」
――――
――
時雨「地獄の榛名」
時雨「鬼の金剛」
時雨「羅刹の霧島」
時雨「夜叉の比叡」
時雨「……」
時雨「カッコいいと思わないかい?」
――
――――
――数刻後・鎮守府裏・波止場
大淀「あ゛ぁー……」
加賀「大淀さん」
大淀「あ、加賀さん。何ですかー?」ゴロン
加賀「……以前、提督から貴女の事を聞いていたの」ストン
大淀「悪い話なら聞きませんよ?絞られてきたばっかですし」
加賀「そうじゃないわ」
加賀「貴女が艤装を取り付けられないから、任務娘としてこの鎮守府に居る事」
大淀「あぁ、それですか」
加賀「ええ。艤装を使えない艦娘は余計な事を考えないように洗脳されて、任務娘として配備される」
加賀「……まるで機械みたいだったって言ってたわ」
大淀「……」ポリポリ
加賀「提督は、貴女の洗脳を解いた事で貴女自身を苦しめているんじゃないか、と仰っていたわ」
大淀「そんな事言うくらいなら最初からすんなっつー話ですよねー」
加賀「そうね」
加賀「でも、貴女はどうかしら?」
加賀「あのまま、機械のようなままで良かったと思ってるのかしら?」
大淀「……そんな訳ないじゃないですか」
加賀「なら、その気持ちを提督に伝える事ね」
加賀「余計なお世話かもしれないけれど」
大淀「まったくです」
加賀「じゃあ余計なお世話ついでにもう一つ」スクッ
加賀「こんな所で寝転ぶものでは無いわ」テクテク
大淀「……ひんやりしてて気持ちいいんですよー」ゴロン
――
加賀「そういえば扶桑さん。悟り顔サウザンドピースというのは?」
扶桑「……前に大淀さんがね」
扶桑「私の部屋の千手観音フィギュアの手を全部ピースサインにしたの」
扶桑「ご丁寧にタイトルまで付けて、ね」
加賀「はぁ……?なんというか、無駄な労力ですね」
扶桑「でしょう?思い出したらまた腹が立ってきたわ」
――
赤城「所で加賀さん」
加賀「はい?」
赤城「どうして昼休みの最後までご飯を食べないの?」
加賀「だって、人の悩みを聞きながらご飯を食べるのは失礼でしょう?」
加賀「だから、ご飯はお悩み相談を締め切ってからにしてるんです」
赤城(なんだこの可愛い生き物)
加賀「まぁ、未だに誰も来ないんですが」ショボン
赤城(なんだこの可愛い生き物)
――その後
瑞鶴「……」
加賀「……そう」
加賀「……ごめんなさい。でも、私は貴女達の事が心配だったの」
加賀「けど……」
加賀「翔鶴も瑞鶴も、とっくに私達と肩を並べる戦力よ」
加賀「私が保証するわ」
瑞鶴「えっ」
加賀「不満かしら?なら赤城さんにも――」
瑞鶴「いやいやいやいやそういう事じゃなくてさ」
加賀「どういう事かしら?」
瑞鶴「そりゃあ……んんー?」
瑞鶴「……あー……うん」
瑞鶴「か、加賀さんに認められて嬉しいって事!」
加賀「……そう」クスッ
――
加賀「……ネクタイ……」
睦月「そう!提督にプレゼントするのです!」
加賀「でも、海軍の制服だとネクタイはしないんじゃないかしら」
睦月「……あぁっ!しまった!盲点だったのですぅ……」
加賀「……いえ、それでもプレゼントしましょう」
睦月「およ?」
加賀「提督なら、何とかして身に付けようとするでしょうから」クスッ
睦月「……うん!いっしっし♪」
加賀「さてネクタイが売ってる場所は、と……」カタカタ
加賀「……よし、じゃあ行きましょうか」スクッ
睦月「よーし!って、加賀さんも行くの?」
加賀「もちろん。相談を受けたからには最後まで付き合うわ」
――
提督「加賀さん、このネクタイなんですが――」
提督「お悩み相談」おしまい
お粗末様でした
少しでも楽しんで頂けたなら幸いで御座います
こういう事を書くのはどうかと思うのですが少しだけ
最近ココ以外の方でもちょこちょこコメを頂いているようで嬉しい限りです
他所でコメ返しとかする訳にもいかないのでこの場を借りて、毎度ありがとうございます
ではまた、機会があれば
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