１２月２６日　４時００分



ショートケーキ「カピカピになってきたよ」


ショートケーキ「イチゴ、もうツヤ無くなっちゃったよ」


ショートケーキ「そりゃそーだ、クリスマスイヴイヴから並んでたんだもの」


ショートケーキ「あ、イヴイヴって、クリスマスの前の前って事ね。覚えといて、試験に出るから」


ショートケーキ「いや出ないけど」



ショートケーキ「てかー、半額シール貼られても残ってるって、どんだけ～」


ショートケーキ「……あ、店員さん来た」


ショートケーキ「え？なんすか？え？もう無理？」


ショートケーキ「いやいやまだ大丈夫だって。まだ賞味期限だから！まだ賞味期限だから！消費期限じゃないから！」



ショートケーキ「……あ、よく見たら消費期限だった」


ショートケーキ「もうだめかもわからんね」

１２月２６日　５時００分



ショートケーキ「あーもうだめだ、ついに棚から降ろされた」


ショートケーキ「ごみ送りか～、せめてお見送りしておくれ～なんつって、笑える」


ショートケーキ「てかさー、ショートケーキの何がショートなんだよ」


ショートケーキ「何、電気抵抗無い感じ？通電しますか？」


ショートケーキ「いやそっちのショートじゃねーよ！！……って、誰かツッコんで」




ショートケーキ「あ、本格的に終わった、なんか袋入れられた」


ショートケーキ「なんか賞味期限切れの奴らがたくさんいる」


ショートケーキ「種類が違うから会話できねーんだよな、おーい」


ショートケーキ「……違った、反応無いだけだこれは」

１２月２６日　５時３０分



ショートケーキ「……」


ショートケーキ「……」


ショートケーキ「……あ、意識飛んでた」


ショートケーキ「うわ、イチゴが変な所にいる……何があったし」


ショートケーキ「あー、この振動のせいか。ゴミ収集車かな？暗くてなんもわかんないや」


ショートケーキ「……と思ったら止まった。そろそろ終わりかな」


ショートケーキ「はーあ、短い人生だったなー……ショートだけに」


ショートケーキ「あ、今の面白い」


ショートケーキ「人生ってのもおかしいけどね、ケーキだし」








ショートケーキ「……いやもういっそのこと早くやっちゃってくださいよ、僕どんだけ待てばいいの」



ショートケーキ「……」



ショートケーキ「あ、なんかガサガサされてる。言い残す事あるかな」




ショートケーキ「そーだな、生まれ変わったら、今度は――」