千早「春香が死んでから2年と4ヶ月ね……」 (64)

キャラ崩壊注意 

あとタイトルがシリーズ物っぽいけどシリーズ物じゃない



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雪歩「月日が経つのは早いね……」

千早「そうね……」

春香「あー、こっちではもうそんなに経ってる
んだね~」

雪歩「でも何で今そんな話を……」

千早「強いて言うなら暇だったからかしら……」

千早「って、春香だ……春香が居る……」

雪歩「本当だ……居るね……何でだろ……」

千早「噂をすれば何とやら……って奴なのかしらね……」

春香「えっ、ちょっと待って、テンション低くない?」


春香「想像ではもっと驚いて抱きついてきたりしようとするんだけど」

春香「私が幽霊だから触れなくて……みたいなシリアスな展開を予想してたんだよ?」

雪歩「やっぱり幽霊なんだ……」

千早「今はちょっと、シリアスとかそういう気分になれなくて……」

春香「一体二人に何があったの?」

春香「そしてこの二人しか居ない事務所は何なの? あれ?」

雪歩「あっ、それについては私が説明しますぅ……」

雪歩「あれはそう、4ヶ月前……」

雪歩「一年ぶりに社員旅行の予定が建てられました……」

雪歩「久し振りの休暇、765プロ全員で行く旅行」

雪歩「皆はとても楽しみにしてたんですぅ……」

千早「……」

雪歩「特に千早ちゃんは口を開けば旅行の道中で食べたいお菓子の話をしてくるし……」

雪歩「というか、2ヶ月間くらいはその話しかしてこなかった……」

春香「私が死んでる間に千早ちゃんが凄いキャラになってる」

千早「春香、ちなみに好きなお菓子は板チョコよ……」

春香「どうでも良い情報をありがとう千早ちゃん」


春香「でも、何でそんなに楽しみにしてたのに旅行に行かなかったの?」

千早「それは……」

春香「それは?」

雪歩「二人だけインフルエンザに掛かったからだよ……」

春香「悲惨過ぎてコメントに困る」

千早「シンデレラ勢とかミリマス勢とかは何で誰もインフル掛かってないのかしら……」

春香「妙に事務所が広いと思ったらメンバーが増えたんだね」

雪歩「300人くらいね……」

春香「私の知ってる765プロは何処へ」

千早「ちなみにここ、10階建てよ……」

春香「本当に何処に行っちゃったんだろ」

春香「そういえば私の死んだ時って皆はどんな感じだったの?」

雪歩「自分から何でそんな重い話題を振るの……?」

千早「春香、それは越えちゃ駄目な線を越えてるわ……」

春香「えっ、ごめん……いや、でも何でその話題が駄目で私との再開には感動してくれなかったの?」

雪歩「それはほら……色々あるから……」

雪歩(言えないです……)

千早(私はバストが1cm上がったからその喜びで春香の死から立ち直れたとか)

雪歩(他の人も大体そんな感じで立ち直ってるなんて……)

千早(言える訳がない……)

今日はここまでです、ウィッスウィッス

春香「で、二人のテンションが低い理由も事務所に皆が居ない理由も分かったけど」

春香「今から旅行に参加って無理なのかな?」

雪歩「旅行は明日で終わりですぅ……」

千早「今から行っても、行って帰るだけだし、私達は病み上がりだから……」

春香「……ごめん」

雪歩「うん……」


春香「じゃあ他に楽しいことしようよ! せっかく私が居るんだし!」

千早「楽しいことって例えば……?」

春香「えっ、あー……うーん……ゲーム! ゲームとかは!?」

雪歩「それ、別に春香ちゃんが居なくても出来るよね……」

千早「あとあんまり頭使いたくない……」

春香「これ絶対来るタイミング間違えたね」

雪歩「ところで、春香ちゃんは何で現世に降りてきたの……?」

千早「それは気になるわね……」

春香「えっと、暇が出来て、口座を見たら貯金が溜まってたから」

春香「皆の顔が見たいな、と思って現世行きチケット買ったんだ~」

雪歩「化けて出る方法が妙に俗っぽいですぅ……」

千早「割と簡単に来れちゃうのね……」

春香「簡単じゃないよ! なんとチケット、家が一軒建てられる値段です!」

千早「高っ……」

雪歩「でも、そんなお金をどうやって……?」

春香「私、上でもアイドルやってるんだ~、しかも結構人気!」エヘヘ

千早「天国にもそういう娯楽があるのね……」

雪歩「というか私達、何かしちゃいけない会話をしてるような気がする……」

千早「そもそも幽霊と話す事自体してはいけないのよ、萩原さん……」

千早「でも、幽霊や死後の世界が存在するなら何で優は私の所に化けて出てくれないのかしら……」

雪歩「お金が無いから、とか……?」

春香「それは無いと思うよ~、優君、上では有名なバンドボーカルだから」

千早「本当!?」

雪歩「あっ、千早ちゃんのテンションが上がった……」

春香「デスメタルだけどね」

千早「デスメタル……」

雪歩「下がった……」

春香「そういえば優君から伝言預かってたんだった」

千早「マジで!?」

雪歩「またキャラが変わるくらいテンションが上がった……」

春香『早く死んでこっちへ来い!! お姉ちゃんに最高の地獄を見せてやるぜェ!!!』

春香「だって」

千早「私の知ってる優しい優は何処に…………」

雪歩「そしてまた凄いテンション下がったね……」

春香「でも千早ちゃん、本人は天国に居るのに地獄を見せてやるって言ってる所で絶対笑うと思ったんだけどな~」

千早「……」プルプル

雪歩(インパクトが強すぎて気付いて無かったんだね……)

投下終わりです、ウィッスウィッス

春香「現世に留まっていられる時間はあと5時間しか無いんですよ! 5時間!」

千早「少なっ……」

雪歩「家一軒買える値段出してそれって……」

春香「ちなみに1時間は親に会いに行ってシリアスやってきたよ」

千早「私達に多く時間割いてくれるのは嬉しいけど……もっと両親との時間も大切にするべきだと思うわ……」

春香「うん、私もそう思う、時間配分失敗した」

雪歩「しかも会えたのは私達二人……家一軒の値段で二人……」

春香「やめて……」

千早「じゃあ、何処かに行きましょうか……流石に春香が不憫だわ……」

雪歩「ダルいなぁ……」

春香「あれ? 雪歩ってそんなキャラだった? え?」

雪歩「で、何処に行くの……?」

春香「はいスルー、はいスルーだよ」

千早「そうね……最近言ってなかったし、春香のお墓とかどうかしら……」

春香「いや、急に私を居ない者として扱わないで!」

春香「そうだ! 遊園地! 遊園地行こう!」

千早「え~……」

雪歩「遊園地……」

春香「露骨に嫌そう!」

千早「お金が勿体無いわね……」

春香「そして嫌な理由が酷すぎる!」

春香「というか売れっ子アイドルなんだから一杯お金持ってるよね!?」

雪歩「春香ちゃん……ちょっとテンション高いから抑えて……」

春香「もうどうすれば良いんだよ!!!!」

千早「じゃあ行きましょうか……遊園地……」

春香「良かった……その気になってくれて……私の貯金が無駄にならなくて本当に良かった……!!」

春香「じゃあ行こう! すぐ行こう! ダッシュですよ! ダッシュ!」

雪歩「病み上がりに無茶を強いてくるのは流石にやめて……」

春香「って、うわぁ!」スッテンコロリ

千早「幽霊なのに転んだ……」ヒソヒソ

雪歩「足無いよね、あれ……」ヒソヒソ

千早「どうやって転んでるのかしら……」ヒソヒソ

雪歩「ドジっ娘というか、本格的にヤバい人だよね……」ヒソヒソ

千早「人じゃなくて幽霊ね……」ヒソヒソププッ

春香「聞こえてる~! それ全部聞こえてる~!!」

キリが良い所で今日は終わりです、ウィッスウィッス

流石にちょっと可哀想

>>35
書いてる時「やり過ぎかな……?」とは思ったけど、そうだよね……やり過ぎだよね……

春香可愛いから虐めたくなっちゃう、ってのをグッと堪えていきます……すいません……

春香「到着ー!」

雪歩(変装)「新しい事務所から徒歩15分で着きました……」

千早(変装)「ここが夢の国、まな板ランドね……」

春香「遊園地の名前にまな板って」

雪歩「入場ゲートに向かおうか……」

春香「あっ、私は壁抜け出来るから先に入園してるね!」

千早「凄い幽霊っぽい事やってる……」

雪歩「あっ、見て、千早ちゃん……ゲートがまな板で出来てる……」

千早「何で……」

~まな板ランド内~

雪歩「何乗る……?」

千早「もう何でも良いわ……」

春香「はい! じゃあアレ! ジェットコースター! ジェットコースターが良い!」

雪歩「確実に病み上がりを殺しにきてるね……」

千早「そして春香のテンションの上がり具合が凄い……」

千早「ようやく順番ね……」

雪歩「平日の昼だからそんなに並ばなくて良かったですぅ……」

従業員「前へどうぞ~」

千早「……お願いがあるんですけど、私の席の隣は空けてもらえませんか……?」

従業員「えっ?」

雪歩「えっと、その、私からもお願いしますぅ……親友が……従業員さんには見えなくても私達の親友が居るんですぅ……」

春香「千早ちゃん、雪歩……」ウルウル

従業員(久しぶりに頭がハッピーセットな客来たな)

千早「私達は一番後ろの席ね……」

春香「ねぇ、千早ちゃん! どれくらい速いのかな?」

千早「凄く速いと思うわ……」

春香「えー、もっとちゃんと答えてよ~!」

千早「面倒臭っ……」


雪歩(後ろから楽しそう?な喋り声が聞こえてきますぅ……)

雪歩(でもこれ、私達以外に春香ちゃんは見えてないみたいだから……)

雪歩(千早ちゃんが見えない何かと話してるイカれた女みたいになってますぅ……)

雪歩の隣の乗客(後ろに見えない何かと話してるイカれた女が居るな……)

従業員「そろそろ出発で~す」

春香「出るって! 出るってさ! 千早ちゃん!」キラキラ

千早(怖いから目瞑ってよ……)

従業員「それでは……まな板号、発進!」

雪歩(出発の掛け声ダサいな……)

雪歩(上に登ってますぅ……高いですぅ……)ガタンゴトン

千早(何も考えるな……無……そう、私は無……まな板号と気持ちを同化させるの……)ガタンゴトン

雪歩(ひぃ……そろそろ頂上に着きますぅ……)ガタンゴトン

千早(……今、どの辺りなのかしら、目瞑ってて全く分からないわ……)ガタンゴトン

千早(というか、あれ……? 何かを忘れているような……)ガタンゴトン

雪歩(お、落ちる……!)

千早「……」ゴォオオオオ

雪歩「……」ゴォオオオオ

客「キャーーーー!」「キャーーー!」「キャーーーーー!」ゴォオオオオ

千早「……」ゴォオオオオ

雪歩「……」ゴォオオオオ

客「キャーーー!」「キャーーー!!」「キャーーーー!」ゴォオオオオ

雪歩(キャーしか叫べないのかな……)ゴォオオオオ

従業員「まな板号の乗り心地はどうだったかな~? また来てね!」

千早「二度と来る事は無いわね……」

雪歩「うん……何故か椅子の上にまな板が置かれてて乗り心地は最悪だった……」

雪歩「あと千早ちゃんの隣に座ってた春香ちゃんは何処へ……」

千早「居ない……いつの間に……」

雪歩「きっと、ジェットコースターに乗れたのが嬉しくて昇天したんだね……」

千早「そうね……」

春香「居ます! 天海春香です! まだ時間あります! 居ます!」

雪歩「居た……」

千早「本当だ……でも何で乗ってる時は居なかったのかしら……」

春香「それは、その、ジェットコースターが出発したまでは良かったんだけど」

春香「席から壁抜けして置いてかれちゃった……」

雪歩「幽霊って乗り物乗れないんだね……」

春香「走り去っていくジェットコースターを後ろから見るのは人生初だったよ……」

雪歩「もう死んでるから人死初だね……」

千早「何その造語……」プルプル

はい今日の投下終わりです、ウィッスウィッス

明日か明後日には完結出来たら良いなぁ

春香「次は何処行こっか」

千早「乗り物系は駄目となると……」

雪歩「大分、数が絞られてくるね……」

春香「うーん……あっ、お化け屋敷! お化け屋敷なんてどうかな?」

雪歩「目の前に本物が居るからチープに見えちゃうよ……」

雪歩「乗り物系が殆どを占めてますぅ……」

千早「幽霊に優しくないわね、遊園地……」

春香「うん、幽霊なんて考慮してないからね、そりゃあね」

春香「だから……私の事は考えないで大丈夫だよ!」

春香「二人が行きたい所に行って!」

雪歩「春香ちゃん……」

千早「そうね……じゃあ行きましょうか……」

千早・雪歩「「事務所に……」」

春香「厳しくない?! 私に対して厳しすぎない?!」

千早「旅行行けなかったやつ当たりしてごめん……」

春香「自覚あるのかよ!」

雪歩「あと初めてのライブの時に春香ちゃんのリボンに金粉掛けたの私……ごめん……」

春香「ツッコミ所が多すぎるわ!」

春香「もう良いよ! やつ当たりも金粉もこの際どうでも良いよ!」

千早「良いんだ……」

雪歩「許された……」

春香「楽しもうよ! 今を!」

千早「必死だ……」

雪歩「死んでも家一軒のお金を無駄にしたく無いんだね……」

春香「もう死んでるよ!!!!!」

千早「という訳で来ました……観覧車……」

雪歩「これも乗り物系じゃないの……?」

春香「これは私でも余裕で追いつける速さだから何とかなる筈、多分」

従業員「次の方、どうぞー」

春香「来た! 来たよ! 順番!」

千早「はいはい……」

雪歩「落ち着いて……深呼吸して……」

春香「私を可哀想な子扱いするのはやめようね、ね」

雪歩「酔ってきたかも……」

千早「まだ乗って一分くらいだけど……?」

春香「それにしても綺麗……来て良かったなぁ……」

千早「まだ乗って一分よ……それは頂上で言うべきだわ……」

雪歩「あっ、ヤバい、これは本当にヤバい奴だよ……」

千早「この密閉された空間で吐くのは勘弁してください……」

春香「死んでて良かったかもと思ってしまった」

春香「でも、今日はありがとう、何だかんだで楽しかったし」エヘヘ

千早「春香……」」

春香「私が死んで、事務所の皆には迷惑をいっぱい掛けちゃったけど……」

雪歩「うぅぅ……うぅううぅ……」

千早「あ、ごめん、雰囲気作ってる所悪いけれど待って春香、雪歩が悪魔に取り憑かれた人みたいになってるわ……」

春香「私の予想ではここは感動的なシーンになる筈だったんだけどなーあれー?」

千早「春香の死因が『何となく食べたキノコが毒キノコだったから』の時点で感動シーンは無いわ……」

春香「……もう帰る!はるるん天国帰る!」メソメソ

雪歩「うぅうううぅう……うぅううぅううう……」

千早「ここは地獄ね……」

そんなこんなで観覧車を降りた私達の間には微妙な空気が流れてました。

遊園地でやる事が思ってた以上に無く、春香ちゃんが帰るまでの三時間の暇つぶしは特に思いつかなかったので、事務所に帰ってゲームをして遊びました。春香ちゃんは終始涙目でした、可愛かったなぁ。

その後、ゲームしてたら普通に時間が来て「あっ待って! 今ようやくキングボンビーなすり付けられたのにぃ!」と言いながら幸せそうに(?)天国へ光となって消えていきました。

後日、事務所の皆さんに「春香ちゃんの霊と遊びました」と言ったら「幽霊なんて居ません」だの「インフルで見た幻覚」だの言われました、はい、結果から言うと信じてもらえませんでした。

でも、白坂小梅ちゃんだけは信じてくれました。きっと天国の春香ちゃんも存在を認められて報われたと思いますぅ。いや、家一軒の値段を出して一人にしか信じて貰ってないから報われてないのかな……報われたって事にしておきましょう。うん。

~終わり~

終わりですー、ウィッスウィッス

隙を見てHTML申請出してきますねー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月03日 (日) 18:45:28   ID: GnvJNiAO

ハルルン乙

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