女「案外安いんだな」
奴隷商「ええ、エルフの女なら高値なんですが。コイツは男ですし」
エルフ「………」
奴隷商「ペットとして飼うのであれば、こんな凶暴な顔つきのより綺麗なエルフの女の方が」
女「………いや、コイツで良い」
奴隷商「はぁ、そうですか。では10万gになります」
女「あぁ」
奴隷商「お買い上げありがとうございます。それでは、品物のエルフです」
エルフ「………」
奴隷商「おい、こっちへ来い」
エルフ「………」ノソノソ
女「………立つとデカいんだな」
奴隷商「えぇ、エルフでここまで長身なのは珍しいかと」
エルフ「………」
奴隷商「エルフの首輪とリードは外しても問題ありませんが、逃げ出されても保証できかねます。如何されますか?」
女「いや、付けたままで良い。……行くぞ」グイ
エルフ「………」ノソノソ
女「………よし、馬車に乗れ」グイ
エルフ「………」ノソノソ
女「座れよ」グイ
エルフ「………」チッ
女「!?」ビクッ
エルフ「………」
女「………座れよ。邪魔だから」
エルフ「………」ノソノソ
女「………」(さっき舌打ちしたよな?)
エルフ「………」ポケー
女「………」(なんで奴隷のくせに馬車で寝そべってんだ?)
エルフ「………」フンッフンッ
女「………」(あ、腹筋し始めた)
エルフ「………」フンッフンッ
女「………」
エルフ「………」フンッフンッ
女「………」(あ、100回超えた)
女「………何でお前は座らないで腹筋してるんだ」
エルフ「………」フンッフンッチラッフンッフンッ
女「………」(……チラ見された)
エルフ「………」フンッフンッ
女「………」(あ、200回超えた)
エルフ「………」フンッフンッ
女「………」(……力仕事には使えるか)
エルフ「………」フンッフンッ
女「………もうすぐ屋敷着くからやめてくれ」
エルフ「………」フンッフンッ
女「ここが今日からお前の住む場所だ」(結局ずっと腹筋してやがった)
エルフ「………」ポケー
女「大きすぎて言葉が出ないか?」フフン
エルフ「………」
女「それともずっとあんな所に居たせいで話し方すら忘れたか?」
エルフ「………」
女「どうなんだ?なんとか言ってみたらどうだ?」
エルフ「いえ、そんなに大きくないのにどうしてこのペチャパイ女は自慢気に出来るのかなぁ、と理解に苦しんでおりました」ニコッ
女「!?」
女「……今なんと言った?」(ペチャパイがどうの言ってたような)
エルフ「いえ?何も」ニコニコ
女「そうだったか?」
エルフ「はい」ニコニコ
女「………そうか。まぁ良い、ついて来い」グイ
エルフ「………引っ張んなよ」チッ
女「!?」ビクッ
エルフ「どうかされましたか?」ニコニコ
女「………いや、なんでも、ない」
メイド「おかえりなさいませ」
女「ただいま。このエルフは新しい使用人。後で紹介するから風呂の支度だけしておいてくれ」
エルフ「………」
メイド「かしこまりました」
女「さて、お前の部屋はこっちだ」クイ
エルフ「………」ノソノソ
女「ここがお前の部屋」
エルフ「………ちっさ」チッ
女「………」(今確実にちっさって言ったし舌打ちもした)
女「な、何か文句があるのか?」
エルフ「滅相もございません。私のような奴隷に一人部屋を与えて下さって、とても感謝しております」ニコニコ
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