妹思いチカ


絵里「ねえ希…私、亜里沙の姉としてどう見える？」

希「え？急にどうしたん？何か悩み事でもあるん？エリチらしくないやん」

絵里「えぇ…実は亜里沙に『お姉ちゃんなんか信用できない！』って責められちゃって…」

希「えぇ！？あの亜里沙ちゃんがエリチにそんな事を！？」

絵里「違うの、亜里沙の日記にそう書いてあったのよ」

希「…とりあえず亜里沙ちゃんに謝ろっか？」

富士チカ


絵里「もう！聞いてよ希！」

希「どうしたんそんなにイライラして、とりあえず落ち着こ？はい深呼吸」

絵里｢スゥー…ハァー…ふぅ、大分落ち着いてきたわ、ありがとう希」

希「どういたしまして、それよりどうかしたん？」

絵里「実は、綺麗な富士山の写真を撮ってたの」

希「うんうん」

絵里「そしたら、突然周りの人達に怒鳴られたり押し倒されたりして、怪我しちゃったのよ！」

希「写真を撮っていただけで？…エリチ、もしかしたら周りの人達も写真を撮っていたのかもしれないし、邪魔だったのかもよ？」

絵里「いいえ、写真を撮っていたのは私だけよ…ほら、こんなコブまでできちゃった」

希「うわぁ、痛そう…エリチ大丈夫？」

絵里「えぇ、少し痛いけど平気よ…まったく、写真撮るくらいで石鹸やら桶やら投げつけなくたっていいじゃない！」

芸術のチカ


亜里沙「希さん、急に学校を見学したいだなんて、無理言ってごめんなさい」

希「ええんよ、亜里沙ちゃんならいつでも大歓迎や…あ、そうだ、入校許可証付けといてな、ウチの先生うるさいから」

亜里沙「はい！…えへへ、なんだか亜里沙が大人になった気分です！」

希「よく分からんけど喜んでもらえれて良かった、でもごめんな、エリチとも一緒に行動できたらよかったんやけど今忙しくて…」

亜里沙「そうなんですか？」

希「生徒会の仕事で、誰だか忘れちゃったけど肖像画を描いてるんやって…あ、ちょうどここの美術室で描いてるんよ」

亜里沙「へぇ…ちょっと応援してあげようかな？」

希「やめといてあげてな、よく知ってると思うけど、集中してるエリチを邪魔すると…」

絵里『ちょっと！肖像画を描いてるんだから動いちゃダメでしょ！』

希「…こんな風に、凄く怒るから」

亜里沙「こんなに怒ってるお姉ちゃん、初めてかも…」

絵里『肖像画を描いて欲しいの！？欲しく無いの！？欲しいなら動かないで！分かった！？』

『ワンワン！！』

絵里『よーしよしよしよしよし、いい子いい子』

亜里沙「あれ！？犬の声が聞こえたよ！？音ノ木坂学院には犬がいるの！？」

希「あー…犬は居ないけど、アルパカならおるよ、ちょっと見に行こうか」

亜里沙「アルパカ！？見たいです！！」

考えるチカ


絵里「…」

生徒1「見て見て、生徒会長の綾瀬絵里さんだよ」

絵里（ジュースが飲みたいけどトイレにも行きたい、だけど近場のトイレは下の階に、購買は上の階にある）

生徒2「キリッとした顔で考え事してる…カッコイイ…」

絵里（上の階のトイレは工事中…つまりジュースを買うついでにトイレへ行く事は不可能）

生徒1「憧れちゃうな…どんな考え事してるんだろう…」

絵里（トイレを優先するべきだけど、下から上の階まで行く手間が面倒…だけどジュースを買って下の階へ行くのはそれこそ手間がかかる）

生徒2「きっと生徒会の方針について真面目に取り組んでるんだよ」

絵里（そもそもジュースを持ったままトイレに入るだなんて事は許されない行為、かしこいかわいいエリーチカの名にかけても見られる訳にはいかない）

生徒1「ますますかっこ良く見えるね…ファンになっちゃいそう」

絵里（…そうね…ここは賭けに出ましょう、きっと、μ'sの誰かが飲み物を買ってきてくれてる）

生徒2「アイドルの生徒会長もカッコイイからね、私もファンになろうかな」

絵里（綾瀬絵里、人生最大の賭けに…『Door of Destinies』を開けに行くのよ…！！）ｽﾀｯ

生徒1「あ、立った」

生徒2「きっとこの学校を良くする為の方針がまとまったんだよ」

生徒1「サイン欲しかったけど、邪魔しちゃ悪いよね…本当にカッコイイなぁ」

生徒2「スタイルも良いし姿勢も良いし、歩く姿もクールで素敵だね」


絵里（…ついに、運命の扉を開く時が来たようね…大丈夫よ絵里、私にならきっとできるはず）

絵里（さて、神へ挑戦しましょうか、私の賭けが当たるかどうか………）

絵里（…答えは、『Door of Destinies』のその先に！！）ｶﾞﾁｬ


希「あ、エリチ、生徒会の仕事終わったん？」

にこ「お疲れ様、ジュース買ってあるわよ」

絵里「…フッ」

にこ「…？どうしたの？ジュース要らないの？」

絵里「勝ったわね」

にこ「…は？」

希（エリチ、また変な事考えてる…）

ピアニチカ


真姫「～♪」

絵里（流石真姫の演奏ね、とても素晴らしいわ）

絵里（沢山の鍵盤を巧みに操る手つき…私には真似出来ないわね）

絵里（…）

絵里（…ふと思ったけど、黒い鍵盤って所々抜けてる部分があるわよね）

絵里（どうせなら白黒で交互に敷き詰めれは良いのに…予算不足なのかしら）

絵里（そういえば駄菓子のフルーツ餅も予算不足で一つ減ったわね）

絵里（やっぱり節約する為にこの形になったのね）

絵里（…）

絵里（フルーツ餅…お婆ちゃんがよく日本から取り寄せてくれたわね）

絵里（他にも5円チョコとか…ブタ麺とか…タラタラなんとかとか…）


真姫「…ふぅ、どう？上手く弾けてた？」

絵里「ええ、とても駄菓子屋に行きたくなったわ」

真姫「え？」

絵里「え？」