おっさん「行ってきまーす！」

おっさん「お前の家じゃないだろ」

おっさん「いいじゃん♪」ｷﾞｭｰ

おっさん「お、おい馬鹿、やめろよ」

おっさん「やめませーん♪」

おっさん「あっ！　ゴメン、昼飯買うの忘れちゃった！」

おっさん「先行ってて！」

おっさん「まったく、嵐みたいな奴だな」

おっさん「今何時だ？」ｽｯ

？「キャッ！」ﾄﾞﾝ!

おっさん「あ、す、すいません！」

おっさん「どこ見てんの！　気をつけなさいよ！」

おっさん「あ、はい。すいませんでした」

おっさん「まったくもう……」ｽﾀｽﾀ

おっさん「感じ悪ぃな……ん、ハンカチ？　さっきの奴のか」ﾋｮｲｯ

おっさん「っと！　遅刻する！」

おっさん「何とか間に合ったか……いたた、膝が……」

おっさん「おっさん、遅かったねー！　昼飯買ってた俺より遅いなんて、どうしたの？」

おっさん「ちょっとな」

おっさん「？　ふーん。あ、そうだ！　今日新入社員が来るらしいよ！」

おっさん「へぇ、そうなのか」

おっさん「はい、皆さん注目。朝会を始めるぞ。まずは社員目標斉唱！」


おっさん「はい、次。皆知ってると思うが我が社に新入社員として来てくれた、おっさんだ」

おっさん「皆さんよろしくお願いします。おっさんです」

おっさん「ん、あの顔……あ」

おっさん「ん？　あ」

二人「ああー！　さっきの！」

おっさん「ん、なんだお前ら知り合いか。ちょうどいいな、おっさん！　教育係に任命するよ」

おっさん「え、ええっ！？」

おっさん「こんな奴に教わるなんて……」


おっさん（おっさん、おっさんと知り合いなのかなぁ？）

おっさん「で、こういう時は……」

おっさん「あぁ、もう。わかってるわよ」

おっさん「む、俺は一応上司だぞ」

おっさん「はいはいすいませんでした。で、ココは？」

おっさん「はぁ、ココは……」


おっさん（二人とも、仲は良さそうなの、かな？　うーん、モヤモヤするなぁ）

おっさん「おっさん！　お疲れ様ーっ！」

おっさん「はい、お弁当！」

おっさん「おぉ、毎日ありがとうなおっさん」

おっさん「ふふ、今日はおっさんの好きな鯖の味噌煮が入ってるよ！」

おっさん「鯖か！　いいな」

おっさん「ね、ね。おっさんも誘おうよ！」

おっさん「おっさんをか？」

おっさん「おっさん、弁当食おうぜ」

おっさん「一緒に……？　別に、いいけど」

おっさん「おっさんもいるからな」

おっさん「ふーん……」

おっさん「えへへ、賑やかだね！」

おっさん「だな」

おっさん「おっさんは元気ね」

おっさん「いつもこれだからな」

おっさん「へぇ？　仲は良さげね」

おっさん「えへへー、仲良しだよー？」ｷﾞｭｰ

おっさん「お、おい！」