上条「勝負だ、ビリビリ中学生!」 (25)



~とある放課後の路上~ 8月はじめ頃


上条「先月の生活費の残りと生活用の口座の残高を合わせて、今月への繰越金はたった278円か……不幸だ」

上条「やっぱりもっと切り詰めねえとなぁ。記憶を失う前はどうしてたんだろ……」

上条「現状結構厳しいけど親との接し方も覚えてないし、父さんや母さんに泣きつくって方法も無理か」

上条「削るなら生活費の……食費しかねーよな。まぁそりゃそうだ……ハハ」

上条「とにかく明日から俺の弁当は白飯だけにして」

上条「週に一度だけ贅沢して一品おかずを入れることにしよう」ウン

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上条「インデックスには…………」

上条「…………………………………正直頼みづらい」


インデックスには、夏休みに至るまでの記憶が全部ない。

これまでずっと周りの人間の都合で苦渋を飲まされ続けてきた少女なのだ。

だからこそ上条は、せめて彼女の喜ぶことはなんでもしてあげたいと思っている。

美味しいものをたくさん食べることで少しでも幸せになれるなら、絶対にそうしてあげたい。


上条「よっし! 弁当はいっそ抜きにしよう。人間一日二食でも余裕だろ」

上条「それから携帯代もバカにならねーし解約しちまうか」

上条「どうせ土御門以外の友達は知らない奴ばっかだしな」イッソスガスガシーヤ アハハ

上条「そうと決まれば早速携帯ショップへGOだ!!」タッタッタッタ


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ウイーーーン

上条「契約の時と違って、解約の時は見送りの声もなしか……」トホホ

上条「おっと手続きに手間取っちまったな。もう暗くなりそうだ」

上条「やべっ! 早速スーパーに行かねえと!」タッタッタ


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上条「ただいまー。いい子にしてたかインデックス」ガチャ

禁書「とおおおおうううううううまあああああああああああああ」ドドドドドドドッ

上条「ぬわあああっ!? イ、インデックスさん……っ?」

禁書「おっっっっそおおおいんだよ! 一体どこをほっつき歩いてたのかなっ!?」

禁書「何回デンワーしても繋がらないし……」ガバッ

上条(あるぇ……? 噛み付かれない……?)ハテ?

禁書「もう、心配かけて………」

上条「………」

上条「ごめん。ちょっといろいろやっててな。悪かったよ」ワシャワシャ

禁書「戻ってきてくれたから、それでもういいよ」ボソッ

上条「………なんて?」

禁書「今日のご飯なあに?」

上条「ったく、オメーは変わらねえな」クスクス

上条「待ってろ。今日の晩御飯は鶏唐さんだっ!!」

禁書「わーい! 待ってた甲斐があったんだよ!!」

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翌日

上条「やっべ遅刻しちまう! インデックスー、お昼は冷蔵庫に入ってるご飯をチンして食べろよ!」

禁書「チンッ!? わわ…とうま、私にそんな超能力は使えないよ!?」

上条「電子レンジが超能力って……。くっ…時間がやべえ」

上条「よし! じゃあ冷たいまま食べなさい」ダダダダーー

禁書「∑(゚д゚lll)ガーン」


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~~



放課後

上条「はぁ。さすがに朝昼抜きはキツいなぁ……」トボトボ

上条「でもこれで生活費に余裕ができるなら! よーし俺は耐えてみせるぞぉ……」

上条「………」グギュルルル

上条「……はぁ」



美琴「いたいたっ! いやがったわねアンタ!!」


上条「―――げっ…ビリビリ」

上条はこの少女を知っている。
実は記憶を失ってから既に二度も遭遇している少女なのだった。


美琴「今日こそ勝負よん」

上条「今日こそ今日こそって、毎回勝負になってるだろが。主にお前のせいで」

美琴「う、うっさいわね! いいから決着つけるわよ!」

上条「じょ、冗談じゃねえ。今日の上条さんにはそんな気力はありませんことよ」

美琴「そんなテキトーなあしらい文句で私が引き返すと思ってるなら大間違いよ」ビリジリ

美琴「今日こそアンタの能力、見破ってあげるんだからッッ!!」


紫電が一瞬で槍を形取り、上条へと一気に迫る。


上条「やべっ……」フラッ

上条「避けられ……ねぇ……っ」

上条「うわああああばばばばばばばばばばばば」ズビジバリバリジドドドバリリリイリビリビリ

美琴「なっ……なんでっ!」

上条「ぐはっ……」ドサッ

上条「………」プスプス

美琴「う、嘘よ……こんな……まさかっ……だってアンタには私の能力が…効か―――」

上条「………」


―――お、俺……死ぬのか……。

―――なんだろう、急に体の感覚が遠く

―――ああ、もうだめみてぇだ


そんな時上条の脳裏を横切ったのは、白い修道女の顔だった。


―――インデックス!!


『とうまああああああっ!!』

『もう、心配かけて………』

『はやく帰ってきてね、とうま』


―――まだ死ねない!! 俺は!!


美琴「…ヒック…嘘よぉ……」

上条「……っ」モゾモゾ

美琴「!?」ビクッ

上条「……まだ……俺は………っ」スクッ



         i!
          ト、 ト.ト、
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      `7从乂〃o゜:>く〃

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  !  v'ニミ>'´:{ ̄`ヽ┐':::/:,イ
   V:::::/´::::::::::::>勺ノノ:/::::::|
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   三:::::::::::::/::::::::/:::::::::∧:::::| i!

    彡〃/」:::::::::∧:::::,.イ|::::|i!
       ´〃川N::|:::::::::ハ|::::::|
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      i!/::::::::::::> <`ート、__j
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\|ー',.イ≧ユ_ `´―ー= ̄ ゝ   `     ヽ.
  \:ミx___/ /   ><><      <、
   )〈≠≡∠__/    /         `
  /'´ \__ 二=―  (_


美琴「なっ―――!!」

上条「よぉ……満足かよ…ビリビリ中学生…」

美琴「どうして……」

上条「いいぜ、お前がそうしろってんなら」


上条「決 着 つ け て や る」


              V \
              V   \                   ./i          .ハ
               V  ,.へ   ______          ./ .i       , .イ ノ
                    VY´ ...::`Y⌒...::::::::.... ̄ ¨ ニ=‐---彡. └----‐=ニ ¨..:/
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美琴「あ……あああ……あああああああ」

上条「今帰るぞ…インデックス!!」


ゴガアアアアアアアアアアア


おやすみ

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