兎角「トリック オア カレー!」 (46)

10月31日

晴「今日はハロウィン」

晴「仮装でもやってみようかな」

コンコン

晴「はーい」

ガバッ

晴がドアを開けると、ジェイソンの仮面をかぶった人間が現れた!

晴「ギャーーーーー!!!!」

ジェイソン仮面「トリック オア カレー!!」


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晴「…」

ジェイソン仮面「…」

晴「…」

ジェイソン仮面「どうした?怖がらないのか?」

晴「兎角さんでしょ?」

ジェイソン仮面「何故わかった!?」

晴「トリック オア カレー(カレーをくれなきゃいたずらするぞ)なんて言う人、兎角さんしかいないよー」

ジェイソンの仮面を外すと、兎角の顔が現れた。

兎角「よくぞ見破った。流石、晴だ」

晴(兎角さんを知ってる人なら、すぐにわかると思うんだけどなー)

兎角「で、カレーは?」

晴「本当に兎角さんはカレーが好きだなぁ。今から作るから待っててね」

兎角「レトルトじゃなくて、晴の手作りがいいな」

晴「わかりましたー。今日はハロウィンだから、カボチャを入れてみようかな」

伊介「今日はハロウィンね」

伊介「それにしても、春紀の奴はどこにいったのかしら?」

コンコン

伊介「誰よー?」

ガバッ

「狼男だ!」

伊介「…」

「トリック オア 焼き肉!!」

伊介「…プッ!」

「あ!笑うなんて酷ぇ!」

伊介「いくら何でも焼き肉はないでしょ!ほんと春紀は食べ物の趣味もガテン系ねぇ」

「だって最近食べてないし!っていうか、何であたしだってわかったの?」

伊介「マスクをしたのは良いけど、下はいつもの服で、マスクからは髪の毛がはみ出てる。これで、どうやってわからないって言うのよ?脳みそまでゴリラね、あんた」

春紀「あいっかわらず口が悪いな、伊介様」

春紀は狼男のマスクを外した。

伊介「あんたは頭が悪いのよ」

春紀「ほんと酷ぇ!」

春紀「で、焼き肉は?一緒に食べに行こうぜ!」

伊介「嫌よ。口が臭くなるから、焼き肉は好きじゃないわ」

春紀「ええー!いいじゃん、行こうぜ」

伊介「嫌よ。一人で行けば?」

春紀「伊介様と行きたいんだよー」

千足「今日はハロウィンか」

コンコン

千足「はい、どうぞ」

ガバッ

「トリック オア 千足さん!」

魔女の衣装を着た柩が現れた。

千足「…」

柩「…トリック オア 千足さん!」

千足「…」

柩「あの千足さん?」

千足「はっ!(思わず可愛すぎて見とれてしまっていた…)」

柩「魔女ですよー!怖いですよー!」

千足「そうだなー。怖いなー」ニコニコ

千足(魔女の帽子に、魔女のローブに、杖を持った桐ヶ谷…可愛いなぁ。思わず、さらってしまいたくなる…)

千足「ところで、『トリック オア 千足さん』とはどういう意味だ?」

柩「千足さんをぼくにくれなきゃ、いたずらするぞ!という意味です!」

千足「そうか…それなら無理な注文だな」

柩「え!?」

千足「だって、私はすでに桐ヶ谷のものだからな」

柩「ち、千足さん///」

千足(桐ヶ谷にいたずらされたかった気もするけど、まあいいか)

しえな「今日はハロウィンか…お菓子でも食べたくなってきたな」

しえな「そういえば武智はどこにいったんだろ?」

コンコン

しえな「はいはい」

しえな(待てよ?これって、武智が仮装して出てくるパターンでは?)

ガチャッ

しえな(来るなら来い!あいつがどんな姿しても、ボクは驚かないぞ!)

乙哉「トリック オア チョキチョキ!」

しえな「…」

乙哉「トリック オア チョキチョキ!」

しえな「おい!武智、仮装はどうした!これじゃあ、お前がどんな仮装をしてきていいように心の準備をしてたボクが馬鹿みたいじゃないか!」

乙哉「何を言ってるんだよ、しえなちゃん。あたしもちゃんと仮装してるよ」

しえな「え!?何の仮装?」

乙哉「シザーマン!」

しえな「ハサミ持ってるだけじゃねえか!っていうか、それだといつもどおりだろうが!」

乙哉「流石、コスプレの事になると厳しいね、しえなちゃん」

しえな「ボクを何だと思ってるんだ、お前は」

しえな「ところで、その『トリック オア チョキチョキ』ってのは何だ?」

乙哉「ハサミでしえなちゃんの身体をチョキチョキさせてくれなきゃ、いたずらするぞ!って意味だよ」

しえな「最悪じゃないか!!そんなの、いたずらの方がマシだよ」

乙哉「じゃあ、いたずらするよ!しえなちゃんの身体をいたずらしちゃうよ!斬り刻んじゃうよ!」

しえな「ちょっと待て!!チョキチョキと一緒じゃないか!」

乙哉「ハァハァ…もう我慢できない!!!」

しえな「ギャアアアアアアア!!!」

純恋子「そういえば、今日はハロウィンだったかしら」

純恋子「番場さんとカボチャのケーキでも食べたいものですわね」

コンコン

純恋子「どうぞ、お入りになって」

真昼「と、トリック オア せ、聖遺物!」

包帯を体中に巻き付けた真昼が現れた。

純恋子「…それはなんの仮装かしら、番場さん?」

真昼「…ミイラ男…ます!」

純恋子「まあ!凄く可愛らしいですわ!」

真昼「可愛くない…ます。怖い…です」

純恋子「トリック オア 聖遺物ですか…。何を上げましょうか」

真昼「ワクワク」

純恋子「そうですわね。私のパーツを上げましょう」

真昼「え!?」

純恋子「番場さんもご存知の事ですが、私の手足は取り外しが可能。私の手足を一つ上げましょう」

真昼(正直、あんまり欲しくない)

純恋子(あんまり嬉しくなさそうですわね…」

純恋子「…わかりましたわ!そんな変えの効く物を聖遺物と呼べないというわけですわね」

純恋子「それなら変えの効かない私のパーツ、手足以外の私を上げましょう!」

真昼「えええ!!!」

純恋子「つまり私は番場さんのものとなったわけですわ!」

真昼「あわわわ!」

純恋子「さあ、私を可愛がって下さい」ギュッ

真昼「ひぇえ…」

純恋子「まあ!悲鳴を上げるほど嬉しいのですか!私も嬉しいですわ!」

真昼(真夜、助けて…)

百合「うふふふ。監視カメラで黒組のハロウィンを観察中…至福の時ね」

コンコン

百合「どうぞ」

カボチャをかぶった人間が現れた。

「トリック オア ファントム!」

百合「カボチャマスク、似合ってるわよ鳰さん」

「ありゃあ!何でバレたッスか!?」

百合「監視カメラであなたがマスクをかぶっているのが見えたのよ」

「…それじゃあ、ウチが理事長を驚かせようとウキウキしながらカボチャをくりぬき、マスクをかぶってるのをずっと見てたんッスか…」

百合「ええ、ニヤニヤしながら見てたわ」

鳰はカボチャを頭から外した。

鳰「なんかウチ、馬鹿みたいじゃないッスか…」

百合「そんな事ないわよ(可愛いわね…)」

百合「ところで、『トリック オア ファントム』ってどういう意味かしら?」

鳰「いたずらをするか、幻を見せてやるか、どっちかを選べって意味ッスよ」

百合「それじゃあ、元の『トリック オア トリート』とだいぶ違う意味になってしまうわね」

鳰「そうっスよ!ウチは相手に嫌がらせするのが大好きッスから」

百合「嫌な性格ね」

鳰「理事長ほどじゃいっスよ」

百合「後、『トリック オア ファントム』ってちょっとカッコイイと思ったでしょ?」

鳰「…ちょっと思ったッス」

鳰「さあ!理事長はいたずらされるのと、幻を見せられるのと、どっちがいいっスか?」

百合「ふ~ん、残念ね…鳰さんのためにメロンパンを用意したのに」

鳰「え!?」

百合「凄く美味しそうなメロンパンだったのになー。割と高価だったのになー」

鳰「わわわ!」

鳰「と、トリック オア ファントム オア メロンパン に変えるッス!だから、メロンパンください!」

香子「今日はハロウィンか…」

香子「ホームでハロウィンパーティーをしてた事を思い出すな…。あの時は楽しかった…」

香子「イレーナ先輩…」

コンコン

香子「誰だ?」

涼「トリック オア 和菓子!」

香子「…」

涼「反応が薄いのう」

香子「…何で、和菓子なんだ?」

涼「ワシは洋菓子より和菓子の方が好きじゃからな」

香子「別に和菓子でもトリートの中に入るんじゃないか?」

涼「あんまり驚いてくれんのもつまらん」

香子「仮装も何もしてないからな」

涼「ワシ自身が、100歳以上生きてるモンスターみたいなもんじゃ。だから仮装する必要もないかと思ってな」

香子「自分で言ってて悲しくないか…」

涼「そんなに文句ばっかり言うなら、香子ちゃんはワシを驚かす自信があるんじゃろうな?」

香子「驚かす?そんな子供みたいな事を何故、私が?」

涼「ほほぅ、自信がないのか?」

香子「カチーン!良いだろう、ビビって心臓麻痺しても知らないぞ首藤!」

コンコーン

涼「開けてよいぞ」

香子「ボム オア トリート!」

時限爆弾を持った香子が現れた。

涼「…」

涼「どういう意味じゃ?」

香子「お菓子をくれなきゃ、爆弾を爆発させるぞ!」

涼「…」

香子「どうだ、怖いか?」

涼「おー、こわいこわい(どうせ香子ちゃんの事じゃから、爆発しないとかいうオチがつきそうじゃな)」

涼「ところで香子ちゃんも仮装をせんのだな」

香子「何を言っている。爆弾を持ってるんだからボンバーマンだ!」

涼「…」

香子「怖いか、私の勝ちだな(満足気)」

涼(まだまだ幼いのぅ…)

涼「それじゃあ、お菓子をあげるとするか」

香子(せんべい、ようかん、おかき…。とてもハロウィンに出てくるお菓子と思えん…)

香子「まぁいい。お菓子をくれたんだから、爆弾の時限装置を止めるか」

涼「何故、時限装置付きに?」

香子「あれ?止まらないな…」

涼「…嫌な予感がする」

香子「くそー!なんでだ!?」

涼「香子ちゃん!これは駄目なパターンじゃ!ワシにまかせ…」

香子「ええーい!このー!」

カチッ!

涼「あ」

香子「あ」

溝呂木「飾り付けよーし!」

溝呂木「お菓子の用意もよーし!」

溝呂木「先生もドラキュラの仮装をしたぞ!」

溝呂木「準備万全だ!後はみんなが来るだけ」

溝呂木「早く来ないかな、みんな…」

溝呂木「みんな、どんな仮装をしてくるかな…」

溝呂木「お菓子はたくさん用意してるから、大丈夫だぞみんな!」

溝呂木「最初に『トリック オア トリート』って言って僕のとこに来るのは誰だろう」ワクワク

溝呂木「いやあ、楽しみだなー」ウキウキ

溝呂木「来ない…」

溝呂木「もしかして…」

溝呂木「みんな、風邪!?」

溝呂木「もしかしたらウィルス性の風邪かもしれないぞ!早急に対処しないと!」

ドッカーン!!

溝呂木「なんだ!?どこからか爆発音が!?」

香子「ケホッ、ケホッ…大丈夫か首藤…」

涼「ああ、大丈夫じゃ…ケホッ」

涼「部屋が滅茶苦茶じゃな…ケホッ」

香子「すまん首藤…私のせいで」

涼「気にする事はない…ケホッ。誰でも失敗はある…二人とも生きていたんだから、それでいいじゃろう」

香子「首藤…」

ガヤガヤ

伊介「何これ?」

春紀「爆発したのは3号室か」

兎角「また神長が爆発させたのか」

晴「神長さんと首藤さんは大丈夫かな…」

乙哉「もう!良いところだったのにぃ!!」

しえな(おかげで、助かった…)

純恋子「良いところでしたのにぃ!!」

真昼(助かりますた…)

千足「二人は大丈夫だろうか…」

柩「本当に心配ですね(チッ!良いところだったのに…)」

鳰「大変なことになってるッスねー」

百合「あらあら」

溝呂木「大丈夫かー神長ー!首藤ー!」

香子「大丈夫だ…」

涼「心配かけてしまったな、みんな。ワシらは無事じゃ」

鳰「首藤さんのせいで、滅茶苦茶ッスよー!どうしてくれるんッスか!」

香子「すまない…」

百合「まあまあ良いじゃないの」

乙哉「しらけちゃったなー」

伊介「気分最悪ー」

純恋子「あの時の高揚感が無くなってしまいましたわー」

香子「本当にすまない…」シュン

溝呂木「…」

溝呂木「…そうだ!」

溝呂木「気分を入れ替えるために、黒組のみんなでハロウィンパーティーをしよう!」

黒組教室

ガヤガヤ

溝呂木「お菓子はたくさんあるからなー!」

百合「メロンパンもあるわよー」

晴「カボチャ入りのカレーライスもありますよー!」

伊介「お菓子に、メロンパンに、カレーライスって組み合わせおかしくなーい?」

春紀「まあ、いいじゃん。美味しいもんたくさん食べれるんだし」ムシャムシャ

柩「千足さん。あーんして下さい♪」

千足「人前では恥ずかしいよ///」

しえな「ポテトチップスはないかな」

乙哉「しえなちゃーん。ポテトチップスの代わりにチョキチョキがあるよー」

しえな「お前はそれから離れろ!」

鳰「メロンパンもお菓子もカレーも美味いッス!!」モグモグ

真夜「夜になったから俺参上!」

真夜「ハロウィンパーティでワイワイ楽しむのが真昼の夢だったんだよ!だから食べて、遊んで、はしゃぎまくるぞ!」

純恋子「紅茶もありますわよ、番場さん」

兎角「むむむっ!みんなで食べるから私が食べるカレーが減るじゃないか!」

晴「まあまあ良いじゃないですか兎角さん。みんなでワイワイしながら食べる方が美味しいよ」

香子「私が原因であんなことになったのに、私もパーティーを楽しんで良いんだろうか…」

涼「香子ちゃんは変なとこで責任感が強いのぅ…。そんな事気にしてるやつがおるか?」

晴「そうですよ。みんな許し…というよりさっきの事なんて忘れちゃってるかな」

春紀「そうだよ。伊介様なんて能天気だから全然さっきの事頭から消えちゃってるぜ」

伊介「何か言った春紀?」

春紀「何も無いよー」

千足「みんな楽しんでるんだから、それで良いんじゃないか?」

涼「さあ、香子ちゃん」

香子「うん…」

香子「美味しいな、このカレー!」

兎角「晴の作ったカレーは完全食の中の完全食だからな」

真夜「お菓子がなくなったぜェ!」

鳰「食いすぎっスよー番場さん」

涼「ならワシが用意しよう」

伊介「流石にハロウィンに和菓子はないわ…」

乙哉「パーティーなんだからゲームしようよ」

純恋子「良いですわね。負けませんわよ」

乙哉「負けたら罰ゲーム!罰ゲームの内容はチョキ…」

しえな「却下!」

香子(楽しいな…ホームでのハロウィンパーティーを思い出す…)

香子(イレーナ先輩…私は黒組でも楽しくやってますよ…)

終わり

短いけどこれでお終いです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
ハロウィンから数日遅れたのは見逃してくださいッス。

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