絵里「今日も今日とて」 (77)
ー神田明神ー
希「でねー、その時えりちがね」
にこ「なになに、気になる」
絵里「ちょっと言わないでよ希ったら~」ペチッ
希「すっ転んだんよ、いきなり!なーんにもない所やで?」
にこ「なによそれ、うちのチビ達じゃないんだから」ケラケラ
絵里「ちょっとにこ、笑いすぎよ」ペチッ ペチッ
にこ「だっておかしくって」
絵里「にこがそうくるなら私にだって考えがあるわ」ポリポリ
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絵里「この前廊下でたまたま見ちゃったんだけどね」ポリポリ
にこ「ちょっと何言う気よ」
希「気になる〜」
絵里「にこが先生と話してたんだけど」
絵里「にこが先生のこと」ペチッ
絵里「にこが先生をママって」ペチッ
絵里「ああもう!!話の邪魔!!」ブンブン
希「えりちめっちゃ蚊に喰われるよね〜...」
にこ「すごい、絵里が近くにいるから私全然刺されてない」
絵里「かゆい〜〜...!!」ポリポリ
今日も今日とて
蚊にモテモテのエリーチカ
ー帰り道ー
希「今日あっついなぁ〜」
絵里「なんだか冷たいものが欲しいわね〜...」
希「ジュースとかねぇ...」
絵里「...」
希「...」
希「じゃんけん!」
絵里「ぽいぃ!!」
希「ぶっは、えりちそれ何?パーとチョキが混ざってもうてるやん!」
絵里「仕方ないでしょ!いきなりすぎて反応できなかったのよ...!」
希「これはえりちの負けやね。自販機でジュース頼んだよ!ウチファンタ〜」
絵里「悔しいわ...オレンジ買ってきてやるから」
希「やめてよそういう地味な仕返し!」
絵里「えーと、希はファンタよね」ポチ
ファンタ「ガコン」
絵里「私は...ポカリでいいかしら」ポチ
コーラ「ガコン」
絵里「...」
絵里「はあー!?なんでよ!
ちゃんとポカリ押したのに!」
絵里「ついてないわね...買い直しましょ」ポチ
コーラ「ガコン」
絵里「...は!?」
コーラ「ガコン」
コーラ「ガコン」
コーラ「ガコン」
絵里「えっ!?えっ!?」
コーラ「ガコン」
コーラ「ガコン」
絵里「えっ止まらな...の、希ーーー!!」
絵里「希ーーー!!!」
今日も今日とて
とってもついてるエリーチカ
ー生徒会室ー
希「えりち?」
絵里「なあに?」
希「えりちはなんか欲しいものある?」
絵里「欲しいものかー」
希「うん、なんかない?」
絵里「うーん、悩むわね」
希「いや、そんな悩まんと。パッとでいいんよパッと思いついたので」
絵里「...欲しいものか...」
希「ちょっと贅沢な感じでもいいよ?」
絵里「チョコレート...板チョコが食べたいわ!」
希「...いやもうちょっと贅沢言ってもいいんよ?」
絵里「ぜ...贅沢...?」
絵里「...」
絵里「...2枚?」
希「...」
希「そっか...えりちはチョコレートなんやね」
絵里「なに?今日の帰りにでも買ってくれるの?」
希「買わないよ」
絵里「じゃあなんで聞いたのよ!!」
今日も今日とて
すごく謙虚なエリーチカ
ーコンビニー
絵里「...」
絵里「...!」
絵里「(...欲しかった雑誌がない)」
絵里「(せっかく遠回りしてまでコンビニ寄ったのに)」
絵里「...このまま帰るのもなんだし、なんか買って帰ろうかしら」
絵里「最近のコンビニスイーツはばかにできないからねー」
絵里「チーズケーキ美味しそう...ああ、でもチョコクレープもいいわね。迷うわ」
絵里「...でもこれ雑誌と同じくらいの値段じゃない。私何しにきたのかしら」
絵里「...肉まんにしましょう」
絵里「肉まんひとつ」
絵里「...え、売り切れ?」
絵里「えー...あー...じゃあ、ピザまんで」
絵里「108円...」
絵里「(うわ、小銭10円ばっかり)」モタモタ
絵里「(やばい後ろに列できてる)」
絵里「...(8円なかった)」
絵里「あ、すいません。1000円からで...」
絵里「...」
今日も今日とて
うまくいかないエリーチカ
ー自宅ー
亜里沙「お姉ちゃーん?」
絵里「」ササッ
亜里沙「ちょっと話が...いま何隠したの?」
絵里「何も?」
亜里沙「嘘だ...なんかいい匂いするもん...」
絵里「...」モグ...
亜里沙「ほらなんか食べてたでしょ!ずるいよお姉ちゃんだけー!」
絵里「...わ、分かったわよ。ピザまん半分こしましょう」モギュ
絵里「...うわ、すごいアンバランスに」
亜里沙「亜里沙がおっきい方でいいよね」ヒョイ
絵里「ああ...」
絵里「で、話って何?」
亜里沙「おへえひゃんの」
絵里「飲み込みなさい」
亜里沙「」ゴクン
亜里沙「お姉ちゃんは最近欲しいものとかある?」
絵里「...欲しいもの聞くの流行ってるの?」
亜里沙「そういうわけじゃないんだけど...いいから!」
絵里「...ん」
亜里沙「え?」
絵里「ピザまん」
亜里沙「そんなに食べたかったの?」
絵里「うん」
今日も今日とて
食いしんぼうのエリーチカ
ー教室ー
ことり「絵里ちゃーん!」
絵里「あ、ことり」
絵里「どうしたの?珍しいじゃない」
ことり「ちょっと聞きたいことがあって!」
絵里「聞きたいこと?」
ことり「うん!絵里ちゃんはケーキ好き?」
絵里「それはもちろん、好きだけど...なんで?」
ことり「ううん、気にしないで!」
ことり「じゃあ何ケーキがすき?」
絵里「チョコレートケーキかしら!」
ことり「チョコレートケーキかぁ...」
絵里「(この前買いそびれたしね)」
ことり「わかったよ!難しいけど、頑張るね!」
絵里「...?頑張ってね」
絵里「それにしてもいきなり教室まできてこんなことを聞くなんて...」
絵里「もしかして今日はチョコレートケーキでも持ってきたの?」ワクワク
ことり「ううん?無いよ」
絵里「じゃ、じゃあなんで聞いたのよ!」
ことり「秘密だよ〜!」
今日も今日とて
はやとちりしちゃうエリーチカ
乙です
もしかしてえりちか日記の人?
>>14
あっ、エリチカ日記の時は酉付けてなかったけどそうです
再開します
ー絢瀬家ー
希「じゃあまた明日ねえりち」
絵里「送ってくれてありがとうね」
希「ううん、気を付けて」
絵里「気を付けてって...もう家のすぐ前よ!階段登るだけじゃない」
希「ごめんごめん。じゃ」
絵里「うん、ばいばい」
絵里「さーて今日は亜里沙が雪穂と遊びに行ってるからうちに1人ね」ガチャガチャ
絵里「最近亜里沙がやたら話しかけてくるから落ち着かなかったのよね。本でも読もうかしら」ガッ ガッ
絵里「...」ガッ ガッ
絵里「...開かない」
絵里「...えっ」
ーーーーー
ーーー
ー
亜里沙「じゃあね雪穂!」
雪穂「うん、気を付けてね」
亜里沙「気を付けてってもう家の前だよー!」
雪穂「いやいや、不審者とか...」
亜里沙「不審者なんて...あれ、お姉ちゃん何してるの...?」
絵里「...」タイソウズワリ
絵里「鍵...忘れちゃって」
亜里沙「ずっと待ってたの...?」
絵里「寂しかった...!」ギュウ
亜里沙「お姉ちゃん...ごめんね...」
雪穂「...あ、じゃあ私帰るね」
亜里沙「ごめんねお姉ちゃんが」
絵里「鍵が欲しい...」
ーーーーー
ーーー
ー
亜里沙「じゃあね雪穂!」
雪穂「うん、気を付けてね」
亜里沙「気を付けてってもう家の前だよー!」
雪穂「いやいや、不審者とか...」
亜里沙「不審者なんて...あれ、お姉ちゃん何してるの...?」
絵里「...」タイソウズワリ
絵里「鍵...忘れちゃって」
亜里沙「ずっと待ってたの...?」
絵里「寂しかった...!」ギュウ
亜里沙「お姉ちゃん...ごめんね...」
雪穂「...あ、じゃあ私帰るね」
亜里沙「ごめんねお姉ちゃんが」
絵里「鍵が欲しい...」
今日も今日とて
どこか抜けてるエリーチカ
ー部室ー
穂乃果「あ、絵里ちゃんだ」
凛「本当だー」
絵里「あら二人とも」
穂乃果「絵里ちゃん今日来るのはやいね!」
凛「珍しいにゃー!」
絵里「最近希が忙しいらしくてね。なんだか暇になっちゃって」
穂乃果「あらら、絵里ちゃん寂しい人?」
凛「絵里ちゃん寂しいの?」
絵里「ちょ、そういう言い方はやめなさいよ...」
穂乃果「じゃあ絵里ちゃん、なんか最近欲しいもの無い?」
絵里「欲しいものか...最近何故かよく聞かれるのよね...」
穂乃果「き、気のせいじゃないかな?」
凛「欲しいものとかの話してれば寂しい気持ちも紛れるにゃ!」
絵里「それもそうかしら。じゃあ穂乃果、実は今すごく背中が痒いの。かいてくれる?」
穂乃果「いいよ!」
凛「欲しいもの...?」
絵里「もうちょっと右ー」
穂乃果「はいよー」
凛「絵里ちゃん、欲しい"物"は?」
絵里「うーん...あ」
絵里「孫の手...!」
凛「それだけしかないの...」
今日も今日とて
なんかズレてるエリーチカ
ー部室ー
凛「よっ、ほいっ」
絵里「...」
凛「ああーーっ、死んじゃったー!」
穂乃果「ああーーー!」
絵里「ねえそれ、楽しいの?」
凛「ん、これ?楽しいよ」
穂乃果「絵里ちゃんでゲームやらないの?」
絵里「そうね...スマホのゲームでさえやったことないわ」
凛「えー、珍しいね!」
絵里「そうかしら」
穂乃果「今時あんまりいないよー」
絵里「でも、海未とか」
穂乃果「あ、確かに」
凛「あっ、じゃあ絵里ちゃんゲーム欲しい!?」
穂乃果「ゲームか!ゲーム欲しい?」
絵里「いや...受験生だし」
凛「そっか」
穂乃果「あー、それに絵里ちゃんゲーム下手そうだしね」
絵里「失礼ね...私は見てる方がすきなだけよ」
穂乃果「見てるだけじゃつまらなくない?」
絵里「楽しいのよ見てるだけで」
凛「じゃあいっぱい見ていいよ!」
絵里「そう言われるとなんか違うわねー...」
今日も今日とて
後輩を見守るエリーチカ
ー屋上ー
海未「ありがとうございます、楽になりました」
絵里「いいのよ。先輩なんだから相談くらいいくらでもしなさい」
海未「そうですね...こういった相談ができるのは絵里くらいですから」
絵里「海未は真面目だからねえ...そういえば、私がμ'sに入った時も、「やっとまともな人が入ってくれました!」...って言ってくれたわよね」
海未「ちょ...ちょっとモノマネしないでくださいよ!」
海未「...でも、今思うと絵里もそこまでまともって感じでもないですね」
絵里「えっ、嘘!?」
海未「いい意味で」
絵里「いい意味で...?でもなんだか引っかかるわね...私まともよ」
海未「最初は人のモノマネとかしないまともな人だと思ってたんですけどね」
海未「もっとお堅くて、きっちりかっちりした人かと思っていました」
絵里「海未にそう思われるなんて相当だけど...でも今でもきっちりしてると思うけどなあ」
海未「いや、なんだかふにゃふにゃしてますよ」
絵里「ふにゃふにゃ!?」
海未「はい。柔らかくなりましたよね」
絵里「そうかなー...?」
海未「ふふ、では今日はありがとうございました。そろそろ教室に戻りましょう」
絵里「ええ、それはいいんだけど...ふにゃふにゃかぁ...」
海未「そんな気にしないでください」
絵里「うーん...」
今日も今日とて
ふにゃふにゃしてるエリーチカ
ーショッピングモールー
絵里「希と買い物なんて久しぶりね!」
希「そうやね、これから忙しくなってくるから、遊べる時に遊んどかないと」
絵里「で、今日は何を買いにきたの?」
希「んー、決まってないんやけど。とりあえずぶらぶらできたらええかなーって」
絵里「決まってないって...大丈夫なのそれ」
希「えりちのせいだし」
絵里「?なんでよ」
希「別に〜?まあ、ウチはぶらぶらしてるだけでも楽しいから」
絵里「希がいいならいんだけど」
絵里「あっ見て!クレープ屋さん!行かない希?」
希「もー、来たばっかりやでー?」
絵里「はー楽しかったー!」
希「えりちが楽しそうで何より」
絵里「はっ!!そういえば私が希を振り回してるばかりで希の行きたい所全然行ってないわ!」
希「今気づいたん?」クス
絵里「ご、ごめんなさい、今からでも希の行きたい所をまわりましょう」
希「いや、ウチはいいんよ。ちゃんと目的は果たせたしね」
絵里「え、でも私が見たい物とか見回ってただけじゃない」
希「言ったやん。ぶらぶらできたらええかなーって」
絵里「そ、そうなの?」
希「そうそう」
絵里「でも希今日来てから何もしてないじゃない!いいの?」
希「うーん、じゃあ代わりと言っちゃなんだけど、映画でも観に行かない?」
絵里「映画?いいけどなんか観たいもにでもあったの?」
希「うん...ウチの趣味丸出しな感じやからえりちにはつまらないかもしれないけど...いいかな?」
絵里「の...希の趣味丸出し...」
希「...やっぱり嫌?」
絵里「いや、嫌じゃないのよ、嫌ではないんだけど」
希「あ、怖くないよ」
絵里「じゃあ大丈夫よ!行きましょ!」
ーーーーー
ーーー
ー
希「はぁ、面白かったねぇ!」
絵里「そうねえ」
希「え、えりち今の映画面白かったん?絶対共感してもらえないと思ってたんやけど」
絵里「うーん、さすがにあそこまでぶっ飛んでるとなんか逆に面白いっていうか」
希「まぁ...確かにぶっ飛んでるかな...」
絵里「それになんか希と映画っていうの自体が久しぶりでなんか楽しかったわよ」
希「そういうもんかな」
絵里「そういうものよ」
絵里「今日は楽しかったわ。ありがとう希」
希「うん、ウチも。なんか変なの付き合わせてしまってごめんね」
絵里「もう、いいのよ。なんか色々...刺激的だったし?」
希「そっか。まあ、ウチも色々見させてもらったしね」
絵里「色々...?」
希「まあそれはいいから。また明日学校でね」
絵里「ええ、またね希」
絵里「(今日も楽しかったわ)」
絵里「(ずっと、今日みたいな日が続けばいいのに)」
今日も今日とて
ちょっといい気分のエリーチカ
ー部室ー
絵里「こんにちわー」
真姫「!!」ガタッ
花陽「っ!」ビクッ
絵里「あら、二人だけ?なに書いてたの?」
真姫「あっ、いや!ちょっと勉強をね!」
花陽「わからない所を真姫ちゃんに教えてもらってて!」
絵里「ふーん、私も教えられるわよ?」
真姫「大丈夫よ、エリーはゆっくりしてて!」
花陽「その、プライベートな内容だしね...!」
絵里「プライベート?」
花陽「あの、そのえーと...進路関係、みたいな...?」アセアセ
絵里「大丈夫花陽...なんか汗すごいわよ?」
真姫「っあー、そうそう!エリーは進路どうするの?」
絵里「私?普通に進学のつもりだけど」
花陽「や、やっぱり勉強とか大変なのかな?」
絵里「まあ大変っちゃ大変だけどそこまでの所でもないし、普通に頑張れば大丈夫って感じよ」
真姫「さすがエリーね。私も頑張らなくっちゃ」
絵里「真姫は医学部だものね。
それにしても、一年の時点で色々考えなきゃいけないんだから大変よね」
花陽「そ、そうなの...というわけでちょっと別の部屋で終わらせてくるね!」
真姫「私も...じゃあエリーはゆっくりしてて!」
絵里「あら...いってらっしゃい」
絵里「...みんなやっぱり忙しいのね」
今日も今日とて
後輩が気になるエリーチカ
ー更衣室ー
絵里「はぁー、疲れた...」
希「えりち今日はなんか張り切ってたねえ」
絵里「来週からテスト期間で部活も無いじゃない?だから今のうちに出し切っておこうかなって」
穂乃果「うぇ〜...テストかぁ...」
海未「もちろん今回も赤点なんて許しませんよ」
にこ「ええっ!!」
海未「なんでにこが悲鳴をあげるんです」
希「あはは...」
絵里「みんな普段からちゃんとやっておかないからいけないのよ。普段からきっちりやっておけば...」
海未「まったく、絵里の言うとおりですね」
絵里「...」
海未「皆さんにはもっと絵里を見習って...どうしました絵里?」
絵里「...ない」
海未「え?」
絵里「ロッカーの鍵がない...」
穂乃果「ええっ」
希「なんで無いん?」
花陽「盗難!?」
絵里「いや...!多分落とした...!」
凛「ちょ、ちょっと凛屋上見てくる!」
にこ「だれが普段からキッチリよ!ふにゃふにゃじゃない!」
絵里「おかしいわね...ここに置いといたはずなのに...」
海未「これでは制服に着替えられませんね」
絵里「そんな...ずっと汗だくなんて嫌よぉ...!」
真姫「みんなで探しましょう!どこかに落ちてるかも」
ことり「い、いざとなったら衣装もあるから...」
凛「屋上探したけど無かったよ...!」
穂乃果「部室も色々探したけど無かったねえ...」
希「えりち、本当に机に置いておいたん?」
にこ「行動遡ってみなさいよ」
絵里「えっと...確か着替えた後に...鍵をかけて...机に置いて...」
絵里「...いや」
絵里「あ、机に置こうとした時に穂乃果に呼び止められたわ」
穂乃果「あ、呼んだねそういえば」
絵里「それで...手に持ってた鍵は...」
絵里「ポケット...あった」
希「...」
海未「...」
にこ「...」ハァー
絵里「ごめん!ごめんなさい!」
絵里「ああ...なんで気付かなかったんだろう...!ごめんね...!本当に...!」
今日も今日とて
人騒がせなエリーチカ
ー屋上ー
希「はーい笑って笑ってー」
にこ「えっ、うわあ!」
パシャ
希「うーん、いい顔してる」
にこ「ちょっと!許可取らずにいきなり撮るのやめてくれる!」
希「いいやん可愛く撮れてるし」
にこ「えっ本当に?」
真姫「希って時々さりげなーく写真撮ってるわよね...気が抜けないわ」
希「みんなの青春のワンシーンを切り取ってるだけよー?」
花陽「突然撮られるのは恥ずかしいです...」
凛「かよちんはうまーくカメラから逃げるにゃー」
穂乃果「はーい!花陽ちゃんピース!」
花陽「ええー?」
希「おっいいねー!はいじゃあ花陽ちゃんも穂乃果も凛ちゃんも笑ってー!」
パシャ
希「うん、花陽ちゃんと真姫ちゃんがいっぺんに撮れるとは。これはレアやな」
真姫「ヴェエ!?だからなんでさりげなく撮ってるのよ!」
凛「穂乃果ちゃんの後ろにちっちゃく真姫ちゃんが入り込んでるにゃ!」
希「あとえりちの写真も結構すくないんよねー?」
絵里「なによ...いいわよ私は」
希「そう言わずに」
絵里「いいってば!」
希「笑って笑ってー!」
パシャ
にこ「表情完璧じゃない...」
凛「ピースまでしてるにゃ」
花陽「モデルさんみたいですね」
希「撮って欲しかったん?」
絵里「そ、そんなわけないでしょ!」
今日も今日とて
満更でもないエリーチカ
ー帰り道ー
絵里「疲れたわーやっと帰れるわね」
希「そうやね」
絵里「なんだか甘いものでも食べたい気分。希、どこか寄っていかない?」
希「...えーと」
絵里「希?」
希「今日は...ちょっと寄り道は無理かな...?」
絵里「え、なんで...あ」
絵里「分かった、ダイエットでしょう?別に気にしなくていいのに。希はそれくらいがちょうど良いのよ」
希「いや別にダイエットってわけでもないんやけどね...」
希「その、しばらく寄り道は無理なんよ...というか」
希「当分、一緒には帰れない...っていうか」
絵里「...え」
絵里「...どうして?」
希「...実はウチな、塾通い始めてん」
希「ほら、ウチえりちみたいにそんな頭良くないから。受験に向けて勉強せなダメなんよ」
希「えりちの家と方向逆やし...それに結構忙しいから...μ'sの練習もちょいちょい早抜けするかもしれん」
絵里「そう...なの」
希「うん...だから、受験終わるまで一緒に帰るんはちょっと厳しいかなって」
絵里「...いや!いいのよ!
そうよね、受験だものね。今まで通りってわけにはいかないわよね...」
絵里「大丈夫よ!学校では会えるんだし!勉強頑張って」
希「うん、ありがとう。じゃあ、ウチもう行かんと」
絵里「ええ、さようなら」
希「うん、またね」
絵里「...」
絵里「...帰ろうかしら」
今日も今日とて
今日も今日とて
絵里「...」トボトボ
今日も今日とて
絵里「...」
今日も今日とて変わらない
幸せな日々
でも、明日は?
明後日は?来週は?来月は?
来年は?
絵里「...そうよね」
絵里「仕方ないわよね。そういうものだもの」
絵里「...神田明神、行こうかしら」
絵里「...」ボー
絵里「欲しい物、か...」
絵里「...最近よく聞かれたけど、全然分からないわね」
絵里「でも、欲しい物があるとしたら...明神様にお願いすれば貰えるのかしら」
絵里「...いや、きっと怒られちゃうわね」
絵里「...」
絵里「...」ペチッ
絵里「...蚊も減ってきたわね」
絵里「帰りましょう」
ーーーーー
ーーー
ー
ー教室ー
絵里「希!お昼ご飯食べましょう!」
希「え?」
絵里「見てよこれ、今日のは私が作ってきたのよ!」
絵里「あっ、そうだ!にこも誘って、一緒に食べましょうよ、ね?」
今日も今日とて
楽しいお昼
いつもと何も変わらない日々
希「ご、ごめん...ウチこれから補修があるん...」
絵里「...え」
にこ「何やってんのよ希、遅れるわよ?」
希「あ、にこっちごめんごめん。すぐ行くから」
絵里「に、にこも補習なの?」
にこ「あー、あんたはそりゃ補習なんてないわよね。まったく、めんどくさいったらありゃしないわよ」
希「でもにこっち、ここサボったら進学できんよ?」
にこ「分かってるわよ、さっさと行きましょ」
希「えりち、わるいけど行くね」
絵里「ああ...うん。がんばって!」
絵里「...」
キーンコーンカーンコーン
絵里「...」
穂乃果「お、絵里ちゃん帰るの?」
絵里「穂乃果...あなたは帰らないの?たしかテスト期間は活動ナシよね?」
穂乃果「帰りたいんだけどね...ほら、海未ちゃんの特別授業があってさ...」
穂乃果「赤点は絶対許しませんって...にこちゃんは補習とかいって逃げるしさ〜...それも大変なんだろうけど」
絵里「大変そうね...私も行こうか?」
穂乃果「ううん、大丈夫。
絵里ちゃんの三年だし今回のテスト大事でしょ?自分の勉強に集中した方がいいよ」
絵里「そう...穂乃果に言われたくはないけどね...?」
穂乃果「うっ...」
絵里「まあいいわ。頑張りなさいよ」
穂乃果「うん!頑張る!ばいばいえりちゃん!」
絵里「...」
今日も希が隣にいない
希だけじゃない
きっとみんなどんどん忙しくなって
みんなだけじゃなく私だって
きっと、だんだんみんなと会えなくなって
"今日は会えない"が"今日も会えない"に変わっていく
今日も今日とて
みんなと会えなくなってしまう
私の日常は
今日も今日とて変わっていく
絵里「明日が来なければいいのにね」
絵里「ずっとこのままだったらいいのに」
絵里「...なんて言ったら、みんな困っちゃうわよね...」
絵里「...希達が頑張ってるんだし、私も頑張らないと...ね」
今日も今日とて
すこししょんぼりエリーチカ
ー教室ー
キーンコーンカーンコーン
絵里「...」
絵里「...」
絵里「(帰らないと...)」
にこ「わ、まだいる」
絵里「にこ?」
にこ「あんた1人で何黄昏てんのよ。みんなもう帰ったわよ?」
絵里「にここそ、何やってるの?」
にこ「テスト前だけど、進路相談があるのよ。私色々相談することあって」
絵里「あ...そうなの」
にこ「あんたは勉強しなくていいわけ?余裕ってやつ?」
絵里「そういうわけじゃないんだけどね...」
絵里「にこは、進路どうするの?」
にこ「そうねえ、就職しようかなーとか色々考えてるんだけどね」
絵里「就職!?」
にこ「そうよ、はやく働きたいし。
ママの手伝いしたいしね」
絵里「そうなの...大変ね」
にこ「本当よ。なんでテスト前だってのにこんなに進路のことであれこれ聞かれなきゃいけないのかしら」
絵里「...」
にこ「...なんか元気ないわね。どうしたのよ」
絵里「...最近、みんな忙しいじゃない?ちょっと前までみんなのんびり一緒にいれたのに」
絵里「なんだか、さみしくなっちゃって...ちょっと先のこと考えたら、怖くなったのよ」
絵里「きっと、みんなそれぞれの道に進んで、今みたいな当たり前の生活が、消えて行っちゃうんだろうなって...」
にこ「...そんなの、仕方ないじゃない」
絵里「そうよね...ごめん」
にこ「謝ることないでしょうに」
絵里「...最近、欲しい物を良く聞かれるのよ。なんでかわからないけど」
絵里「聞かれると分からなくなるんだけどね」
絵里「私が欲しいのは永遠かもしれない」
にこ「永遠?」
絵里「そんなもの手に入らないのは分かってるけど、でも、私はずっと今のままでいたいの」
絵里「だって私...1人じゃ全然だめなんだもの。みんなといないと...」
絵里「1人じゃ...自販機でジュースも買えないし、小銭もろくに払えないし、鍵は忘れるし、無くすし...神田明神に行ってもつまらない」
絵里「でも、みんなといる時はそうじゃないのよ」
絵里「蚊に刺されたって話すのは楽しいし、全然意味のない会話もずっと続けられるし、ゲームしている所を見ているだけで面白いし、ふにゃふにゃでいられるし、わけの分からない映画でも退屈しないの...」グスッ
絵里「...ずっとみんなといたいの」ポロポロ
にこ「絵里...」
絵里「なのに...希もにこも、忙しくて全然一緒に帰れないし...」
絵里「穂乃果達も...私を気づかって最近は絡んでこないし...」
絵里「真姫達は1年だっていうのに進路関係に忙しくてそっけないし...!」
にこ「...」
にこ「...限界ね」
絵里「...え」
にこ「もう我慢できないわ。あんたいつまで勝手にダラダラ語るつもりよ」
にこ「聞かされる方の身にもなりなさいよ。我慢の限界よ。主に希が」
絵里「...希?」
バーン!!
希「もう我慢の限界や!!」
絵里「きゃっ!」
絵里「ええっ!?希!?
なんで...ずっと扉の向こうにいたの!?」
にこ「あーあ...そうよ。ずっと待ってたのよ」
絵里「なんで...いやだって、塾は...?
補習は...?最近ずっと忙しくって」
希「そんなことは今どうでもいい」ズンズン
絵里「えっ、えっ」
希「...」スッ
希「...えりち、本気でずっとそんなこと考えてたん?」
絵里「...え」
希「聞いてたよ。本気で永遠が欲しいとか、今の日常が無くなるとか思ってたん?」
絵里「...」
絵里「...だって、そうじゃない...
みんな忙しくなって、希だって急に塾とか行き始めて...」
絵里「もう...この先ずっとショッピング行ったり、ジュース飲んだり、帰りに話して帰ったりできなくなったら悲しいじゃない...」
絵里「...希は悲しくないの?」
希「...えりちは、おばかさんやね」
絵里「...えぇ?」
希「...変わらないよ。この先もずっと」
絵里「...嘘よ」
希「嘘じゃないよ」
絵里「ずっとこんな日が続くわけない」
希「そうやね」
希「でもね。ウチはずっとこの関係は続くと思うんよ」
希「そりゃ、一緒に帰ったり、どこかに寄ったり、そういうことは減るかもしれないけど、それだけやないやろ?」
希「えりちは、そういうことするのがウチらとの関係の全てなん?」
絵里「...」
希「日常は変わっていく。みんな忙しくなって、それぞれの道に進んでいって、バラバラになる」
希「でも変わらないものだってある。違う?」スッ
絵里「...これは」
希「フライングやけどええよね?」
希「えりち、誕生日おめでとう」
絵里「...え?」
にこ「はあ...マジで気付いてなかったのね。どんだけ悩んでたのよ」
希「うーん、今回はちょっとやりすぎたかな?」
絵里「...希、これ」
希「プレゼント。フォトアルバムやで。今まで撮ってきた写真が入ってるん」
希「これからどれだけ日常が変わっていっても、ウチらのこの今は変わらないやん?絶対に無かったことになんかならないんよ」
希「えりちは先を見過ぎやで。たまには後ろも振り向かんと」
絵里「...希」
絵里「希ぃぃぃ...」
希「よしよーし」
にこ「ちょっと...続きは部室に移ってからにしましょうよ。みんな待ってるわよ?」
希「そうやね、ほらえりち。ちゃんとサプライズパーティの準備したんよ?」
にこ「せっかく苦労して計画したのに...待ち伏せても全然帰らないわいきなり語り出して泣き始めるわ希は心配して窓から覗いてくるわ...」
にこ「おかげで希が1人でバラしちゃったじゃない!台無しよ!」
絵里「ご、ごめんにこ...でも二人ともありがとうね...塾とかで忙しいのに」
希「ああ、あれ嘘やで」
絵里「...は?」
希「塾なんてめんどくさいことするわけないやん?」
絵里「いやでも...最近補習とか...にこだってすごい勉強してたじゃない」
にこ「補習とかって言い訳しないと、昼休みにパーティの準備してるのすぐバレるじゃない」
絵里「...え」
希「ウチも塾行くふりして学校戻って、放課後もパーティの準備してただけよ?」
絵里「...でもにこ、就職って...」
にこ「就職なんてしないわよ!
にこはアイドル一筋!芸能学科目指して一直線!にこっ!」
にこ「専門に成績あんまり関係ないから」
絵里「...えぇー」
絵里「ちょ...待って!私がどれだけ悩んだと思ってるのよ!」
絵里「なんか偉そうに言ってたけど私の悩みの原因希じゃない!」
希「そ、そういうことになるのかな?」
にこ「ちょっと...おちつきなさいよ」
絵里「うるさい!ていうかテスト期間中にパーティなんかダメよ!パーティはテスト終わりに延期!」
にこ「えーー!?」
希「せ、生徒会モードになっとる!」
絵里「帰るわ!」
希「ちょ、怒らないでって!えりちー!」
にこ「みんな待ってるんだから、顔だけでも出して行きなさい!穂乃果とかクラッカーもって待機してるから!」
希「えりちー!」
今日も今日とて
騙されやすいエリーチカ
ー部室ー
穂乃果「絵里ちゃん!えーと、17?18?
まあいいや!」
「「「「お誕生日おめでとー!!」」」」
パーン
パーン
絵里「ありがとう...照れ臭いわね」
真姫「まさか本当に延期になるとはね」
穂乃果「本当だよ...テスト中どれだけクラッカーを欲したことか...」
絵里「当たり前でしょう...まさか今回赤点なんていないわよね」
凛「凛は大丈夫だよ!」
にこ「私もギリギリセーフ」
海未「にこ...受験生ですよね」
にこ「なによ。セーフなんだから無問題でしょ」
絵里「まあみんな今回はちゃんと勉強してたみたいだしね」
穂乃果「部室に残ってたのは作業の為だけどね」
絵里「海未の授業で残らされてるってあれも嘘だったの!?」
穂乃果「嘘じゃないよ!あの時は作業したけど海未ちゃんは夜に家に来てまで授業始めたんだよ!」
海未「何を言うんですか。そのおかげで赤点とらずに済んだのでしょう」
絵里「なんだか私嘘つかれてばっかりね...」
ことり「まあまあ、じゃあプレゼントを渡すのも兼ねてケーキ食べようよ!」
凛「やったー!ケーキにゃー!」
ことり「はい絵里ちゃん」
絵里「わあ...立派なチョコケーキじゃない!まさか手作り?」
ことり「もちろん!絵里ちゃんが食べたいって言うから」
絵里「ああー、あれってそういうことだったのね!」
希「本当に気付いてなかったんやね...」
凛「凛達が欲しいもの探ろうとしてたのも気付いてない?」
絵里「ああ!やたら聞かれると思ったら!!」
にこ「鈍すぎでしょ」
海未「むしろみんな露骨すぎてすぐにバレると思ってたんですが...」
穂乃果「バレないもんだよね!」モグモグ
花陽「とりあえず一年生からはこれを...」
絵里「なにこれ...あら、寄せ書きじゃない!絵が綺麗ね」
真姫「私達が計画してみんなに書いてもらったのよ。結構終わるのギリギリだったんだから」
希「正直延期が無かったらキツかったよね」
にこ「あんたが一番書くのに時間かけたんでしょうが」
絵里「ふふ、ありがとうみんな」
真姫「一回書いてるところバレそうになって焦ったわよ」
絵里「そんなことあった?」
ことり「まあ気付いてないよね」
海未「もはや当然ですね」
凛「絵里ちゃん!凛のプレゼントはこれ!」
真姫「じゃあ私もハイ」
花陽「花陽はこれです!」
穂乃果「穂乃果達は3人で一つだよ!はい!」
にこ「にこはこれ。絶対役に立つから大事にしなさいよ」
絵里「ちょっと、いきなり渡されても誰が誰だか...」
絵里「あ、このティーカップ私の欲しかったやつ...この小説も、ぬいぐるみも...」
絵里「え、私欲しい物聞かれても全然答えられなかったのに、なんでみんな私の欲しい物わかるのよ、嬉しい」
穂乃果「希ちゃんがリサーチしてきてくれたんだよ!」
希「ショッピングの時にえりちが見てた物をしっかり覚えたからねー!」
絵里「...なるほど...自分でも気づかなかったわ...」
にこ「にこは希に頼ってないけどね。蚊除けの香水とキーケースだから」
希「ああ、役に立ちそうやね」
海未「これで鍵も無くしませんね」
絵里「ばかにして...」
希「はいじゃあ全員集まってー、えりちはプレゼント全部持ってー」
絵里「ええっ、全部ってこれ、無理よ!多いわ!」
絵里「とくに穂乃果達のこの...!ぬいぐるみ...!!大きすぎるわよ!」
ことり「奮発しました」
絵里「しすぎよ!」
にこ「はいじゃあちょっと手伝ってあげるから、ほら持てた」
花陽「あわわ...すごい危なっかしいんですけど...!」
絵里「希はやく!はやくして!落ちちゃう!」
希「はいはい、じゃあいくよー!」
希「はいチーズ」
パシャ
絵里「ああー!」
ドサドサーー
穂乃果「ああーーー!!ぬいぐるみーーー!!」
ーーーーー
ーーー
ー
絵里「みんなありがとう。とっても楽しかったわ」
希「うんうん、よかった。じゃあこれ。今日の写真もアルバムにいれて」
希「はい、こうしておけば無くならない。ね?」
絵里「うん...ありがとう希」
希「これからも写真増やしていくからね?毎年誕生日は写真撮るつもりやし」
絵里「...そうね。そう言われると、来年が楽しみだわ」
穂乃果「もちろん穂乃果達も祝うよ!卒業しても、お家までいって祝うからね!」
絵里「ふふ、ありがとう」
海未「じゃあ今日はこれで解散としましょう。皆さん明日も練習があるのでしっかり休んでください」
一度は永遠が欲しいなんて
今日がずっと続けばいいなんて思っていたけど
そうしたら、今日のような日も、来年の誕生日も来ないのね
今日も今日とて、変わっていく日々
でも、だからこそ
絵里「みんな!今日は一緒に帰りましょう!」
今日も今日とて
にっこり笑顔のエリーチカ
ーおしまいー
安っぽいSSいっちょあがり
誕生日のうちに終わらせたかったのに3時間もオーバーして後半なんのために書いているのか分かりませんでした
とにかく絢瀬さんは誕生日おめでとう
おしまい
このSSまとめへのコメント
また書くチカ
よいぞよいぞ!
感動した