学園怪盗 生徒会長【安価】 (274)


――私立御宝学園

『生徒の審美眼を養うため』という建前のもと、理事長の趣味で古今東西の財宝や美術品が集う学舎。

そして《怪盗》が現れる学園……



怪盗「ハッハッハ、この【豚野郎の真珠】は《怪盗生徒会長》が確かに頂いた!」


警備部長「しまった!」

警備部員1「また《怪盗生徒会長》に盗まれた!」

警備部員2「また警備部長が《怪盗生徒会長》に出し抜かれた!」

警備部長「うっせ!」


怪盗「それでは諸君……さらば!」ピューン


警備部長「待てー! 怪盗生徒会長っ!」

警備部員1「また逃げられたっすね」

警備部員2「また風紀委員長に怒られますね」

警備部長「くそ! 怪盗生徒会長……いったい何者なんだ?」

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翌日

男「会長、今までお疲れさまでした」

新生徒会「「お疲れさまでした!」」

前会長「ありがとう……でも私はもう生徒会長じゃないわよ」

男(新生徒会長)「そ、そうでした」

前会長「男くん……これからは貴方が生徒会長として新しい生徒会のみんなと頑張ってね」

男「はい、みんなと前会長に負けないくらい良い学園を作っていきます!」

新生徒会「「頑張ります!」」


前会長「男くん、後で話があるの」ヒソ

男「え?」


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


男(話ってなんだろう……前会長は『一人で来て』と言ってたけど)ドキドキ

男「!ま、まさか……告白!?前会長はボクが好きだった!?」

がらっ

前会長「違うわよ、早く入りなさい」

男「あ、デスヨネー」


前会長「……一人で来たわよね?」

男「はい、ボク一人です」

前会長「よろしい……ではあらためて生徒会長就任おめでとう」

男「?ありがとうございます」


前会長「この学園には数多くのお宝が集まっている事は知ってるわね」

男「はい、そのため風紀委員会直属の警備組織《警備部》などの学園生徒の自治活動が活発なんですよね?」


ここ《御宝学園》は理事長が首都圏の一都市を丸々買い取って、学園に自治運営を任された治外法権なのだ。


男(……理事長って何者だろう?)


前会長「そう、そしてお宝を狙う者もまたいる」

男「《怪盗生徒会長》ですね? そういえば昨晩も被害にあったとか」

前会長「ええ、そうよ」


男「許せないですよね!泥棒とか最低ですよ!」

前会長「え……そうかな?それほどでもないんじゃない?ほら、一部の女子生徒からは『格好いい!』『抱いてぇ』とか言われてるし」

男「なに言ってるんですか! 窃盗は犯罪です……あんなクズ野郎、ボクの在任期間中に絶対ブタ箱にぶちこんでやりますよ!」

前会長「」


前会長(ど、どうしよう……『実は私が怪盗生徒会長でした!テヘ』とか言える雰囲気じゃない!)


前会長(しかも《怪盗生徒会長》は代々生徒会長が受け継ぐ裏家業……男くんに《怪盗生徒会長》を引き受けてもらうには……どうすれば!?)

どうする前会長!?

>>7

それとなくほのめかす

>>7
前会長(それとなく、ほのめかしてみよう……)


前会長「そ、そういえばさ……《怪盗生徒会長》って何者だろうね?」

男「そうですね……警備部長から聞いた話じゃ『白い学ランにアイマスク』の変態らしいですね」

前会長(警備部長……後で[ピーーー])

男「とんでもない跳躍をみせたとか……もしかしたら妖怪?」

前会長「」


前会長「ほ、ほら怪盗……《生徒会長》って名前でさ、何か思うことはないかな?」

男「怪盗……生徒会長?……せいとかいちょう…………ああ!?」

前会長(気づいてくれた!?)


男「まさか《怪盗生徒会長》って>>11じゃないですか!?」

PTA会長

>>11
男「《怪盗生徒会長》ってPTA会長じゃないですか!?」


前会長「なんでよ!?」ガクッ

男「え?怪盗生徒会長→生徒会長→会長→PTA会長って推理ですが」

前会長(心配……来期生徒会が心配だわ!)


男「前会長、どうですか? ボクの推理」

前会長「そうね……途中まではいい線いってたと」

男「?」


前会長(そうだ! 昨日盗んだ【豚野郎の真珠】をそれとなく落としてみよう)ソッ

ころん

男「? 前会長、なんか落としましたよ」

前会長「え、どこぉ? 男くん拾ってぇ」

男「あ、はい……これは!?」

前会長(気づいた!?)

男「これってもしかして>>14じゃないですか!?」

真珠

>>14
男「これってもしかして真珠じゃないですか!?」

前会長「あらわかる?」

男「ずいぶん大きいですね……そういえば昨日盗まれたのも真珠だったとか」

前会長「そ、そうなのよ【豚野郎の真珠】っていう大真珠!」

男「へえ……」

前会長「そうなのよぉ」

男「そうなんですか」

前会長「そうなのよ!」

男「え、なんでキレてんですか?」


前会長「察しなさいよ! それが【豚野郎の真珠】だって事にさ!」

男「え!? だ、だって【豚野郎の真珠】は《怪盗生徒会長》に盗まれたんじゃ?」

前会長「そうよ《怪盗生徒会長》に盗まれた【豚野郎の真珠】を私が持っていた……この意味は判るよね」

男「!? ま、まさか……>>18

前会長が取り返したんですか

>>18
男「!? ま、まさか……前会長が取り返したんですか!?」

前会長「ちげぇよ!」

男「え?」


前会長「ちょっとは疑えよ! 気づけよ! いや、ホントは解っててやってんだろ? 私をからかっているんだろぉぉっ!!?」

男「ぜ、前会長!? 落ち着いてください!」


……数分後。

前会長「はあ……はあ…………ごめん取り乱したわ」

男「いえ……でも今日の前会長なんかおかしいですよ」

前会長「そうね私がおかしいのね……決して男くんが悪いわけじゃない」


前会長「率直に言うわね《怪盗生徒会長》の正体は…………私なの!」


男「え?」

前会長「…………」ゴクリ


男「またまたぁ前会長が「証拠ならあるわ!」」
前会長「……まずはこの【豚野郎の真珠】そして」

ばさっ

怪盗(前会長)「……この姿よ」


男「コスプレ……とか?」

怪盗(前会長)「違います」

男「凄い跳躍力だって……前会長運動音痴じゃないですか?」

怪盗(前会長)「この白ランは着る者の身体能力を高める機能があるの」

男「そ、そんな……嘘ですよね? だって《怪盗生徒会長》は泥棒ですよ?」


怪盗(前会長)「そう、私は泥棒なの……私が《怪盗生徒会長》なのよ!」


男「」ガーン


男「」

前会長←着替えた「驚かせちゃったみたいね」

男「……なんで泥棒なんか? なんでボクに前会長の秘密を教えるんですか!?」

前会長「…………」

男「前会長!」


前会長「《怪盗生徒会長》は代々、生徒会長が受け継ぐものなの」

男「生徒会長が?」

前会長「私は16代目……そして男くんが17代目」

男「ボクが!? なんでボクが怪盗なんかを!」

前会長「歴代生徒会長の悲願のためよ」

男「生徒会長の……悲願?」


前会長「この世界には不思議な力を持つお宝があるの」

男「不思議な力?」

前会長「先人曰く『そのお宝を7つ集めればどんな願いをも叶えられるだろう』」

男「それってドラゴンボ「シャラップ!」」
前会長「お宝はどんな形をしているか判らないの」

男「形も判らないでどうやって?」

前会長「【生徒会長裏日誌】によると『とても変なお宝』『触れれば判る』と……ちなみに【豚野郎の真珠】はそうではなかったみたい」

男(荒唐無稽すぎる)


前会長「お願い! 《怪盗生徒会長》になって歴代生徒会長の悲願を叶えてあげて! 私には出来なかったけど男くんなら出来るはずよ!」

男「ええ? 流石に犯罪者には……ちょっと」

前会長「別に悲願とかどうでもいいから! 男くんの願い叶えちゃいなよ!」

男「歴代生徒会長の悲願はいいんかい!?」


前会長「ほらほら、キミも男ならエロい妄想してんだろ? 一度は私や同じクラスの子をオカズに……」

男「ボクは相手が前会長なら本気で殴れますよ」キッ

前会長「」


男「……教えてください。歴代生徒会長の悲願ってなんですか?」

前会長「え……やってくれるの?」

男「あまりにも酷い事じゃなければ」


前会長「歴代生徒会長の悲願は……」


>>26>>27>>28でコンマが大きいやつ

とりあえずここまで

甘いお菓子をたくさん食べたい

世界を御宝学園の支配下に

理事長の失脚

>>27
前会長「歴代生徒会長の悲願、それは……」

男「それは?」ゴクリ


前会長「世界を御宝学園の支配下に置くこと!」クワッ


男「つ、つまりそれは……世界征服?」

前会長「イエェェス ザッツライッ!」

男「……」

男「……うっ」ポロポロ

前会長「え、男くんどうしたの!? なんで泣くの?」

男「ボクは前会長をちょっとは尊敬していたんですよ? なのにこんなアホな妄執にとり憑かれた人だったなんて」




前会長「大丈夫! ちょっとしたジョーク! 伝統の生徒会長ジョークだよ!?」

男「……ほんとに?」

前会長「本当だよ! ほら、怪盗の先輩方には建前上そう言っとかないとマズいじゃない?」

男「……」

前会長「あ、あはは」


男「はぁ……わかりました。それで前会長が盗んだ宝はその真珠だけじゃないですよね?」

前会長「え? うん、ほかにもあるけど全部ハズレよ」

男「まさか売り払ったりしてませんよね?」

前会長「し、しないよそんな事! ちゃんと保管してあるわよ」


男「じゃあそれ全部返してきてください」


前会長「ハァ!? 嫌よ勿体ない。せっかく苦労して盗んだのに」

男「換金する気がないのなら手元に置く必要はないはずです」

前会長「それは……ほら、苦労して手に入れたお宝には思い入れがあるっていうか?」


男「返してきてください……それで窃盗の件はボクの心の中に仕舞っておきます」

前会長「う」

男「前会長を前科持ちにしたくありません(犯罪者には違いないけど)」

前会長「わかったわよ、盗んだお宝は全部返すわ……そのかわり17代目《怪盗生徒会長》よろしくね」

男「え、それとこれとは話が……」

前会長「ならお宝返さない」ツーン

男「わ、わかりました……怪盗やります」

前会長「ほんと!? ヤッター!」


男(願いを叶える宝なんてあるとは思えないけど……前会長が真人間になろうとしてくれているんだ)


……そして

怪盗(前会長)「さあ男くん、お宝を返しにいくわよ」

男「なんでボクまで!?」

怪盗(前会長)「実地訓練よ。男くんはこれを着て……予備の怪盗服よ」

男「ん? ……これスカートですよね?」

怪盗(前会長)「そうよ、女物の怪盗服」

男「嫌ですよ! ってか前会長がこっち着てくださいよ!?」

怪盗(前会長)「私はずっとこれ(男物)で怪盗やってきたの。最後の仕事もこれでいきたいのよ」

男「そんな!?」


1 何がなんでも前会長と怪盗服を交換する
2 あきらめる
3 怪盗服を着ない

選択肢>>34

1

>>34
男「ボクに女装趣味はありません。交換してください」

怪盗(前会長)「嫌。どうしても交換したいのなら、私からこの学ランを剥ぎ取るんだね」

男「そんな手荒な事するわけには」

怪盗(前会長)「男くん、紳士だね(さっきは私の事本気で殴れるとか言ってたくせに)」


怪盗(前会長)「そんな事気にするな、どうせキミは私に『触れる』事すら出来ない」


男「言ってくれますね……」カチン

怪盗(前会長)「おや、怒らせちゃった?」



怪盗(前会長)に触れろ!
>>36>>37>>38のコンマ末尾の数がダブれば成功。

a

>>36「0」>>37「7」>>38「1」 失敗


男「いい加減にしてください!」バッ

サッ

怪盗(前会長)「はずれ!」

男「……!?」

怪盗(前会長)「ほらほら、どうしたの?」

男「……そこだ!」バッ

ひょい

怪盗(前会長)「ざんねんでした」クルッ



男「……このっ!」ダッ

とん タッ

男(消え!?)

すたっ

怪盗(前会長)「ドーン!」

ドンッ

男「うわ!?」ドサッ


視界から前会長が消えたと思った瞬間、男は後ろから突き飛ばされてしまった。


怪盗(前会長)「ね、触れなかったでしょ?」

男「……信じられない…………運動音痴の前会長に触る事すら出来ないなんて……あの、運動音痴の前会長に……!」

怪盗(前会長)「なんで二回も言うのよ!?」

男「なにかカラクリがあるはず……あ!」


怪盗(前会長)「思い出した? 言ったでしょ、この白ランは身体能力を高める機能があるの」

男「ズルじゃないですか!」

怪盗(前会長)「『私から白ランを剥ぎ取る』ためには私がこの白ランを着てなきゃ駄目じゃない」

男(くっ……屁理屈だけど真理だ)

怪盗(前会長)「さあ、観念してその怪盗服(女物)を着なさい。きっと似合うわよ」クスクス


男「じゃあ怪盗になるのやめます」


怪盗(前会長)「ごめんって! 今すぐ怪盗服取り替えよう!」

ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー

男「まったく……」

前会長「あはは、ごめんごめん」

男(この白ランで《怪盗生徒会長》になるのか…………ほんのり温かい……さっきまで前会長が着ていたんだよな)


前会長「それってつまり前会長のおっぱいがこの白ランに触れていたってことだよね……ズボンにはお尻や太ももが!」


男「そんな事思ってませんよ!///」

前会長「ホントにぃ?」ニヤニヤ

男「本当です!///」


……お着替え完了。

怪盗(男)「……これが怪盗服か」

怪盗(前会長)「女物の怪盗服初めて着た……男くんどう? 似合ってる?」

(略)男「は、はい……似合ってますよ」

(略)前会長「ありがと、男くんも様になってるよ」

男「あ、ありがとうございます」


前会長「さて、私が《怪盗生徒会長》として盗んだお宝は【豚野郎の真珠】の他に【>>43】と【>>44】……これを返しにいくわ!」

三毛猫の小判

馬の耳に石仏


前会長「えーと……」ゴソゴソ

男「ボクの机(会長机)でなに探してんですか??」


前会長「……あった! >>43【三毛猫の小判】と>>44【馬の耳に石仏】」


男「盗品を普通に会長机に入れとかないでください!」



前会長「【三毛猫の小判】は雄の三毛猫が偶然掘り当てた慶長小判よ。一説にはその三毛猫は三百年以上生きている化け猫だとか」

男「なんですかそれ?」

前会長「ちなみにオークションで一千万円以上の値がついたという代物よ」

男「いっせ……!?」

前会長「そして【馬の耳に石仏】これはある戦国武将の愛馬から取れた仏の形をした耳石よ。不思議な力が宿っているって言い伝えがあったけど、残念ながら違ったみたい」


男「……とにかく、【豚野郎の真珠】と合わせて三つですか……思ったより少ないですね」

前会長「むやみやたらには盗まないわよ。ちゃんと当たりをつけて獲物を選んでいるわ」

男「そのわりにはハズレばかり引いてるみたいですね」

前会長「うっ」グサ

今回はここまで


前会長「と、とにかくお宝を返しにいくわよ……予告状も送ったし」

男「は!? なに予告状とか送ってんですか!?」

前会長「男くん、前以て予告しておく事は怪盗の矜持だよ。たとえお宝を返す時でも正々堂々とだよ」

男「」プルルル プルルル

前会長「男くん、ケータイ鳴ってるよ?」

男「……はい」ピッ


ケータイ『会長、今さっき《怪盗生徒会長》から予告状が届いた!』

男「そ、そうなんだ」

ケータイ『「今宵【豚野郎の真珠】【三毛猫の小判】【馬の耳に石仏】を美術館へ返却致します」などとふざけた内容だ。今、警備部が緊急体制で警備網を敷いている』

男「う、うんよろしく……じゃあ」ピッ

前会長「風紀委員長から?」


男「どうしてくれるんですか!?」ガーン


風紀委員長の性別
>>50のコンマ 奇数で男、偶数で女(00は偶数とする)

風紀委員長の性格
>>51

真面目かつ異性が苦手

ゆるゆるダラけてる
最低限の風紀が保たれてればそれでいい的な

>>50(コンマ72性別 女)>>51

前会長「新しい風紀委員長って副委員長やってた子だよね?」

男「ええ」

前会長「私あの子好きだわー普段はだらけてるけど適度に真面目で。前風紀委員長とは大違い……今日は現場に出てくるかな?」

男「知りませんよ……」


前会長「準備も整ったし、お出かけするわよ!」

男「ふ、不安だ」


……美術館。

警備部長「配置完了です。これなら猫の子一匹入り込む隙間もありません」

風紀委員長「はいはいりょーかい……あぁ寝みい」アフゥ

警備部長「しっかりしてください!新生徒会風紀委員長の初仕事なんでしょう?」

風紀委員長「わかってるよぉ、だからこうしてわざわざ出ばってきたじゃんか」


警備部長「しかし昨日の今日で【豚野郎の真珠】を返しにくるなんて、どういうつもりですかね?」

風紀委員長「知らんよ……本人に聞けば良いじゃん」


前会長(怪盗)「いるいる……あ、例の風紀委員長もいるよ」

男(怪盗)「……で、どうやってお宝を返すつもりですか?」

前会長(以下略)「フッ、いい質問だね男くん」

男(同じく)「当然の疑問ですよ」


前会長「今、キミはどんな格好をしているのかな?」

男「?怪盗服の白ランですけど……」

前会長「ちょっと違う。正確には『今まで認知されていた《怪盗生徒会長》の姿』よ」

男「……??何が違うんですか?」

前会長「もし男くんが見付かれば《怪盗生徒会長》を警備部の連中は追いかけてくるでしょうね」

男「……!まさか……」


前会長「男くんが囮になってる間に私がお宝を返してくるわ」


男(やっぱり!)ガーン


男(怪盗)「無理!無理無理無理!ボクが囮なんて出来るわけないですよ!」

前会長(怪盗)「ホントは私が囮やるはずだったのに男くんが白ラン着ちゃったじゃない」

男(怪盗)「うぐ……」


警備部員「誰かいるのか!?」


男(怪盗)(見つかった!?)



コンマで判定

00~05 前会長だけ見つかる
06~15 二人とも見つかる
16~99 男だけ見つかる

>>56

>>56(コンマ30)

前会長(怪盗)「ヤバ!」シュタッ

警備部員「誰だ!姿を見せろ!」カッ


男(怪盗)「あ……ど、どうも」

警備部員「か……」


警備部員「怪盗っ!《怪盗生徒会長》だーーっ!!」

ピィィーーーーーーーッ!

男(怪盗)「え……あの」


警備部員1「ウオラァッ!どこだ怪盗!」

警備部員2「怪盗はいねがぁーーっ!」

警備部員3「ぶっ殺したるわぁっ!!」


男(怪盗)「」


男(怪盗)「ご、ごめんなさい……サヨナラーーッ!」ドヒュン

だだだだ!

警備部員3「逃げたぞ!」

警備部員1「はやっ!?」

警備部員2「応援呼べ!」


前会長(怪盗)(ゴメンね男くん)←木の上

前会長(怪盗)「さて、警備部の目が男くんに集まっているうちに……」

白ランの男怪盗服とは違い、暗色をメインにデザインされた女怪盗服は隠密性と女子のキュートさを併せ持つ次世代型怪盗服なのだ!




ピィィーーーーーーッ デタゾカイトウダ!

風紀委員長「お?」

警備部長「現れたな、こそ泥め!ガガッ 奴はどこだ?……中央公園の方に逃げた?追え、逃がすなよ!」←無線通信中

風紀委員長「中央公園……?」

警備部長「では自分も怪盗を追いますので」

風紀委員長「ん、いってらっしゃい」

警備部長「待てー!《怪盗生徒会長》!!」タタタッ


風紀委員長(美術館から離れていくのか……もう仕事が済んだって事かな?)


風紀委員長「…………てか、警備部員ほとんどいなくなったじゃん」


……美術館内。

警備部員4「《怪盗生徒会長》が出たみたいだぜ?」

警備部員5「ふーん……ま、外にいるなら俺らに関係ないわな」

警備部員4「そうだな」


風紀委員長「おつかれ……がんばってる?」


警備部員4「風紀委員長!?」

警備部員5「こちらは異常ありません!」

風紀委員長「ふーん、異常なし……ねぇ」

警備部員5「……?なにか?」


風紀委員長「いや、おまえらの後ろにあるやつって例のお宝じゃね?」



警備部員5「え?」

警備部員4「……あ!?これは!」

風紀委員長「……【豚野郎の真珠】と【三毛猫の小判】それに【馬の耳に石仏】だね」

警備部員4・5「「いつのまに!?」」


前会長(怪盗)(フッフッフ……間抜けどもめ。任務完了だよ男くん)


風紀委員長「……ん?」チラ


前会長(怪盗)(!?)ビクッ


風紀委員長「……」ジィ


前会長(怪盗)「…………」



警備部員5「風紀委員長!ど、どうしましょ!?」

風紀委員長「お?……別に盗まれたもんが返ってきたなら良いんじゃね?」

警備部員4「ガガ 警備部長!盗まれた品がいつの間にかありました!」

無線機『なに!?いつの間にかっていつだよ!?』

警備部員4「わからないっす」

無線機『バカ野郎!』

警備部員4「スンマセン!」


風紀委員長「……気のせいか」


風紀委員長「じゃ帰るわ」

警備部員5「帰るんすか!?」

風紀委員長「もう怪盗は捕まえられないっぽいし良いんじゃね?……あ、いちおう真贋鑑定出しといてね」

警備部員4「は、はい」

警備部員5「お、お疲れ様です」


前会長(怪盗)(危な……意外に鋭い子だわ…………これから男くん苦労するかも)



……そのころ男は

警備部長「待てやっ怪盗生徒会長ーーっ!!」

男(怪盗)「嫌ですぅっ!!」


めちゃくちゃ逃げてた。


今回はここまで……

次回から登場予定の人の性別
コンマで判定 奇数は男、偶数は女(00は偶数とする)

担任>>66
副会長>>67


……次の日。

男(うう、身体中筋肉痛だ……おかげで今日は授業の内容が全然頭に入らなかったよ)ズキズキ

副会長「会長、この書類に……会長?」


男「え、うんなに?」

副会長「目を通していただきたい書類があるのですが……お疲れのようですね?」

男「あ、ダイジョーブ、大丈夫だよ……どれ?」

副会長「そうですか……ではこちらを」

どさどさっ

男「こ、これは……」

副会長「先月分の部活動報告書および要望書、生徒からの意見書です。あと各委員会の……」

男「ちょ、ちょっと待って! なんでこんなにあるの?」

副会長「前会長が未確認の書類を溜め込んで隠していたんです」

男「」

副会長「今週中に終らせてくださいね」


男「……今日、金曜だよね?」


男「ひぃぃ……」アワワ

副会長「すみません、手伝いたいのはやまやまなんですけど……」

男「うん、ありがとう。ボクがやらないと意味ないからね」

がららっ

風紀委員長「ちわーす……会長いる?」


会計「あ、風紀委員長」

書記「会長いますよ」

副会長「どうしたんですか? ……あ、例の怪盗事件ですか?」

男(うっ)


風紀委員長「あー、まあそれもあるけど緊急の案件があってさぁ」

男「な、何かな?」

風紀委員長「まずは先週起きた《アイドル研究会》の違法デートクラブ摘発の報告書」

男「あ、あったね……そんな事」

風紀委員長「あと《園芸部》の大麻栽培および密売疑惑に関する資料……緊急査察の必要があるから令状ちょうだい」

男「」


副会長「まったく次から次へと……大変ですね」

風紀委員長「まあ、そのへんは副委員長が優秀だから問題ないよ」

男「あはは、うちと同じだね」

副会長「そ、そんな事ありませんよ///」


風紀委員長「それでさ……ふあぁ……あ、ゴメン」

副会長「眠そうですね?」

男「大丈夫? 昨晩は遅くまで警備部と現場に出てたんでしょ?」


風紀委員長「あれ、会長なんでアタシが現場に出てたの知ってんの?」


男「」ギクリ

男「そ、それは……ほら、同じクラスの警備部の人に聞いてね!」アセアセ

風紀委員長「ふーん……ま、いっか」

男(ホッ……)


書記「風紀委員長さん、また《怪盗生徒会長》が現れたんですよね?」

会計「二日続けて出たのは初めてだとか?」

風紀委員長「んー、そうらしいよ……ぶっちゃけどうでもいいけど」

副会長「風紀委員長がそれじゃ困ります! しっかりしてくださいよ」

風紀委員長「うわ……うちの副委員長と同じ事言ったよ」

副会長「当たり前です」


その後、風紀委員長は令状を貰って生徒会室から出ていった。


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー



男『後は書類の確認だけだから、みんなは上がって良いよ』


副会長(会長はああ言っていたけど、申し訳無いから差し入れでも……あれ、前会長?)

副会長が男に差し入れを持って生徒会室へ向かうと、用心深く辺りを見回してから生徒会室に入る前会長の姿が……


副会長(何の用かしら、気になるわ……いや、プライベートな事かも……立ち聞きなんてはしたないまね私には出来ない!)

1 聞き耳を立てる
2 ドアに耳を当てる
3 盗聴器を使う

選択支>>74


副会長「駄目、盗み聞きなんて!」ポチットナ



前会長『ヤホー、昨日はご苦労さま』

男『前会長!? ちょっとどういう事ですかこの書類の束?』

前会長『あはは……それは……ガガ』

男『ガガ……たく……仕事を残して ガガ でくださいよ』



副会長(ん? 盗聴器の調子が……?)


前会長『昨日は良かった ガガ……よ!』

男『はあ、どうも』

前会長『それで次 ガガ……いつにするの?』

男『ええ!? またするんですか?』

前会長『しようよぉ! 男くんもまんざらでもなかったでしょ?』

男『その……やっぱりこんな事良くないっていうか罪悪感が……』

前会長『誰も私と男くんが ガガ……ってわからないって』



副会長(『昨日はよかった』『またする』『しようよ』『罪悪感』……前会長と会長ってまさか!?)


副会長の結論>>78

一緒に露出プレイをする仲


副会長(まさか……露出プレイ!?)


副会長「二人して全裸で夜の公園を練り歩くのかっ!?」

副会長「・・して見つかっちゃうかもしれないスリルを楽しんだり、あまつさえ見せつけたりするプレイかぁっ!?」クワッ


男「!?」

前会長「誰!?」ガタッ

副会長(しまった!?)

がらっ


コンマ奇数で見つかる、偶数で逃げ切る(00は偶数とする)
>>80

えええ

>>80(コンマ93)

副会長「あ……」


前会長「あなた……副会長さん?」

男「え!?」

副会長「わ、私……」

前会長「どうやら聞かれていたみたいね」

男「ええ!?」


副会長「し、知らなかった……二人が……」

前会長「……知ってしまったのね」

男(うう、まだ盗みはやってないのに)


副会長「二人が露出狂の変態カップルだったなんて!!」



前会長「ちょっと待ちなさいよ!」


男「なにそれ!? ごかい……誤解だよ副会長!」

副会長「え、誤解……?」

前会長「なんで私達が変態呼ばわりされなきゃいけないのよ!?」

副会長「だって『夜の街で全裸になるスリルがたまらない』って!」←記憶改竄

男「そんな会話なかったよ!?」ガーン


前会長「! そのイヤホン……」

ぐいっ

副会長「あ!?」

前会長「盗聴の受信器ね……どこに仕掛けてるの?」

副会長「う……コンセントに」

前会長「盗聴器設置場所のテンプレね」


副会長「あと会長の椅子の後ろと蛍光灯の所と本棚も……」

前会長「どんだけよ!?」


前会長「まったく……駄目でしょ盗聴なんて」

副会長「……ごめんなさい」

男「ま、まあ本人も反省しているみたいですから」

前会長「……そうね、じゃあもう帰って良いわよ」


副会長「あの……それじゃ二人は何の話をしていたんですか?」


男「う」ギク

前会長(うやむやにして誤魔化すつもりだったのに……)

副会長「このままじゃ気になって眠れません! 教えてくださいよ!」

前会長(意外と厚かましい子ね)


1 真実を話す
2 誤魔化す

選択支>>84

>>84

前会長(しかし、その厚かましさ……使えるわ!)


前会長「仕方ないわね……実は私達《怪盗生徒会長》なのよ。正確には男くんが」


男「ちょ……前会長!?」

副会長「え……うそ」

前会長「嘘じゃないわ《怪盗生徒会長》は代々生徒会長が受け継いできたの」

副会長「そんな……」

前会長「《怪盗生徒会長》はどんな願いも叶えるという7つのお宝を集めているの……でも勘違いしないでほしい、私達は私利私欲で怪盗をやっているわけじゃないの!」

男(……ん?)

副会長「それじゃ……どうして怪盗なんか」


前会長「……男くんは不治の病なのよ」


男「は?」

副会長「そんな……会長が不治の病!?」ガーン

前会長「私達は男くんの病を治したいのよ! そのためには貴女の力が必要なの!」

副会長「わ、私の?」


前会長「副会長さん、貴女に《怪盗副生徒会長》として《怪盗生徒会長》である男くんを支えてほしいのよ!」


男「ちょっと待ってください! 前会長こっちへ」グイッ

前会長「な、なによ?」

副会長「?」


男「なに考えているんですか!?」ヒソッ

前会長「あの子のバイタリティーは使えるわ。男くんも相棒がいた方が仕事しやすいでしょ?」ヒソヒソ

男「そんなの前会長がやれば良いじゃないですか! この前みたいに」ヒソヒソ

前会長「嫌よ私も受験とか忙しいのよ」ヒソヒソ

男「そもそもあんな嘘、副会長が信じるわけないじゃないですか!?」ヒソヒソッ

前会長「いや信じるわ、あの子素直そうだもん」ヒソッ

男「彼女を悪の道へ引き込まないでください!」ヒソヒソ

前会長「今更どうするのよ? もう引き返せないわよ」ヒソッ



副会長「あの、私やります……怪盗」


男「副会長!?」

前会長「あら♪」

男「だ、駄目だよ、怪盗なんて……泥棒なんだよ!?」

副会長「私頑張りますから……会長の病気治すために!」

男(信じたーーっ!?)


前会長「それじゃヨロシク。私も怪盗の先輩として色々アドバイス出来ると思うから何でも聞いてね!」

副会長「はい! こちらこそ宜しくお願いします!」

男「」


男「で、でもさ……」

副会長「会長は迷惑ですか?」ウルッ

男「そんな事……副会長はしっかり者だから味方になってくれれば心強いけど」


前会長「《会長》とか《副会長》とかまどろっこしいわね……お互い《男くん》《女さん》って呼べば」


男「ええ!?」

女(副会長)「……あの『男くん』宜しくね///」

男「う……お、『女さん』ボクもヨロシク///」


前会長「まあまあ、初々しくって良いわね……じゃあ私はお暇(いとま)するわ」


男「あ、前会長この書類一緒に片付けてください」

女「前会長にはその義務があります」

前会長「」


……翌週、朝。

男「おはよう風紀委員長」

風紀委員長「はよ……会長も物好きだね。わざわざ『週初めの服装チェック』に参加するなんて」

男「あはは、まあなんとなく……」

男(怪盗の件で迷惑かけてるから、せめてもの罪滅ぼしのつもりなんだけどね)


風紀委員長「それにしてもこれ(服装チェック)いるかな? 寮で寮監がやればよくね?」

御宝学園は全寮制なのだ!

男「うーん……一応、規則だからね」

風紀委員長「会長の権限で廃止にしてよぉ」

男「ボク一人じゃ決められないよ」



風紀委員長「あ、教頭先生ヅラがずれてますよ」

教頭「!? 失敬な……私はカツラなどではない!」クイクイッ

風紀委員長「はあ……そっすか」


女「男くんおはよう。服装検査に参加してたんだ?」

男「おはよう女さん、まあ自主的にだよ」

女「……私もやった方が良いかな?」

男「いや別に生徒会は自主参加だから」

女「ごめんね私、朝弱くて」


風紀委員長「……」


……昼休み。

風紀委員長「学食の券売機もうひとつあると良いよなぁ」

男「うん、そうだね」

風紀委員長「会長の権限で増やしてよ」

男「ま、まあとりあえず申請はしてみるよ」

チャリチャリン
担任「おお、これは【ギザ十】じゃないか!」


風紀委員長「……どしたんすか先生?」

担任「いやあ券売機のおつりの十円玉が【ギザ十】だったんだよ!」

男「ギザ十?」

担任「知らないのか? 五百円や百円、五十円のように縁がギザギザになっている十円玉だよ」

風紀委員長「はあ……たまにあるっすね」

担任「俺はこれを子供の頃からずっと集めているんだよ」

男「そ、そうですか」


女「あ、男くん」

男「女さん……女さんも学食?」

女「ううん、私はお茶を買いに来ただけ」

男「そうなんだ」

風紀委員長「……」



風紀委員長「会長ってさ副会長とヤっちゃったの?」

男「ブファッ……い、いきなりなに言ってんの!?」

風紀委員長「いやさ、なんか妙に仲良くなっているような気がしてさ……付き合ってんの?」

男「そんなわけないでしょ……そう見えるのは呼び方が変わってるせいだと思うけど……」

風紀委員長「ああそっか、でもまたなんで?」

男「前会長が『他人行儀すぎるからやめろ』ってさ」

風紀委員長「あぁ確かに今までは見えない壁みたいのがあったもんね」


男「もちろん生徒会の業務中は《会長》《副会長》で通すよ。公私混合は良くないし」

風紀委員長「真面目だなぁ、別に良いじゃん」


……生徒会業務終了。

がらっ

前会長「やあお二人さん、お仕事ご苦労様」

男「あ、前会長」

女「お疲れ様です」


前会長「さっそくだけど、怪盗初心者の二人にうってつけのお宝を見繕ってきたのよ」

男「ほ、本当にやらなきゃ駄目ですか?」

女「駄目ですよ、男くんの病気を治すためにも!」

男(う、女さんの優しさに……罪悪感が)

前会長「そうそう、それでお宝なんだけどね二つ候補があるのよ」

女「二つ……ですか?」

前会長「どっちが良いかしら?」


1 【教頭のカツラ】
2 【担任のギザ十】

>>94>>95>>96で多数決

1

ぜひ、1で

>>94>>95>>96>>97(カツラ3票 ギザ十1票)


女「さすがに現金を盗むのには抵抗がありますね」

前会長「なら【教頭のカツラ】で決定ね」

男「あの、ちょっと待ってください。いくらなんでも【教頭のカツラ】はおかしくないですか?」

女「?」

前会長「そう?」


男「どう考えても【教頭のカツラ】に不思議な力があるとは思えませんよ!」

前会長「男くんの言いたい事は分かるわ……でも【生徒会長裏日誌】にはこういう記述があるわ」


『我らが欲する宝は必ずしも高価な代物とは限らない。人々の興味を引き、強き想いが籠められし宝こそ真なる力が宿るのだ』 第四代 怪盗生徒会長


女「……なるほど」

男「いや、確かに教頭の思い入れは凄いと思いますけど、あまりにもあんまりじゃ……」

前会長「なに、違ってたら返せば良いのよ」

女「そうだよ男くん」

男(う、女さんまで!?)


前会長「そうと決まれば行動あるのみよ……はいこれ」

男「……メッセージカード?」

前会長「購買部で買った物よ。これに犯行予告を書いて教頭に送るのよ」

女「予告状ですね」


男「購買部で買ったんですか!? 足が付くじゃないですか!」ガーン


前会長「大丈夫よ、今までもこれでバレてないし」

女「男くん、心配性だね」クスッ

男(女さんまで!?)


……翌朝、職員室。

がやがや

教頭「おはようございます」


教師1「教頭先生、大変です!」

教頭「何事ですか? 騒がしい」

教師2「月予定表の黒板にこんなものが!」

教頭「予定表? ……!?」


『明後日、深夜0時【教頭のカツラ】を頂きに参ります。 怪盗生徒会長』


教頭「こ、これは……」

教師1「《怪盗生徒会長》からの予告状ですよ!」

教師2「どうするんですか教頭先生!?」

教頭「フン、馬鹿馬鹿しい……」


教頭「【教頭のカツラ】? 何の事だか理解できないな」


教師2「あの……教頭先生?」

教頭「何かね?」

教師2「教頭先生が《怪盗生徒会長》に狙われているのでは?」


教頭「何故だね? そもそも私は【カツラ】など持っていないのだよ」


教師一同((あんたの頭に乗っかってるだろ!!))


教頭「まったく……こんなくだらんものに惑わされていないで授業の準備をしたまえ!」

教師1「す、すみません」

教頭「私にはフサフサの髪があるというのにな……勘違いしないでほしいものだよ」

教師2「そ、そうですよね」


……昼休み、食堂。


警備部長「……ってなわけで教頭はけ」


……昼休み、食堂。

警備部長「……ってなわけで教頭は警備部の護衛を断っているんですよ」


風紀委員長「ふーん……あんなあからさまなヅラがバレてないとでも思ってるのかねぇ」

男「そ、そうだね」

教頭のヅラは生徒に教師、学園関係者には周知の事実なのだ!


警備部長「風紀委員長、どうしましょ?」

風紀委員長「別に本人が要らないって言うなら良いんじゃないの?」

警備部長「《怪盗生徒会長》から予告状が来たからにはそういうわけには……」


男(それにしても……警備部長さん警備の打ち合わせを気軽にやってるな……もしかして前会長もこんな感じで警備状況を把握していたのかな?)


風紀委員長「……あ、教頭だ」

警備部長「噂をすればってやつですね」


教頭「……」キョロキョロ

女子生徒1「ねえねえ一緒にダンス部に入ろうよ」

女子生徒2「私あまり『はげ』しい運動はちょっと……」

教頭「!?」ビクッ

女子生徒1「そっかぁ」

女子生徒2「料理研究部とか良くない? 大根の『かつら』剥きとか出来たらかっこよくない?」

教頭「!!?」ビクゥ

女子生徒1「えーでも包丁とかで『けが』しそう」

教頭「!!!?」ビクビクッ

男子生徒1「やらないか?」

男子生徒2「遠慮する。俺にその『ケはない』」

教頭「」ビビクンッ


風紀委員長「……かなり動揺してるな」

警備部長「ええ、ハゲに関するワードに過敏になっていますね」

男(教頭先生……ごめんなさい)


……放課後、生徒会室。

会計「学園中《怪盗生徒会長》の噂でもちきりですよ」

男「へ、へぇ……そうなんだ?」

書記「《怪盗生徒会長》に狙われたんじゃ教頭の髪の毛も年貢の納め時ですね」

会計「『髪の毛』じゃねーし! 『カツラ』だし!」

書記「そっかぁ」

会計・書記「「アッハッハ!!」」


女「教頭先生はヅラ疑惑を否定しているらしいですね?」

男「うん、そうみたいだね」


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


前会長「……なるほどね」

男「ボクはもう教頭先生に申し訳なくて……」

前会長「なーに言ってんのよ! 警護がいないのなら仕事がしやすいってものよ」

女「そうですよ」

男(女さんまで!?)


前会長「それじゃ犯行計画会議を始めるわよ」

女「はい」

男「はあ」


前会長「私としてはせっかく二人もいるんだから『二人は怪盗♪』的なキメポーズを……」

男「犯行計画の話じゃないんですか!?」


前会長「冗談よ……男くんは真面目ねぇ」

男「真面目にやらないと捕まるかもしれませんから」

女(キメポーズかぁ……)


前会長「コホン……教頭は警備部の警護を断った」

女「はい、つまり[教頭自身のガードは薄い]かと思われます」

男(…………)

1 女の意見に同意する
2 女の意見に異議を唱える

選択肢>>109

>>109

男「いや、むしろ逆じゃないかな?」

女「え?」


男「教頭先生はヅラ疑惑を否定するために護衛をつけないんだよ」


女「あ……そうか、教頭先生自身は自分がカツラだって解っているから……」

男「そう、警戒しているはずだよ」

前会長「薄いのは髪の毛だけかもしれないわね」


前会長「次に警備部の動向だけど……」

女「教頭先生に護衛を断られたわけだから表立った行動は出来ないはずですよね?」

前会長「そうね……だとしたら」


警備部の行動予測>>112

とりあえずここまで
前会長と副会長が紛らわしいので副会長は『女』にしました。
安価下

影からこっそり護衛

同じく。
でも教頭は『つけ狙われてる』と勘違いってどう?

>>113

男「…陰ながら見守る……もとい護衛をするってとこでしょうか?」

前会長「甘いわ。警備部なら教頭を餌にしてキミ達の逮捕を優先するに違いないわよ」

女「そ、そこまでするんですか?」

前会長「《警備部流 釣り野伏》……先代もこの戦術には手こずったというわ」

男「なるほど……注意した方が良さそうですね」

>>114

……翌日(犯行予告日前日)

女子生徒「教頭先生、おはようございます」

教頭「おは……!」


??1「……」ジィ

??2「……」ジロ


教頭「ハッ!?」グワッ

ササッ
??1「」

??2「」


教頭(何者かの視線を感じる……まさか《怪盗生徒会長》か!?)

女子生徒「?」

教頭(……いや気のせいに違いない…………少し気を張りすぎだな)

女子生徒「あの……教頭先生?」

教頭「あ、ああ……おはよう……!」


女子生徒「??」キョトン


教頭(この生徒……私の頭を見ていないか!? ま、まさかバレているのか?)


教頭「……何を見ているだね」ワナワナ

女子生徒「え? なにって……」

教頭「早く教室に入りたまえ! あとこれは自毛だ!!」クワッ

女子生徒「えーもう、なにー?」



警備部員2「問題ありません」

警備部員1「こちらチームα異常なし」ガガッ


教頭「…………」

コツ、コツ、コツ・・・

警備部員1「……」

警備部員2「……」

コツ、コツ、コツ、コツ・・・


教頭「……誰だぁっ!?」グワッ


警備部員1・2「」

しーん

教頭(やはり狙われているのか? ……このままでは私の秘密が!)


……昼休み、食堂。

警備部長「警備は万全です。《怪盗生徒会長》が教頭に近づく事は不可能ですよ」


風紀委員長「やりすぎじゃね?」

男「うん、そうかも……」

警備部長「何をおっしゃる、我々は常にベストを尽くしているんです!」

風紀委員長「《怪盗生徒会長》は犯行予告日を破った事はないんでしょ? 教頭、ストレスで髪の毛無くなっちまうよ」

警備部長「『念には念を』ですよ」


男「…………」


……職員室。

教師「教頭先生、今度の……」


教頭「私に近付くなぁっ!!」

教師「うお!? ど、どうしたんですか?」

教頭「……ハッ!? すみません何の用事でしょう?」

教師「は、はあ……」



警備部員3「……チームβ異常なし」ガガッ


……放課後。

女子生徒1「教頭先生、さようならー」

女子生徒2「さよならー」


教頭「はい、サヨウナラ……」ゲソ



男「今日一日だけでかなりやつれましたね……教頭先生」

前会長「ターゲットが弱っているのなら、やりやすいわ」

女「そうですね」

男(女さんまで!?)




……そんなこんなで犯行予告日の夜がやってきた。


……教頭宅前、午後11時58分。


警備部員1「……怪盗は現れませんね」

警備部長「そうだな」

警備部員2「部長、あんパンとクリームパンどっちがいいっすか!?」

警備部員3「あ、俺クリームパン」

警備部員4「ジャムパンないの?」


警備部長「だぁーっ! 緊張感を持てよお前ら!」


がちゃっ!

教頭「か、怪盗か!? 渡さん……渡さんぞ! このカツラは私の命なんだぁっ!!」



警備部員1「やべ! 教頭出てきちゃいましたよ」

教頭「!お前達……警備部か? 何故ここにいるのかね?」

警備部長「あ、いや……これはその」

教頭「私の髪の毛は自前の天然物だと言ったはずだぞ!」



??「この世に宝があるかぎり……ボクらはそこへやってくる。この世に宝があるかぎり手に入れずにはいられない……」


教頭「こ、この声は!?」

警備部長「どこだ……どこにいる探せ!」

警備部員3「あ! あそこにいます……屋根の上!」


怪盗生徒会長「《怪盗生徒会長》……只今推参!」バーン



教頭「か、怪盗……」

警備部長「現れたな《怪盗生徒会長》! おい早くハシゴ持ってこい!」


怪盗生徒会長「フフフ、教頭先生……予告通り【教頭のカツラ】は頂きましたよ」


警備部長「……なに!?」

警備部員1「あ!? 教頭の頭が!」


教頭「は…………! はげぇっ!!?」ペタッ ペタペタ


警備部長「【教頭のカツラ】が……ない!?」



怪盗副生徒会長「ごめんあそばせ……【教頭のカツラ】は私が貰い受けましたわ」


教頭「は……?」

警備部員3「か、怪盗が……もうひとり!?」

警備部長「だ……誰だ貴様わぁっ!?」


怪盗副生徒会長「《怪盗副生徒会長》……以後、お見知り置きを」シュタッ


怪盗生徒会長「では、ボクらはこの辺で」

怪盗副生徒会長「アデュー♪」


一同「」ポカーン


現場に居合わせた教頭を含む誰もが《怪盗生徒会長》に注目したその刹那、闇に紛れて《怪盗副生徒会長》が【教頭のカツラ】を奪ったのだ!
教頭自身も気付かぬその早業……恐るべし《怪盗副生徒会長》!!




警備部長「《怪盗副生徒会長》……だと?」

警備部員1「やられたっすね」


警備部員3「つか、あの子可愛くね?」

警備部員2「うんうん」

警備部員4「俺、ファンになっちゃいそう」


教頭「……一杯喰わされたか」

警備部長「教頭、すみません! 我々がついていながら」

教頭「フッ、良いのだよ……なんだか吹っ切れた」


教頭「むしろ清々しい気分だよ……思えば私は【カツラ】という鎧で心を覆っていたのかもしれん」


警備部員1「どちらかと言うと兜っすよね?」

警備部長「しっ!」


教頭「バレてしまってから告白するのもなんだが……私、実はカツラだったのだよ」


警備部長「教頭……」

      (みんな…………知っていました)

今回はここまで


……アジト(生徒会室)。

前会長「お疲れ、首尾はどう?」

女「バッチリですよ……ほら!」

前会長「おお! グッジョブよ二人とも!」


男「ごめんなさい教頭先生……ごめんなさいゴメンナサイゴメンナサイ」ガクッ


前会長「……男くん、どうしちゃったの?」

女「どうやら罪の意識に苛(さいな)まれているようで」

前会長「大丈夫よ男くん……」ポン

男「前会長……?」


前会長「ヅラが無くても死ぬわけでもないし!」

女「ですよね♪」


男(女さんまで!?)ガーン



前会長「さあこれから【教頭のカツラ】が伝説の宝なのか確かめるわよ」


女「……どうするんですか?」

前会長「【教頭のカツラ】に二人で手をかざすの」

女「こうですか?」スッ

前会長「ほら、男くんも!」

男「は、はい……」スッ


前会長の言うとおりテーブルに置いた【教頭のカツラ】に男と女が一緒に手をかざすと異変が起きた!


パァァ・・・ピカーーッ

男「【教頭のカツラ】が……!?」

女「光輝いている!」


ピンポンピンポンピンポーン!!

男「そして謎のチャイムが!?」


前会長「当たりよ! 【教頭のカツラ】は伝説の宝だわ!」

男「なんで!?」ガーン

女「すごいです……やりましたね!」


前会長「ええ、まさか本当にカツラが伝説の宝だとは思いもよらなかったわ……」


男「ちょっとぉ! 前言ってた事と違うじゃないですか!?」

前会長「まあ良いじゃない、結果オーライよ」


テレレレテッテッテー

男「ん?」

女「なんか音がしましたね?」


前会長「二人の『怪盗レベル』が上がったのよ」



男「か、怪盗レベル?」


前会長「『怪盗レベル』(怪盗Lv)は怪盗経験値を貯める事によって上昇していく……いわば『怪盗の格』よ」

女「聞いた事あります……あの○パン三世は怪盗Lv90オーバーともいわれている……」

男「なんで女さんが知ってんの!?」


前会長「『怪盗Lv』が上がる事によって怪盗服の『怪盗スキル』が開放されるわ」


1 変装(平警備部員くらいなら簡単に騙せるぞ)
2 解錠(手錠くらいなら簡単に解除できるぞ)
3 観察(罠や仕掛けを見破るぞ)
4 その他(怪盗っぽいものを)

男と女の開放された怪盗スキル
>>134 女>>135

3

1 !
まずは基本でしょ。

>>134>>135

男「じゃあ……『観察』で」ピコーン

女「やっぱり怪盗といえば『変装』かな」ピコーン


前会長「決まったようね」

男「あの、何も変わりないんですけど……」

女「そうですね」


前会長「男くん」ヒョイ
パシッ
男「わ!? これは……?」

前会長「ちょっとした仕掛け箱よ。開けられるかしら?」


男「普通には開けられないみたい……!?」

女「男くん、どうしたの?」


男「見える……どうすれば開くのか仕掛けが解る!」

カチ、シャッ、カチカチッ・・・パカッ

女「……開いた」

男「これが……『怪盗スキル』か」


前会長「おめでとう、中の写真はプレゼントしちゃうわよ♪」

男「え……!? こ、これは……前会長の///」

女「どうしたの? 何の写真?」

男「あ……いや…………フツウノ写真ダヨ」コソコソ

女「……怪しい。ちょっと見せてよ」


男「前会長、女さんの『変装』って!?」

女「む……誤魔化すつもり?」

男「い、いや……純粋な好奇心だよ! 変装ってどうするのかなってさ!(必死)」

前会長「フフ……女さん、目の前にいる男くんをじっと見つめて」


女「? はい」ジィ

男「う」

女「じー」ジトォ

男(視線が痛い!)


前会長「そしたら今度は目を閉じて胸に手を当てて」

女「はい……」

前会長「目に焼きつけた男くんの姿をイメージするのよ」

女(男くんの……姿を……)


パァァ

男(女)「…………」

男「えええーーっ!?」

男(女)「男くんどうしたの? ……あれ、なんか声が?」

前会長「はい、鏡よ」

男(女)「はあ…………ハ?」


男(女)「なんじゃこりゃぁーーっ!?」


男「女さんが……ボクそっくりに!?」

男(女)「ど、どど、どうしよう……私!?」

前会長「女さん、落ち着いて」

男(女)「で、でも! これって!?」


前会長「大丈夫よ、すぐに戻るから。んー、どこから見ても男くんね……こことかも」

男(女)「! ……本当だ///」

男「こらーーっ! どこ触ってんですか!?」


……数分後。

女「……よかった……戻った」ホッ


男「『変装』というより『変身』ですね」

前会長「そうね、でも『変装』は数分しかもたないから気を付けて」

女「はい」

前会長「あと、いくら外見が瓜二つでも、ちょっとした仕草や喋り方でバレたりもする可能性があるからね」

女「そうですね」

男「これが『怪盗スキル』か」

女「不思議です……ほんとどうなっているの?」


前会長「なにはともあれ、これで作戦の幅が広がったわね! 期待で胸が高鳴るわ!!」

男「はあ……ボクは罪悪感と不安感で胸が押し潰されそうです」


前会長「この調子で残りのお宝も頂いちゃいましょ!」

女「おー!」


男(うう、気が進まないよ……)


今回はここまでで


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

前会長「よし、それじゃ打ち上げパーティーをしちゃいましょうか!」

女「いいですね」

男「え、もう1時になりますよ? 帰って寝たいんですけど」

前会長「なに言ってんの、若いんだから徹夜くらい大丈夫、ダイジョーブ♪」

男「えぇ……?」

女「会場はここでですか?」


前会長「さすがに生徒会室はまずいわよね……私の部屋にしましょ、帰りにコンビニ寄って」

男「は? 前会長の部屋って女子寮ですよね? ボクがお邪魔するのは、それこそまずいですよ」

前会長「ダイジョーブ! 男くんのひとりやふたりいたって問題ないわ」

男「大ありですよ!」


女「女子寮の門限って、あって無いようなものだし規則がゆるゆるなんですよ」


男「女さんまで!?」


……女子寮。

男(本当に来てしまった……)

前会長「ここの3階よ」

女「男くん、いくら規則ゆるゆるでも気をつけてね」

男「え?」


前会長「そうね《女性至上主義委員会》に見つかったら、半殺しで済まないかも……」

男「はい、解散」クルッ

がしっ

前会長「ここまで来てなに言ってんのよ」

男「い、いや……清らかな乙女の園にボクのような異物が入り込むのはちょっと……」

女「さあ、いきましょう♪」グイ

前会長「こんな時間に誰かと鉢合わせになったりしないって」グイ

男「」ズルズル


男(誰にも会いませんように誰にも会いませんように誰にも会いませんように……)ガクブル

前会長「エレベーター降りたらすぐなんだから大丈夫よ」

女「着きますよ」

チーン


風紀委員長「あれ、会長どしたん?」

警備部員1「ここ女子寮っすよ?」

男(終わったーーっ!)


前会長「私の部屋で打ち上げパーティーするけど参加しない?」

男「前会長!?」

風紀委員長「今から……? まあいいっすけど」

警備部員1「自分も良いんすか? なら是非とも参加するっす」


……前会長の部屋。


   「「かんぱーーい!!」」


前会長「おつかれー」

警備部員1「おつかれっす!」グビグビ

風紀委員長「あ、これ美味い」クイッ

女「お菓子ありますよ」


男「……どうしてこうなった?」


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

警備部員1「……そしたら部長が『誰だキサマわ!』って」

前会長「アッハッハ!」


風紀委員長「もうひとりの怪盗ね……それでか」

男「え、『それでか』って?」

風紀委員長「先週の美術館の事件だよ」

前会長「ん……? 《怪盗生徒会長》が何か盗んだやつ?」


風紀委員長「次の日に起きた盗んだ宝を返してきた方の件っすよ」

警備部員1「えぇ、何の話っすかぁ?」

前会長「詳しく聞きたいわね」

風紀委員長「ん? そんなに聞きたいの?」

男「う、うん」


風紀委員長「当日の警備は美術館を取り囲むように警備部を配置していた」

警備部員1「そっすね」

風紀委員長「なのに《怪盗生徒会長》が発見された直後には美術館内に宝が返されていた」


前会長「ふーん……でもそれって《怪盗生徒会長》がお宝を返した後に発見されただけじゃないの?」

風紀委員長「当日予告状が送られてきた事もあっての緊急配備だったけどさ、美術館の外から侵入しようとすれば発見されるように部員を配置したんすよ?」

警備部員1「おお、そっすよね。じゃあ《怪盗生徒会長》はどこから侵入していたんでしょう?」


風紀委員長「だからアタシは最初《怪盗生徒会長》は警備網が敷かれる前から美術館に潜んでいたんじゃないかって思ったわけよ」

前会長「ああ、なるほどね……予告状を送ったら大急ぎで美術館に向かうみたいな?」

風紀委員長「そうっす……でも実際は違った」


風紀委員長「《怪盗生徒会長》は美術館に入っていなかった」

警備部員1「は? それじゃお宝を返せないっすよ」


風紀委員長「いや正確には警備部が発見した《白い怪盗》は美術館に侵入していなかったのさぁ」

男(う!?)

前会長「へえ」


風紀委員長「《白い怪盗》は陽動役で警備部を引っ掻きまわして、その隙をついた《黒い怪盗》が美術館に侵入して宝を返したんじゃね?」

警備部員1「おお! 風紀委員長さん凄ぇっす、ぱねぇ名推理っすよ!」

男(あ、当たってる……)



女「でもぉ……それワタシじゃないれすよぉ///」ヒック


男・前会長「「!?」」


風紀委員長「ん? ……副会長酔ってる?」

女「酔ってないれすよぉ///」ウィック

男「なんでお酒が……コンビニで買ってなかったのに!?」※コンビニで未成年はお酒を買えません


風紀委員長「あれ、会長は酒じゃねーの?」

警備部員1「美味いっす!」グビグビ

前会長「宴会の基本でしょ」

男「アルコールは駄目ですよ!」※未成年の飲酒は法律で禁止されています


警備部員1「あれぇ……そーいえばぁこの打ち上げってぇなんの打ち上げっすかぁ///」ヒック

風紀委員長「お、そーいや聞いてなかった」

男「」ギク

前会長「ああそれはね……」


女「ワタシとぉ男くんのぉ……『はじめて』のお祝いですぅ///」


男「え"」


女「男くんとぉはじめてぇしちゃったんですよぉ……前かいちょおの手ほどきでぇ///」

警備部員1「それってぇ、どーゆうしちゅえーしょんっすか!?///」ゲラゲラ

風紀委員長「まさか3[ピーーー]?……生徒会ただれてるわぁ」

男「」

前会長「あらぁ……」

風紀委員長「もしかして、このパーティーってそういうパーティーなの?」

男「そういうパーティーってなにさ!?」


風紀委員長「…………乱交パーティー?」

男「違うよ!」

警備部員1「うわぁ自分もメンバーにぃ入っていいんすかぁ///」ゲラゲラ

男「違うから!」

前会長「あら、風紀委員長さんグラスが空じゃない……はい」

風紀委員長「あ、すんません」トクトクトク

女「女もぉ……おかわりくらはーい///」



ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


……翌日。

男(昨日はひどい目にあった……)

飲みすぎて吐いた女の○ロを片付ける男の横で警備部員1がゲ○吐いた。
突然脱ぎだす風紀委員長を止めていると前会長が『今なら翔べるような気がするわ!』とかのたまいながら窓から飛び下りようとして、それを慌てて引き戻した。

騒ぎを聞きつけた女子寮の寮監と寮長が『ウオラァ! 今、何時だと思ってるんじゃぁっ!』と激しくドアを叩く。
当然、見つかるわけにはいかない男は窓(3階)から脱出したのだ!


男(まさかボクが窓から飛び下りるはめになるなんて……あれからどうなったんだろう?)

寮監に見つかったのだ……ただでは済まないだろう。

男「停学かな……まさか退学になったりしないよね?」


風紀委員長「会長……はよ」

男「あ、風紀委員長……大丈夫?」

風紀委員長「頭いてぇ……副会長は休むってさ」

男「体調もなんだけど寮監に見つかって……」


風紀委員長「寮監? そういや寮監と寮長も前会長の部屋で寝てたけど何でかなぁ……思い出せねぇ」イテテ


男「…………」


……翌週。

前会長「大変な事が判明したわ!」


男「突然何ですか?」

前会長「【生徒会長裏日誌】に伝説の宝の情報があったのよ」

女「あの……たびたび会話に出てきますけど【生徒会長裏日誌】とは……?」


前会長「【生徒会長裏日誌】は歴代の《怪盗生徒会長》が書き記した業務日誌よ」

男「業務って泥棒じゃないですか」

前会長「まあそうなんだけどね。でもお宝の情報はもちろん窃盗手段やテクニック……知識の宝庫よ」

女「そんな凄いものなら、何で前会長が現役の時に読んでなかったんですか?」


前会長「いやぁ、なにぶん分厚くってね……読むの面倒臭かったのよ」

男・女「…………」

前会長「で、でもね! 今は受験勉強の合間に読んでるから!」

男「……受験、大丈夫ですか?」

前会長「大丈夫よ! ……読むと意外と面白くて時間忘れちゃうけど」

女「前会長の将来が心配です」

前会長「大丈夫だって! それよりも今はお宝の情報よ!」


前会長「7つの伝説の宝のうち3つのお宝が特定されたわ!」

男「え、凄いじゃないですか」

前会長「しかも特定されたお宝のリストにこの前入手した【教頭のカツラ】は含まれていないから実質4つのお宝を特定した事になるわね」

女「それはありがたいですね」


前会長「しかもそのうち2つは9代目が奪取に成功しているわ」

男「本当に凄いじゃないですか」

女「私達が1つ、9代目が2つ……なら、残るお宝はあと4つですね」


前会長「……それが、そうでもないようなの」

女「?」

男「どういう事ですか?」


前会長「伝説の宝は『盗む』事でその力を発揮するらしいわ」

女「??」


男「うーん……そのお宝を買ったり譲り受けたりしたんじゃ駄目……って事ですか?」

前会長「そうよ過去に先代から譲り受けたお宝が力を失った事例があるみたい」

女「え、その場合どうなるんですか? お宝は7つ集めないと意味がないんですよね?」

前会長「別のお宝に不思議な力が宿るようね……理屈は解らないけど」

男「それじゃ9代目のお宝を手に入れても意味がないじゃないですか」

前会長「その辺は9代目も考えているみたいね」


男「…………」


1 特定されている残り1つの行方は?
2 9代目の2つのお宝を入手するには?

選択肢>>156

安価下

2

>>158

前会長「9代目はお宝を隠したみたいなの……これを見て」


『私が手に入れた【>>160】【>>161】はそれぞれ別の場所へ厳重に保管してある。後輩達よ、私の宝を見事に盗めるかな? 第9代 怪盗生徒会長』


女「9代目からの挑戦状……?」

男「なるほど、これなら9代目からお宝を盗むって形になりますね」

前会長「当然、簡単にはいかないような場所に保管してあるでしょうね」


お宝の名前>>160>>161

名酒:人の為ならず

弓道部初代部長の愛弓

>>160

前会長「まずは【名酒 人の為ならず】について……」

男(う、お酒か……)

前会長「《幻の名酒》とも呼ばれるこの酒は東北地方のある造り酒屋で150年の年月をかけて生まれた世界中に2つとない逸品よ」

男「はあ……凄いですね」


前会長「僅かに抽出される1滴、1滴を親子孫の3代に渡ってじっと見守り続ける事150年……一升の酒を造るのに150年よ! 凄くない!?」

男「よくわかんないけどお酒ってそんな風に造るものなんですか?」

女「某化粧品みたいですね」

前会長「とにかく、それだけ想いを籠められているわけ……【名酒 人の為ならず】が伝説のお宝というのも納得ね」


男「はあ……それでお宝の場所についての記述はあるんですか?」

前会長「あるにはあるんだけどね……暗号なの」

女「暗号……ですか?」

前会長「そうなの、私にはまるでサッパリよ」

男「その暗号見せてもらえますか?」

前会長「ええ……ここよ」ペラ



『N2K1A2Z2Y3S2T5A2R4』


女「……? アルファベットと数字が交互に並んでますね」

前会長「難問ね……おそらく何か専門知識がないと解けない部類の暗号に違いないわ」

男「…………」


女「NやSは方角を表しているんじゃ?」

前会長「なるほど……だとすると他のアルファベットや数字はいったい……」

女「……! アラビア数字で表記してある事に何か意味があるんじゃないでしょうか?」

前会長「アラビア数字!? それは盲点だったわ……アラビアに関係があるのかしら?」

女「……まさか!?」ハッ

前会長「なにか気付いたの?」


女「お宝はアラビア半島のどこかに隠したんじゃ!?」


前会長「それよ! 今すぐチケットの手配をするわ。行き先はオマーンで良いかしら」

女「オマーン国際空港ですね!」※『オマーン国際空港』という名称の空港はありません


男(まずい……このままじゃ本当にオマーンまで行くはめになってしまう!?)


暗号の示す場所とは?>>166

イエメンのモカ(コーヒーで有名)

二階女子トイレ

>>165

前会長「チケットを購入したわよ。マスカット国際空港までだけど」

男「今すぐキャンセルしてください! オマーンじゃないですから!」

女「オマーンじゃない!? ……まさかイエメンのモカ?」

男「違うから! なんでそこまで限定してるの!?」


前会長「違うって……男くんは暗号が解けたわけ?」

男「わかりますよ。むしろ解けない方がおかしいですよ」

前会長「な!?」

女「じゃあ男くん、説明してよ」

前会長「そーだそーだ!」

男「ハア……わかりました」

>>166

『N2K1A2Z2Y3S2T5A2R4』


男「このアルファベットはローマ字読みなんです」

女「それじゃ最初の『N』は……『ん』?」

男「いやこの『N』は『な行の平仮名』を表しているんだ……そしてとなりの『2』という数字は『順番』……この場合は『な行の2つ目』だから」

前会長「な……に『に』というわけね! なるほど」

女「そんな! それじゃ『ん』の場合はどうすればいいの!?」

男「わ行という事にして『W3』だと思うよ……なんでそんなに『ん』にこだわるのさ」

女「『ん』も表せるんだね。あぁよかった」ホッ

前会長「つまりこれは……」


男「『N2(に)K1(か)A2(い)Z2(じ)Y3(よ)S2(し)T5(と)A(い)2R4(れ)』……『にかいじよしといれ』→『2階女子トイレ』となります」


女「2階女子トイレ……男くん凄いね!」

男「いや、これくらい気付こうよ?」

前会長「そうね、これくらいの暗号は怪盗として簡単に解けないと駄目よ、女さん」

女「はい、精進します!」

前会長「うんうん」

男「…………」



前会長「それにしても2階の女子トイレか」

女「前会長、2階の女子トイレって……」

前会長「ええ《開かずの個室》があるトイレね」

男「《開かずの個室》……?」


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー

……2階女子トイレ。

前会長「これが《開かずの個室》よ」

女「……男くん、入ってきなよ?」


男「いや……でも男のボクが女子トイレにはちょっと……」


前会長「今の時間誰もいないわよ大手を振って入ってきなさい、むしろ喜びなさいよ」

男「喜びませんよ!」


男(落ち着かないな……)

前会長「男くん、ここが《開かずの個室》よ」

ガチャガチャ
女「うーん……やっぱり開きませんね」

前会長「そうね、暗証番号が解らないものね」

男「暗証番号?」

前会長「そうよ、ほらここに」


   『暗証番号“ヨロシク”』

    1   2   3

    4   5   6

    7   8   9

        0   ♯


前会長「……サッパリだわ」

女「流石に今まで誰も開く事が出来なかった《開かずの個室》ですね」

男「」


4桁の暗証番号>>171

4649

>>171

男「馬鹿にしてるんですか!? 『4649』ですよ! ヨ(4)ロ(6)シ(4)ク(9)!!」


女「え……これって『暗証番号の入力をよろしくお願いします』って意味じゃないの?」

前会長「男くん、やるわね」

男「むしろ今まで開かれなかった方が凄いですよ」


前会長「よし4、6、4、9……っと」ピッピッピッピッ

ガチャ

女「開いた!」


男(二人とも頭は良いはずなのに……)



『見事難問を突破した後輩よおめでとう! 【名酒 人の為ならず】は生徒会室の3番書類棚の最上段にあるよ・」


女「やりましたね!」

前会長「苦労した甲斐があったわね」


男「…………生徒会室かよ!!」ガーン



《怪盗生徒会長》は【名酒 人の為ならず】を盗んだ。

>>161

……翌日。

前会長「【弓道部初代部長の愛弓】はその名の通り御宝学園弓道部初代部長が愛用していた弓よ」

男「まあそうでしょうね」

前会長「それなら説明はいらないね。さあ弓のある所に行くわよ」


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


……音楽室前。

ガチャガチャ
前会長「……鍵が掛かっているわね」

男「ここ音楽室なんですけど……本当に【弓道部初代部長の愛弓】があるんですか?」

前会長「お宝があるのは奥の『音楽室準備室』よ。9代目が卒業する時に弓を寄贈したの」

女「あの……もしかして【弓道部初代部長の愛弓】って……」


前会長「ヴァイオリンの弓よ」


男「弓道関係無いじゃないですか!?」ガーン


前会長「弓道部初代部長は今も世界で活躍している有名なヴァイオリン奏者よ」

男「なんで弓道部の部長がヴァイオリンを……」


前会長「知らないわよ……とにかくその部長が使っていた弓がオールドなんちゃらって凄い代物らしくて9代目が頂戴したらしいわ……ああもう! やっぱり開かないわ」ガチャガチャ

女「怪盗スキルでなんとかならないんですか?」

前会長「私の怪盗スキルは『逃げ足』に特化しているの! 『解錠』は苦手なの……ってか怪盗服着てないから無理!」

男「さいですか」


前会長「しょうがない、職員室から鍵を借りてくるしかないわね」

男「でも鍵を借りた後に弓が無くなっているとボクらが疑われますね」

女「それなら私の『変装』で……」


誰に『変装』する?>>177

>>177(176)

女「それじゃ音楽の先生になりますね」←怪盗服に着替えた

前会長「いいわよ」


シュバッ シュッシュッ・バッ!

女「変……身!」

パァァ

音楽教師(女)「……どうでしょう……似てます?」

男「うん、どこからどう見ても音楽の先生だよ」


音楽教師(女)「え、エヘヘ」

前会長「“しな”を作らないの」※音楽教師はおじさんなのだ



音楽教師(女)「し、失礼します」ガラッ


男「……先生なのに『失礼します』って」

前会長「緊張しているみたいね……大丈夫かしら?」


……職員室。

音楽教師(女)「えーと、音楽室の鍵は……」キョロキョロ

教師「先生、どうしたんですか?」

音楽教師(女)「あ、いや……ちょっと音楽室の鍵を」

教師「? 鍵ならそこのボックスですけど……」

音楽教師(女)「いやぁ、ど忘れしちゃった……あはは」

教師「??」


かちゃ

音楽教師(女)(鍵の位置くらい確認しておくんだった……ん?)

音楽教師(女)「あれ……音楽室の鍵がない!? どうしよう!?」オロオロ


音楽教師「あ、すいません! 音楽室の鍵は俺が持ってますよ」

音楽教師(女)「あ……え?(しまった! まさかの本人登場!?)」

音楽教師「すいませんねぇつい持ち歩いちゃって……はい、鍵」チャリ

音楽教師(女)「は、はあ……ありがとうございます」ソソクサ









音楽教師「…………んん!?」バッ


音楽教師「……いない……疲れてるいるなぁ、俺」


女「ハァ、ハァ……鍵、持ってきました」←変装解けた

前会長「はい、お疲れさま」

男「女さん、大丈夫?」

女「だ、大丈夫……音楽の先生本人と鉢合って焦ったけど」

男(本当に大丈夫だったのか?)



……再び音楽室。

カチャン
前会長「開いたわ」

男「お宝は奥の『音楽準備室』ですよね」

前会長「ええ」

女「じゃあ『音楽準備室』へのドアの鍵を開けるわよ」


カチャン ガラリ

前会長「さあ、探すわよ」


1 男「手前の辺りを探す」
2 女「棚の上が怪しいですよ」
3 前会長「いや、奥の方に違いないわ」

選択肢>>181

>>181

女「棚の上が怪しいですよ……あれ、なんかある」ポチッ

男「え……ポチって」


ガシャン ウイィーンガションガション

謎のロボ「シンニュウシャハッケン。ハイジョシマス」


男「あの蜘蛛みたいのはなんですか?」

前会長「……! まずいわ、女さん早くそこから離れて!」

女「え?」

男「女さん危ない!」ダッ

ドガガガガガッ!

女「キャア! ……あれ?」

男「女さん大丈夫!?」

女「う、うん……ありがとう」

男「前会長! いきなり撃ってきましたよ何ですかこれ!?」


前会長「奥内戦闘用の小型無人多脚戦車よ……3年前にロボ研が造ったんだけどAIに致命的な欠陥があって使い物にならないから廃棄されたはず」


男「小型って普通に2・5メートルくらいあるんですけど?」

前会長「十分小型よ……ちなみに搭載されているM134改良型の弾は一応ゴム弾だけど……それでも当たったら死ぬかも」


男「なにそれ!!?」ガガーーン


今回はここまで


前会長「ヤバい……ヤバいヤバいヤバい! い、今の私は戦闘力皆無だから二人に任せるわ!」

男「え、そんな!?」

前会長「二人は怪盗服で身体能力がUPしているから大丈夫!」


前会長「男くん、怪盗スキルよ! 『怪盗スキル』でなんとかなるはずよ!」ピュー

女「男くん!」

男「!」ダッ

多脚戦車「ハイジョシマス」キーン

ドガガガガガッ!


男「危な……怪盗スキルか……ボクの『観察』で」


1 多脚戦車を視る
2 女のスカートを視る

選択肢>>188

>>188

多脚戦車「サーチ アンド デストロイ サーチ アンド デストロイ」

ガションガション

女「キャー!」


男「あの戦車?にも何か弱点があるはず……」

男「『観察』!」キィィ


多脚戦車「」


男(……機体が右側に傾いている……ミニガンを無理矢理搭載しているから過重積載なんだ! あれじゃ右側の脚に負荷が係って機動性に影響がでるはず。後は……ん、なんだあのコード?)


女「来るよ男くん!」

男「くっ!」バッ

ダララララララッ

男「女さん!」



男の行動>>190 女への指示>>191

右側に回り込む

機体から延びてるコードの先に向かわせる

>>190>>191

男「女さん、機体から伸びているあのコードをたどって!」ダッ

女「わかった!」ダッ

多脚戦車「」ギギッ


女に指示を出しつつ男は多脚戦車の右側に回り込む。多脚戦車のAIは、より近い距離の男の方が脅威と判断し男に向き直ろうとするが若干動作が鈍い!


男「くらえ……《怪盗ローキック》!」

がしっ がしっ!

多脚戦車「イタイデス」※《怪盗ローキック》は地味に効くのだ!


多脚戦車「ハイジョシマス」

ガション! ヴゥン

男「え?」


ガラッ
前会長「男くん、多脚戦車の前足?には接近戦用の試作型レーザーブレードが装備してあるわよ」ガラッピシャ


男「それを早く教えてくださいよ!」ガーン


多脚戦車「ハイジョ」ヴォン

男「!!」


1 距離をとる
2 機体の下に潜り込む

選択肢>>194

2

>>194(この選択肢ならこっち選ぶわ)

男「下だ!」ザッ

ザンッ ガシュゥッ!


咄嗟に多脚戦車の真下に滑り込む男。襲いかかるレーザーブレードの刃は戦車自身の脚を焼き切った!

ガゴォンッ

男「うわ!?」

多脚戦車「ハイジョシマスハイジョシマス」ガシャガシャ


バランスを崩して前のめりに倒れた戦車は残った5本の脚で立ち上がろうとする……しかし!

男(ヤバい……潰される!?)


多脚戦車「ハイジョシマスハイジョシマスハ……」ヒュゥン ピタッ



多脚戦車「」

男「…………止まった……?」

女「男くん怪我してない!?」

男「……女さん?」


女「なんかあれ電源コードだったみたい……しかも家庭用100v電源」


男「……あ……アハハ、ありがとう助かったよ」



男「……なんでこんな物騒なものが?」


女「男くん、やっぱり棚の上にあったよ!」

男「本当だ……この弓を取ろうとすると、あのロボットが起動するようになってたのか」


ガラッ
前会長「どうやらお宝を守るガーディアンだったようね」


女「前会長も無事でしたか」

前会長「ええ無問題よ!」

男(この人は)


前会長「これで9代目のお宝は2つともゲットね」

男「ええ……ただ気になる事が」

女「どうしたの、男くん?」


男「9代目が卒業する年(7、8年前)に寄贈したお宝を、3年前に廃棄されたはずのロボットが守っていたんですよね?」

女「あ……」

前会長「確かに妙ね……でも気にしちゃ負けよ」

男「……負けって」


前会長「結果オーライ! お宝が手に入っんだから良いじゃないの♪」

女「そうですね!」

男(女さんまで!?)


前会長「いつまでもこんな場所にいられないわ。撤収よ!」


テレレレテッテッテー

女「あ、『怪盗Lv』が上がった音がしましたよ」

男「本当だ」

前会長「さあ、新しい『怪盗スキル』を選びなさい」


1 解錠(手錠くらいなら簡単に解除できちゃうぞ)
2 迷彩(数秒間だけ姿を消せるぞ)
3 透視(障害物の向こう側が見えちゃうぞ)
4 その他(怪盗っぽいものを)

取得した怪盗スキル
>>199>>200

1


光学迷彩!

>>200

女「『迷彩』って便利そう」ピコーン

前会長「『迷彩』は一時的に自分の姿を透明化出来るわ。試してみて」

女「えっと……『迷彩』!」シュン

男「……あ!」


 「どう? 私……ちゃんと消えてる?」


男「き、消えている……姿は見えないのに声だけ聞こえるよ」

前会長「透明化しているのは姿だけ、触れるし弾丸がすり抜けるわけじゃないから気をつけてね」

 「はい」

男(前会長が独り言を言ってるようにしか見えない)


女「凄いですね、これならお宝を奪うのも楽チンです」スゥ

男「もう見えてるよ」

女「え? ……ホントだ」

前会長「せいぜい数十秒しか透明化出来ないようね」

女「残念です……」


男「でも、使えるスキルだよ『変装』と『迷彩』を巧く使えば大抵の場所に侵入出来そうだね」

女「そ、そうかな……私って凄い?」

男「うん、凄い凄い」

女「エヘヘ///」

>>199

前会長「フフ、男くんはどのスキルを選ぶのかな?」

男「『解錠』を……持っていて損は無さそうだし」ピコーン

前会長「『解錠』……さすが男くん、《技術型》の定番よね」

女「《技術型》……?」


前会長「『観察』『解錠』といったスキルは仕事をする上で非常に有効なの、鋭い観察眼と確かな技術……職人肌の怪盗とも言えるわ。ちなみに女さんは《隠密型》ね」

女「そうか『変装』に『迷彩』……どっちも人を欺くスキルだ」

前会長「他にも《戦闘型》《エンターテイナー型》《奇行型》《怪人型》……」

男「も、もういいですから……『解錠』について教えてください」


前会長「男くん」ポイ

パシ
男「うわ……っと……南京錠?」

前会長「開けてみて……はい、ヘアピン」


男「ドラマじゃないんだからヘアピンなんかで……」カチャカチャ

カシャン

女「開いた!?」

男「これは……」

前会長「南京錠やシリンダー錠なら余裕で開けられるわよ」

男「凄いな……意識しないで開けられた」

前会長「さすがに電子錠は無理よ、そっちは『解錠』の上級スキルで出来るからその方面のスキルを伸ばすのも良いかもね」

男「なるほど」



前会長「よーし、これで3つのお宝が集まったわ。残り4つ……この調子でガンガンいこうぜ!」

女「わー」パチパチ

男「はぁ」

前会長「特定した残り1つは来週末から開催される『グンマー帝国の秘宝展』のメイン展示【>>206】よ」

女「【>>206】……ですか」


前会長「もう予告状は送り済みよ」

男「またですか!? ちょっとやめてくださいよ!」

前会長「なに言ってんのよ。どうせ頂かなきゃならないなら早い方が良いでしょ? 『善は急げ』ってね」


男「窃盗は悪事ですよ!」ガーン



グンマー帝国の秘宝>>206

ジオラマ:ヘンダーランド


……翌日。『怪盗対策緊急会議』

警備部長「皆さん、お忙しい中集まっていただいて大変恐縮であります。本日の会議の案件は最近活動が頻繁になってきている《怪盗生徒会長》への対策についてであります」


男(只々、申し訳ないよ)

女(なんだか複雑な気分)

警備部員1(自分も出席しなきゃいけないっすか?)

風紀委員長「だりぃ……帰りてー」

警備部長「風紀委員長、真面目に取り組んでください!」

風紀委員長「真面目に帰りてー」

警備部長「ああ、もう! 警備部員1、最近の《怪盗生徒会長》の犯行を」


警備部員1「あ、はいっす……皆さんも知っての通り美術館の『【豚野郎の真珠】窃盗事件』から《怪盗生徒会長》の活動が活発化しているっす」

女「そうですね」

警備部員1「翌日の『返却事件』そして『【教頭のカツラ】強奪事件』……ここで新たな怪盗が現れたっす」


女「《怪盗副生徒会長》ですね!」キラキラ


男(女さん……そんな嬉しそうに)


警備部員1「そうっす。《怪盗副生徒会長》は、おそらく我々と同年代の可愛い女子と思われるっす……実は警備部の有志が『怪盗副生徒会長非公認ファンクラブ』を創設したっす」

女「え、そうなの?///」

警備部長「それはどうでもいい! 問題は《怪盗生徒会長》に共犯者がいた事です」

男「う、うん……そうだね」


警備部長「更に昨日起きた音楽準備室での騒動、目撃者の証言から《怪盗生徒会長》と《怪盗副生徒会長》……そしてもう一人の女子生徒の姿が確認されているのです!」


女「え!?」

男「その女子生徒の素性は判明したの?」

警備部長「いえ、現場は酷い埃が立ちこめていて残念ながら顔までは判らなかったそうです」

女「そ、そうでしたか」ホッ

男(前会長、危ないですよ)

風紀委員長「ふーん……協力者もいたわけか」


警備部員1「現在音楽準備室の調査中っすけど、どうやら怪盗はあそこで現場に遺棄されていた多脚戦車と戦闘になったみたいっす……音楽準備室がメチャメチャなのも多分、多脚戦車の仕業っす」

警備部長「本当にそうなのかぁ? 《怪盗生徒会長》が多脚戦車を持ち込んだんじゃないのか?」


男・女((酷い言い掛かりだ!))


男「その多脚戦車なんだけど……資料には3年前に廃棄された事になっているらしいけど……」

風紀委員長「そっちも調査中だよ。今、ロボ研の奴等を取り調べてるけどさ、なんか判ると良いけどね」


警備部長「そして、また予告状が届けられました」

男「そ、そうなの?」アセアセ

警備部長「『グンマー帝国の秘宝展で【ヘンダーランド】を頂戴します 怪盗生徒会長&副生徒会長』……フザケやがってぇ!」


警備部員1「【ヘンダーランド】ってなんすか?」

男「そもそもグンマー帝国を知らないんだけど……」

風紀委員長「え、会長グンマー知らないの?」

男「う、うん」

女「おと……コホン 会長、グンマー帝国は古代日本の一部族《グンマー族》によって興されたという巨大国家です。関東以北をほぼ占領し栄華を極めたと云われましたが鎌倉幕府に亡ぼされてしまいました」


男「ボクの知ってる日本史と違うよ!?」ガーン

>>206

女「【ヘンダーランド】とはグンマー帝国の首都の名前で実際の1/10000スケールのジオラマです」

警備部員1「ジオラマっすか」

女「ただの模型ではありません。約1500年前に作成されたもので占術や呪術、都市開発でも使用されたという歴史的にも価値のあるものだそうです」

男「そのジオラマの大きさは?」


女「その……2×3の6㎡です」


男「6㎡!?」

風紀委員長「どしたん?」

男「あ、いや……《怪盗生徒会長》はそんな大きな物どうやって盗むのかな? って」

女「…………」



??「盗まれる前に怪盗を捕らえれば良いだけの事です」


女「え?」

警備部員1「この声は!?」


副委員長「風紀委員会副委員長、姉妹校の反乱鎮圧任務より帰還しました」


風紀委員長「げ!」



副委員長の性別
>>212のコンマ 奇数で男、偶数で女(00は偶数とする)

んあ


副委員長「風紀委員長、お久しぶりです」

風紀委員長「お、おう……2週間ぶり……くらい?」

副委員長「正確には12日です。相も変わらずだらけていますね」

風紀委員長「相変わらず小言ばかりだな」


男「おかえり副委員長、お疲れさま」

副委員長「会長、ご無沙汰していました。姉妹校の件、反乱の首謀者は協力者共々すみやかに処断しました」

男「そ、そうなんだ」


風紀委員長(怖ぇよ)

警備部員1(怖いっす)

警備部長(恐ろしい人だ)


副委員長「私が留守の間、随分と学園の治安が乱れてしまったようですね」

風紀委員長「それほどでもないだろ」

副委員長「怪盗に好き放題やられているではないですか! 聞けば2階女子トイレの《開かずの個室》が開放されたらしいじゃないですか」

風紀委員長「なんでもかんでも怪盗のせいにすんなよ……トイレが使えるようになって便利じゃん?」


男・女((ごめんなさい))


副委員長「【ヘンダーランド】の警備は私が現場で指揮を執りますので」

警備部長「あ、あの現場の指揮は自分の……」

副委員長「何か?」ギロ

警備部長「い、いえ!」ビクッ


風紀委員長「風紀委員会は作戦本部だろうよ?」

副委員長「事件は会議室で起きているんじゃないんです!」

風紀委員長「あー……好きにしろ」メンドクセエヤツダナ

副委員長「ククク……怪盗など、この【大典太】の錆にしてくれますよ」スラァ


男(なんで刀持ってるの!?)ガクブル

女(これは強敵……かも)


ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


前会長「なるほどね」

男「『なるほどね』じゃないですよ。【ヘンダーランド】が6㎡もあるなんて聞いてないです」

女「【ヘンダーランド】が伝説の宝だと判っていても先代達が狙えなかったわけですね」

前会長「その辺の事はちゃんと考えてるって♪」


1 「ジオラマの展示フロアのてん天井はガラス張りなのよ」
2 「ジオラマの展示フロアの真下に大きな下水道が通っているのよ」
3 「模型なんだから、ばらして少しずつ盗むのよ」
4 「……男くんが」

選択肢>>218

>>218

前会長「模型なんだから、ばらして少しずつ盗むのよ」


男「ばらして……少しずつ?」

前会長「そのために予告状には犯行日時を書かなかったわ」

女「『グンマー帝国の秘宝展』の開催期間中に渡って犯行を?」

前会長「そうよ」

男「犯行の回数が多ければそれだけバレる可能性が高くなるんじゃ……?」

前会長「最終的にはバレるでしょうね」


前会長「ジオラマを盗むのは女さん、男くんは監視カメラの偽装工作とかサポート全般よ」

男(うーん……無理があるような……)


前会長「あら『異議あり』って顔ね?」


1 「いえ、やってみましょう」
2 他の案を提案する


選択肢>>220

>>220

男「やっぱり無理があると思います。女さんの『変装』や『迷彩』は長時間の仕事には向いていないし途中でバレると危険です。風紀委員会や警備部だってそこまで間抜けではないと思いますし」

前会長「ム……男くんは慎重派なのね」

男「臆病なだけですよ」

女「でも、どうすれば……」


男「現場の見取り図と設計図を見てください」

前会長「フム」

男「ここが展示フロア……ここの天井はガラス張りです。そして真下には結構な広さの下水道が通っています」

女「うん、そうだね……ってまさか!?」

男「前会長、爆薬は用意できますか?」

前会長「!? ……臆病者の考え方じゃないわね」



1 天井作戦
2 下水道作戦

選択肢>>222

2

>>222

ーーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


男「……と、こんな感じの作戦を立ててみたのですが」

前会長「下水道を……大胆な事思いつくわね」

男「いろいろと必要な物がありますけど……」

前会長「その辺は大丈夫よ。来週までに揃えられるわ」

女「え、そんなに早く?」


前会長「そうよ、なんたって《怪盗生徒会長》には協力者がいるからね」


男・女「「協力者!?」」


……1週間後。

前会長「ここに協力者がいるわ」

女「ここって……化学室」

男「まさか協力者って……?」

ガラリ

前会長「先生、いる? ブツを取りに来たんだけど!」


ウィーン
化学教師「そんな大声を出さんでも聞こえるわ。相変わらずじゃのお」


男「……化学の先生」

女「先生が協力者……?」


マジックハンドのような義手に怪しげなゴーグル、電動車イスで現れた老人は学園一の変人で知られる化学教師だった。


化学教師「イッヒッヒ……久しいのぉ、はてさて、お主がワシを頼るのは何年ぶりだったか」キュイーン

前会長「私が『怪盗』として先生との付き合いは1年くらいしかないでしょ? いいから頼んでおいたブツをよこしてよ」

化学教師「また仕事か? 随分と大仕事のようじゃな。ヒッヒッヒ」カシャカシャ


前会長「私はもう引退したわよ。今の『怪盗』はこの子達よ」

男「生徒会長の男です。よ、よろしくお願いします」

女「副会長の女です」

化学教師「なんと! もう代替わりしとったのか……しかも今度は二人組かえ? ふぇふぇふぇ」ウィーン


女「あの……先生が《怪盗生徒会長》の協力者なんですよね?」

化学教師「いかにも。《怪盗生徒会長》とは初代の頃から二十年来の付き合いじゃて」カシャカシャ

女「初代から!?」

男「……どうして先生は《怪盗生徒会長》の犯行に協力するんですか?」


化学教師「カネじゃよ……研究には何かと金がかかるでなヒッヒ!」ウィウイーン

女(うわぁ……)

男「……でもボクらにはお代を払えるほどのお金を持ってないですけど」

前会長「問題ないわよ。お金を払うのは私達じゃないから」

男「え?」


化学教師「『怪盗』に協力すればワシの口座に代金が振り込まれておってな」

男「は!? いったい誰からですか?」

化学教師「知らん」ウイーン

男「『知らん』て……」


化学教師「ヒッヒッヒ『《怪盗》の秘密を守り協力すれば金が得られる』ならば相手が誰だろうと構わんよイーヒッヒッヒ!」カシャカシャ

男(いいのかな……?)

前会長「お話はそれくらいにしましょ。それでブツは?」

化学教師「ヒヒ、そこにまとめておる……扱いには気をつけるんじゃぞ」

前会長「フム、C4にGPS、etc……」


化学教師「そうじゃ、ついでにこれをやろう【スタンロッド】と【高出力小型モーターリールと超硬度ワイヤー】じゃ」

前会長「あら、良いわね」

男「これは……?」

化学教師「鉄火場になる事もあるじゃろうて、護身用にな……イッヒッヒ」ウィウイーン

女「これなら安心ですね」

男「そんな事態、ごめん被(こうむ)るよ」


――――――――――――――
―――――――――
――――



……『グンマー帝国の秘宝展』開催数日前。


警備部長「副委員長【ヘンダーランド】の搬入と設置、只今終了いたしました!」

副委員長「そうですか、まだ開催前だからといって油断しないように願います」

警備部長「ハッ! お前ら気を抜くなよ、もう警備は始まっているんだ!」

警備部員1「はいっす」

警備部員2「まかせてください」


――――――――――――――
―――――――――
――――


ンガガガガガガガガガガガガガガ

警備部員1「……」(展示フロア警備中)

警備部員2「……」(同じく)

警備部員3「……」(同)


ンガガガガガガガガガガガガガガ

警備部員2「……」

警備部員3「……」


警備部員1「…………なんすかこの音?」

警備部員2「どっかで展示台の取り付け作業でもしてんだろ」

警備部員3「喋んなよ、副委員長や部長にどやされるぞ」

警備部員1「なんか下から響くような……」

警備部員3「いいから黙ってろよ」

続く。


副委員長「ご苦労様です」


警備部員1「あ、副委員長お疲れさまです」

副委員長(実は女)「【ヘンダーランド】に異常はありませんでしたか?」ピッ

警備部員3「異常ありません!」

副委員長(女)「フム……実に精巧に出来た模型です。《怪盗生徒会長》が欲しがるのも無理はない」ピッ

警備部員2「は、はあ」

副委員長(女)「この木材の質感も縮尺比を考えて……」ピッ



……展示フロアの地下。

ピピッ
男「お、ジオラマの正確な位置が……ん? 予定位置より南に60㎝ずれてるな……ここら辺か」ガチャ

ズガガガガガガガガガガガ

男「うぅ掘削機重い……」


……展示フロア。

ンガガガガガガガガガガガガガガ

副委員長(女)「…………」

警備部員1「あ、またっす。副委員長、この地の底から響くような音はいったい何でしょうか?」


副委員長(女)「これは……」


適当な言い訳を考えるのだ!
>>231~

グンマー関係だから不可解なことが起こっても不思議じゃない

>>231

副委員長(女)「古来より精霊信仰のグンマーには様々な怪異譚や怪現象のような言い伝えがあります……今更地の底から響くような不可解な音がしたところで大した事ではありません」


警備部員1「そうっすか?」

警備部員2「さすがにそれは……なあ?」

警備部員3「嘘くせーですね」


副委員長(女)「……私の話を信じられない……と?」ジロッ


警備部員1「も、モチロン信じてるっすよ!」

警備部員2「お、おうグンマーだから何が起きても不思議じゃないよな!」

警備部員3「うんうん、一理あるな!」

副委員長(女)「こんな音など気にせずしっかり警備なさい」

警備部員1、2、3「「は、はい(っす)!!」」


副委員長(女)「では、よろしく頼むわよ」パチッ←ウインク

警備部員2、3「「ハイ!!」」ウヒョーッ

警備部員1「……?」



副委員長「ご苦労様です」

警備部長「しっかりやっているだろうな」


警備部員1「お疲れさまっす(あれ?)」

警備部員3「お疲れさまです(今さっきあっちの通路に出ていったはずの……)」

警備部員2「異常ありません(副委員長がこっちから……何故?)」


副委員長「これが【ヘンダーランド】ですか……こんなオモチャを欲しがる人間がいるとはとても思えませんね」

警備部長「まったくです」


警備部員1(おや、先程と言っている事が違うような……?)

警備部員2(これは如何に?)



ンガガガガガガガガガガガガガガ


副委員長「……これは何の音ですか?」

警備部長「何の音だ!?」


警備部員2「え? これはグンマーにまつわる怪現象ですよ?」

警備部員3「そうそうグンマーの怨霊が……」

警備部員1「副委員長さんが自分で言っ「な、何を馬鹿な事を!?」」
副委員長「……お、おお怨霊とか非科学的な!」タジッ


警備部長「あ、あの……副委員長?」

副委員長「ハッ!? コホン……つまらぬ事を言ってないで仕事に集中なさい!」

警備部員1、2、3「「は、はい(っす)! すんません!!」」


副委員長「真面目におねがいします……では」ソソクサ

警備部長「あ、副委員長!? お前ら真面目にやれよ!」



警備部員2「……なんだったんだ?」

警備部員3「わかんね」

警備部員1「不可解っす」


……地下。

男「ふう……こんなものかな? ん、女さんからだ」ム"ーッム"ーッ

ピッ
男「はいはい、大丈夫だった? ……うん……え!? そう……ありがとう助かったよ」

男「こっちは問題ないよ。あとは爆薬を仕掛けるだけだから……うん、じゃあまた」ピッ



男「あとは水位か、今の高さだと荷物込みで喫水ギリギリだな……雨を待った方が良いかな……」


――――――――――――――
―――――――――
――――


……『グンマー帝国の秘宝展』開催二日目、生徒会室。

男「気象情報では明日の天候は雨……作戦は明日閉館後の21時に決行します」

女「やっとですね」

前会長「今回は男くんの全面プロデュース。楽しみにしてるわよ♪」

男「あまり期待しすぎないでくださいよ」

前会長「ところで、会場にはどうやって登場するの?」


男「登場しませんよ。今回の作戦は下で待っているだけで良いわけですから」


前会長「はあ!? 何を言ってんの怪盗はコソ泥じゃないんだから警備部の前で堂々と高笑いしなきゃ駄目でしょ!」

男「○パン三世だって毎回○形警部の前で見栄を切っていませんよ」

前会長「駄目! 格好良く登場しないと絶対駄目よ!」


女「男くん、どうする?」

男「…………」



1 会場に現れる
2 わざわざ危険は冒せない

選択肢>>239

1

>>239

男「はぁ……わかりました。それじゃ会場に現れる方向でいきますよ」


前会長「そうこなくっちゃ! それでこそ《怪盗生徒会長》よ♪」

男「女さん、会場への侵入計画を練ろう」

女「うん」

男「まずは女さんが……」


前会長(うんうん、こうやって後進が育っていくのを見守るのも良いものね)


……翌日『グンマー帝国の秘宝展』20:57。


警備部員1「……開催三日目の今日も来なかったっすね」

副委員長「まだ気を抜かないように……怪盗は少しの隙間からでも入ってきますよ」

警備部員2(ゴキブリかよ)


バチン!

警備部員1「うわ!? 真っ暗っす!」

警備部員3「停電か!?」

がやがや

副委員長「狼狽えるな!」



?「ボクのこの手が真っ赤に燃える……」

??「宝を盗めと轟き叫ぶ」


警備部長「こ、この声は!?」

警備部員1「あそこっす!」



怪盗生徒会長「《学園怪盗 生徒会長》……」

怪盗副生徒会長「同じく《副生徒会長》」

会長・副会長「「只今、見・参!!」」バーーン


副会長「怪盗……!」

>>241
副会長「怪盗……!」→副委員長「怪盗……!」


警備部長「【ヘンダーランド】を守れ!」

警備部員達「「おう!!」」


怪盗生徒会長「あ、【ヘンダーランド】に近づくと危ないですよ」


警備部員達「「え!?」」


怪盗副生徒会長「ポチっとな」カチッ


ボボボボンッ!

警備部長「なにぃ!?」

警備部員1「【ヘンダーランド】の周りが爆発したっすよ!?」


メリメリ・・ミシミシ

ヘンダーランド「」ガコン

ひゅーーん

警備部員達「「落ちたーーっ!!?」」ガーーン


怪盗生徒会長「【ヘンダーランド】は頂きましたよ……それじゃボクらもこの辺でおさらばです」ヒューン

怪盗副生徒会長「お名残惜しいですわ♪」ヒューン


副委員長「ま、待て! 逃がさんぞ怪盗め!」ヒューン



警備部長「ふ、副委員長ーー!?」

警備部員1「……行っちゃったっすね」



怪盗生徒会長「……っと」スタッ

怪盗副生徒会長「……ヨっと……10・00!」シュタッ


怪盗生徒会長「うん、【ヘンダーランド】も壊れて……!」

副委員長「チェストォォーーッ!」ヒューン

ビュンッ

怪盗生徒会長「うわっ!?」

副委員長「避けるな!」チャキッ

怪盗生徒会長「む、無茶を言う……」


怪盗副生徒会長「生徒会長!?」

怪盗生徒会長「大丈夫、副生徒会長は運転をお願い!」

副委員長「船……? こんなものまで用意していたか……なるほど下水道は盲点だった」

ザパァブイィ

怪盗生徒会長「……降りてくれませんか?」

副委員長「断る……貴様らこそ、おとなしく縛につけ」チャキッ

怪盗生徒会長「……お断りです」シャキッ


副委員長「……」

怪盗生徒会長(うぅ……格好つけたものの、副委員長は明らかに剣の達人……身体能力が強化されていても戦闘じゃボクは素人だ)

副委員長「来ないのか……ならば!」ザッ

怪盗生徒会長「!?」

ギィン


副委員長「!? よくぞ防いだ……その物腰、素人かと思ったがそうでもないらしい」チャキッ

怪盗生徒会長「ぐ、偶然です(怖っ! 本当にボクを斬ろうとしてない!?)」


副委員長「ならば……!」ビュッ

怪盗生徒会長「弾ける……!?」グッ

バシィッ カラカラン


副委員長「……斬釘截鉄(ざんていせってつ)」

怪盗生徒会長「うぐぅ……!」

副委員長の刀の切っ先が男の首元に突きつけられる。スタンロッドを取り落とした男の右手の甲には一文字の痣が刻まれていた。


副委員長「峰打ちだ……が、骨くらいは砕いたか?」

怪盗生徒会長「……! っつぅ……」ガクッ


怪盗副生徒会長「生徒会長!?」


副委員長「さあ、船を停めなさい」

怪盗副生徒会長「…………」


怪盗生徒会長「と、とめる……必要は……ない」フラッ

怪盗副生徒会長「で、でも……」

副委員長「立ち上がるな……気絶してもおかしくない激痛のはずだぞ」

怪盗生徒会長「副委員長、このままキミをアジトまで連れていくわけにはいかない……」

副委員長「ならばどうする?」

怪盗生徒会長(もうすぐ大きなカーブがある……)シャキッ

副委員長「今度は左手か……いいだろう」


怪盗生徒会長「キミは覚悟を決めたか? ボクにはできている」

副委員長「……何の話だ?」


その時男の予想通りボートは大きなカーブに差し掛かり船体が大きく傾いた!


副委員長「!?」

怪盗生徒会長「今だ!」ダッ

がしっ

副委員長「な、貴様……!」

怪盗生徒会長「増水した下水に落ちる覚悟だ!」

ドボーン!

怪盗生徒会長「行け! そのまま予定通りに……!」


怪盗副生徒会長「そ、そんな……生徒会長ーー!!?」


男は副委員長を道ずれに増水した下水の中へ飛び込んだ!

続く。



ザバァァッ

副委員長「は、離せ!」ジャバッ

怪盗生徒会長「暴れないで! ……くっ、ワイヤー!」バシュッ

シュルシュルッ・・ガキン!

ズキン
怪盗生徒会長「ぐうぅっ……!」ギシィ

副委員長「お前……」


――――――――――――――
―――――――――
――――


必死にワイヤーにしがみつき男と副委員長は命からがら濁流から這い出た。


怪盗生徒会長「ハァハァ、ハァ……た、助かった……」

副委員長「……無茶苦茶な奴だな」

怪盗生徒会長「ご、ごめん……っつぅ!?」ズキ

副委員長「痛むのか? 砕けているかもしれない手で無理をするからだ」

怪盗生徒会長「はは……面目ない」


副委員長「ほら手を出せ……そっちじゃない、左手だ」

怪盗生徒会長「あ、あれ……手当てしてくれるんじゃ?」

副委員長「誰がそんな事を言った」

カシャン

怪盗生徒会長「あれ……?」チャラ

副委員長「怪我をしていない方に掛けるのは武士の情けだ」カシャン


男の左手は副委員長の右手と手錠で繋がれてしまった……


……一方、女は。

ブイィィー

前会長「お、きたきた」

ザザーッダダダ

女「た、たた大変! 男くんが副委員長さんと……!」

前会長「な、なに? 女さん落ち着いて」

女「男くんが……男くんがぁ……うわぁぁーーん」

前会長「……男くんがどうしたってのよ?」


――――――――――――――
―――――――――
――――


前会長「副委員長を道づれにして……落ちた?」

女「男くんを探しに行きましょう!」


前会長「……駄目よ。すぐには捜索出来ないわ」

女「何でですか!?」

前会長「ただでさえ雨で増水して危険なのに、警備部の捜索隊と鉢合わせになったらどう言い訳するの」

女「だったら私が怪盗として一人で行きます!」


前会長「男くんは怪盗の正体を隠すために副委員長を引き離したのよ」

女「……」

前会長「男くんを信じなさい……必ず帰ってくるわ」


……そしてまた男。

カチャチャラ
怪盗生徒会長「あの……」

副委員長「黙って歩け。……しかし何なのだこの下水道は? まるで迷路のようだ……暗いし臭いし」

怪盗生徒会長「学園がこの市を買い取った後、元からあった下水道に大きく手を加えたらしいですよ……おかげでボートが通れるほどの巨大水路になりました」

副委員長「く……ぬけぬけと!」

カチッ
怪盗生徒会長「バア!」

副委員長「うわぁ!? ……ライトを持っていたのならもっと早く出せ!」ヨコセ!

怪盗生徒会長「はい、どうぞ」

副委員長「何処なんだここは……」


怪盗生徒会長「暫くは上へ続くマンホールはありませんよ」

副委員長「なに? 今の位置が分かるのか?」

怪盗生徒会長「今回の作戦は下水道の把握は必須事項ですから」

副委員長「お前何者だ!? そのマスクを取れ!」シュッ

怪盗生徒会長「わ! やめてくださいよ」ヒョイ

副委員長「ぐぬぬ」


男(さて手錠は簡単に抜けられるけど、副委員長を置き去りにするのもな……)


1 スタンロッドで気絶させる
2 一時休戦を申し出る
3 置き去りにしてやる

選択肢>>252 

>>252

怪盗生徒会長「……副委員長さん」スッ

副委員長「なんだ?」

怪盗生徒会長「すいません」カチッ

バチバチッ

副委員長「!?」ガクッ



男「ごめん副委員長。ちょっとだけ寝てて……まずは手錠を」カチャカチャ

カシャン

男「ちょっと失礼して……よいしょ!」

副委員長「う……」

男「思ったより小さ……いや軽いな」


男「刀、邪魔だな……でも置いていったら怒られそうだし」

男「大変だけど仕方ない……おいてけぼりにして下手に迷われて行き倒れとかになっても後味悪いし……いてて」

副委員長「……」



男は副委員長を背負って下水道を脱出した。


――――――――――――――
―――――――――
――――


??「……ょう! ……副委員長!」

ゆさゆさ

副委員長「……うぅ……私……」


警備部長「副委員長! よくぞご無事で!」

警備部員1「大丈夫っすか!?」


副委員長「……ハッ!? ここは……《怪盗生徒会長》は!?」ガバッ

警備部員1「ここは学園の保健室っす。副委員長は学園の前で倒れていたっす」

警備部長「【ヘンダーランド】は怪盗どもに盗まれてしまいました……申し訳ありません!」


副委員長「《怪盗生徒会長》はどうした!?」


警備部長「か、《怪盗生徒会長》は行方知れず……逃げられました」

副委員長「くっ、怪盗め……馬鹿にしてぇっ!!」


……アジト(生徒会室)。

ガラリ

男「……ただいま」


女「男くん!」

男「し、しんど……女さんは大丈夫だった?」

女「私は全然大丈夫だよ……それより男くんの方が」

前会長「ほら、無事だったでしょ……あら、もうお湯がなくなったわね」


男「あはは……痛すぎてもう駄目かも……」バタッ

女「キャ!?」

前会長「男くん!? ちょっとどうしたのよ!?」


――――――――――――――
―――――――――
――――



……翌日。

副委員長「申し訳ありません……【ヘンダーランド】を守れなかったばかりか《怪盗生徒会長》にもみすみす逃げられるなんて」


男「仕方ないよ……副委員長は無事だったんだし良かったよ」

副委員長「良くありません! 不覚を取りました……怪盗にしてやられるなんて……!」


風紀委員長「『盗まれる前に怪盗を捕らえれば良いだけの事です』」キリッ


副委員長「……!?」

風紀委員長「……とか言ってなかったっけ? 副委員長ちゃん?」プークスクス

副委員長「ぐ……ぬ」ピキピキ

男「ちょ、風紀委員長……」

風紀委員長「だっせえ! ギャハハ!!」


副委員長「う……うう…………かくなる上は責任を取って腹を召します!」チャッ

男「待って! いいから! 切腹とかしなくていいから!」

副委員長「会長、止めないでください!」

風紀委員長「ギャハハ! 武士かお前は!?」


男「風紀委員長も笑ってないで止めて……っつぅ!」


副委員長「!? 会長、その包帯……右手を怪我しているのですか?」

男「あ、これは……そ、そう階段から落ちちゃってね」

風紀委員長「会長もドジだな。気をつけろよ?」

男「う、うん……それじゃ……副委員長、ホントに切腹とかしないでね」ソソクサ



風紀委員長「会長、どうしたんだろ?」

副委員長「…………」


……休み時間。

副委員長「……」ジー


風紀委員長「おい、副委員長がうちのクラス覗いてるぜ?」

男「う、うん」

風紀委員長「なんだあいつ……なんか、うちらの方見てね?」

男「……気のせいじゃないかな?」

風紀委員長「気のせいじゃねーだろ。あからさまにコッチ見てるし」


男(うう、完全に疑われている……このままじゃマズいな)


……昼休み。

女「すいません、今日は用事があって生徒会には出れないので……」

男「うん、わかった。緊急案件もないし大丈夫だよ」



副委員長「……副会長は今日の生徒会活動を休むのか」

副委員長(会長の怪我……私が《怪盗生徒会長》を斬った(峰打ち)右小手と同じ? まさかとは思うが…………確証が)

風紀委員長「ん? お前、見てたのは会長だったん?」

副委員長「ふぁ!? ふ、風紀委員長……」

風紀委員長「随分と熱いまなざしで見つめてんじゃん……さては恋だな?」


副委員長「ち、違! ……失礼致します!」タタタ

風紀委員長「……なんだありゃ?」



男(う……やっぱり疑われているのか?)


……放課後、生徒会室前。

ガララ
会計「それじゃ、お先に失礼します」

書記「会長、あまり無理しちゃ駄目ですよ」

男「うん、ボクもすぐ帰るから……お疲れさま」



副委員長(生徒会活動は終わったようですね……今、生徒会室には会長ひとりきりのはず)

副委員長「……よし!」




??「……」ピッ


……生徒会室。

コンコン

副委員長「風紀委員会、副委員長です」


男「……どうぞ」


ガラリ

副委員長「お忙しいところ、失礼します」

男「副委員長……どうかしたの?」

副委員長「会長に伺いたい事があります」

男「……な、何かな?」


副委員長「会長、その右手の包帯を取っていただけませんか?」

男「……え? いや……怪我してるからちょっと」

副委員長「何か見せられない理由でもあるのですか?」

男「そ、そういうわけじゃないけど……傷口グロいしさ」

副委員長「構いません……確かめなくてはならぬ事です」

男「何を確かめるのかな……」


副委員長「失礼します!」バッ

男「うわ! ちょ、やめ……!」


シュルシュル

副委員長「取れた! ……!?」


副委員長「これは!」


さらけ出された男の右手の甲には副委員長の思った通り斬撃の痣が…………無かった。

痣は無かったがマジックペンで描かれた変な紋章(?)が!


副委員長「……あ、あれ?」

男「う、うう……」ブルブル

副委員長「え? 会長……?」


男「くっ……封印が解けてしまった……! このままじゃ《力》が暴走してしまう!」ガシッ


副委員長「あの……会長?」

男「副委員長、ボクに近づいちゃ……駄目だ!」ブルブル

副委員長「え?」

男「うぐ……このままじゃキミを……傷付けてしまう! 早く! ここから出ていってくれ!」ガクガク

副委員長「え? ……え!?」



男「ボクがボクでいられるうちに……早く! ここから出ていけっ!!」クワッ


副委員長「し、失礼しました!」

ガラッ タッタッタ





男「ぐ……………………もう良いですか……?」


ガラリ

前会長「大丈夫よ、もう副委員長は行ったわ」

男(?)「どうでした?」

前会長「素晴らしかったわよ女さん! オスカー級の名演技だったわ!」

男(女)「エヘヘ、ありがとうございます♪」

前会長「あ、男くんも出てきていいわよ」


ゴソゴソ
男「…………」

シュン
女「これで男くんは疑われませんね♪」←変身が解けた

前会長「ええ、副委員長は完全に騙されていたわ」

女「男くん、よかったね!」

男「う、うん……二人ともありがとう…………でもさ」

女「?」

前会長「どうしたのよ?」


男「あれじゃ副委員長にボクが厨二病患者だと思われるじゃないですか!?」


前会長「そう思わせるのよ。男くんが《怪盗生徒会長》だってバレるよりはマシでしょ?」

男「そんな!?」ガーン

女「そうそう、バレるよりマシだよね♪」

男「女さんまで!?」ガガーーン


副委員長が生徒会室に入るタイミングを前会長が携帯で合図。男は最初から生徒会室に隠れていた女と交替……女は『変装』で男に成りすましていたのだ!


……その頃、副委員長は。

ダダダダ
副委員長「うわぁぁーーっ!」


副委員長(私は……私はなんて事を!? 会長を疑うなんて!)

副委員長「バカ馬鹿莫迦! 私のバカーーーッ!!!」



警備部員1「今の副委員長さんっすよね?」

風紀委員長「なにやってんだ、あいつは……」


……翌日、昼休みの食堂。

副委員長「昨日は本当に申し訳ありませんでした!」ドゲザッ


男「ちょ、頭上げてよ!」オロオロ

風紀委員長「おぉ、土下座だ」


副委員長「私は会長が《怪盗生徒会長》ではないかと疑ってしまいました!」

風紀委員長「はあ!? お前、そんな事考えてたの?」

男「いいから! ボクが紛らわしい事してたんだよね? だから頭上げて!」


副委員長「すみません! すみません!」ゴンゴン


警備部員1「うわ! 頭を床に打ち付けているっすよ!?」

男「や、やめて! 疑いが晴れたんだから、もういいよ!」


副委員長「すみません! すみません!!」ゴスゴス ダバァ


警備部員1「血! 副委員長さん頭から血が出てるっすよ!?」

風紀委員長「ギャハハ!」

男「やめてーーっ!!」


今回はここまで


……数日後。

男「……あれ?」

女「男くん、どうしたの?」

男「いや……【生徒会長裏日誌】を読んでいたんだけどさ、抜けているページがあるんだ……なんか破り取ったみたいな跡がある」

女「え? ホントだ。12代目《怪盗生徒会長》のページだね」


男「うん……『……《怪盗生徒会長》の仕事をしていくうちに私は真実を知ってしまった。伝説の宝を』……この続きのページが無くなっている」

女「次のページは13代目になっている……あれ? 日付が12代目のページから3年後になってるわ」

男「『《怪盗生徒会長》は御宝学園の歴代生徒会長が受け継ぐものらしいが、ここ3年《怪盗生徒会長》となった者はいないようだ。僕宛の手紙にはそう書いてあった。そして僕が13代目《怪盗生徒会長》として伝説の宝を集めよとも……』」

女「手紙……? 13代目に手紙を送ったのは誰かしら?」

男「うーん……そもそも何で怪盗なんて始めたんだろう? 初代はどこから願いを叶える【伝説の宝】の情報を……」

女「私が怪盗をやっているのは男くんの病気を治すためだよ」

男「う、うん……ありがとう(う、忘れかけていた嘘設定……ボクは女さんを騙しているんだよな)」


ガラリ

前会長「やあやあ、元気にやってるかい?」


女「あ、前会長」

男「なんですか、そのノリ……」


前会長「なんか男くんにこの手紙を渡してくれって……知らない女の子から」

女「え? それってラブレターじゃないですか!」

男「な、なんだって!?」

前会長「やっぱりそう思う?」

女「そうに違いありませんよ! で、男くんにチョッカイかけているのはどこの雌豚ですか?」ゴゴゴ

男「あ、あれ……女さん……?」

前会長「まあ、落ちついて……なになに」

男「ボクの手紙を勝手に読まないでくださいよ!」


『第17代怪盗生徒会長、男様。第16代、前会長様。怪盗副生徒会長、女様。あなた方を素敵なゲーム大会へご招待致します。つきましては【伝説の宝】を一人一品ご持参ください。

開催期間は○月○日から○月○日の3日間 ホテル惨劇館にて


追伸、ゲームへの参加を拒否した場合は、あなた方の正体が世間に知れる事となります。奮ってご参加下さい』


男「こ、これは……」

女「ラブレターじゃないですね」ヨッシャ

前会長「招待状……いえ、脅迫状ね」


男「ボク達の正体がバレている……前会長、この手紙を渡してきたのってどんな子でしたか?」

前会長「うーん、それがね……見覚えない子なんだけど、どこかで会った事あるような気がするのよね」

女「ど、どうしよう……」


男「……前会長、女さん、行ってみよう」

前会長「そうね、どちらにせよ参加しなければ私達は破滅よ……選択する余地がないわ」

女「はい……そうですね」



かくして《怪盗生徒会長》一行はホテル惨劇館へ向かう事となった……


……ゲーム大会開催当日、『ホテル惨劇館』。

男「ここが『惨劇館』か」

女「おっきいね……」

前会長「ここは『御宝学園市』の南部にある保養地よ。このホテルは明治時代から創業している老舗中の老舗……名物はなんといっても温泉露天風呂!」

女「わあ、温泉……良いですね♪」

前会長「でしょ?」

男「緊張感ないなぁ……」


うぃーん

支配人「いらっしゃいませ」

男「あの……」

支配人「御宝学園生徒会御一行様ですね、伺っております……では、こちらの宿帳へ記帳をお願い致します」

男「あ、はい」

前会長「万事つつがなくってわけね」


警備部員1「あれ、会長じゃないっすか」

風紀委員長「前会長と副会長までいるじゃん」

副委員長「……どうも」


男「」

女「あ、あれ?」

前会長「き、奇遇ね……3人ともどうしてここに?」

警備部員1「商店街の福引で一等の『温泉付きホテル宿泊券』が当たったんすよ」

風紀委員長「こいつのくじ運も大したものだよ」

女「そ、そうなんだ凄いね」

警備部員1「いやぁ、照れるっすよ」



副委員長「……ところで、そちらも泊まりの旅行ですか……男女で?」


男「え? う、うんそうだけどね……ほら、部屋は別だし……そうですよね?」

支配人「申し訳ございません。ご予約は一室のみとなっておりまして」

男「」

警備部員1「おお!」

風紀委員長「やるな会長」ニヤニヤ

副委員長「……不潔です」


従業員「では、お部屋へご案内致します」

男「じゃ、じゃあ……」

女「ではまた」

前会長「お互い羽を伸ばしましょ」フリフリ



副委員長「風紀が乱れていますね……」チャッ

警備部員1「こ、ここで刀を抜いたらマズイっすよ」アワワ

風紀委員長「良いじゃねえか、プライベートにまで干渉するなよ……何ならお前も混ざってくればいいじゃん」

副委員長「混ざりません!」


――――――――――――――
―――――――――
――――


従業員「こちらの部屋になります」

女「わぁ……」

前会長「いい部屋じゃない」

従業員


―410号室―

従業員「お部屋はこちらになります」

女「わぁ……」

前会長「いい部屋じゃない」

男「…………」

従業員「お食事は6時以降に食堂で召し上がれます。お部屋でのお食事がご希望でしたら電話でフロントへお言いつけください」

前会長「わかったわ、ありがとう」

従業員「では、ごゆるりと」パタン


前会長「さて……どうしたものかしら」

男「ゲームって何するんでしょうね?」

前会長「さあ? そのうち向こうから……」


女「た、大変!」

男「女さん、どうしたの?」

女「ベッドが2つしかないよ!?」

男「ええ!?」

前会長「あらまあ、ダブルサイズが2つしかないわね」

男「こ、これは……」



1 女「男くん……一緒に寝よ?」
2 前会長「もちろん私と一緒でしょ?」

選択肢……














男「いや、ないない! ボクはソファーで寝ますね」


前会長「ベッド使っていいわよ。私と女さんが同じベッドで寝れば良いんだから」

女「…………」


TELLLLL TELLLLL

男「! 室内電話……?」

前会長「これはもしかして……」


ガチャ(スピーカーON)

男「……もしもし?」


??『ヨウコソ《怪盗生徒会長》部屋ハ気二入ッテクレタッスカ?』


女「……妙にカン高い声の人ですね」

前会長「変声器を使ってるのよ」

男「キミは何者なんだ?」

??『ソンナ事ドウデモイイジャナイッスカ』

男「良くないよ、キミはボクらの正体を知っている……そしてボクらの目的にも気付いているんだろう?」

??『【伝説の宝】……モチモンッスヨ。自分ハ君達ノヨウナ若者ガ叶エタイ願イニ興味ヲモッテルッス』

前会長「ハッ! んな事言っといて横取りするつもりなんでしょ?」


??『ハハハ、信用ナイッスネ……デハマダ君達ガ入手シテイナイ3ツノ【伝説の宝】ガコノ《惨劇館》二アルト言ッタラ信ジルッスカ?』


女「え!?」

前会長「何ですって!?」

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