比叡「司令」提督「なんだ」 (64)
比叡「金剛お姉様にドレスを着せたいのですが、どんな色がいいと思います?」
提督「……どうしてまた、急にそんな質問を?」
比叡「はい、実は今日は夢で金剛お姉様とデートしている夢を見たんです」
提督「ほう」
比叡「買い物に行ったり、遊園地に行ったり、とにかく楽しかったことは覚えています」
提督「まぁ夢ならそんなものだろう」
比叡「そこで私は気が付いたんです」
比叡「お姉さまの一番いいドレス姿を明確にイメージできれば、私は!」
比叡「お姉さまとケッコンしてる夢さえも見ることができます! 寧ろ見たいです!」ドーン!
提督「……そ、そうか」
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比叡「だから男性の視点からもどう思うのか聞いてみたくて」
提督「なるほど……だが、貴様も女だろう」
提督「金剛に着せるよりも、自分で着てみたいと思ったことは無いのか?」
比叡「それはまぁ……ありますけれど」
比叡「可愛らしい服、綺麗な服、それを着てみたいと思うのは、女性の共通だと思います」
提督「だろうな。それに貴様も魅力的な女だ」
提督「私も貴様にドレスを着せてみたいし、その姿を見てみたいとも思っている」
比叡「……」
比叡「……司令、そういうの止めましょう。恥ずかしくなります」
提督「そうか?」
比叡「はい。……ちょっと顔洗ってきますね」
提督「さておき、金剛にドレスだったな」
比叡「はい」
提督「情熱的な性格で、周りの者まで明るくさせる」
提督「貴様ら姉妹や他の艦娘にも慕われている、宛ら太陽のような女だ」
提督「私としては赤系統が似合うのではないかと思う」
比叡「なるほど、そう来ましたか。悪くないです」
提督「そうだろう」
比叡「ん~、……よし! なんだかイメージが固まってきたような気がします!」
提督「それに、金剛は一番艦であるのだからな。一番と言えば赤だろう」
比叡「最後が無ければしっくりきたのですけどね」
比叡「実の事を言うと、私もほぼ同意見なんです」
提督「ほう?」
比叡「この比叡、提督の言葉でお姉さまとの一番良い夢の構想は既に完成させました!」
提督「嫌なイメージを固めさせてしまったな」
比叡「ワインレッドのドレスを纏ってレッドカーペットの上を歩くお姉さま」
比叡「みんなが拍手で迎える中、司祭の前にまでたどり着いて、」
比叡「此方を向いたお姉さまは、目尻に涙を溜めてこう言うんです」
提督「『比叡、いままでありがとうデース。金剛はNew lifeをこの人と一緒に歩みマース!』」
比叡「ガハァッ!!」
提督「……っ」←笑い堪えてる
比叡「ちょっと司令」
提督「…………」
比叡「邪魔しないでください。一瞬ヴァルハラに行きかけたじゃないですか」
提督「NTRに目覚めておけば、致命傷も無かっただろうにな」
比叡「間宮さんのカレーを食べてる最中、私の作ったルーが混入したような気分です」
提督「おい、そんなカレーを今まで私に食べさせていたのか」
比叡「司令だって、私が誰かとケッコンしてそんなこと言われたらショックですよね!?」
提督「貴様が可愛くなくて私が惚れてなかったらぶん殴ってるセリフだな」
提督「そもそも、だ」
提督「金剛がヴァージンロードを歩くとして、親族から誰か出るだろう」
比叡「まぁ……そうなりますね」
提督「その時隣を歩くのは次女である貴様ではないのか?」
比叡「……」
比叡「…………」ブワッ
提督「!? えーとハンカチは……」アワアワ
比叡「すみません、見苦しい所を見せてしまいました」
提督「いや……こちらこそすまなかった」
比叡「金剛お姉様がお嫁に行ってしまったら、親族の役目は榛名……じゃなくて霧島に任せます」
提督「? そうか」
比叡「(金剛お姉様の隣に私以外の誰かが居ると仮定したら、やっぱり司令ですからねぇ……榛名は……)」
比叡「っと、ハンカチは明日洗って返しますね」
提督「そうしてくれ。せっかく貴様に貰ったものなのだからな」
比叡「あ、でもこれ金剛お姉様ともお揃いなんですよ」
提督「……貴様は本当に金剛が好きなのだな」
比叡「はい、大好きです!」
比叡「お姉さまの事を考えるだけで、比叡!気合!入ります!」グッ
提督「それは重畳」
提督「ところで、此処に昨日の分も合わせた貴様の書類が有る」
提督「丁度気合も入ったところだろう?」
比叡「」ヒエー
―――
今回はここまで
こんな感じで進めていきます
比叡「司令、今日潜水艦の皆さんと遭遇したのですが」
提督「ふむ?」
比叡「丁度オリョール帰りでボロボロでした。幸い大きな被害は無かったようけど……」
提督「まだ何人かは練度が高いとは言い難いからな。無理のないよう出撃させているはずだ」
提督「……なにか問題でもあったのか?」
比叡「いえ、その時一人がこう言ってたんです」
比叡「『せっかく提督のくれた水着なのにボロボロでち……』って」
提督「ゴーヤか。昔から奴には何時も助かっている。……だが知らないうちに負担を掛けすぎたか?」
提督「たまには労ってやらんとな。……如何すればいいと思う?」
比叡「……むぅ」
比叡「そう言う事を私に聞かないでください」フイッ
提督「む、それはすまない」
比叡「その時思ったのですけれど、彼女たちの水着って提督が決めたのですか?」
提督「ああ」
比叡「……スクール水着を?」
提督「ああ」
比叡「……その、もう少し何とかならなかったのでしょうか?」
比叡「ダイビングスーツまでとは言いませんが、最近だとスパッツ形式のスクール水着も出ていますし……」
比叡「あれ、後ろから見たらどうやって見ても下着みたいですよね……」
提督「そうは言われても仕方ないだろう」
提督「可愛くないのだから」
比叡「……はい?」
提督「スパッツ形式だと可愛くない。標準形式なのは仕方ないことだろう?」
比叡「……」
比叡「司令に!気合!入れていきます!」ドゴォ!
提督「ペプシッ!?」
比叡「見損ないました司令! 司令ともあろうお方が私たちに欲情するだなんて!」
提督「ケホッ 仕方ないだろう」
提督「私も男だ、目麗しい女性が居て何も思わないほど不能ではない」
比叡「司令、今後私と金剛お姉様の半径10m以内に入らないでください」
提督「……なぜ怒ってる」
比叡「少しでも意識してた相手がロリコンだったら、距離を取りたくなるに決まってるじゃないですかぁー!」
提督「打倒ではあるが貴様にそれを言われると傷つくな」
提督「そもそも、だ。何故私がロリコンになる」
比叡「潜水艦の彼女たちの外見年齢から考えれば、仕方がないんじゃないですか?」ジトメ
提督「……私としても不本意ではあったのだがな。ゴーヤが気を利かせてくれたのだ」
比叡「?」
提督「奴は貴様より古参だったか、ならば知らぬのも無理は無い」
提督「奴が潜水艦として来てくれた時、我が鎮守府では資材が無くてな」
提督「費用が一番かからないから、とシンプルなタイプのものを選んでくれたのだ」
比叡「……へ?」
提督「以後、着任した潜水艦の艦娘たちもそれがいいと言いだしてな」
提督「そのまま使用していたのだがどうやら愛着が湧いたらしい」
提督「新調するときスパッツ形式のものを提案したが、可愛くないと断られてしまったのだ」
比叡「え、えーと、彼女たちが可愛くないと断ったんですか? 司令ではなくて?」
提督「ああ」
提督「ゴーヤからも『この水着はゴーヤにとって勲章みたいなものです…ち』とも言われたな」
提督「水着の指定については、私は寧ろ貴様と同じような考えなのだが……」
比叡「……」ダラダラ
提督「それで、秘書艦比叡、何か私に言うべきことがあるだろう?」ニヤ
比叡「し、」
提督「し?」
比叡「司令が誤解するような事を言うから悪いんですよぉ!」
比叡「欲情云々について全く否定していなかったじゃないですか!」
提督「そも、貴様に明確な好意があると言うのに」
提督「欲情も何も無いと言えるほど、私は聖人であれるとは思えん」
比叡「そ、それはつまり……」
提督「……」
比叡「私にゴーヤちゃんみたいなスクール水着を着せたいってことですかぁ!?」
提督「な ぜ そ う な る」
比叡「だって今までの話を混ぜたらそう言う事になるじゃないですか!」
提督「混ぜればそうなるな、だがそれをなぜ混ぜた! 独立しているだろう!」
比叡「ひえっ、こっちを見ないでください司令!」
比叡「どうせ私の上にスクール水着を重ねて見ているんですよね!? 知ってますよ!」
提督「信頼を置いているはずの秘書艦が、何を言っているのか私には分からない……」
比叡「不潔です司令! 着せたいなら直接言えば良いじゃないですか! ひええぇん! 金剛お姉様ぁああああ!!」
提督「おい待て、比叡! いい加減に……はっ!?」
青葉「……」ジー
提督「……」
青葉「……」ジーーカシャ! メモメモ
青葉「青葉、見ちゃいました! 『鎮守府司令! 秘書艦にスクール水着を強要!』ちょっと一本書いてきますね!」
提督「おい止めろ馬鹿! 青葉貴様ぁ!!」
その後 鎮守府近くの堤防
伊58「『気になるあの人の性癖はスクール水着!? 今トレンドの水着、纏めてきちゃいました』だ、そうでち」
伊58「鎮守府の話題のど真ん中に居る提督は、どう思っているんでち?」
提督「……あれは不可抗力だ」
伊58「てーとく、途中から比叡さんが勘違いしていたの、分かっていたんでしょ?」←話は聞いている
伊58「女性をからかうから、そういうことになるんでち」
提督「……面目ない」
伊58「おかげで下着代わりにスクール水着を着こむ艦娘たちが急増でち。よかったですね、てーとく」
提督「……貴様までそう言う事を言うのは止めてくれ、正直きついものがある」
伊58「自業自得だよ」
伊58「どうして比叡さんを困惑させるようなことを言ったのでち?」
提督「……いや、その」
提督「比叡の表情がころころと変わるのが可愛…面白くてな、つい……」
伊58「……ペッ」
提督「!?」
伊58「惚気聞かされるとは思わなかったでち。休憩時間も終わるからオリョール行ってくるでち」
提督「待て待て、伊号組は今日休みだろうが」
伊58「陸の子を引っ張ってくるから大丈夫だよ。てーとくもさっさと執務室で仕事してくだち」
提督「……」カキカキ
比叡「……」カキカキ
比叡「……司令」
提督「……なんだ」
比叡「先日はご迷惑をおかけしました。私、いろいろ司令のことを誤解していたみたいで」
提督「いや、私も貴様に誤解させるような物言いになっていたようだ、すまない」
比叡「……」
提督「……」
比叡「司令」
提督「なんだ」
比叡「その……私がスクール水着を着たら司令は嬉しいです、か?」モジモジ
提督「……」
提督「……いや、そもそも貴様にアレは似合わんだろうが」
比叡「がーん」
提督「馬鹿な事を言っていないでさっさと書類を片づけろ。妖精たちからも苦情が出ているのだから」
比叡「はい、そうします……」ショボーン
比叡「(せっかく下に着てきたのになぁ……)」
―――
ここまで。
正直スクール水着について調べてる時が一番アレだった。
提督「比叡、先日私が居なかったときの件だが」
比叡「? ……ああ、司令が休暇だった日ですね。何かありましたか?」
提督「いや、何かあったのは貴様たちの方だ」
提督「普段よりも備蓄が減っているものだから、何かあったのかと思ってな」
比叡「そのことでしたか。一応許容範囲に収めたつもりですけれど……申し訳ありません」
提督「いや、咎めるつもりは無い。少し気になっただけだ」
比叡「えっとですね、休暇中だった艦娘たちとちょっとしたお料理教室を開いたんです」
提督「ほう?」
比叡「その日は提督も居ませんでしたし、叢雲ちゃんが手伝ってくれたので少し早めに昼休憩に上がりました」
提督「叢雲の奴め、比叡を甘やかすなと言ってあったはずだが……」
比叡「食堂に向かったとき、休暇中の一航戦のお二人が先に食事をとっていたんです」
比叡「その時赤城さんが『…慢心しました。ヒレ一枚でもう一杯行けると思ったのに残る米……くっ』と」
比叡「ご飯が半分以上残った御椀をもって項垂れてました」
提督「……まぁ、最後に白米だけ残ったら辛いのは理解できる。ペース配分を間違えたか」
比叡「そのとき加賀さんは『ここは譲れません』って言って自分のおかずの皿を遠ざけていました」
提督「一航戦の絆にいったいなにがあった」
比叡「それはそれ、これはこれなんだと思います」
比叡「間宮さんも下準備で忙しそうでしたし、しょんぼりとしていた赤城さんも可哀そうだったので」
比叡「なにか簡単な物を作ろうと思って、ちょっと厨房を借りたんです」
提督「……貴様がか?」
比叡「はい」
提督「それは、また……いろいろと辛(つら)い料理を作ったのだな」
比叡「? いえ、作った料理は赤城さんや加賀さんに好評でしたけれど」
提督「ついに味覚が狂ったか、一航戦。休暇は与えてあったはずだぞ……」
比叡「違います! 私の料理がおいしかったんです! それは間宮さんも保証してくれましたよ!」
提督「……間宮にも休暇を出してやらねばならんな。伊良湖も着艦したのだから」
比叡「その何がどうあっても私をメシマズにしようとするの、そろそろ止めてください」
比叡「これでも私は昔はお召艦で、やんごとなきお方にも料理を振るっていたんです」
比叡「そんな私が料理下手なわけがないじゃないですか」フンス
提督「確かに手際は良い上に美味そうに作っていたが」
提督「余計なことをしなければ教えるのには向いている……のか?」
比叡「私が自分で言うのも変ですが、わりと上手くいったと思っています」
比叡「話は戻しますけれど、そのとき一航戦のお二人が料理に興味を持ったので、」
比叡「お料理教室を開いたら大好評でして、ちょっとしたパーティみたいになってしまいました」
提督「それでいつもよりも多く備蓄が減っていたのか」
提督「……まぁレクリエーションで済む範囲であり、士気高翌揚にもなる。問題は無い、が」
提督「次からは連絡を入れてから行ってくれ。私から直接許可を出した方が、できることも増えるだろう」
比叡「はい。お許しいただきありがとうございます」
提督「それで、その料理教室とやらは上手く行ったのか?」
比叡「少し忙しかったですけれど、大和さんや武蔵さんにも料理を手伝ってもらったので、今回は大好評でした!」
提督「大和と武蔵の料理か……私もそのとき居なかったのが悔やまれるな」
比叡「む」
比叡「ちょっと司令、私が料理したのを聞いた時と比べて随分差が有りますよ!」
比叡「まるで大和さん達の方が私よりも良いみたいです! 納得できる説明をください!」
提督「料理に関して言えば、貴様が私に出した料理を思い出して見ろ」
比叡「……気合と愛を隠し味にしたカレーぐらいしか出していませんよ?」
提督「そうだな、愛や気合は隠さずともヨーグルトの酸味は隠して欲しかった」
………
比叡「要するに『私の居ないところでおいしい物を食べていてズルい!』ということですか?」
提督「……子供のような話になってしまうが、身も蓋も無いことを言ってしまうとそうなるな」
比叡「うーん、でも大和さんや武蔵さんも多忙ですし……お疲れのところにお手間を掛けさせるのはちょっと」
提督「小腹の空く話題だっただけだ。無理に頼む必要はない」
比叡「そうですか?……そうだ。丁度夕食も近いですから、私が何か作ってきましょうか?」
提督「……ふむ、確かに何か食べたい気分ではあるが」
提督「……レシピ通りに、できるのか?」
比叡「金剛お姉様や司令への、おいしく食べてもらいたいと言う気合や愛は、レシピなどと言う範疇には収まりませんよ!」グッ
提督「……金剛も苦労しているのだな」
提督「さっきの言葉から思ったが」
比叡「はい?」
提督「……一応、私に作るカレーに、愛は入っていたのか」
比叡「あ、いや。それは言葉の綾といいますか、その……」
提督「……」
比叡「あーもう!恥ずかしからそう言うのは止めましょうよ!」
比叡「司令へのカレーは愛よりも気合を増し増しの盛りだくさんです!」
提督「盛りすぎて隠し味の味まで漏らさなくてもいいだろう」
提督「……まぁ、それほどまでに気合を入れて作ってくれるのだ。多少味が歪でも大目には見よう」
比叡「はい! では楽しみにして待っていてください」
提督「ああ。そうさせてもらう」
提督「……考えてみれば私は貴様に作ってばかりだったな」
比叡「気にしないでください。私も好きでやってることですから」
提督「そうは言うが、な。時間が在れば今度は私が料理を振舞おう」
比叡「へ? 司令が、ですか?」
提督「ああ。とは言え私もそこまで上手くはない。金剛あたりにも手伝ってもらうつもりだ」
提督「(そちらの方が比叡は喜ぶだろう)」
比叡「(金剛お姉様と提督の料理……)」
比叡「(お姉さま&提督→合作料理=嬉しい&嬉しい→凄く嬉しい)」
提督「彼女にも頼んで味見はするつもりだから、食べられるものは作れるだろう」
比叡「ではその時になったら楽しみにさせてもらいますね……はっ!?」
提督「……どうした?」
比叡「味……見、ですか? (提督とお姉さまが一緒に料理を……二人っきりで! いえでも私のために……)」
比叡「(提督と、金剛お姉様が、味見……)」
比叡「(『ヘーイテートクゥ! 味見してもいいけどサー、場所とタイミングをわきまえなヨー?』)」
比叡「(『ああ、だから先に少し”つまみ食い”をしておこうと思ってな。嫌なら拒んでもいいんだぞ?』)」
比叡「(『アハーッ、拒むわけないって知ってるのにサー、テイトクはズルいネー』)」
比叡「(そうして二人は互いの[ピー]を[ピー]で[ピー]して)」
比叡「(……いや二人に限ってそんなことをするなんて)」
比叡「むむむむ……」
提督「(無難に喜ぶと思っていたが、なぜそんな苦悶の表情を浮かべているんだ……)」
比叡「駄目です! お姉様を味見するなんて、勝手は比叡が許しません!」
提督「とりあえず貴様が考えすぎなことだけは分かった」
コンコン
ガチャ
金剛「hey! テートクゥ! 司令部からLoveLetterが届いて……」
比叡「お姉さま!? ……そうですか司令、善は急げともう既に呼んでいたんですね?」
提督「なぜ私がサプライズを用意したことになっている」
金剛「what’s!? ひ、比叡どうしたのデース?」
比叡「大丈夫ですお姉さま! 私、頑張って作りますから! 司令に味見なんてさせません!」
比叡「気合!入れて!作ります! では司令、お姉さま!ちょっと待っていてくださいね!」
金剛「………」←比叡の去ったドアを見る
提督「……」
金剛「……」←何があるのか察する
金剛「……テ、テートクは忙しいみたいだから、今日はこれで失礼しマ――」
提督「まぁ待て」ガシィ!
金剛「hey!テートク! 引き留めてくれるのは嬉しいけどサー、時間と場合を特に場合を考えなヨー!」
提督「喜べ、デートのお誘いだ。レストラン比叡で気合と愛の溢れるディナーが頂けるぞ」
金剛「比叡の料理は気合と愛が(胃に)重すぎるネー!」
提督「なに、それだけ愛の籠った料理を食べるのも一興だろう」
金剛「比叡の気持ちは嬉しいけれど、今日の比叡は気合が入りすぎですヨー!? テートク一人で食べて下サーイ!」
提督「犠牲になるのが一人は寂しいだろう。頼りにしている、金剛」
金剛「都合のいい時だけ女性に頼らないで下サーイ! テートクのロクデナシ!」
提督「なに、他の誰かではなく、貴様だから頼んでいる」
金剛「もっと違うシチュエーションで言って欲しかったデース……」
その後
提督「……なぁ金剛。もう私は終わってもいいだろうか」
金剛「テートク、黙って食べてくだサーイ。気合たっぷりの比叡はこの程度では終わりませんヨー?」
比叡「まだまだいっぱいありますから、遠慮しないでくださいね!」
提督「……金剛」
金剛「まだまだ比叡への愛が足りてませんヨ、テートク」
提督「……善処しよう」
ここまで
見直したら所々比叡の呼び方が提督になってたので、脳内変換してくれると助かります。
あとネタ探ししてるので、見たいシチュも適当に書いていただけれると助かります(採用するとは言っていない
膝枕
どっちがどっちをという指定は敢えてしない
ありきたりだが金剛とラッキースケベイベント。それを比叡に見られてなんやかんや
>提督「……考えてみれば私は貴様に作ってばかりだったな」
後の会話につながらない?
>>47
×作って
〇作られて
でしたね。見落としてました……
提督「(……想定よりも早く終わったな)」
提督「(秋の海域出撃の件で呼ばれたが、今のところ備える以外にできることが無い)」
提督「(単に提督たちの尻を蹴るだけの会議だった)」
提督「(とは言え一日鎮守府を留守にしなければならなかったのも事実)」
提督「(比叡は大丈夫だろうか……補助には金剛を付けたのだが)」
提督「(正直失敗だったかもしれん。しかし叢雲は今日は休暇だ。適正が有り空いていたのが金剛だけだった)」
提督「(なにより比叡が目をキラキラさせながら『お姉さまが良いです』の一点張りだったからな……)」
提督「(そうまで言われると不安の一つも湧いてくるというものだ)」
提督「(と、着いたか)」
コンコン
提督「私だ、今戻っ――」
金剛「Shhh.ビークワイエット、テートク」
提督「……む?」
提督「(ソファの上に金剛と……比叡?)」
比叡「……すー」
提督「……(寝ている……のか? 金剛に膝を借りているようだが、休憩中か)」
提督「……(空のカップにポット。……デスクの上には大量の書類。これは……)」
提督「金剛、今日の執務だが……」
金剛「できる所は終わってますヨー? 後はテートクのお仕事だけデース」
提督「……ならば、いい」
提督「(サボっていたわけではないのか)」
金剛「お疲れさまデス。テートク、比叡は起こしますカー?」
提督「いや、慣れない仕事をさせて疲れているだろう。そのままにさせてやれ」
提督「と、紅茶残っているなら貰うぞ」(金剛の対面のカップを取る)
金剛「テートク、それさっき比叡が使っていたカップですヨー?」
提督「……金剛、貴様のを借りるぞ」
金剛「いいですケド、比叡も寝ているんだから、わざわざ変えなくてもいいでショウ?」
提督「他意は無い」
金剛「本当デスかー?」
提督「……」
提督「……勝手に使って嫌がられたくはない」
金剛「テートクって時々凄く可愛いこと言いますネー」
提督「……冷たいな」
金剛「淹れてからある程度時間が経ったからネ。良かったら淹れ直しますヨー?」
提督「? ……休憩に入って長いのか?」
金剛「ハイ。比叡が朝早くから頑張ったので、午前には殆ど終わったのデス」
金剛「だけど慣れない早起きで眠くなっちゃったみたいデース」
比叡「……むにゃ」
提督「……随分と幸せそうな顔だな」
金剛「そうですネ。ワタシと一緒だから、って頑張ってくれたのですヨー?」ナデナデ
比叡「……ふみゅ」
提督「……貴様も、随分幸せそうに見えるが」
金剛「? ……フフ、そうですネー」
金剛「可愛い妹がワタシのためにこんなに頑張ってくれたんデスから、確かに幸せですネ」
比叡「……むー」
提督「よく、そうして頭を撫でるのか?」
金剛「たまにですヨー? 比叡は撫でて欲しそうだけど、榛名や霧島の目もあるからネー」
提督「見栄や遠慮、気恥ずかしさもあるのだろう。姉と言うのも大変だな」
金剛「それ以上に役得も多いのデース」
金剛「妹に甘えてもらえる特権は、姉だけのものだからネー」プニプニ
比叡「はむぅ……」
金剛「ふふ、やっぱり比叡はvery cuteネー!」ナデナデ
提督「……」
金剛「テートク」
提督「……なんだ」
金剛「フフン、存分に妬いてくだサーイ!」
提督「……」
提督「例えば、だ。私が比叡を膝枕したとして、貴様がその光景を見たとする」
提督「その時と同じ気分を私は味わってるな」
金剛「あーそれは妬けますネー」
提督「だろう」
提督「思ったのだが」
金剛「ハイ?」
提督「貴様の妹たちは貴様が充分に甘えさせているが、貴様にはその相手は居るのか?」
金剛「ンー……」
金剛「愚痴を言い合ったりgirl’s talkをする相手は居るケド、甘えるってことはしてませんネー」
提督「……そうか」
金剛「あーあ、誰か私を甘えさせてくれるような、素敵なテートクは居ませんカー?」チラッ
提督「……」
金剛「……」チラッチラッ
提督「……頭ぐらいなら今度撫でてやる」ハァ
金剛「ムゥー、今撫でてくだサーイ!」
提督「貴様の膝で寝ているのが起きたらどうする」
金剛「見せつけてやりまショウ! 比叡にはNTRな新境地に目覚めてもらいマース!」
提督「や め ろ」
比叡「むー……」
提督「……そろそろ比叡を起こすか?」
金剛「十分テートクと話せたからそうしたいのですケド」
提督「なんだ」
金剛「あ、足が痺れて……」プルプル
提督「……なにをやっているんだ」
金剛「その、ゆっくりと比叡を私の足からどかして欲しいのデース」プルプル
比叡「んにゃ……」モゾ
金剛「ンッ……ひ、比叡、あんまり動かないでくだサーイ」プルプル
提督「(……)」
提督「(……悶える金剛と、居眠りをする比叡)」
提督「(後者はともかく、前者はあまり見ない。聊か勿体ない気がするな)」
比叡「ん~……?」
金剛「比叡、起きましたカー?」プルプル
提督「……起きてしまったか」
金剛「テートク?」ジトメ
比叡「……?」
比叡「ん~……眩しい」ゴソッ
金剛「!!?!? ンッ……アッ! ひ、比叡! それは毛布じゃないですヨー!」ビクッ
金剛「~~~~~!!!」ビクビク
比叡「ふぁ……金剛お姉様の匂い……」
提督「……」
金剛「ダメッ! ……そこはテートクにしか……ンッ!?」
提督「(……金剛の膝の上で、光を遮られるものは一つしかない)」
提督「(要するに……金剛のスカートの中に比叡が突っ込んでいる形になっている。これは……)」
提督「…………眼福だな」
金剛「テートク!!!」
―
カキカキ カキカキ
比叡「司令、見事な紅葉ですね。随分と綺麗な物を頬にプレゼントされたみたいじゃないですか」
提督「比叡、貴様の頭はどうした? 影のシルエットが片耳潰れた熊の様になっているぞ」
比叡「球磨ちゃんですか?」
提督「見事な瘤だと褒めてやれば分かるだろうか?」
比叡「……」カキカキ
提督「……」カキカキ
提督「何故こうなったのだろうか」
比叡「司令がエッチな目でお姉さまを見てたからじゃないですか?」
提督「……」カキカキ
比叡「……」カキカキ
比叡「大好きな金剛お姉様にセクハラされた私は、司令にもう一枚紅葉をプレゼントしてもいいと思うんです」
提督「貴様の寝相のせいで巻き込まれた私は、頭の形をバランス良くしても構わないと思うのだが」
比叡「……」カキカキ
提督「……」カキカキ
比叡「気合! 提督に! 入れます!」ガタッ
提督「比叡貴様ァ!!!」ガタッ
>>46(比叡が)金剛とラッキースケベイベント。
oh……正しくはこうですね
書く時間が取れてないのでもう少しお待ちを
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