晶葉「まずは誕生日おめでとう、光」
南条光「ありがとう!池袋はか……じゃなかった、晶葉!」
晶葉「いや、今日は池袋博士でいい。……そして光、これが私からの誕生日プレゼントだ!」バサッ!
光「! これは!」
晶葉「これぞ私の科学力の結晶、マサヨシ君一号だ!」
光「おー!かっこいいー!」
晶葉「驚くのはまだ早い。このマサヨシ君は身長約230cmの人型に近いロボだが……なんと、全自動で行動出来るのだ!」
光「なんだって!?それは本当か!?」
晶葉「ああ!しかもドラ◯もんのように少し浮いてるから何かにつまづいて転ぶ心配もない」
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晶葉「さらに、悪を倒すための装備も用意してある。まず一つ目。殺傷力はないが、強烈な光で悪を鎮圧する……」
光「キングストーンフラッシュか!?」
晶葉「いや、ガンマレイだ」
光「そうか……」
晶葉「そして二つ目、迫り来る危険物を察知し、光の剣で薙ぎ払う……」
光「リボルケインか!?」
晶葉「いや、ミカエルブレードだ」
光「そうか……」
晶葉「あとは万が一攻撃された時、瞬時に反応し、相手を持ち上げてゼロ距離からガンマレイを浴びせる機能もある。
ここはみんなが集まる事務室の真上だからな。このマサヨシ君がいれば事務所の平和は守られたも同然だ!」
光「おー!!」
光「ところで池袋博士、このマサヨシ君はどうやったら動くんだ?」
晶葉「あせるな光。マサヨシ君はただでは動かない」
光「? どういうことだ?」
晶葉「このマサヨシ君は破裂音や悲鳴を感じとると起動して、その現場に自ら動いて駆けつけるんだ」
光「おぉ!!ヒーローは普段は姿を隠しているってことだな!」
晶葉「そういうことだ。……ところで光、そろそろいつものパトロールの時間ではないか?」
光「え、もうそんな時間か!アタシ、行かなきゃ……本当にありがとう、池袋博士!」
晶葉「なに、気にすることはない」
光「じゃあ!」バタン
晶葉「ああ」
晶葉「……まあつまり、マサヨシ君が起動する機会はまずないということだが、上手く誤魔化せたな」
晶葉「まともなAIさえ作ることが出来れば……今度泉に相談してみるか……」
ガチャッ
晶葉「光はパトロールにいったぞ」
モバP「そうか。よし、それじゃあパーティーの準備にとりかかるぞ!」
小春、千枝「「おー!」」
麗奈「なんでアタシまで……」
紗南「そういって飾り作るのを一番頑張ってのは麗奈じゃん」
麗奈「ちがっ!……どうせやるなら完璧にしたいだけよ!」
紗南「はいはい」
ガチャッ
光「ただいまー!……ってあれ、なんで真っ暗なんだ?」
カチッ
「「「光!誕生日おめでとう!」」」
麗奈「……おめでとう」
光「……! みんな!」
麗奈「ほら、やっぱりインパクトが足りなかったじゃない!だからレイナ様お手製のバズーカを使おうって言ったのに!」
モバP「急にクラッカーを鳴らしたらびっくりして気絶する子もいるから禁止だって言っただろ?」
紗南「光は大丈夫じゃないかな」
モバP「んー……じゃあ次からはOKということで」
紗南「次って来年じゃない『みんな!!』おぅ!?」
光「みんな、アタシのために……こんなに綺麗な飾り付けまで……ありがとう!!」
麗奈「別にアンタのためじゃないわよ!」
光「え!?そうなの!?」
晶葉「いやいや、流石にそれは無理がないか?」
麗奈「この悪のレイナ様がいい子ちゃんの光のためなんて……!」
モバP「まあまあ。あのショッカーだって仮面ライダーに開店祝い贈ったりしてるんだからさ」
麗奈「ちょっ、ショッカーなんかと一緒にしないでよ!」
光「ショッカーなんてとはなんだ!ショッカーは凄いんだぞ!」
晶葉「ふむ、確かにあの科学力には目を見張るものがあるな」
紗南「どんどん話が脱線していってるよ……」
千枝「あはは……」
光「というわけで、ショッカーはいつだって仮面ライダーにとって永遠の、最大のライバルなんだ!」
麗奈「アーハイハイワカリマシタ」
紗南「あ、終わった?じゃあ熱帯やめないと……」
千枝「そのゲームって光さんへのプレゼントじゃなかったんですか?」
紗南「いや、これは対戦向けのゲームだからね!当然2つ買ってあるよ!」
千枝「そ、そうなんですか……」
モバP「それじゃあケーキタイムといくか!」
「「「おー!」」」
モバP「今回は光の誕生日ってことで、仮面ライダーカイザの顔をデコレーションしたケーキだ」
光「本当!?さすがP!」
小春「その人の顔を切って食べるんですか~?」
光「・・・」
麗奈「ヒーローの顔を切り刻むなんて光はとんでもない悪党ね~?」
モバP「ちょっ、麗奈!」
千枝「ク、クリスマスケーキについてるサンタさんのお菓子も半分こして食べたりしますし!それと同じですっ!」
光「千枝……!」
紗南「そういえばその仮面ライダーに変身する人って首を折られて死んだんだっけ?」
晶葉「つまり、生首か…」
光「・・・」
モバP「この話はやめよう!な!」
モバP「それじゃあ気を取り直して……ケーキにロウソクを立てるぞ!」
麗奈「棒を刺して火炙りってわけね」
紗南「ファイズってみんな灰になって死ぬんだっけ」
モバP「さ、さあみんな二本ずつな!」
モバP「さて、じゃあ火をつけて……あ、そういえば千枝と小春はケーキの時にプレゼントをするって言ってたな」
千枝「あ、はいっ!バースデーソングを小春ちゃんと演奏しようと思って!」
小春「頑張って鈴の練習しました~」
モバP「電気消しても大丈夫か?」
千枝「大丈夫です!たくさん鍵盤ハーモニカの練習しましたから!」
光「二人とも……」
モバP「よし、じゃあ電気消すぞー」
「「「はーい!」」」
カチッ
光「おー!ロウソクでカイザが輝いてみえるな!」
麗奈「(今のうちね……)」
紗南「ハッピバースデートゥーユー」
シャンシャン♪
晶葉「ハッピーバースデートゥーユー」
シャンシャン♪
モバP「ハッピーバースデーディア光~」
シャンシャン♪
「「「ハッピーバースデートゥーユー」」」
「「おめでとう!」」「「おめでとー!」」
光「ありがとうみんな!じゃあ……ふぅー……」
「「わー!」」パチパチパチパチ
モバP「それじゃあ電気つけるぞー!」
カチッ
麗奈「いくわよ!レイナ様バズーカ発射!」
パーーン!!!
「うお!?」「きゃっ!?」「なんだ!?」
麗奈「アーッハッハッ!光!アタシからの誕生日プレゼントはこれよ!」
光「麗奈ー!!」
麗奈「ちゃんと『いくわよ』って確認したから文句ないわよね?」
光「全然確認になってないぞ!」
小春「びっくりしました~……」
晶葉「やれやれ」
モバP「それじゃあケーキを切り取って……『ズズン!』うぉ!?」
千枝「何の音ですか!?」
光「敵襲か!?」
紗南「そんなわけないでしょ。何かが倒れただけじゃない?」
麗奈「まさかレイナ様バズーカの威力が強すぎて……」
晶葉「いや、あれに遠距離の物体に影響を及ぼすほどの威力はないだろう」
モバP「一応俺が見てくるよ」
光「え、アタシがいくよ!」
モバP「光は主役なんだから座っとけって。まあ、多分倒れたものを直すだけだろうから」ガチャッ
千枝「そういえばこの部屋の上から音がしませんでしたか?」
小春「この部屋の上ってなんでしたっけ~?」
紗南「物置じゃなかった?」
麗奈「そういえばさっきアンタたちが使ってたわね」
晶葉「確かに使っていたが……あっ!」
光「どうしたんだ池袋博士?」
晶葉「まさか……」
モバP「そういえば朝、晶葉がエレベーターで上に何か運んでたな……それが倒れたのか? まあとりあえず上にいって……あれ、階段のところに誰かいる?」
「・・・」
モバP「あ、ロボットか? もしかしてこれが晶葉が運んでたやつか。へー、よく出来てるな。……でもなんでこんなところに……」
「シャアアアアアアアッ!!!」
モバP「!? このロボ動いて……」
「ヌホオオオオオオオオオオン!!」ピカー
モバP「ぎゃあああああああああああああああ!?目があああああああああああああああ!!?」
ギャアアアアアアアアア!!?メガアアアアアアアアア!?
光「Pの悲鳴!?」
晶葉「やはりマサヨシ君が起動したんだ!」
光「マサヨシ君が!?」
麗奈「え、何よそのマサヨシ君って」
晶葉「マサヨシ君は私の作ったロボで……爆発音を聞くと起動するんだ」
小春「じゃあ今の悲鳴って……」
晶葉「マサヨシ君がPを敵とみなし、ガンマレイ……閃光弾のようなものを放った音だろう」
紗南「ガンマレイ……?」
光「どうしてPが敵になるんだ!?」
晶葉「それはその……人間は感知出来るが、人区別する機能はなくてな……人間を感知すると見境なく敵とみなすんだ」
麗奈「欠陥ロボじゃないのよ!」
晶葉「欠陥ではない!良い人悪い人の区別など人間でも出来ないだろう!?」
千枝「あのーそれより、この後マサヨシ君はどう動くんですか?」
晶葉「……マサヨシ君は足元には人を感知するセンサーがない。つまり、倒れていれば感知されず、Pは鎮圧されたということになるだろう。そして恐らく、爆発音の発生源であるこの部屋に向かっているはずだ」
小春「ここに来ちゃうんですかー!?」
麗奈「それならずっと倒れていればいいんじゃない?」
晶葉「確かに、倒れていれば私達は被害を受けずにすむが……人がいないと認識すると、さらに下の階に降りて最悪外に出る可能性がある」
千枝「そんなことになったら大騒ぎになります!」
晶葉「その通りだ」
光「マサヨシ君を止める方法は!?」
晶葉「マサヨシ君の下腹部に緊急停止ボタンがある。しかし……」
光「しかし?」
晶葉「その……設計の都合上、ボタンを保護しているフタが開けられなくなってな……」
麗奈「やっぱり欠陥ロボじゃない!」
晶葉「正直そこは認めざるをえない」
麗奈「認めないでよ!」
光「そのフタを壊すことは出来ないのか?」
晶葉「壊すのは難しいな……いや、方法はあるか」
光「どんな方法!?」
晶葉「そのフタは融点が低い金属で出来ている」
光「……?」
晶葉「つまりだ、フタに熱を加えれば溶かすことが出来る」
光「あ、それこの前授業でやった!」
晶葉「確か工具箱の中にはんだごてがあったはずだ。それをフタに押しつければ、そのまま緊急停止ボタンを押せるだろう。だが……」
光「あ、そうかミカエルブレードがあるのか!」
紗南「ミカエルブレード?」
晶葉「あぁ。はんだごてを持って近づけば間違いなくミカエルブレードでなぎ払われてしまうだろう。そしてもしもはんだごてを押しつけられても……その前に持ち上げられてゼロ距離からガンマレイを受けてしまうことになる可能性もある」
麗奈「じゃあどうするのよ!?」
晶葉「すまない、どうしようも……」
紗南「待って、それって全部一人でやるから無理なんじゃない?」
晶葉「……どういうことだ?」
紗南「つまり……」
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