女「拝啓ダーリン様」(60)

 拝啓ダーリン様

 暑さ加わるこの頃、そちらではいかがお過ごしでしょうか。

 こちらではあれやこれやと色々あり、忙しく苦労も多いです。

 それでもご飯は美味しく、昼寝は気持ちよく。何だかんだやっていけそうです。

 安心して、また空の上から見守っていてください。

 敬具

女「いただきまーす」

男「・・・それ何?」

女「これ?キツネうどんよ」

男「そっちじゃねーよ。何でこのタイミングで?食前のお祈りの習慣とかあったか?」

女「いやぁ・・・このお揚げ見てたら、なんかダーリン思い出しちゃって」

男「油揚げが好物だったのか」

女「それはちょっと知らないけど」

男「なんでやねん」

女「あれ、もうセロテープが無い」

男「丁度ダイソー行くから。ついでに買ってくるわ」


男「・・・」キョロキョロ

店員「お客様、何かお探しで?」

男「あぁ、セロテープなんだけど」

店員「申し訳ありません・・・只今切らしておりまして」

男「がびーん」

男「・・・」ジーッ

   『レジ』

店員「・・・あの」

男「試しに聞いてみるが、あそこのテープちょいと分けてもらったり・・・」

店員「応えかねます」

男「ならこの『延し棒』買うから。テープグルグル巻きで頼む」

店員「職人魂がうずきますね」


男「で、出てきたのがこれ」カラン

女「僅かな隙間も見えない・・・その店員さん大したもんだわ」

男「いいかげんあっちぃな」パタパタ

女「そろそろクーラーつけよっか」

男「んじゃフィルター掃除か」ヨッコイセ

女「遠心分離機持ってくる」

男「ハチミツのやつか?・・・っておいまさか」

女「ダーリンとはいつもこれだったわ」

    グルグルグルグル
                   フォンフォンフォンフォン

女「・・・・・」グルグルグル

男「・・・・・」グルグルグル

女「・・・・・」グルグル...グル...

女「・・・よし。そろそろ」グッ

女「」ガショッ

     ピカピカ      キラキラ    ピカピカ

女「どうよ」ン?

男「お前の旦那、相当暇してたんだな」

   ミーンミンミンミンミン...       ミーンミンミンミンミン...

男「・・・」ボーッ

  ダダダダダダ...

女「なぁに昼間っからシケた顔してんのよ!」バターンッ!

男「・・・ん?あぁおかえり」ムクッ

女「ただいま!それよりこれをご覧!」ババーン

   『でっかい氷』

男「うん?」

女「触って驚け、見て騒げ!」ピトッ

女「ちべたっ!」ギャヒー

男「普通は見て驚き、触って騒ぐもんだろ」

女「だからカキ氷よ」

男「うちカキ氷機ねーだろ。それも買ってきたのか?」

女「まさか。おもちゃみたいだけど高いのよ、あれ」

男「で、どうする気だよ?」

女「・・・」シャキーン

   『包丁』

男「ほぉ。それで削る気か」

女「まさに手作り、けずり氷ってわけよ。美味しそうじゃない?」

男「お前は楽しそうの間違いだろう」

    シュリシュリ...    シュリシュリ...

女「・・・」シュリシュリ

男「・・・」シュリシュリ

女「遅いわ!」ドンガラガッシャーン

男「これ、一人前の量削るのにどれぐらいかかるかねぇ・・・」シュリシュリ

女「もう飽きたわ・・・いいよ、氷のままで十分美味しいよ」ガリッ

男「あ、ずっるい!一人で食うんじゃねーよ!」

女「ねぇー・・・」

男「んー?」

女「この前の鎌倉の書類さぁ・・・」

男「どした?」

女「どこか知らない~?」

男「・・・知らないな」

女「・・・」

男「・・・」

女「あれ持ってたのそっちだったよね」

男「そうでしたかね」

女「そうでしたわね」

男「ん・・・おっ」ガタッガタン

男「あったあった・・・はぁー、よかった」

男「メールうってぼちぼち帰るか・・・」ポチポチ


男「よし」バタン

   ヴィーッヴィーッ

男「・・・ん?女からメール」パカッ

   『ついでに観光してきたら?』

男「・・・鎌倉か」

男「そろそろ紅葉だな」テクテク

男「んー、いいところだ。雰囲気がいいね」

男「団子は美味しいし・・・」モグモグ

男「女の子も可愛いし」ヒューッ

男「・・・」

男「」チラッ

   『土産物屋』

男「ただいま」バタン

 うぇ!?

男「・・・ん?」

 あ、あれ!?

男「女?風呂かー?」

 ・・・

男「なんかあったか?」

 いや何も無いよ!?むしろ心配は要らないね!!

男「・・・なんか悪いことしてる?」

 ぎくり

男「・・・」プニプニ

女「・・・」プルンッ

男「で?」

女「ごめんなさい」

男「そうだな・・・言い訳は聞こう」

女「興味本位で・・・」

男「前からやってみたかったってことか」

女「うん」

男「湯船一杯のゼリー作ることをか・・・」

女「ごめんなさい」

女「あたし・イン・ゼリー計画よ」

男「ふーん・・・それで思ったよりゼリーが硬くて動けなくなったってアホか」

女「返す言葉も無いわ」

男「俺が早く帰って来なかったら死んでたなぁ」

女「その時は食べて脱出したよ!」

男「砂糖入れて無いならとても食えんぞ」

女「そうなの・・・?」

男「はぁ・・・反省しろよ」

男「・・・」ガリッガリッ

女「・・・」ボー

男「・・・そろそろ出られるだろ」ガリッ

女「・・・」ボー

男「女。」

女「・・・」ボー

男「女!」

女「」ビクッ

男「しっかりしろ・・・立て」

女「・・・うん」

男「自分で出られるだろ」

女「うん・・・ごめんね」

男「・・・」ガリガリ

女「・・・」ガリガリ

  ガリガリ     ガリガリ

女「やってられるかー!」ドンガラガッシャーン

男「やってられろよ。お前のしたことの後始末だぞ」

女「悪かったわよぅ・・・でももう良くない?流しちゃおうよ」

男「バカ、こんなん流したら下水つまるっつうの・・・全部削り取れ」

女「あーん、なんでこんなとりづらいのよー。困っちゃう」

男「手伝い要らないか?」

女「要りますごめんなさい」

女「お芋とか栗が食べたくて仕方ないわ」

男「秋だからな」ムシャムシャ

女「今すぐ!ここで!食べたいなぁ~!」

男「・・・」モグモグ

女「たっべったっいっなーーー!」

男「それはあれか。俺の食べてる干し芋をよこせっつってんのか」

女「えぇ♪」

男「やだよ自分で買えよ」

女「ケチー!」

女「こんな時、ダーリンは私が一言も発する前に察してくれたわ・・・」スッ  モグモグ

男「(結局勝手に取って食うんかい)」モグモグ

女「ね、焼き芋しようよ」

男「しようよって・・・何?オーブンか?」

女「焚き火よ焚き火。落ち葉集めて焼きましょうよ」

男「素人がやっちゃ危なくないか?それ」

女「え?ビビってんの?」

男「・・・・・・・は?」

女「火を扱うのはちょっとまだ早いかな~?」

男「」ガタッ

男「てめー首洗って待ってやがれ」スタスタ

女「(チョロい)」ムシャムシャ

 拝啓ダーリン様

 お腹の鳴き声止まないこの頃、そちらではいかがお過ごしでしょうか。

 こちらでは柿の木に実がなりました。

 早くとって食べたいのですが、まだ熟していないそうです。果実は寝て待つ外ありませんね。

 そちらでも美味しいものをつまみながら、また見守っていてください。

 敬具


 追伸

 焚き火の煙は、そこまで届きますか?

女「」ハフハフ

男「・・・・・」ペラッ

女「・・・・・」ペラッ

男「・・・・・」ズズッ

女「・・・・・」ペラッ

男「ん・・・お茶もう無いな」チョロッ

女「んー、淹れてきてー」ペラッ

男「はいはい・・・」スクッ

女「男ー」

男「ん?」

女「ついでにクッキーもー」ペラッ

男「はいはい」スタスタ

女「んーっ」ノビー

女「丸一日読書ってのも疲れるわ」コキコキ

女「男ー」

男「んー?」ヒョコッ

女「マッサージしてー」

男「お前なぁ」

女「・・・たまには、いいじゃん」

男「・・・・・」

女「ね?」

男「・・・はぁ」

男「まだ買うの?」コンモリ

女「せっかく買い物来たんだから・・・ね?」

男「はいはい」

女「あー、このコートはいいですねー」

男「さいでっかー・・・てこれ男物じゃん」

女「あんたのよ」

男「俺はコート持ってるよ」

女「知ってるよ」

男「いらないっつの・・・しかもこれ結構するぞ」

女「買ってあげようか」

男「いらないってば」

女「遠慮しないの」

男「つかこれ以上荷物増やさないでくれ・・・」ズッシリ

女「パソコン新しくしようか」

男「なんでよ」

女「XPのサポート終わるし」

男「へー」

女「それにあんたのやつダーリンのお古でしょ?好きなの買えば?」

男「景気がいいな」

女「今年は調子良かったからね」

男「確かになぁ・・・で、本音は」

女「出張行ってきてー」

男「ですよねー」

男「これほんとは社長が行かなきゃいけなかったんじゃないか・・・?」

女「おかえりー」

男「ただいまー・・・って無視しない」

女「細かいこと気にしないの」

男「はいはい・・・っと」ポイッ

女「おっ・・・と」ポスッ

女「なにこれ?」

男「お土産。ありがたくもらっとけ」

女「あんたいっつもお土産買ってくるね。律儀なやつ」

男「お前の旦那は?そういうの無かったの?」

女「バカね、出張ならあたしも一緒に行ってたわよ」

男「愛されてるねー・・・」

男「ここで年越すって?」

女「うん。家が電気系統おかしくなっちゃって」

男「ふーん・・・まぁこの事務所風呂もベッドもあるし、問題ないか」

女「あんたは?」

男「ん?」

女「どうするの」

男「なにが」

女「どこで年越す気なの」

男「家だよ」

女「なんでよ!」バンッ

男「なんでなんでよ!?普通だろうが!」ビクッ

  ティクティクティティッティーティティティティクティク

女「今年は何?」ズズッ

男「地球防衛隊だって」モグモグ

女「色々考えるねー・・・あ、お汁粉おかわり」ハイ

男「お前肥えるよ・・・」

女「ほっとけ!大掃除で動いた分補給してんのよ」

男「はいはい」

女「蕎麦どうする?出前?」

男「んー、一応ここで作れるけど」

女「そか、任せるわ・・・それで明日は?」

女「おせちでも食べようか?」

男「食い意地の張る奴だな・・・」

 拝啓ダーリン様

 明ける年に心ときめくこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

 こちらでは仕事が順調です。心配は要りません。

 最近また男を頼りすぎ、甘えすぎていることを自覚しています。

 これではなりませんね。私が一人で立てるよう、どうか見守っていてください。

 敬具

女「・・・・・」

男「・・・zzz」

   ピンポーン

男「・・・んぁ」パチッ

女「男ー・・・出てー・・・」ムニャムニャ

男「はいはい・・・」ノソッ


男「はぁい・・・」ガチャッ

叔母「どうも」

男「・・・・・っ」ビクッ

男「え・・・えっ?えっ?」

叔母「久しぶりだわね。」

男「なっ・・・なん・・・!?」

叔母「新年の挨拶ぐらい来てくれてもいいんじゃないかしら」

男「あ・・・なた・・・は・・・」

叔母「初めはあなたの家に行ったのよ。でも留守だったから」

男「なんで・・・ここが・・・?」

叔母「知られていないと本気で思ってたのかしら?」

叔母「でも、元気そうで良かったわ」

男「・・・」

叔母「あの子もここにいるかしら?」

男「・・・っ!」ピクッ

男「(中ではこたつに女がいる)」

男「(まずいまずいまずいまずい!!女を会わせるわけには・・・)」

男「(いや、この人が来たことを知られることもいけない)」

叔母「あなたにも迷惑かけてるでしょうね」

叔母「あんなのにいつまでも構ってないで。私と家に・・・」

男「・・・その話は・・・どうか外で」

叔母「はいはい」

   バタン  ガチャッ

男「・・・」フラッ

女「・・・zzz」

男「っ!」ビクッ

女「・・・zzz」

男「(違う・・・寝てるだけだ・・・いつもと同じ・・・)」クルッ

女「・・・男」

男「」ビクッ

女「あんたどこ行ってたの?」

男「その辺。なんでもねーよ」バクバク

女「へぇ・・・朝訪ねてきた人と一緒に?」

男「・・・あぁ」

女「誰?」

男「ただの友達。なんでもないよ」

女「あんたさぁ」

女「臭いよ」

男「ひどいな」

女「すごい嫌な臭い・・・ゲロ吐きそう」

男「そこで吐くなよ。風呂入るから」

女「ねぇ、友達って誰?」

男「・・・」タラー

女「あたしの知ってる人?」

男「・・・えっと」

女「こんな正月早々、非常識だね」

男「・・・」

女「誰」

男「・・・お」

男「幼馴染・・・」

女「あそう」ゴソッ

男「あぁ」

女「」カチカチカチ

男「・・・携帯?」

女「ちょっと電話で確認するけど、いいよね?」

男「は!?」

   prrrrrrr...

男「おま・・・幼馴染の番号知ってたの!?」

女「何か問題でも?」

男「(やっ・・・ばい)」ドッドッドッ

女「・・・・・」prrrr...

男「(どうするどうするどうする!?)」ドッドッドッ

女「・・・」

男「・・・」ドッドッドッ

女「・・・駄目だわ」

男「え?」

女「おかけになった番号は現在使われておりません」

男「そ・・・そっか」ドッキドッキ

女「ちょっとあんたの携帯貸して」

男「充電・・・切れちゃって」

男「(助かった・・・)」

幼馴染「感謝してほしいな」

男「あぁ。ありがとう」

幼馴染「口裏合わせて嘘ついて。貸しひとつだね」

男「そうだな」

幼馴染「・・・」ジッ

男「・・・?」

幼馴染「あそこの喫茶店だったよね」

男「・・・え」

幼馴染「昨日男がその人と話してたの」

男「なんで知ってんの・・・?誰から聞いた?」

幼馴染「別に。直接見てたからね」

男「はぁ!?なんで!?」

幼馴染「それが全くの偶然でさ」

男「うそだろ・・・?」

幼馴染「ほんとほんと」

幼馴染「見てて面白かったねぇ」

男「・・・」

幼馴染「あの様子見てさ・・・昔のこと思い出すよね」

男「・・・」

幼馴染「高校の時。楽しかったよね」

男「そうか・・・?」

幼馴染「また付き合ってみようか?あの頃みたいに」

男「ふざけんなよ」

幼馴染「あれ、嫌がる?」

男「・・・」

幼馴染「色々弱み握っちゃったけど。逆らう?」

男「・・・汚いぞ」

幼馴染「あれれれぇ?ちょーっと態度が違うんじゃないのぉ?」

男「・・・」ギリッ

幼馴染「全部女さんにバラしちゃおっかな~」

男「やめてくれ・・・」

幼馴染「で、どうするの?話に乗る?」

幼馴染「それともまた土下座かな?昨日してたみたいに」

男「・・・」ギロッ

幼馴染「・・・」ニヤニヤ

男「・・・そうしろって言うんなら」

幼馴染「へぇ・・・しちゃうんだ」

男「頼むよ・・・勘弁してくれ」

幼馴染「まぁ土下座されたとこで仕方ないんだけどね」

男「・・・」

幼馴染「温泉でも連れてってもらおうかな?」ニヤニヤ

男「・・・」

幼馴染「泊まりでね」

男「・・・・・」

幼馴染「」ニヤニヤ

男「・・・」ギリギリ

幼馴染「・・・あははは」

男「」ギロッ

幼馴染「冗談だよ・・・本気にした?」

男「いい加減にしてくれよ・・・」

幼馴染「ごめんごめん。あんまり面白かったから」

男「ったく」

幼馴染「でもほんとになんでもやりそうだったよね」

男「・・・」

幼馴染「そんなに怖い?また女さんに嫌われるの」

幼馴染「まぁ心変わりしたら連絡してよ。私待ってるからね」

男「お前はまたそういう・・・」

幼馴染「あながち冗談でも無いよ~?」

男「ほんとさぁ、お前の旦那が可哀想だよ」

女「鏡開き! いぇー!」

男「いぇー! お餅いぇー!」

女「まぁ元々飾ってないうちには関係ない話だね」

男「素直に『買い忘れてた』って言いなさい」

女「みかん開きいぇー」ムキムキ

男「いつも通りいぇー」モグモグ

女「爪が黄色い」

男「みかん食えばそうなるわ。諦めろ」

女「別に嫌ってんじゃないのよ」

男「あそぉ?」

女「むしろオシャレで実にいいと思います」

男「マニキュア的なね」

女「でもいっつも黄色じゃ飽きるよね」

男「うん」

女「そこでこちらの」ゴソゴソ

   『食用色素』

女「そっちどうよ」

男「・・・指まで染まってる」チャプ

女「あー、あたしもだ」チャプ

男「残念、失敗だな」

女「いやいいんじゃない?かわいーかわいー」

男「・・・俺の水色はまだしも、お前紫だぞ?キモいっつの」

女「分かってないなぁ」チッチッ

男「分かんないなぁ」

女「泣くなよ、黒豆にしわ寄せちゃったくらいで」ポム

男「泣いてねーよ。俺にそんな泣き虫キャラはねーよ」

女「あー美味し」ポリポリ

男「・・・」

女「いけるわー」ポリポリ

男「・・・」

女「さすがだわー」ポリポリ

男「・・・て言いながらちょろぎばっか食ってんじゃないよ!」

女「そろそろ特番も減って来たね」

男「あぁ。お休みムードもここらで切り上げねーとな」

女「なんだか悲しいな」

男「ぐちぐち言ってもどうにもなんないから。気合い入れてこう」

女「おー・・・」フニャー

男「・・・」

女「・・・」フ回ミュー

男「とりあえずコタツはもう片そうか?」

女「ちょ、それは勘弁」

女「ばれんたいんでーきぃっす♪」ガシャガシャ

男「・・・」

女「ばれんたいんでーきぃっす♪」ガシャガシャ

男「・・・お前さぁ」

女「なに」

男「ずーっとガシャガシャ何やってんの?」

女「えぇっ!?ここまで見せつけても分かんない!?あんたどうかしてるよ!!」

男「へぇ、空気を含ませる・・・ですか」

女「ですです」エヘン

男「誰宛てのチョコだよ?」

女「一人しかいないでしょ?」

男「・・・」


  チーン

女「・・・拝啓ダーリン様」

男「(一人しか、いないよなぁ)」

 拝啓ダーリン様

 寒さ極まるこの頃、いかがお過ごしでしょうか。

 こちらでは少しだけ雪が降り積もりました。

 銀色の特大キャンバスに描く絵はなかなか味のあるものに仕上がったと思います。そちらから見えましたか?

 次に見せられる機会はいつになるか分かりませんが、楽しみに見守っていてください。

 敬具


女「おーいし♪」パキッツ

男「結局自分で食うわけな」

女「鬼はー外ー」バラバラ

男「福はー内ー」バラバラ

女「おけおけ。これで一年安泰だわ」クルッ

男「便利だなこれ。片付けいらないし」

女「やっぱり豆まきはドライアイスに限るわ」

女「年の数だけ食べなさい」

男「枝豆しかねーのな」

女「何十年経とうとも、あたしとあんたの二粒の差が埋まることはないよ。おほほ」

男「はいはいおめでとう・・・って?」

女「」ゴトン

男「・・・樽、だと?」

女「今日は呑むぜよ!」

男「年度末ってことで」

女「総決算だね」

男「忙しくなるな」

女「十二月なんぞ目じゃない位にね」

男「で、また俺は出張....ね」

女「体力仕事だねー。頑張ってね」

男「へぃへぃ、働かしていただきますよ....お前もな」

女「ちょちょいのちょいで終了よ。なめんな」

男「早めに帰るからな。ご飯しっかり食べろよ」

女「子供かい」

     お花見

女「お互い花粉症が無いのは幸せなことだよね」

男「だなぁ。団子が苦手でないことも然りだ」ムグムグ

女「言うと思ったよ」

男「お前の旦那も言ってたんじゃねーの?」

女「はぁ....」

男「憐れむなおい....何を間違えた?俺」

女「うちのダーリンは違うよ....もっとこう、エレガントにオシャンティに....」

男「『こうして二人一緒にいられることも然り』」

女「違うし」

男「えー?」

女「あっちゅー間に梅雨だわ」

男「桜の花びら泥まみれだな」

女「懐かしいな」

男「何が?」

女「昔ね、この地面のグズグズの花びら見ながら絵を描いたの」

男「なんでまた....」

女「美術とは。未知への挑戦なのよ」

男「誰の言葉?」

女「知るか」

男「はぁ....」

女「憐れむなおい。男の分際で」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月26日 (金) 17:41:05   ID: e8gYri1E

男が蚊帳の外だし幼馴染で人妻ってキャラ的に死んでるし面白くねぇ。

2 :  SS好きの774さん   2014年10月02日 (木) 17:41:15   ID: TPV7fvF_

もう書かなくていいんだが?

3 :  SS好きの774さん   2014年10月13日 (月) 05:13:48   ID: DFktWTLV

つっまんね

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