十代「おーい!」
弾「こ、ここは?」
十代「ここ?ここは・・・荒野のど真ん中」
弾「そ、そうか・・・」
十代「おいおいまた気絶しちまったよこいつ」
ユベル「この男もデュエリストのようだぞ十代」
十代「あ、ホントだ!いや全然違うじゃんかユベル。えーっと太陽神龍ライジング・アポロドラゴン」
十代「何だこれ?聞いたことねえぞ。知ってる?大徳寺先生?」
大徳寺「聞いたことがないのニャ」
十代「まあいいや。どっか木陰のある場所に運んでやろうぜこいつ」
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弾「・・・?」
十代「あ、気がついたか」
弾「誰だアンタ?もしかして俺を助けてくれたのか」
十代「まあそんなところかな?俺は十代、遊城十代だ」
弾「俺は馬神弾」
十代「弾か。なあ弾、それってデュエルモンスターか?見たことねえけど」
弾「デュエルモンスター?いやこれはバトスピ。バトルスピリッツ」
十代「ば、ばとすぴ?」
弾「か、帰らないと」
十代「ちょっと待てよ!フラフラじゃねえか」
弾「俺は死んだと思ってた・・・でもこうして生きている。早くまゐ達のとこに」
十代「死んだ?何かあったのか弾?」
弾「アンタ知らないのか!?俺はバローネとのバトルで・・・バトルで」
十代「そいつと何かあったのか?」
弾「・・・何かが違う。ここは未来じゃない、俺が居た居場所と違うのか?」
十代「なあ弾、休んだ方がいいんじゃねえか?」
弾「つまりここはデュエルモンスターズというカードによるカードバトラーを生業として」
十代「弾はバトスピって言うのでデュエルしてたのか」
弾「そうか・・・あの最中マザーコアがマギサが現れた・・・俺は命を救われたがこの別世界に」
十代「そう落ち込むなって!な?腹減ったろ飯食うか?」
弾「・・・」
十代「飯食ったらバトスピっての教えてくれよ弾!」
弾「あ、うん・・・」
十代「ほらよ弾」
弾「・・・」
十代「あれ?もしかして嫌いかカレー」
弾「いやカレーは好きだけど・・・今は食べられない」
十代「訳ありって奴か。仕方ねえよな」
弾「アンタ」
十代「よそよそしい言い方すんなよ十代でいいよ十代で」
弾「十代・・・さん」
ユベル「何か色々とあったって感じがするよ彼には」
大徳寺「一時期の十代くんにそっくりだニャ」
十代「そうかコアってのが必要なのか。複雑だな」
十代「そんで一ターンに複数のモンスターを?」
弾「このデュエルモンスターズは原則モンスター一体の召喚なのか」
弾「罠に魔法か・・・」
十代「楽しいか?」
弾「ルールを覚えるのが難しそうだ。十代さんは」
十代「俺?俺も難しいかもしれねえな。ハハハ」
弾「・・・」
十代「弾さ何か辛い事でもあったのか?」
弾「え?」
十代「何っつうか俺もそんな時期があったから解るんだ。悩んでる奴の顔見るとな」
十代「直感って奴かな」
十代「その異界王ってやつ倒して英雄として持ち上げられたけど徐々に手のひら返されたのか」
大徳寺「酷い話だニャ」
弾「俺はまゐに誘われ未来へ旅立った。そこでも色んな事があった」
弾「新しい仲間そしてバローネというライバル・・・何より強いカードバトラーと出会えて」
十代「充実してた。だろ」
弾「・・・」
十代「そうだよな。やっぱり解るぜ弾の気持ちが」
十代「でもそれって大事な事を忘れちゃうんじゃないか弾?」
弾「大事な事?」
十代「初めてカード握ってデュエル・・・弾風に言えばバトルした時さ、どうだった?」
弾「楽しかった。勝っても負けてもずっとずっとバトルをしたいそう思ってた」
十代「でもいつの頃か忘れちまって勝つ事に拘るようになってそんな気持ちを無くしてしまった」
弾「・・・」
十代「大人になってもどんなに自分が別格の強さになっても忘れてはいけない事。解るか」
弾「・・・」
十代「楽しむこと、ワクワクする事さ!」
弾「ワクワク?」
十代「そう!楽しむことを忘れたら絶対にダメなんだぜ弾!」
弾「ワクワクか・・・そういえば心の底から楽しむバトルを忘れてたな」
弾「もし帰れたらもう一度バトルしよう・・・」
十代「よし!そうと決まれば帰ろうぜ弾!」
弾「帰る方法が?」
十代「ユベル!」
ユベル「僕にはそんな力は無い」
十代「大徳寺先生!」
大徳寺「ノーコメントだニャ」
十代「・・・」
弾「十代さん」
十代「帰りてえよな弾?」
弾「俺は帰りたい・・・俺を待ってくれている人が居るんだ!帰りたいです十代さん!!」
十代「おう!さてどうするか・・・弱ったな。前みたいに遊星が颯爽と登場しないかな」
「彼は別次元の世界からやって来た。なら再びその世界の扉を開ければいいんじゃないか?」
「お前がいや俺達がかつてヨハン救出をためにやった事を忘れたのか?」
十代「ヨハン・・・そうか!弾ついて来いよ!あるぜ方法が!」
十代「ここが弾が気絶してた場所だよな・・・あったぜ」
ユベル「上空に亀裂が」
十代「見てろよ!ネオスを召喚!」
弾「十代さんそれって!?」
十代「話は後だぜ!ネオス!あの亀裂に攻撃だ!!」
ネオス「シュワッ!!」ゴチン
十代「ネオス一人じゃダメか」
「どうやらそれではダメのようだ。万丈目達はどうだ?」
十代「万丈目や明日香を呼ぼうか・・・辺鄙なとこだけどこれんのかあいつら」
「フッ、そう来ると思い連絡はしておいた」
十代「ありがとよ!ていうかお前誰だ?」
三沢「俺だよ十代」
十代「三沢・・・三沢大地か!?」
三沢「久しぶりだな十代」
万丈目「それで俺達に手伝えと」
十代「頼むよ万丈目、明日香、翔、剣山、レイ、吹雪さん、カイザー」
剣山「そもそもあいつの世界にたどり着けるのかドン?」
翔「根拠なんてないっすよ兄貴」
弾「俺は帰らなきゃいけないんだ。お願いします皆さん!」
明日香「仕方ないわね。十代やるわ!」
吹雪「うん。亮はどうするんだい?」
カイザー「やるか」
レイ「十代様の頼みなら!」
弾「ありがとう・・・ありがとうございます」
十代「よし!行くぜ万丈目!ヨハンを助けた時のようにな!」
万丈目「ええい!解った!やってやる!」
十代「ありがとなみんな」
十代「あと一歩だな・・・決めるぜネオス!フレイムウィングマン!」
弾「穴が・・・空いた!?」
十代「やったな弾。これで帰れるぞ」
弾「これで・・・」
十代「そうだ。カイザー!久しぶりにデュエルしようぜ!」
十代「弾、見てってくれよデュエルを」
十代「そして焼き付けてくれよデュエリストのデュエルをさ!」
カイザー「翔デッキを」
翔「はい、兄さん」
弾「解りました十代さん。十代さんのデュエルを俺は忘れない」
万丈目「何で現役を退いたカイザーなんだ!?普通はこの」
剣山「仕方ないドン。我儘は言いっこ無しザウルス」
十代・カイザー「デュエル!!!!」
弾「これがデュエル・・・」
十代「どうだった俺のデュエル」
弾「良かったです十代さん。俺は絶対に忘れない」
十代「何か道みたいだな・・・本当に大丈夫なのかよ三沢」
三沢「ああ。俺の計算が正しければ99%の確率で弾の居るべき場所へ戻るはずだ」
三沢「想いの力・・・それは時として奇跡を齎す。デュエリストもカードバトラーも一緒じゃないか?」
弾「そんなものなのですか十代さん」
十代「そんなもんだろ。な?」
三沢「ストップ。見ろ扉だ」
十代「ここでお別れだな。なあ弾、もしここがまた別の世界に繋がってたらどうする」
弾「その時もまた奇跡を起こしてみますよ十代さん」
十代「へへっ、その粋だぜ弾!ガッチャ!頑張れよ弾!」
弾「十代さん・・・ありがとうございました、いいバトルでした」
十代「じゃあな」
弾「じゃあ」
三沢「どうする気なんだ彼は」
十代「まあ見てろよ」
弾「ゲートオープン、界放!」
十代「行っちまったな」
三沢「ああ」
大徳寺「それより三沢くん君は確かモンスターの世界に残ったって十代くんが言ってたニャ?」
十代「そういやお前いきなり出てきたよな」
三沢「実はな十代、デュエルモンスターの世界にまた脅威が迫ってるんだ。助けてくれ」
十代「ったく悪い奴ってのはどこにでも居るんだな」
十代「いいぜ!手伝ってやるよ三沢!」
三沢「ありがとう十代」
ユベル「今度はモンスターの世界での旅か。本当に君は旅が好きだね十代」
十代「そうと決まれば万丈目も誘って乗り込もうぜ!」
三沢「万丈目も?」
十代「プロで連戦連勝の男だし何よりノリがいいからあいつ」
三沢「それは心強い」
十代「だろ?早く行こうぜ!三沢!」
三沢「ああ!」
弾「ここは・・・未来世界じゃないな。どこか見覚えがある懐かしいそんな場所だ」
まゐ「ダン・・・」
弾「ん?」
まゐ「ダンだよね?本当に本当にダンだよね・・・」
弾「心配かけたなまゐ」
まゐ「ダン!!」
弾「おっと、そんな抱きつくなよ。俺はこの通り元気だから」
まゐ「おかえりなさいダン」
弾「ただいままゐ」
まゐ「無事で良かった。でもいつか帰ってくるって」
弾「うん。それより腹減ったよまゐ」
まゐ「お腹空いたって・・・カレーでいいよね?」
弾「ああ!カレーでいい!まゐの作ったカレーでな!」
まゐ「スズリンも剣ちゃんもビックリするだろな・・・」
弾「クラッキーは?」
まゐ「クラッキーは未来に残ったよ」
弾「へえクラッキーは未来に」
まゐ「うん」
弾「ガッチャ!」
まゐ「え?何それ」
弾「俺を助けてくれた人が教えてくれたんだ。その人さ」
まゐ「うんうん」
弾「十代さん。無事に帰ることができました」
弾「でも本当の戦いはこれからです。俺は忘れない人として大切な事を十代さんとの出会いを」
終
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