渋谷凛「Pさんが腐ってた」 (39)
事務所:事務室
凛「だから……今からPさんのBL趣味を、矯正する」
モバP「……どうして知ってる?」
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凛「メモに有った掛け算の落書き、見せてもらったよ」
モバP「そうか。ところで、どうして俺のメモを見たんだ?」
凛「落としてたよ、手帳の端くれ。私物の管理はちゃんとしてね」スッ
モバP「ありがとう。もっと質の良い紙にする」
凛(……ごめん)
モバP「で、どうして矯正したいんだ?仕事も終わったんだし、早く帰りたいんだが」
凛「Pさんがホモ・セクシュアルだと知って、仕事に影響も出る娘もいるでしょ。どうして黙ってたの?」
凛(……違う。他の娘じゃなくて、私なんだ。私が困るって……言えたら、いいのに)
モバP「聞かなきゃ答える訳も無い。それに、必死に隠してきたんだ」
モバP「……ところで、俺は衆道ではないぞ?」
凛「えっ?」
モバP「言葉通りだ。フィクションはフィクション、リアルはリアルで別腹だ」
モバP「帰るからな?俺は、人を待たせてるんだ」
凛「待って」
モバP「待たない」
凛「……お願い」
モバP「……少しだけなら」
凛「BL好きなのに、ホモじゃないって言うのは……どう言うこと?」
モバP「美しい絵が、嫌いな人がいるか?」
凛「あのさぁ……そうじゃなくって、どうして異性愛者のPさんがBL好きなの?」
モバP「……そうだな」
モバP「障害のある恋の方が燃える、というフレーズは知ってるか」
凛「うん、わかる」
モバP「例えば年齢、世間体、能力に物理的距離。もっとフィクションに寄せるなら、種族の違いや家柄のとかもだな」
凛(それに、プロデューサーとアイドル、とか……ね)
凛(……待って。その条件って、パートナー両方にも一致する?よね?)
凛(……これは、いけるかもしれない。いや、それは早とちりかもしれない。落ち着こう。干支を数えよう。今は昭和の何年だっけ)
モバP「同性というのは、その『障害』に過ぎないと思う。俺は恋愛小説の一分野として、BLは大好きだ。まぁ、雑食だけどな」
凛「今更だけど、成人男性の恋愛ドラマ好きって」
モバP「……自分でも、褒められたものではないと思ってる。分野も分野だしな」
モバP「だから、日頃から隠れキリシタンごっこに勤しんできた訳だ。布教も我慢してな」
モバP「でも、なかなか面白いんだぞ?あと一歩踏み出せば解決出来ただけの話が、臆病さや間の悪さのせいでバッドになったり……その逆もあったりな」
凛「……そうなんだ」
モバP「好きなものを嫌いになれる訳など無いんだ。口外はしないでくれよ……帰っていいか?」
凛「まだ待って。どうして好きになったのかは、聞いて無いよ」
モバP「言わなきゃダメか?」
凛「言って」
モバP「ン……恥ずかしいな。昔の同僚が初めてコミケに参加するとき、あまりにも遅れてて可哀想だったから、かな。手伝ってるうちに、ズブズブだ」
凛「昔の同僚?」
モバP「この業界、人の出入りが激しいからな。引退引き抜き結婚転職転勤……」
凛「そっか」
凛(私も、出来るのかな。Pさんと……)
モバP「で、気付いたら私生活の中でもネタを探す始末だ」
凛「待って。Pさんって、アイドルの娘とちひろさん以外には、殆ど会えてないでしょ」
凛「……まさか、男に置換して?」ゾワッ
モバP「ナマモノは苦手だ。それに、モデルにする程度だ」
凛「どんな娘とか、特に?私がモデルのキャラとかもいる?」
モバP「ニューウェーブの三人かな。お前は……そういえば、考えたことなかった」
凛「……そう」
凛(私は、見られてなかったんだ)
凛(……でも、キャラクターとしてじゃない私を、見てもらえるかもしれない。まだ、始まってもないんだ)
凛「でも、あの三人がそれっぽいとは、あんまり思えないかな」
モバP「随分食いつくな?……腐ィルタをかければ、まあ」
凛「腐ィルタ?」
モバP「それを通して見れば、世の中のほぼ全てがそういう行いに見える」
凛「ふーん……普通に見ると?」
モバP「仲良きことは美しきかな」
凛「腐ィルタをかけると?」
モバP「……互いの足の指の太さまで知り合った関係?」
凛「……それは」
モバP「だろうな。いくらなんでも、飛躍しすぎた」
モバP「だからこそ、これを簡単に付け外し出来るようにと訓練したし、少なくとも仕事に支障は出ないようにした……出てるか?」
モバP「だからこそ、これを簡単に付け外し出来るようにと訓練したし、少なくとも仕事に支障は出ないようにした……出てるか?」
凛「ううん、出てないよ」
凛(そのPさんのおかげで、私はシンデレラガールともなれた……)
凛(……ガラスの沓がシンデレラのものなら。私の想いを守って……!)
凛「じゃあ、Pさんはホモじゃないんだ。ちゃんと女性に、興味を持ってるんだ」
モバP「ああ、最初からそうだ……現に、家庭を持つ身でもある」
凛「……えっ?」
Psケータイ「キーターヘーカーエールノー♪」プルルルッ
モバP「失礼。もしもし?……おまえか。待たせてすまない」
モバP「良いものって、一人の身体じゃないんだから、いたわって……黒高?だから、俺はまだナマモノは……コンチェルトさん?そっか、チェックしてくれてたのか。ラミネも頼む。愛してる」ピッ
モバP「すまないが、これ以上は無理だ。さようなら、話は明日聞く」スタスタ
凛「えっ……えっ?」
凛(始まっても、いないのに?勝負すら、してないのに?……こんなの、あっちゃいけない。あっちゃいけないことだよ……!)
凛「……うぇぇぇ……!」ポロポロポロポロ
おわり
信じて送り出した友人が腐女子の嫁さんの英才教育にどハマりして801ホールのプラトニックさを語り出すなんて…
Pの言ってた事は、友人の言ってた事と殆どまんまです。
拙い作品に最後まで付き合っていただき、本当にありがとうございました。
HTMLの依頼、出して来ました。
モバマスにはいるでは無いですか……男相手に腐を啓蒙するアイドルが……
オチは最初から決めてました
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