先輩「知ってる」
後輩「む、じゃあもっと反応して下さい」ギューッ
先輩「やだよ恥ずかしい」
後輩「にゃーにゃー」スリスリ
先輩「やめなさいって」
後輩「おっぱい揉んで良いです?」
先輩「だめです」
後輩「おっぱいタッチ!」プニュ
先輩「ひぅ」
後輩「むむっ?」
先輩「……なに?」
後輩「先輩、胸弱いんですか?」
先輩「人前でなに言ってるのこいつ」
後輩「揉んで良いです?」
先輩「勘弁して下さい」
後輩「今日も2人ですね」パタパタ
先輩「だね」
後輩「この部室もいつまで貸して貰えますかね」パタパタ
先輩「だね」
後輩「お茶煎れますね」
先輩「…私さぁ」
後輩「はい?」
先輩「2人で居るの、好きだよ」
後輩「…私もですよ」ニコッ
先輩「お茶ー」パタパタ
後輩「はいはい」
後輩「アイスの実、巨峰果汁100%ver!」ビシッ
先輩「…急になに」
後輩「コンビニで買ってきたんです!」
先輩「あっそ」
後輩「反応薄いです…」
先輩「あれさ、口の中痒くならない?」
後輩「アレルギーじゃないですか」
先輩「ガツンとぶどうは大丈夫だけどなぁ」
先輩「ていうかさ、この季節にわざわざアイスを食べることもないだろー」
後輩「何をいいますか!この時期に食べるアイスもまた乙なものなんですよ?先輩はわかってませんねー」ハァ
先輩「なんだとー!?生意気なことをいうねー、コイツは」コチョコチョ
後輩「あははは!!先輩!腋は!ダメです!」
先輩「うりうりー」コチョコチョ
後輩「あはははは!!!やめ!!やめてぇ!」
後輩「ぜーはー…死ぬかと思った…」
先輩「さっきのおっぱいタッチのお返しだ」
後輩「倍返しってレベルじゃありませんでしたよ…なのでおっぱい揉ませてください」
先輩「悪かったからそれだけは勘弁して」
後輩「でもよくよく考えたら…先輩の胸って揉めるほど大きくありませんよね…」
先輩「人のこといえますか?後輩さん?」
後輩「いいえ…」
先輩・後輩「「はぁ…」」
先輩「どうすれば胸って大きくなるんだろうなー?」
後輩「やっぱり牛乳に相談するのが一番なんじゃないですか?」
先輩「でも一説によると牛乳はあんまり効果ないらしいぜー?」
後輩「あとは揉んで大きくするとか…」
先輩「やめましょうね、そういうことするのは」
先輩「ってか後輩は本当にスキンシップしたがるよなー、普段はあんなにクールなのに」
後輩「にゃー」スリスリ
先輩「まぁかわいいからいいんだけど」
後輩「♪」ギュー
先輩「思うんだけどさ、ずっとスリスリしたりギューッってしてたりして楽しいか?」
後輩「はい!とっても!!」
先輩「ならいいんだけどさ」
後輩「楽しいといえば…」
先輩「うん?」
後輩「楽しいこともたくさんあったけど辛いこともありましたね…」
先輩「そうだな…」
思えば、私たちは 今でこそ楽しく過ごしているが ここまでたどり着くには紆余曲折があった
後輩「って先輩!なに感傷にひたってるんですか!そんなの先輩のキャラじゃありませんよ」
先輩「私だって感傷にひたることぐらいあるわい!」
先輩「…でも本当にいろいろあったなぁって思ったんだ」
私と後輩はこの部室で出会った
帰宅部だった私は学年があがると心機一転を期して部を創設した
しかし入部した者はいまのところたった一人
それが今私の隣にいる後輩だ
その後 入部希望者が現れることはなく部は存続の危機を迎えた
先輩『後輩…悪いんだがこの部活は廃部になるかもしれん。悪いことは言わないから別の部活をあたった方が…』
後輩『でも私は先輩と部活をやりたいです』
先輩『でも…』
後輩『先輩。心機一転するんじゃなかったんですか?また帰宅部に戻るおつもりですか?』
後輩に反論されつい私は言い返してしまう
先輩『私だって好きで帰宅部に戻るわけじゃないよ!本当はいやだけど…仕方がないじゃないか』
後輩『くよくよしないでください!』
突然後輩は声を荒げた
後輩『諦めちゃ…ダメなんですよ…』
そういうと後輩は手で顔を覆いながら部室から走り去った
先輩『諦めるな…か』
無意識に私は走り出していた
その後のことは私もよく覚えていない
ただ 今廃部を免れている現状を見る限り必死に頼み込んだのだろう
後になって分かったことなのだが後輩も中学校の時は帰宅部だったらしい
正確には帰宅部と同義だが
なんでもスランプに陥り、自分の才能に失望し、努力を諦め部活に顔を出さなくなったそうだった
後輩は諦めてしまったことをずっと後悔していたのだった
先輩「へへへ…」
後輩「なんですか急に笑い出して」
先輩「いや今もこうして部室にお前といれてよかったなぁって」
後輩「もう…急にくさいこと言っちゃって…どうしたんですか」
先輩「ふふ、なんでもなーい♪」
後輩「私も先輩がいてくれてよかったですよ…」
廃部の危機は免れ先輩と部活が続けられることになった
その知らせを聞いたとき 私は声を出して喜んだ
後輩『本当ですか!?先輩が頼み込んでくれたんですね!?ありがとうございます!』
先輩『いやいや…』テレテレ
後輩『これで今度こそ…!部活ができます』
私は先輩と一緒にたくさん練習をした
先輩からたくさんアドバイスももらった
たくさんの時間を先輩とともに過ごした
しだいに私は先輩を意識するようになっていた
先輩への想いは日に日に増長していった
いつしかその想いは先輩への特別な想いへと変わっていった
先輩ともっと一緒にいたい!
先輩の肌にもっと触れたい!
先輩に抱き着きたい!
先輩と…
そんな想いに心を乱され私はだんだんと練習に身が入らなくなっていった
先輩『おい後輩!またボーッとしてるぞ』
後輩『にゃっ!?す、すみません…』
先輩『何だよ「にゃ」って…まぁいいや、調子悪いならもう帰んなさい』
後輩『すみません…』
いつまでもこんな状態を続けるのはまずいと想い一か八か私は先輩に想いをぶつけることにした
しかし、不安はあった
というか不安しかなかった
もし、振られたら…?
それどころか嫌われたりしたら…?
女同士であるゆえにそういった不安は非常に大きかった
後輩『やめよっかな…』
いつしか私は告白を先延ばしにする選択をしていた
次の日
案の定、部活には全くもって身が入らなかった
先輩『後輩…また手がとまってるぞ…いったいどうしちまったんだ?』
後輩『すみません…』
ただ謝ることしかできない自分が情けなかった
先輩『諦めんなよ!』
突然 先輩が叫んだ
後輩『!?え、先輩?』
先輩『いやぁ…また後輩がスランプに陥ってしまったのかなぁって思って…』
先輩『私は後輩から諦めないことを教えてもらったから今度は私がお返しする番かと思って…』
そうか。
なんだ単純なことじゃないか
先輩に嫌われるのが怖くて告白を諦めて何になるというのだ
この胸の想いをいつまでも秘めておいて何になるというのだ
大事なのは結果じゃない。想いを伝えるという行為そのものだ!
後輩『先輩!聞いてほしいことがあります!』
迷いから解放され 私は大声で叫ぶ
先輩『うん?なんだ?』
先輩は優しく耳を傾ける
後輩『あの!!私!先輩のことが好きです!!大好きです!!』
後輩『先輩ともっと親密になりたいです!!!』
言ってやった。
想いをストレートに先輩にぶつけた
その球がストライクでもボールでもデットボールでも、私は先輩に想いを伝えられただけで満足だった
先輩『…いいよ』
少し間をおいて先輩がこたえた
後輩『え?』
先輩『私も後輩のこと好きだし。あそこまで言われちゃ断る理由がないよ』
後輩『え?えっ?』
…ということは……!!
後輩『やったー!!』
体が反射的に飛び上がった
先輩『おいおい、そんなに嬉しかったのかよ』
後輩『はい!!!ずっと先輩とお付き合いしたいと思っていました///』
先輩『後輩///』
新婚の夫婦のような少し気恥ずかしい沈黙が流れた
先輩『じゃあ、するか?』
後輩『え?』
先輩『恋人らしいことだよ』
そういうと先輩は私を抱き寄せキスをしてくれた
後輩『///』
先輩『///』
後輩『なんだか恥ずかしいですね…』
先輩『あぁ…でもきっとすぐに慣れるさ…あと…』
後輩『はい?』
先輩『ファーストキスはレモン味っていうけどさ、お前とのキスは甘い…ブドウみたいな味だった』
後輩「えへへ~♪」
私はアイスの実、巨峰果汁100%verの袋を優しくなでてあげる
先輩「お前それホント好きだよな…」
後輩「思い出の味ですから」
先輩「?」
本当に先輩がいてくれてよかった…!
後輩「えへへっ、先輩好きです」ギューッ
また 私は飽きもせず、先輩に抱き着いた
おわる
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