【艦これ】春雨Lv1、出撃します (170)
※初投稿です、生暖かい目でお願いします
※地の文をだらだら書いていく形式です
※R-15くらいの内容です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1408378713
「以上だ」
整列した駆逐艦達の前で提督は数名の名前を読み上げると、それ以上は何も告げる事なく
退室した。名前を呼ばれた駆逐艦娘は同じく名前を呼ばれた者同士で言葉を交わしながら
素早く動き出し、名前を呼ばれなかった者達は談笑したり欠伸を噛み殺したりしながらゆっくりと
自室へ戻る動きを取る。その中で春雨は立ちすくんでいた。
「まただ……」
白露型駆逐艦の五番艦、春雨。その名を貰って念願の鎮守府配属になってから随分経つのに、
一度たりとも出撃命令が下りてこない。勿論、駆逐艦だけでも十人、二十人といる先輩達を
押しのけて新米の自分が激戦区に送り込まれるとは思っていないが、簡単な船団護衛任務なら
自分でも十分にこなせるはずだ。
もとより自分は前線での華々しい戦果よりも、それを支える裏方志望で艦娘になったのだ。
「……仕方ありません」
あまり乗り気ではなかったけれど、このまま裏方にもなれない日々を続けるくらいなら。
そう思い、春雨は今夜の予定を頭の中で整理した。
基本的に夜は自由だ。昼間に出撃していた艦娘や明日の出撃が決まっている艦娘が早めの就寝を
求められる以外は、飲み会でもお菓子パーティーでも、というのがこの鎮守府を預かる提督の
方針らしい。廊下を歩きながら耳に届く声を聞いた感じ、少し規律が緩いんじゃないかとも
思うが、同時に少し羨ましい。艦娘としてまだ何もできていない自分が混じるにはなんだか
抵抗があるそこに、いつか入っていけるだろうか。
思いつつ春雨は、目的の部屋の前で足を止めた。提督室。そう書かれたプレートはシンプルで
飾り気がなく、両開きの木の扉もサイズこそ大きいが目立った装飾が見当たらない。この鎮守府で
最も偉い人物がいるにしては質素な気もするその部屋の扉を、隙間から光が漏れてきているのを
確認して深呼吸を一つ、そして春雨はノックした。
「……誰だ」
既に十二時近いこんな時間に人が訪ねてくるとは思わなかったのか、一拍の間があった。
「駆逐艦、春雨です」
「……入っていいぞ」
緊急の用事なんてありもしなさそうな駆逐艦の名前だったからか、提督の声は怪訝そうでは
あったが、許可が得られたので春雨は失礼しますと告げて扉を開けた。
思ったよりも広い室内、正面には割とイメージ通りの仕事用の机があり、向かって右側には
難しそうな本や分厚いファイルが詰まった本棚に、いくつかピンの刺さった地図。きっとこんな
感じだろうなと思っていたそのままの提督室が真ん中から右側にあって、しかし向かって左側、
「……ティーセット?」
それも部屋の雰囲気に全く似つかわしくない可愛らしい物が。
提督にファンシーな趣味があるのか、艦娘の誰かが私物を持ち込んだのか、考えながら視線を
前に向けると、目を丸くした提督がこちらを向いていた。
「お前、なんだその格好は」
「あ」
室内を見回していて一瞬忘れていたが、春雨は自分の格好を思い出すと途端に顔が赤くなるのを感じた。
ピンク色のネグリジェ。といえば可愛らしいが、目を覆いたくなるほど生地の薄い衣装を、
今自分は下着もなしに纏っているのだ。
勿論、普段からこんな格好で眠っているわけがない。提督に見せるためにわざわざやって
来たのだ。それが恥ずかしいから出直そうなんて選択肢、ありえない。
「あの、相談が……」
扉を後ろ手に閉めて、春雨は提督のもとへ歩みを進めた。
椅子にちょこんと座った春雨の前にティーカップが置かれる。自分がやりますと言ってみたが、
そもそも紅茶の入れ方を知らない春雨に何ができるわけでもなく、結局遥か目上の人にお茶を
入れさせるかたちになった春雨は、恐縮しながらもカップを傾けた。
「……苦い」
というか、濃い。同じく一口飲んだ提督も顔をしかめている。
「で、相談って?」
薄々相談内容には気付いていそうな提督が、春雨の反対側に腰掛ける。応接室にでもありそうな
テーブルと四つのソファー、提督が着席したのを確認して、春雨はティーカップを両手で
持ちながらいそいそと提督の隣に移動した。「おおう」と提督の驚きの声が上がるが、気にしない。
「司令官さん」
カップをテーブルに置いて、両手を提督の手にやる。これほどの距離だと自分の衣服は体を隠す
役には全く立っていないだろうなと思いつつ、提督の顔を見上げる。
「私も、出撃したいです。役に立ちたいです」
男は色仕掛けで落とせと本に書いてあった。露出の高い衣装でボディタッチしていれば気分が
良くなって少々の頼みなら聞いてくれるというのなら、やらないわけにはいかない。
「いつまで待っても司令官さんは私の名前を呼んでくれなくて……私、必要ないでしょうか?」
言いながら春雨は手を離し、提督の方に寄りかかり、額を提督の腕に当てた。
「春雨」
頭の上の方、春雨からは見えないところにある提督の口から、春雨の名を呼ぶ声がした。
「はい」
「お前、こんなことで俺がお前に出撃任務を下すと思ったのか?」
「……」
話が違うじゃないか。
そう思いながら春雨が恐る恐る顔を上げると、さっきまで春雨が握っていた、大きくて力強い
提督の右手が春雨のあごを捕まえた。
「!?」
そう思った瞬間には、春雨の唇が提督によって塞がれていた。
「んん!」
思わず身をよじった春雨の体を、素早く左手が頭を、右手が腰を抑えることで逃がさない。口の
中に提督の舌が入ってきてたっぷり十秒以上、息苦しさに春雨が提督の腕を叩いたところで
ようやく解放された。
「え……?」
荒れた息を整える春雨は、不意に自分の頬を涙が伝っているのを感じた。そして遅れて気が
ついた。初めてだったのに。
文字詰めすぎ、読みづらい
「どうかしたか?」
十数センチの先にあった提督の顔が、額と額の触れ合う距離まで近づいて春雨の目を覗き込む。
「いえ」
顔を離し、涙を拭う春雨の返事に、提督はそうかとだけ返し、
「えっ」
ほとんど身を隠す役に立っていなかったネグリジェがすとんと落ち、肩が、背中が、そして胸が、
提督室の空気と提督の視線に直接晒された。短く悲鳴を上げかけた春雨の口は、しかしまたしても
提督の口で強引に塞がれ、二人の息だけが漏れる。
「やっ、やめてください」
いやいやをするように首を振り、両腕で身を隠す春雨を、しかし提督は強引抱き寄せた。
「出撃したくないのか?」
抱きしめられた形の春雨の耳元で囁かれたその言葉で、春雨は身動きを止めた。出撃は、したい。
そのために恥ずかしい格好をしてここに来たのだし、多少のことは我慢するつもりだった。
「でも……」
「こんな事をして、それでも出撃したいなら、分かるな?」
戸惑う春雨は、しかしもう断ることはできそうになかった。
提督室の隅の方、絨毯の届かないフローリングの上に春雨は立たされていた。
提督の視線が上に下にと春雨の体を撫で回し、そして恥ずかしげに身をよじらせる春雨に
腕を伸ばした。
「分かるな?」
こくりと頷いた春雨の視界の中で、今度は途中で止まらず下まで一気にネグリジェが
すとんと落ちた。肩も背中も、へそも太ももまでもがあらわになる。
「……ふむ」
一通り眺めて頷いたあと、提督の腕が春雨の胸へと伸びてきた。優しく、撫でるように胸を
揉まれる感触があるが、恥ずかしくて春雨は固く目をつぶることしかできなかった。
歳相応にしか育っていない自分の小さな胸でもいいのだろうかと、手の平で、そして指で自分の
胸を触ってくる提督を春雨が薄目を開けて見ようとする。と、提督の顔が胸のすぐ前にあった。
「ひゃっ!?」
舐められた。
「あっ、いやっ」
最初は舌でちろちろ舐められ、そして吸い付かれ、そして抵抗しようにも提督の右腕一本で
春雨の両腕が押さえられるかたちになり、春雨は首を振るしかできなかった。
春雨の視界の中で、お尻の上、腰の辺りをホールドしていた提督の左腕が動くのが見えた。
それは春雨からは提督の頭が死角になって見えない位置だが、春雨の体の前面に回っていき、
「ああっ!」
股の間に指が差し込まれ、春雨の体に電流が走ったような感覚が来る。確実に、痛みとは
違う感覚が走り、足から力が抜ける。それを感じ取った提督が支えていた春雨の体を徐々に
床に下ろす。ゆっくりと、膝が落ち、お尻がフローリングの冷たい感覚を伝えてくるまでに
耳に届いた音は、くちゅくちゅといった卑猥な音と己の止められない声だけだ。
へたり込んで壁にもたれかかるような格好の自分の前で、提督がカチャカチャとベルトの金具を
外す音がする。ほどなくしてズボンが下ろされ、下着も下ろされる。春雨の目の前に現れた
物、もちろん実物を見るのは初めてだ。
怖いが、もう二重の意味で拒否できない。提督は膝立ちになって春雨の顔を覗き込むと、春雨の
体を引いた。背中全体で触れていた部屋の壁がするすると滑っていき、頭の上にきた。背中には
床が、視界には天井という寝かされた格好だ。
あごを引いて提督の方を見ると、提督は春雨の足を広げさせ、手を自分の足の間に置いている。
「んっ!」
次の瞬間、異物が春雨の中に入ってくる確かな感覚がきた。
「気持ちいいか?」
「痛い……、です」
「そうか、俺は気持ちいいぞ」
涙目で訴えた春雨に対して提督はニヤリと笑ってそう告げると、おもむろに腰を前後に揺らした。
「えっ、あっ、いやっ、痛っ」
提督に腰を両手で掴まれ、体を上下に揺られ、時に優しく口付けされるのがどれだけ続いた
だろうか。とても長かったようにも思えるが、痛みが快感に変わりだしたあたりからはあまり
記憶が無い。気付けば荒い息を吐く自分と提督がいて、仰向けに寝転がった自分の体を室内の
空気が撫でる中、お腹のあたりに温かい感触があった。
「春雨」
顔の両側、床に手を付いて覆い被さるような姿勢の提督が春雨に告げた。
「明日、いや、明後日から。まずは近場への輸送任務に従事してもらうぞ」
言われた言葉の意味を理解した瞬間、頭の中に花が咲いたような気分になった。
「はい!」
白露型駆逐艦、五番艦春雨の戦歴は、この日から始まった。
終わり
乙
「出番は与えられるものでなく自分で奪うもの」って月影先生が言ってたな
>>14
おつありです
>>8,11
指摘ありがとうございます
基本的に文章量が多くなる形式なので頻繁に空き行を挟むより
1レスあたりを短めに切ってみたのですが、読みづらいですか……
気が向いたら2話も書こうかと思うのですが、その際は新スレを立てるより
このスレに続きとして投下していった方がよろしいでしょうか?
続き書き上がったので投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※R-15くらいの内容含みます
※行間ちょっと空けてみました
「ああああ~」
あに濁点が付きそうな息を吐いて、提督は身を沈めた。大量のお湯が溢れて流れ出ていく様子を
眺めつつ、春雨は周囲を見回した。
「司令官さん、いいんでしょうか……」
檜の浴槽。大の男が足を伸ばしてゆっくりくつろげるほどの大きさのある浴槽だが、提督と
春雨の二人が湯に浸かると少々手狭だ。なんせ提督は春雨のことなどお構いなしに足を広げて
いて、足をたたんで提督とは反対側の浴槽にもたれている春雨のもとまで届いている。
「ああ、ちゃんと内装オプションの一覧に載ってたやつだからな。指定した時は正気かコイツ
みたいな目で見られたが、実際作れたんだから問題ないだろ」
言って提督は両腕を浴槽の縁に広げ、頭を後ろに倒した。視線の先には水を吸って色の変わった
木の天井があるだろう。
水道水を沸かせて入浴剤を入れただけのお湯だが、檜の香りも相まってとても心地よい。しかし
春雨は。立ち上る湯気の向こうに見える景色は気にせずにはいられないのだ。
「そうじゃなくて、ここ……、提督室ですよね」
提督室。以前は来客を迎えるのに使えそうなテーブルや小型のチェストなんかが置かれていた
一角が、何故か浴室に変わってしまっている。……いや、正確には浴室ではない。檜の床が
敷かれた風呂場空間と書類仕事なんかもありそうな執務空間の間に、隔てる物は何も無い。
流れた湯気は部屋の絨毯を湿らせ、書棚のガラスを曇らせている。重要書類なんかが湿気を
吸って駄目になってしまわないか心配で堪らないのだ。
「ああ、あの辺全部飾りだから。別に無くても困らねえし」
そんな春雨の気持ちを氏ってか知らずか、提督は事も無げに告げた。もしかして艦娘の仕事って、
すごく適当な管理のされ方をしているんじゃなかろうか……そんな不安がよぎる。
春雨が黙り、提督がふーとかはーとか息を吐きながら身を揺らしてお湯がこぼれる音だけがする
時間が少し流れ、再び春雨は不安に思ったことを口にする。
「司令官さん、私、いいんでしょうか……」
「いいんでしょうかって。俺の部屋の風呂に俺が入れって言ったんだから、何も問題ないだろ」
首を回しながら気楽に答える提督に、春雨は「そうじゃないです」と返す。
「そうじゃないんです……」
繰り返し、握った両手をひざに当て、軽く俯きながら春雨はここしばらくの記憶を思い起こす。
深夜に初めてこの部屋を訪れ、提督に初めてを捧げた……、奪われた日から、しばらくが経過
している。約束通り輸送部隊の護衛任務で実戦デビューを果たした春雨は、その後も比較的安全な
海域での任務で着々と経験を重ねながら、度々提督から呼び出しを受けている。深夜の提督室で
二人きりで何をしているかなんて、当然他の誰にも言えない。
訥々と語った春雨の言葉に、提督は最初ふむ、と頷いたきり黙り込んでしまったため、春雨は
顔を上げた。やはりどう考えてもいけないことだったんだ。
春雨が見たものは、ジーッという擬音がよく似合いそうな、視線をやや下げつつも春雨を真っ直ぐ
見つめる提督の顔だった。
「ど、どうかしました?」
不安に感じた春雨が尋ねると、提督は視線を逸らさないまま呟いた。
「……慣れるもんだな」
提督の視線は春雨の方を、正確には春雨の胸の方を向いている。湯船に浸かるのに当然タオル
なんて巻いていないし、入浴剤が入っているとはいえ濁りの少ないタイプだ。湯に使った体も
しっかり見えるし、もっと言うと乳首まではっきり見えている。
「なっ、何を見てるんですか!」
言葉の意味に気付いて春雨は慌てて胸を隠して非難するも、提督はしみじみと頷いているだけだ。
風呂に使っているからというだけでない理由で春雨の頬が赤く染まっていくのを眺めながら
提督は良かった良かったとか呟く。
「最初の頃は終わったらそそくさと服着て帰ってたお前も、短い間に男と混浴が平気な女の子に
成長したわけだ。感慨深いなあ」
「だっ、誰のせいだと……」
言葉の途中で、提督に手招きされた。羞恥心を煽ったこのタイミングでそれは意地が悪すぎないか
とも思ったが、提督は提督で、春雨はそれを拒否できる立場には無いのだ。
提督に背を向けて、足を伸ばした提督のももの辺りに春雨は座らされる。前に腕を回され、
抱き寄せられるような格好で、頭に提督のあごが乗せられた。
「まあ、心配ねえよ」
ぶっきらぼうだが優しい口調でもあった。
「俺はこれでも実績はあるからな。もしバレても、公金横領とかの適当な罪でっち上げた後、
すぐ現場復帰できるさ。お前だって練度が上がっていれば、別の鎮守府に飛ばされて『余所から
転籍してきた駆逐艦』として第二の艦娘人生歩めるだろ」
……それは大丈夫とか問題ないとか言える事なのだろうか。
呆れながらも春雨が告げられた内容に思いを巡らせていると、不意に提督に回されていた腕が、
春雨の胸を掴んだ。
「ひゃう!?」
まさに鷲づかみ。さほど大きくない胸に指を食い込ませながらわしわしと揉まれる。
「今の話の流れからどうしてこうなるんですか!?」
「まあ、いいじゃねえか」
抗議する春雨を意に介さず、提督は春雨の首筋に唇をつけた。
「ひゃ」
くすぐったくて身をよじった春雨は、お尻のあたりに硬いものが当たる感触がある。どんどん
大きくなっていくそれと、提督の心底楽しそうな口調に、やはり今日もそうなるのかと春雨は
諦めにも似た気持ちを得て、心の中でため息を吐いた。
「ほら、こっち向いて」
言われた通り後ろへ振り向くと、提督の口で春雨の口が覆われ、そして提督の舌が春雨の口内へ
進入していく。悔しいけれど慣れたものだ。最初の頃はされるがままだったのに、春雨の方からも
舌を伸ばし、互いの唾液が絡み合う。息継ぎするのも惜しいようにたっぷり口付けし合った後、
提督は春雨の体を百八十度回した。浴槽の中、伸ばした提督の太ももあたりに座り、しかし今度は
向き合った状態だ。その格好で再び口付けを交わすと、提督は右手を自分の股のあたりに置き、
左手は春雨の腰を抱き寄せるような格好をとった。
「えっ、もう」
春雨の言葉の途中で、体が浮かされた。
入った。繋がった。
「ああっ」
同時に春雨の口から甘い息が漏れる。
「本当、慣れたもんだな」
意地悪そうに微笑む提督に春雨は頬を膨らませながら、両手で提督の肩を抱く。提督はそれを
確認すると腰を浮かせ脚を曲げ、それだけの衝撃で不満そうな顔が崩れる春雨を愉快そうに
見やる。
「よっと」
提督が腰を振る。浴槽の水面が揺れてお湯がこぼれていき、それと同時に春雨の我慢もこぼれて
いく。
「あっ、あんっ」
提督の体を抱きしめ、しがみつくような格好の春雨の口からは、体が揺らされる度に抑えられない
声が漏れる。まだまだこの感覚には慣れない、というより、痛みが無くなっただけ純粋な快楽が
押し寄せているのだろう。
春雨の目がとろんとして、春雨の方から提督に口付けを求める。求めに答えながら提督は一旦
抜き、二人浴槽を出る。
檜の床に両ひざをつき、浴槽の縁に両手を乗せた四つんばいに近い姿勢を春雨は取らされる。
後ろを向くと提督が膝立ちでいる。そしてまた、すぐに入ってきた。提督が腰を揺らす度、
突かれてるという言葉を思いながら春雨は甘い声を漏らす。
「気持ちいいか?」
否定の言葉を頭の中でいくつか挙げながら、
「……はい。あっ、はいっ」
前後に揺らされる中、春雨は喘ぎの途中で正直に答えるのがやっとだった。
その言葉に満足そうにそうかと答えた提督が、さらにスピードを上げる。
そして提督も余裕の表情を失い荒い息を吐き始めたところで、春雨は檜の床に寝かされた。
風呂に入るために結い上げていた髪がほどけ、広がった長い髪を流れるお湯が撫でる。
「ははっ」
甘く蕩け切った顔に、お湯に塗らされ光る胸やお腹、広がる綺麗な髪。目の前の少女の美しい
裸体と、それを好きにできる事に笑いを得て、提督は再度、快楽に身を投じた。
「うう、顔……」
行為を終えて、しばらくの放心状態から立ち直った春雨が聞いたのは、提督の「まだ未完成
だからな」という衝撃の発言だった。
「いくらなんでも風呂を遮る壁は作るっての。それがまだだから石鹸の類はないぞ」
じゃあお湯を張るのも駄目なのでは……と思いつつも春雨はお湯で念入りに顔を洗って、
「どうですか?」
「おう、可愛い可愛い」
「っ! そういう意味ではなくてっ」
などのいい合いをしながらパジャマを着直して部屋を出ようとする。
「そういえばあのスケスケ、もう着ないのか?」
「……あんなの、あれっきりですから」
「俺が頼んでも駄目?」
「っ! 着ません!」
恥ずかしくなって春雨は提督室を飛び出て、自室に帰ろうとして、
「……冷まさないと」
とっくに入浴時間が過ぎているのに誰かに見つかると怪しまれる。それに。
「……熱い」
湯上りのせいだけじゃない熱さをどうにかするため、春雨は潮風を浴びに足を向けた。
終わり
書きあがったので続き投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15の境界が行方不明
「失礼します」
提督室の扉を開けて、春雨が入室する。部屋の中に浴室を設置したために狭くなった提督室の
中央奥、執務机にたくさんの書類を積みながら雑誌を読んでいた提督が顔を上げた。
「どうした春雨」
提督室に風呂を作って、浴場への移動時間まで削って仕事に励むなんて……と一部艦娘から
更なる尊敬を集めた提督だが、実際には提督がそれほど熱心に仕事に取り組んでいるわけでも
ないことを知っている春雨としてはなんだか複雑な気分だ。
「いえ、司令官さんがちゃんと仕事しているかなって」
「今は余暇だからいいんだよ」
言って提督は手元の雑誌のページをめくった。初めてここを訪れた日は真面目に仕事している
風を装っていたはずだが、いつからか自分の前ではすっかり不真面目モードを隠さなくなった
ような気がする。
お互いが無言で提督がページをめくる音だけが響く時間がしばし過ぎ、
「で、どうした春雨」
「えっ、ですから司令官さんはちゃんと仕事してるのかなって」
同じ質問を再び投げかけられた春雨が慌てて同じ答えを返すが、しかし提督は視線を手元の
雑誌に落としたまま続ける。
「そんな分かりきったこと確認するまでもないだろ」
そして雑誌をパタンと閉じた。
「それに、仕事してないって確認したのに帰らないしな」
図星を突かれて春雨は押し黙った。そして観念したように話し出す。
「最近、司令官に呼び出されることがなかったので……」
だいたい二、三日に一回は呼び出されていたものだ。確か三日連続ということもあった。それが
ここ一週間ほどご無沙汰になっている。呼ばれたいというわけでは無いが、これだけ日が空いて
しまうと何か不安になってしまったのだ。
「私のほかにも、誰かが司令官さんと、その……、夜に呼び出されてるのかなって」
提督がどうしようと自分には関係なければいいのだが、自分と提督の関係がどうにかなったら
どうしようかという不安が拭えない。
「私が必要なくなったら、また出撃させてもらえなくなるのかなって……」
尻すぼみになっていく春雨の声を聞き終えて、提督はため息を吐いた。
「俺に枕仕掛けて出撃機会もらおうなんて馬鹿、後にも先にもお前しかいねえよ」
それを聞いて春雨は安心したような恥ずかしいような感覚になって、とりあえず「はあ」と
だけ返した。そんな春雨を提督は呆れた目で見つめる。
「そもそも最初はどうあれ今はしっかりローテーション組んで出撃してるお前を、今さら理由なく
外したりはしねえだろ。不審がられる」
そこまで告げて提督は読んでいた雑誌を机の引き出しにしまうと、立ち上がった。春雨の眼前、
部屋の中央あたりで立ち止まる。春雨は見下ろされるかたちになる。
「で、本当は何の用なんだ?」
腕を組んで、口の端を上げながら言う提督の口調はどこか問い質すようなものだ。本当はそんな
ことを聞きにきたんじゃないだろうと言いたげに。
「えっ、本当はって」
「あれだけ出撃してたら分かるだろ。新入りを育てるのは手間だが、ある程度経験積んだ駆逐艦
を任務から外すわけがないって事くらい」
言って提督は両手で春雨の両頬を引っ張った。白くて柔らかい両の頬が餅のように長く伸びて、
「で、何しに来たんだ? 言わないと任務外すぞ? ううん?」
「……ひはら」
「うん?」
意地悪な言い方に仕方なく答えようとして、しかし両頬が伸ばされきっていたため提督の手を
放させて、春雨は俯きながら言った。
「……最近、提督とその……できてないから……」
「うん。何が?」
「いっ、言わせないでください!」
恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら春雨は提督の胸の当たりをポカポカ殴るが、提督は笑って
いなすだけだ。まるで大人と子供のよう……、いや、まるでも何もそのまま大人と子供でしか
ないのだ。最初から春雨が何しに来たのかも見抜かれていたし、もしかするとそうさせるために
わざと最近呼び出さなかったのかもしれない。
「いやー、あの可愛かった春雨ちゃんが、欲求不満で自分から男を訪ねるようになるなんて。
まったくいやらしい子になっちゃったなー」
わざとらしく棒読みで言う提督の言葉に春雨は耳まで真っ赤にして、ぷるぷる震えるしかない。
そんな春雨をどういう顔でか見下ろしながら、提督は「じゃあ」と切り出した。
「久しぶりに、やるか」
言って提督はカチャカチャとベルトを外すと、重力に従って制服のズボンが床に落ちた。
半脱ぎ状態だったズボンを足で脱ぎ去り蹴り捨てて、提督は腕を組む。春雨の前で仁王立ちの
姿勢だ。
「ほら」
ほらと言われても……。春雨は戸惑いながらも、とりあえず自分も同じことをすればいいのかと
パジャマのパンツに手をかける。
「いやそうじゃなくて」
言って提督は座れのジェスチャー。とにかく指示通り座ってみると、春雨の顔の前あたりに
提督の下着がきた。それでやっと何をすればいいのかが分かった。
恐る恐る提督の下着を下げる。これまでずっと春雨は提督にリードされて……、いや、提督の
好きなように、されるがままにされていたために、自分でこうするのは初めてだ。
いや、そもそもこんな近くで見るのが初めてかもしれない。でも何をすればいいかは分かって
いる。春雨はそっと手で触れる。するとピクンと跳ねて、みるみる膨らんでいく。
「ふふ。司令官さんだって、溜まってるんじゃないですか」
「そりゃあ、お前以外に相手する奴なんていないからな」
意地悪のつもりで言ってみたのに平然と返されて、春雨は少しつまらない。
「おい、歯が当たってるぞ」
「ほんはほほ」
「だが悪くない」
悪くないらしいから続ける。春雨の小さな口では頬張るのが精一杯で、それに奥の方には全然
届かない。それでも前後させたりたまに抜いて舌で舐めてみたりすると、ピクンと動いて、ああっ、
という漏れた声が聴こえてくる。提督の言った通り、悪くはないようだ。
それでも。
「あの、司令官さん……」
「どうした?」
提督の方を見ようとすると、位置的に自然と上目遣いのかたちになる。
「あの、そろそろ私も……」
言うのは少し恥ずかしかったが、言わないといつまで焦らされるか分からない。
「そろそろ私も、その……。……気持ちよく、なりたい……、です」
途中からはかすれるような小さな声しか出なかったが、言いきった。そして真っ赤になりながら
顔を上げようとした春雨の視界が傾く。気付けば後ろに倒されていた。
「正直だなあ」
春雨の両肩を押した体勢から、提督がゆっくりしゃがむ。そして腰を下ろした体勢で両手を
春雨の胸元に。パジャマのボタンを外しにかかる。無理して大人ぶろうとしていない、子供っぽい
とも見られるパジャマが開いていき、入浴後ゆえに下着もつけていない柔肌が光の下に晒されていく。
春雨の背中を浮かせてパジャマを脱がせたあと、提督は春雨の胸をさっと一撫でしてから、
両手を脇から腰のラインへと這わす。徐々に脱がせるのがもどかしいとばかり、腰を浮かせると
パンツと下着を一気に下ろした。あっという間に春雨は提督室の中央あたりで、一糸纏わぬ姿で
寝かされ、提督に押し倒されているような構図になる。
「ほう……」
提督は春雨の股に手をやり、わざと春雨に聴こえるように水音を鳴らす。
「欲しいか?」
何を、かは言わない。
「……はい」
「欲しいです、って言ってみな」
「……欲しい、です」
小さな声で、顔を横に向けながらだったが確かに春雨がそう言ったのを確認すると、提督はそうか
と短く頷いて、笑みを浮かべて腰を前に出した。一気に奥まで入る。
「んああああっ!」
何の躊躇いもなく一気にきた。一番奥が勢いよく突かれ、思わず春雨は身を仰け反らせる。
「し、司令官さ、ああっ」
春雨は思わず涙目になって提督の方を見るが、提督は構わずに動きを続けた。ゆっくりと引き、
勢いよくいっぱいまで突く。ゆっくりだが激しい動きは、突然のことに最初は驚きを隠せなかった
春雨の思考を奪っていく。快感が脳を冒していくのを感じながら、春雨は提督に身を任せる。
「あんっ。あんっ。あはっ」
勢いよく突かれる度に漏れる息は次第に熱を帯びていく。
それからしばらくもしないうちに、提督の両手が春雨の背中に回される。春雨は気が回らずに
いたが、ここは提督室の中央あたり。土足で歩くこともある場所だ。
春雨の両手を提督の背中に回させ、提督は春雨の体を持ち上げる。そして今度は両腕を春雨の
ひざの下で支えるかたちにして、提督は勢いよく立ち上がった。
一糸纏わぬ姿の春雨が上半身は制服を着用したままの提督にしがみつく。お互いの下半身は
繋がったままで、提督が少し歩くだけで春雨は快感に襲われる。なのに、
「ほら」
提督はわざと揺らすように足を大きく上げて一歩を踏む。そのうえ一歩を進む度に腰を二度三度と
振って春雨に安堵の時間を与えない。絶え間ない刺激を送られ、少しの距離を、運ばれて移動する
側であるはずの春雨の方が息も絶え絶えになる。
やっとの思いで解放された春雨が寝かされたのは、提督室奥の布団の上だ。仮眠用と称して置か
れている布団だが、春雨にとっては性の空間という印象しかない。
そして今日もまたそうだ。
「満足したか?」
提督が意地悪げに聞いてくる。提督もまだまだ満足していないくせに。思いながら春雨は体を
起こし、提督にもたれかかった。不意を突かれたような提督の唇を強引に奪って、春雨の方から
舌をねじ込む。今日はもう、自身の本能が求めるままに、提督の体を求めてやろう。
「もっと、ください」
言いながら提督の上着を半ば強引に脱がしにかかると、提督は分かった分かったと春雨を手で
制しながら自分で脱ぎにかかる。それならばと、春雨は提督の下半身に標的を変え、咥える。
やがて上半身も裸になった提督が、春雨の体を布団に押し倒す。本番はこれからだと言わん
ばかりの表情で、春雨の両足をつかんで引き寄せる。
「春雨、今の生活に満足してるか?」
大事な物資を積んだ船団を護衛して色々な人に感謝されたり、経験を積んで一人前に近づくに
つれて他の艦娘達と作戦についてやそれ以外の話でも盛り上がれたり。
けれど提督の質問の意味はそうじゃないし、春雨が真っ先に思い浮かべたのもそうじゃない。
提督と体を重ねる日々に満足しているかと問われたら、答えはもちろんこうだ。
「はいっ」
その答えに提督も満足したのか、笑みを浮かべながらまた二人の夜が進みだした。
第3話終わりです
続きが書けたらまた投下します
第4話が書き上がったので続き投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
>>36から
春雨Lv29、出撃します(第4話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※だいたいR-15くらいの内容です
「ふぅ……」
紅茶を一口二口飲んで、春雨は一息吐いた。紅茶の良し悪しの分からない春雨でも分かるほど
濃かったり渋かったりとまちまちだったが、最近は随分安定しているように感じる。提督の
紅茶を淹れる腕が上がったのだろうが、これ自分がやらないといけないんじゃないかと春雨は
時々思う。
提督室の中央あたり、折りたたみのテーブルを提督と二人で囲みながら、春雨はティーカップを
傾ける。提督が色々置いて手狭になりつつある室内を見やっていると、提督がしみじみ言った。
「お前も成長したなあ」
着任してからそれなりの時間が経過したものだ。春雨は両手を自分の胸に当てながら、
「……そうですか?」
成長期のはずだが、胸が大きくなったという感覚は今一つ無いし、背もほとんど伸びていない
はずだ。年単位の時間が過ぎたわけではないし、当然かもしれないが。
春雨が難しい顔で自分の胸を揉んでいると、提督は眉間に指を当てていた。
「どうしました?」
「胸の話じゃなくて、練度の話なんだがな……」
言われて春雨は顔を真っ赤にして、ハッとして両手を胸から離した。
「お前も成長したなあ」
ニヤニヤしながら提督が先ほどと同じ言葉を告げた。言葉は同じだが、その意味するところは
違うだろう。順調に、自然と思考がその方向に向かってしまうようになった春雨は両手をひざに
置いて、真っ赤になって俯いた。
「まあ、お前もそろそろ改造するかって時期だからな」
「改造……ですか」
艦娘にとってそれは一つの節目だ。本人のやる気やセンスではどうにもならないところに押し
上げてくれるのが改造というものだ。深夜、提督と春雨の二人きりという空間にしては珍しく
真面目な話をするのかと春雨は自然と背筋が伸びる。
「というわけで、今日はその予行をしようかとな」
途端に嫌な予感に襲われた。なんだ改造の予行って。そして予感はすぐに的中した。
「じゃ、とりあえずパンツ脱げ」
「なっ、なんでいきなりそうなるんですか!」
春雨が抗議するも、提督は涼しい顔のままだ。
「そうだな。仕方ないな。じゃ、とりあえずパンツ脱げ」
この状態の提督には何を言っても無駄だ。春雨は観念すると、脱ぐために立ち上がった。
「汚すなよ」
「汚しませんよ!」
革張りの椅子。普段提督が執務机で仕事する際に使用する、少しだけ高級感のある椅子に春雨は
ちょこんと座らされていた。ただし下半身は裸だ。素肌で触れるひんやりした革の感触が春雨は
少し心地悪い。
「じーー」
「わざわざ声に出して言わないでください!」
下半身に向けられる提督の視線から隠すために、春雨はパジャマの裾を伸ばした。それでも
太もものかなり上の方までが露出したままだ。
その太ももを、提督が指ですーっとさする。
「ひゃひ!?」
くすぐったさに春雨の口から変な声が漏れる。
そんな春雨の声を気にもせず、提督の指は下りていく。太ももの付け根あたりからひざ、すね、
足の甲から指先までを丁寧になぞった後、
「え?」
両の足首を掴むと、一気に持ち上げられた。両足が椅子の上に置かれる。
椅子に座らされ、ひざを立てて両脚を思い切り開いた体勢だ。
「きゃあああああ」
恥ずかしさに春雨が思わず悲鳴を上げるが、提督は春雨の足をしっかり掴んで身動きを許さない。
やがて春雨が涙目になりながらも落ち着いたところで、提督は手を放した。
「春雨」
「……はい」
「手をどけろ」
「……。……はい」
パジャマの裾を必死に伸ばして最後の抵抗を試みていた両手がどけられる。隠していた布が
無くなり、春雨の大事な部分があらわになる。今まで散々裸を見せ合い、体を重ね合った間柄では
あるが、下半身を見せ付けるような体勢をとらされて春雨は恥ずかしさに押し潰されそうになる。
「綺麗だぞ、春雨」
「うう……」
耳まで真っ赤にして顔を背けるしかない春雨の視界の隅で、提督が腰を下ろしたのが見えた。
春雨の下半身と顔の位置を合わせるつもりだ。
さらに凝視されるのかと春雨は固く目を瞑って時間が過ぎるのを待とうとした。
だがそれが許されない。
「ひゃ!?」
触られた。いた、舐められた。
慌てて春雨が顔を前に向けると、提督の顔は春雨の両の脚の間に深く突っ込まれている。ぴちゃ
ぴちゃという水音が鳴り、むず痒いような気持ち良いような感覚が下半身から送られてくる。
恥ずかしさから思わず春雨が提督の頭を押しのけようとすると、提督は春雨の腰をがっしりと
掴んだ。そしてさらに提督の舌遣いが激しくなる。
「ああっ」
気持ち良さの占めるウエイトが上がり、春雨の口から嬌声が漏れる。
やがて提督が顔を話した時には、春雨の息は上がり頬はすっかり上気していた。
「綺麗だぞ、春雨」
「はあっ、やめ、やめてください……」
「それにこんなに濡れて」
「っ! もうっ!」
言い合って、今度は提督が指を差し出した。粘度のある春雨の液体を指で確かめ、そしてねちゃっと
いう音を立てながら責め立てる。
舌とは違い、提督の指が的確に春雨の弱い部分を刺激する。堪らず春雨が甘い息を漏らすのを
耳に心地よく聴きながら、提督は攻める手を緩めない。
「春雨、見れるか?」
言われて春雨は息を整えながら視線を下に向ける。
照明の光で提督の指がきらきら光っているのが分かる。その提督の指に絡んでいる液体が全て
自分の大事なところから出たものかと思うと恥ずかしさがこみ上げてくる。
「何本入ってる?」
提督の質問。先ほどから抜き差しされている指の本数は、
「二本……?」
そう答えた春雨の目の前で、指の数が増えた。
倍の数。四本の指が春雨を激しく責める。それも、ここまでは激しくも巧みに弱いところを突いて
くる責め方だったのが、どこが乱暴な動きでだ。
違った種類の快感が春雨を襲う。圧倒的物量で押し流されるような、耐え難い快感だ。
「ああっ! あああっ! んっ、ああっ!」
体がビクンと跳ねて、背を仰け反らす。しかし提督は指遣いを止めない。
「いやあっ!」
その瞬間、何かが切れた。あるいは、溢れた。
春雨の快感が絶頂に達すると同時、勢いよく水が噴き出した。春雨の意思などお構いなしに溢れた
液体は、椅子を、床を、提督の顔までも濡らしていく。
「汚すなよって言っただろ」
ニヤニヤしながらそう告げた提督の言葉を、春雨は半ば放心状態、荒い息を吐きながら聞いた。
革張りの椅子には水が浮いている。どれだけ後に残るか分からないが、汚しませんでしたと
言えるような状態にはなさそうだ。
提督はペロリと舌を出して自分の口周りに飛んだ春雨の液体を舐めると、春雨の脇に手を入れて
椅子から浮かせた。床に立たせようとするが足に力が入らずに春雨はその場にへたり込んでしまう。
提督はタオルでさっと椅子や床を拭くと、春雨を抱きかかえた。
「あっ……」
右腕を春雨の背中側から肩へ、左腕を膝裏へ。いわゆるお姫様だっこのかたちだ。女子にとって
憧れのシチュエーションの一つだが、下半身が裸で、それどころか先ほど提督の指で激しく責められ、
盛大に噴き出したばかりとなれば雰囲気なんて何もない。
提督の胸に押し付けて顔を隠そうとするが、それも許されなかった。抱きかかえられていた時間は
わずかで、春雨はすぐに下ろされた。
布団の上だ。
「えっ、司令官さん……?」
抗議する間もなく、春雨のパジャマのボタンが外されていく。脱がされ、丸められ、遠くに放り
投げられた。そちらを見ればそこには脱ぎ散らかされたままの春雨の下着とパジャマのパンツもある。
カチャカチャと。
衣服を全て手の届かないところへ追いやられ呆然とした春雨は、しかし目の前から金属音がする
のを感じた。ベルトが外され、提督のズボンが一気に下まで落ちる。それだけに終わらず、提督は
自ら下着も脱いだ。
「あ……」
それは既に大きく膨らんで、上を向いていた。
「でも、司令官さん、その……」
だが春雨は、困惑するしかない。
「私、さっきその……。司令官さんに、イカされたばかりですので……」
恥ずかしさを覚えながらも春雨がそう告げるが、提督は何も気にしていないかのように上半分の
衣服も脱ぎ去っていく。すぐに全ての衣服を脱ぎ去り、屹立した提督と、同じく裸で、布団の上に
座らされた春雨が向き合うという格好になった。
「お前は満足できたかもしれないが、俺はまだ何もできていないぞ?」
言って提督は春雨を布団の上に押し倒した。春雨の両手を押さえると、覆い被さるようにして
唇を貪る。堪能するとだんだん下へ、首筋、胸、その先端を責め立てていく。
「あんっ」
舌で転がすように、激しく吸い付くように、時に甘噛みされて春雨は身を揺らす。春雨の反応に
満足した提督は顔を上げ、右手で優しく春雨の綺麗な髪を撫でた。
「まだまだ元気そうじゃねえか」
元気とはどういう意味かと。尋ねようとした春雨は、提督の左手が己の股の間に伸びていることに
気付いた。その時にはもう声を上げる暇さえなかった。
「んんっ」
入ってきた。ゆっくりと、しかし途中で止まることなく、全部が。
何か言おうとした春雨の前、提督は身を起こすと腰を前後に振り始めた。揺れに合わせて下半身
からじんわりと、快楽の味が春雨の体を上ってくる。
「実は紅茶に媚薬を入れてみてな」
「び、媚薬?」
知らないわけではない。……が、架空の薬かと思っていたくらいには現実感のない物でもある。
だが、
「やれるな?」
提督の問い。春雨は何も言わず、ただこくりと頷いた。
その春雨の答えを確認した提督は止めていた腰の動きを再開させた。ゆっくりとした動きでの
抜き差しから、だんだん熱の入った高速の動きへと変わっていく。
「何回戦までやれるだろうな」
これで終わりじゃないのかと驚きながらも、春雨は最後まで付き合う覚悟で溺れていった。
終わり
第4話、終わりです
続きが書けたらまた投下しようかと思います
一言だけいわせてくれ。
とっくにR-18に片足突っ込んどるよ(白目)
>>64
全力で直接的な表現(セッ○スとかチ○コとか)を回避してるからセーフと言い張ってる感じです
正直最初から開き直ってスレタイに【R-18】と書いていた方が楽だった気もしますが、
今さら方針変えたりスレ立て直したりするのも……って感じなのでこのままLv99になるまで突っ走るつもりです
ネタが続けば、ですが。
第5話が書き上がったので続き投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
>>36から
春雨Lv29、出撃します(第4話)
>>50から
春雨Lv45、出撃します(第5話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15くらいの内容です
提督「」
春雨「」
「よかったんでしょうか……?」
向かい合って座る提督に春雨が問うた。深夜の提督室……ではない、昼過ぎの列車内だ。ひじをつき、
窓の外に流れる山の木々や田園風景を見るともなく眺めていた提督が投げやりに答えた。
「いいんだよ、仕事はしたし」
新兵器視察会、兼作戦研究会。鎮守府を離れ、二泊三日の出張仕事。今日はその二日目だ。
本来なら二日目を丸々使って行われるはずだった各地の鎮守府の提督達による作戦研究会という
名の意見のぶつけ合いは、初日に夕食を取りながらあっさり終わってしまった。おかげで二日目が
自由行動となって今こうして列車移動しているのだが、それはいつもの事らしいから問題ないのだ。
それよりも。
「いえ、一緒に来るのが私でよかったのかなって」
初日に仕事を終わらせて用意されたホテルで一泊した後は、一泊二日のちょっとした旅行のような
かたちになるのだ。その相手が果たして自分でよかったのだろうか。
「他の方たちも言っていましたけど、実質デートみたいなものだって。私以外に一緒に行きたかった
方とか、行きたがってた方とかいたんじゃないですか?」
提督が自分のことを好いているということはないだろう。夜の行為の流れや勢いの中でも、好きだ
という言葉も聞いた覚えがない。自分たちの間に、あくまで恋愛関係は存在しないはずだ。
デリケートな話題だから春雨は遠慮がちに尋ねたのだが、相変わらず提督は投げやりな口調で、
「俺とデートしたい奴なんていねえだろ」
「(えええー……)」
提督の答えに、春雨は思わず愕然とした。
提督は確かに実力者だ。そのうえまだ若いし、艦娘への気遣いもできる。贔屓目を無しにしても
顔も整っている方だし、正直言って夜の顔さえ知らなければ艦娘にとって理想の提督に近い。実際、
提督に恋心を抱いている艦娘だって一人や二人でない数がいるのに。
「(この男……)」
そういった艦娘たちに気を遣って、恋愛関係にならなさそうな、子どもに過ぎない春雨を同行者に
指名したのではという好意的な考え方もあったが、今の言い方から察するに本気で自分に向けられる
好意に気付いてなさそうだ。
「……なんだその目は」
「いえ、なんでも」
春雨の目つきが気になったのか提督が怪訝な顔をしたが、何事も無かったように顔を逸らし、
窓の外の風景に目をやった。随分田舎へ来たものだ。
心が安らぐような景色を眺めながら、むしろ春雨は心苦しい。春雨ちゃんなら安心、間違いは
起こらないなんて言っていた皆は、夜中に提督室で体を重ねる自分と提督の関係を知ったらどう
思うだろうか。
努めて意識の外に追い出すようにして、春雨は目を閉じた。
郵送の手続きをする提督の後ろで、メモ書きを眺めながら春雨は待っている。鎮守府で留守番の
艦娘たちからのお土産希望リスト、半分は都会じゃないと買えないような代物だが、もう半分は
どうせ温泉に行くんでしょと言わんばかりの内容だ。
そして実際に温泉街に来ている自分たちがおかしくてクスッと笑いが漏れた。
「何がおかしい」
いつの間にか郵送手続きを終えていた提督に変な顔をされたが、いえ、とだけ春雨は答えて、
提督の後に続いて建物を出る。デートのようなものだと聞いていた割には既に日が傾いている。
お土産を買い揃えるだけで終わる一日をデートと呼ぶのだろうかと疑問に思った。
「じゃ、そろそろ飯食うか」
言った提督と旅館へ向かう。温泉街に着いて最初に部屋を確保した旅館は、辺りの他の建物と
比べてもかなり立派だ。どうせ経費だと結構な値のする部屋を押さえていた。
そして部屋に戻ってすぐに用意された夕食もかなり豪華だった。普段海のすぐそばで生活している
春雨にとってはありがたい、山の幸がふんだんに使われたメニュー。他の艦娘たちに申し訳ないと
思いつつも舌鼓を打ち、食後のくつろぎの時間もしばし過ぎて、提督が立ち上がった。
「さて、温泉に浸かるか」
レンタルの湯桶に石鹸やタオル、替えの下着や浴衣を入れて部屋を出ようとする提督に春雨も
続いた。旅館にも大浴場は設けられているが、提督の目当ては別の温泉のようだ。表通りに出ると、
左右を見回してから提督は春雨に告げた。
「じゃ、ここからは自由行動ということで」
「えっ」
驚いた春雨が引き止める間もなく、提督は人ごみに紛れて消え去ってしまった。
「ただいま戻りましたー……」
「おう」
浴衣姿で旅館の部屋に戻った春雨に提督は短くそれだけ言うと、再び手元の雑誌に視線を落とした。
ふつふつと怒りがこみ上げてくるのを感じる。
「どうして一人で置いて行っちゃうんですかー!」
苦労したのだ。お金は持っていたとはいえ、温泉街なんて初めてだ。好きな温泉に入ればいいと
言われてもどの温泉がいいかの判断材料なんて春雨の中にはないし、おろおろしている時に声を
かけてくれた作務衣のおじさんも大概だ。どこかの旅館の従業員なのだろうが、何が「お嬢ちゃん
どうしたの」だ。そこまで子どもじゃない。
つらつらと文句を並べてみたが、提督はお構いなしといった風だ。
「で、気持ち良かったか?」
「ええ、まあ」
結局春雨が利用したのは、彷徨っている時に見かけた女性客で賑わっている温泉だ。立て札には
やけに長ったらしく難しい表現で、要するに効能・胸が大きくなると書いてあったが、そこに
入ったらなんだか負けな気がして隣の美肌効果と書いてある温泉に浸かったが。
「もう、いいです」
言って春雨は奥の部屋、旅館の人によって布団が二組敷かれてあるその部屋を抜け、さらに奥の
テラスに移動する。すっかり日が落ちて外は暗いが、目が慣れると月や星々の明かりで照らされる
風景が見える。温泉街の通りとは反対側、見渡す限りの山々が広がっている。
ふと横を見ると、お湯の張っていない浴槽が目に入った。部屋付きの風呂だろう、狭いが露天に
なっていて、きっと眺めはいいだろう。
「お風呂、付いてたんですねー」
言った春雨の後ろ、読んでいた雑誌を置き、提督が春雨の背後に立った気配を感じる。
「一緒に入ろうとか、言わないんですね」
鎮守府では時々言うくせに、と提督室に設けられた浴室を思い浮かべながら春雨は言った。本物の
温泉に来ているのだから、湯に浸かりながら片手に酒、片手に春雨を抱いて下品な笑い方をして
みせるくらいはやりそうな気もするのに。
「部屋の風呂を使うのはさすがにな」
提督はそう言って軽くため息を吐き、そして続けた。
「俺と春雨は恋人同士にしては春雨が幼すぎるし、親子にしては俺が若すぎる。そんな二人組が
部屋の風呂を使って、一緒に入ったと疑われたらまずい」
それを聞いて、春雨は心がすーっと溶けていくのを感じた。憤りの正体。単に提督に置いて行かれた
というだけでなく、ずっと感じていたモヤモヤ。
それは自分が女として見られていないことだ。
なんだかんだ嬉しかったのだ、提督から旅行の相手に指名されて。それが、他の艦娘からは「春雨
なら提督の恋愛対象にならない」と思われ、旅の道中でも恋仲の男と女を見る目は向けられなかった。
「なるほど……」
気付いてしまえば些細なことだ。経験を積んで一人前になったつもりの自分が、子どもらしく
拗ねていただけに過ぎない。
納得してうんうんと頷いていると、背後から提督の腕が回された。
「えっ」
浴衣の帯がほどかれる。
そのまま提督の両手が春雨の体をもぞもぞと這い上がり、がっしりと両胸に合わされる。乱暴な
手の動きで浴衣越しに胸を揉まれ、浴衣がはだけそうになる。
「し、司令官さん?」
春雨は声のトーンを抑えながら提督に問いかける。テラスの手すりに体を押し付けられ、身を
乗り出せば隣の客室や、通りに並ぶ別の旅館の客室まで見られそうな場所だ。
「あの、見られたらまずいんじゃ……」
「そうだな」
言って提督は春雨の浴衣を脱がしにかかった。両肩、それに二の腕あたりまでが空気に晒される。
もちろん胸もだ。半脱ぎの状態にされた春雨の胸に、今度は直で提督の手が触れる。そして乱暴な
手つきのままで胸を揉みながら、提督は春雨の体を引いた。春雨の体が手すりから離れ、手すりに
押さえられていた浴衣がいとも簡単に落ちた。
山々から吹く冷たい風が春雨の体を撫でる。
「司令官、湯冷めしちゃいますよ」
「これから熱くなるから問題ないだろう?」
どんな顔をして言ったのかが容易に想像できる台詞を言って、提督は春雨をテラスから部屋の中へ
と連れ込んだ。二組敷かれた布団のうち片方の掛け布団をめくり、そこに二人して寝転がる。
「いつも以上に、声を出すなよ」
仰向けに寝転ぶ春雨の胸を提督の舌が這う。自分の胸を舐める提督の頭を見るのも、なんだか
見慣れた光景になった気がする。
「温泉に入ったせいか、いつもより良いな」
余計なことを言われただけで、途端に恥ずかしさが増した。何が良いのだ。ハリか? ツヤか?
それともまさか味か?
変なことを考えてさらに恥ずかしさで顔を赤くする春雨に気付かないまま、提督は移動する。
わざわざ大げさに吸い付く音を出しながら、みぞおちからへそへと下がっていく。
「あっ」
舌が割れ目にまで達すると、春雨の口から思わず声が漏れた。何度やっても慣れない。
提督は目的地に達したと言わんばかりに重点的に責める。舌が器用に動き回り、時折春雨の体が
びくんと跳ねる。声を押し殺す春雨を楽しそうに見やりながら、じゅるじゅると派手な水音が
鳴るまで執拗な責めは続いた。
「し、司令官さん……」
目が潤み、息が荒くなった春雨を提督は起こした。両ひざ、両ひじをついた四つん這いの姿勢を
取らされる。背後で提督が浴衣を脱ぎ去る音が聞こえた。
「んっ……」
やがてというほども間を開けずに、提督のが入ってきた。
「司令官さんも、調子良さそうですね」
「阿呆か、いつも通りだ」
意地悪して言ってみたが、提督は何も堪えていなさそうだ。腰が振られる。
「んっ、んっ……」
揺れる度、押し殺そうとした声が漏れる。提督の動きは速さではなく深さを求めたものだ。一回
一回が春雨の一番奥までを突いてくるので、どうやったって耐え難い快感が毎回響いてくる。
提督の腕が春雨の腕を掴んだ。起こされる。下半身は繋がったままで、上半身が起こされたことで
ここまでと違った刺激が送られてくる。それに加えて指で乳首を転がしてくるのは卑怯じゃない
だろうか。
散々揺らされて解放された。だが勿論これで終わりなわけがない。次はどうするつもりだろうかと
仰向けに寝かされた。そして両脚を大きく広げられる。
「……もう」
やっぱり卑怯だ。
提督の顔が、体が見えるこの体勢が、一番安心できる。安心できてしまう。
だから。
「ああっ、あっ」
入ってきた。声が抑えられない。
「ああっ、はあっ、あっ、んっ」
腰が振られる度に声が漏れて、提督に口を塞がれる。舌と舌を絡ませて、でも離れるとまた我慢
できずに声が漏れる。それなのに提督の腰の動きはどんどん激しさを増すから、春雨の声も次第に
大きくなっていく。
「しっ、司令っ、官さんっ、だっ、だめっ」
その春雨の口を提督は手で塞いで、間もなく二人は同時に果てた。
「はあ……はあ……」
胸元のどろっとした液体を指で触りながら、春雨は荒い息を整えようとしていた。冷静になると
周りに気付かれていないか気になる。というか普段提督室でやっていることを考えると冷や汗の
流れるような気分だ。よく他の艦娘たちに気付かれていないものだ。
そんな春雨の思いを知ってか知らずか、提督はティッシュの箱だけ寄越して浴衣を着直している。
春雨は念入りに拭き取ってから立ち上がった。自分の浴衣はテラスに脱ぎ捨てられたままだ。
そそくさと拾って羽織り、テラスへ続く戸を閉める。よく考えたらどうしてここも開けっ放しで
行為に至ったのか。
文句の一つでも言ってやろうかと提督の方を向くと、湯桶を手に、再び部屋を出ようとしている
ところだった。
「じゃあ春雨、汗を流しにまた温泉行ってくるわ」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
春雨は慌てて引き止める。怪訝そうな顔で「ん?」と立ち止まる提督の前で、春雨は手早く準備
する。浴衣の帯も締め直し、湯桶を抱える。
「私も一緒に行きます!」
提督の後を追いかけ、横に並んで。今度は提督の案内を聞きながら温泉街の通りを歩き、そして
同じ門をくぐった。
終わり
第5話、終わりです
続きが書けたらそのうち投下します。
温泉回でエ□シーンが控えめになる自称R-15SSがあるらしい
第6話が書き上がったので続き投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
>>36から
春雨Lv29、出撃します(第4話)
>>50から
春雨Lv45、出撃します(第5話)
>>69から
春雨Lv56、出撃します(第6話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15くらいの内容です
「私がリード、ですか……?」
提督が、実に良い事を思いついたという顔で実にくだらない提案をしてきたので、春雨は顔を
ひそめた。この人は何を言っているんだろう。
「ああそうだ、俺を何も知らない純朴な青年だと思え」
「そんな悪そうな顔した純朴青年がいてたまりますか」
春雨がそう言うと提督は心外だと言いたげな表情になって、無理して笑顔を作った。今にも金の
無心を始めそうな顔になった。
春雨の胡散臭そうな表情で自分の笑顔の完成度を悟ったのか、提督はコホンと咳払いすると、
「考えてもみろ」
そう切り出して、右手を自分のあごに当てながら部屋の中を歩き出した。提督室、閉めきられた
カーテンの向こう側は真っ暗。他の艦娘にとってはまず来ることのない時間、春雨にとってはいつもの
光景を後ろに、提督は歩を進める。
「春雨は俺の調教の成果で変態メス犬になったわけだが」
「嫌な言い方しないでください!」
堪らず抗議したが、あながち否定できないのが悔しい。
そして提督は春雨の抗議などそ知らぬ顔で、部屋の中を回りながら続ける。
「例えば戦争が終わって春雨が艦娘から普通の女の子に戻った時。普通の女の子として、同じくらいの
年頃の普通の男の子と恋をした場合だ。相手の男は経験なんてほとんど無いか、あるいは一切無い
かだろう。欲しがりやな春雨を満足させられるとは思えない」
「っ! だから変な言い方しないでください!」
いちいち引っかかる物言いをされるが、強く否定できないのがもどかしいところだった。
そもそも、そんな仮定がイメージしづらいのだ。深海棲艦との戦いは、いつ終わるか先の見えない
ものだし、そもそも生きて終われるとも限らない。
そういった艦娘の境遇を知りながら、提督は軽く言う。
「ほら、想像してみろ」
「何をですか」
「田舎で仲の良かった幼馴染の男だ」
そんな相手いませんけど……と思いながらも春雨は頭の中に像を描いていく。日本の田舎の風景。
生い茂る木々で緑に染まった山々を背景に、田んぼのあぜ道を走る少年。春雨よりも身長は頭一個分
くらい高くて、タンクトップのシャツに短パン。手には虫取り網……は幼すぎる、通学鞄を肩に
かけ、筋肉のついてきた腕には汗が浮かんでいる。
「そうだな、名前はチハ君だ」
想像上の少年が一気に華奢になった。
「どっ、どうしてチハ君なんですか!」
せっかく作った良いイメージがぶち壊されて春雨は声を荒げた。
「陸さんといえばそうかなと」
まったく理解できない理由だったが、春雨はイメージし直す。チハ君は春雨より若干背が高い程度、
小柄だが心優しい少年だ、そういうことにしよう。
「春雨とチハ君はよく帰り道を一緒に歩くうちに、お互い惹かれていく」
提督のナレーションに目を閉じながら耳を傾け、イメージを膨らませていく。春雨もなんだかんだ
女の子なのだ、男の子との甘酸っぱいシチュエーションを想像するのは嫌いじゃない。
「ある日の夕暮れ、話し込むために立ち寄っていた無人の神社でいい雰囲気になったところで、
チハ君は春雨を神社の裏手に引きずり込んでしまう。困惑する春雨を神社の壁に押しやって、
チハ君は両手を壁について春雨を逃げられないようにする」
うんうん、と春雨は頷く。頭の中では春雨もチハ君も夕焼けを浴びて真っ赤になっている。
「そしてチハ君はおもむろにズボンを脱ぐ」
「えっ」
「すると雄雄しい主砲が現れる」
「……でもチハ君なんですよね」
再度イメージを壊されて春雨はため息を吐いた。
「どうした春雨、お前の妄想力はそんなものか、それでも艦娘か?」
それと艦娘関係ないですよ……と思いながら春雨はイメージを再開した。しかしどうやっても
チハ君の巨砲はイメージできなかったからモザイクかけてお茶を濁して。
「チハ君は勢いでズボンを脱いだが、その後どうすればいいか分からずに困惑して、主砲もどんどん
縮んでいく。しかし一度見せられてしまった春雨はそれで今日はさようならでは気がおさまらない。
そんな時のための予行練習が、必要だろ?」
「……いや、やっぱり必要ないと思います」
すごく時間を無駄にしたような気分で、春雨はそれまで閉じていた目を開く。何度か瞬きして室内の
明るさに目を慣らし……たところで気付いた。
「どうして司令官が脱いでるんですか!」
提督は下半身が裸だった。
「さあ続きだ」
言うと提督は春雨の両肩を掴んでずいずいと押してくる。あっという間に壁際まで追い込まれ、
壁についた両手で春雨の逃げ道が塞がれる。先ほどまでの想像よりずっと身長差があるが、二人の
位置関係はだいたい同じだ。
「……嫌だって言っても、聞かないんですよね」
「そもそも大袈裟に嫌がるほどでもないんだろ?」
実際それもそうだ。今夜も当然そうなるつもりでこの部屋に来ているのだから。
春雨は一つため息を吐くと、心を切り替えた。
「ん」
舌で唇を湿らせ、春雨は手を伸ばす。提督の首に両手を回して顔を引き寄せ、唇を重ねる。触れる
だけのようなキスを二度三度した後、提督の唇をついばむように吸い付く。提督の唇が春雨の唾液で
十分に湿ったところで、春雨の舌が伸びていく。提督の唇をこじ開け、もぐりこむ。
お互いの舌が触れ合う。
「んふっ」
息が漏れる。春雨が強引に舌をねじ込んで、二人の舌が絡み合う。唾液が混ざり合う水の音を鳴らし
ながら、春雨は片手を下半身に伸ばした。既に衣服を脱ぎ去っている下半身に、優しく撫でるように
指を沿わす。硬く大きくなっていく感触が手に伝わってくる。
しっかり上を向いたのを確認すると、春雨は提督の上半身の衣服を脱がしにかかった。
全裸で立つ提督と息の触れ合う距離で見つめあいながら、春雨は提督の右手を両手で取った。
そのまま自分の胸へと持っていく。衣服越しに、春雨の胸に提督の手が触れる。
「どう?」
返事は待たず、半ば乱暴に上下に揺らす。左手も掴んできて、両手で春雨の両の胸を揉ませるように
すると、やがて提督の手が自分の動きで春雨の胸を揉み始めたところで、春雨は両手を再び提督の
首の後ろに回した。口を重ねる。
「んっ、んっ……、ぷはっ」
貪るように唾液を交し合い、堪能したところで春雨は自らの衣服に手をかけた。
上半身があらわになる。滑らかな白い肌、緩やかな胸の膨らみに小さな突起が視線に触れる。
「ほら」
言って春雨は提督の頭を抱き寄せる。口元に胸の膨らみを押し付ける。
「んっ」
舌が伸びた。最初は躊躇いがちな舌の動きが激しくなるにつれ、くすぐったさで漏れていた春雨の
声が次第に熱を帯びてくる。
唾液まみれにされ、ちらちら光ってきたところで春雨は提督の顔を離した。
物足りなさそうな表情を浮かべる顔に手を当て、首筋、肩から腕へと移動させて手を掴む。その手を
春雨の脇腹へ、腰へと回させる。さらに指に手を沿わせて、下着の内側へまで潜り込ませる。
「うん」
視線と、その一言で合図。
頷いた提督は膝を曲げ、指が春雨の下着を下ろしていく。ゆっくりと、だが止まることなく下まで
一気に下ろされ、そして春雨は足を上げて、下着から足を抜く。
「んっ、ちゅっ、んっ」
再び立たせた提督に抱きつくような格好で唇を重ねる。裸の男女が体を密着させて、春雨は自分の
胸を、腰をなすりつけるようにしながら舌を絡める。
「ぷはっ、はむっ」
息継ぎの時間さえ惜しいと言わんばかりの濃厚な口付けを続ける。
何度目かの息継ぎのタイミングで、春雨は不意にしゃがみ込んだ。そして先ほどまでの勢いのままに、
提督の下半身で激しく自己主張するシンボルを口に含んだ。
「んっ、ぷはっ、んっ、ぷはっ」
口の奥限界まで入れても根元に届かない。それでも口に激しく出し入れをしていると、感じている
のか春雨の頭の上から呻きのような声が聞こえてきて気分がいい。
それからわずかもしないうちに、春雨の唾液と違うものが混じり始めてぬめりを帯びてくる。
頃合だろうか。
春雨はその場に腰を下ろし、ジェスチャーで提督にも腰を下ろすよう求める。
提督を座らせると、春雨は体を倒した。仰向けでお腹を見せるような格好で、しかし脚は大きく
開かれている。
「いいよ」
言って、仰向けのまま両手を伸ばし、おいでと。
その求めに応じるように提督の体が前に動き、そして、
「んんっ、ああっ」
確かな硬さが、春雨の中に入ってきた。
奥まで達する。でも勿論、それで終わりではない。
「動いて、いいよ」
「ああっ、あんっ」
提督の腰が前後に動かされる。その刺激一つ一つが春雨に快感を寄越す。
「ああっ、はあっ」
春雨の主導だった序盤とはうって変わって、今は提督の腰の動きに春雨が鳴かされるターンだ。
声が止まらない。
でも。
「ん」
両手を伸ばす。キスを求められたのかと顔を近づけてきた提督の首に腕を回し、しがみつく。右腕を
しっかり肩に回して左腕で床を押す。
身を起こさせる。
座り込んだ提督の太ももあたりに体重を預ける姿勢。
まだだ。
さらに押した。提督の体が後ろに倒れる。
「んふ」
仰向けに寝転ばされた提督の体に、ぺたんと座り込むように跨るような格好。これで再び攻守は逆転した。
「んんっ」
提督の顔を見下ろしながら、春雨は腰を前後に揺らし始めた。
春雨のお腹から腰、お尻にかけてがしなるように揺れる。こすりつけるような動きが、春雨の脳を
溶かすような快感をもたらす。
さらにペースを上げる。
「はっ、はっ、はっ」
声がもはや息遣いとなりながら、春雨は腰遣いを止めない。
「はっ、春雨」
動くのに夢中で忘れかけていた提督の声が春雨の耳に届いた。どこか焦りの色を含んでいる。
「どうかっ、しましたっ、かっ?」
動きを止めないままに尋ねる。提督は焦りの色を濃くしながら、
「待てっ、そろそろっ、くっ」
提督の表情から、言わんとしていることは察した。だが、
「出るからっ、止まれ!」
「あはっ」
笑みだけを返して、動きは止めない。むしろさらに速度を上げた。
「あっ、ああっ……」
言葉は嘘ではなく、すぐに提督の限界は突破した。提督の先から噴き出し、春雨の中で溢れる感覚。
温かいものが春雨の内側から広がっていくのを感じる。
腰を上げて抜いてみると、ぬちゃっとした音が聞こえた。
満足げな春雨と対照的に、提督は呆然としている。
「ふふっ」
少し後ろ、提督の太ももの上あたりに腰を下ろして、春雨は不適に微笑んでみせた。
「大丈夫ですよ、司令官さん。大丈夫な日ですから」
未だ呆然とする提督を見下ろしながら、春雨はもう一つ続ける。
「春雨だって、いつまでも子どもじゃないんですよ」
言って体を前に倒すと、春雨は静かに提督と口を重ねた。
終わり
第6話、終わりです
続きが書けたらまた投下しようと思います
作者はエ口ネタが苦手なのでそろそろ表現が苦しくなっていますが、ご愛嬌ということで
第7話が書き上がったので続き投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
>>36から
春雨Lv29、出撃します(第4話)
>>50から
春雨Lv45、出撃します(第5話)
>>69から
春雨Lv56、出撃します(第6話)
>>83から
春雨Lv68、出撃します(第7話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15くらいの内容です
「ご苦労だった。この後は速やかに休息に入るように」
間もなく日付も変わろうかという時間帯、提督室で報告書にさっと目を通した提督は、目の前で
直立の姿勢をとる六人の艦娘たちにそう告げた。
遠く、前線近くへの輸送任務を終えた部隊だ。
「以上、解散」
提督、艦娘たちが敬礼を交わし、失礼しますと告げて艦娘たちはぞろぞろ退室しようとする。
「あ、いや、待て。春雨は残れ、話がある」
「はい?」
呼び止められた春雨は疑問を声にしながらもその場に留まり、残りの五人はそのまま退室していった。
提督室の扉が閉まる直前、隙間から彼女らの黄色い声が聞こえた。
春雨と提督の関係は艦娘らの間に徐々に広まっていっていた。勿論、夜の体の関係という事実では
なく、提督のお気に入りとか恋人未満とかそのレベルの話でだが。
この後、自分を話のネタにされて盛り上がるんだろうなあ……と思いながら、春雨は閉じられた
提督室の扉から、提督の方へ視線を移した。既に提督は執務机に着席していた。
「どうかしました?」
春雨が尋ねると、提督はわざとらしくコホンと咳をしてから、重々しそうに告げた。
「春雨。お前を秘書艦に任命する」
「秘書艦……ですか? え、私が?」
予想外の言葉に春雨は一瞬理解できず、そして理解しても納得できなかった。
詳しくは知らないが、秘書艦というくらいだから提督の事務的なサポートなんかが主な仕事だろう。
戦艦や空母など年上の艦娘の仕事のように思えるし、事実春雨が見てきた秘書艦もそういった
者達だったように思う。
少なくとも自分のような子どもがやる仕事ではないはずだ。
「まあ落ち着け」
春雨の不安を見て取ったのか、提督はふと微笑んでそう言った。
「お前が思ってるほど難しい仕事じゃないし、お前ぐらいの年頃で秘書艦やってる艦娘だって
いくらでもいるはずだ」
そのあとボソッと何か呟いて、意味ありげな、自嘲のような笑みを浮かべてから提督は続けた。
「それに近いうち、大規模作戦があるだろ?」
そうなのだ。だからこそ、こんな夜中に帰投するような輸送任務が最近は行われている。大規模艦隊を
動かすための前線への資源集積。それが春雨たちの任務だ。
でも、だからこそ疑問がある。
「私が秘書艦になって、輸送任務は大丈夫なんですか?」
輸送先が輸送先なため、遠いし危険だ。そんな輸送任務に従事するだけの練度のある駆逐艦となると
人数に余裕が無いため、春雨一人が抜けるだけでも少なからず影響が出そうに思えた。
「ああいや、お前に秘書艦をやってもらうのは作戦開始後だ」
提督は椅子の背もたれに体重を乗せながら、
「主力には作戦に集中してもらいたいからな。それを機に、作戦発動後は比較的手が空く奴に秘書艦を
経験させておこうと思ってな。それで、お前にと」
「なるほど……」
言われ、春雨は少しは納得できたような気がした。
自分はたくさんいる駆逐艦の中でも、実力的に上からそこそこの位置だ、と思う。激戦区に投入される
可能性もある最精鋭グループに次ぐくらいのレベル。
しかし、それでも秘書艦に不安は当然ある。具体的に何をするのかを分かっていないのだから。
「秘書艦って、何をするんでしょうか?」
「そうだな……」
春雨の質問に提督は席を立つと、書類の束の並ぶ書棚へ向かう。が、書類に一瞥くれただけで
部屋を半周、そして執務机に向かったままの春雨に後ろから近づく。
むにっ
「ひゃう!?」
提督の手が突然春雨の尻を掴み、春雨は変な声を出した。
「なっ、何するんですか!」
慌てて制服のスカートを抑えて向き直り、提督と距離をとる。
対面するかたちになった提督は右手を春雨の尻があった高さで開いて閉じてしながら、
「今ので涼しい顔して立ってるのが仕事だ」
ニヤリと、とてもいやらしい顔をしながら言った。
「秘書艦の方はみんなそんなことをされてたんですか!?」
「当たり前だ」
絶対嘘だ……と春雨は思った。
「丁度いい場所に立ってるな、動くなよ春雨」
全く信じていない春雨のことなどお構いなしに提督はそう言いつけると、再び春雨の後ろに回った。
執務机を後ろに置いて、手前に春雨、斜め後ろに提督が立つ。
「っ」
布越しに提督の手が触れる。春雨は声を出さずに、意識して表情を平静に保つ。
もみもみもみもみ……
無言で、長々と尻肉が揉まれる感覚が続く。
「…………っ!?」
揉まれるのに慣れつつあった春雨の口から、思わず声が漏れかけた。
提督の手が、スカートの隙間から入り込んできたのだ。
「ちょ、司令官さん」
「静かに」
春雨が黙ったのをいいことに、提督の手が再び動き出す。薄布越しになったことではっきり提督の
手が感じられる。その手の動きは、ただ「揉む」に留まらない。
「……んっ」
提督からは見えない春雨の表情は時々崩れ、平静を保とうとしても思わず声も漏れる。
指で責められ、感じるのを我慢していると、ようやくと感じるくらいの時間が経ってから手が
引き抜かれた。このまま下着の中にまで手に潜り込まれるのかと思っていた春雨は、ほっと一息ついた。
「えっ」
一息ついたところで、気付いた。提督がその場にしゃがみ込んでいることに。そして太もも裏が
やけに涼しいことに。スカートがめくられている。
「ちょっ、何を」
やっているんですか、まで口に出せなかった。
「ひゃっ!?」
舐められた。太ももを。
慌てて抵抗しようとした春雨だが、しかし即座に提督が腕を春雨の腰に回す。抱き寄せてしっかり
固定、そして提督の顔が春雨の尻の高さだ、下着越しにめり込む。
「やっ、やめてくださ、ひゃ」
暴れる春雨を両腕で捕まえながら、提督は春雨のスカートの中に頭を突っ込んだままお尻に顔を
うずめる。
「ああっ」
また舐めた。顔の位置を下にずらし、太ももと尻の境目あたりに舌を這わす。
「しょっぱいな」
「っ! うっ、海の上にいたんですから当たり前です!」
潮風を存分に浴びたし、海水も飛び散ったはずだし、何より汗をかいたのにまだ風呂に入れて
いない。その体を舐められるのはいつも以上に恥ずかしさがある。
だが。
そんな春雨の気持ちを知ってか知らずか、提督は春雨の下着に手をかけた。そのまま勢いよく下に
落とすと、下着を脱がされたことに気付いて再び暴れようとする春雨を再び押さえつけた。
そして春雨の体を半回転。スカートの布地を頭に被せながら、提督は舌を伸ばす。
「んんっ……」
春雨からは見えないところで提督に弄ばれる。聞こえる水音は、提督の唾液のためだけではないはずだ。
そして顔を離し、スカートから頭を出した提督は春雨に動きを促した。ここまでの押さえつける
強引なやり方ではなしに、春雨は布団の上へと誘われた。
提督室に設えられた浴室で湯を浴びながら……とも考えていた春雨の考えは叶わなかった。
何度も体を重ねた提督室の布団の上、春雨は座らされ、そして押し倒される。
「ま、待ってください」
制服のリボンに手を伸ばした提督を、しかし春雨は制止した。
「そ、その……、制服は、自分で脱ぎますから」
言って春雨は身を起こし、リボンを解いた。艦娘になってから結構な日にちが経っている。何度も
着て、何度も脱いだ制服だが、そういえば提督の前で脱ぐのは初めてだった気がする。
使命感を持って戦う艦娘にとっての制服は、ただ「定められた服装」以上に思い入れのあるものだ。
それを一枚一枚脱いで、丁寧にたたんで布団の脇に置く。
「あんまり……見ないでください」
下着も外す。海の上、太陽の下を航行してきた体が、室内の明かりの下に出る。春雨本人としては
汗をかいた恥ずかしい体だが、肌の白さも張りもいつもと変わらず綺麗だった。
脱ぎ終えた春雨を、再び提督が押し倒す。迷いなく乳首に吸い付いた。
「あんっ」
「しょっぱいな」
言いつつも舐めるのをやめない。ただ場所を、胸から鎖骨へ、首へ、肩へと移していき春雨を
味わっていく。
存分に味わって、提督は自らの腰に手をかけた。ベルトを外し、ズボンを下げる。
「ああっ、んんっ……」
提督が脱いでから入ってくるまではすぐだった。既に硬く大きくなっていた提督のが、迷いない
動きで春雨の中に入ってくる。
「んっ……。司令官さん、私がいなくて寂しかったんですか?」
今回の輸送任務は日帰りでは無かった。それから帰ってくるなり求められるのはそういうことかと
悪戯っぽく聞いてみた。
「んんっ」
すると唇を塞がれた。そのまま腰が振られる。
「んっ、あっ」
「春雨こそ、欲求不満だったんじゃないか?」
そんなことはないと言おうにも、口を開こうとしたところでまた腰が揺られる。
声にならない。
感じて、言い返せないことを悔しく思いつつ揺られていた春雨の体が、今度は持ち上げられた。
下半身で繋がったまま、視界が高くなる。運ばれる。
布団から離れ、連れられたのは提督室内の浴室だ。
既に風呂が沸かされていた。湯気の立ち込める部屋で、しかし湯を浴びることは許されない。
「あっ、はあっ」
春雨は床に両手両ひざをつき、背後から提督に激しく突かれる。
湯船に手を伸ばしても、すくえるのは片方の手の平の分だけ。それも抗いがたい快感と激しい揺れ
で、すぐに手からこぼれてしまう。汗を流すことは許されない。どころか春雨の体に汗が浮かび始めた。
下半身はそのままに上半身を起こされ、無理やりに唇が奪われる。
もう春雨も恥ずかしさを忘れ、汗だくになりながら提督を求めた。自ら腰を振り、提督の求める
ままにさらけ出して、楽しむことに耽る。
「うう、顔……、髪にかかってないですか?」
最後に、すぐ隣に沸いた風呂があるとはいえ思い切り顔にかけてきた提督に文句を言いつつも、
春雨は満足した顔で湯を浴びた。全身汗だくだが、それでもお湯の温かさが気持ちいい。
体を洗い髪を流してから湯船に浸かるとホッとする。体が癒されるというのが実感できた。
「はあ~」
肩までお湯に浸かって長い息を吐いて、そして春雨は提督にジト目を向けた。
「……司令官さん」
「どうした」
湯船の中、春雨の対面で同じようにお湯に浸かった提督の、下腹部に春雨は視線を向ける。
「どうしてまた、大きくしてるんですか……?」
先ほど放出したばかりだというのに、それは再び立派に上を向いているのだ。
「さあ、どうしてだろうな」
口ではそう言いつつも、提督は春雨を抱き寄せた。水面が揺れ、湯船からこぼれる。
そして春雨は仕方ないですねと小さく言って、抱き寄せられた勢いで提督と唇を重ねた。
二回戦が始まる。
終わり
第7話、終わりです
ネタ切れしてますけど続きが書けたら投下します
作中の春雨ちゃんに先駆けて、うちの鎮守府の春雨ちゃんがLv99になりました
だいぶ間が空きましたが第8話が書き上がったので続き投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
>>36から
春雨Lv29、出撃します(第4話)
>>50から
春雨Lv45、出撃します(第5話)
>>69から
春雨Lv56、出撃します(第6話)
>>83から
春雨Lv68、出撃します(第7話)
>>96から
春雨Lv79、出撃します(第8話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15くらいの内容です
「失礼します」
深夜の鎮守府に春雨の声が響き、提督室の扉が開かれる。
入室した春雨はパジャマ姿だった。普段なら人目を忍んで訪れる時間だが、しかし今日は堂々と
した入室だ。
もっとも、そもそも普段と比べて人目が少ないのだが。
「どうした春雨」
執務机に腰掛けていた提督は雑誌のページをめくる手を止めて顔を上げた。
「間違っていないか気になりまして」
こんな時でさえ雑誌を読んでいられる提督に呆れた視線を向けてから、春雨は自分の机に向かう。
いや、まだ自分の、と言えるものではないだろう。秘書艦の机だ。
大規模な攻勢作戦の発動に伴って提督室に運び込まれた机だ。提督用の執務机よりいくらか小さい
が、それでもなかなか本格的な作りだ。
腰掛け、春雨は書類の束に手を伸ばす。
主力をほぼ総動員するような作戦中なのだ。必然的に軍の上層部へ提出する書類の量も増えるし、
そしてそれを纏めるのは秘書艦の仕事になる。
秘書艦。現在その役目を担当しているのが、春雨だ。
「よくやるなー」
提督が感心したような声をかけて再び雑誌をめくり始めた音を耳にしながら、春雨は手にした
書類をめくる。自分の丸っこい字が詰まっている。
秘書艦を務める前は果たして自分にそんな大役ができるのだろうかと不安だったが、実際の仕事は
意外に簡単だった。自分のような年少の艦娘や、武の方に振り切ったタイプの艦娘が秘書艦を務める
場合の事もある程度想定されていたのだろう、最低限の仕事に関しては春雨でもなんとかなった。
ただもちろん、いくらでもそれ以上を求めることができた。
そして春雨は、最低限で満足できる性格ではなかった。
今だってそうだ。上層部への提出書類も、最低限と言うなら結果だけ書き殴って提出してしまえば
構わないのだ。だが春雨は、きっと優秀な秘書艦ならしているように、途中経過や行動の意図などを
事細かく記入していた。
戦術に関する勉強もするようになったおかげで、最近は随分と寝不足だ。
だから、反応が遅れた。
「はーるさめー」
書類に目を通していた春雨は、不意に背後から提督に抱きつかれた。
突然のことに驚いて心臓が跳ねる。声が出ない。
ただ提督が春雨に抱きついたまま体を前後に揺らすのに合わせて、春雨の視界も揺れるだけだ。
「……どうしたんですか?」
ようやく落ち着いてきたところで、春雨はそれだけ言う。
「……つれないな、春雨」
背中から提督の体温が離れていくのを感じて、春雨は一息。手にしていたペンを置いて振り返ると、
提督は両手の指をわきわきと動かしていた。
「春雨ー!」
それは春雨が何か言うよりも早く伸びてきて、春雨の両の胸を鷲づかみにした。下着をつけていない、
薄布一枚隔てたところから提督の手が春雨の胸を容赦なく揉みしだく。
「いいことしよう」
「んもう!」
そのまま強引に進められそうだったのを春雨は提督の手を振り払って止めさせる。
「見てくださいよ、私仕事中ですよ?」
言いながら目の前の書類を叩いて見せるが、提督は特に表情を変える様子が無い。
「それにすごく疲れてるんですから……、司令官もそうですよね?」
普段ならともかく、今は前線で多くの艦娘達が、文字通り激戦を繰り広げているはずだ。実際に
戦闘を行っている艦娘は当然だが、それに指示を与える提督だって相当な疲労を得ているに違いない。
なのに。
「っん……」
唇が重ねられる。優しく、触れるようなキス。それが二度、三度。
「司令官は、こんな時にこんなことしていていいんですか?」
十センチくらい離れて向き合う提督に、春雨は責めるような口調で問いかける。だが対する提督は
口の端をニヤリと歪めた笑みで、
「あいつらなら俺がいなくても大丈夫だろう。俺の仕事は仰々しく送り出して大袈裟に出迎えて、
何かヘマしたらその責任を取ることくらいだ」
「……」
言われた春雨は声が出ない。提督の適当な態度に呆れたのではない。提督が向ける絶大な信頼に
あてられたのだ。
「……そう、ですか」
これは嫉妬だ。頭では分かってもどうすることもできずに、春雨は提督から顔を逸らして机に
向き直る。ペンを握り直して、
「そんなに溜まってるなら町に行けばいいじゃないですか」
言い放つ。
秘書艦を担当することで、知らなくていいことを知った気がしなくもない。例えば町の方には
いくつか軍と契約した風俗店があることとか。
「忙しいとか言いながらそんなことは知ってるのか」
きっと苦笑いしながら言っているのだろうなという口調で言って、
「でも春雨じゃないと嫌」
春雨は求められて嬉しいような、そうでもないような微妙な気持ちになる。
とりあえず。
「最低ですね」
これだけは言っておかないといけない気がした。
「ああ、知ってる」
まるで堪えていない。春雨がペンを動かす後ろで、三十秒、一分と提督は動かない。
「……どうしても、ですか?」
視線に耐え切れず、先に折れたのは春雨の方だった。
「ああ」
神妙な口調で何を頷いているんだと思いながらも、春雨はわざとらしく溜息を吐いて立ち上がった。
振り向いて、提督の顔を見上げる。
「手短にお願いします」
言って春雨は自らパジャマのボタンを外していく。視界の端で提督が瞳を輝かせているのが見える。
脱いだパジャマの上は椅子の背もたれに、下と下着は座る面に畳んで置いて、改めて提督と
向かい合う。まるで待てをする犬のようだと頭の隅で思う。
「春雨」
提督は小さくそう言って、春雨の唇を奪う。優しく、しかし今度は激しく。春雨の腰と頭に手を
回して抱き寄せて、下が春雨の口内を蹂躙する。
「んっ、んちゅっ、ぷはっ、んむ」
口を塞がれながら、春雨は腰に回されていた提督の腕が下半身を這う動きを感じた。小ぶりな尻を
撫でたあと、上半身に、というか胸を触りにくるものかと思ったら、違った。
春雨の秘所を、提督の人差し指と中指の二本が撫でる。くすぐったさに身をよじるが、提督の指は
お構いなしに突き進んでくる。
「ん……」
くちゅっ、という水の音がかすかに聞こえたが、声を出すことができない。
提督の舌が息継ぎの間も与えず責め立ててくる。息が続かず、お互いの鼻息が顔にかかる。
その間にも、指の動きはどんどん激しくなり、響く卑猥な水音が大きくなる。
「んー! んー!」
堪らず春雨が訴え、春雨の上と下を責めていた提督の口と手が解放する。
足に力が入らない。へたり込みそうになる春雨を提督が半ば抱えるようなかたちで移動する。
いつもの場所。
布団の上に座らされる。
そんな春雨の目の前で、提督はズボンをおろした。半立ちといったところだろうか。
それが、春雨の口に押し付けられる。そして押し切られるように口内へ入れられる。
「んっんっ」
春雨の口の中で前後するにつれて、硬く大きくなっていくのが分かる。
「ぷはぁ」
吐き出す。提督の腰に両手を当てて遠ざけながら、
「手短にって言ったじゃないですかー」
言って春雨は、身を後ろに転がした。両脚を広げて、
「早く入れてください」
「そこだけ聞くと、春雨がまるで痴女みたいだな」
春雨が顔を逸らし、提督が腰を下ろす。
「ん……。あんっ」
入ってきた。思わず声が漏れる。
そこから提督は軽く数回腰を前後に動かし、続いてゆっくりと二、三度、奥まで突いてきた。
「気持ちいいか?」
「……」
春雨は答えない。
だが無言でいられる時間はそう長くはなかった。激しく奥まで突かれる、それが何度も。やがて
春雨の口から、抑えられない艶っぽい声が漏れる。
耐えられない。
「気持ちいいか?」
お互いの下半身は繋がったまま、春雨の提督を覗き込んでくる提督は卑怯だと思う。
「……気持ちいいです」
もう、駄目だ。ぽつりと漏らした春雨の答えに、提督がにやりと微笑んだ気がする。
「司令官、さっき私のこと、まるで痴女みたいだって言いましたよね。そうですよ、痴女ですよ。
大好きですよ。悪いですか?」
怒ったような、泣きたいような、恥ずかしいような、そんな色々混ざった表情で。
「いいじゃないか」
そんな春雨を、提督は覆い被さるような格好で抱きしめる。春雨の頭の後ろに手を回し、髪を
撫でる。額と額、鼻の頭同士がくっつくような距離で顔を合わせられる。
「今、秘書艦だからって責任感じてるんだろ? いいんだよ。手を抜いていいってわけじゃない
けど、無理に背負い込む必要無いんだよ。責任取るのは俺の仕事なんだから」
言い切ると、提督は春雨の体を持ち上げた。座った姿勢、繋がったまま、視線は同じ高さで。
「だから春雨は、俺を気持ち良くさせてくれたらいいんだ」
「……最後の最後で台無しじゃないですか」
春雨が呆れた声でそう言い、
「司令官がそう言うんなら、そうなんですね」
そして今日初めて、春雨の方から唇を重ねた。
「あっ、あはっ」
「疲れてるとか言ってた割に、随分元気じゃないか」
勢いよく腰を振る春雨に提督が意地悪そうな質問を投げかけた。
「それとこれとは別です。別腹みたいなものです」
我ながら無茶苦茶な理論だと思うが、気持ち良ければそれでいいやと春雨は考えるのをやめた。
手短にと言っておきながら、今日も随分と楽しんだ気がする。お互い体勢をころころ変えながら、
何度舌を交えて何度抜き差しされたか。
それももうすぐ終わるのかと、少しの寂しさを得つつも背中に柔らかさを感じ、提督を見上げる。
「はあっ、しっ、司令官」
「っ、なんだ?」
お互い息も絶え絶えになりながらも、行為は止まらない。その中で。
「今日は、大丈夫な日ですので、中に出してもいいですよ?」
「中に出してください、だろ?」
提督は楽しそうな顔で意地悪したつもりだろうが、春雨は今日は気分がいいのだ。
「ふふっ、分かりました」
笑う余裕さえ見せながら、
「司令官さんのを春雨に中に、いっぱい出してください」
ハートマークが付きそうなくらい甘えた声で言ってしばらく、春雨の中で熱いものが溢れた。
終わり
第8話、終わりです
続きが書けたらまた投下すると思います
生きてます。書き上がったので続き第9話を投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
>>36から
春雨Lv29、出撃します(第4話)
>>50から
春雨Lv45、出撃します(第5話)
>>69から
春雨Lv56、出撃します(第6話)
>>83から
春雨Lv68、出撃します(第7話)
>>96から
春雨Lv79、出撃します(第8話)
>>111から
春雨Lv91、出撃します(第9話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15くらいの内容です
駅前広場の噴水の前。待ち合わせの場所に立つ一人の男の前に春雨は声をかけた。
「お、お待たせしました」
若干声が裏返りながらもそう告げると、男が振り返った。チェックのポロシャツにベージュの
ズボン。もう少しどうにかならなかったのかと思わないでもない私服姿の提督だ。
「おう」
提督はそう応じると、春雨に上から下へと視線を這わせる。
先日発動された、深海棲艦への大規模攻勢作戦。無事に成功に終わったその作戦を題材にした
映画が民間で上映されるとのことで、お忍びで視察するのが今回の任務だ。……という名目で
デートに誘われたのが先週のこと。
どこでこの話を聞きつけたのか仲の良い駆逐艦連中に街中へ連れ出され、そのくせ揃いも揃って
ファッションに疎いという悲しい現実を突きつけられて雑誌に載ってた鉄板という文字に飛びついた
のが今の状態だ。
白のワンピースに肩掛けのカーディガンを羽織った姿。世の中の年頃の女の子にはダメだしされる
かもしれないが、すっかり軍隊暮らしに馴染んでしまった自分の精一杯。と自分に言い聞かせ
ながらこの日を迎えたものだ。
「似合ってるぞ」
「……もう少し他の褒め方はないんですか?」
照れ隠しに春雨はそう言いながら、出された提督の手に手を伸ばした。手を繋いで駅へ向かい、
ここから数駅離れた少し大きな町の映画館が目的地だ。
映画はよく分からない間にという表現が一番しっくりくる感じで深海棲艦のボスを撃沈してハッピー
エンドを迎えた。どこかの神話にでも出てくる悪魔のような異形がボスだった。報告では女性型
だったと聞いているが、春雨も実物を見たわけではないし些細な問題だろう。
「……あれで良かったんでしょうか」
春雨の率直な感想がそれだ。
人類の存亡を賭けた艦娘達の戦い……を描いているのかと思いきや、若い女の子達のギャグシーン
中心だったような気がする。登場する艦娘も、個性豊か、というより個性が強すぎる。
「あんなもんだろ」
対する提督は気にした風でもなく映画館を出た町並みで歩を進める。
「……真面目な話、あれでいい。軍に批判的な感情を抱かせる内容や、機密漏れを疑いたくなる
ような正確な内容よりずっとマシだ」
「はぁ」
意外に真面目に見てたんですね、という言葉を飲み込んで、春雨は提督の隣を歩く。
そもそもこの男は、意外とやり手なのだ。漠然と仕事ができる男という印象だったが、秘書艦を
務めるようになってから少しずつ分かるようにもなった。最低限の仕事しかしていないように
見せかけて、艦娘達の見ていないところで仕事をしていることを。
良い上司ではあるが、良い軍人とは限らない。という提督の評価を聞いたことがあるが、自分が
提督が陰で地道な努力を重ねていることを知っている数少ない一人ということに特別な思いがする。
「……あの、司令官?」
春雨と提督はとある建物の前で立ち止まっていた。休日昼間という町が賑わいを見せる時間にも
関わらず、大通りから少し入っただけで途端に人通りの少なくなる通り。清掃された小奇麗な通りに
並ぶ怪しげな立て看板の数々。
「どうした?」
「このために、今日の相手に私を指名したんですか?」
「そうだが?」
宿泊施設……というより、この時間だと休憩施設か。それらが軒を連ねる一帯、音に聞こえた
ホテル街というやつだ。当然だが春雨は利用するどころか見るのも初めてだ。
せっかくお洒落してきたのに、という気持ちを押し殺しながら、春雨は提督の後に続いて店内へ
足を踏み入れる。ロビーも、指定の部屋へ続く階段や廊下も特に変わった印象を受けない。
「ここか」
そして提督が部屋のドアを開く。
普通の部屋だ。洋室で、大きなベッドと小さめのテーブルが目に付く。落ち着いた色合いで、
特にいかがわしさが感じられない。
「へぇ……」
室内に入った提督に続き、春雨も足を踏み入れる。これがいっそ全面ピンク色の壁紙でもあれば、
勝手にそういう気分になれたんじゃないかと思いながら、春雨はベッドに腰掛ける。
とりあえず一息ついた。
「さて、シャワー浴びるか。行くぞ春雨」
「なんで一緒に浴びないといけないんですかー」
言って春雨はわざとらしく頬を膨らませて見せ、腰掛けていたベッドから立ち上がった。
「ん」
ただしその場からは動かない。自分から動いたら負けな気がして、春雨は目を瞑って両腕を広げた。
連れて行くなり脱がすなり勝手にしろという意思表示だ。
提督が近づいてくる気配がある。それでいい。自分は提督の玩具か人形か、そう割り切ろう。
「んっ!?」
なのに。担がれるでも脱がされるでもなく、口付けされた。優しく髪まで撫でられる。
「嫌なら帰るか?」
「……なんでですか」
やっぱり提督にとって自分はそういう対象なんだとせっかく割り切るつもりだったのに、どうして
ここでそんな風に優しい声が出せるんですか。
もちろんそんな事は言えなくて。
「そんなに嫌だったら建物の前で逃げてますよ」
「なるほど、春雨もやる気なんだな」
「……いや、そこまで言ってないですけど」
それを言い切る前に提督の手が春雨のワンピースに伸びてきた。脱衣所まで待てないのかこの男は
という思いを頭の隅に追いやっているうちに、脱がされたワンピースがベッドの上に投げられる。
もっとゆっくり脱がしてくれてもいいのに、と思う間に上下の下着まで脱がされる。
春雨を浴室に置いてから自分の服をせっせと脱ぎ始めた提督を尻目に、春雨はシャワーの温度を
調整する。仕事では有能なくせして、たぶん根本的にあの男はアホだ。
「ふふ」
笑みを零しながら春雨はシャワーを浴びる。心地よい温かさが肌の上を流れた。
「楽しそうだな」
やがて浴室に入ってきた提督の顔にシャワーのお湯を浴びせて、春雨はスポンジを手に取り
泡立たせる。そして提督の背中でも洗ってやろうかと考えたところで、
「……いや」
思いついて、スポンジで自分の腕や胸を洗い始めた。そして。
「んなっ!?」
驚く提督に抱きついて、自分の胸をこすりつけるようにして提督の背中を洗ってやる。きっと今
の自分は、すごく面白い悪戯を思いついた子供のような笑顔をしているだろう。
「何やってるんだお前は」
「私の負けですから」
理解の追いついていない様子の提督の腕をとって、しがみつくようにして綺麗にする。少々サイズが
足りない気もするが、そこは気にしたら駄目だ。いや、普通だから問題ない。
初め困惑していた提督はなんだか面白かったのに、慣れてくると余裕そうな表情でいいぞもっとやれ
言い出してきたのがなんだか悔しい。もっとエスカレートさせて足は股で洗ったのに。
「余裕そうな顔して、こっちはこんなになってるじゃないですか」
シャワーで提督の体を洗い流しながら春雨は意地悪く突いてやると、ピクンと跳ねた。
「ふふん」
そして反撃されないうちに、春雨はそれを口に咥えた。そして上下に動かす。
「んっ、んっ、ぷはっ。どうですか?」
口を離している間は手を動かして、提督に休む間を与えない。
「上手くなったな、どこで練習したんだ?」
「こんなことする相手、司令官以外にいないですよ」
提督の皮肉を軽く流して、再び口に含む。何度も見た提督の表情だ、もういついってもおかしく
ないくらいに感じているはずだ。
だから春雨は提督の腰のあたりを両手でがっしり掴む。そして口を上下させるペースを上げる。
「んっ、んふっ」
浴室に春雨の息継ぎの音と卑猥な音、そして時折提督の声が響く。
もう少しだと思ったのに、なかなかしぶとい男だ。だが。
「んっ、んんんっ!」
最後に大きく一度跳ね、同時に春雨の口の中に一気に溢れ出してくる。こんなに勢いよく発射
されているものなのかという驚きも得つつ、春雨はゆっくりと口を離していく。
「えへへ」
口の中に溜まった液体を見せ付けるように提督に笑いかけながら、
「んくっ」
喉を鳴らして、ペロッと舌を出して、
「いただきました」
もちろん春雨にとっての本番はここからだ。
浴室から出て体を拭いて、ベッドに仰向けに寝転がって提督を手招きする。両手を広げると、
提督がゆっくりと覆い被さるように春雨を抱きしめた。
二人分の体重でベッドが沈む。
「あっ、ひゃっ」
提督の舌が春雨の耳元を、首筋を這う。予想していなかったくすぐったさに変な声が出て、春雨は
身をよじって提督の舌を振り払うと、提督の口を塞ぎにかかる。
だがそれを提督はするすると避ける。
「んんっ」
春雨の反撃をかわした提督の舌が、今度は春雨の胸を、乳首を責め立てる。吸い付かれ、舌で
転がされ、空いているもう片方は指で弄ばれる。
「あっ、はぁっ」
おかしい。変なスイッチでも入っているのか、いつもよりずっと、感じる。まだ乳首を責められている
だけなのに、提督の動きの一つ一つが春雨に抗いがたい快感を与えてくる。
「春雨」
今度は提督が、口は離しても手の動きは止めないままに春雨に語りかける。
「今日は、ここでは、我慢しなくていいんだぞ」
その言葉に耳を傾けていたせいで、春雨は気付くのが遅れた。
提督の左腕が春雨の下半身に伸びていることに。
「あああっ!」
動きに気付き、卑猥な水音が耳に届くと同時、春雨の体を快感が駆け抜けた。
「あっ、ああっ、んっ!」
提督の手の動きが止まらない。出し入れする度にくちゅくちゅという水音が聞こえ、春雨の口からは
快感を伝える声が溢れ出す。春雨の目からは見えないが、きっと提督の手は春雨の秘所から溢れた
液体でべっとり濡れているだろう。
思う間も、さらに激しく提督の手が、指が、春雨を責め立てる。
「ああんっ、だ、駄目っ、もう、いき、いっちゃいます、あっ!」
その叫びで、溢れ出すわずか手前で、提督の動きが止まる。
「はあ……、はあ……」
肩で息をする春雨を尻目に、提督は次の動きを躊躇わない。
「じゃあ春雨、入れるぞ」
「え、ちょっと司令官さ、待っ、ああっ」
制止が間に合わず、提督のが春雨の中に入ってくる。だが、意地悪するようにその動きはゆっくりだ。
半分ほどまで入ったところで引き返して、またゆっくり半分ほどまで入れたところで引き返す。
やがて動きが速くなってきても、春雨の入り口あたりで前後するのは変わらない。
「あんっ、もう、司令官っ、さんっ……」
「どうした?」
提督の顔は本当、楽しそうな意地悪顔だ。鎮守府の他の艦娘にも見せてやりたい。いや、見せたくない。
恥ずかしがりながらも欲しがる春雨をご所望だろうか。じゃあ、そうはいかない。
「司令官さんのを、一番奥までください」
一片の恥じらいも見せずに言い切った春雨に提督は少し驚きを見せつつも、少し笑みを浮かべて、
「そうか」
その一言と同時、提督は春雨の希望通りに一番奥まで突きたてた。
「ああっ、んんっ!」
春雨の体勢は仰向けのところから始まり、馬乗りの格好、そこから体を前に倒して抱きしめ合う
格好で下から突き上げられる体勢へど移行する。
「んっ、司令官さんっ。もっと! もっとください!」
口ではそう言いつつも、春雨はもはや自分から動く余裕が無い。両足に力が入らず、ただただ
下半身から流れてくる快楽に頭を支配されながら、なおも貪欲に提督を求める。
「ぱはっ、んっ」
キスなんて表現が生温い勢いで口を重ねる。
「ああっ、やっぱり、だ、駄目っ! 駄目ですっ! もう! 駄目っ!」
もう少し、いや、いつまでも楽しんでいたい思いもあるが、絶頂が近づいている、もうもたない。
揺れる視界の中で春雨は体を横に倒そうとするが、春雨の体を抱きしめる提督がそれを許さない。
「しっ、司令官さん! 駄目ですっ!」
だってこの体勢では、最後の瞬間に抜けないから。
しかしそんなことは承知しているはずの提督が、春雨を離さない。腰の動きは止めない。
どうして。だって提督の顔にも余裕がないのに。
だがそれを問う時間は無い。春雨にそれだけの余裕が無いからだ。
「ああっ、もうっ! 本当にっ、駄目っ! いきそうっ、ですっ! ……あっ!」
届いた。快楽が溢れる。
そして同時に、提督が果てたのも伝わってくる。春雨の中でぴくぴくと、脈打つような感覚。
「はあ……、はあ……、はあ……。どう、するんですか……」
半分の不安に駆られながら額の触れ合う距離の提督に問いかけるが、提督はニッと笑うだけだった。
「もう!」
再びシャワーを浴びて服を着て、椅子に腰を下ろしてオレンジジュースで喉を潤しながらも春雨は
提督への怒りが収まらない。
「もうもうもう! どうしてゴムつけてるって先に言っておいてくれないんですか!」
言いながら春雨は二本目のジュースの栓を開ける。有料だが気にしない。
「びっくりしたか?」
「本気でびっくりしましたよ!」
提督はクスクスと笑いながら無料のお茶で喉を潤して、時計に目をやる。そろそろ時間だ。あまり
帰りが遅くなると、何していたのか聞かれた際の言い訳に困る。
春雨が二本目のジュースの瓶を空にするのを待ってから、提督は立ち上がった。
「じゃあ、帰るか」
「そうですね」
春雨も立ち上がって、部屋を出ようとする提督に続く。
「また来るか?」
最後に何を言っているんだこの男は。
本当にどうしようもない人間だ。指揮下の艦娘に、それも自分のような幼い艦娘に手を出して、
何度も何度も体を重ねさせて。提督と同じような立場の提督は全国に結構な数がいるようだが、
その中でもきっと最低クラスの駄目提督だ。
だから。
「たまになら、いいですよ」
すっかり熱も冷めて恥じらいで直視できない春雨は、少し目を逸らしながら、それでもそう答えた。
終わり
第9話、終わりです。
たぶん次が最終話なので、頑張ります
続きが書けたので第10話を投下します
春雨Lv1、出撃します(第1話)
>>3から
春雨Lv8、出撃します(第2話)
>>22から
春雨Lv22、出撃します(第3話)
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春雨Lv29、出撃します(第4話)
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春雨Lv45、出撃します(第5話)
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春雨Lv56、出撃します(第6話)
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春雨Lv68、出撃します(第7話)
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春雨Lv79、出撃します(第8話)
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春雨Lv91、出撃します(第9話)
>>130から
春雨Lv99、出撃します(第10話)
今から
※地の文だらだら書いていく形式です
※ピンクは淫乱
※R-15くらいの内容です
「ご苦労だった。解散!」
その声で提督室から退出していく艦娘達を見送りながら、春雨は室内に置かれた秘書艦用の椅子に
腰掛けた。さっそく報告書の作成に取り掛かる。
「春雨、お前も一旦自室に戻っていいんだぞ?」
「いえ、大丈夫です」
鎮守府近海まで潜入した敵潜水艦の掃討作戦。それに旗艦として参加した春雨を待っていたのは、
今度は秘書艦としての書類仕事だ。出撃部隊の旗艦としての報告書と、軍の上層部へ提出する
報告書の作成も、随分手馴れたものだと思う。
「ん、ん~」
やがて書き終えると、春雨は伸びをして立ち上がる。
「司令官、ちょっとシャワーだけ浴びてきますね」
少なからず海水を浴びた身でこの後の仕事をするのも抵抗があるので、そう提督に断ってから
部屋の扉へと近づく。これまでも秘書艦を務めながら先頭に繰り出したことは何度もあったし、
その後でシャワーを浴びに行くのもよくある事だ。提督はいつものように「ああ」とだけ言って
見送るか、「一緒に入るか」とわざわざいやらしく作った声を掛けてくるかのどちらかで、
「待ってくれ、春雨」
呼び止められて、春雨は思わず立ち止まった。
声のトーンが硬い。
「後で、大事な話がある」
「……はい」
春雨は搾り出すようにそれだけ答えると、提督室の扉を開いた。
体の表面を熱さがつたう。
シャワーを浴びながら、春雨は先ほどの提督の言葉を思い返していた。
後で、大事な話がある、と。おふざけには聞こえなかった。
自分は、秘書艦を務めるようになったとはいえまだまだ見習いの域だ。艦隊や鎮守府に関する、
戦略、戦術的な大事な話であれば、それを聞かされるのは自分ではなくキャリアの長い戦艦の
艦娘だろう。
では、わざわざ自分に対しての「大事な話」とは何なのか。
「……」
心当たりがないわけではない。
初め、提督のもとに配属されたひよっこ同然だった駆逐艦春雨は、比較的安全な海域での護衛任務から
遠方や敵地を突っ切るような輸送任務、時には戦闘に従事して、めきめきと練度を上げていった。
上がって、上がりきった。
良く言えば最精鋭。悪く言えば頭打ち。
「はあ……」
カランをひねってお湯を止める。
「出撃機会が、減るんでしょうね」
優秀な艦娘はいくらいても困らない。これからは自分より、まだ伸び代のある艦娘が優先して
起用されるということだ。
寂しさを胸にしまいながら、春雨はシャワールームを後にした。
「司令官。大事なお話って何ですか?」
覚悟を決めて、できるだけ明るく。提督が告げやすいように。そう意識して春雨は、執務机に
座る提督と向き合った位置に立つ。
「ああ、今度、新しいシステムが導入されるだろ」
「ああ」
言われて春雨は思い出す。そういえば軍で開発されているという新システムの話は報告書で
秘書艦をやっている際に報告書で目にした覚えがある。
それは、今までの艦娘としての限界をさらに超えるためにもの。自分のように、練度が頭打ちに
なった艦娘をさらに上のステージへ導こうという画期的なシステム。たしか名称は、
「ケッコン、ですか……」
しかしそれには、但し書きが付いていたはずだ。予算の都合から、その新システムの恩恵に
預かれるのはごく少数に限る。うちを含む多くの鎮守府では一名のみだ。
「そうだ。どこぞのアホがそんな頭のおかしい名前を提案して、どこぞのアホがそれを承認しやがった
ケッコンシステムだ」
その話を自分に振られる理由。つまり、ケッコン相手は誰がいいだろうかと、そういうことか。
戦艦や空母といった新システム候補の当事者達に聞くのを避けて、端から関係ない自分に、公平な
視点で誰がふさわしいかを考えてもらおうという腹積もりなのだろう。
それを考えさせられるのは、このうえなく残酷な
「春雨。結婚しよう」
「……えっ?」
「結婚しよう、春雨」
呆然として固まる春雨に対して、提督はもう一度繰り返した。
なおも固まる春雨から目を逸らして提督は右手で顔を覆いながら、
「普通に戦力アップの手段として提示されてたら考えようもあったのに、ケッコンだと? 長い間
第一線で活躍してきた艦娘と提督の絆の強さ云々はいいとして、ケッコンだと? そんな名前付け
られたら、相手はお前しか考えられねえだろうが……」
吐き捨てるように言い、憮然とした顔で前を向く。変わらず硬直したままの春雨が、
「おい春雨、お前、なに泣いてんだよ」
「そ、そんな」
言われた春雨は直立姿勢のまま、
「泣いてなんか、ないですよ」
しかしその声は震え、頬を流れる熱いものは止まらない。
「そんなに嫌だったか?」
「嫌なわけっ」
声を荒げると、さらに涙が溢れた。止まらなくて、両手で拭いながら、
「だって司令官、私のこと……。だから、嬉しくて……」
言葉にならない、言葉が出てこない。提督にとって自分は性の捌け口ぐらいでしかないと思っていたから。
泣き止まない春雨のもとに提督は歩み寄り、三度目を告げる。
「春雨。結婚しよう」
「……はい」
提督室。
ただし鎮守府庁舎内の執務室とは違って、鎮守府庁舎傍に建てられた離れ風の提督の私的空間だ。
右を見れば海、左を見れば山という立地に用意された和風建築の引き戸を提督が開ける。
「おお……、普通ですね」
目に入ってきた空間に対して、春雨は率直な感想を漏らした。外観に反して中身は洋風、玄関から
短い廊下を経た先のフローリングの部屋には絨毯が敷かれているが、他にこれといって目を引く
物は見当たらない。暖炉や燭台なんかのインテリアがあったり、鹿の剥製や甲冑のような置き物が
あったりすることもない、普通の部屋だ。
プロポーズされた日の翌日。新システムでの提督と春雨のケッコンが知らされ、オフの艦娘らの
ささやかな祝福を受けながら指輪を受け取った以外は、手荒い祝福をちょくちょく受けるほかは
特に変わったこともない日常だった。
……と思っていたのだが、最後にこれだ。
初日くらいは新婚気分味わってこいといらん気を回されて庁舎を追い出されてここにやってきた
のが、まだ深夜と呼ぶには随分と早い時間帯だ。ここからでは見えないが艦娘寮にはまだ灯りが
ともっていて、春雨と提督の話題で盛り上がっているかもしれない。
「新婚、か……」
思わず顔が緩みそうになるのを抑えながら、春雨は部屋へ上がる。先に上がった提督が脱いだ制服を
ハンガーにかけるのを眺めながら、春雨は考える。
まだまだ夜は長く、提督と話したい事は色々ある。いつ頃から自分をそんな風に見ていたのかとか、
自分のどんなところを好きになったかとか。……考えただけで顔が赤くなる。
でも。
「司令官さん」
自分と提督の間柄なら、こうだろう。
提督のもとへ歩み寄り、精一杯背伸びして振り向いた提督と唇を重ねる。
「こんなの、誰も想像してないでしょうね」
「だろうな」
シングルベッドとしては大きめ、くらいのサイズしかないベッドの上に裸で仰向けで寝かされ
ながら、春雨は同じく裸で覆い被さる提督を見上げる。
自分の年齢を考えたら、一晩語り明かして喋りつかれたら一緒のベッドで眠る、くらいにしか思われ
ていないだろう。性知識はあっても本番はまだまだ先、というのが普通のはずだ。
私達の関係がバレていたら、もっと違う視線を向けられていたでしょうし……。
仲間たちから向けられてきた笑顔を思い出し、騙しているようで申し訳ない気持ちになりながらも、
「んっ」
提督の差し出してきた唇に、自分のそれを重ねる。短い吐息と優しい触れ合いが漏れる。
「初夜なんですよね。初めてですから、初心な子を演じましょうか?」
「できるのか?」
提督の挑発するような言い方と視線を受けながら春雨は、
「できません」
にっこりと笑って両腕を提督の首の後ろに回す。そのままぐっと引き寄せて、
「んっ、ちゅっ」
勢いよく口付けする。最初の触れるようなキスとは違って思い切り、舌と舌を絡めながら激しく
お互いを求め合う。
「ちゅぱっ、んっ、はあっ、んんっ」
飽きるほどのキスを堪能したら、その次は本番だ。
「いきなりで大丈夫か?」
変わらず春雨に覆い被さるような姿勢のまま、そう言いながら提督の左手が春雨の秘所に伸びる。
程よく濡れてすっかり熱を帯びたそこに指が触れただけで、春雨の脳髄が刺激される。
「キスだけですっかり濡れてるじゃねえか、スケベ」
「司令官だって」
皮肉交じりの口調で言う提督に、春雨はとろんとした目を下に向けながら返す。
「もうこんなになってるじゃないですか」
言って右手ですっかり大きくなった提督のそれを掴む。今まで何度も見たし何度も触った。何度も
春雨の中に入ってきた。なのに何故だか今までとは違って見えて、
「早く、春雨の中に、ください」
言われた提督はゆっくりと身を起こした。そして春雨の開いた脚の間に腰を落とし、
「行くぞ、春雨」
「はい。……あっ、んっ」
入ってきた。もっと激しい時も、もっと焦らすような時もあった。今までと比べて特別な事は何も
ないはずなのに、何故だか今までと違った感覚が春雨を支配する。
その理由はとても単純なものだ。
春雨は、ゆっくりと、一番奥まで達した提督に話しかける。
「司令官さん」
「どうした」
「私、司令官さんの事、大好きです」
行為の始まりにそんな事を言われ提督は面食らいつつも、すこし笑って、
「ああ、俺も春雨の事が好きだよ」
はっきり言葉にして交わしたのは今が初めてだ。その幸せに包まれながら、互いは動いていく。
「はあっ、あんっ、あっ、気持ち、いいっ、あっ」
揺れる。提督の腰の振りで前後に揺さぶられる春雨の視界の中、快楽を浮かべた提督の顔が春雨の
目に映る。提督が気持ち良くなっているのが嬉しくて、でも、
「はあっ、んっ」
春雨の体が起こされる。春雨は提督の体にしがみつきながら、自らの腰を揺らす。貪欲に、自らの体が
求めるままに快楽を貪る。
「あああっ、んんっ」
今日一番の声が出た。でも恥ずかしさは無い。そんなものを感じる暇があるくらいなら、もっと
腰を動かしてさらなる快感を得に行きたい気分だ。
結婚初夜とか言いながら、これまでで一番淫らな自分になっている。
でも、やめられない。
これまで心のどこかでセーブしていた部分も、今回は無しだ。全力で提督を求めてやる。
腰を振り髪を乱し、息も荒くしながら提督を見やると、同じく息を荒くしながら春雨の体を抱く
提督の顔が見える。
そんな提督の口を自分の口で塞ぐ。お互い息が苦しいはずなのに離したくなくて、息継ぎの合間は
ほんの僅かな時間だけだ。そして勿論キスの間も体の動きは止まらない。
気持ちいい。愛しい。気持ちいい。それだけがぐるぐる回りながら体すべてで提督を求める。
だがそれも、もうすぐ限界だ。
再び春雨はベッドに仰向けに寝かされ、提督は覆い被さるような姿勢で腰を前後に揺らす。
フィニッシュが近づいている。
「はっ、あっ」
もうですか? と皮肉を込めて言おうとしたが、春雨の方も限界が近くて言葉にならない。
「はっ、ああっ」
ギリギリまで一緒にいて、そして最後に抜いたと同時に、飛び出した。
勢い良く溢れ出し、春雨のお腹に、胸に、そして顔にまで提督の熱いものが降りかかる。
「はあ……、はあ……」
しばらく二人顔を見合わせながら荒れた息を整える。
そしてしばらくしてから春雨が切り出す。それは少し不満げな口調で、
「どうして中に出してくれなかったんですか」
言いながら春雨は自分の胸元に飛んだ液体を指でなぞる。
「いやお前、大丈夫な日じゃ無かっただろ」
「司令官さんとなら大丈夫ですよ?」
あっけらかんと言う春雨に提督はこめかみに手を当てながら、
「艦娘を妊娠させでもしたら俺のクビが飛ぶんだが……」
「なるほど」
その可能性に頭を巡らせながら、春雨は人差し指をぺろりと舐める。
「そうなると司令官さんが他の艦娘さんと離れ離れになるということですね」
「……ちょっと待て。お前変なこと考えてないか?」
「そんなこと無いです、よっ」
勢いをつけて春雨は提督とお互いの位置取りを入れ替える。提督をベッドの上に仰向けで寝かせ、
自分はその上に馬乗りになる体勢だ。その状態から自分の位置を提督の太ももの上あたりに移動させ、
「では、二回戦に参りましょう。今度は逃がしませんよ」
「待て。……待て」
抗議する提督を軽く無視して、春雨はまずは口で咥える。
「んっ、ぷはっ。ほら、早く立ててください」
今夜は、そして提督と春雨のこれからは、きっとまだまだ長い。
終わり
第10話、終わりです。
そして最初に投下してから4ヶ月近く経っていますが、これにて春雨ちゃんのお話は終了です。
途中ネタ切れで何度も詰まりましたが、おかげさまで最後まで書き切ることができました。
ありがとうございました。
これからも健全で可愛らしい春雨ちゃんをご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
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