凛「涙の理由」 (43)
凛「ねぇ、希ちゃん」
希「なんや、凛ちゃん。珍しく真面目な顔して」
凛「希ちゃんは恋ってしたことある?」
希「恋…?どうやろ、したことあるような気もするし、そうでなかった気もする」
凛「どういうこと?」
希「うーん、今はわからんなあ。もうあの気持ちは忘れてもうた」
「でもね、凛ちゃん。恋ってみんなそれぞれやとおもうねん」
「だから、本当にそれが恋か~なんてものは凛ちゃん自身にしかわからん」
凛「な、何言ってるにゃ!?凛、恋してるなんて一言も言ってないにゃ!」
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希「何って、自身たっぷりに見えて迷いたっぷりな凛ちゃんの恋沙汰の相談事や」
「きっとそういうことなんやないかって思ってな♪」
凛「うぅ…希ちゃんは察しが良すぎるにゃー…」
希「ええやん♪で、少しは参考になった?」
凛「……うん。でも凛、もう少し考えてみるよ」
希「それがええ、ゆっくり考えな。答えはきっと見つかるやろ、うちが保証したる!」
凛「わかったにゃ!ありがとう、希ちゃん!バイバイ!」
☆★☆
凛「自分にしかわからない…かぁ」
「でも、こんな気持ち……かよちんは受け止めてくれるのかな…」
「……ううっ…怖いよ……」ヒグッ
真姫「…凛?泣いてるの?」
凛「…真姫…ちゃん……」ゴシゴシ
真姫「ああっ、目をこすらないの。ほら、ハンカチ」
凛「……ありがと、真姫ちゃん」
真姫「どうしたのよ、こんなところで一人で泣いてるなんて」
「力になれるかわからないけど、少しなら相談にのるわよ?」
凛「(ここで真姫ちゃんに相談したら、きっと真剣に答えてくれる)」
「(でも、これは凛が自分自身で決めなきゃ…)」
凛「ううん、いいの。ハンカチ…ありがと」
真姫「待ちなさい、凛」
凛「ハンカチならきちんと洗ってかえ…」
ぎゅっ、と手を握られる。真剣な面持ちの真姫ちゃんがそこにいた。
でも、怒っているときの厳しさとは違う。
心配を、心の底から心配そうな。そんな表情をしていた。
真姫「あなた、また自分で抱え込んで、私には相談もしてくれないわけ?」
「……そんなに私が信用できないの…?」
凛「ち、違うよ!そういうわけじゃ……」
真姫「だったら何よ、泣き言の一つぐらい、少しは聞かせなさいよ……」
凛「真姫ちゃん……」
結局、凛は全てを真姫ちゃんに話した。
今の迷い、本当の凛の気持ちがどこにあるのか、こんな気持ち、伝えたらかよちんに嫌われてしまうんじゃないか。
その他にも、ぐちゃぐちゃにして押し込んでいた、見えないフリをしていた気持ちまで、全部。
話す気も無かったところまで、気づけば話してしまった。
真姫「……」
真姫ちゃんはずっと、凛の目を見て、全くそらさずに聞いててくれた。
そんな真姫ちゃんには、全部話さなきゃ、って。そう思えたからかもしれない。
真姫「はぁ……あなたってホント、表の性格と内面とで真逆よね」
話を聞き終えて、真姫ちゃんが放った一言は、希ちゃんと同じようなものだった。
凛「希ちゃんにも言われたにゃ……そんなに凛って違う?」
真姫「ええまぁ、そんなところもあなたの魅力かもしれないけどね」フフッ
「ってこれだとなにか口説いてるみたいね……」
凛「大丈夫にゃ!真姫ちゃんは、にこちゃんが大好きだってみんな知ってるから!」
真姫「な、何言い出すのよ凛!そんなことないわよ!」カァアア
凛「でも真姫ちゃん、顔真っ赤だにゃ!トマトみたい」アハハ
凛「ふふっ……ごめんにゃ、話を聞いてくれたことにはとっても感謝してる」
「でも、話をさせたのは真姫ちゃんじゃなかったかにゃ?」
真姫「そ、そんなことはどうだっていいのよ!」
「それより、どうするつもりなの?」
凛「ど、どうって…それがわからないから相談してるようなものにゃ」
真姫「ま、そうよね……私だって何もできてないわけだし」ボソッ
「でもま、凛のやることってのは一つな気もするけど」
凛「?」
真姫「何、簡単よ。告白して気持ちを確かめる。それだけだわ」
凛「か、簡単にいうにゃ……」
真姫「ええまぁ、簡単にできないけど言うだけなら簡単だからね」
「今日は練習休みなんだし、放課後にでも誘えばいいんじゃ無いかしら」
凛「ええっ!そんな急に言われても無理だにゃ!」
真姫「鉄は熱いうちに打て、って言うくらいだし。悠長にしていると、手遅れになるかもしれないわよ?」
「(本当にこのことについては自分も気をつけなきゃなんだろうけど)」
凛「…うん、凛がんばってみるよ」
真姫「頑張りなさい、凛。応援してるわ」
「さ、そろそろHR始まるわ。教室、行くわよ」
凛「うんっ!」
かなり短いですが、今夜はここまで
書き溜めはあるので、また朝に更新します
誤解を与えるスレタイで申し訳ない
次回以降気を付けますので、それでは本日分更新していきます
☆★☆
「かーよちん!」
「おはよう、花陽」
「おはよう、凛ちゃん。真姫ちゃん」
「凛ちゃん、朝から用事があるって言ってたけど、大丈夫だったの?」
「あ、うん、大丈夫だったにゃ!」
「…それと、かよちん。今日放課後空いてる?」
「放課後?特に予定はないけど」
「ならよかった、放課後屋上にきてほしいにゃ!」
「屋上に?うん、わかったけど、HRもうすぐ始まっちゃうし、席についた方がいいよ?」
「うん、ちゃんと覚えておいてねかよちん」
「(やればできるじゃない。凛)」
☆放課後☆
「あ、やっと来た」
「…凛……ちゃん?」
既に日は暮れ、オレンジ色の鮮やかな光が彼女を、屋上に立つ凛を包んでいた。
そんな彼女の佇まいはいつものそれとは大きく異なって、花陽の目にうつった。
長い間一緒にいたが、今までに感じた事のない特殊な雰囲気を纏っていたのだ。
「どうしたの?急に放課後、私だけ呼び出すなんて」
「今日は練習もお休みなのに……」
「少し、二人きりで話がしたくて」
「二人、きりで?」
「うん」
「私は、凛は、かよちんが好き。好きなの」
「私も、好きだよ?何をそんなに改まって…」
花陽は、本当は理解していた。凛の言う"好き"の意味を。
でも、理解したくなかった。なぜなら、彼女は……
…何やってんだろ、上二つ完全に誤投稿です
朝に投稿するとか慣れないことするもんじゃない申し訳ない
☆★☆
凛「かーよちん!」
真姫「おはよう、花陽」
花陽「おはよう、凛ちゃん。真姫ちゃん」
「凛ちゃん、朝から用事があるって言ってたけど、大丈夫だったの?」
凛「あ、うん、大丈夫だったにゃ!」
「…それと、かよちん。今日放課後空いてる?」
花陽「放課後?特に予定はないけど」
凛「ならよかった、放課後屋上にきてほしいにゃ!」
花陽「屋上に?うん、わかったけど、HRもうすぐ始まっちゃうし、席についた方がいいよ?」
凛「うん、ちゃんと覚えておいてねかよちん」
真姫「(やればできるじゃない。凛)」
☆放課後☆
凛「あ、やっと来た」
花陽「…凛……ちゃん?」
既に日は暮れ、オレンジ色の鮮やかな光が彼女を、屋上に立つ凛を包んでいた。
そんな彼女の佇まいはいつものそれとは大きく異なって、花陽の目にうつった。
長い間一緒にいたが、今までに感じた事のない特別な雰囲気を纏っていたのだ。
花陽「どうしたの?急に放課後、私だけ呼び出すなんて」
「今日は練習もお休みなのに……」
凛「少し、二人きりで話がしたくて」
花陽「二人、きりで?」
凛「うん」
凛「私は、凛は、かよちんが好き。好きなの」
花陽「私も、好きだよ?何をそんなに改まって…」
花陽は、本当は理解していた。凛の言う"好き"の意味を。
でも、理解したくなかった。なぜなら、彼女は……
凛「そうじゃないよ、かよちん。凛は恋愛としての好きを言ってるんだよ…?」
花陽「……」
「凛ちゃん、私達が出会ってもう何年になると思う?」
凛「んー?…10年……ぐらい?」
花陽「そう、10年。もう十年以上たってるんだよ」
「幼いころからずーっと一緒だった」
花陽「私は、凛ちゃんのことがずーっと好きだったの」
「ううん、好きだと。そう思い込んでいたの」
凛「かよ…ちん?何言って……」
凛の顔から血の気が引いていく。
言葉が詰まりそうになる。でも、もう決めたこと。後戻りはできない。
花陽「私ね、小学校5年生のぐらいからずっと凛ちゃんが好きだったの」
「いっつも、凛ちゃんのことばかり考えてた」
「でもね、これは恋じゃなかった。大切な友人に対する感情だって、そう判ったの」
凛「……」
花陽「多分、あと2年…いや、1年前だったら喜んでOKしてた」
「…でもね凛ちゃん」
花陽「ごめんなさい、私は凛ちゃんとは付き合えない」
「私は、凛ちゃんの大切な友人の一人でありたいの」
凛「……!」ダッ
花陽「凛ちゃん!」
花陽は追いかけることができなかった。
ここで追いかけてしまえば、また好きっていう気持ちを勘違いしてしまうような気がして。
花陽「凛…ちゃん……」
真姫「…追いかけないの?」
花陽「真姫ちゃん!?」
真姫「ご、ごめんなさい。盗み聴きするつもりはなかったのよ」
「でも、いいの花陽。このままで」
花陽「…私に、その資格は無いから」
真姫「……っ!」ダンッ!
真姫が、険しい表情をしていたのはわかった。
だから、平手打ちでもされるのかと思ったが、違った。
真姫がしたのは地団駄だった。
花陽「真姫…ちゃん?」
真姫「あなた…また自分の気持ちに嘘ついて、押し込めたりしてないでしょうね」
「あなたが追いかけないっていうなら、私が追いかけて、あの子……凛を貰うわよ?」
花陽「!!」
胸の奥に、強い衝撃が走る。
たった一年。諦めて、嘘をついて押し込めた本当の気持ちが溢れそうになる。
でも、身体は凍ったように動かない。自分への暗示は、自分が思っていた以上に強く効いていた。
真姫「……じゃあね、花陽。今の私には泣いているあなたに構っている暇は無いの」
花陽「まっ………て………」
上手く声が出せない。身体も動かせない。でも、諦めたくないという無自覚な衝動が花陽の中で暴れ、突き動かす。
真姫「何よ、見苦しいわね」
真姫の冷たい言葉が胸に刺さる。でも、今はそれも…
花陽「凛……ちゃんは……渡さない…!」
真姫「……」フッ
途端に真姫の表情が緩む。どうやら全ては彼女の思い通りだったらしい。
手を差し伸べ、ハンカチで涙を拭った。
真姫「早く行ってあげなさい。でも、笑顔で行きなさい。あの子の涙を拭ってあげるのは、花陽。あなたの役目よ」
花陽「……ごめんね、ありがとう。真姫ちゃん」ニコッ
真姫「そうそう、その笑顔でね」
「あと別に凛は友達としては好きだきど、恋愛感情なんて無いからね」
花陽「…私には?」
真姫「んなっ、そりゃ勿論友達としては好きよ…」カァアア
花陽「ふふっ、本当にありがとう真姫ちゃん!行ってくるね!」
あんなに凍りついていた身体は、何時の間にか溶け、熱を帯びていた。
また小出しになって申し訳ないですが、今回はここまで
また夕方に更新します
すいません夜って打ったつもりになってました
更新します
☆★☆
凛「……ただいま」
凛ママ「あら、凛おかえり。部屋にお友達きてるわよ?」
凛「凛の…友達?」
「(かよちん……?いや、そんなわけないよね)」
花陽「あ、おかえり凛ちゃ」バタンッ!
凛「!!??」
「(な、なんでかよちんが!?大体凛振られた直後なんだよ!?)」
「(流石に心中察してほし)」ガチャッ
花陽「……とりあえず、入って。凛ちゃん」
凛「……」
花陽「(…もう追いつけないだろうと思って、凛ちゃんの家にきたら先回りになっちゃった)」
「(その上、話し出すタイミングを見失って、気まずいよぉ……)」
凛「(な、なんでかよちんが凛の家にいるのかサッパリだよ…)」
「(何も話せてないし…どうしよう……)」
「「……」」
ピロリン~♪
「「!?」」ビクッ
花陽「ご、ごめん凛ちゃん。メール見せてね?」
凛「……」
花陽「(……真姫ちゃんからだ、何?『明日気まずい雰囲気で登校してきたら絶交する』……?)」
「(これ、発破かけてくれてるってことなのかな…何にせよ行動しなきゃだめだね!)」
「「あのっ!」」
凛「か、かよちんからでいいにゃ!」
花陽「ううん、凛ちゃんからでいいよ」
凛「……そう?じゃあ凛から」
「どうやったら、かよちんはもう一度凛のこと好きになってくれるの…?」
花陽「凛ちゃん…」
凛「やっぱり、凛はかよちんのこと諦められない!かよちんが好きだもん!」
「断られてさらにハッキリした!凛はかよちんが好き!」
「……って、言ってて恥ずかしくなってきたにゃ」カァアア
花陽「…凛ちゃん。私ね、自分の気持ちに嘘ついてたみたい」
凛「え?」
花陽「だってね、恥ずかしがって、照れてる凛ちゃんをみてて、今こんなに……」ぎゅっ
凛「かっ、かよちん!?」////
花陽「ごめんね、凛ちゃん……あんなこと言って……」
「私も、大好きだよ……凛ちゃんとお付き合い…したい……!」
凛「かよ……ちん…!」ぎゅっ
「あれ…なんで、凛泣いて……」ポロポロ
花陽「ハンカチ、あるよ?拭こうか?」
凛「ううん、いいよ、かよちん。きっとこれは嬉しい涙だもん。拭かないほうが…いい」
花陽「……」ペロッ
凛「にゃぁああ!?かよちん何するにゃー!」////
花陽「あっ…ごめん、つい……」///
凛「む……仕返し…っ!」ペロッ
花陽「ひゃっ!?凛ちゃん…やめ…」///
凛「……」///
「かよ、ちん……」
花陽「凛ちゃん…」
チュッ
「「……」」
凛「キス…しちゃった…」///
花陽「はぅ…」///
凛「かよちん、大好きっ!」
花陽「わ、私も大好きだよ…凛ちゃんっ!」
おしまい
終いです、見てくださった方ありがとうございました
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