内木「責任は取るから!」咲「いいですってば!」 (81)

清澄高校渡り廊下


咲「あ、副会長さんこんにちは」ペッコリン

内木「こんにちは宮永さん。これから部活?」

咲「はい。…あの、凄い荷物ですね」

内木「担任に教材を視聴覚室まで運ぶよう言付けられちゃってね」

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咲「良かったら手伝いましょうか?」

内木「いや、でもかなり重いし女の子に手伝ってもらうのは…」

咲「大丈夫です。私、こう見えても結構力あるんですよ」フンス

内木(とてもそうは見えないけど…)

内木「…じゃあ、この資料だけ持ってもらえるかな?」

咲「はい。お安い御用です」ニコッ

内木(良い子だなぁ…)ジーン

視聴覚室


内木「よし。これでおつかいは終わり、と」

内木「宮永さんありがとう。助かったよ」

咲「いえ。大したことしてませんから」

内木「それじゃあ戻ろうか」

咲「はい」

内木「あ、そこ段差があるから気をつけて…」

咲「えっ?」コツン

咲「きゃっ」グラッ

内木「あ、危ないっ!」ガシッ

どさっ

咲(い、いたた…)

むにっ

内木「!?」


咲(副会長さんも巻き込んで倒れちゃったよ…)

咲(…ん?何だか息苦しいな…)

内木「」

咲(ってええええええっ!?私、副会長さんに唇ふさがれちゃってる!?)

咲(な、な、何なのこの状況はっ///!?)

内木「」

咲「んーっ!んんーっ!!」ジタバタ

内木「……っ!?」ハッ

がばっ

内木「ご、ごめんっ///!!」

咲「ぜえ、はあっ…///」

内木「ぼ、僕は何てことを…」アタフタ

咲「い、いえ…こんなのただの事故ですし、気にしないでくださ…」

内木「宮永さんっ!!」ガシッ

咲「ふぇっ!?」ビクッ


内木「僕、責任は取るから!!」


咲「…………はい?」

内木「何でもするから!あ、何なら僕を気のすむまでビンタしてくれていいし!」

内木「一ヶ月宮永さんの奴隷になるとかでも良いから!」

内木「それからそれから…」



咲「ちょ、ちょっと落ち着いてくださいっ!!」

咲「さっきも言いましたけど、こんなの単なる事故ですから!」

咲「ノーカンです、ノーカン!」

内木「で、でも…」

咲「そんなことで責任を取ってもらう必要はありませんって!」

内木「…でも宮永さんの大事なファーストキスが僕なんかに…」

咲「何でファーストキスだって知ってるんですかー!!」

咲「ってそこじゃない!何度も言いますけど事故ちゅーなんてキスには入りませんから!」

咲「このことはお互い忘れましょう、いいですね?」

内木「そこまで言うのなら…分かったよ」

咲「ほっ…」

内木「でも、本当ごめんね?」

咲「いえ。私のほうこそ助けてくれようとしたのに巻き込んじゃってごめんなさい…」

内木「い、いや…(やばい、今の言葉でさっきの感触を思い出して///)」

咲(はうっ、自分の言葉でさっきの感触思い出しちゃったよぉ///)

内木「……///」

咲「……///」

内木「じ、じゃあそろそろ戻ろうか///」

咲「そ、そうですね///」



――――

―――


久「あら?咲と副会長じゃない。めずらしいコンビね」

咲「こ、こんにちは部長」

内木「えっと、宮永さんに教材を運ぶの手伝ってもらってたんです」

久「なるほど。大丈夫咲?重くなかった?」

咲「いえ、副会長さんが気を遣って軽めの荷物を持たせてくれましたので…」

久「そうなの?」

内木「は、はい。でもホント助かりました」

久「それにしても二人ともやけに顔が赤いわね。そんなに荷物が多かったの?」

内木「そ、それは…///」

咲「!?そ、そうなんですよ、あはは」

咲「ちょっと副会長さん!そんな顔してたら部長に気づかれちゃいますよ!」ヒソヒソ

内木「うっ、ご、ごめんよ…」ヒソヒソ

久「あら内緒話?いつの間にそんなに仲良くなったのかしら?」

咲「ち、違いますって///」

内木「……///」

咲「じ、じゃあ私、先に部室に行ってますね!」ビュンッ

久「咲?…どうしたのかしら、あんなに急いで…」

内木「さ、さあ…///」



咲「こ、こんにちはー」バタン

優希「おう、咲ちゃん遅いじぇ」

京太郎「何やってたんだ咲?掃除当番だったとか?」

咲「えっ?ええと…ちょっと用事があってね。あ、あはは…」

和「何だか頬が火照ってる気がしますが大丈夫ですか?咲さん」

咲「えっ?き、気のせいだよ気のせい!」

和「そうですか?」

咲「う、うん。さあ部活はじめよっか!」

まこ「いや、久もまだ来とらんのじゃけど」

咲「あ、そ、そうでしたね。はは 、は…」

咲(……思い出したら駄目だ。平常心平常心…)

咲(そうだ!深呼吸して心を落ち着けよう!)

咲「すー、はー、すー、はー…」

咲「…これでよし!」


優希「咲ちゃんどうしちゃったんだじぇ?」

和「さぁ…」

和「咲さん、紅茶入れたんですけど飲みますか?」

咲「ありがとう和ちゃん。いただくよ」ゴクゴク

咲(…ふう。すっかり落ち着いたよ…)

まこ「しかし今日も暑いのぅ」

和「そうですね」

優希「あっ、暑いといえば!」

京太郎「何だよ優希?」

優希「さっき廊下でキスしてるカップル見かけちゃったじぇー!」

咲「ぶふぅーーーーっ!!!!」

咲「ごほっ、ごほっ…」

和「大丈夫ですか咲さん?」

咲「う、うん…ちょっとむせちゃっただけだよ…」

まこ「じゃが廊下でキスとはやりおるのぅ」

京太郎「キスかぁ…」

優希「何だ、キスしてみたいのか犬?何なら私が相手になってやるじぇ!」

京太郎「な、何言ってんだよ///」

まこ「うちの部でそういう経験がありそうなのは久ぐらいじゃの」

優希「キスって味とかするのかな?なあ咲ちゃん」

咲「さ、さあ…」

咲(もうこの話題やめてぇぇぇ///)

翌日


久「皆、今日は龍門渕との練習試合よ」

透華「よろしくお願いしますわ」

衣「さきー、遊びにきたぞー」

一「お手柔らかにね」

優希「うし!タコスパワーで気合入れるじぇ!」

京太郎「お前はそればっかだな」

和「頑張りましょうね咲さん」

咲「うん、和ちゃ…」

久 「あ、そうそう。うちの学生議会のメンバーも応援に来てくれてるのよ」

寺平「こんにちは」

紫芝「今日は応援に来ましたー」

内木「ど、どうも///」

咲「」



――――

―――


咲(はぁ…何だか調子が出ないよ…)

咲(それに…)チラッ

内木「…っ!!///」ドキッ

咲(副会長さんの視線が気になって集中できないよ…///)

衣「咲、それロンだ!」

咲「は、はいっ」

内木「…///」ジーッ

咲「うう…///」

久「皆お疲れー。これは私からの差し入れよ」

優希「やった!アイスだじぇ!」

まこ「ほう、色んな種類があるのう」

衣「衣はイチゴ味が良いー」

一「僕はグレープ味で」

久「沢山あるから議会の皆もどうぞ」

紫芝「ありがとうございます会長!」

寺平「じゃあオレンジ貰いますね」

久「咲と副会長は?早くしないと無くなるわよ」

咲「えっ?」

内木「は、はい」

咲(うーん、特に食べたい味はないから適当に選ぼうかな…)スッ

こつん

内木「あ」

咲「あ」

内木「…っ///」バッ!

咲「」

内木「あ、あの、ごめん…///」

咲「い、いえ…///」

咲「あの副会長さん、どうぞ。この味最後の一本みたいですし」

内木「いや、麻雀部への差し入れなんだから宮永さんがもらうべきかと///」

咲「はぁ…」

咲(って顔真っ赤にして視線彷徨わせながら言われても…)

久「どうしたの二人とも?」

咲(うう、こんな態度じゃ部長にバレちゃうよ)

咲「あの、副会長さん」ボソッ

内木「な、何かな?///」

咲「普通にしててくれませんか?」

内木「ぼ、僕はいつもどおりだよ」

咲「とてもそうは見えません」

咲「何度も言いますがあれは事故です。あなたに意識されたままだと私まで恥ずかしいんです///」

内木「なっ、意識なんて…///」

咲「してますよね。昨日のことはきっぱりすっぱり忘れてください」

内木「そ、うだね…ごめん。ちゃんと忘れるよ」

咲「はい。そうしてください」


久「じゃあ練習試合も終わったところで解散しましょうか」

まこ「そうじゃな。皆お疲れさん」

衣「さきー、また遊ぼう!」

透華「今日はお招き頂いて感謝しますわ」

和「それじゃあ私達も帰りましょうか、咲さん」

咲「うん、そうだね」

咲(…はぁ。何だか今日は疲れたよ…)

咲(でも副会長さんにも念を押したことだし、もう大丈夫だよね)

咲(うん、大丈夫………)


――――

―――

優希「咲ちゃんおはようだじぇー!」

咲「あ、優希ちゃんおはよ」

優希「それにしても登校途中に咲ちゃんと会うなんて珍しいな」テクテク

咲「そうだね」テクテク

男子生徒A「おっ、お前そのスニーカー新品か?」

男子生徒B「よくぞ気づいた!『ナイキ』の新商品だぜ」

咲「っ!?」ビクン!!

優希「咲ちゃん?」

咲「あ…な、何でもないよ優希ちゃん。あ、あはは…」

咲(だ、大丈夫大丈夫。平常心平常心…)スーハー

女子生徒A「ねえねえ、この雑誌に載ってる深海魚かわいーよ!」

女子生徒B「ほんとだ。深海魚って不思議『ないき』ものだよねー」

咲「っ!?」ビクンッ!!

優希「咲ちゃん?」


咲(……あ、あれ?大丈夫、じゃない……?)

久「咲に優希、おはよー」

優希「あ、部長おはよーだじぇ!」

咲「おはようございます、ぶちょ…」

内木「や、やあ。おはよう…」

咲「」

久「さっき副会長とばったり会っちゃってね」

咲「そ、そうですか」

内木「…///」

咲「…///」

咲(ど、どうしよ…副会長さんの顔がまともに見れないよぅ///)カアア

久「…」ニヤニヤ

久「ねえねえ咲、ちょっと聞いてちょうだい!」

咲「は、はい?」

久「副会長ったらね。さっきから『さき』って言葉に反応してばかりいるのよ」ニヤニヤ

咲「ふぇっ!?///」

内木「…///」

久「ひょっとして副会長、咲に気があるんじゃないかしら?」

内木「……そうかも、知れません」

咲「なっ…なっ、なっ…///」カアアッ

久「なるほど。咲の方もまんざらでもない、と」

咲「ち、違っ…///」

内木「会長の言った通り。僕は宮永さんが気になってしょうがないんだ」

咲「そ、それはあんなことがあったからで…」

内木「そう。あの瞬間から僕は君に恋してしまったようなんだ」

咲「か、勘違いですっ!///」

内木「…それで。勘違いかどうか、確かめる方法があるんだけど…」スッ

咲「えっ…」

咲(な、何で顔を近づけてくるのっ!?)

内木「嫌だったら…避けて…」

咲(嫌、なわけないよ…でも…)

咲(ああ、何でだろ…身体が動かない…)

咲(あ、唇が触れ合いそ………)

ちゅっ

久「おーおー、見せ付けてくれるわねぇ」

優希「じょっ!?」

内木「…ごめん///」

咲「…謝らないでください。私も避けませんでしたから///」

内木「…うん。やっぱり分かった。僕は宮永さんが好きなんだって」

咲「っ///」カアア

内木「……その。返事がほしいな。宮永さん」

咲「………」

咲「この間、言いましたよね。責任は取るからって」

内木「うん…」

咲「わ、私を本気にさせた責任。取ってくださいね?///」

内木「……っ!!///」

内木「やったああああ!!」ギュッ

咲「きゃっ」

内木「あ、ごめん。嬉しくってつい…」

咲「も、もうっ。いきなり抱きつかないでください///」

内木「じゃあ、いきなりじゃなかったら良いのかな?」

咲「………はい///」コクン


新聞部「おおっ、学生議会副会長と麻雀部のエースが抱き合ってるぞ!これは大スクープだ!!」

写真部「よっしゃ!良いショット取るぞー!!」パシャパシャ!


久「あーあー、学校の有名人二人が通学路でイチャついたりするから」ケタケタ

優希「たきつけたのは部長な気がするじぇ…」


カン!

行き当たりばったりで書きはじめたのでこんな出来で申し訳ない。
需要なんてないと思ってたんでレスもらえて嬉しかったです。ありがとうございました!

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