海未「目玉焼きの黄身、いつつぶす?」 (58)


一話 目玉焼きの黄身、いつつぶす?

海未「すみません、私まで朝食をご一緒させていただいて…」

穂乃果母「いいのよー海未ちゃんのご両親、留守で大変でしょう?いつも穂乃果がお世話になってるんだし、たまにはお礼も兼ねて…ね?」

海未「では、謹んでご相伴にあずからせていただきます」

穂乃果「海未ちゃん!早く食べよ食べよー!穂乃果お腹ペッコペコだよー!」

海未「はい。ではいただきましょうか」

穂乃果「さーてと。今日はどうしようかな?」

海未「穂乃果?何をしているのですか?」

穂乃果「んー?今日は目玉焼きに名にかけようかなーって!」

海未「……は?」


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海未「待ってください穂乃果、何をかけるかって…穂乃果はその日の気分で目玉焼きにかけるものを変えるのですか?」

穂乃果「うん!ソースにケチャップ…マスタード…その日によって変えると味の楽しみが増えるでしょ?」

海未「目玉焼きは普通、お醤油でいただくものでは?」

穂乃果「お醤油もおいしんだけど、私お醤油ってけっこう苦手なんだよねー」

穂乃果「食べるときよくはねて制服汚しちゃってりさー」

穂乃果「だから最近はお醤油より、こういう半固形なソース系の方が好みかな」

海未「だからって…ソースやケチャップなど甘すぎて目玉焼きには合いませんよ…卵焼きならまだわかりますが」

穂乃果「むー!別にいいじゃん!甘い目玉焼きも好きなの!穂乃果は!」

海未「はぁ…」


穂乃果「んー!おいしー♪」

海未「ほんと穂乃果は美味しそうに食べますね」

海未「…おや?穂乃果、黄身が残ってますよ?食べないのですか?いけませんよ、好き嫌いは…」

穂乃果「違うよぉ~私ね、最後に黄身を残して…、塩をふって…ね」

穂乃果「ちゅう~~~って!んー!おいしい!こうやって食べるのが好きなんだよね♪」

海未「!?」

海未「ちょっと待ってください!おかしいでしょう!!?」

穂乃果「も~何なのさっきから…」


海未「普通黄身は最初に潰すでしょう!?」

海未「こうやってお醤油ととろけた黄身を混ぜて、白身と一緒に…そしてたまにベーコン等にも絡めつつ食べる…」

海未「これが一番おいしく正しい食べ方!これぞ目玉焼き冥利に尽きる!違いますか!?」

海未「なのに貴方ときたらまず白身にだけケチャップをかけて…!白身を食べ終わった後に黄身だけすする…?」

穂乃果「だって~!この方が黄身の濃厚な味とのど越しが楽しめて好きだし、それに…」

海未「それに?」

穂乃果「こうやったほうがお皿汚れないでいいでしょ?」

海未「お皿……」

海未「……は?穂乃果貴方…」

海未「バカなんですか?」




海未「気が付くと…穂乃果はそこにいませんでした…」


絵里「う~ん、目玉焼きの黄身をいつ食べるか、ねぇ…」

海未「そうです!普通最初に潰しませんか!?しかもケチャップをかけるなど…邪道です!」

絵里「確かにお醤油の混じった黄身がまるで完成されたソースのように他の食材を引き立てる…悪くないと思うわ」

海未「でしょう!?」

絵里「でも穂乃果の言う通りケチャップをかけた目玉焼きが美味しいのもまた事実」

絵里「考えても見なさい。あの子家は純和風だけど、穂乃果はどちらかというとパン派よね?」

絵里「パンを目玉焼きと一緒に食べるとき、お醤油だとなんか変じゃない?」

絵里「その点、ケチャップやソースはパンと一緒に食べても謙遜ない。サンドイッチなどでよく使われているものだしね」

海未「つまり…穂乃果のパン好きが目玉焼きにかけるものの趣向を決定づけるものになったと?」

絵里「そういうことね。まぁお醤油もかけると言うあたり、美味しければどちらでもいいんじゃないかしら。あの子優柔不断だし」


絵里「黄身をそのままいただきたいと言う心理もわからなくないわね。」

絵里「口に入れた瞬間、黄身が心地よくはじけてとろーりとしたあの優しくも濃厚なのど越しは最初から潰すといった行為をしては味わえないものだもの」

海未「では、絵里はどうやって食すのですか?」

絵里「私?私は海外生活が長いから、ケチャップとかソースとかに思われがちだけど、やっぱり目玉焼きにはお醤油ね」

海未「絵里!やはり絵里は以前から賢いと思ってました!」

絵里「もう、おだてたって何も出ないわよ…」

絵里「それでね、最初に白身だけを食べるのね。」

海未「黄身はつぶさないのですか?」

絵里「ええ。白身って淡泊だけど、そのままで食べても結構美味しいのよね。下についたおこげがサクサクしててね…」

海未「あ、私それ嫌いです。どうも好きになれなくて…」


絵里「それで最後に黄身を…ご飯にのせる」

海未「ご、ご飯に!?」

絵里「上からお醤油をかけて、ちょっとお行儀わるいけどぐちゃぐちゃにかき混ぜて、一気に流し込む!」

絵里「終盤にやるからご飯の量も丁度よくて、ちょうど黄身とご飯を混ぜるとリゾット風みたいになってね」

絵里「これだと納豆とかない時でも白飯をおいしく食べられるし、黄身ののど越しも残るから最高に美味しいのよ」

絵里「白米だけってのはちょっと私苦手でね…って海未?聞いてる?」

海未「黄身を…ご飯に……リゾット…」ブツブツ…





希「ん?どしたん海未ちゃん、浮かない顔して」

海未「希……希は…」

海未「目玉焼きの黄身、いつつぶします?」

第一話、終


2話 ラーメンどうやって食べる?

凛「うっわ~混んでるにゃぁ~~」

海未「流石新装開店した人気店だけありますね。凄い行列です」

凛「ごめんね海未ちゃん、おやすみなのに付き合ってもらっちゃって…かよちんどうしてもいけないって連絡きたから…」

海未「真姫もご両親と一緒に避暑地ですしね、いいですよ別に。私こういう行列に並ぶの、嫌いではないですし」

海未「並んだ分、ラーメンの美味しさも一際というものです」

凛「にゃ~~!そういってくれるとうれしいにゃ~!」

海未「ふう。それにしても暑いですね…」


らっしゃせーーー!!

海未(ラーメンのお店ってどうして店員のテンションが無駄に高いんでしょう…)

海未(これのせいで未だに一人で入れないんですよね…一気に客の注目が集まるから…)

凛「ふう~!やっと入れたね!」

海未「ええ。店内は結構涼しいですね、ちょっと寒いくらいです」

凛「海未ちゃん何する?凛はチャーシューメン!」

海未「じゃあ私も同じもので」

へい!チャーシューメン二つ!お待ち!!
ありがとーーやしたぁーーーーーー!!!!!

凛「ふふふ、きたきた~♪」

海未「では、いただきましょうか」


海未(まずはスープから…うん)ズズズ

海未(こってりとした豚骨醤油系…ちょっと濃いですが、この乱暴な味ですが、程よくパンチがきいてますね)ゴクン

海未(ふう、次は麺ですね…うん、しこしことした太麺…確かこの店は麺にくぼみを作ってスープに絡みやすくしてるそうですね)ズルル

海未(麺にもしっかりと味がついていて、味の濃い男の味という感じでしょうか…)モグモグ…

海未(ん…このほうれん草がまた…水で締めたものをそのままのせてるから、冷たくさっぱりしていて良い清涼剤ですね)シャクシャク

海未(はぁ…止まらない…麺、スープ、具…麺、具…ああ、忙しい…)ズズズチュルチュル、ゴクン

海未「……」チラ

凛「よいしょっと…」ヨセヨセ

海未「!?」


凛「ちゅるっ、ごっくん!はぁーー美味しいにゃぁ!」

海未「は…?あの、凛、何やってるんですか?」

凛「え?何って?」

海未「その、食べ方…」

凛「あーこれ?レンゲに麺、スープ、具を乗せて食べる凛考案の一口ラーメンセットだよ!」

海未「いや、凛が第一人者ではないと思いますが…」

凛「こうすると三つを一度に食べられるし、わんこそば感覚でホイホイ食べられて楽しいんだぁ~~」

凛「なんか変かなぁ?」

海未「変ですよ!」ドン!

海未「…あ、すみませんなんでもないです…」

凛「海未ちゃんなんかこわいにゃ~~…」


海未「いいですか凛?本来ラーメンはそんな食べ方をするものではありません!」

海未「まずスープを味わい、麺で腹を満たし具を楽しむこと!」

海未「それぞれを合間合間に一気にかきこむ事によりお腹の中でラーメンという大きな存在が完成されるのです」

海未「それに引き換え凛のはちまちまちまちま、いちいちレンゲに三種を小さく乗せて…非効率すぎますよ…そんなことでラーメンを食べた!という実感を感じます?」

凛「で、でも凛はこうして食べるの好きだし…毎回余っちゃうスープもこれだと同時に全部飲めるから…」

海未「そんなの甘えです!小学生ですか貴方!?」

海未「スープならスープ!麺なら麺!どちらかをがっつり食べる!それがラーメン!」

海未「貴方の食べ方はラーメンを侮辱しています!!そんな食べ方するのはどこぞのキャバ嬢くらいですよこの尻軽猫が!!!!」




海未「気づいたら…凛がいなくなってました…」

店主「お嬢ちゃん、出てった子の分のお会計もよろしくね」



絵里「あらら、またやっちゃったのね」

海未「いえ…私は悪くはないんです、凛が…」

絵里「海未は真面目なのはいいけど、自分の流儀を正しいと思って人に押し付けるのは無粋というものよ?」

海未「はい。分かっているのですが家は代々日舞の家元…どうしても自分の流派を人に受け継がすという癖が…」

絵里「確かに、凛の食べ方はかなり特殊よ?でもラーメンをバカにしているかどうかなんて、誰にも言えたことではないわ」

海未「しかし、普通はスープを飲んでから麺、そして具に手をつけるのでは?」

絵里「そうね。大体の人はそうしていると思う」」


絵里「でもね、三種をレンゲに乗せ一度に味わう。一見めんどくさい様に見えて意外と奥深いのよ?」

絵里「確かにラーメンを食べたという満足感で言えば海未の方法が正しいと思うわ」

絵里「でもラーメンを味わう、という事に関してはこちらに軍配があがるわね」

海未「そんな!味わうにしても、一種類ずつのほうがより深みを感じるはずです!」

絵里「一応聞くけど、海未達が食べたラーメンは何味かしら?」

海未「はあ、豚骨醤油ですが…」

絵里「そこなのよね。ラーメンはあっさりとした味のものもあるけれど、たいがい油が入ってこってりしているでしょう?」

絵里「スープだけ飲むとどうしてもそのこってりとした油がきついのよ」

絵里「そこを三種を一度に食べる事によって麺と具で中和してるわけなのね」

絵里「凛が最後までスープを飲めないというのもそれが原因ね」


海未「では何も麺と具でなくてもご飯を頼めばいいのでは…」

絵里「確かにご飯はラーメンを食べるうえでこの上ない清涼剤ね」

絵里「でもご飯とラーメンのセットって成人男性にとっても結構量的に多いものがあるわ」

絵里「炭水化物オン炭水化物…これ以上お腹が膨れる組み合わせもないわ」

絵里「大体炭水化物に炭水化物って…そっちのがラーメンを侮辱してると思わない?」

絵里「スープの後にすぐ麺を食べたとしても、麺がスープに絡みやすくなる工夫を施しているおかげで」

絵里「この上ない濃味の二重苦じゃない?」

絵里「ならば最初から麺とスープを一緒にしてしまおう…そうすれば余計なものに囚われず」

絵里「多少油を感じつつもスープを素直に味わえるといってもいいわね」


海未「凛にそんな考えが…」

絵里「凛も伊達に覚醒前とはいえURでもラーメンを食べてないわよ」

絵里「ラーメンの熟練度でいえば海未はやはり凛には劣るわね」

絵里「私もわんこそばみたいにホイホイ楽しく、美味しく食べるには嫌いじゃないわ」

絵里「亜里沙もよくやってるしね」

海未「わんこそば…」




らっしゃーせー!!!

海未「チャーシューメンください…」

あいよー!

おまったっせやしたぁーーー!!

海未「具と麺を乗せて…フフフ…」

海未「確かに楽しいですね…」

第2話、終


3話 ポテト、指でつまむ?

ーマク○ナルドーーー

にこ「はぁーそれにしてもみんなおっそいわねー!」

海未「まぁ、皆にもそれぞれ事情があるのでしょう…」

にこ「それにしても会議に遅れるなんてたるんでるわ。アイドルとしての自覚が足りない証拠よ!」

にこ「それに引き換え海未ちゃんはしっかり時間通り来て偉いわよね。皆海未ちゃんを見習って欲しいもんだわ」

海未「いえ、私はたまたま用事が早めに済んだので…」

にこ「ん…そろそろ飲み物だけじゃ手持無沙汰ね。なんか頼んで来ようかしら」

海未「あ、じゃあ私も行きます。小腹もすきましたし」


海未「おや、にこもポテトですか」

にこ「海未ちゃんも?失敗したわ、二人でLサイズ頼めば割り勘で安くなったのに」

海未「そういう事もありますよ」パラパラ

にこ「ん?海未ちゃんって広げたナプキンの上にポテトを出して置くのね?」

海未「ええ。ポテトってそのまま食べ進めると最終的に指を奥まで入れないと取れないじゃないですか」

海未「そうすると突っ込んだ指全体どころか関係ない指も容器の縁にあたって油や塩まみれになるでしょう?それが嫌なんです」

海未「指全体がギトギトになるといただいたお手拭きだけでは拭いきれませんし、油って意外と落ちないんですよ」

海未「でもこうして最初から全部出しておけば必要最低限の指の先しか汚れず第二関節まで使わずに済むんです」


にこ「ふーん、今までわざわざナプキン広げて食べる人は何考えてるんだって思ってたけど…」

海未「後の面倒を考えればこちらが一番効率が良いのです」

にこ「まーそういっても私は直につまんで食べるけどね」

にこ「てか、容器から出したらその瞬間ポテトが急激に冷めるじゃない」

にこ「マックのポテトの容器って、保温効果があるのよ、知ってた?」

にこ「私はホクホクカリカリのまま食べたいからやっぱり直に掴むわね」

にこ「油がどうこう言っても洗面所いって洗剤で手洗えば十分だしね」

にこ「冷めてシナシナのポテトなんて食べられたものじゃないわよ」


海未「でも、しかしそれじゃ油は完全に落ちませんよ?」

にこ「いーのいーの私そんなの気にしないタイプだから」

にこ「てか料理やってたら油が手にどーのこーのなんて考えるだけムダよ」

にこ「最後に奥まで残っているポテトもこうやって…」ザララ

にこ「上に傾けて口開ければわざわざ奥まで突っ込まなくても食べれるしね」

海未「ぎ、行儀が悪いですよ…にこ…」

にこ「あはは、こんなことで何神経質になってるのよ。生理?」

海未「く…くく…」

海未「そ、それでも……」

海未「それでもこの食べ方が一番効率がいいんですうううううう!!!!」





にこ「…ということで、気が付いたら海未ちゃんがいなかったわ…」

真姫「何それ…意味わかんない…」


海未「エリえも~~~ん!!」バタン!

絵里「わっ!?何よ海未!悪いけどもう少し長引くから先に行っててって言ったじゃない!?」

海未「にこが!にこがぁ~~!!」


絵里「それで論破されて泣く泣く私の元にかけこんできたと…」

海未「されてないです…」

絵里「まーでも私も油や塩で手が汚れるのは嫌ね」

海未「でしょう!?にこは穂乃果と同じで無神経なんです!だからああいうことがいえるのです!」

絵里「そこまで言う事ないんじゃない?…それににこの言う通り暖かいままポテトを食べたい気持ちも私は分かるわ」


海未「?では絵里はどうやって食べるのですか?」

絵里「それはね…爪楊枝を使うのよ。爪楊枝で刺して食べれば手も汚さずホクホクのまま食べられる。一石二鳥でしょ?」

海未「し、しかし爪楊枝はそれ程長くありませんよ?徐々に傾けつつ食べるにしても、塩がパラパラ落ちてきて不衛生です。」

絵里「ふふ、でもそうならない裏ワザがあるのよねー」

海未「裏ワザ?とは一体…」

絵里「ズバリ、ポテトの塩抜きを頼む!」

海未「し、塩抜きですか!?」

絵里「そう。塩辛いのが苦手なお客さんの為に、マックでは頼めば塩抜きで揚げてくれるのよ。まぁ多少時間かかっちゃうけど」


海未「でもそれじゃ、味がないただの芋ではないですか…」

絵里「私だって無味は嫌よ、だからね、ケチャップを頼むの」

海未「ケチャップですか?」

絵里「塩抜きポテトと同じであまり広くは知られていないけど、実はケチャップって頼めば無料で貰えるのよ」

海未「そうだったんですか!?てっきり私は料金がかかるものだと…」

絵里「ちゃんとポテトの料金に組み込まれてるのよ。ナゲットのソースは有料だけどね」

絵里「私は本場のケチャップポテトが好きだから食べるときはいつもこうね」

絵里「塩味がついたままケチャップつけるとものすごくしょっぱいでしょ?でも塩抜きなら美味しく食べられてパラパラ塩を落とすこともない。」


絵里「爪楊枝で油も完全シャットダウン。先っちょですら指を拭く手間もないわ。まさに、一石二鳥、いえ、三鳥でしょう」

海未「そ、そんな三鳥アタックがあったなんて…」

海未「…し、しかし!絵里のやり方では注文などのプロセスを何回も踏み過ぎで手間です!」

海未「何回も店員にあれこれ言うより、私のやり方の方が…」

絵里「…あのね海未、手間だなんだ考えるなんて、美味しく食事するのには野暮っていうものでしょう?」

絵里「あれやこれやいちいち考える海未のその性格、窮屈だと思うわ」

海未「なっ…!」

絵里「以前から思ってたけど海未って食事に限らず自分の考えた固定観念に縛りつけられてしばしば暴走するじゃない?」

絵里「それってつまらないとエリチカ思うな」

海未「ぐ……分かってますよ!私だって自分がめんどくさい性格だってことは!でも…どうすればいいのです…!」

絵里「簡単な事よ…ありのままを受け入れなさい」

海未「ありのままを…?」

絵里「そう、ありのままでいいの…」

♪ありのーままのーーー


第3話、終

少し休憩します


最終話 アイス、どうやって食べる?

海未「うう…今日は一段と暑いですね」

絵里「練習後だから制服もビチョビチョ…参るわね」

絵里「あらコンビニ…そうだ、アイス買って食べながら帰らない?少しは暑さもごまかせるかも」

海未「買い食いはお行儀悪いですよ…」

絵里「もう、海未ったらお堅い事言わないで。アイス片手に帰るなんて女子高生にとっては常識よ?」

海未「まぁ私も喉がカラカラですし、しょうがないですね」



絵里「…遅かったわね?」

海未「少し悩みました。絵里は何にしました?」

絵里「私は当然庶民の強い味方、ガリガリくんよ。」

海未「絵里って案外セコいんですね」


絵里「もう、なんでもいいでしょう…海未は何にしたの?」

海未「私はガツンとみかんです。冷凍された果肉がシャリシャリで美味しいんですよね」

絵里「あー冷凍みかんみたいなものね。私も好きよ。シャーベットっぽいのがいいわよね。」

海未「では失礼して…」

絵里「いただきます♪」シャリ!

海未「ちょっと」

絵里「……?何よ?」シャクシャク

海未「おかしくないですか?」

絵里「えっ」

海未「その食べ方…」

絵里(あちゃー…また始まった…)


海未「なんでまるでそれが普通みたいにかぶりついたんですか?」

海未「普通舌で舐めて溶けた汁を味わうのでは?」

海未「そんな食べ方じゃしっかり味わえないじゃないですか!!」

海未「いきなり噛み砕くなんて邪道にもほどがあります!!頭だってキーーンって痛くなりますし!」

海未「一度に食らいつくのは溶けかける最後で十分です!」

絵里「……はぁ、海未…ちょっといい?」

絵里「この食べ方は一見ただ乱暴にかきこんでいるように見えるけど」

絵里「一度口に放り込んで中で少しずつ溶かして食べてるのよ。」


海未「でもそれじゃ口の内側が冷たいのでヒヤヒヤになって凍傷もどきになってしまいますよ」

絵里「それは熱いものを食べるときと同じ要領ね。こうやってハフハフ、っと冷気を逃がすの」

絵里「あとキーンとなるっていうけど私別に嫌いじゃないわ。その感覚」

絵里「ロシアにいたころを思い出すもの」

海未「しかし、そこまでする理由ってありますかね」

絵里「勿論。これは海未が好きな効率の問題よ。海未は一度に食べるのは最後の一瞬だけでいいと言ったわね?」

絵里「私はもう食べ終わったからいいけど、実際に海未、やってみて」

海未「わかりましたよ…こうやって…」シャク

海未「あ!」ペチャ

絵里「ほらね?」


絵里「普通、アイスって上からバランスよく左右に徐々に消化していくじゃない?」

絵里「しかも海未の食べ方は舐めるというまどろっこしいやり方…最後のアイスが溶け溶けのスカスカになるのは自然」

絵里「そして最後の方はどうしても」






絵里「こんな感じになるじゃない?」

絵里「こうなるとアイスが横に長いから流石に一口でとはいかないでしょう?どうしても左右どちらかを先に食べる事になる」

絵里「そうなればもう時すでに遅し。片側のアイスは地面に吸収されるってわけ」

絵里「私はそうならないようにさっさとサクサク口の中に放り込んじゃうの」


海未「そんなことが…私が間違っていたのですね…」

絵里「まぁ私は海未の食べ方も好きだけどね。チロチロ舌を出して、カワイイし」

海未「い、いきなり何を言うんですか!!」

絵里「ていうか海未、こないだ言ったばかりよね?ありのままを受け止めるって…」

海未「う……」

絵里「これはオシオキをしないといけないわね?生徒会長として。」

海未「し、仕方ないです…私が悪いのですから…甘んじて受けます!」

絵里「そう?じゃ、目をつぶって…」

海未「ひう…い、痛いのはやめてください…」


チュッ


海未「!!?」

絵里「ん♪オレンジ味も結構イケるわね♪」

海未「………」

海未「……!!え、絵里い~~~!!」

絵里「怒らないでよ、ありのままを受け止めるんでしょ?」

海未「それとこれとは話が違います!!」

海未「あ!こら!絵里!!」

海未「待ちなさ~~い!!」




えりうみ  おしまい


おまけ  穂乃果ちゃんのパンツ、どうやって食べる?


海未「生が一番ですね」

ことり「う~~ん、ペロペロしてたらいつの間にかなくなっちゃった♪」

絵里「家宝にするわね」

希「ウチは中身をいただくかな♪」

真姫「そんなの煮込んで…って何言わせるのよ!!」

にこ「にこはそんな変態なことしないにこ~~~」

花陽「おにぎりに…」

凛「凛はかぶって仮面ライダーごっこするにゃ~~!!」

穂乃果「もう皆!!穂乃果のパンツ返してよう!!!!!」


おしまい

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