昼下がりの女子中学生 百合ver (136)
百合、エロ、書きためなし
やんちゃな女子中学生と隣の真面目なお姉さんの話
平日の昼間に冷房をガンガンにかけて、冷たいウーロン茶を片手に私は自室の勉強机に座らされていた。
かったるい。それでも、学校へ行くよりはマシだった。
「ちーちゃん、できたら、言ってね?」
今時、家庭教師だなんて。
「はいはい……」
「はいは一回でいいんだよ?」
「生意気……」
ぼそりと私は言った。
「ひどいなあ……」
ごもっともだ。自分でも口が悪いと思っている。
自分で分かってるから、まだいいじゃんか。
それにしても、この人は相変わらず一度も怒ったり叱ったりしない。
この人――隣の家のお姉さんは。
「伊藤さん、大学に彼氏とかいないの?」
「き、急になあに?」
「だって、平日の昼間に学校サボるバカ中学生の相手するなんて、よっぽど暇か、馬鹿かどっちかじゃん」
「自分で馬鹿って言わないの……もお、それより休憩もうすぐ挟むから頑張ろう? ね」
「……真面目だよね」
「真面目だもん」
「学校行けば、すぐに保健室か職員室に連行される私とは違うわ」
「それは、髪の毛の色が茶色いからじゃないのかな」
「染まったもんは仕方ないし」
伊藤さんは困ったように笑った。
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うちには父親がいない。母親が言うには、海の向こうにいるらしい。生死は不明。なんじゃそりゃ。
母は朝早く、夜遅くまで家を空けている。仕事を2つかけ持っていて、ほとんど家にいることがない。
まあ、だから親の目を盗んでやりたい放題できるという利点もある。
学校の帰りにコンビニでヘアカラーを買って、そのまま家ですぐに試した。
きっかけは友人がしてたから。そいつは1週間の停学をくらった。
金髪だった。大きな黒いサングラスで登校してきて、頭に虫が湧いてやがると思った。
でも不思議なもので、見慣れると羨ましいと思えた。
「伊藤さん、できた。完璧」
「よーし、じゃあアイス食べていいよ」
「っしゃ」
どたどたと部屋を出て、階下のリビングへ向かった。
「アイス……」
冷凍庫を開けると、ハーゲンダッツが3つ。
2つ掴んで上へ持っていく。
「チョコで良かった?」
伊藤さんにアイスを差し出すと、彼女は喜んで受け取った。
「うん」
はにかむ伊藤さん。長く綺麗な黒髪を後ろに背中にかけ直す。白いうなじが見えた。
「伊藤さん、その髪暑くない? 切ってあげようか」
ぺりぺりと紙の蓋を剥して、私は裏をぺろりとなめる。
「ちーちゃん、覚えてないかな?」
「?」
「小さい頃に長い髪が綺麗って、褒めてくれたからそれ依頼伸ばしてるんだよ」
「言ったっけ?」
「言ったよ。えー、覚えてないの……」
あからさまに悲しそうな声を出す。
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