ことり「絵里ちゃん見て見てまた手錠だよ」 (50)

ことり「じゃじゃーん。お馴染み手錠です」

絵里「ああ、この前何とかやってやっととれたやつね」

ことり「結局鍵で何とか開けたんだよね」

絵里「あれは大変だったわね……」

ことり「絵里ちゃん、手出して」

絵里「いいけど……」

ことり「ロック」

絵里「ええっ!?」


《前スレ ことり「絵里ちゃん見て見て手錠だよ」》
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絵里「ちょ、ちょっとことり!?」

ことり「で、もう片方を私の手に付けます」

絵里「ええっ!?」

ことり「へっへっへ……絵里ちゃんが最近構ってくれなかったからお仕置きです」

絵里「……だからこうして私の家に来たんじゃないの?」

ことり「だって絵里ちゃんヘタレだから近づいてくれないもん」

絵里「ぐっ……」

ことり「ほら、こうして絵里ちゃんの右手と私の左手がつながってたら……こうして手を繋げちゃいます」

絵里「……前よりはマシね」

ことり「じゃあお買い物行こっ」

絵里「前よりハード!」

ことり「今日は恋人が泊りに来たんだよ?」

絵里「そ、それはそうだけど……」

ことり「この前はマカロン止まりだったけど、今回こそあーんってやるの」

絵里「え、別に……あ。それが目的で私の右手につけたわけね」

ことり「正解です」

絵里「まあマカロンよりはいいか……」

ことり「えへへ」

絵里「でも料理は作れないわね」

ことり「……本当だ」

絵里「まあそんなに落ち込まないで。ちょうどレトルトカレーが余ってたところだから」

ことり「でも、絵里ちゃんと一緒にお買い物行きたいなぁ」

絵里「えー……」

ことり「お願いっ」

絵里「……でもお菓子はあんまりないのよね」

ことり「よーし、じゃあ決定! 絵里ちゃん行こっ!」

絵里「ことり。ちょっと待って」

ことり「え?」

絵里「……お手洗いに行きたいんだけど」

ことり「……チャンス」

絵里「チャンスじゃない!」




絵里「はぁ……ギリギリ外に出られる長さでよかったわね」

ことり「遺憾の意でございます」

絵里「はいはい……でもどうするの、これ。このままじゃ外、出歩けないわよ?」

ことり「絵里ちゃん、ことりは今日、大きなポケットのついた服を着てきました。それは何故でしょう」

絵里「なんで?」

ことり「ここにこうして……ほら、手を入れることで、隠したまま手を繋げちゃうのです」

絵里「おー、便利ね」

ことり「ふふっ、じゃあ行くよっ」

絵里「……ん? なんか騙されてる気がするような」

ことり「ふんふふふーん♪」

絵里「ことり、ずいぶんご機嫌ね」

ことり「最近絵里ちゃんとはご無沙汰だったからね」

絵里「そうね。生徒会の仕事忙しかったし」

ことり「だから一緒にも帰れなかったし、ゆっくりおしゃべりもできなかった……」

絵里「ごめんね」

ことり「それはいいんだよぉ」

絵里「え、いいの?」

ことり「うん。今はこうして絵里ちゃんと一緒にお買い物に行けるわけだし」

絵里「手が外に出たら大変だけどね」

ことり「スリル満点っ!」

絵里「うれしくなーい」

絵里「あ、そうだ。今日はお菓子買いに来たのよね……ことりは何が好き?」

ことり「絵里ちゃん!」

絵里「ありがとう。ことりはお菓子で何が好き?」

ことり「絵里ちゃん!」

絵里「ことり。私はお菓子じゃないわ」

ことり「だって絵里ちゃん、甘いもん」

絵里「えっ」

ことり「ことりに」

絵里「ああ」

ことり「絵里ちゃんはチョコ好きでしょ?」

絵里「そうね。おいしいし」

ことり「……私とチョコ、どっちが好き?」

絵里「ことり」

ことり「ありがとっ」

絵里「……でもやっぱりチョコも食べたい」

ことり「ふふ、絵里ちゃんらしいね」

絵里「結局チョコばっかり買っちゃったわね」

ことり「でも3つくらいでしょ?」

絵里「でも、こんなに食べないから買いすぎたかなぁって」

ことり「2人で食べればすぐなくなるよっ」

絵里「ああ、そっか。今日は2人だものね」

ことり「それにしても絵里ちゃん、お財布出そうとして右手出しかけたでしょ」

絵里「そうね。あれは危なかったわ」

ことり「もー、ダメだよ?」

絵里「もとはと言えばことりのせいでもあるのよー」

ことり「絵里ちゃん、手錠なくても手、繋いでくれた?」

絵里「……ごめんなさい」




絵里「ただいまー」

ことり「おかえりなさい」

絵里「……ことり、絶対おかえりなさいって言うのなんで?」

ことり「えり、って入ってるから」

絵里「……なるほど。おかえりことり」

ことり「ただいまーっ」

絵里「うん、なんか満足」

ことり「よかったぁ」

絵里「ことりって変なところでルール決めるのね」

ことり「変かなぁ?」

絵里「そうよ。さっきみたいに絶対に先におかえりなさいって言うみたいに」

ことり「私の中では普通だよぉ」

絵里「そうなの?」

ことり「絵里ちゃんはそう言う決まりないの?」

絵里「……あ、1つある」

ことり「なになに?」

絵里「ことりが来る日はことりに甘える」

ことり「……えっ」

絵里「あ、あはは……ごめん。なかったことにして」

ことり「こ、これで甘えてるの……?」

絵里「えっ」


今日はここまで
時間がなかった

ことり「絵里ちゃんはもっと自由にしていいんだよ?」

絵里「そうかしら? 結構フリーダムなつもりなんだけど」

ことり「絵里ちゃんは遠慮しすぎなの」

絵里「そう?」

ことり「ほら、全力で私に甘えて見てよぉ」

絵里「よしよし」

ことり「……私の頭を撫でるのって、絵里ちゃんの中では甘えてるの?」

絵里「うん」

ことり「絵里ちゃんの方が変です!」

絵里「ええー? 普通なんだけどなぁ」

ことり「甘えるって言ったらこんな風に……ね?」

絵里「なるほど、抱き着けばいいのね」

ことり「絵里ちゃん、それ口で言えても自分からはできないよね」

絵里「……うん」

ことり「やっぱり」

絵里「あはは、やっぱりなんだか恥ずかしくて」

ことり「ここ最近はご無沙汰してたんだから、絵里ちゃんは私を甘やかすと思って抱き着いてね」

絵里「今まで忙しくても普通に生徒会室に来てたのに、最近会いに来なかったのって……私にそれをやらせるため?」

ことり「そうだよっ、絵里ちゃんが自発的にそんなことしてくれる機会はないからね」

絵里「そっか……ありがと」

ことり「計算高いことりは嫌いですか?」

絵里「ううん、大好きよ」

ことり「えへへ」

絵里「私は自分からそんな風に……好き、とか言えないのよね」

ことり「恥ずかしがり屋さんでヘタレだからね」

絵里「うっ……まあ事実だけど」

ことり「うんうん」

絵里「だからこうして、そういう雰囲気を作ってくれることりがいるとすごく……何と言うか、楽に感じるのよ」

ことり「それはうれしいなぁ」

絵里「だから……好きよ、ことり」

ことり「ちゅー……」

絵里「ま、待って。カレー作らないと」

ことり「ぐぬぬ……どういう雰囲気にしてもキスはしてくれない」




ことり「絵里ちゃん、あーん」

絵里「あー……んっ、うん。おいしい」

ことり「そうだね。レトルトでも結構おいしいんだね」

絵里「うん。おいしいって評判になってたやつだから買っててよかった」

ことり「でも今度は、絵里ちゃんの作ったカレーも食べたいなぁ」

絵里「ええ、また今度ね」

ことり「うんっ」

絵里「……そういえば、このカレー、ことりと一緒の時に買った?」

ことり「そうだよ」

絵里「なるほどね」

ことり「あ、わかってくれた?」

絵里「ええ。ふふ、ことりの作戦って意外と単純なのね」

ことり「本当にそうかな?」

絵里「え? だって、ことりはこのおいしいカレーを私と食べるために今日遊びに来たんじゃないの?」

ことり「ざんねーん。40点です」

絵里「あれ?」

ことり「正解は、絵里ちゃんとご飯を食べて……次にカレーを作ってもらうためです!」

絵里「次に繋ぐわけね……でも言ってくれればよかったのに」

ことり「絵里ちゃん、次にまた遊びに来て、って言える?」

絵里「……い、言える!」

ことり「でも絵里ちゃん、無理しちゃうでしょ?」

絵里「そ、それはそうかもしれないけど……」

ことり「こういうのは私が言うから、任せてくれればいいんだよぉ」

絵里「助かります……」

ことり「えへへ、じゃあ食べよっ」




絵里「ことり、お風呂に入る?」

ことり「喜んで!」

絵里「違うわよ、一緒にじゃないってば」

ことり「えー」

絵里「ダメよ。ことりはここで待ってて。沸かすだけだから」

ことり「ふっふっふ、でも手錠がここに」

絵里「鍵、持ってるんでしょ?」

ことり「あ、バレちゃった?」

絵里「ええ、ことりだもの」

ことり「そっかぁ……じゃあどこに持ってるでしょうか?」

絵里「うーん……どこだろう」

ことり「さっき、絵里ちゃんが食器をさげてる時に、位置を入れ替えました」

絵里「あー、後ろでもぞもぞしてると思ったらそういうことだったのね」

ことり「さあ、どこでしょう」

絵里「どこかしら……あれ? ことり、服のボタンかけ違えて……」

ことり「うふふ」

絵里「ま、まさか……」

ことり「そのまさかです」

絵里「……服、脱いでみてください」

ことり「なんで敬語なの?」

絵里「お、お願いします……」

ことり「絵里ちゃん大胆だね」

絵里「だ、だってことり……それ、む、胸とかに隠してるんでしょ?」

ことり「絵里ちゃん顔真っ赤だよ」

絵里「そりゃそうでしょ!」

ことり「はい、脱ぎました」

絵里「ううぅ……あれ? ない……」

ことり「正解は右手の中でしたっ!」

絵里「え、じゃあそのボタンは……」

ことり「絵里ちゃんに恥ずかしがってもらうためです」

絵里「こ、ことりぃ……」

ことり「ふふ、絵里ちゃん可愛かったよぉ」

絵里「むむむ」

ことり「明日の朝までは外しておくね」

絵里「朝になったらはめるんだ」

ことり「それは絵里ちゃん次第だよっ」



絵里「……お風呂あったかい」

絵里「はぁ……ことりに気を遣わせてばっかりはダメよね」

絵里「お風呂を先に譲るくらいしかできなかったし……」

絵里「……」

ことり「絵里ちゃん、ドライヤーここに置いとくね」

絵里「あ、うん」

ことり「先に絵里ちゃんの部屋で待ってるね」

絵里「うん」

ことり「入っていい?」

絵里「ダメ」

ことり「むー」

絵里「何かできることはないかしら……」

絵里「……」

絵里「…………」

絵里「………………」





絵里「……のぼせた」




絵里「ただいま……」

ことり「きゃー! 絵里ちゃんのえっち!」

絵里「あら、まだ着替えてたのね」

ことり「え、絵里ちゃんの反応らしくない……?」

絵里「え? そう?」

ことり「だって絵里ちゃんなら、瞬時に飛びのいて平謝りしてるところだよ?」

絵里「……そっか、そんな風に見えるのね」

ことり「?」

ことり「今日は絵里ちゃんと一緒にベッドで寝ちゃおうかなぁ」

絵里「いいわよ」

ことり「いいんだ」

絵里「うん」

ことり「絵里ちゃんどうしたの? 顔が赤い……のはいつものことだけど」

絵里「ちょっとのぼせちゃって」

ことり「ああ、確かに長かったね。絵里ちゃんって長風呂派なんだなぁって思ってたけど違うんだ」

絵里「……今日はもう寝ましょうか」

ことり「うん、じゃあ隣に……」

絵里「わ」

ことり「えっ、きゃあっ!」

絵里「いてて……ごめんなさい。何にもないところでつまずいちゃった……」

ことり「……」

絵里「ベッドに押し倒すみたいな形になっちゃったわね」

ことり「……」

絵里「ことり?」

ことり「え、な、何?」

絵里「どうしたの?」

ことり「ど、どうもしてないよっ!」

絵里「そう? ちょっと静かになったけど」

ことり「それは……その……」

絵里「どうしたの?」

ことり「だ、大丈夫だよっ」

絵里「そうは見えないけど……」

ことり「ううん、大丈夫だから」

絵里「んー?」

ことり「え、絵里ちゃん近いよぉ……」

絵里「……もしかしてことり」

ことり「な、何?」

絵里「ことりって、押しに弱い?」

ことり「……」

絵里「?」

ことり「だって……絵里ちゃん急に近づいてくるもん」

絵里「そっか……」

ことり「あれ? 絵里ちゃん、どうしたの? 急に離れて行って……」

絵里「意識がはっきりしてきた……何してるんだろう私……ごめんなさい」

ことり「……肝心なところでこうなんだね、あはは……絵里ちゃんらしい」

絵里「ごめん……」

ことり「いいよ。ちょっとびっくりしただけだから」

絵里「いや、私、ことりに気を遣わせてばかりだなって」

ことり「そんなことないよ、絵里ちゃん」

絵里「……本当?」

ことり「本当だよ。私は気を遣ってなんかないもん」

絵里「でも」

ことり「絵里ちゃんと一緒にいたいために、私がわがままを言ってるだけだから、ね?」

絵里「……ありがとう」

ことり「ふふ、お礼を言われるようなことしてないよっ」

絵里「……甘えて、いい?」

ことり「いいよ。大歓迎しちゃう」

絵里「うん」

ことり「絵里ちゃん、眠い?」

絵里「うん……」

ことり「じゃあ寝よっか」

絵里「……うん」

ことり「手錠はもう、いらないよね?」

絵里「……」

ことり「そこは返事してほしかったなぁ……」

絵里「じゃあ、甘える」

ことり「私はどうすればいいかな?」

絵里「手を繋いでてほしいの……好きだから」

ことり「もちろんいいよ。私も絵里ちゃんが好きだから」

絵里「うん、おやすみ……」

ことり「おやすみ」







絵里「!?」

絵里「い、今の……えっ!?」

絵里「こ、ことり! ……あれ? いない……」

ことり「おはよう絵里ちゃん。起きた?」

絵里「……何でエプロンしてるの?」

ことり「ふふ、朝ごはん作っておいたからねっ」

絵里「ありがとう……じゃなくて!」

ことり「?」

絵里「昨日ことりに、無理やり……その……」

ことり「無理やり?」

絵里「そう、無理やり……き、キスを……」

ことり「……絵里ちゃん」

絵里「ご、ごめんなさい! 私、のぼせてて……!」

ことり「絵里ちゃん、それ、夢じゃない?」

絵里「…………へ?」

ことり「絵里ちゃんがたとえのぼせてたとしても、絶対にそんなことはできないでしょ?」

絵里「……ほんとだ」

ことり「ふふ、じゃあ起きて。ご飯できてるから」

絵里「う、うん……」

ことり「……それが正夢になればいいのにね」

絵里「え? 何?」

ことり「ううん、なんでもない」

絵里「そっか」

ことり「絵里ちゃん、大好きだよっ」

絵里「私もことりのこと、大好きよ」

ことり「じゃあキスして」

絵里「そっ、それは……」

ことり「でも絵里ちゃん、のぼせたら結構積極的になったよね」

絵里「え、あ、そ、そうね」

ことり「そんなに顔真っ赤にしなくても」

絵里「思い出しちゃって……」

ことり「じゃあ酔えばもっと……」

絵里「え?」

ことり「絵里ちゃん、早く20歳になってね」

絵里「え、うん。善処するわ」

ことり「それまでは絵里ちゃん、ヘタレのままでいてね」

絵里「……?」

ことり「私は今のままの絵里ちゃんが大好きだから……無理に代わろうとしなくてもいいよっ」

絵里「ありがとう……?」

>>40>>42のミス

ことり「じゃあ酔えばもっと……」

絵里「え?」

ことり「絵里ちゃん、早く20歳になってね」

絵里「え、うん。善処するわ」

ことり「それまでは絵里ちゃん、ヘタレのままでいてね」

絵里「……?」

ことり「私は今のままの絵里ちゃんが大好きだから……無理に変わろうとしなくてもいいよっ」

絵里「ありがとう……?」

ことり「はい、じゃあこの話はおしまい。ご飯食べよっ」

絵里「うん、朝ごはんは何かしら」

ことり「トーストとスープとサラダです」

絵里「わぁ、おいしそうね」

ことり「トーストにはバターがいい? それともジャム?」

絵里「今日はジャムがいい」

ことり「わかったよ、出しておくね」

絵里「ありがと」

絵里「……こうしてると新婚さんみたいね」

ことり「!」

絵里「おはようのキス、なんて……」

ことり「……」

絵里「……ことり? どうしたの?」

ことり「で、できないくせに!」

絵里「……なるほどね」

絵里「思い出しちゃうんだ。昨日のこと」

ことり「ち、違うよ!」

絵里「これはいいことを覚えたわ……ふふ」

ことり「うぅ……絵里ちゃんのいじわる」

絵里「……でもこれは当分封印します」

ことり「え?」

絵里「私も思い出して十分恥ずかしいもの……」

ことり「そこは強気でいてほしかったなぁ……」






        おわり


途中間開けてすまん
絵里ちゃんはヘタレが似合うよね

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