ロリ狐娘「た、頼む、もう殴らないでくれ……はぁはぁ……」
男「いいや、てめーみたいな妖怪放っておくと何するかわかんねーからな、殺させてもらうぜ」
ロリ狐娘「ひっ……お、お願いじゃ……なんでもするから……そ、そうじゃ、足を舐めさせてくれ……」
男「ほう?じゃあ舐めてもらおうか」
ロリ狐娘「はぷっ……ぺろ……ひ、ひひ、爪が伸びておるぞ、儂が噛み切ってやろう……」ペロペロ
男「ククッ、こいつ躊躇なく吸い付きやがった!そこまで生に執着するたぁ見事だ!」
ロリ狐娘「はぁはぁはぁっ……くぅ~ん……こ、これで助けてくれるじゃろ?な、な?」ペローン
男「へぇ?腹を見せるとは……服従の印か」
ロリ狐娘「そ、そうじゃ、儂はお前につき従う……い、いや従属させてくれ……」
男「チッ……そこまで言われちゃしかたねーなー」
ロリ狐娘(ククッ、かかりおったわ!しばらくすれば大気に満ちた霊気を吸い取り、僅かだが力が戻る……その時が貴様の最後じゃ!)
男「じゃあこれ、ほらよ」ガチャン
ロリ狐娘「……ほぇ?なんじゃこの首輪……」
男「あ、それ封印の首輪だから。勝手に霊気を吸い取って力を取り戻されちゃ困るからな」
ロリ狐娘「……」
男「ん?従属するっつったのに不服そうな面だなぁ?」
ロリ狐娘「……わ、儂はこんな物で縛らなくとも裏切ったりはせぬぞ?」
男「なんだ?俺のすることに文句があるのか?」
ロリ狐娘「いっ、いやっ!文句というわけではなくてだな、その、えーと……」アセアセ
男「あ?なんだ?」
ロリ狐娘「そっそうじゃ!お主……儂の体に興味は無いか?」
男「あ?」
ロリ狐娘「い、今はこんな体じゃが、ほんの、ほんの僅かでも霊力が戻れば、元の姿に戻れるんじゃ!」
ロリ狐娘「どうじゃ?一生お前と添い遂げても構わんのだぞ?ふふ、儂の房中術を味あわせてやっても……」
男「……畜生が」
ロリ狐娘「……ほぇ?」
男「なんとか言って霊力を取り戻そうって腹積もりだろ……やっぱり首撥ねとくか」
ロリ狐娘「ひ、ひぃぃ!!す、すまぬ!!もう二度と元の姿に戻りたいなどとは言わぬっ!じゃから怒りを収めておくれぇ!」
男「いいや駄目だね……殺す」
ロリ狐娘「……く~ん、きゅ~ん……はぁはぁ……ご主人様……お願いじゃ……頼む……命だけは……」ゴロンゴロン
男「アホらしい……」
ロリ狐娘「ひっく……ひっく……ほぇ……?」
男「ヤメだヤメ、殺した所で生産性もねー」
ロリ狐娘「お、お慈悲をありがとうございますご主人様ぁあ!」ヒシッ
男「おい、足にくっつくな、履物が汚れる」
ロリ狐娘「ひっ!す、すみませぬご主人様!」
男(……まあ、飼い殺しにして、人々に償わせる方が良いか……)
ロリ狐娘「ど、どうしたのじゃ……儂の顔をじっと見て……」ビクビク
男「ふん、なんでもねーよ」
ロリ狐娘「あ、ああぁ!お、怒ってはおらぬのじゃな!」パァア
男(なんだこいつ……下っ端根性が染み付きすぎてないか……?)
ロリ狐娘「うぅぅ、なぜ儂がこんな目に……」
男「さあメシメシ」
ロリ狐娘(ああ、美味しそうなきつねうどんじゃ……)タラー
男「……おい、テメエなんでそんな物乞いみてえな顔でガン飛ばしてんだよ?」
ロリ狐娘「ご、ご主人様……儂はお腹が……」グゥー
男「は? なになに、恵んで貰えると思ってんの?」
ロリ狐娘「しかしこんな姿で、しかも能力を封印されてたら……」
男「調子乗ってんじゃねえぞ!」バンッ
ロリ狐娘「ひぃ!」ビクッ
男「テメエが今まで食ってきたものが何か言ってみろよ」
ロリ狐娘「に、人間の肉じゃ……」
男「だよなあ? なんで俺が同族を食ってきた奴を養わなきゃいけねえんだ? あぁ!?」ガシッ
ロリ狐娘「やっ、耳っ、耳は引っ張っちゃダメじゃあ!」
男「あぁ?なんで耳を引っ張ったらダメなんだぁ?」
ロリ狐娘「いっ……痛いのじゃ……痛いから離すのじゃ……」
男「離せだと?てめー、主人に対して随分偉そうじゃねーか」グググッ
ロリ狐娘「ひっ、ち、ちぎれるっ、儂の可愛い耳がちぎれてしまうぅ……」ウルウル
男「……ケッ、くだらねーヤメたヤメた」パッ
ロリ狐娘「う、うぅ……お、お慈悲に感謝いたします、ご主人様……」サスサス
男「おべんちゃら言ってねーで自分で食える物探してきやがれ」
ロリ狐娘「……ほぇ?」
男「わかんねーか?メシが不味くなるから出て行けってことだよ!」
ロリ狐娘「は、はい!わかり申した!」
ロリ狐娘(……ククッ……やはりこの男甘いわ……このまま逃げて首輪を外す手段を……)
男「あ、言っておくがその首輪は俺が死ぬまで外れねーからな」
ロリ狐娘「……」
男「それと、盗みを働こうなどと考えるんじゃねーぞ?もし言いつけに逆らったらそん時は……」ペキッペキッ
ロリ狐娘「ひっ、ひゃい!では失礼致しますぅ!」ドヒューン
鼠「チー」
ロリ狐娘「こんこん……こんこん……そうじゃ、もそっとこっちへ……」ソロソロ
鼠「チー!」チョロチョロ
ロリ狐娘「あっ、ああ!また逃げられた!」
ロリ狐娘「ううっ……お、お腹が空きすぎてきりきりするのじゃ……」クー
ロリ狐娘「戻るか……あの鬼畜のような男でも、誠意を込めて頼み込めば、なんとか……」
ロリ狐娘「いっ、いや!また耳をつねられるのだけは嫌じゃ!」ブンブン
ロリ狐娘「あぶらげ……どこかにあぶらげは落ちておらぬかのー……」ガサガサ
ロリ狐娘「うぅぅ……土地神様とまで呼ばれた儂が何故こんな目に……」
ロリ狐娘「……そういえば、飢饉の時に儂に生贄を捧げた村人ども……奴らもこのような気持ちじゃったのだろうか……」
ロリ狐娘「思えば悪いことをしたのう……ああ、人間のあの味が忘れられぬ……」ジュルリ
男「チッ……遅いな……」イライラ
ロリ狐娘「た……ただいま戻り申した……」グデッ
男「おい、何だらけてやがる?まだまだ用事は残ってんだぞ?」
ロリ狐娘「ま、待つのじゃ、本当にお腹が空いて、力が……」クークー
男「あ?てめー、主人の言いつけに逆らう気か?」
ロリ狐娘「う……何をすればいいのじゃ……」
男「とりあえず洗い物をしやがれ、俺は少し出かけてくる」タタッ
ロリ狐娘「ま、待つのじゃ、洗い物をしたら褒美として食べ物……」
ロリ狐娘「行ってしもうた……」
ロリ狐娘「うう、帰ってくるまでに洗い物を済ませておかねば、何を言われるやら……」カチャカチャ
ロリ狐娘「召使のようで気が進まぬが……」
ロリ狐娘「んん!?う、うどんの汁が残っておるぞ!?」
ロリ狐娘「……こーん、こーん」キョロキョロ
ロリ狐娘「よ、よし、あの男はおらぬな……」ズズッ
ロリ狐娘「……~~~ッッッ!!!」
ロリ狐娘「う、美味い!なんじゃこれはぁ……!た、ただの汁がこんなにも美味い物だとは……!」ズズズーッ
ロリ狐娘「はぁっ……!冷えきっておるが生き返るようじゃあ……」ホッ
男「……」
ロリ狐娘「あ、ああ、底にあぶらげの切れ端がぁ……!儂は世界一の幸せものじゃあ……!」パァア
男(……のたれ死なれては贖罪にならないしな)
男「……」ペラペラ……
ロリ狐娘「……」チクチク……
男「……」パタン
男「そろそろ寝るか」
ロリ狐娘「む、寝るのか……まだ繕い物が残っておるのじゃが……」
男「バカ言え、油もタダじゃねーんだぞ昼間やれ昼間」
ロリ狐娘「そうじゃな……そうするわい……儂も眠くなってきた……」ファァ
男「のんきにあくびしてんじゃねー、寝床の準備をするんだよ」
ロリ狐娘「む、わかり申した……」
ロリ狐娘「おや?」
男「ん?どうした?」
ロリ狐娘「ご主人様、布団が足りぬぞ?ふすまには一式しか入っておらぬ」
男「……まさかてめー、獣の分際で布団で寝ようとしてんのか?」
ロリ狐娘「……ほぇ?」
男「てめーはその辺で寝てやがれ」
ロリ狐娘「ま、待つのじゃ!こ、こんな硬い床で眠れる訳が……せめて敷物を……」
男「知るか」ゴロン
ロリ狐娘「あっ!ま、まだ話は……」
ロリ狐娘「……寝てしもうた」
男「zzz……」
ロリ狐娘「うう……山を歩き回ったから足が痛い……」サスサス
ロリ狐娘「柔らかい布団で足を伸ばして眠りたいのう……」
ロリ狐娘「寒いのう……」
ロリ狐娘「……」モゾモゾ
ロリ狐娘「はぁ……暖かいわい……」ウトウト
男「おい」ガシッ
ロリ狐娘「ひ、ひぃっ!?」
男「てめー、何懐に顔突っ込んでやがる」
ロリ狐娘「そっ……その……」
男「まだ反省が足りてねーみたいだなぁ?」
ロリ狐娘「さっ寒いのじゃあ!眠いのじゃあ!お願いじゃから一緒の布団で寝させておくれぇ!」
男「……チッ」
ロリ狐娘「はふぅ……」スヤスヤ
男「……」イライラ
男「……ふう」
ロリ狐娘「お、帰ってきたか、風呂が炊けているぞ」
男「あぁ?また熱湯風呂じゃねーだろうな?」
ロリ狐娘「ひっ、ち、違うぞ!今度はちゃんと湯加減を見て適温に保っておる!折檻は勘弁じゃぞ!」
男「そうかよ……」
ロリ狐娘(む?何やら元気がないのう……)
男「……」
ロリ狐娘(もしかして、儂が何かしたのかのう……)
男「なあ、妖怪」
ロリ狐娘「はっ、はい!何か?」ピシッ
男「お前、この家に来てから何ヶ月になる?」
ロリ狐娘「……ほぇ?」
ロリ狐娘「確か……一年くらいかのう?」
男「一年か……」
ロリ狐娘「……な、何じゃ、じっと見おって、儂は何もしておらんぞ!?」
男「……明日、村に行く」
男「お前も付いて来い」
ロリ狐娘「ほぇ?」
ロリ狐娘「ひぃ、ひぃ……」
男「おい、早く着いて来い」
ロリ狐娘「そ、そうは言っても……この荷物重すぎ……はぁ、ひぃ」フラフラ
男「そろそろ付くから我慢しろ!落とすんじゃねーぞ」スタコラ
ロリ狐娘「ま、待つのじゃ……けふ、けふっ……はぁ、はぁ……」ヨロヨロ
ロリ狐娘「……こんな埃臭い家に何の用じゃ?」
男「余計な事を言うな!」
ロリ狐娘「むぅ……」
男「良いか?てめーの正体が村の人にバレたらコトだ、上手く合わせて話をするんだぞ」
ロリ狐娘「わ、わかっておるわ」
女「あら、まあ!男さん可愛い子連れて!お子さんかしら?」
男「あ、あはは、似たようなもんですよ」
ロリ狐娘「むっ!儂は子供ではないぞ!」
男「お、おいコラ」
女「あらあら、これは失礼しましたね……年はお幾つかしら?」
ロリ狐娘「313歳じゃ!」
女「えっ……」
男「あはははは、こいつ冗談が好きで!コラッ!」ゴチィン
ロリ狐娘「いだぁっ!!」
女「もう、男さん!女の子に手を挙げちゃダメよ?」
男「あ、これは失礼しました」アハハ
ロリ狐娘「痛いのじゃ~……」プクー
女「それにしても貴方、随分痩せてるのねぇ……ご飯はちゃんと食べてるの?」
ロリ狐娘「うむ!3日前にトカゲを食べたぞ!」
女「えっ……」
男「おいコラァ!」ゴチィン
ロリ狐娘「いだいっ!何なのじゃゴンゴンと!ちゃんと話を合わせているではないかっ!」
男「馬鹿野郎、テメェなぁ!」
女「……男さん、どういうことかしら」
男「あ、いや、これはですねぇ……」
村長「おおお男さん、お待ちしておりましたぞぞぞ」プルプル
男「あっ……村長」
村長「ででででは奥に……」
男「は、はい……わかりました……じゃあ、ロリ狐娘、荷物おろして外で大人しくしてろ」
ロリ狐娘「あっ……は、はい、わかり申した」
女(あの人……)
ロリ狐娘(ひ、ひぃぃ……良くわからんが、あの目は……後で仕置きされる……)プルプル
ロリ狐娘「はぁ……」
ロリ狐娘(今日は一体どんな仕置きをされるのじゃ……痛いのは嫌じゃ……痛いのは……)
女「ねえ、貴方!」
ロリ狐娘「む?どうかしたのか?」
女「ほら、おにぎり!食べるでしょ?」
ロリ狐娘「な、何じゃと!?おにぎり!!」
女「あなた、あまりご飯を食べていないんでしょう?もし良かったら……」
ロリ狐娘「おおお、これはありがたい!そなたにはきっとご利益があろう!」
女「うふふ、ありがとう」
ロリ狐娘「はぁあ……塩が効いててうまいのじゃ~……!」パクパク
女「……ねえ、男さんがどういう人なのか教えてくれない?良かったら、歩きながら!」
ロリ狐娘「む?男?あいつは酷いぞ!昨日の晩も儂が粗相をしたと言ってだな……」ペチャクチャ
女「……」
ロリ狐娘「……でな、儂の可愛いおでこをビシッ!と打ってきたのだ!全くありえんじゃろう!?」
女「へぇ……そうなの……」グスッ
ロリ狐娘「そうなのじゃ……む?なんじゃこの社は」
女「あら、神様に興味があるの?」
ロリ狐娘「そういう訳ではないが……」
ロリ狐娘(わしが以前住んでいた社と違って小綺麗じゃのう……)
女「このお社様にはね、私達の村を守って来た神様がいらっしゃるのよ」
女「どんな困難も、このお社様に懸命に祈っていると、いつの間にか通り過ぎて行くの」
ロリ狐娘「ほぇ~……さぞかし良い生贄を捧げたんじゃろうなぁ……」ジュルリ
女「生贄?」
ロリ狐娘「む?」
ロリ狐娘(生贄も捧げぬ村人に加護を与えてきたとは……もの好きな神じゃのう……)
ロリ狐娘(……いや、儂は今まで村人に加護を与えた事があったじゃろうか……)
ロリ狐娘(ただ与えられる生贄を思う様食って……そして社が荒れて、力が萎えて……)
ロリ狐娘(むう……儂は神じゃったはず……儂は一体……)
男「おい」
ロリ狐娘「ほぇ?な、なんじゃその顔!?」
男「女さんに引っ叩かれたんだよ……テメェ、何話しやがった!?」
ロリ狐娘「え!?わ、儂は何も!!」
男「……まぁいい」
ロリ狐娘「……ほぇ?折檻せぬのか……?」
男「……そんな暇ねーんだよ」
ロリ狐娘「……?」
男「おいてめー、帰り道はわかるな?」
ロリ狐娘「う、うむ、じゃが、なにゆえ……?」
男「今日は一人で帰れ……しばらく帰らない」
ロリ狐娘「……む?む?」
ロリ狐娘「遅いの~……もう3日になるぞい……」
ロリ狐娘「まぁせいせいするがの!何より自由じゃ!」
ロリ狐娘「一人で風呂を炊いて一人で入れる!」カポーン
ロリ狐娘「折檻される事もないし!」ニコニコ
ロリ狐娘「布団も独り占めじゃ~っ!」バフーン
ロリ狐娘「……風の音が凄いのう」
ロリ狐娘「一人じゃとこんなにも外の音が聞こえるんじゃなー……」
ロリ狐娘「……早く帰ってこんかのう」
バターン
ロリ狐娘「む!あの騒々しい音は!」
ロリ狐娘「ついに帰ってきたんじゃな!」トテテ
ロリ狐娘「遅いぞ!今まで一体どこをほっつき……歩いて……」
男「ハァ……ハァ……」ダラッダラッ
ロリ狐娘「な、なんじゃこりゃあ!?」
男「クソッ……ドジっちまった……」
ロリ狐娘「な、なんと、血がこんなに!」
男「……まだ死ぬわけには……いかな……」ガクッ
ロリ狐娘「これは……すぐに止血せねば危ない……!」
ロリ狐娘「た、確か山に薬草があったの!急いで取りに行かねば!」
ロリ狐娘「よ、よし、あったぞ、この草で……」
ロリ狐娘「……待てよ?」
ロリ狐娘「今あやつを放っておけば、いずれ死ぬ……」
ロリ狐娘「儂を封じる忌々しい首輪は、あやつが死ねば取れる……」
ロリ狐娘「な、なんじゃ!何もあやつを助ける理由など無いではないか!」
ロリ狐娘「このまま社に戻れば、また儂は神として……」
ロリ狐娘「……神、か」
男「……ん?」
ロリ狐娘「スー……スー」
男「おい、コラ」ツンッ
ロリ狐娘「んん、良いぞ男よ、あぶらげを儂に貢ぎ続けるのじゃ……」ムニャムニャ
男「ゴラァ!!」ゴチンッ
ロリ狐娘「あいたぁっ!?な、なんじゃ!?山盛りのあぶらげはどこに消えた!?」
男「寝ぼけてんじゃねえ……おい、この包帯はてめーか?」
ロリ狐娘「む、男か……いかにも、私が巻いた」
男「そうか……」
ロリ狐娘「なんじゃ?勝手に巻いたなとは言わさんぞ!」
男「いや……ありがとう、すまないな」
ロリ狐娘「む……む?今なんと?」
男「感謝したんだよ……てめー、感謝された事ねーのか?」
ロリ狐娘「……感謝、これが感謝か!なるほど!」
男「なんだ?一人で納得しやがって……気持ち悪い」
ロリ狐娘「ふうむ、悪くないな!感謝か……」
男「まあてめーも首の皮一枚繋がったな」
ロリ狐娘「……ほぇ?」
男「俺が死んだら首輪が取れるってのは嘘だ」
ロリ狐娘「……な、な!?」
男「本当は俺が死ぬと首輪が縮んで、てめーの首が飛ぶ手はずになってたんだ」
ロリ狐娘「……」
男「良かったな、オイ」
ロリ狐娘(良かった……殺さなくて本当に良かった……)
男「……」
ロリ狐娘「それにしても、どうしてあのような傷を?」
男「化け物退治だよ」
ロリ狐娘「……化け物?」
男「ああ……村長の依頼でな」
ロリ狐娘「ふむふむ、私を封じた男に手傷を負わせるとはよっぽど強い化け物と見える」
男「バカ言え……まあ、相手もかなり消耗したはずだ……しばらく出てこれないだろう……イテテ」
ロリ狐娘「む、起き上がるでない!体に障るぞ」
男「大丈夫だ……メシ作らねーと」
ロリ狐娘「まあ待て待て!ふふん、今の儂は気分がいいからの、何かしら作ってやろう」
男「……そうか」
ロリ狐娘「ぬ、やけに素直じゃのう……まあ良いわ、今から山芋を取ってくるぞい!」
男「おう、頼んだぞ」
ロリ狐娘「では後ほど!」
男「ん、ちょい待て」
ロリ狐娘「む?どうかしたのか?」
男「首筋に糸くずついてんぞ」ツーッ
ロリ狐娘「ひゃあっ!な、何をする!?」
男「糸くずだって言ったろ……もう寝るから、黙れ」
ロリ狐娘「ん、うむ……」
ロリ狐娘「ふふん、思いがけず鼠まで取れたわい……しし、あやつ驚くぞ……」
ロリ狐娘「しかし、遅くなってしまったのう……満月のお陰で暗くなった事に気づかなかったわい」
ロリ狐娘「今は弱っているが後々仕置があるやも知れぬ」
ロリ狐娘「ひぃ……い、急いで戻らねば!」
ロリ狐娘「……おや?寝床におらんぞ……」
ロリ狐娘「あの傷でどこへ……」
ロリ狐娘「……血の匂いが、外に続いておる」
ロリ狐娘「まだ歩くのか……あの傷でなにゆえ……」
ロリ狐娘「……何やら胸騒ぎがする」
ロリ狐娘「……ん? あ、あれは!?」
男「」
化け物「フシュー……フシュー……」
ロリ狐娘「!?」
化け物「ん?」
ロリ狐娘「な、なな……なんじゃお主は!?」ブルブル
化け物「あぁ……なんだ、同類さんかよ」
ロリ狐娘「ど、同類じゃと!?一緒にするでない!儂はこの土地神として……」
化け物「ふん、いるんだよなぁ……有象無象の癖に神様気取って振る舞うマヌケがよぉ」
ロリ狐娘「くっ!?い、いや、今はそのような事を言い争っている場合ではない!その男はどうしたのじゃ!?」
化け物「ああ、こいつか……大した霊能力もねえくせに俺を封じようとした奴だよ」
化け物「逃げ出したこいつの匂いを辿ってきたんだ」
化け物「もう死んでるぜ」
ロリ狐娘「……え?」
ロリ狐娘「な……あ、かはっ……く、首が!!」グッ
ロリ狐娘「……何ともない?」
男『首筋に糸くずついてんぞ』ツーッ
ロリ狐娘「あ、あの時か……!?」
化け物「さっきから何ごちゃごちゃ言ってんだ?てめぇ」
ロリ狐娘「……男よ」
ロリ狐娘「……何故、私の封印を解いたのじゃ」
ロリ狐娘「慈悲か?……自分が死んでしまう事がわかって?」
化け物「おいおい、死体に喋りかけて何してんだ?気グルか、てめぇ」
ロリ狐娘「……うるさいのう」
化け物「あ?」
ロリ狐娘「貴様は、誰に物を申しておるのだ」
化け物「はぁ?気が狂って力の差も分からなくなったか、オイ」
ロリ狐娘「それは貴様のことじゃろう……有象無象が、儂に口を聞くでない」
化け物「……ああ、死んだわお前、恨むなら自分を恨みな」
ロリ狐娘「……今日は満月じゃのう」
ロリ狐娘「山に霊気が、満ち足りておるわ……」
ピカーッ
化け物「!?な、なんだこの光は!?」
狐娘「……ふん」シュー
化け物「な、なんだ貴様は!?なんだこのべらぼうな霊力!」
狐娘「……およそ五分ほど、力が戻ったか」
化け物「な、あ、それで五分だと……ハッタリ抜かしやがってぇ!!」ドシュッ
狐娘「貴様、まだ居たのか」
化け物「な……き、効かない!?」
狐娘「失せろ!!」
化け物「ぎゃああああああ」
ドジュウウウウ
男「」
狐娘「……ふん、馬鹿者じゃ」
狐娘「貴様は、乱暴で、傲慢で、罰当たりで」
狐娘「しかも、自分の命を投げ打ってまで人を救うとは」
狐娘「本当に、大馬鹿者じゃ……」
狐娘「……」
狐娘「儂も、大馬鹿者の真似をしてみるか……」クイッ
男「」
狐娘「……んっ」チュッ
ピカーッ
………
……
…
男「はぁ……はぁ」
男「ふぅ……疲れるぜ」
男「どうしてご先祖様はこんな所に社をおっ立てやがったんだ?」
男「……なるべく関わりたくなかったんだろうな、あいつと」
男「おっ、女さんだ!おーい!」
女「あら、男さん」
男「今日も社の前を掃除してくれたのですね!」
女「はい……私達に出来る礼はこれくらいしかありませんから……」
男「そうですか……いや、ここも荒れ果てていたのに、すっかり綺麗になりましたね」
女「そうですね、では」ササ
男「あっ……」
男「チッ……ロリ狐娘の奴……」ブツブツ
男「おう、元気か?」
男「今日は奮発してあぶらげ持ってきたぞ」
男「俺はなんとかやってるぜ」
男「まあ、身近に小突き回す相手が居なくなったのは少し残念だがな」
男「お前が家にいる時は鬱陶しいだけだったが、いざ居なくなってみると」
男「家に帰った時に待つ奴が居ないってのは寂しいもんだ……」
ロリ狐娘「……そんなに言うのなら、戻ってやってもいいぞ」ヒョコ
男「……なんだお前、今度こそ良い神様を目指すんじゃなかったのかよ」
ロリ狐娘「そっ、それどころではないわ!儂は、貴様を黄泉帰らせる際、底の底まで霊気を使い果たしたのじゃ!」
ロリ狐娘「お陰で元の姿に戻れたのに、またこのちんちくりんに逆戻りじゃ!」
ロリ狐娘「いわば搾りかすじゃっ!ゴミじゃっ!役立たずなんじゃあ~っ!!」
男「……だからって慣れた場所に逃げ帰りたいだと?俺がそんな事許すと思ってんのか?」
ロリ狐娘「そ、そうじゃ!貴様も私が居なければ寂しいとさっき言った所ではないかっ!」
ロリ狐娘「……な、なんじゃその手は?わ、儂は神様じゃぞ!?まさか、殴るなどと罰当たりな……!」
ロリ狐娘「い、嫌じゃ、痛いのはもうこりごりじゃあああっっっ!!!!」
おわり
みたいなね
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