幼馴染「男、勉強教えて」(26)
男「勉強ですか」
幼馴染「うん」
男「幼馴染が俺を頼ってくれるとはうれしいな」
幼馴染「えへへ///」
男「でももう深夜二時まわってるよね」
幼馴染「うん」
男「明日から学校もある」
幼馴染「そうだね」
男「体に悪いし、早く寝たほうがいいと俺は思うんだ」
幼馴染「そっか」
男「明日の朝にあうのはダメでしょうか」
幼馴染「どうしても今、教えてもらいたいの」
幼馴染「わからないところが頭をぐるぐるまわって、夜しか眠れないの」
男「夜眠れるのならそれでいいのでは」
幼馴染「にゅー」
男「ほっぺを膨らましてもダメだぞ」
幼馴染「教えてくれないと、私死んじゃう」
男「それでは今頃世界はパニック状態でしょう」
幼馴染「それもそうだね」
男「だから今日は帰ってほしいです」
男「それに親に聞けばいいのでは」
幼馴染「勉強は愛する人に教えてもらえと」
男「それで俺のところにきたと」
幼馴染「うん」
男「俺も幼馴染のことを愛しています」
幼馴染「えっ///」
男「というわけで帰ってください」
幼馴染「そこは「上がっていいよ」なのでは」
男「親に怒られます」
幼馴染「じゃあ夜逃げしよう」
男「ますます意味がわからないです」
男「いまどき夜逃げするカップルなんていないでしょう」
幼馴染「時代にとらわれてはいけません」
幼馴染「聖徳太子や伊藤博文も、そうやって世界を変えていきました」
男「そうですね」
幼馴染「というわけで一緒に」
男「ダメです」
幼馴染「男はすばらしい人です」
男「そうかい」
幼馴染「かっこよくてやさしい、私の憧れでした」
男「ありがとう」
幼馴染「でも大人になるにつれ冷たくなっていきました」
幼馴染「今では一緒に遊ぶことも少なくなり」
幼馴染「ベランダをジャンプして互いの部屋をいききする、そんなことももうなくなりました」
男「今そんなことやったら大問題だと思うぞ」
幼馴染「でも今がその離れていた心を繋ぎあわせるチャンスなのです」
男「そうかもね」
幼馴染「だからおねがいします」
男「そこまで言われたら反対もできませんね」
幼馴染「じゃあ一緒に勉強してくれる?」
男「すこしだけならいいですよ」
幼馴染「やったー!」
男の部屋
幼馴染「おじゃまします」
男「いろいろ散らかってるが気にしないでくれ」
幼馴染「大丈夫ですよ」
男「じゃあそこの丸テーブルでやるか」
幼馴染「それにしても暑いですね」
男「今年はじめじめしてますからね」
幼馴染「余計暑く感じるのでしょうね」
男「エアコンは止められてるけど扇風機ならつけれますよ」
幼馴染「ぜひともつけていただきたいですね」
カチッ
幼馴染「涼しいです」
男「やっぱり夏には扇風機ですね」
幼馴染「昔宇宙人ごっことかしてましたね」
男「懐かしいです」
男「ずっと雑談してるのもアレだし、そろそろ勉強しますか」
幼馴染「そうですね」
男「なにか教材は持ってきました?」
幼馴染「あいにく手ぶらなんですよ」
男「じゃあ筆記用具とノートかしますよ」
幼馴染「ありがとうございます」
男「教科書はひとつしかないから、二人で寄り添って見ましょうか」
幼馴染「今のセリフ、結構ドキッときましたよ」
男「そうですか?」
幼馴染「自覚ないんですか」
男「幼馴染なんだしいいでしょう」
幼馴染「そういうものでしょうか」
男「ここはこうすればいいんですよ」
幼馴染「なるほど」
男「それで今言ったことを応用すればこの問題もできるわけです」
幼馴染「ようやく謎が解けました」
男「そうですか」
幼馴染「おかげでぐっすり眠れそうです」
男「よかったです」
幼馴染「疲れました」
男「だいぶ進みましたね」
幼馴染「男のおかげですよ」
男「照れますね」
幼馴染「また教えてもらいたいです」
男「俺でよければいつでも教えるよ」
幼馴染「そうですか」
幼馴染「じゃあそろそろ帰りますね」
男「そうかい」
幼馴染「部屋の窓は開けてるのでそのままジャンプしていきます」
男「気をつけてくださいね」
幼馴染「大丈夫ですよ」
男「大丈夫って言いながら昔落ちたからね」
幼馴染「あのことは忘れてください」
男「じゃあまあそういうことで」
幼馴染「また明日会いましょうね」
男「ああ、バイバイ」
幼馴染「バイバイ」
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