穂乃果「海未ちゃん奴~」 (57)
海未「穂乃果…穂乃果……」ユサユサ
穂乃果「ムニャ 海未ちゃん………おはよ」
海未「おはようございます。そろそろ朝ご飯が出来るので、早く降りてきて下さいね」
穂乃果「りょうかーい……」バタン
穂乃果「ふわあぁぁ…眠い」
穂乃果「(1週間前、私と海未ちゃんが許嫁関係ということを知った)」
穂乃果「(いきなり結婚、ということは出来ないので、私たちは今『恋人』という形で付き合っている)」
穂乃果「(海未ちゃんは婚約に賛成だそうです。私は――)」
穂乃果「Engagement」
穂乃果「Engagement」 - SSまとめ速報
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の続きみたいなもの
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穂乃果「おはよー」
雪穂「おはよう、お姉ちゃん」
ほのパパ「……」
ほのママ「穂乃果、早く食べちゃいなさい」
穂乃果「はーい」ゴクッ
穂乃果「あれ、このみそ汁……いつものと少し味が違うね」
ほのママ「それ、海未ちゃんが作ったのよ」
穂乃果「海未ちゃんが?」
海未「お、お味はどうでしょうか……?」
穂乃果「うん、おいしいよ」
海未「よかった……」ホッ
穂乃果「ごちそうさまでしたー」
海未「はい」
ほのママ「もうこんな時間。穂乃果、早く学校の支度しなさい」
穂乃果「うん」
ほのママ「海未ちゃんも早く準備してきなさい」
海未「でも、まだお皿洗いが終わって……」
ほのママ「ここにいる間は、海未ちゃんは私たちと家族なの。まあ、この先、本当の家族になるでしょうし」
ほのママ「いいから、ここは私に任せなさい」
海未「………ありがとうございます」
ほのママ「そうそう、子供は素直に大人に甘えなさい」
穂乃果「それじゃあ行ってきまーす」
海未「行ってまいります」
ほのママ「はい、行ってらっしゃい」
ミテアレ、ホノウミジャナイ?
ホントダー
穂乃果「今日も視線が……」
海未「手、離した方がいいですか……?」
穂乃果「ううん、そのままでいいよ」
海未「はい」ギュッ
穂乃果「(どこから情報が漏れたか分からないけど、穂乃果と海未ちゃんが許嫁関係ということを、この街の人はほとんど知っている)」
穂乃果「(会う人会う人が暖かい言葉をくれる)」
穂乃果「(学校の近くまで来ると)」
ガヤガヤザワザワ
穂乃果「(人だかりが凄いことになります)」
ヒデコ「おーっす穂乃果」
穂乃果「おはよう」
ヒデコ「今日も凄い人だかりだね」
穂乃果「うん、もう慣れちゃった」
ヒデコ「慣れって怖いね」
穂乃果「うんうん。でも……」チラッ
海未「穂乃果……皆が見てます」///
ヒデコ「(だったら手を離せばいいのに)」
穂乃果「(海未ちゃんは大勢の人に見られると恥ずかしがるんだよね)」
海未「早く行きましょう///」クイクイ
穂乃果「そうだね、それじゃあ教室でね」
ヒデコ「うん」
穂乃果「海未ちゃ~ん」
海未「はい?」
穂乃果「学校の中でも手、繋いでよっか?」
海未「が、学校の中では……」///
穂乃果「(つい、からかいたくなっちゃう)」
続きは明日にでも
-昼-
穂乃果「海未ちゃんことりちゃん、お昼ご飯にしよー」
ことり「えっとぉ……」チラッ
海未「久しぶりに3人で食べましょう」
ことり「いいの?」
海未「はい、もちろんです」
ことり「そ、それじゃあ今日は一緒に食べよっかな」
海未「天気もいいですし、屋上に行きましょうか」
穂乃果「うん」
ガチャ
穂乃果「んー気持ちいいね~」
「あら、穂乃果じゃない」
穂乃果「ん?」クルッ
希「やっほー」
穂乃果「絵里ちゃん、希ちゃん!」
真姫「私たちもいるわよ」
凛「はい、かよちん。あーん」
花陽「あ、あーん」///
穂乃果「みんな……!」
絵里「穂乃果たちもここで?」
穂乃果「うん」
絵里「(私たち、どこか行った方がいいかしら)」ヒソヒソ
希「(そうやね、教室戻ろっか)」ヒソヒソ
海未「いえ、大丈夫ですよ」
絵里「! いいの?」
海未「はい」
凛「穂乃果ちゃんのお弁当おいしそうだにゃ!」
穂乃果「これね、海未ちゃんが作ってくれたんだ」
凛「海未ちゃんが……?」
真姫「へえ、海未のね……」ジーッ
海未「な、なんですかその視線は?」
真姫「本当に食べれるの、これ」
海未「失礼な! ちゃんと食べれますよ!」
穂乃果「そうだよ、昨日海未ちゃん、お母さんと一緒に作ってたもん」
絵里「お母さん……?」
穂乃果「うん、うちのお母さんと」
絵里「待って、海未ってもしかして……」
凛「一緒に、暮らしてるの……?」
穂乃果「えっ、そうだよ?」
花陽「えええええぇっ!!?」
真姫「ほ、本当なの海未!?」
海未「はい、そうですけど……」
絵里「全然知らなかったわ……」
希「あれ、みんな知らなかったん?」
凛「希ちゃんは知ってたの!?」
希「うん」
絵里「だったら教えてくれればよかったのに……」
希「みんな知ってるかと思って」
-放課後-
穂乃果「海未ちゃん、クレープ屋さんよって帰ろ!」
海未「ええ、いいですよ」
穂乃果「はい」スッ
海未「?」
穂乃果「手、繋ごう」
海未「はい///」ギュッ
ことり「2人とも、また明日ね~」
穂乃果「うん、バイバイ」
穂乃果「(最近、海未ちゃんと2人きりの時が多いなぁ)」
穂乃果「(部屋も同じ、ベッドも同じ、お風呂も同じ)」
海未「~♪」
穂乃果「(まあ、海未ちゃんが嬉しそうならいいけどね)」
穂乃果「(でも、海未ちゃんと結婚、か……)」
穂乃果「(日本って女性同士の結婚は法律的にダメだよね)」
穂乃果「(どうするんだろう……)」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「! な、なに?」
海未「どこか具合でも……」
穂乃果「ううん、そんなことないよ。いこ」ギュッ
海未「はい」ギュッ
穂乃果「(私のバカバカ。海未ちゃんに心配かけてどうするの)」
穂乃果「(この先のことは2人で考えなくちゃ……)」
穂乃果「ただいまー」
海未「ただいま帰りました」
雪穂「おかえりなさーい。そろそろ夕ご飯出来るよー」
海未「! 穂乃果、私はお手伝いしてきます」
穂乃果「あ、だったら私も手伝うよ」
海未「しかし……」
穂乃果「一緒に作ろう」
海未「! はい!」
-夜-
穂乃果「ねえ、海未ちゃん」
海未「なんですか」
穂乃果「………海未ちゃんは、この先のこと、考えてるかな?」
海未「この先のこと、ですか……。まあ、大まかなことは考えてます」
穂乃果「そっか」
海未「穂乃果は、考えているのですか?」
穂乃果「私は……なにも」
海未「そうですか……」
明日は休憩、続きは明後日にでも
穂乃果「(海未ちゃんと付き合い始めて結構な月日が過ぎた)」
穂乃果「(季節は冬、12月にさしかかっていた。最終予選まであと少し)」
穂乃果「(そんな中)」
穂乃果「プラネタリウムのチケット?」
絵里「ええ、今度海未と一緒に行ってきなさい」
穂乃果「えっ、でももうすぐ最終予選だし……練習しなきゃ」
絵里「穂乃果、確かに練習も大切よ。でもね、練習以外にも大切なことはあるの」
穂乃果「大切なこと……?」
絵里「まだ穂乃果には分からないかも知れない。けど、そのうち分かると思うから」
絵里「とりあえず明日、休みだから海未を誘ってプラネタリウムに行ってきなさい」
穂乃果「う、うん」
海未「(穂乃果から昨日、一緒にプラネタリウムを見にいかない? と言われました)」
海未「(もちろん私はOKしました。付き合いはじめてから、穂乃果から遊びに誘うということはクレープ屋以降、1度もなかった)」
海未「(だから今回は勝負だと思ってます。いかに私を知ってもらうか。いかに私を好きになってもらうか)」
海未「(私にだって、穂乃果について知らないことはたくさんありますから)」
「う~みちゃんっ」ダキッ
海未「きゃっ! ほ、穂乃果!」
穂乃果「驚いた?」
海未「ええ、驚きました」
穂乃果「ごめんごめん」
海未「許しません」
穂乃果「ええっ!? ……ど、どうしたら許してくれる?」
海未「わ、私と手をつなぎなさい」プイッ
穂乃果「ふふっ、いいよ」ギュッ
海未「!」///
穂乃果「それじゃあ、行こっか」
海未「はいっ」ギューッ
穂乃果「どこももうクリスマスムードだね」
海未「クリスマスイブまであと1週間切ってますからね」
穂乃果「ねえ、海未ちゃん」
海未「なんですか?」
穂乃果「クリスマスイブの日って、空いてるかな?」
海未「? はい、空いてますけど」
穂乃果「それなら、私とどこか出かけない?」
海未「!」
海未「(ほ、穂乃果からの誘い!)」
海未「え、ええ! もちろん!」
穂乃果「やった、海未ちゃんのクリスマスは穂乃果が予約しました♪」
海未「はい!」
穂乃果「あれ、もしかしてもう着いちゃった……?」
海未「あ……いつの間に……」
穂乃果「ふふっ、海未ちゃんと話してると楽しいから、あっという間だったね」
海未「もうっ、穂乃果ったら……」
穂乃果「楽しみだなっ」
マモナク カイシシマス
穂乃果「私、全然星の名前知らないや」
海未「私が一回一回教えますよ」
穂乃果「ありがと」
海未「いえいえ」
ガタンッ
穂乃果「わっ、始まった」
穂乃果「わあぁぁ……きれい……」
穂乃果「海未ちゃん、あの星は……」
海未「あれはオリオン座ですね」
穂乃果「オリオン座?」
海未「ええ。オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン。この3つの星で『冬の大三角形』成しています」
穂乃果「へえ~」
海未「他にも――」
海未「(ああ……)」
海未「(こんな時間が永遠に続けばいいのに……ですが――)」
海未「(―――永遠なんて、存在しない)」
アリガトウゴサイマシター
穂乃果「すごかったね! 星って深いね!」
海未「星の1つ1つに意味があるんですよ」
穂乃果「そうだね! また今度来ようよ!」
海未「はいっ」
穂乃果「少し遠回りして帰ろっか」ギュッ
海未「///」コクコク
穂乃果「もうどれくらいたったんだろう、私と海未ちゃんが恋人同士になって。ってまだ1年も経ってないよね。この話するの、まだ早いか」
穂乃果「ねえ、海未ちゃん」
海未「なんですか?」
穂乃果「海未ちゃんは、私のどこが好きなの?」
海未「ッ///! な、なんで今その質問をするんですか!」
穂乃果「ん~、なんとなく」
海未「なんとなくって……」
穂乃果「ねっ、海未ちゃんは私のどこが好きなの?」
海未「………」
海未「………ぶです」ボソッ
穂乃果「え?」
海未「あなたの全てが、私は好きです」
海未「あなたの怒った顔、あなたの笑った顔、そんな喜怒哀楽なところだったり」
海未「私にはできないことを、平然とやりとげてしまったり」
海未「私の持っていないものを、あなたはたくさん持っています」
海未「そんな穂乃果に、私は惹かれました」
海未「……っと、これ以上はさすがに、穂乃果にも教えられません」
穂乃果「……」カアアアアア
海未「ほ、穂乃果……?」
穂乃果「……海未ちゃんって、ずるい」
海未「ず、ずるい!? 私が!?」
穂乃果「うん! ずるいずるいずるい!」
海未「な! どこがずるいんですか!」
穂乃果「と、とにかくずるいの! 海未ちゃんは!」
海未「そ、そんな理不尽な……」
穂乃果「そ、そんなこと言われたら……」
穂乃果「私の想い! 余計言いにくくなるじゃん!!!」
海未「え? お、想い……?」
穂乃果「え、あ……」
穂乃果「(私、なに言って……! 私の想い……? 私の想いって……)」
穂乃果「!!」
海未「………」
穂乃果「………ごめん、今の忘れて」
海未「え? でも――!」
穂乃果「忘れて!!」
海未「!」
穂乃果「お願い、忘れて……」
プルルルルルルッ ガチャ
絵里『もしもし?』
穂乃果「………もしもし、絵里ちゃん」
絵里『………そろそろ、かかってくると思ってたわ』
穂乃果「わ、私。海未ちゃんのことが――」
絵里「知ってたわ、ずっと前から」
穂乃果「!? どうして!?」
絵里『どうしてって……あなたは気づいてなかったけど」
絵里『海未と接してる時のあなたの顔は、慈愛に溢れてたわ』
絵里『あなたはいつも海未といて気付いてなかったの。あなたは海未のことが―――』
絵里『だいっ! だいっ! 大好きなのよ!!』
絵里『ホント! いいバカップルよ!』
穂乃果「バカップル!?」
絵里『ええ! そうよ! バカップルバカップル!!』
穂乃果「ば! バカじゃないから!」
絵里『あなたにチケットを渡せて、よかったわ』
穂乃果「え、絵里ちゃん?」
絵里『やっと気づいたのね、自分の気持ちに』
穂乃果「……うん」
絵里『いつ、海未のことが好きになったの?』
穂乃果「……わかんないや」
穂乃果「(本当にわからない。そもそも、どうしてあんな感情を吐露したのかも……)」
絵里『ふふっ、穂乃果らしいわね』
穂乃果「あ! バカにしたでしょ!」
絵里『ええ、少しね』
穂乃果「もうっ!」
絵里『で、いつ海未に告白するの?』
穂乃果「こ、告白!?」
絵里『ええ、善は急げよ』
穂乃果「で、でも……」モジモジ
絵里『ああもうっ! 明日決行よ!』
穂乃果「あ、明日ぁ!?」
絵里『あ! し! た! け! っ! こ! う! よ!』
穂乃果「ええええええっ!!?」
絵里『返事は!?』
穂乃果「そ、それはさすがに……」
絵里『へ! ん! じ! は!!?』
穂乃果「は、はいぃぃ!!」
絵里『(頑張りなさいよ、穂乃果)』
-翌日-
ことり「どうして穂乃果ちゃん、先行っちゃったんだろう」
海未「さ、さあ、どうしてでしょうか」
ことり「?」
ことり「昇降口入ると『よし! 今日もがんばろ~!』って気持ちにならない?」
海未「はい」
ガラッ
海未「? これは……」
ことり「そ、それってラブレター!?」
海未「一体誰から……」ペラッ
今日17時、屋上で待ってます
――高坂穂乃果――
以上、終わりです
ありがとうございました
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