提督「あえて龍田をいじりたい」天龍「えっ」 (160)
天龍「オイ! オレを戦線離脱させるな! 死ぬまで戦わせろよ!!」←大破状態
提督「わかった。そこまで言うなら出撃してもらおうではないか」
天龍「えっ」←耐久残り1
龍田「そんな……この人でなし! いくら天龍ちゃんがスペックの割に自信過剰な死にたがりでも、こんなのってあんまりです……!」オヨヨ
提督「言うな! 龍田、これは天龍が望んだ道なんだ。ならば私たちはそれを見届けてやるまでよ」
天龍「えっ……えっ? いや、ま、ちが、今のはただ台本を読んだだけで……待てっ離せ、嫌だ死にたくない、そうだ、せめてダメコンを積ま、ってうわあああああぁああああああぁぁああああ」
ドガァン! バガァァァン!!
伊58「この人でなちーーーーーー!!!!」←被害担当艦
天龍「……」←旗艦
龍田『あらあら~本当に人でなしですね提督ったら~』
提督『キス島ではよくあることだ。いつもありがとう58』
天龍「ちくしょおおおおおおおおおお!!!!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405090223
天龍「やっと作戦完了で艦隊帰投か。おっせえなぁ、ちゃっちゃとやれよ!」
提督「……」
龍田「……」
天龍「おい、ちょ、待てお前ら……」ゼェハァ
島風「おっそーい」←40ノット
叢雲「ふんっ、おっそいわね!」←38ノット
白雪「ふ、二人とも! そんなに速度を出したら天龍さんが遅れ、ごほんごほんっ」←38ノット
天龍「……」←33ノット
提督『おっそーい』
龍田『おっそ~い』
天龍「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
提督「喜べ天龍。年末の叙勲式でお前も登壇することが決まったぞ」
天龍「ほ、本当か!?」
提督「ああ本当だ。お前の著しい功績を本部が認めたということだな」
天龍「やったぜ! くぅー、その日が待ち遠しいなぁ!」
ダララララララララ ←ドラムロール音
龍田「今年の横須賀鎮守府流行語大賞は……」
天龍「……」
龍田「満場一致で天龍型一番艦、天龍さんの『フフフ怖いか』に決定しました! みなさーん、盛大な拍手をお願いしますね~」
パチパチパチパチ フフフコワイカ! フフコワ! フフコワ!! フフコワ!!!
提督「よかったではないか、天龍よ」ポン
龍田「天龍ちゃん、おめでと~」ニコニコ
天龍「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
提督「という具合に今までお前を散々からかい倒してきたわけだが」
天龍「これパワハラで訴えても勝てるよな?」
提督「なにを言うか天龍。キス島でのレベリングも流行語大賞受賞も、すべてはお前の向後を思っての処置なのだぞ」
天龍「特型と島風を率いての海上護衛は単なるイジメだったと認めるんだなオイ」
提督「あれは私ではなく龍田の発案だ」
天龍「ちくしょおおおおおおおおおお!!!!」
提督「どうだ天龍。その龍田に復讐したいとは思わんか」
天龍「……アンタはあいつとずっとグルだっただろ。どういう風の吹き回しだよ」
提督「正直天龍いじりに飽きた」
天龍「テメエマジでぶっ殺すぞ!!」
提督「まあ聞け。そもそもお前と龍田には似通った部分が数多くある」
天龍「そりゃあ姉妹艦だしな」
提督「旧式であるがゆえの悲しいほどの低スペック」ボソッ
天龍「ん? なんか言ったか?」キョトン
提督「にも関わらず見事に立っているキャラ! 醸し出される強者のオーラとドS臭!!」
天龍「ふ、ふふっ。まあな」テレ
提督「……そのギャップが生み出す清々しいまでのネタっぷりと」ボソボソッ
天龍「ん?」
提督「界隈における不動の人気を併せ持つ!!! それこそが天龍型!!!!」
天龍「へっへへ。そんなに褒めんなよ~」テレテレ
提督(チョロい)
提督「元来SとMとは紙一重、コインの裏表である」
提督「いじる龍田は見飽きた。いじられる天龍も見飽きた」
提督「ならば発想の転換だ。天龍よ!」
天龍「お、おう」ビク
提督「これからはいじる天龍、いじられる龍田の時代だ!」
提督「時代を変えろ天龍。新たな歴史の潮流のただ中に、今お前はいるのだ……!」
天龍「お……おうッ! オレはやってやるぜ! 時代を変えて見せるぜ提督!」
提督(チョロい)
天龍「でもよ提督」
提督「どうした」
天龍「一口に龍田をいじるっていっても、生半可なことじゃねえだろ」
天龍「龍田のヤツはなんていうか……姉のオレですら底が見えねえところがある」
天龍「あいつをいじるなんて本当にオレらにできんのか?」
提督「可能だ。龍田はお前が思っているほどの強敵ではない」
天龍「本当かよ……」
提督「私にいい考えがある」
天龍「お前それ極めて著名な失敗フラグだからな?」
提督「なに、一度試してみれば嫌でもわかる。いいか天龍」ゴニョゴニョ
天龍「……ま、マジでそれやんのか? 下手打つとあんたの命の危機だぞ?」
提督「そう思うならば奮励努力しろ」
天龍「責任重大だな。失敗は許されねえってことか……」
提督「フフフ、怖いか?」
天龍「なんだろう失敗してもいい気がしてきたぞ」
チャリン
提督「……む。来たな」
天龍「……」
提督「準備はいいか天龍」
天龍「おうよ」
提督「覚悟はできたか天龍」
天龍「あたぼうよ」
提督「トイレは行ったか天龍」
天龍「いいからさっさと始めろや!!!」
提督「よろしい。それではこれより『た号作戦』を開始する!」
龍田「ふんふふ~ん♪ 今日のお仕事は~っと、あら?」
龍田「提督の執務室から声が……?」コソコソ
提督『いいから私に見せてみろ、天龍』
天龍『や、やめろよそんな、恥ずかしいだろ』
提督『ふふ。意外に初心なところがあるじゃないか』
天龍『ばっ、おま!』
提督『いいから黙って、私にすべてを委ねなさい』
天龍『……こんなことさせんの、あんたが初めてなんだからな。優しくしてくれよ……?』
バァン!!
龍田「……」
提督「……」←天龍の顔を超至近距離で覗きこんでいる
天龍「……」←目をつむってぷるぷるしながら縮こまっている
龍田「……あら。あらあら。あらあらしお~♪」ニッコリ
龍田「提督? いったい今、天龍ちゃんになにをしようとしていたんですかぁ?」ニコニコ
龍田「ああ待って、言葉選びには十分気を付けてくださいね~?」
龍田「あんまり聞き苦しいようだと私、その素っ首を刎ねとばしたくなってしまいま」
提督「天龍の目にゴミが入ったから、取ろうとしていただけだが」
龍田「……はい?」
提督「いやだからな、天龍の、眼帯をしていない方の眼球に、なにやらゴミが入ってしまったらしいから」
提督「それを取ってやろうとしていただけなのだが」シレッ
天龍「おうそうだぞ。どうした龍田、血相変えて。顔色悪いぜ?」シレッ
龍田「」
龍田「あ、あら? そうだったんですか?」
提督「そうだ」
天龍「そうだぞ」
龍田「わ、私はてっきり……」ゴニョゴニョ
龍田「ああいえ、なんでもないです、うふふ~♪」ニコニコ
提督「てっきり?」
天龍「どうしたんだ?」
龍田「え、あ、う。その……あの……」
提督「……」ジー
天龍「……」ジー
龍田「……」
提督「……」ジー
天龍「……」ジー
龍田「………………し、し、失礼しみゃっ」
龍田「……」
龍田「っ///」
提督「え? みゃ?」
天龍「みゃあ? 聞き間違いか?」
龍田「~~~~~っ!///」カァァァ
龍田「しっ、失礼いたしましたぁ~~~!///」マッカッカ
ガチャ バタン!
提督「……」
天龍「……」
提督「どうだ天龍。私の言った通りになったろう」
天龍「……」
提督「総じて仮性サディストというのは、いざ自分が攻められると弱いものなのだ」
天龍「……」
提督「これが真性であったなら、もう少しMの開発に手間取るのだが。やはり龍田はなんちゃってサディストだったな」
天龍「……」
提督「天龍? どうした、気分が悪いか? やはり実の妹をたばかるのは心が痛むか?」
天龍「……」プルプル
天龍「やべえ、すっっっっっげえ楽しい」ゾクゾク
提督「よろしい。それでこそ天龍型一番艦だ」
羽黒や潮より龍田や大井っちをいじm……いじりたくなる私はきっと性癖異常者なのでしょう
もうちょい続くんでよろしくしてやってください
ご一読ありがとうございました
おつおつ
激甘な提督×大井さんのSS書いてた人かな?
1よ アンソロや同人で龍田提督書いてる人?
のわけはないか
面白いから続きも楽しみにしてる
こないだ大井のSS書いてたひと?
もさんが頭に浮かんで仕方ない
天龍いじめのパイオツマニア?
>>27 >>30
むっちゃんを二連続で引いたので龍田スレを立てると予告した人です
>>29
すいません、違います
>>33
流行語大賞ネタが被っててごめんなさい(小声)
>>36-38
こんな変態ばかりのスレに付き合えるか!
俺は続きを書くぞ!
ある日
龍田「やぁんっ」チャリン
提督「む、すまない」
龍田「もぉう。私の後ろから急に話しかけると、危ないですよ~?」ニコニコ
提督「うむ。日頃の労をねぎらう意味をこめて、軽く肩を叩こうと思っただけなのだが」
龍田「昨今世間では、それを指してセクハラと断じますからね?」ニコニコ
提督「……」
龍田「その手が落ちても文句は言えない立場だということ、よくよく肝に銘じておいてくださいね~?」クスクス
提督「そうか、わかった」
龍田「あはっ♪ わかってくださればそれでいいん」
提督「私は知らぬ間にお前を深く傷付けていたのだな……この腹掻っ捌くことでせめてもの詫びとさせてくれ」シャキーン
龍田「えっ」
バァン!!
天龍「おい提督! なにしてんだ!」
提督「止めるな天龍。私は一死を以って、これまでの行いを龍田に詫びねばならぬのだ」
天龍「なっ……龍田! それは本当なのか!?」
龍田「えっ、あっ」アセアセ
天龍「くっマジかよ! どうかこんなことは止めさせてくれ龍田!」
龍田「あの、私別に、そんなつもりじゃあ」オロオロ
天龍「提督の不始末は現秘書艦であるオレの不始末でもある!」
天龍「こうなったら提督の代わりに、オレの首で事を収めてくれ……っ!」シャキーン
龍田「ええええええええええ!?!?」
提督「馬鹿なことを言うな天龍ッ!」
天龍「いやこれはオレのけじめなんだ!」
龍田「あ、あの、二人ともちょっと……」アセアセ
提督「私がなさねばならんことを邪魔立てするな!」
天龍「いいやオレがやる!」
龍田「だからね、あのね、切腹とかそういうのは……」オロオロ
提督「私がやる!」ノ
天龍「オレがやるったらやる!」ノ
響「いいや司令官、私がやるさ」ノ
電「電の本気を見るのです!」ノ
龍田「!?」
提督「私が」ノ
天龍「オレがオレが」ノシ
響「信頼(と安心のお約束ネタ)の名は伊達じゃない。やるよ」ノ
電「いいえ、ここはあえて電が!」ノシ
龍田「……」
龍田「……」
龍田「じゃあ、ええっと、私も」ノ
一同「「「「どうぞどうぞ」」」」つオモチャの懐刀
龍田「……っっ///」プルプル
またある日
龍田「天龍ちゃん、朝よ? ほぉら、そろそろ起きないと」ユサユサチャリンチャリン
天龍「ん~……もうちょっと寝かせてくれよ、お母さん……」ムニャムニャ
龍田「……」
天龍「……はっ」
龍田「あら。あらあら。あらあらあら~?」ニヤニヤ
天龍「ちっ違うんだ龍田! 今のはちょっと間違えただけでっ///」
龍田「あれ? 今なんて? ねえもう一回言って天龍ちゃん?」
天龍「……」ボソボソ
龍田「うふふ、うふふふふ~? 聞こえなかったわ天龍ちゃん、ねえなんて言ったの天りゅ」
バァン!!
龍田「!?」
暁「お母さん、ごきげんようです!」
雷「私を甘えさせてくれてもいいのよ、お母さん!」
天龍「さあ思う存分呼んでやるぜ、龍田お母さん!」
龍田「!?!?!?」
暁「お母さん! お母さんかわいい!」
雷「龍田お母さん! スウィートボイスが大大だーい好きよお母さん!」
天龍「お母さん! 返事してくれお母さん! 呼んでほしかったんだろお母さん! あんなに嬉しそうに催促してきたもんな龍田お母さん!!」
龍田「……っっ///」プルプル
またまたある日
カキカキ メモメモ ハンコポーン
提督「龍田はいいな……」
天龍「ああ……いいな……」
提督「顔がいいな……」
天龍「ああ……かわいいと美人の中間だな……」
提督「胸がいいな……」
天龍「ああ……すっげえ柔らかいんだよな……」
提督「お前は触ったことがあるのか」
天龍「そりゃ姉妹だし」
提督「それもそうか姉妹だしな」
提督「腰つきがいいな……」
天龍「ああ……くびれがたまんねえな……」
提督「声がいいな……」
天龍「ああ……CV井口最高だな……」
提督「お前も同じだぞ」
天龍「声質180度変えてるだろ」
提督「甘ったるいウィスパーボイスがいいな……」
天龍「ああ……耳がとろけそうだな……」
提督「Sっぷりがいいな……」
天龍「ああ……一部界隈ではご褒美だな……」
提督「スペックの割に妙に強気なところもいいな……」
天龍「『死にたい艦はどこかしら~?』」
提督「姉妹艦LOVEもなかなかいいものだな……」
天龍「フフフ、羨ましいか?」
提督「ああ羨ましいとも」
天龍「……」
提督「……」
提督「やはり龍田はいいな……」
天龍「ああ……最高だな……」
龍田「……っっ///」プルプル
龍田「えっ、おほ、ごほんっ。あの~私そろそろ戻ってもよろしいでしょうか~?」
提督「待て龍田、この書類があと少しで片付くんだ」カキカキ
天龍「そしたら書類を所定の部署に届ける奴が必要だろ?」メモメモ
提督「それまで決して動いてはいけないぞ、龍田よ」ハンコポーン
龍田「う……うう~~~っっ//////」ブルブル
やっぱりある日
提督「……」ナデナデ
龍田「ひゃんっ! て、提督?」チャリン
提督「……」ナデナデ
龍田「あのぉ、提督? 私の頭がどうかしましたか?」
提督「……」ナデナデ
龍田「ん……聞いてらっしゃいます、提督?」
提督「……」ナデナデ
龍田「あのですね、提督」
提督「……」ナデナデ
龍田「……こほん」
龍田「提督~? おさわりは禁止されていますよ~?」ニコニコ
提督「……」ナデナデ
龍田「前にも言ったと思うのだけれど~」ニコニコ
提督「……」ナデナデ
龍田「その手が落ちたとしても、それは私の責任ではないので~」ニコニコ
提督「……」ナデナデ
龍田「本当にどうなっても知りませんよ~?」ニコニコ
提督「……」ナデナデ
龍田「ですから、あのぉ」ニコニコ
提督「……」ナデナデ
龍田「……」
提督「……」ナデナデ
龍田「……」
提督「……」ナデナデ
龍田「……」
提督「……」ナデナデ
龍田「もう許してくださぁい……//////」プルプル
提督「そうか」ピタッ
そしてある日
提督「ふう、潤うな」ツヤツヤ
天龍「生粋のサディストめ……」
提督「嬉々として参加していた奴がよく言う。しかしこれでわかったろう、天龍」
天龍「龍田のヤツは存外ポンコツだってことがな」
提督「お前と同じで」ボソ
天龍「ん、なんか言ったか?」キョトン
提督「いや別に?」
提督「強いて言えば、龍田はなにごとか悩んでいる節があるからな」
天龍「はっ……なにごとか、ねえ」
提督「我らの策がこうも見事に嵌まったのも、それが関係しているのやもしれん」
天龍「うーんこのど畜生。それにしてもあんた、アイツのことをよく理解してるんだな。姉としてはちょっと悔しいぜ」
提督「長い付き合いだからな。なにせこの鎮守府を立ち上げて間もない頃からの秘書艦だ」
提督「……まあ、今は違うがな」
天龍「……」
ガチャ
天龍「今帰ったぜ、龍田お母さーん」
龍田「……」シーン
天龍「おうどうした、ベッドにうつぶせで突っ伏しちまって」
龍田「はふう。なんだかもう、いろいろと限界なのぉ……」グテー
龍田「とりあえず、鎮守府中から『お母さん』呼ばわりされるのは地味に堪えたわ~……」
龍田「なぜだか鳳翔さんに対しても申し訳ない気持ちになるしぃ……」
天龍「いじられる奴の気持ちがちったぁわかったか?」
龍田「反省してますぅ……」
天龍「ま、本当に限界だと思ったらはっきり言ってくれよ。そしたらやめるぜ」
龍田「それってつまり、私が『参った』するまでは止めないってことぉ……?」オソルオソル
天龍「あったりまえよ」ケラケラ
龍田「天龍ちゃんって実はSだったのね……」
天龍「実はもなにもS丸出しだぜオレは」
龍田「……」シーン
天龍「なんでそこで黙るんだよ!!」
切りどころに迷いましたがここまでにしておきます
次回怒涛の急展開
あ、あと次回で最後です
ご一読ありがとうございました
龍田「別に、ね?」
天龍「ん?」
龍田「嫌な気持ちはね、別にしてないのよ?」
龍田「ただ、その……少し、恥ずかしいだけ、だもの」
天龍「……」
龍田「ねえ天龍ちゃん」
天龍「なんだ」
龍田「どうして提督は、急にこんなことを始めたのかしら?」
天龍「……オレをいじるのに飽きた、とは言ってたな。だから標的をお前に変えた、と」
天龍「これだけ聞けばとんでもない上官だぜ。有能なのがまたタチ悪ぃんだけどよ」ケラケラ
龍田「……」
天龍「なあ龍田。わからねえのか?」
天龍「わからねえはずねえよな? こんなもんは建前だって」
天龍「他でもないお前にわかんねえはずねえだろ。お前と同じ程度には間の抜けた、このオレにわかってるんだからよ」
龍田「……」
天龍「なにが切っ掛けで、アイツがこんなこと始めたのか。本当はお前もわかってるはずだぜ?」
「お前が首から提げてはチャリンチャリンいわせてる――その指輪のせいだろうが」
龍田「……」ジャラ チャリン
天龍「お前がいつまでもそれを、薬指に嵌めずにいるからだろうが」
天龍「そのくせ後生大事そうにチェーン通して、手放さねえからだろうが」
龍田「……」
天龍「なあ龍田。いったいどうして」
龍田「天龍ちゃんは」
天龍「……」
龍田「私がなんて言って、この指輪を嵌めることを保留してもらったのか……提督から聞いた?」
天龍「オレが聞くわけねえし、アイツが言うわけねえだろ」
龍田「そうなのぉ?」クス
天龍「そうだよ」
龍田「だったら私が教えてあげるわね~?」
天龍「おいっ」
龍田「いいから。聞いて?」
天龍「……いいのかよ」
龍田「いいの」
天龍「……」
龍田「ねえ、天龍ちゃん? 私はね。あの人にね――」
コンコン
龍田「提督、龍田です」
提督「入りなさい」
ガチャ バタン
提督「そろそろ来る頃だろうとは思っていた」
龍田「……」
提督「どうやら……いよいよもって、その首に提げた物の去就を聞かせてくれるらしいな」
龍田「その前に」
提督「どうして急に龍田いじりなど始めたのか、か」
龍田「はい。教えていただけますか~?」
提督「お前が天龍をいじるのと同じ理由だ」
龍田「……?」
提督「惚れた女子をついいじめたくなるのは、日本男児の本懐である。ということだ」
龍田「……」
提督「……」
龍田「っ///」ボンッ
提督「納得してもらえただろうか?」
龍田「……想像以上に子供じみた理由で、ビックリしちゃいました」ハァ
提督「男子はいつまでも童の心を忘れないものだからな」
提督「見目麗しく心気健やか、そして長年支えてくれた女性に対して、そう面と向かって好き! だの愛してる!! だのとはなかなか素直には言えんものだ」ペラペラ
龍田「ぅぅ///」
龍田「今の言葉は訂正します……嫌な大人の目論み通り、ということですね~」ハァァ
提督「いい大人、と言ってくれ」クックッ
龍田「いい大人、ですか。確かに提督は、いい大人でいらっしゃいますね~」
提督「……」
龍田「あんな理由で、あなたにとって一世一代の賭けの勝ち負けを、保留してくださった上に……」
龍田「私の心の整理が付くまで、こうして秘書艦を外してくださったんですから」
提督「『天龍を一人にしたくない』」
龍田「……」
提督「あんな理由、などと蔑む必要はないと思うが。少なくとも私はそれで納得したのだからな」
龍田「でも天龍ちゃんには怒られちゃいましたよ~?」クス
提督「! 言ったのか?」
龍田「私をダシにして言い訳してんじゃないだろうな、って」
提督「それは違うっ。お前は間違いなく、心の底から天龍を大切に想っている」
提督「であればこそ、あの場で天龍を、その場しのぎの言い訳に引っ張り出すわけがない」
提督「だからあれは、お前の本心からの言葉だったはずだ」
龍田「……もう一つ言われました。筋は通せって」
龍田「オコトワリしたなら、この指輪もさっさと返すべきだろうって」チャリン
提督「……」
龍田「さすがの提督も、これには反論のしようがありませんよね~?」クスクス
龍田「私は時代遅れの軽巡洋艦。鎮守府の主幹戦力では決してあり得ない」
提督「……」
龍田「だからこの指輪は、100%提督の御好意の結実であって」
龍田「それに応えないというのならば、私はすぐにでもこれを、提督にお返しするべきであって」
龍田「よりこの指輪を効果的に運用できる艦に、渡すべきなので、あって」
龍田「なのに……それなのに、私は……」
提督「……」
龍田「私ね、思うんです。天龍ちゃんの名前を出したのは、やっぱり言い訳にすぎなかったんだなぁって」
提督「だから、それは」
龍田「提督が考えていらっしゃることとは、少し意味合いが違うんですよ~?」
提督「……では、どういう意味だ」
龍田「『天龍ちゃんを一人にしたくない』って、私は言いました」
龍田「でも本当は……私が、独りになりたくなかっただけなんです」
提督「龍田、が?」
龍田「なにしろ『龍田』も、『天龍』には置いていかれる側でしたから」
提督「……」
龍田「私がこの指輪を受け取ったとしても、天龍ちゃんは一人になんてなりません」
龍田「だってあの子にはもう、第六駆逐隊のみんなをはじめとして」
龍田「可愛らしくて頼りになる仲間が、いっぱいいるんですから」ニコ
提督「……」
龍田「……自分とあの子の間に、明確な区別が生まれてしまうことが怖かった」
龍田「あなたにとってのたった一人になってしまうのが、怖かった」
龍田「そうすることで、たった独りになってしまうんじゃないかと、怖くなった」
提督「……」
龍田「提督」
提督「なんだ」
龍田「長らくお待たせしてしまって、申し訳ありませんでした」
提督「……」
龍田「この指輪、お返ししますね?」
チャリン
提督「そうか」
龍田「……それだけ、ですかぁ?」
提督「ふむ。そうだな」ウデグミ
提督「今後の軍務及び日常生活において、一切の支障をきたさないよう配慮すると約束しよう」
提督「お前が気に病むことは何一つない。これまで通り職務に励んでくれ」
提督「お前が望むのならば二度と私の秘書艦には就けない。これも保障する」
提督「あるいは。この鎮守府に在籍する、そのこと自体が苦痛だというのならば」
提督「……転属を、視野に入れてくれても」
龍田「提督」
提督「……なんだ」
チャリン
龍田「はい、どうぞ~♪」ニコ
提督「……なんだ、これは」
龍田「なにって、見てわかりませんか? 指輪ですよ~?」
提督「これは私に返したんじゃないのか」
龍田「はい、返しましたよ~? ですから嵌めてくださいね~?」
提督「嵌めろと言われてもいったいどこに。自分で着けろと?」
龍田「やぁん、提督ったら冗談がお上手♪ いいからほら、提督の手で嵌めてくださいね?」
提督「だからどこに……」
「私の左手の、薬指に」
提督「………………………………は?」
龍田「あらぁ~。やぁっといじりがいのある、イイ顔になってくれましたね~」ニコニコ
龍田「私が最初にオコトワリした時でさえ、提督ったら顔色一つ変えないんですから~」
提督「……」ポカン
龍田「あのですね、提督?」
龍田「無条件で嫌いな相手なら、最初から天龍ちゃんの名前を出したりなんてしませんよ~?」
提督「えっ」
龍田「嫌なら嫌ってはっきり言って、ばっさり切り捨てて、指輪もその場で突き返してますから」ニコ
龍田「あのオコトワリも基本的には、前向きな気持ちでの保留のつもりでしたから~」ニッコリ
提督「……私の耳には、相応に丁寧かつ明白な拒絶の言葉と聞こえたのだが」
龍田「あら~? それはごめんなさいね~?」ニコニコ
提督「このドS艦め……」
龍田「いえいえ、提督には負けますぅ♪」ニッコニッコ
提督「くっ。だいたいお前は、天龍と離れたくないのだろう!」
龍田「提督と一緒になっても、天龍ちゃんと二度と会えないわけじゃないですし?」
提督「……だったら最初からそういう心持ちであってくれ」ハァ
龍田「ごめんなさいね? 私も私で、いろいろと葛藤していたものですから~」
提督「お前に断られた時は、正直目の前が真っ暗になった。あれでも内心泣きたい気分だったんだぞ」
龍田「あら~」ニコニコ
提督「あんまり惨めな気分だったから、ついつい憂さ晴らしにお前をいじめてしまったではないか」ハァァ
龍田「いえその理屈はおかしいです。さっきより一層子供じみた理屈になってます」
チャリン
提督「こほん。さて、折角もらった機会だ。まさかもう一度チャンスが来るとは思わなかったが」クックッ
龍田「……」
提督「あの時の台詞で、もう一度仕切り直そう。龍田、手を」
龍田「はい」
提督「……龍田」ギュッ
龍田「……はい」ギュッ
提督「私の生涯で、たった一人の女性(ひと)になってくれ」
龍田「そうしたら。そうしたら、あなたは」
提督「……」
龍田「私を一生、独りにしないと。そう、約束してくださいますか……?」
提督「ああ。約束する」
龍田「……」ギュッ
提督「私はお前を離さない。お前を独りにはしない。お前より先には沈まない」ギュッ
龍田「……」ギュー
提督「受けてくれるか、龍田?」チラッ
天龍「は、いっ……喜ん、でぇ」グスッ
雷「あわわわわ///」ドキドキ
電「ラヴシーンなのです……///」ドキドキ
天龍「……フフフ。さ、デバガメはこのへんにしとくぜ」
暁「ええっ。も、もうちょっと見ていたいような気も……///」ドキドキ
響「だ、ダメだよ暁。これ以上見ていたら見つかってしまうかも///」ドキドキ
天龍「とか言いつつ響、お前も見てんじゃねーか」クックッ
天龍「だいたいあの提督のことだ、覗き見なんざとっくにバレてるよ」
四人「「「「えっ」」」」
……ん?
脳内変換でやり過ごすんだ!
天龍「さっきチラッとこっち見ただろ? ありゃあ上映時間終了の合図だ」
天龍「オレらの行いなんざ、一から十までなにもかもお見通しだぜ、あのど畜生はよ」
四人「「「「……」」」」ゾクッ
天龍「そういうわけだからほれ、散った散った。まだお前らには仕事があるんだからな」
響「え?」
暁「仕事って?」
天龍「くっくっく、決まってんだろぉ? 天龍サマが愛する妹に送る、正真正銘最後の龍田いじりさ」ニヤァ
雷「うわあ」ドンビキ
電「天龍さん、悪い顔をしてるのです……」ドンビキ
天龍「フフフ怖いか? それじゃあお前ら、鎮守府中駆け回って、大声でこう言い触らしてくるんだぞ」
「我らが提督と龍田お母さん、ごケッコンおめでとうございます――ってな!」
明くる日
天龍「……」
『くっくっく、決まってんだろぉ? 天龍サマが愛する妹に送る、正真正銘最後の龍田いじりさ』
『フフフ怖いか? それじゃあお前ら、鎮守府中駆け回って、大声でこう言い触らしてくるんだぞ』
『我らが提督と龍田お母さん、ごケッコンおめでとうございます――ってな!』
青葉「以上。今週の『青葉見ちゃいました』は妹思いの世界水準軽巡洋艦、天龍さんのドヤ顔特集でしたっ!」
ワーパチパチ カンドウシタ! フフフコワイカ! フフコワイタダキマシタ! フフコワ! フフコワ!! フフコワ!!!
天龍「……っ///」プルプル
提督「いやぁ素晴らしい上映会だった」パチパチ
龍田「私、感動のあまり泣いてしまいそうでした~」ニコニコ
提督「妹思いの姉を持って、幸せ者だな龍田は」
龍田「はい~♪ 青葉さんを予め張り込ませておく程度にはなにもかもお見通しな旦那様を持てて、龍田は幸せ者です~♪」
天龍「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!」
艦!
いやー最後の最後ですべてが台無しでしたね
天龍と龍田ってね、こうね、字面が似過ぎててね、書いてる途中も十回ぐらい間違えたんですよ
っていう言い訳を顔真っ赤にしながらしてます
それにしても後半全然いじってなくてごめんなさい
本編的なものはこれで終わりです
こっから小ネタタイムに入るので、いじり成分とイチャイチャ成分はそちらで補充していただければと思います
それではひとまず、ご一読ありがとうございました
てっきり>>90の最後はドッキリだとばかり
それにしても天龍のドヤ顔がステキすぎる
乙
次は陸奥だな
乙
次は大井で
>>100
そんなひどいオチありえないでしょ(すっとぼけ)
>>108 >>110-112
すでに川内スレを書き始めてしまっているので、次回に関してはひとまずごめんなさい
大井っちは嫁なのでまた書きたいのですが、他に書きたいのがいっぱいあるので……
あとむっちゃんはネタが降りてきません(震え声)
あ、それから一応誤字訂正(笑)をしておきます
>>90の最後の行 天龍→龍田
なんでこんなとこピンポイントで間違えるかなもー
〈龍田揚げ〉
天龍「提督をいじりたい?」
龍田「そうなのよ~。私、あの人にはほとんど勝てたことがないんだもの~」
天龍「お前でほとんど勝負にならないってのは恐ろしすぎるな……」
龍田「難敵よね~……」
天龍「底の見えないヤツってのは本当のところ」
龍田「ああいう人を指すんでしょうね~」
>>113
スレ情報よろ
天龍「なあ龍田、お前アイツの嫁だろ」
龍田「///」
天龍「照れてんじゃねえ! なんかムカつくんだよ!」
龍田「あらあら~。それで、なぁに?」ニコニコ
天龍「なんか弱みとか知らないのかよ、提督の」
龍田「おバカさんね~天龍ちゃんったら。もし知ってたら、こうして相談なんてしないわよ~?」クスクス
天龍(こいつほんっとムカつく……!)プルプル
龍田「そんなに怒らないで天龍ちゃん? 実際問題、私はなにも思いつかないのよ~」
天龍「んなこと言われたって、アイツに関して俺が知ってることといやあ」
龍田「いやあ?」
天龍「……」
龍田「……」
天龍「あ。あるな。一つだけあるぞ」
龍田「あらあら~。てっきりなにも出てこなくて、天龍ちゃんのポンコツぶりが再証明される流れなのかと思ったわ~」ニコニコ
天龍(殴りてぇ……!)プルプル
龍田「朝ごはんは鯖を使った竜田揚げサラダです~」
提督「ほう。竜田揚げの発祥は『龍田』だったという説があるが、これはなかなか」モグモグ
龍田「お昼はトロトロ卵を絡めた竜田丼です~」
提督(龍田……トロトロ……どんぶり……うむ)モグモグ
龍田「お夕飯はシンプルに竜田揚げです~」
提督「えっ」
龍田「……お口に合いませんでしたか?」ウルッ
提督「頂こう」モグモグ
天龍「どうだった?」
龍田「言われたとおり、ご飯を一週間竜田揚げづくしにしてみたけど……」
龍田「微妙に釈然としない表情を隠しきれないながらも、ちゃぁんと全食完食してくれたわ~♪」ニコニコ
天龍「あの提督に弱みってのがもしあるとすりゃあ、それはたった一つ」
天龍「お前に惚れてることだ」
龍田「っ///」
天龍「それもベタ惚れのガチ惚れ。お前以外の女なんざアウトオブ眼中なレベルでな」ニヤニヤ
龍田「……ぅぅ///」プルプル
天龍「どんなにクソったれな食事を出されたところで、お前の料理なら残さず食うだろうよ」
天龍「なにせ惚れた女の手料理なんだからな」クックッ
龍田「まっ、ひどい言い草ね天龍ちゃんったら」プンプン
龍田「私だって提督を飽きさせないために、色々工夫したんだから~」
龍田「毎食揚げる具材を変えたり、添え物を工夫したり、下味や片栗粉の量を調整したり」
龍田「それはもう、旦那様のために手間暇かけて……ちょっと、天龍ちゃんったら聞いてるかしら~!?」
天龍「へいへい、お熱い竜田揚げのようでなにより。まったくごちそうさんだぜ」
艦!
もう一本いきますねん
>>116
紛らわしくてすいません、メモ帳に書きためているという意味です
スレ立てはまだしておりません
〈SMプレイ〉
提督「もう駄目だ死のう」
天龍「どうした急に!?」
提督「おお天龍か、私はどうやら普通の人間とはかけ離れた存在だったらしい」
天龍「今頃気が付いたのか……」
提督「聞いてくれ天龍」
天龍(あんまり聞きたくねえ)
提督「私は……私は……」
天龍「……」
提督「龍田に罵られても、まっっっったくドキドキしないんだ!!」
天龍「ふーん」
>>122
建てたらここのスレに情報よろしくね
提督「なんとしたことだその気のない返事は!」
天龍「だって、なあ?」
提督「冷静に考えてみろ天龍。龍田の罵倒だぞ?」
龍田『あら~? 本当にグズでノロマの能無しなんですね、提督ってば~』クスクス
龍田『あなたが息を吸えば吸うだけ、他の人の分の酸素が減るんですよ~? 呼吸してて申し訳ないと思わないんですか~?』クスクス
龍田『疲れちゃいました。椅子。ほら、なにボーッとしてるんですかぁ? 早く土下座してくださいよ、その上に座りますから~』クスクス
提督「ほら! 普通ドキドキするに決まっているだろう!」
天龍「わかるような気もするけど、やっぱわかりたくねえな……」
提督「画面の前の諸君だってわかってくれるはずだ!」
天龍「誰だよ」
提督「龍田の罵りにドキドキしてしまうのはごく一般的な生理現象のはずなんだ」
提督「それが起こらないということは、私の身体はどこかに異常をきたしているのやもしれん……」
天龍「あーそうかもね」
提督「納得できないか天龍」
天龍「あんまりな」
提督「ならば私が試みに、龍田のことを罵ってみよう。カモン龍田!」パチン
龍田「……」
天龍「えっ」
提督「来るのが0.02秒遅いな龍田。私の呼び出しにはコンマ5秒で応えろと申し付けておいたはずだぞ、この愚図が」
龍田「ご、ごめんなさい提督……///」
提督「私を提督と呼ぶな。その穴空きチーズのような脳みそでは二度言われんとわからんのか? 三度目は間違っても言わせるなよ」
龍田「あ、ああっ! も、申し訳ありません、旦那様ぁ……!///」
提督「そうだ私はお前の夫だ。汚らわしいゆえ私の影を踏むな。かといって横に並ぶなどおこがましい、三歩下がれ」
龍田「はい、はい! 仰るとおりに、旦那様ぁ……っ!!///」
天龍「……」
提督「そして。お前が私の前に立ってもよいのは」
龍田「はい旦那様///」
提督「私がこの手でお前を抱き寄せた時だけだ」ギュッ
龍田「はい、旦那様……///」ギュッ
提督「という具合に、龍田は大変ドキドキしてくれるのだが」ナデナデ
龍田「……♪」ウットリ
提督「これと逆のシチュエーションでのプレイだと、私はなかなか興奮できなくてな。どう思う天龍?」
天龍「知るかッ!!!」
艦!
>>124
このスレが残っていればお知らせしますが、おそらくsageてのお知らせになるのでご了承ください
当スレは次回でネタが尽きるので終了の予定です
ご一読ありがとうございました
〈演習〉
龍田「それじゃあみんな、今日も一日がんばりましょ~」ノ
夕立「おー!」ノ
島風「おぅ!」ノ
時雨「……お、おー///」ノ
天龍「アイツ、今日は遠征艦隊の旗艦か。この頃多いな?」
提督「龍田が妙に積極的でな。それも決まって水雷戦隊の旗艦だ」
天龍「ふうん……?」
ザバーン
天龍「お、帰ってきたな」
龍田「提督~天龍ちゃんも~♪ 第二艦隊、ただいま帰投いたしました~」
提督「ご苦労。後で報告書を提出しておいてくれ。随伴艦の諸君は?」
龍田「一足先にお休みしてもらってます~」
提督「そうか。彼女らの働きはどうだった」
龍田「それはもう。元気いっぱい、走り回ってくれましたよ~?」ニコニコ
天龍「……なあ龍田」
龍田「なぁに、天龍ちゃん~?」
天龍「最近水雷戦隊の指揮を自分から買って出てるそうだが、いったいどうしてだ?」
龍田「……」チラッ
提督「?」
龍田「///」
天龍「??」
龍田「えっとね、あのね? わ、笑わないで聞いてくれるかしら~?」モジモジ
提督「当然だ」
天龍「内容によるな」ニヤ
龍田「もぅ。愛しの旦那様に比べて、愛しの姉のいじわるなこと」クス
天龍「で、なんでだ?」
龍田「……」モジモジ
提督「龍田、私も興味がある。差し支えなければ聞かせてもらいたい」
龍田「あのですね……その、つまりぃ……///」
提督「つまり?」
龍田「しょ、将来に向けて、備えているんですよ~?」
天龍「将来の備え? ジャリガキどものお守りがか?」
提督「なんの備えだ?」
龍田「……っ///」プルプル
「こ、子供ができた時のために、です~……」
提督「……」
天龍「……」
龍田「///」
提督「」ダキッ
龍田「ひゃうんっ!?///」
天龍「おう、お姫様だっこ」
提督「……」ギュー
龍田「んっ、え、あ、あの、あのあの? ていと、くぅ?///」
提督「霧島に通達。現時刻を以って本日すべての軍務を終了する。以降払暁まで、緊急連絡以外は私に取り次ぐな」
龍田「!?」
天龍「了解……そんなんでも大切な妹だ。どうかお手柔らかに頼むぜ」ナムナム
龍田「だったらどうして手を合わせて不吉なことを呟いてるのかしら天龍ちゃぁん!?」ジタバタ
提督「保証はしかねる」
龍田「!?!?」
提督「……今夜は寝かさんぞ、龍田」ボソ
龍田「………………ぷしゅー///」グテー
艦!
はい、じゃあラスト一本いきます
お話同士に前後の繋がりはありません(迫真)
〈夢〉
龍田「っ、はぁ、っっ!」バッ
龍田「……」
龍田「すー、はー……はぁ、はぁぁ……」
龍田(いけない、静かにしないと。天龍ちゃんを起こしちゃうわ)
提督「夢でも見たか」
龍田「!!」ビクッ
提督「お前の隣に伏しているのはもう天龍ではないぞ」
提督「天龍だったとしても、打ち明けてやるべきだろうがな」
龍田「……」
提督「どうした。意識もあまり定かでないか」
龍田「……とりあえず私は、襦袢を着ていますよね~?」
提督「夫婦だからといって、夜毎生まれたのままの姿で抱き合わねばならん法もあるまい」クックッ
龍田「そのあたりの記憶さえ、曖昧でした……」ハァ
提督「それほどに夢見が悪かったか」
龍田「……」
提督「……」
龍田「時々、見るんです。潜水艦の夢を」
提督「潜水艦……そうか。お前が沈んだ時の」
龍田「違います」
提督「なに?」
龍田「私を沈めた潜水艦、じゃなくて」
龍田「私が……『龍田』が沈めた、潜水艦の夢です」
提督「……佐世保港外演習、第43潜水艦」
龍田「……」コクリ
龍田「潮流は速く激しく、救助は遅々として進まず」
龍田「少しずつ少しずつ酸素が減っていく、暗く静かな地獄の底で」
龍田「……人としての尊厳を失うことなく、整然と殉職していった乗組員45名」
提督「……」
龍田「彼らの最期を夢に想うたび、とみにこの頃、思わずにはいられないんです」
龍田「ああ、私……こんなに幸せで、いいのかなぁ、って」
提督「……」ギュッ
龍田「なにも、言ってくださらないんですね」
提督「口が達者な方ではないからな」
龍田「まあ、どの口が?」クス
提督「……なにも言えないんだよ」
龍田「……」
提督「お前は、『龍田』は悪くなかった、などと軽々しくは言えない」
提督「お前の苦悩と自責の年月に対して、それはあまりに無責任すぎる」
龍田「……」
提督「ただ。お前が悪かったのだと、お前の気が済むまで悪し様に罵ることも……したくはない」
龍田「……ぜぇんぶ、お見通しなんですね~」クス
提督「当然だ。なにしろお前は、私の愛する伴侶なのだから」
龍田「……」
提督「だから、こうすることしかできないんだ」ギュッ
龍田「……じゅうぶんですよぉ?」ギュッ
提督「そうか」
龍田「はい……♪」ギュー
提督「龍田。夢を見よう」
龍田「夢、ですか?」キョトン
提督「いつか、この海が平和になったら」
龍田「ケッコン早々未亡人になるのは嫌ですよ~?」
提督「茶化すな。いつかこの海が平和になったら……」
龍田「なったら?」
提督「暁に浮かぶ水平線の美しさを、私たちの子にも見せてやろう」
龍田「!」
提督「そういう夢を抱いて、二人一緒に生きていこう」
龍田「……っ、う……ん、ぇ、ええっ」コクコク
提督「嫌だったか?」
龍田「いや、なわけっ、ありません~……!」グスッ
提督「それはよかった。龍田」
龍田「は、い」ゴシゴシ
提督「好きだ、龍田。愛している、龍田。ずっと隣にいてくれ、龍田」
龍田「……はい。私も好きです。私も愛してます」
龍田「ずっと、ず~っと。一生、死ぬまで。旦那様のお側にいますから……♪」ギュー
提督「そうか」ギュッ
艦!
_______
/ \
/ ,.. -‐‐- 、 \
}∠,..完__これ_ \ \
/.:.:.:./ \|\:.:.:.\\ ,
,′i:/n n\i:.:.:.:.i‘, }
. i:人| U U l:.:.:Λ:‘,/
<人( ,':.:./__):.∠ニZ
/:.个: . __▽__ ,./:∠:._{>o<}
{:.:.:‘,( ) ( )__L/´ /:.:.|
人:.:.:.: (・x ・l ト--{〉 ノi:.:./
`¨¨´| |___,.{ 、_,.ノ
| | \
| |___ __/
/ | |_|
⊂ノ⊂ノ 」.|
大井っちと比べるとそこまでゲロ甘にはなりませんでした
書いていて思いましたが、オコトワリ勢にケッコンを申し込むというのもなかなか粋なものですね
というわけで龍田スレ完です
次は川内スレを予定しております
目指すは夜戦バカップル
なおR-18に類する描写は一切ございませんのでご了承ください
立てたらこちらでもご報告申し上げるので、気長にお待ちくださいませ
それでは今まで、ご愛読ありがとうございました
気長にお待ちください(長く待たせるとは言ってない)
思いの外筆の滑りが良かったので立てちゃいました
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「ほう、ということは」
川内「昼戦で敵を殲滅しそこねたよー!」提督「と、いうことは」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405866119/)
新スレでもよろしくお願いいたします
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません