幼馴染「あのさー、可愛い幼馴染が学校に誘いに来てんのになんでパソコンやってんの?意味わかんないんだけど」
オタク「...うるさい、出てけ」カタカタ
幼馴染「は?ムカつく、あんたが学校来ないからわざわざ来てやってんのに」
オタク「頼んで...ないし.....」
幼馴染「...はー、わかりましたよーだ。死ね!」ゲシッ
幼馴染「...また来るから」ガチャ
幼馴染は部屋から出ると、そそくさと家から出ていった
オタク「...チッ」
オタク「.....わかってんだよ...クソ...何で俺、こんな惨めな生活...」
※初SSです
※語彙力や構成力の無さ注意、書き溜めもなしなのでゆっくりです
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1405072167
オタク[.....ちくしょう...」
頭を抱え、苦しそうに呻くオタク
暫くすると静寂が部屋を包んだ
コンコン
部屋のドアがノックされる、それを聞き、オタクは顔を上げる
オタク「....どーぞ」
母「.......」ガチャ
母「ねぇ、幼馴染ちゃん...怒ってたけど、アンタ何かしたの?」
オタク「入ってきてそうそう何だよ...どうでもいいだろ、母さんには関係ないだろ」
母「あんないい子なのに...」
オタク「うるせぇ!出てけよ!!」
母「...ッ.....わ、わかったわよ...」
母「......アンタ、学校...考えなさいよ」
母「じゃ..」ガチャッ
オタク「...........」
オタク「なんなんだよ」
オタク「...シコッて寝るか」カタカタ
____________
翌日
オタク「...ん...なんだ...重...」
幼馴染「おっはー、お目覚め?」
オタク「...重いんだけど、どいてくれねぇ?」
幼馴染「いいよ、学校行くならね?」
オタク「ざっけんな...」
幼馴染「じゃあどいたげる、でも、オタクが学校行かないなら私も行かないから」
オタク「はぁ!?」
オタク「ふざけてんのか、テメェ...」
幼馴染「大真面目だけど?」キョトン
オタク(.....こいつ...昔からこうだったよな...チッ...)
幼馴染「...?」
オタク「わーったよ、今日だけな..ハァ.....」
幼馴染「...!!」
ぱぁあ、と幼馴染の顔が明るくなった
幼馴染「ありがとーッ!!」
全身をオタクの体に乗せ、本当に嬉しそうに抱き着いた
オタク「だーっ!重いっつってんだろ!どけ!!」
幼馴染「むー...女の子にそんなこと言っちゃダメでしょ?」
オタク「知るかよ...」
久々の制服、どうやら大きめに発注してたのが幸いしたようだ
いや、むしろもう少し小さくてもいいだろうという程大きめの制服をしかめっ面で着ていくオタク
さながら、ハローワークに向かうニートのような気怠さであった
オタク「あ”-...ダル....」
幼馴染「はよー、まだー?」カタカタ
オタク「...おい、何で俺のPC弄ってんだクソアマ」
幼馴染「えー?だってオタク、着るの遅いし?早めに来てよかったよー、うん」カタッターン
真顔でパソコンを弄り続ける幼馴染
オタクは深く溜息をつきながら、さっさと制服を着ていく
オタク「つーか着替えっつったら出てけよな...」
幼馴染「何女みたいなこと言ってんのさ、私たち一緒に風呂入ったりするじゃん?」クルッ
椅子を回転させオタクに顔を向ける
足を組み、短くも長くもないスカートの中をギリギリ見えないようにしている
だが太ももは丸見えだ、オタクは目のやり場に困り顔をそらす
幼馴染「?どしたん?」
首を傾げオタクに問う
オタク「....お前、スカートな...って風呂入ってたのって小学校までだろうが...いつの話だよ...」
頭を掻きながらむすっとした表情で愚痴るオタク
幼馴染「んー?ほうほう...?」
ゆっくりと立ち上がりオタクに近づく幼馴染
オタク「...んだよ」
幼馴染「まさかぁ...?オタク、これがいいの?」ピラッピラッ
下着が見えそうになるまでスカートを上げる
オタクは舌打ちし、目を瞑り見ないようにする
幼馴染「んもー、パンツぐらい幾らでも見せてやるのにー?」クスクス
愉快そうに笑い、ぱっとスカートから手を離す
幼馴染「ほいっ、着替えも終わったっぽい?んー、いいじゃん?」
オタクの全身をじろじろと査定するように見る
オタク「見んな気持ちわりぃ、それよりPCで何してたんだよ...」
思い出したようにパソコンの画面を見るオタク、そして数秒固まり___
____悲鳴が窓を割らんばかりに響いた
オタクの基準ってなんなんだろ
見る限り引きこもりにしか見えんが
幼馴染「幼馴染として当然のことをしたまで!」
ふふん、と得意げに威張る
パソコンの画面には、昨日オカズにしたエロ動画サイトが表示されていた
オタク「あ、ああああ、お、おまっ.....!」
しどろもどろになるオタクは、よろめきベッドに座り込む
幼馴染「いやー、まーね?オタクも男じゃん?そりゃあ...ボソボソ...の、一つや二つ...するとは思ってたけど...」
幼馴染「....あの、この子...私に似てない?」
頬を赤くしながらオタクを見据える
オタク(うっ...バレた...!!)
昨日の夜、たまたま幼馴染と似た女の子のエロ動画を見つけたのだ
鬱憤を晴らす目的で、その子を幼馴染に置き換え、自慰をしたオタクは反論できなかった
幼馴染「....キモいんだけど!!」
かぁああ、と顔を真っ赤にし叫ぶ
オタク「ご、誤解だ!!!」
>>7
(正直自分もよくわかってません...オタク、の方が呼びやすいのでそれにしましたっ)
幼馴染「誤解...?」
肩で息をしながら、少し落ち着いた様子で聞き返す
オタク「...たまたまだよ...テキトーだテキトー、自意識過剰なんだよ、お前。キモいのはどっちだよ」
幼馴染「....そっか、だよね」
まだ顔が赤いまま、どこか残念そうな表情を浮かべ目を伏せる
お互い無言が続く
幼馴染「...ま、いっか...さ、学校いこ?」
オタク[...おう」
パソコンの電源を落とし、オタクと幼馴染は家を出ていった
幼馴染「..ごめんね?さっきは取り乱して...」
オタク「いーよ別に、うるさいのは何時もの事だし」
幼馴染「.....迷惑?」
オタク「あぁ、迷惑だ...すっげぇ迷惑、ったく...ホント今日だけだぞ...」
幼馴染「ん、ありがと...」ニコ
幼馴染「...久しぶりだよね、こうして一緒に歩くの」
オタク「そーだな」
オタクはスマートフォン片手に、曖昧に返事を返す
すいません、一旦席を離れます...少し時間がかかるので、気長に待っていただけたら有難いです
(あと、オタクである必要が無さそうに思えてきましたが、今更変えるのも何なのでこのままでいきます)
思ったより早く戻れました...書いていきます
幼馴染「...ねぇ、いつからだっけ」
オタク「ん?」
幼馴染「私と、一緒にいてくれなくなったのって」
オタク「さぁ、知ったこっちゃねぇし、どうでもいいじゃん」
幼馴染「...うん、今、一緒にいるんだし...いっか」
オタク「何だ?もしかして俺の事好きとか?」
はっ、と自嘲気味に鼻で笑う
幼馴染「もしそうだったら?」
オタクはスマートフォンをポケットに入れ、顎を触りつつ思案し
オタク「気持ち悪ぃから、二度と近寄らねぇな」
きっぱりと、そして「近寄らない」という言葉を強調して言った
幼馴染「....そ、そっか...」
オタク「あぁ」
幼馴染「......」
オタク「...........」
それから十数分、無言が続き
やがてオタクと幼馴染の通う学校に着いた
オタク「じゃ、これで」
幼馴染「あ...」
オタク「...んだよ」
幼馴染「...クラス...覚えてる...?」
オタク「ざっけんな、子ども扱いかよ。お前と違うクラスだってことぐらいはわかる」
幼馴染「...なら、いい...ごめん」
オタク「ふん」
申し訳なさそうに首を垂れる幼馴染を残し、自分のクラスへと向かう
オタク(あぁ、なんであいつはいつも御節介なんだ、クソ、気分が悪い)
心の中で悪態をつきながら教室のドアを開ける
ざわっ、と教室の中がざわめく
「おい..あいつ....」「オタクだ、登校してきやがった...」「うげぇ...」
オタク「....チッ」
聞こえる悪口を無視し、席に座る
DQN男「あー!!っとぉ!!!」
椅子を横から蹴り、オタクごと転倒させる
オタク「....っつ...」
顔をしかめ、DQN男の顔を見上げる
DQN男「はは、ごーめん、オタク君」
へらへらと愉快そうに笑いながら手を差し伸べる
オタク「......別に」
それだけ言うと、手を取ることもなく椅子を戻し再度座る
DQN男「おい」
DQN男「おいおいおいおいおいおい」
DQN男「無視ですかァ?」
オタクの顔を覗き込み、睨み付ける
オタク「...は?別に、つったろ...」
オタクは内心恐怖を覚えながらも、反抗する
DQN男「あー、うぜぇ、少し優しくしてやろーかと思ったけどやっぱ無理だわ」
オタク「....」
DQN男「キモ、無言かよ」
胸倉を掴み、オタクに殴りかかろうとし
「やめなさい」
オタクの眼前で、拳は止まった
DQN男の腕を、がっしりと掴んでいるのは
オタク「...委員長」
黒く、長い髪、そして眼鏡という委員長というものをそのまま体現したような女であった
委員長「DQN男君、学校内での暴力はやめてもらえないかしら?」
DQN男「....ジョーダンだよ、ジョーダン」
ばっとオタクから手を離し、居心地悪そうに自分の席へと座る
委員長「...ふぅ、大丈夫?」
オタク「ども、大丈夫っす」
委員長「ふふ、そう畏まらなくてもいいのよ?」
オタク(...なんか...大人っぽいっつーか...なぁ.....)
委員長は凛々しく、大人びた雰囲気にオタクはつい頭を下げてしまう程であった
委員長「怪我がなくてよかった、大丈夫、私はこういう時の為の委員長だもの」
オタク「...はぁ」
委員長「あっ、そろそろ授業ね...」
オタク「あざす、大丈夫なんで戻ってもらってもいいっすよ」
委員長「そう?また何かあったら呼んでね」
微笑むと、委員長も自分の席へと帰った
オタク(やっぱ学校なんてクソだ)
オタク(入学する前は必死に勉強もした)
オタク(けどよ、高校生活なんてただ勉強して家に帰るぐらいしかないし)
オタク(部活も、いいのないし...趣味の合う奴もいねぇ)
オタク(...まぁいい、今日だけだ)
オタク(今日で、終わりなんだ)
オタク「....俺の居場所は、家だけか」
オタクは授業中も、ひたすら寝た
はやく終わってくれ、その願いとともに
オタクのスペックは?
(俺は幼馴染も、あのDQN男も、母さんも嫌いだ)
(...委員長)
(彼女は別に危害も加えてこないし、むしろ守ってくれる)
(ま、一応感謝はしとこう)
______________________
昼休み
オタク「...ん、ぅ...」
オタク「.....昼か」
顔を起こし、目を擦りながら欠伸をする
オタク「........うわ」
机には涎が垂れており、ねばぁっとした感触があった
オタク「オタク汁ー...なんてな、ハハ」
鞄からタオルを取り出し、さっと拭いた
オタク「..笑えねー」
大きく溜息を吐いた
オタク「さっさと弁当食って寝るか」
タオルを入れるついでに、弁当を取り出した
>>21
想像にお任せしようと思いましたが、平平凡凡と言っておきます
性格や物腰などがよく、勉強も普通にできればモテるんじゃね?みたいな感じでお願いします
つまり顔はそこそこなのか
惨めでこんな生活してんの?
幼馴染「やっほー!」
がらっと音とともに、教室の扉が開き
オタク「げっ...」
幼馴染が、オタクの教室へと入ってきた
幼馴染「オタクー、昼飯まだでしょ?一緒に食べよ?」
オタク「お前、友達幾らでもいんだろうが...そいつらと食えよ...」
幼馴染「今日は先着あるって言っちゃったもん!さ、食べよ?」
オタク「うぜぇんだよ」
オタクは席を立ちあがり、幼馴染を一瞥し弁当を持って教室から出ていった
幼馴染「あっ...」
大人しく見送ってしまった幼馴染は、寂しげな顔で俯いた
幼馴染「オタク.....」
ざわざわとクラスの中が騒ぐ
「え?何?オタクと幼馴染ちゃんって...?」「いや、ないでしょー...」
委員長「....」
委員長「ねぇ」
幼馴染「...は、はいっ?」
ぱっと顔あげ、委員長を見る
委員長「オタク君とどういう関係なのかしら」
幼馴染「え?どういうって....」
>>24
ただオタクは、この性格と趣味のせいで孤立気味というわけです
>>25
オタク自身が惨めと感じている、と言えばいいのか...
言葉をあまり知らないので、少し説明が大雑把というか矛盾する点もありますが、ごめんなさい(
幼馴染「それは..」
幼馴染「ただ、古くからの知り合いです」
委員長「.....そう」
それだけ言うと、委員長は教室から歩いて出ていった
幼馴染「...オタクと一緒に、食べたかったな」
続いて幼馴染も教室を後にした
___________________
学校 屋上
オタク「...よっ、と...」
オタク「ここなら、誰もいねぇだろ...普通立ち入り禁止だし」
オタク「幼馴染ってあんなベタベタする奴だったか...?」
オタク「まぁ、どうでもいいけど」
その場に座り、弁当を広げ
オタク「いただきます」
黙々と食べ始めた
「あーっ、アンタ、オタクっしょ?」
オタク「!?ゲホッゴホッ」
「うーわ!汚い!ちょ、吐かないでよ!?」
オタク「...ビッチかよ」
ビッチ(?)「ビッチじゃねーよ!!ギャルだよこの根暗!!」
ばし、とオタクの頭を叩き憤慨する
ギャル「ったく、んで、どしたの?アンタがガッコー来たってゆうから信じられなかったんだけど」
ギャル「相変わらず暗すぎ!キモい!!」
笑いながらオタクを指さし
オタク「るっせーよ...っつーかほぼ初対面の癖に馴れ馴れしいな」
ギャル「んー?アタシ、こういう性格だし」
金髪の髪を弄りながら答える
ギャル「てゆーかさ、一人メシ?うっわ寂しくね?」
オタク「黙ってろ」
ギャル「おーこわ、そりゃDQN男にいじめられんのもわかるわー」ケラケラ
オタク「出てけ出てけ、ここは俺の場所だ」
ギャル「うぃ、りょーかいっ」
にへら、と笑い少し小馬鹿にしたように敬礼し
ギャル「じゃーこれ、貰ってくね?」ヒョイ
オタク「あっ」
ギャル「ん..まひほはひー」モグモグ
オタク「から揚げ...最後にと取っておいたのに...」
ギャル「...ん」モグッ
ギャル「ごちそーさん、美味しかったよ」ニコ
オタク「そりゃよかったな」
しっしっ、と手で追い払うようにし
ギャル「礼は今度してやるから勘弁勘弁!んじゃまたねーっ」
スキップのように軽く走りながら屋上から出ていく
オタク「...はぁ」
オタク「ん...?また今度...?」
オタク「....どうでもいいな」
そして俺は屋上で昼休みを過ごした
曇りということもあって、なかなか涼しくて...寝そうになってしまったな
まぁ、次の授業も寝るだろうし、一応起きてたが
_____________________
放課後
チャイムが鳴り、ホームルームが終わる
「「「「ありがとうございましたー」」」」
先生「はい、お疲れ様です。気を付けて帰ってくださいねー」
「はーい」「うぃーすっ」
などと、いろいろな返事が返る
VIPからきますた
おもしろい
>>32
あ、ども、見てくれてありがとうございますっ
オタク「さて」
オタク「帰るか...」
今日一日、どうしてた?
寝て過ごした、これじゃあ家と変わらないな
そう感じながら、オタクは疲れたのか机に突っ伏した
オタク「.............」
「ちょっと、ねぇ」
オタクの肩を誰かがちょいちょい、と小突く
オタク(この声は....)
____________
少しここで安価を
声をかけたのは、誰か
幼馴染
委員長
ギャル
のうち、三人のどれかを選んでください
安価 >>37
委員長
オタク「委員長...」
委員長「もう、寝るならちゃんと家で寝なさい」
委員長「...まぁ、授業中も寝てたみたいだけど」クスクス
オタク「う...すいません...」
委員長「いいのよ、あんなに気持ちよさそうに寝てたから、起こせなかったけど」
小さく微笑みを浮かべながら言う委員長にオタクは疑問を抱いた
オタク「見てたんすか?」
委員長「!!」
委員長「え、と...あの、そうじゃなくてねっ」
委員長「寝るの、DQN男君とキミぐらいだし...つい、目に入っちゃうっていうか」
委員長「とにかく、気にしないで!」
少し焦った様子の委員長を見て、オタクは首を傾げる
オタク「まぁ、別にいいっすけど...」
委員長「ほ、ほら、帰らなきゃっ!」
委員長「あ、もしよければ送ってこうか...?」
オタク「え?いや、大丈夫っすよ?」
委員長「...そう?」
オタク「それに、幼馴染の奴も待ってるだろうし」
委員長「...そう」
委員長「じゃあ...私はこれで」
オタク「ん、さよならっす」
委員長は先に教室から出ていき、オタクは暫くぼーっとしてから出ていった
__________________
校門前
幼馴染「遅いなぁ..あいつ」
幼馴染「すっかり夕方だよ..」
オタク「おう、待たせた」
幼馴染「!」
幼馴染「おっそーい!!どんだけ待ったと思ってんの!」
むっとした表情でオタクを見る
オタク「わりーわりー、ちょっと寝そうになっててな」
幼馴染「はぁ...?意味わかんない...もう」
幼馴染「まぁいいや、帰ろっ」
オタク「おう」
オタクはそれだけ返事し、どんどん歩いていく
幼馴染「あ、待ってよー!」
オタク「知るか」
オタクの歩調に合わせ、幼馴染は横を歩く
幼馴染「でねー、こんなことがー...」
オタク「........」
幼馴染の話を聞いてはいるが、相手をしようとはしない
まるで何もないかのように、オタクは気にもせず歩き続ける
幼馴染「...っと、そろそろ家だよ」
オタク「あぁ」
やっと返事をしたオタク、家の屋根が見える
終わった、これでもう戻れる
俺はいつも通り、家に籠って
誰にも邪魔されず、ただ生きる
そうだ、撮りためたアニメも見なきゃな
オタク(....幼馴染も、やっと俺の家に来なくなるか)
オタク(これでいいんだ、こいつは)
オタク(俺なんかといたらきっと、不幸になる)
オタク(だから、俺のそばにいちゃいけない)
オタク(....ごめん)
幼馴染「じゃあ...私も、帰るね」
寂しげに笑いながら、オタクに手を振る
オタク「おう、じゃあな」
幼馴染「またね」
オタク「またね、じゃねぇよ」
オタク「もう、俺の部屋にも入るな」
幼馴染「...うん、ごめんね、私...」
幼馴染「...じゃ、さよなら」
オタク「あぁ」
オタクは幼馴染に背を向け、あとわずかの距離の家へと向かった
オタク「ただい...」
家のドアを開こうとした瞬間
「きゃあっ!!」
短い叫び声が聞こえる
オタク「!?」
オタク「幼馴染!!」
ばっと道に出て、幼馴染を探す
どこだ、どこにいる
頭を振り、懸命に探した
オタク「...!」
やっと見つけた、そこには
DQN男「へへ...」
幼馴染「..っ...ぅ...」
オタク「お前っ...!!」
DQN男が幼馴染を捕まえ、首に小さいが、よく切れそうなナイフの刃を向けていた
オタク「何しやがる!!」
声を荒げ、顔は怒気に満ちていた
DQN男「ひゃは、テメー、今日...よくも俺に楯突いたなぁ?」
オタク「だからなんだよ!幼馴染は関係ないだろうが!!」
DQN男「るっせぇ!!テメーが大人しくボコられてりゃあよかったんだよ!」
DQN男「だから...テメーはちょっと痛い目見てもらうしかねぇよなぁ?」
オタク「くっ...!!」
オタク「.....やめて、くれ」
オタク「なんでもするから」
DQN男「...ククッ、最初からそうしてればよかったんだよ」
DQN男は幼馴染から手を離す
オタク「.....」
鞄を置き、ただ動かずに立って
オタク「さぁ、好きにしてくれ」
腕を広げ、目を閉じた
DQN男「カッコいー!」
ひゅう、と口笛鳴らしながら走り出す
DQN男「殺しはしねぇ、ただ痛いだけだから我慢しろよぉ!」
オタクまでの距離、あと5m程
幼馴染は何が起きたのか理解できていない、涙を流しながらそれを見ていた
そして、今、オタクへとナイフが刺さろうとした瞬間
DQN男「うぐっ..!?」
オタクの足へと向けられたナイフは、刺さる寸前で止まっていた
DQN男が顔を、自分のナイフを持っている腕を掴んでいる手を見て
全身から、汗が噴き出る
委員長「....」
無言でDQN男の腕を掴んでいるのは、委員長だった
DQN男「い、いでぇっ!!」
ギリギリと男の腕に力がこもる
委員長「何を、しているの?」
DQN男「黙れよっ!!なんだよ、なんだよ!邪魔なんだよ!!」
苦痛に顔をゆがませながら大声で叫ぶ
やがて男の手からナイフが落ち
委員長「.....」
まるで機械のような冷徹な目で、ナイフを見据え
空いている片手で、ひょい、とそれを持った
委員長「オタク君をね、傷つけちゃあ」
委員長「だめでしょ?」
すぱっ
DQN男「あ________________」
DQN男「ぎゃぁああああああッ!!いでぇ!いでぇえッ!!!」
DQN男の太ももから、血が吹いた
すぐに崩れ落ち、うずくまり、泣き始めた
オタク「な、何...が」
オタク「何を、したんだ...?」
幼馴染「....え」
幼馴染もまた、オタクと同じく理解に時間がかかった
委員長が、DQN男を切った
委員長「違う、そうじゃない」
委員長「私が聞いているのは」
委員長「オタク君に何をしているのって聞いてるの」
顔や服を、飛んだ血が赤黒い模様を作った
DQN男「あ....ゥ....病..院....」
必死に這いずり、逃げようとする男
委員長「もういい」
ドスッ
手の甲を一突きにし
DQN男「あ___がッ」
グチュッ...
抉るようにナイフを動かす
DQN男「ぅ....」
男は痛みのあまり、気絶してしまった
オタクはその間に幼馴染の元へと駆け寄り、抱き起し
オタク「___おい、委員長」
委員長「どうしたの?」
放課後、教室で見せたような笑顔をし、返事をした
オタク「何してんだよ」
委員長「キミを助けただけだよ?」
オタク「ふざけんな」
オタク「委員長...お前、どうしたんだよ」
委員長「だから、助けただけだよ」
委員長「キミが、あの頃してくれたように」
委員長「あれは私が小学生のころ」
委員長「眼鏡で暗い、というだけでいじめられていた」
委員長「でも、その中でキミは助けてくれたよね」
委員長「私を助けたら、キミもいじめられるのに」
委員長「キミは、大丈夫だって言って、ずっと助けてくれた」
委員長「私はすぐに転校したけど、覚えてるの」
オタク「....あぁ...確かにそんなこともあった」
オタク「そうか、委員長は...お前は、あの時の」
委員長「そうだよ」
委員長「キミに助けられて、私は生きている」
委員長「キミがいなかったら、私はきっと、もういない」
委員長「だから、一生をかけて私はキミのそばにいたい」
委員長「同じ高校に入学したのも、それが理由だよ」
オタク「.........でも」
オタク「こんなのは、間違っている」
委員長「そんなわけない」
委員長「間違ってない、きっと間違ってない」
委員長「キミは私のものなの」
幼馴染「....ない」
委員長「...?」
幼馴染「あなたなんかに、こいつは渡さない!!」
委員長「...うるさい」
オタク「...!!」
オタク「逃げるぞ、幼馴染!」
ぐっと腕を引っ張り、幼馴染を無理やりにでも走らせる
委員長「キミは、絶対私が」
DQN男の手からナイフを抜くと、オタク達を追いかける
__________________
オタク「はーッ、はーッ...!!」
幼馴染「はぁ...はぁ...っ」
どれぐらい逃げただろうか、二人は工事現場のような場所に来ていた
オタク「...ここまで、くれば...」
幼馴染「....助かった...?」
オタク「...ふぅ」
オタク「...........」
オタク「ごめん」
幼馴染「...?」
オタク「俺のせいで、危険な目に合わせた」
オタク「やっぱりこうなった、俺といると、お前も不幸になった」
オタク「DQN男も、委員長も」
オタク「全部おれのせいだ...」
幼馴染「そうじゃないよ」
オタク「えっ?」
幼馴染「私は、オタクといると幸せなの」
幼馴染「だから、私は不幸なんかじゃないよ?」
オタク「幼馴染...」
オタク「....よし」
オタク「ここにいろ」
幼馴染「ど、どうして?」
オタク「危険だ、来るな」
幼馴染「だ、だったら私も行く!!一人より二人でしょ!?」
オタク「だめだ」
オタク「これは、俺がやらなきゃいけないんだ」
オタク「大丈夫、死んだりはしない」
オタク「お前が、待っててくれるなら」
幼馴染「.....うぅっ...」
涙をこぼしながら呟く
幼馴染「きっと、約束...」グスッ
オタク「あぁ、勿論だ」
こくりと頷き、ぎゅっと手を握る
オタク「じゃあ、行ってくる」
幼馴染「...うん」
溢れる涙を拭きながら、笑顔で見送る
_____________
オタク「よぉ」
委員長「あ..やっとわかってくれたの...?」
委員長は焦点のあっていない目でオタクを見る
オタク「わからねぇよ」
オタク「だから、否定する」
オタク「お前の思いなんか、知ったこっちゃねぇ」
オタク「これ以上、誰も不幸にしちゃいけないんだ」
オタク「だから、もうやめてくれ」
委員長「.....嫌」
委員長「嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌!!」
委員長「なんで私の思い通りにならないの!」
オタク「俺もだ」
オタク「俺も、思い通りになったことなんてねぇよ」
オタク「だから、力づくでも思い通りにさせてもらう」
委員長「...そっか」
委員長「力づくで、キミを奪えばいいんだね」
委員長「ありがとう、わかった」
赤く濡れたナイフの刃先を、オタクへと向ける
委員長「ちょっと傷つくけど、仕方ないよね」
オタク(...けど、どうする)
オタク(委員長は、DQN男よりも強い)
オタク(そのうえ刃物も持っている)
オタク(正直絶望的状況だ.......)
委員長「....死んでも、いいよ」
ゆっくりとだが、だんだんと近づいてくる委員長
オタク(やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい)
後ろに下がる、すると足元に何かが落ちていた
オタク「...これは」
握り拳ほどの大きさの、石だ
オタク「.....これに、賭けるか..?」
それをさっと拾い、後退りし続ける
委員長「.....あぁああああっ!!」
だっ、と走り出す
オタク「なっ..ぐっ!!」
半ばやけくそでその石を委員長目がけ、投げた
委員長「...っ!!」
石は委員長の頬を、そして耳を掠めた
オタク「失敗...!?」
委員長「...死んでっ!」
あっさりと距離をつめ、ナイフを振り上げる
オタク(あぁ...)
オタク(...終わりか)
委員長「ああぁあああああああ___ッづぁ!?」
死を覚悟したその時だった
どさり、と委員長がその場に倒れる
何だ、何が起きた?悪い夢でも見ているのか?
「ふぃー、やばくね?ま、死んでないっしょ?」
オタク「お前_____」
オタク「ビッチ...」
ギャル「ビッチじゃねーって!!」
そこには鉄のパイプを片手に憤慨する、あの金髪のギャルの姿があった
オタク「えと、すまん、気が動転してるらしい」
真顔でギャルをなだめながら、倒れた委員長を見る
オタク「....何したんだ?」
ギャル「いやさー、なんか帰り際に?アンタらなんか修羅場ってんじゃん?うっひょ楽しそーって写メってたわけ」
おい
ギャル「でもさ、さすがにヤバいじゃん?」
ギャル「だからちょっとだけ、痛いのしちゃった」
てへ、と舌を出しお茶目ぶる
オタク「...いや、まぁ...てか、助ける必要とか...」
ギャル「アンタから揚げくれたじゃん?」
オタク「いやお前が勝手に」
ギャル「気にしない気にしない!」
オタク「こら」
とりあえず、助かったようだ
オタク「.....ありがとな」
ギャル「へへ、困ったときはお互いってやつっしょ?」
オタク「...おう」
オタク「っと、警察に連絡...?いや、病院...?」
すっかりDQN男の事を忘れていた
だが、さすがに人も通る道だ、今頃病院にいるだろうと勝手に結論付けた
オタク「じゃあ警察だな」
ギャル「あっれ、アタシどうなんの?傷害罪とか?勘弁!!」
オタク「...大丈夫だろ、死んではないし...正当防衛になるだろ」
オタク「それに、もし罪になったとしても俺のせいだから」
オタク「俺がしたってことにできるだろ、たぶん」
ギャル「え?いーの?」
オタク「うん」
オタク「...終わったか」
ギャル「ぶっふ、なにその俺かっけぇみたいな顔」
オタク「うるせぇよ」
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その後、幼馴染とギャルと共に、俺達は警察へと行った
状況の説明や、事の顛末を話していったところ、当然俺達は正当防衛とされた
DQN男はというと、病院で治療後、すぐに退院した
だが、すっかり丸くなり今では優等生という...誰だお前状態であった
委員長はまだ高校生ということもあり、罪などは重くはならなかった
だが、自分のしたことの重大さに気付いたのか、俺や幼馴染に謝ると、すぐにどこかへ引っ越してしまった
ギャルは、相変わらず会う度に疲れる
から揚げが相当気に入ったらしい、太るぞと言ったら思いっきり叩かれた、痛い
そして幼馴染はというと
オタク「....」カタカタ
幼馴染「おっはー!!!」バターン
オタク「お前...人の部屋に入る時ぐらいノックしろよ」カチカチ
幼馴染「はぁ?別にいじゃない、もしかしてお楽しみだった?」プクク
オタク「...うるさい、出てけ」カタカタ
幼馴染「ひっど!それが彼女に言うセリフなの?」
オタク「そうだけど」
幼馴染「うっわー...ドン引き...」
オタク「嫌いになってもいいぞ」
幼馴染「...バカ」ベシッ
幼馴染「嫌いになるわけないでしょーが」
そういうと幼馴染はオタクに後ろから抱き着いた
幼馴染「いい?私は、アンタが好きなの、今までも、これからもね」
オタク「......」ピクッ
幼馴染「.....?」
オタク「すまん、興奮した」
幼馴染「キモすぎ」
オタク「.......」カタカタ
~終~
と、gdgdですが何とか終わりました...初SSで、書き溜めなしなので時間がかかりましたね
見ていただきありがとうございました!
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後半がクソandクソ