~食堂~
アルミン「エレンが相談だなんて珍しいね」
エレン「ああ……アルミンはいつもみんなの相談に乗ってるみたいだから遠慮してたんだけど、ひとりじゃ解決出来そうになくてさ……」
アルミン「確かによく(女性陣から主にエレンのことで)相談(という名の脅迫)は受けるけど、僕たちは親友じゃないか。遠慮なんかしないでよ」
エレン「すまねぇ。ここじゃなんだから部屋に戻ったら話すわ」
アルミン「うん、わかったよ」
ミカサ「……」
アニ「……」
クリスタ「……」
アルミン「それで、なんだい相談って?」
エレン「あー……そのだな。笑わないで聞いてくれよ?」
アルミン「うーん、話によるけど……とりあえず言ってみてよ」
エレン「……俺の自意識過剰だったらいいんだけどよ、俺、狙われてるかもしれない」
アルミン「」
エレン「アルミン?」
アルミン「っは!?危ない危ないまさか気付いてるとは思わなかったから一瞬意識が飛んじゃったよ……」
エレン「気付いてるって……アルミン知ってたのか!?」
アルミン「しまった!?あー……そのー……」
エレン「アルミンが気付いてて黙ってたってことは、やっぱり俺ひとりで解決したほうがいいのか……?」
アルミン「あ、いや、僕が口出しすることじゃないかなって思ってたし……エレンが自分で気がついてくれたなら、いくらでも力を貸すよ!」
エレン「アルミン……ありがとな!やっぱりお前は最高の親友だよ!」
アルミン「……それで、狙われてるってどうやって気がついたの?」
エレン「本格的に怪しいと思ったのは今朝だな」
アルミン「今朝?」
エレン「ああ、まだ夜明け前にだったんだけどさ……」
ゴソゴソ
エレン(……ん?なんだ……?)
クリスタ『……エレン……んちゅっ……ぷはぁ……ちゅっ、ちゅっ……』
エレン(……クリスタ?なにやってんだ……?なんかモゾモゾ……する……)
クリスタ『はぁ、はぁ……エレンがいけないんだよ……?こんな、ちゅっ、んあっ、無防備で、寝てるから……』
エレン(なんなんだ……?……駄目だ、ねみぃ……いや、流石に夢だよな……うん……)
クリスタ『……ちゃんと、印をつけておかないと……ね。エレン、エレン……はぁ……ちゅっ……』
エレン(……zzz)
エレン「で、朝起きたらやっぱりクリスタなんていなかったんだけど、なんか身体中べとべとするし、首んとこなんて痣になってるし……」
アルミン「oh……」
エレン「思い返せば、身体中べとべととか痣は今までも何回かあったから、犯人はクリスタだったのかなぁって」
アルミン「……それでクリスタに狙われてるって気付いたのかい?(ミカサ……アニ……)」
エレン「いや、クリスタだけじゃないな。アニもだ」
アルミン「!?あ、アニとは何があったの?」
エレン「あれは対人格闘術のときだな……」
エレン『へへっ、今日こそひと泡吹かせてやるぜっ!!』
アニ『……やれるもんならやってみなよ』
エレン『それじゃ、先に俺がならず者だな。行くぞっ!』ダッ
アニ『……ふっ!』ゲシッ
エレン『甘いっ!』サッ
アニ『……どっちが?』パシッグイッ
エレン『へ?うおぉ!?』ドサッ
アニ『ほら、これでおしまい』グッ
エレン(腕をとられたと思ったらいつの間にか倒されて首に腕をまわされてる!?訳がわかんねぇ!?)
アニ『……降参するかい?』クンカクンカハァハァ
エレン『まだだっ!へへっ、お前も息が上がってるぞ?力ずくで抜け出してやるっ!』グググ
アニ『……なら私は絞め続けるよ』スーハースーハーモフモフスーハー
エレン『お、おいアニ!あんまり耳元で喋んな!くすぐったくて力はいんねぇ!』
アニ『……へぇ?アンタにそんな弱点があったんだ』フゥー
エレン『おわぁっ!?やめろっつってんだろぉ!!』ジタバタ
\オ、オイミカサヤメロハナセウワー/
アニ『……ん』ヒョイ
エレン『(アニが離れた!?チャンs)うおっ!?』ドーン
ライナー『』チーン
エレン『イテテ……またライナーが降ってきたのか!?』
ミカサ『……何をしていたの……』ゴゴゴゴゴ
アニ『何って……こいつに絞め技を教えてただけさ』ゴゴゴゴゴ
エレン『教わるっつーか、技掛けられてただけだけどな』
ミカサ『あまり調子に乗らない方がいい。例えあなたでも、私は容赦しない』ゴゴゴゴゴ
アニ『容赦しないとどうなるっての?』ゴゴゴゴゴ
エレン『なにお前ら殺気立ってんだよ。落ち着け』
ミカサ『でもエレン……!エレン手怪我してる!?』
エレン『ん?あ、ホントだ。まぁこんなの舐めときゃ治るだろ』
ミカサ『わかった。舐めればいいのね』ペロペロ
エレン『うわっ!?やめろよ!お前は犬か!?』
アニ『……』
エレン「って感じだな。最近はほとんど絞め技ばっか使ってきやがる」
アルミン「あぁ、こっちはなんとなく想像がつくよ」
エレン「ミカサもミカサで毎回ライナー投げてくるしよ」
アルミン「はははっ。あれは理不尽だよねぇ」
エレン「それによくよく周りを見渡したら、なんかみんな遠巻きに俺を見ながらひそひそ喋ってるし、失くしたと思ってた俺の小物持ってる奴までいるしよ」
アルミン「……あぁ、うん、そうだね……(言えない!僕が横流ししてるなんて言えない……!)」
エレン「?……んで、こっからが本題なんだけど」
アルミン「そ、そうだね。なんだい?(正直贅沢な悩みだと思うけど、エレンも真剣に悩んでるみたいだし、親友として力になってあげなきゃね)」
エレン「俺なんで女子に嫌われてんだ?」
アルミン「うんうん…………は?」
エレン「いや、デリカシーないのは自覚してるんだけどさ、そんな嫌われるほどなんかしちまったのかなぁって」
アルミン(……!しまった!エレンは女性陣のいき過ぎた好意を、嫌がらせとして認識している……!)
エレン「直接言ってくれればいいのに、誰もなにも言わねぇし……どうすりゃいいかわかんねぇんだよ……」
アルミン(つまり!『狙われてる』とは言葉通り、嫌がらせの対象にされているという意味……!)
エレン「なぁ、アルミン。俺どうすればいいんだ?」
アルミン(……おかしいと思ったんだ。『自意識過剰』という言葉に惑わされたのか?……いや、違う……僕自身が目を逸らしたんだ。女子からの圧力に耐え切れず、エレンが気がついてくれればいいという都合のいい解釈をして……!なにが親友だ!わかってたじゃないか……エレンがそんなことに、気がつくわけがない……!)
エレン「アルミーン、おーい」
アルミン(別にさ、そこまで胃が弱いわけじゃないんだよ!ただどうしても鈍感な親友と肉食系女子との板挟みって状況はストレスを感じざるを得ないし、僕らの女神までもがそのハーレムに加わってるんじゃ血だって吐きたくなるよ!うらやま死するよ!)
エレン「アルミn」
アルミン「そもそも!!」
エレン「!?」
アルミン「エレンがはっきりしないのが悪いんだよ!!君はいったい誰が好きなんだ?!」
エレン「え?お前だけど?」
アルミン「えっ」キュン
おわる
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