モバP「幸子ォ!オラァ!」幸子「ひぃ…」 (93)
P「仕事に行くぞオラァ!」
幸子「ひっ、わ、わかったから大声……」
P 「ああ!?なんだって!?」
幸子「だ、だから……大声はびっくりす……」
P「ああ!!ごめんな幸子!!仕事行こうか!!」
幸子「ちょ、ちょっと!言ってること通じてるんですか!?」
P「ああ!!そうだった!!ごめん幸子!!!」
幸子「ちょっと!!!」
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仕事終了後
幸子「はぁ……」
P「お疲れ幸子」
幸子「ようやく普通の声量に戻りましたね」
P「悪いな、言われるまで意識してなかったからな」
幸子「その人相の悪さも相まってすごい怖かったですし……」
P「これは元々だよ!!!悪かったなァ!!」
幸子「ひっ!?」
P「あ、す、すまん幸子……声でかかったか?」
幸子「自分でわかってくださいよ!」
P「す、すまん……」
幸子「現場行ってきます!」スタスタ
P「………」
幸子「ああ、そうですね。次の撮影はこういう格好したいです」
スタッフ「はいはい了解ね。検討するよ」
幸子「ありがとうございます!」
P「ンンッ……あ、あの……幸子……事務所に……」
幸子「え、なんですか?」
P「あ、あの……事務所に帰ろう……」
幸子「も、もうちょっと大きい声で……あっ」
P「ご、ごめん幸子……スウ、幸子!!!!」
幸子「うわっ」キーン
P「事務所帰ろうか!!!」
スタッフ「うおお……」ヒ゛クッ
P「……あっ、す、すいません!!!驚かしてしまいましたか!!!」
スタッフ「そそそそそそんなことないででですよ?う、うん」
P「す、すすすいません!!!帰りますんで!!お疲れさまでした!!!」タ゛タ゛ッ
幸子「あ、あの!すいません!失礼します!!」
事務所
幸子「………」ムスッ
P「す、すまん幸子……本当に……」
幸子「大恥かきました!プロデューサーさんの声のせいで!」
P「ど、どうしたらいいんだろう……」
幸子「どうしようもないでしょう……」
P「ううっ……」
幸子「せめて声の大きさだけでも意識するようにしましょうよ」
P「そ、そうだな……頑張る……」
幸子「既にもう蚊の鳴くような声なんですけど……」
幸子「いちいち注意しないと普通の声量にならないなんておかしいです。癖ならちゃんとなおさないと」
P「それもそうだな……」
幸子「ボクみたいにカワイイ顔ででっかい声なら許されるでしょうけど」
幸子「プロデューサーさんみたいに人相が悪くて地の底から声が出るような低い声なんて怖すぎます」
P「……」
幸子「ボクもいちいちびっくりするのは疲れました!」
P「……すまん……」
幸子「なんとかしてきてください!明日オフなんですから、なにかしら出来るでしょう?」
P「わ、わかった……」
P「……ちょっと俺今日早めにあがりますね」
ちひろ「え?……ああ、はいはい」
P「お疲れさまでした……」カ゛チャッ
ちひろ「はいはーいお疲れー」
幸子「……ちひろさん」
ちひろ「どうしたの?」
幸子「なんで言ってることわかったんですか?ほとんど聞こえなかったんですけど」
ちひろ「ああ、まだ幸子ちゃんは新人だからわかんないと思うわ」
幸子「へ?」
ちひろ「あの人は元々気持ちがわかりやすいのよ。不器用なの」
幸子「自然にわかるっていうんですか?」
ちひろ「そうよ?」
ちひろ「別に、無理に察しろとは言わないわ」
ちひろ「プロデューサーさんのことを思って言ってあげてるのよね?」
幸子「そ、そうですけど……怖いじゃないですか?」
ちひろ「そりゃそうよ。あの人元々ヤンキーなんだし」
幸子「ヤンキーなんですか?!」
ちひろ「事務所が建って間もなくしてから社長が連れてきたのよ。すげーいやがって逃げようとしてたけど」
幸子「そ、そのときの名残で大声なんですね?」
ちひろ「いや、超小声よ」
幸子「は?」
ちひろ「元々コミュニケーションとるのが苦手だったからグレて始めたらしいわよ。」
幸子「た、確かに今でもコミュニケーションはとりづらいですけど……なんで大声に……」
ちひろ「社長が言ってたわ。『君の声は怖いがどこか優しさを感じる。大きな声で話してくれればみんな心を開いてくれるはずだ』って」
幸子「それからどうしたんですか?」
ちひろ「それから人が変わってみたいに猛特訓してたわ。アイドルの特訓以上に肺活量鍛えてた」
幸子「そ、それであんな大声に……」
ちひろ「本人もびっくりしてたわ」
幸子「……」
ちひろ「あれ?プロデューサーが帰ったってことは、今日仕事もうないんでしょ?そろそろ暗くなるから帰りなさい」
幸子「あ、は、はい……」
幸子「……ぼ、ボクは何か間違ってるんでしょうか……」
幸子「で、でも今日みたいな恥はかきたくないですし……」
幸子「ひ、一人でやらせるのも酷ですし……」
幸子「……ち、ちょっとだけ……ちょっとだけ……」スタスタ
幸子「今日は様子だけ見てみるだけですから……」タッタッタッ
P宅
P「あ……ああー……あああ!!!」
P「の、喉が……」
ヒ゜ンホ゜ーン
P「は、はい……」
P「ど、どちら様……」
幸子『ボクですよ!カワイイボクがきてあげました』
P「ど、どうしたんだ幸子……」
幸子『とりあえず中入れてくれます?』
P「わ、わかった……」
幸子「………」
P「あ、あの、どうしたんだ?もう夜更けだろ」
幸子「プロデューサーさん」
P「なんだ?」
幸子「一人でなんとかしろなんて、キツいこと言っちゃって、ごめんなさい……」
P「そ、そんな……幸子は謝らなくても……」
幸子「で、ですから、ボクも手伝ってあげます!」
P「へ?……な、なんで?」
幸子「か、可哀想なプロデューサーさんはきっと一人では音を上げてしまいます1だからカワイイボクがなんとかしてあげるんです!」
幸子「け、けじめのつもりなので!!決めましたんで!!」
P「そ、そうか……」
幸子「って、さっきから聞いてればもう声枯れてるじゃないですか。無理しすぎです!」
P「ごめん……」
幸子「だから今日はもう寝ましょう!」
P「え?」
幸子「布団はどこですか?」
P「お、お前帰らなくていいのか?」
幸子「どこにですか?」
P「は?」
幸子「ボクは女子寮に住んでるんですから親はもう関係ないです!布団はどこですか!?」
P「親の前に色々すっ飛ばしてる気がするんだけど…」
幸子「意味不明なこと言わないでください」
P「どこが意味不明だコラァ!!!!」
幸子「ひぅっ!」
P「あ、ご、ごめん…声、でかかったか?」
幸子「そういうところを意識してくださいよ!」
P「す、すまん……」
幸子「いいですか?少しだけ、少しだけ声を出すっていう意識でやってみてください」
P「わ、わかった!!!」
幸子「わかってない!!」
幸子「………あ」
P「どうした幸子」
幸子「お、お風呂まだ入ってなかったです」
P「そ、それは大変だな!!!自分の家に帰って入ってこい!!」
幸子「何を言ってるんですか」
P「は?」
幸子「お風呂入ってくるんで着替え貸してください」
P「は???」
幸子「そういうことですから!じゃ入ってきますね!」
P「……あ、あれ」
幸子「いいお湯でしたね!さっさと服を出してください!」
P「は、はい……」
幸子「プロデューサーさん。また小声ですよ」
P「ご、ごめ……」
幸子「……あ、わかりました。目を見て話してみてください」
P「え?」
幸子「下向いてますよ」
P「い、言われるとそうかも……」
幸子「10秒でいいから目を見て話してください」
P「わ、わかった……」
P「あ、あのな……」シ゛ッ
幸子「………」シ゛ッ
P「………」
幸子「………」
P「ギブ」
幸子「ギブ」
幸子「ごめんなさい……目逸らして……」
P「い、いや……」
幸子「でも、見てるときは普通の声でしたね」
P「そ、そうだったかも……」
幸子「これからは目を見て話しましょう」
P「そうは言っても……」
幸子「いいですね?」
P「……わかった……」
幸子「……やっぱり最初は10秒からにしましょうか……」
P「うん……」
幸子「今日はもう寝ましょうか!夜も遅いので!」
P「ま、マジでここに泊まるの……」
幸子「けじめなので」
P「そうか……」
P「布団、一組しかないんだけど……」
幸子「かまいません」
P「かまうわ!!!!!」
幸子「ひぅ…」
P「ご、ごめん……」
幸子「もういいですから……早く寝ましょう」
P「だから……一組しか……」
P「なんでこうなったの……」
幸子「一組しかないので」
P「意味わかんないです」
幸子「もう寝ましょう」
P「あ……うん……」
幸子「ちょっとは喉も休めないと」
P「……うん……」
翌朝
P「忘れてた」
幸子「何がですか」
P「幸子はまだ新人だから…この一週間くらいは仕事ないんだった」
幸子「……」ニヤリ
P「!?」ヒ゛クッ
幸子「仕方ないですねぇぇ!!ボクがちひろさんに事務所には来ないって連絡してあげますよ!!」
P「そ、そんな……」
幸子「いいですよね」
P「……そうだね……」
幸子「まず、どんなときに大きな声が出ちゃうか考えましょうか」
P「あ、あの……つい、カッとなったり……聞こえないって言われたら……ちゃんとしなきゃ……しなきゃって……」
幸子「……耳塞いでますから、ちょっとだけでっかい声出してみてください」
P「なんで……」
幸子「いいから!!出してください!!」
P「うるせぇ!!!!」
幸子「ひゃうう」
P「あ、ご、ごめ……」
幸子「なるほど……こういう感じですね。」
P「な、なにが……」
幸子「でっかい声を出されたら返しちゃうんですね。そこから直しましょう」
P「わ、わかった……」
幸子「そこで一つ、提案があります」
P「……なに?」
P「…なんで、ここ」
幸子「一度丁度いい声量を意識して出すことが大事です。気の持ちようなんですよ!」
P「でも……カラオケとか行ったことない……」
幸子「ないんですか!?可哀想なプロデューサーさんですね!ボクが連れてってあげます!」
P「い、いいのかな……」
幸子「いいんですよ!」
P「気が乗らないなぁ……」
幸子「も一度子供に戻ってみーたーいー♪」
幸子「……ふぅ、まぁこんなもんですよ」
P「幸子は歌が上手いなぁ!!!!」
幸子「……意識してくださいね」
P「ご、ごめん……」
P「じゃ、じゃあ……」ヒ゜ッヒ゜ッ
P「………」スゥゥ
P「チャーーーーラーーーー!!!!!ヘッチャラァァァァァ!!むーねーがばーちばーちするほどォォォ!!!」
幸子「ストーーーーーーーップ!!!」
幸子「全然言ってること聞いてないじゃないですか!!意識して声を小さくしてって言ったじゃないですか!」
P「ご、ごめん……ノッちゃって……」
幸子「……ふむふむ」サラサラ
P「幸子……それは?」
幸子「プロデューサーさんノートです。気づいたことを書いて、それを参考に対策を考えます」
P「さ、流石だなぁ……」
幸子「続けてください」
P「う、うん……」
フ゜ルルルルル
『終了五分前になりましたが、延長はしますか?』
幸子「いえ、いいです」
P「……」セ゛ーセ゛ー
幸子「さーて……もう夕方ですよ。帰りましょう」
P「う、うん……」
幸子「ささ!はやくはやく!」
P宅
幸子「ズバリ、プロデューサーさんは興奮する・緊張する・意識すると大胡が出ます!」
P「う、うん……」
幸子「なので対策を考えました」
P「ど、どんな……」
幸子「家の中だけで我慢することです」
P「……は?」
P「い、意味がわかんないんだけど…」
幸子「定期的に興奮すれば、外では普通の声量で喋れるんじゃないでしょうか」
P「う、ううん……どうかな……」
幸子「というわけでこれを借りてきました」
P「お……懐かしいな!!!コマンドーじゃないか!!!」
幸子「うぁぁ!?」
P「あ、ご、ごめん……」
幸子「そ、そうですよ!そうやって大声を出すんです!」
P「それ誰から……」
幸子「大和さんからです」
P「やっぱり……」
\テ゛ェェェェェェェン/
P「おおおおおおおおお!!」
幸子「………」キーン
P「はぁ……いつ見てもかっこいいな……」
幸子「ようやくおさまりましたね……」
P「あっ、ご、ごめ……」
幸子「もういいですから!明日が楽しみですね」
P「そ、そうか……これで普通の声量になるように意識すれば……」
幸子「そういうことです!というわけで寝ましょう!」
P「う、うん……」
幸子「そ、その前に…」
P「ん?」
幸子「リハビリですよ。10秒目を合わせて話してください」
P「わ、わかった……」
P「あ、あの……」
幸子「はい」
P「カ、カラオケ連れてってくれてありがとうな……」
幸子「は、はい……」
P「ギブ」
幸子「ギブ」
翌日 事務所
P「……」カ゛チャ
幸子「おはようございます!」
ちひろ「あれ?休むんじゃ……」
幸子「今日は少し実験にきたんです」
幸子「どうぞ!意識して!」
P「お、お、おはよう、ございます!」
ちひろ「まぁ!すごい!普通の人の声ですよ!」
P「本当ですか!!!!!!やったーー!!!!!」
ちひろ「………」キーン
幸子「………」キーン
P「あ、ご、ごめんなさい……」
幸子「……出直してきますね」
P「……」
ちひろ「……頑張ってね」
P「はい……」
P宅
P「………」ス゛ーン
幸子「そ、そんなに落ち込まなくても……まだ時間はあります!」
P「そうかな…そうだな……」
幸子「がんばりましょう!」
P「う、うん……」
幸子「さっき出来たところを見ると、意識すれば出来るみたいですね」
P「そ、そうだね……」
幸子「なので今日はご飯を食べに行きましょう」
P「な、なんで?」
幸子「ファストフード店で注文してきてください」
P「ええ……む、無理だよ……」
幸子「意識すれば出来るんです!」
P「わ、わかった……」
お店
店員「いらっしゃいませー!ご注文お伺いしまーす!」
P「……」
店員「お、お客様?」
P「は、はい!!」
店員「ご注文を……」
幸子「意識して!」
P「び、び、ビックマ◯クと!フィ、フィレオフィッシュを!ひとつ!」
店員「はーい、かしこまりました!お飲物はいかがなさいますか?」
P「え、えっと……」
幸子「ボクはオレンジジュースで」
P「お、俺は……ジンジャー!!ジンジャーで!!」
店員「わ、わかりましたぁ!この席の番号でお待ちくださーい!」タタタタ
P「……やった!注文出来た!」
幸子「意識して!」
P「やった。注文できた」
幸子「そうです」
幸子「美味しいですねこれ」
P「ああ……」モク゛モク゛
幸子「……」
P「……」
幸子「意識して外で喋るのも、練習なんですよ」
P「う、うん……」
P「今日は、い、いい天気だな」
幸子「澱んでるんですけど」
P「そ、そうだったな……」
幸子「……」
P宅
P「……」ス゛ーン
幸子「気を落とさないでください……」
P「無理だよぉ……もう俺には会話なんて……」
幸子「大丈夫ですよ……ボクがいるじゃないですか!」
P「さ、幸子……」
幸子「もっとちゃんと練習すれば、きっと普通になれます」
P「あ、ありがとう……幸子……」
幸子「その強面で泣かないでください……怖いです……」
P「………うん……」
幸子「今日はもう寝ましょう。明後日にはもう仕事あるんですから」
P「そ、そうだな……なんとかしよう……」
幸子「家の中でも意識しているようにしてくださいね」
P「わ、わかった」
幸子「それでいいです。ではリハビリのほうを」
P「う、うん」
P「きょ、今日で……ちょっと自信ついた気がする……」シ゛ッ
幸子「はい」
P「あ、ありがとうな……」
幸子「……はい」
P「……うん」
幸子「はい10秒です!」
P「段々慣れてきたよ」
幸子「店員さんにも目を合わせられましたしね」
P「ありがとう……幸子」
幸子「フフーン!どうぞ感謝してください!」
幸子「今日でわかったことがあります」
P「……何だ?」
幸子「ちゃんと目を合わせられるようになったのと、家の中である程度発散していれば、外では普通にいれることです」
P「……進歩、なのかな」
幸子「大きな進歩です!これで攻略点が見つかりました」
P「ほ、ほんとか!!!」
幸子「そうです!家の中で発散しておいて、外でちゃんと意識すればいいんです!」
P「おお!!!」
幸子「プロデューサーさん、意識」
P「おおー……」
幸子「感謝してくださいね!ボクに!このボクに!!」
P「あ、ありがとう幸子……」
幸子「教育費もらいたいくらいですよ!フフーン!」
P「調子乗んな幸子ォ!!!」
幸子「ひぅっ!」ヒ゛クッ
P「あ、ご、ごめん幸子……つい……」
幸子「だ、大丈夫です……大丈夫ですから……」ト゜キト゜キ
P「か、顔赤いぞ幸子…ごめん……」
幸子「だ、大丈夫ですから!」
P「あ、ああ……そうか……」
幸子「もう!さっさとお風呂入ってきてください!」
P「う、うん……」ハ゛タン
幸子「……はぁ」
翌日
幸子「もう明日で休みは終わりです!今日のうちになんとかしましょう!」
P「う、うん……」
幸子「意識!」
P「わ、わかった」
幸子「それでいいです」
P「今日はどこに行くんだ……?」
幸子「リラックスしたら、外で興奮することもないんじゃないかと!」
P「ほう」
幸子「というわけでマッサージしてあげます」
P「なるほど、色々わからない」
幸子「マッサージして外に出てみれば変わるかもしれないんです!マッサージしましょう!」
P「う、うん……」
幸子「じゃあ寝っ転がってくださいねー」
P「うん……」
幸子「あー、これは凝ってますね」モミモミ
P「あ゛ー……あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
幸子「逆効果でしたやめましょう」
幸子「やっぱり、外に繰り出すのが一番いいですね」
P「確かにそうだね……」
幸子「今日はどこがいいでしょう……」
P「……緊張した場合が、一番嫌だ」
幸子「ん?」
P「緊張して大声出しちゃうのが、一番嫌なんだ。直したい」
幸子「人通りの多いところで試してみますか?」
P「た、頼む」
幸子「だったら……あそこですね」
P「なんで……渋谷……」
幸子「洋服買いにいきます」
P「渋谷のチョイスの意味は……?」
幸子「服を見ているときに確実に話しかけられるからです。」
幸子「プロデューサーさんはどういう服が着たいんですか?」
P「ポロシャツが……好きかな……」
幸子「じゃあ、店員さんにそういえるように、探してるふりしてくださいね。ボクは遠くから見守ってますから」
P「こ、心細い……」
幸子「レッツゴーですよ!ほら!」
P「うう……」
P「………」ウロウロ
店員「何かお探しですかぁ?」
P「あ、あ、あの……」
店員「?」
P「ぽ、ポロシャツ!を!あっ……買いたいんですが」
店員「? ポロシャツならぁ、今年流行のものがありましてぇ……」
P「あわわわ……」
店員「どのようなポロシャツをお探しですかぁ?」
P「………白い……白いやつで、お願い、します!」
店員「でしたらこちらですねぇ。ごゆっくりどぉぞぉ」
P「……やった!あった!」
幸子「……あ、プロデューサーさん!」
P「へ?」
幸子「声!」
P「あ……ああ!」
P「こ、これ普通になってるか?」
幸子「なってます!カンペキですよ!」
幸子「もっとカンペキなボクのおかげですけどね!」
P「あ、ありがとう……幸子」
幸子「礼には及びません!」
P「じゃあもう帰ろうか」
幸子「なにいってるんですか?ボクの買い物もあるんですよ?」
P「えっ」
幸子「もうすっかり夜ですねぇ……」
P「うええ……」
幸子「それくらいの荷物、持てますよね!」
P「頑張れば……」
幸子「ほらほらー、遅いですよプロデューサーさん!」スタスタ
P「俺より嬉しそうにしやがって……」セ゛ェセ゛ェ
幸子「きゃあっ!」
不良「おいおい、夜の一人歩きは危ないよ?」
ヤンキー「俺たちが送っていってやるよ」
不良「俺んちまでとか」
ヤンキー「うまい!」
幸子「うまくないですよ!」
P「お、おい」
不良「ああ?」
P「や、やめろよ……」
ヤンキー「ビビってんのかよォ!」
不良「かっこつける度胸は認めてやるけどよぉ、相手選ぼうぜ?な?」
P「や、やめろって、言ってるだろ!」
不良「ああー?なんだって?聞こえねーよ」
ヤンキー「ビビってんじゃねぇよ!」
P(き、聞こえない?ちゃ、ちゃんとしないと……ちゃんと……)
P「……」スゥゥ
P「やめろって!!!!!!!言ってるだろ!!!!!」
不良「!?」キーン
ヤンキー「!?」キーン
P(あ、お腹ガラ空きだ)
P「オラァ!!!!」ト゛スット゛スッ
不良「おぶ、おぼろろろろ!!」
ヤンキー「ぐぼぇぇぇえええ!!」
P「あ、ご、ごめんなさい……やりすぎた……」
幸子「に、逃げましょうプロデューサーさん!」
幸子「はぁ……はぁ……」
P「はぁ……はぁ……」
幸子「なにやってるんですか!プロデューサーさんが危ない目にあったらどうするつもりですか!」
P「だ、だって……幸子……自分の心配も……」
幸子「だってって!ボクのプロデューサーさんが怪我したら……」
P「うるせぇ!!!!」
幸子「ひゃうっ!」
P「あ、ご、ごめん……」
幸子「それに……また戻っちゃったみたいですね」
P「あっ……」
幸子「どうするつもりですか……」
P「あ、あの……」
幸子「もう……とりあえず家に戻りましょう。落ち着きたいです」
P「う、うん……」
幸子「……」スタスタ
P「……」スタスタ
幸子「ありかどうございます」
P「へ?」
幸子「……」スタスタ
P宅
P「どうしよう……」
幸子「緊張による大声も、興奮するときに出す大声ももう大丈夫ですが、ついカッとすることだけは抑えられません」
P「うん……」
幸子「……そこでカッとするのも、興奮するのも抑える方法を閃きました」
P「ほ、ほんとか!?」
幸子「ええ、本当です」
P「お、教えてくれ!」
幸子「……」コ゛クッ
幸子「ボクに腹パンをすることです」
P「………うん」
幸子「………」
P「……なんで?」
幸子「興奮するでしょう?」
P「……あ、うん……」
幸子「試しにやってみてください」
P「え?」
幸子「ほら」
P「いや、ちょっと邪魔」
幸子「いいから」
P「よくない」
幸子「やってください!!!」
P「うるせぇ!!!」ト゛コ゛ォ
幸子「あ゛お゛っ」
P「……あっ」
P「ご、ごめん幸子……つい……」
幸子「ぁっ……んひぃぃぃ……」
P「それはどういう部類の声なんだ幸子……」
幸子「いいですから……早く……次を……」
P「いや、もう苦しそうだし……」
幸子「そんなことも出来ないなんて流石ヘタレですね!!」
P「ヘタレじゃねぇ!!」ト゛スッ
P「あ、ご、ごめ……」
幸子「んぃぃぃぃ♥︎きたぁぁぁぁぁぁん♥︎」
P「………」ムラッ
事務所
ちひろ「今日から幸子ちゃんも仕事行くんだけど……大丈夫かな……」
ちひろ「元々プロデューサーさんもすぐ手が出るタイプだし、逆ギレされてうんたらかんたらも……」
ちひろ「……あんな人に限ってそれはないか……」
カ゛チャ
P「あ、おはようございますちひろさん!」
幸子「おはようございます!」
ちひろ「おお……すごーい!プロデューサーさん!すごいじゃないですか!」
P「ははっ、そうですか?いや、新しい趣味を始めたら、すっかり直りました」
ちひろ「へー!人間ここまで変わるものなんですね!」
幸子「ボクのおかげですけどね!」
P「ああ、ほんとに幸子には感謝してる」
ちひろ「こんなに普通に喋れるプロデューサーさんが……涙出そう……」
P「よーし!じゃあ仕事いくかー!」
幸子「はい!」
仕事終わり
幸子「お疲れ様でしたー!」
P「お疲れ様でしたー!」
スタッフ「……雰囲気変わったな」
カメラマン「幸子ちゃんですか?」
スタッフ「いや、確かに彼女も変わったけどさ……プロデューサー、明るくなったなって」
カメラマン「新しく趣味を始めたんだそうで」
スタッフ「そうなのか?やっぱり、あそこまで変わるとは、自分に合った趣味を見つけたんだろうな」
P「さーて、今日も帰るか。幸子」ニコニコ
幸子「そうですね。プロデューサーさん♪」ニコニコ
終わり。終われ
誰のせいなんだろう。きっと誰のせいでもないんだろう。ありがとうございました。マジで見てくれた人に謝りたいです
このSSまとめへのコメント
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