花陽「ことりちゃんもニ゙ン゙ゲン゙ヤ゙メ゙ヂャ゙ッ゙ダノ゙ォ゙!?」 (19)

短いですがぽつぽつと

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 ・・・・ことり宅

ピンポーン

海未「ことりー?いないのですか?」

ガチャ

親鳥「あら、園田さん」

海未「おはようございます、理事長。ことりはいますか?」

親鳥「ことりならまだ部屋で寝てると思うわ。休みだからって気が抜けてるのね



海未「そうでしたか。あがってもいいですか?」

親鳥「ええ、お寝坊さんを叱ってあげて」

海未「任せて下さい。では、おじゃまします」

スタスタ

海未「まったく、ことりは……せっかくのデートなのに寝坊なんて……」ブツブツ

海未「ことりー?起きてますかー?」コンコン

「…………」

海未「返事がありません……寝ているようですね。ことり、開けますよ?」ガチャ

海未「ことり、早く起きて下さい!もう約束の時間はとっく……に……」


ある朝、グレゴール・ザムザが不安な夢からふと覚めてみると、
ベッドの中で自分の姿が一匹の、
とてつもなく大きな毒虫に変わってしまっているのに気がついた。

 変身 ―― 著 フランツ・カフカ ――

(・8・)「チュン?」

海未「と、鳥?どうしてこんなところに?ことりはペットを飼っていないはずで

すが……」

(・8・)「チュンチュン」

海未「いえ、そんなことより、ことりがいません。どこいったのでしょうか?」

(・8・)「チュンチュン!」

海未「変ですね、パジャマがベッドに脱ぎ散らかしたままです。はて……この鳥

は何故ことりのパジャマの中にいるのでしょうか?」

海未「はっ!?……いえ……そんなまさか……ありえません!この家のどこかに

いるはずです!」

海未「お風呂には……いないっ!トイレ……いないっ!まさか……すでに出かけ

てしまったのでしょうか?」

海未「靴は……ことりの靴は全て残っている……。つまり、そういうことなので

すか?」

(・8・)「チュン?」

海未「あなたが……ことりなのですね?」

(・8・)「チュン!」

海未「よく見るとこのトサカのあたりとか、ことりに似てる気がしてきました」

(・8・)「チュン」

海未「はぁ……まさかことりが小鳥になってしまうとは……悪い夢だと言ってほしいです。いったいどうすれば?」

ピンポーン

海未「ひっ!?」

花陽「お、おじゃましま~す、って海未ちゃん!?」

海未「花陽?どうしたのですか?」

花陽「えっと、ことりちゃんとデー……衣装作りのお手伝いをするって約束してて。海未ちゃんは?」

海未「私は、その、デー……いえ、買い物の約束をしてて」

花陽「ええぇぇ!? そ、それってことりちゃん……」

海未「ブッキングさせてたということでしょうか?ことり、どういうことですか?」

(・8・)「チュン!?」

花陽(海未ちゃんが鳥に話しかけてる……)

花陽「ところで、さっきから姿が見えないけど、ことりちゃんはお手洗いかな?」

海未「これです」っ(・8・)

花陽「…………」

(・8・)「…………」

花陽「…………はい?」

海未「ですから、これがことりです」っ(・8・)

花陽(どういうこと?試されてるの?ドッキリなの?)

海未「どういう訳か分からないのですが、どうやら鳥になってしまったようです」

花陽「あ……ありえない……デス」

海未「しかし、家のどこにもいないようですし、靴も残っていたので外出したとは思えません」

海未「さらに私がこの部屋に入った時には、パジャマに埋もれた小鳥が……」

花陽「じゃ、じゃあ本当にことりちゃんは……?」

海未「恐らくですが、寝ている間に鳥になってしまったと」

花陽「そんな……穂乃果ちゃんだけじゃなくて、ことりちゃんまで……」

花陽「ニ゙ン゙ゲン゙ヤ゙メ゙ヂャ゙ッ゙ダノ゙ォ゙!?」

花陽「ことりちゃん、どうやったら人間に戻れるのかな?」

海未「そうですね……。まずは原因が分からないことにはどうしようも……。そういえば、今の状況によく似た小説があったと思うのですが」

花陽「小説……ですか?」

海未「随分昔に読んだのであまり内容は覚えてないのですが、確かタイトルは――」

希「――『変身』。ドイツの小説家カフカの作品やね」

うみぱな「希(ちゃん)!?」

花陽「いつからそこに?」

希「丁度今来たところなんよ」

海未「フラッと立ち寄れる場所ではないのですが……」

希「まぁ、それは置いといて。その小説の主人公もな朝目覚めたら違う生き物になってたんよ」

花陽「その主人公は何に変身したの?」

海未「蟲です」

花陽「え゛!?」

希「はっきりとした正体はボヤかされてるけど、作中じゃ巨大な毒蟲って表現されてたはずや」

花陽「ことりちゃんが変身したのが鳥でよかったよぉ」

(・8・)「チュン!」

花陽「それで、その主人公はちゃんと人間に戻れたの!?」

海未「いえ、それが結局元の姿には戻れなかったのです」

希「巨大な毒蟲の姿のまま、じわりじわりと弱っていって、ひっそりと息絶えたんよ」

花陽「そ、そんなぁ!?ことりちゃんこのまま死んじゃうの!?」

(・8・)「チュチュン!?」

希「それは大丈夫やで」

海未「その主人公が弱っていった原因は、攻撃され傷を負ったことですので、本来何事もなければ生き長らえたのでしょう」

希「大きい蟲は流石に受け入れられなかったってことやね」

花陽「じゃあ、ことりちゃんは大丈夫なんだ!」

海未「ですが、結局元に戻る手法は分からないままでしたね」

花陽「うーーん……他のみんなに相談してみる?」

希「それは辞めといたほうが良さそうや」

海未「えぇ、穂乃果、凛、にこの三人に知られたら、絶っっ対面倒なことになります」

花陽「じゃあ、真姫ちゃんちの病院は?」

希「病院にオカルト持ち込んでも追い返されるのが目に見えてるよ」

海未「間違いなく正気を確認されたあと脳の心配をされますね」

花陽「なら絵里ちゃんなら」

希「えりちも最近ポンコツが露呈してるから、やめたほうがええよ」

花陽「じゃあどうすればいいの?ダレカタスケテー!」

(・8・)「チュンチュン」

海未「とにかく今日中になんとかしなければいけませんね。明日は月曜日ですし」

花陽「ことりちゃん、このまま元に戻らなかったら学校通えないもんね……」

希「この姿のままじゃスクールアイドルも続けれへんしな。早いとこ戻してあげんと、ことりちゃんとデートもできないわ……」

海未「はい?」

花陽「え?」

海未「ちょっと希、今何と言いました?」

希「ことりちゃんとデートもできないって――」

花陽「もしかして希ちゃんがことりちゃんの家に来た理由って……」

希「今日ことりちゃんとデートの約束しとったのに、待ち合わせの時間を過ぎても来ないから来てみたんよ?」

海未「待ってください、希!今日ことりとデートする約束してたのは私です!」

希「いやいや、そんな訳ないやん?ことりちゃんとうち付き合ってるんやし」

花陽「ちょっと待って!ことりちゃんと付き合ってるのは私です!!」

海未「二人とも何を言ってるんですか?ことりの恋人は私です!」

希「んー……ということは」

花陽「もしかして私達……」

海未「三股をかけられていた……?」

うみのぞぱな「ことり(ちゃん)!どういうこと!?」

(・8・)「チュン!?」バサバサ

希「あっ、窓から!」

花陽「飛んで逃げちゃった……」

海未「何をしているのですか、ふたりとも!早く追いかけてことりを捕まえますよ!」

・・・・・・

穂乃果「へっくち!!」

ことり「穂乃果ちゃん風邪?」オデコピター

穂乃果「ううん、穂乃果は元気いっぱいだよ!たぶん誰かが噂してるのかなぁ……。あ、ことりちゃんのその靴可愛いね、新しく買ったの?」

ことり「うん、昨日たまたま見つけて。今日は穂乃果ちゃんとのデートだから、奮発して買っちゃった♪」

穂乃果「も、もう、ことりちゃんったら♪」

穂乃果「ところで、ことりちゃん」

ことり「なぁに?穂乃果ちゃん」

穂乃果「ホントは今日用事あったんでしょ?ごめんね、穂乃果がことりちゃんとデートしたいなんて無理やり誘って」

ことり「ううん、大丈夫だよ!私も穂乃果ちゃんとデートしたかったもん」

穂乃果「ことりちゃん……」///

ことり「それに……」

穂乃果「それに?」

ことり「ちゃんとベッドに影武者置いてきたから大丈夫だよ♪」


 おわり

以上です。
あいも変わらず短いですが、読んでくれた方ありがとうございます。

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